製造業がSaaSを導入するメリットとは?選ぶ際のポイントも解説

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  • 人手不足を解消し、DXを推進するために、製造業でもSaaSの導入が必要とされている
  • 製造業にSaaSを導入することで、生産性の向上や業務の標準化、コスト削減が図れる
  • 製造業で活用できるSaaSには、生産管理システムや倉庫管理システムなどがある

人手不足の解消やDX推進を目的に、製造業においてもSaaSの導入が進められています。製造業にSaaSを導入することで、生産性の向上や属人化の解消も可能です。この記事では、製造業がSaaSを導入するメリットや選ぶ際のポイントなどを解説します。

目次

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  1. SaaSを活用して製造業の業務を効率化
  2. 製造業で活用できるSaaS
  3. 製造業がSaaSを導入するメリット
  4. 製造業がSaaSを選ぶ際のポイント
  5. 製造業におすすめのSaaS
  6. まとめ

SaaSを活用して製造業の業務を効率化

SaaSは、インターネット経由でソフトウェアを利用できるサービスです。ITインフラの整備やインストール不要で導入でき、インターネット環境があればどこからでもシステムにアクセスできるのが特徴です。

特に製造業では人手不足やDX、レジリエンス・グリーンデジタルへの対応を目的に、SaaS導入の必要性が高まっています。本記事では、製造業におけるSaaSの重要性や導入するメリット、注意点などを解説します。

SaaSとは?PaaSやIaaSとの違い、サービスの選び方も解説

SaaSとは、インターネット経由でソフトウェアを利用できるサービスを指します。コストを抑えて導入でき、どこからでもアクセス可能なのが特徴です。この記事では、SaaSのメリット・デメリットやPaaSやIaaSとの違い、SaaSの選び方などを解説します。

製造業にSaaSが必要な理由とは

長らく製造業は日本経済の成長を支えてきましたが、近年は人手不足や市場動向の複雑化を背景に、深刻な競争力の低下が懸念されています。これらの解決を図るには、SaaSの活用が欠かせません。

ここでは、製造業においてSaaS導入が必要といわれる理由を具体的に解説します。

人手不足が続いているため

経済産業省が発表した「2025年版 ものづくり白書」によると、国内の製造業就業者は2002年から2024年の間に約150万人以上も減少しています。特に34歳以下の若年層の製造業離れは顕著です。

つまり、現在の製造業は高齢層の従業員によって支えられている現状があり、今後は少子高齢化によって人手不足のさらなる加速化が懸念されます。少ない人員でも安定して事業を継続するために、SaaS導入による業務の自動化やナレッジの蓄積が急務となっています。

参考:2025年版 ものづくり白書|経済産業省

DXを推進するため

製造業におけるSaaS導入は、DX推進の面でも大きな意義があります。DXとは、デジタル技術を活用して、業務プロセスやビジネスモデルを根本的に変革する取り組みです。

一方で総務省「令和3年情報通信白書」では、DXの取組状況について製造業の57.2%が「実施していない、今後も予定なし」と回答する結果となりました。

DX推進は企業が競争優位性を保つうえで不可欠であり、対応の遅れは日本産業の衰退につながるとも指摘されています。特に製造業は日本産業の根幹をなす分野であることから、SaaSを活用しながら早急にDXを達成する必要があります。

参考:令和3年情報通信白書|総務省

レジリエンス・グリーン・デジタルに対応するため

「レジリエンス・グリーン・デジタル」とは、経済産業省の「2021年版ものづくり白書」内で提示された、これからの日本の製造業が生き残るための経営戦略の方針です。「レジリエンス」「グリーン」「デジタル」の3つを柱としています。

現在は予測困難なリスクが増大している「ニューノーマル(新常態)」の時代であり、今後、ビジネスの不確実性はさらに増すと予測されています。

その中で製造業が安定した事業成長を維持するには、SaaSや最新技術を活用しながら、さまざまな局面に柔軟に対応できる体制を整備しなければなりません。

レジリエンスサプライチェーンの強靭化
グリーンカーボンニュートラル実現に向けた取り組み
デジタルDXの取組拡大

参考:2021年版 ものづくり白書|経済産業省

参考:ものづくり基盤技術の現状と課題|経済産業省

バーティカルSaaSとホリゾンタルSaaS

SaaSには、特定の業界・業務に特化した「バーティカルSaaS」と、業界を問わず「ホリゾンタルSaaS」の2種類があります。このうち、製造業で特に注目されているのは「バーティカルSaaS」です。

