電子契約に関する法律|電子契約ができない契約を交えて解説

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  • 電子契約は法的に有効だが、法的効力を持たせるための措置が必要
  • 電子契約に関する主な法律として、電子署名法やe-文書法、民法などがある
  • 法律に対応した電子契約書を作成するには、電子契約システムの利用が有効である

業務効率化に繋がる電子契約ですが、電子契約を進める上で理解し厳守しなければいけないのが、関係する法規定です。電子契約に関わる法律は、電子署名法やe-文書法などさまざまあります。本記事では、電子契約に関する法律や、電子契約ができない契約について解説します。

目次

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  1. 電子契約は法的に有効か
  2. 電子契約に関する主な法律
  3. 電子契約が認められない契約について定めている法律
  4. 電子契約を導入する際の注意点
  5. 効力のある電子契約書の作成には電子契約システムが有効
  6. まとめ

電子契約は法的に有効か

昨今のデジタル技術の進展により、契約書を電子データでやり取りする「電子契約」を導入する企業が増えています。そこで気になるのが、電子契約は法的に有効かどうかという点です。

電子契約に関しては法整備も進められており、「電子署名法」や「e-文書法」などの法律が制定されています。これらの法律は電子契約を導入する上で理解し、厳守する必要があり、これらの法令に則って運用されることにより、電子契約は法的に有効となります。

また、電子契約書には、法的に認証された電子署名やタイムスタンプの付与など、法的効力を持たせる仕組みも採用されています。本記事では、電子契約に関する法律や、電子契約ができない契約、注意点、電子契約システムの有効性などについて解説します。

電子契約に関する主な法律

電子契約を運用する場合に、遵守すべきいくつかの法律があります。ここでは、その主な法律として、「民法」や「電子署名法」「民事訴訟法」「電子帳簿保存法」「e-文書法」「IT書面一括法」「印紙税法」などの8つの法律に関して解説します。

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電子帳簿保存法

電子帳簿保存法とは、帳簿書類等のデータ保存に関する義務を定めた法律です。1998年に施行されて以降、デジタル化の進展に合わせて改正が行われており、現在では電子取引データの電子保存が義務化されています。

電子帳簿保存法では、電子データの「真実性」や「可視性」を確保するため、改ざん防止措置や検索機能の確保などが求められています。具体的には、タイムスタンプの付与や、訂正・削除履歴が残るシステムの利用や、事務処理規程の整備などの方法があります。

また、国税関係書類の保存期間は、基本的に7年間となっています。電子契約や電子取引を適切に運用するためには、電子帳簿保存法の要件を理解し、適切な保存体制を整えることが重要です。

参考:電子帳簿保存法の概要|国税庁

電子帳簿保存法とは?保存方法・要件や罰則などをわかりやすく解説

電子帳簿保存法とは、国税に関する帳簿や書類を電子データで保存することを認める法律です。本記事では、電子帳簿保存法の3つの保存方法と要件や、対応しなかった場合の罰則、電子帳簿保存法に対応したシステムの選び方などを解説しています。

電子署名法

電子署名法は2001年に施行された法律で、電子文書における電子署名の法的な効力や取り決めに関して規定されています。従来の書面の契約書で使用される署名・押印に代わる仕組みとして、電子契約では電子署名が使用されます。

電子署名法第3条では、「電磁的記録であって情報を表すために作成されたものは、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名が行われているときは、真正に成立したものと推定する」と規定されています。

この電磁的記録は電子データのことで、電子契約書のファイルを指し、これに電子署名が付与されていれば、その内容に合意して契約が成立したことになります。また、電子署名に法的効力を持たせるためには「本人性」や「非改ざん性」の要件を満たすことが必要です。

参考:電子署名法|e-Gov法令検索

e-文書法

e-文書法は、電子文書の取り扱いについて規定している法律であり、正式名称は「電子文書等の利用に関する法律」です。この法律は、電子文書の取引に関する基本原則や法的効力、電子署名、電子契約などに関する規定を含んでいます。

e-文書法では、電子データを適切に保存・管理するための要件として、「見読性(内容を確認できること)」や「完全性(改ざんされていないこと)」「機密性(不正アクセスや漏洩を防止できること)」「検索性(必要な文書を検索できること)」などが求められます。

これらの要件を満たすことで、契約書をはじめとした書類を電子データとして保存・管理できるようになります。e-文書法は電子契約に関する法的基盤を提供し、デジタル時代のビジネスや取引の信頼性と効率性を高める役割を果たしています。

参考:「厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令」の概要|厚生労働省

民法

民法は、社会生活における売買や賃貸などを含む財産、家族関係について制定している法律です。契約に関しては、民法522条に「契約方式の自由」が明記されており、契約の成立に必要な形式として、紙などの書面は必要ないという大原則が明文化されています。

この制定により、契約書は書面でなく、電子データで手続きを行っても、契約は成立するということが示されています。また、契約は当事者同士の合意によって成立し、合意の形成方法は問われません。

