DXアセスメントとは|DX推進指標で成熟度を測る方法【2026年版】
Check!
- DXアセスメントの2つの意味と使い分けがわかる
- DX推進指標の測り方と2026年改訂の要点がわかる
- 人材向け診断の受け方と結果の生かし方がわかる
DXアセスメントとは、企業や人材のDXへの取り組み状況を、客観的な指標で測って現在地を把握する診断のことです。測る対象は大きく2つあり、会社全体の成熟度を測る診断(経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「DX推進指標」が代表例)と、社員一人ひとりのスキルを測るリテラシー診断に分かれます。本記事では、この2つの違いと使い分けから、DX推進指標での成熟度の測り方、2026年2月改訂のポイント、人材向け診断の受け方と対策、診断結果を改善計画につなげる手順までを解説します。DX推進指標だけでは見えにくい現場の受け止めを補う方法もあわせて紹介します。
自社に合うDXアセスメントの測り方を診断
Q1. いま知りたいのは、どちらですか?
おすすめ記事
目次
開く
閉じる
開く
閉じる
DXアセスメントの結果と現場の実感がずれるとき|経営側と現場の両方を測る
DXアセスメントで経営側の現在地がわかっても、現場の受け止めは別に測る必要があります。DX推進指標は、経営層と関係者が集まって自社の取り組みを自己評価する仕組みで、社員全体の声は含まれません。
現場の社員が変化をどう受け止めているか、部署ごとにどれだけ温度差があるかは、会議室での議論だけでは見えにくい部分です。社員へのアンケートでエンゲージメントや職場の状態を数字にする組織診断ツールを併用すると、DX推進指標で「人材」や「企業文化」の設問が低く出たとき、原因が制度の側にあるのか現場の受け止めにあるのかを切り分けやすくなります。代表的な3サービスを、向いている会社と確認しておきたい点で比べました(商品ページで確認した内容、2026年10月19日時点)。
現場の状態を測る組織診断ツール3サービスの役割の違い
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:Wevoxは、パルスサーベイで現場の状態を定期的に追い、1か月の無料トライアルから始められる点が特徴です。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:ラフールサーベイは、スコアの背景にある要因を分析し、専任担当の伴走で改善につなげやすい点が特徴です。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:ミキワメAI 適性検査は、性格分析を人材の適正配属に生かせる点が特徴です。DXスキルを測る診断ではありません。
資料を無料ダウンロード| サービス | Wevox |
ラフールサーベイ |
ミキワメAI 適性検査 |
|---|---|---|---|
| 向いている会社 | 初めて組織サーベイを導入し、月次などで現場の状態を手軽に追いたい会社 | すでにサーベイを実施していても、結果を施策に生かせていない会社。サポートの手厚さを求める会社 | 社員や採用候補者の性格特性を把握し、配属や育成の判断材料にしたい会社 |
| 特徴 | パルスサーベイで組織課題を可視化し、AIがサーベイ結果の読み解きを支援。1か月の無料トライアルがあり、最低利用人数・最低利用年数がない | 組織と従業員の状態を多角的に調査し、スコアの背景にある要因まで分析。専任のカスタマーサクセス担当が運用から改善まで伴走 | 性格分析に特化し、受検から分析・活用まで一貫して利用できる。カスタマーサクセスチームの支援がある |
| 注意したい点 | 高度な分析やセキュリティのオプションは別途契約が必要 | 組織課題の解決に効果的なオプションサービスは見積もりでの依頼 | 紙での受検や会場での受検には対応していない。DXの知識やスキルを測る診断ではない |
| 資料・詳細 |
3サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)
まとめて資料をダウンロード表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
DX推進指標で人材や企業文化の設問が低く出て、まず現場の受け止めを手軽に測りたい場合の一例が、株式会社アトラエのWevoxです。Wevoxは、さまざまなサーベイで従業員の状態や組織カルチャーを可視化し、エンゲージメントの高い組織づくりを支援するプラットフォームで、パルスサーベイで組織課題をタイムリーに把握できる点と、AIがサーベイ結果の読み解きを支援する点が特徴として紹介されています。1か月の無料トライアルがあり、最低利用人数や最低利用年数の定めがないとされています。一方、高度な分析やセキュリティのオプションは別途契約が必要です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社アトラエ
Wevox
株式会社アトラエ
Wevox
組織のパフォーマンスが向上!まずは導入したいあらゆる企業におすすめ
1人当たり300円/月~で気軽にサーベイを始められ、AIによるビッグデータを基にしたサポートと組織のコミュニケーション強化を図れるツールを選択するなら、Wevoxの導入がおすすめです。
評判・口コミを紹介
Wevoxが最も手軽に経営幹部へ意見を届けられるツールだと感じている従業員が多いように思います。直属の上司に相談しづらい、あるいは、どこに相談すればいいかわからないような悩みを伝えられることに加え、匿名であることにメリットを感じている従業員が多いようです。
導入事例(NECネッツエスアイ・サービス株式会社)|株式会社アトラエ
おすすめ!