バーティカルSaaSは、業界ごとに最適化された機能やサポートが充実しており、製造業においては、生産管理システムや倉庫管理システムなどが代表的です。これらの導入によって、製造業特有の課題を早期解決できる可能性が高いです。

一方でホリゾンタルSaaSには、経理や人事など業種・業界を問わない汎用性の高いシステムが含まれます。製造業において、バックオフィス業務など一般業務の効率化を希望する場合は、ホリゾンタルSaaSの導入を検討しましょう。

製造業で活用できるSaaS

製造業向けのSaaSとしては、生産管理・倉庫管理・在庫管理・品質管理などのシステムが代表的です。ここでは、それぞれの特徴を解説します。

生産管理システム

生産管理システムは、製造業におけるヒト・カネ・モノ・情報の流れを見える化し、生産プロセス全体を一元管理するツールです。製品を完成させて顧客に届けるまでの全工程を1つのシステムで管理し、業務の効率化や生産コストの削減を図ります。

具体的には、商品の在庫数や資材・部品の発注状況、工程の進捗が1カ所に集約されるため、担当者はシステムにアクセスするだけで、常に最新の生産状況が把握可能です。

製造業への導入により、紙ベースやExcelなどのアナログな管理作業から脱却しつつ、正確な納期・原価・品質管理を実現できます。

生産管理システムとは?メリットや選び方をわかりやすく解説

生産管理システムとは、生産・販売・原価など製造に関する情報を一元管理でき、課題を解決できるシステムです。業務の効率化や生産性の向上に期待でき、中小製造業でも導入している企業は多いです。本記事では、生産管理システムの主な機能やメリット、選び方のポイントを解説します。

倉庫管理システム

倉庫管理システムでは、入庫・出荷・在庫・工程進捗を一元管理できます。多くのシステムはバーコードの仕組みを活用しており、入出庫時に仕入れ品のラベルを読み取るだけで、倉庫に「いつ」「何が」「どれくらいの数」出入りしたのかが正確に記録されます。

さらに仕入れ品ごとの「保管場所」や「入出荷作業の進捗」も1つのシステム上で把握できるため、従来のような目視での確認や手動のピッキング作業は必要ありません。倉庫管理システムの導入により、少ない人員でも効率的な倉庫業務を実現できるでしょう。

さらに、常に最新の倉庫状況を把握できるため、生産リードタイムの短縮や廃棄ロスの削減など、製造業特有の課題解決にもつなげられます。

倉庫管理システム(WMS)とは?機能やメリット・デメリットを解説

倉庫管理システムは「WMS」とも呼ばれ、入出庫や在庫管理などをデジタル化して一元管理できるシステムです。本記事では、倉庫管理システムを知らない方や導入を検討している方のために、メリット・デメリットと機能、選び方を解説します。

在庫管理システム

在庫管理システムでは、入出荷時の記録データをもとに、商品や資材、部品が「いつ」「どこに」「どれだけ」保管されているかをリアルタイムに把握できます。数量に加えて、仕入れ品ごとの製造日・原料・消費期限を一元管理できるツールも少なくありません。

また、在庫管理システムによっては、取引先や工場からの部品の仕入れ状況や、出荷済みの商品の進捗・物流状況もまとめて可視化できます。その結果、サプライチェーン全体の動向がリアルタイムで把握でき、過剰在庫や在庫切れの防止にもつなげられます。

さらに、在庫状況から商品ごとの需要予測も立てやすくなるなど、製造業における経営戦略をさまざまな面から支援します。

在庫管理システムとは?機能や種類、メリット・デメリット解説

在庫管理システムとは、在庫情報や棚卸しなどの在庫管理に関するデータの管理ができるシステムです。本記事では、在庫管理システムをよく知らない・導入を検討している方に向けて、在庫管理システムのメリット・デメリットや選び方、さらにWebで自作できるのかを解説します。

品質管理システム

品質管理システムは、製造ラインの履歴や品質検査の結果を一元的に収集・管理し、商品の品質向上を支援するツールです。あらかじめ登録された品質基準に満たない商品を製造段階で検知するとともに、問題発生時には原因工程の迅速な特定を手助けします。

客観的根拠にもとづいた品質検査の実現により、不良品の出荷を未然に回避し、顧客満足度の向上にもつながります。特に人による品質検査を実施している製造業では、コストの大幅な節約や最適な人員配置を実現できるでしょう。