この契約方式自由の原則により、「取引基本契約」や「秘密保持契約」「売買契約」「業務委託契約」「請負契約」「雇用契約」など、多くの契約において電子契約が利用可能となっています。

参考:

参考:民法|e-Gov法令検索

民事訴訟法

民事訴訟法とは、個人や企業間で発生した民事上のトラブルについて、民事訴訟手続きに関する諸々の事項を規定している法律です。民事訴訟の進行方法や原則、当事者の権利や義務、証拠提出手続きなどが規定されており、契約書の証拠力にも関わっています。

民事訴訟法第228条には、「文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない。」と定められています。また、4項には「私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。」とあります。

つまり、契約書に署名または押印があれば、契約に合意したとみなされ契約書は有効とされます。電子契約においては、署名・押印に相当するものとして電子署名が利用されており、契約書の証拠力や信頼性を高めることにつながります。

参考:民事訴訟法|e-Gov法令検索

IT書面一括法

「IT書面一括法」というのは、独立した法律の名称ではなく、総務省・財務省・金融庁・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省がそれぞれ定めている法令をまとめたものを指します。

正式名称は、「書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律」となっています。内容としては、顧客が承諾したことを条件に、書面の代わりに電子メールなどの情報通信技術方法を用いた交付を認めた法律です。

参考:法律第百二十六号(平一二・一一・二七)|衆議院

印紙税法

印紙税法は、契約書や領収書などの一定の文書に対して、「印紙税」を課すことを定めた法律です。この「印紙税」とは、契約書などの文書中に記載のある金額に対して課税される税金です。

印紙税法3条より、印紙税法の課税対象は「課税文書」と規定されています。この「課税文書」とは、印紙税法44条より、「用紙」つまり「紙」であることが分かります。これにより、電子契約は紙ではありませんので、非課税で印紙が不要であることが判断できます。

参考:印紙税法|e-Gov法令検索

電子契約法

ECなどのオンラインサイトを通じて消費者が事業者から商品などを購入する場合には、時によって操作ミスなどにより発注を間違えるケースがあります。この消費者による誤発注については、「電子契約法」によって救済ルールが定められています

電子契約法3条では、消費者による電子消費者契約の申込み・承諾について、「送信時に契約締結の意思がなかった場合」や、「実際の意思とは異なる内容で意思表示を行った場合」には、一定条件のもとで取り消しが認められると定められています。

この特例により、電子消費者契約に関する消費者の操作ミスによる誤発注などについては、取り消しが認められやすくなっています。契約に関する消費者の操作ミスによる誤発注などについては、取り消しが認められやすくなっています

参考:電子契約法について – 経済産業省

電子契約が認められない契約について定めている法律

契約の中には、法律により電子契約が認められていないものもあります。ここでは、電子化が認められていない契約を定めた法律として「借地借家法」や「企業担保法」「任意後見契約に関する法律」の3点について解説します。

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電子契約が認められない契約を定めている法律

  1. 借地借家法
  2. 企業担保法
  3. 任意後見契約に関する法律

借地借家法

借地借家法は、土地や建物の賃貸借契約に関する規約を定めた法律です。借地借家法第23条によると、事業用定期借地契約には、「公正証書」によって締結される必要があると規定されています。

公正証書とは、公証人が法律に基づいて作成する公的な文書のことで、高い証拠力を持つ点が特徴です。事業用定期借地契約は公正証書による締結が必要なため、電子契約のみで完結することはできません。

事業用定期借地契約が書面で締結されることで、契約の内容や条件が明確に記録され、双方の当事者にとって法的な保護を提供するための証拠となります。

参考:借地借家法|e-Gov法令検索

参考:公証制度について|総務省

企業担保法

「企業担保法」とは、企業担保権について規定している法律です。企業担保権とは、株式会社が発行する社債を担保するために、会社の総財産を一体として担保に設定する権利を指します。

企業担保法第3条では、「企業担保権の設定又は変更を目的とする契約は、公正証書によってしなければならない。」と規定されており、公正証書・書面による締結が義務付けられています。

参考:企業担保法|e-Gov法令検索

任意後見契約に関する法律

「任意後見契約」は、判断能力が低下した場合に備え、将来における自身の意思決定を尊重しつつ、信頼できる人(後見人)との間で締結する契約です。この契約により、後見対象者の意思を尊重しつつ、その利益や生活の質を保護することができます。

後見対象者は、自身の判断能力が制限される可能性を考慮し、後見契約を締結します。この契約には、後見人の選定や任意後見制度の手続きに関する事項が含まれます。

任意後見契約に関する法律第3条では、「任意後見契約は、公正証書によってしなければならない」と規定されています。公正証書による締結が義務付けられているため、電子契約は認められていません。

参考:任意後見契約に関する法律|e-Gov法令検索

電子契約を導入する際の注意点

電子契約を導入する際は、相手方の同意や強固なセキュリティ対策が必要になる点に留意しましょう。これらを怠ると、適切な電子契約の運用が難しくなり、大きなリスクにつながる可能性もあります。