- 1ヶ月の無料トライアルがあり、最低利用人数・最低利用年数なし、初期費用や契約の縛りもない
- 測定機能だけでなく「学習支援」や「活用支援」サービスも提供
- 充実した機能で使いやすく、金融や物流・飲食・ITなど、あらゆる業種・業界で導入ができる
気になる…
- 高度分析・セキュリティオプションなどは別途契約が必要
-
社員の満足度や不満ポイントを毎月認識できるので、納得度の高い福利厚生や不満が多い社内施策などリアルボイスを回収できる。さらに、毎月のポイント推移が見れるのでスコアが上がっているのか下がっているのかなど分析するのに便利。
-
サービスを導入したことで、これまで感覚に頼っていた組織の状態を定量的に可視化できるようになり、エンゲージメントの低下や離職リスクを早期に発見できるようになりました。スマホでも簡単に回答できるユーザーインターフェースで、回答率が高く、現場の声をリアルタイムで把握可能でした。グループ単位での分析やアドバイスコメントもあり、具体的な改善アクションにつなげやすい点を評価しています
-
当社では、この結果をもとに部署ごとにエンゲージメント指数をはかり、チーム単位でエンゲージメント指数をもっと上げていこう、というエンゲージメント活動をスタートしました。普段関わりの少ない他部署メンバーと交流する機会を作る等、このサービスを通して直接業務には関係なくとも仕事のモチベーションを上げるためにどうしたらいいか、と考える機会ができたことが大きなメリットだと思います。
「月1回のペースで、匿名の回答形式でサーベイを実施しています。」
出典:Wevox導入・活用事例(株式会社HRビジョン)
DXアセスメントとは|企業の成熟度診断と人材リテラシー診断の2つの意味
DXアセスメントとは、企業や人材のDXへの取り組み状況を、客観的な指標で評価・診断することです。アセスメント(Assessment)は「評価・査定」を意味する言葉で、DXの文脈では「自社や社員のDXがどの段階にあるかを把握する仕組み」を指します。ただし、同じ言葉で2つの異なるものが呼ばれているため、最初に整理しておきます。アセスメントという言葉そのものの意味や種類は、アセスメントの意味とは?種類・費用相場をわかりやすく解説で解説しています。
| 系統 | 診断対象 | 代表例 | 主な目的 |
|---|---|---|---|
| 企業の成熟度診断 | 会社・組織全体 | 経済産業省・IPA「DX推進指標」 | 経営層と現場の認識をそろえ、改善計画を立てる |
| 人材のリテラシー診断 | 社員個人・採用候補者 | 民間各社のDXリテラシー診断サービス | DX人材の発掘・育成計画・採用判断 |
人材のリテラシー診断は、IPAが示す「デジタルスキル標準」のように、個人に求められる知識やスキルの枠組みを土台に作られていることが多く、社員研修の受講対象を決めるときなどに使われます。一方、企業の成熟度診断は、会社としての方針・体制・仕組みを評価するもので、個人の点数ではありません。提供会社によって「DXアセスメント」「DXリテラシーアセスメント」「DX人材アセスメント」など名称が分かれているため、探すときは測る対象が会社か個人かを先に確認すると迷いません。
どちらか一方が正しいというものではなく、測れる範囲が違います。何をどの診断で測れるかを、対象別に整理すると次のとおりです。