さらに、過去の品質データとの比較や統計的な分析も容易に行えるため、品質改善のPDCAサイクルを加速化できるのもメリットです。製造業がDXを推進するうえで欠かせないツールといえるでしょう。

製造業がSaaSを導入するメリット

製造業はアナログな管理や製造工程を続けていることが多く、結果としてさまざまな課題が生じているケースは少なくありません。しかしSaaSの導入により、このような製造業におけるさまざまな課題解決が見込めます。

ここでは、製造業がSasSを導入するメリットを解説します。

生産性を向上できる

生産性の向上は、製造業におけるSaaS導入の代表的なメリットです。例えば、生産管理システムや在庫管理システムの導入により、大半の定型業務の自動化を実現できます。

人的ミスを防止しつつ、人材を他の重要業務に投入できるため、人手不足の製造業でも安定した生産力の維持が可能です。また、あらゆるデータの一元管理により、常に最新の製造ラインの状況を正確に把握でき、的確な意思決定にもつなげられます。

業務を標準化できる

製造業では、豊富な経験やスキルを持つ人材に作業が属人化しやすいのも課題でした。特に製造業では人手不足のために業務ノウハウを共有するゆとりがなく、定年退職に伴って現場から作業ノウハウが失われるケースも少なくありません。

一方、生産管理システムや品質管理システムでは、あらかじめ設定した業務手順やルールにしたがって業務が自動化されます。つまり、経験豊富な人材のノウハウ・プロセスをシステム上で再現できるため、属人化の解消と業務の標準化を同時に進められます。

そのため、新人でも一定の業務水準を維持でき、人手不足の解消も図れるでしょう。特にSaaSでは、自動で最新機能の追加やアップデートが実施されるため、常に最新技術を活用しながら業務を最適化できるのも魅力です。

コスト削減に繋がる

SaaS導入は、ペーパーレス化によるコスト削減にもつながります。あらゆるデータをインターネット上で管理・連携できるため、紙での管理業務を削減し、紙代・印刷代・保管場所に加えて、電話やメールによる連絡コストも削減できるでしょう。

また、受発注や在庫管理の自動化を実現すれば、最小限の人員で正確な業務遂行が実現可能です。無駄な発注・在庫に加えて人件費も節約できるなど、さまざまな面から製造業におけるコスト削減を手助けします。

製造業がSaaSを選ぶ際のポイント

SaaSはやみくもに導入しても効果を感じにくいため、課題・予算に合ったツール選びや適切な運用体制の整備が重要です。ここでは、製造業がSaaSを選ぶ際のポイントについて解説します。

自社の課題や目的に合っているか

SaaS導入で起こりやすいのが、「とりあえず高機能なシステムを導入した」というケースです。高機能なシステムはサービスやサポートが充実している傾向にありますが、自社の要件に合っていなければ持て余す恐れが高く、導入コストの無駄にもつながりかねません。

このようなリスクを回避するには、まず自社の課題やSaaS導入の目的を明確にすることが大切です。「納期遅れが多い」「コストの無駄が発生している」など、特に課題が多い分野や工程を洗い出し、その解決につながる機能を備えているかを見極めましょう。

導入費用は予算に見合っているか

SaaSは低コストで導入できる場合が多いですが、一定程度の費用はかかります。また、契約し続ける限りはランニングコストがかかるため、中長期的な視点に立って予算に見合っているかを確認する必要があります。

具体的には、コストに見合った導入効果が得られるかを検討しましょう。最初から1つに絞り込むと費用対効果が把握しづらいため、複数のベンダーから見積もりを取り、最も費用対効果が高いと思われる製品を導入するのがおすすめです。

既存システムと連携できるか

SaaSの多くは外部システムとの連携できるため、自社ですでに運用しているシステムがある場合は、これらの連携に対応したSaaSを導入すると良いでしょう。既存システムとの連携により、データを最大限に活用でき、より広範な業務の自動化・効率化が見込めます。

また、既存システムと連携すると、SaaSに求める機能が最小限で済み、無駄なコストの節約にもつながります。なお、システム同士の相性によってはデータのクレンジングが必要になるため、連携の可否だけでなく具体的な連携方法も確認すべき事項です。