ここからは、電子契約を導入する際の注意点について解説します。

相手方の同意が必要

近年の法改正により、これまで書面契約が必要だった契約についても、電子化できるようになりました。ただし、契約は当事者同士の合意によって成立するため、相手に電子契約の内容について説明し、理解同意を得ることが重要です。

例えば、下請業者との間でも電子契約が増えていますが、「下請代金支払遅延等防止法施行令」により、電子的方法で書類を交付する際に相手方の同意が求められます。特定商取引法に基づく電子契約の場合も、契約条件などの変更は消費者の事前の同意が必要です。

なお、電子化が進んでいる契約分野でも、一部では紙の書面による契約が必要な場合があります。例えば、前述のように「借地借家法」に基づく事業用定期借地契約の場合は、従来どおりの書面による契約が必要となります。

参考:下請法|e-Gov法令検索

参考:特定商取引法等の契約書面等の電子化に関する検討会|消費者庁

参考:不動産取引時の書面が電子書面で提供できるようになります。~宅地建物取引業法施行規則の一部改正等を行いました~|国土交通省

強固なセキュリティ対策が必要

電子契約を導入する際は、契約書や取引情報などの機密データを適切に管理するために、セキュリティ対策の強化が求められます。セキュリティ対策が不十分な場合、情報漏洩や不正アクセスなどのリスクにつながる恐れがあります。

そのため、電子契約サービスを選ぶ際は、ユーザー権限設定やIPアドレス制限、多要素認証といったセキュリティ機能の有無を確認しましょう。また、ベンダーの情報管理体制や監査体制なども確認しておくことで、より安全に電子契約を運用しやすくなります。

効力のある電子契約書の作成には電子契約システムが有効

電子契約書の作成では、信頼性の高い電子契約システムを利用することで、契約書の証拠力や信頼性を高めやすいです。電子契約システムには、電子署名やタイムスタンプ、暗号化などの機能が備わっており、契約書の改ざんや不正アクセス対策につながります。

また、上記で解説した電子帳簿保存法や電子署名法などの各種法制度に対応したシステムも多く、法令違反などのリスクを回避して電子契約を運用しやすい点もメリットです。ここからは、電子契約システムを導入するメリットや選び方について解説します。

電子契約システムを導入するメリット

電子契約システム導入のメリットとしては、契約業務の効率化が挙げられます。電子契約システムの利用により、契約書の作成・送付・締結・保管までをオンライン上で行えため、契約業務を迅速かつ効率的に進められます。

また、電子契約に移行することで、紙の契約書に必要だった印刷費や郵送費、印紙税などのコストを削減できます。さらに、紙文書の管理や郵送作業にかかる手間も減らせるため、業務負担の軽減にもつながるでしょう。

電子契約システムの導入には費用がかかりますが、長期的に見ればコスト削減や業務効率化など、多くのメリットが期待できます。

電子契約システムとは?仕組みやメリット・デメリットを解説

電子契約システムとは、企業などが契約時に交わす署名や押印等の書類でのやり取りを電子上で行うことができるシステムです。この記事では、電子契約システムの仕組みや、メリット・デメリット、選び方や導入する際の注意点などを解説します。

おすすめの電子契約システム9選|選び方や導入手順を詳しく解説

電子契約システムとは、PDF形式の契約書にインターネット上で押印や署名をして契約締結できるシステムのことです。システムの導入をしたくても種類が多くてどれを選べば良いか分からない企業もあるでしょう。本記事では、おすすめの電子契約システムと選び方を解説しています。

電子契約システムの選び方

電子契約システムには多数の製品があるため、以下のようなポイントを確認し、自社に合ったものを選ぶ必要があります。

  1. タイムスタンプと電子署名の機能があるか
  2. 自社の利用規模に合った料金プランか
  3. SFAやCRMなど既存システムと連携できるか

特に、タイムスタンプと電子署名は電子契約において重要な機能であるため、必ず有無を確認しましょう。ほとんどのシステムに搭載されていますが、無料プランでは利用できないこともあります。

また、自社の利用規模を確認し、最適な料金プランを選ぶことも重要です。電子契約システムは契約件数によって月額が変わるケースが多いため、例えば月10件しか契約しないのに50件までのプランを選択すると、無駄なコストが発生してしまいます。

まとめ

電子契約は、デジタル技術の進化によって可能となった契約方法であり、法律的にも認知されています。「電子契約法」や「電子署名法」などが電子契約を法的に規定し、契約の有効性とセキュリティを確保しています。

そのため電子契約の有効性に注目し、移行する法人や組織が増えています。信頼性のある電子契約システムの選択や導入が効果的です。また、電子契約の実施に当たっては、関連する法律の遵守が重要となります。

電子契約を採用する場合には、自社の要件に見合う有効な電子契約システムを選択し、法律に準拠しながら効率的な電子契約プロセスを推進しましょう。

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