担当者が使いこなせるか

システムによっては、運用に高度な専門知識が求められる場合や、操作が複雑になる恐れがあります。そのため、実際に操作する担当者が使いこなせるかどうかも、SaaS導入における重要な選考基準です。

特に製造業では、工場や倉庫の現場スタッフが交代でシステムを操作するケースも少なくありません。初めての人でも戸惑わずに操作できるよう、シンプルで直感的に操作できるシステムの導入が望ましいでしょう。

操作性や使い心地は、実際に利用してみなければ判断できない部分もあるため、トライアルやデモを活用して試験運用するのもおすすめです。

サポート体制は充実しているか

特に初めてSaaSを導入する企業や、運用・操作に不安がある場合は、ベンダーのサポート体制にも注目しましょう。例えば、自社に合ったシステム設計や初期設定などの導入支援や、運用・操作方法をいつでも相談できる窓口を備えたベンダーが望ましいです。

また、SaaSではシステムメンテナンスやアップデートもベンダーが行いますが、実施頻度は製品によって差があります。基本的にこまめな回収・更新があるシステムほど常に最新の状態が保たれるため、これらの実施頻度も判断材料にしましょう。

製造業におすすめのSaaS

おすすめの生産管理システム

株式会社テクノア

TECHS-S

TECHS-S
出典:www.techs-s.com

株式会社テクノア

TECHS-S

正確な見積◎個別受注型製造業や中小企業におすすめ

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ここがおすすめ!

  • CADとExcelデータの取り込みに対応し、再入力による時間やミスを大幅に削減
  • 仕掛原価・完成予想原価がリアルタイムに把握できる「製番別原価グラフ」
  • 情報の見える化により社員のやる気向上にも効果的!
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ここが少し気になる…

  • 中小企業向けのシステムになるため、規模が大きな企業には不向き

株式会社テクノア

TECHS-BK

TECHS-BK
出典:www.techs-s.com

株式会社テクノア

TECHS-BK

部品加工業向け!売上まで一元管理したい方におすすめ

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ここがおすすめ!

  • 1つのシステムで受注から売上管理まで一元管理できる
  • 「バーコードハンディターミナル」に対応しており、進捗もリアルタイムで把握しやすい
  • 過去図面もサッと引き出せる「図面参照機能」を搭載
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ここが少し気になる…

  • 多品種かつ少量型の部品加工業向けのシステムなので、それ以外の業種や規模では扱いにくい

おすすめの倉庫管理システム

ロジスティードソリューションズ株式会社

物流センター管理システム(ONEsLOGI/WMS)

物流センター管理システム(ONEsLOGI/WMS)
出典:sol.logisteed.com

ロジスティードソリューションズ株式会社

物流センター管理システム(ONEsLOGI/WMS)

選べるプラン◎稼働後も手厚いサポートを受けたい方におすすめ

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ここがおすすめ!

  • 「ハンディターミナル」のレンタルがあり、1台から借りられる
  • Web API基盤経由で「基幹系システム」と連携が行え、より効果的に使える
  • 稼働後も専用ヘルプデスクによる手厚い支援を受けられる
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ここが少し気になる…

  • 返品機能は非搭載で、荷主や拠点を追加したい場合はオプション対応

おすすめの在庫管理システム

株式会社ZAICO

zaico

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出典:www.zaico.co.jp

株式会社ZAICO

zaico

4つのプランから選べる◎費用の無駄を省きたい方におすすめ

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ここがおすすめ!

  • 手軽に試せる「ミニマム」を用意
  • EC販売にぴったりな「フル」のほか4つのプランから選べて機能もお金も無駄なく使える
  • 「QRコード」に対応しており、スマホのカメラを向けるだけで素早くデータ表示できる
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ここが少し気になる…

  • 機能によっては利用できないプランがあり、EC販売をメインにしている方はフル以上のプラン契約が必要

まとめ

SaaSはインターネット経由でソフトウェアを利用できるサービスです。現在は人手不足や競争力低下を背景に、製造業においてもSaaS導入の重要性が高まっています。

製造業向けのSaaSには生産管理・倉庫管理・在庫管理・品質管理システムなどが代表的であり、導入によって生産性の向上や業務の標準化、無駄なコストの削減などが見込めます。

一方で、要件に合わないものや操作が複雑な製品は導入効果を感じにくいことから、課題や自社のITリソースに見合ったシステムの選定が望まれます。本記事を参考に、製造業でもSaaS導入を進め、業界特有の課題の解決につなげましょう。

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