| 測りたいもの | 主な測り方 | その方法だけでは測れないこと |
|---|---|---|
| 会社全体のDXの成熟度 | 経営層・IT部門・事業部門の自己評価(DX推進指標) | 現場の社員全体の受け止め |
| 現場の受け止め・組織の状態 | 社員へのアンケート(組織診断ツールのサーベイなど) | DXの戦略や仕組みが整っているか |
| 社員個人のDXスキル | DXリテラシー診断(デジタルスキル標準を土台にしたサービスなど) | 会社としての方針・体制 |
企業の成熟度診断で「人材の育成・確保」に課題があるとわかったら、次の段階として人材のリテラシー診断で個人単位のスキル分布を確認する、という順番が自然です。DXの基本的な考え方はDXとは?経産省の公式定義と業種別の始め方で解説しています。
人材のリテラシー診断で測る項目と使いどころ
人材向けのDXアセスメントの多くは、IPAが公開している「デジタルスキル標準」を評価の土台にしています。デジタルスキル標準は、すべてのビジネスパーソンを対象とする「DXリテラシー標準(DSS-L)」と、DXを推進する人材の役割やスキルを定める「DX推進スキル標準(DSS-P)」の2つで構成されています(IPA「デジタルスキル標準」)。IPAは2026年4月16日にデジタルスキル標準ver2.0を公開しています。
DXリテラシー標準は、DXの背景にあたるWhy、DXで活用されるデータ・技術にあたるWhat、データ・技術の利活用にあたるHow、そして新たな価値を生み出すための土台となるマインド・スタンスで構成されています(IPA「DXリテラシー標準(DSS-L)概要」)。DX推進スキル標準は、DXの推進に必要な役割をビジネスアーキテクト、デザイナー、データサイエンティスト、データマネジメント、ソフトウェアエンジニア、サイバーセキュリティの6つの類型に区分しています(IPA「DX推進スキル標準(DSS-P)概要」)。全社員向けの診断はDXリテラシー標準、DX推進役の選抜や育成にはDX推進スキル標準、と使い分けるのが基本です。
使いどころは大きく4つあります。1つ目は全社のスキル分布を把握する現状把握、2つ目はDX推進を担う候補者を選ぶ人材の選抜、3つ目は研修の前後で結果を比べる効果測定、4つ目は部署や階層ごとの弱点に合わせた育成計画の策定です。個人の診断結果は、評価や処遇に直結させると受検者が身構えて本来の実力が見えにくくなるため、まずは育成のための材料として扱うことを事前に伝えておくと、結果の信頼性が高まります。
人材向けDXアセスメントの受け方と対策
人材向けのDXアセスメントは、会社が目的と対象者を決めたうえでサービスを選び、受検して結果を研修計画に反映する流れが基本です。出題内容や所要時間、レポートの形式は提供会社ごとに異なるため、具体的な内容は受検の案内で確認します。一般的な流れは次のとおりです。
- 目的を決める(現状把握、DX推進役の選抜、研修の効果測定のどれか)
- 対象者と測る範囲を決める(全社員ならDXリテラシー標準、推進役ならDX推進スキル標準が土台)
- 提供会社を選び、出題の範囲と結果レポートの内容を確認する
- 対象者に、評価ではなく育成のための診断であることを伝えて受検してもらう
- 結果をもとに、受講する研修や配置の見直しを決め、一定期間後に再受検して変化を見る
受検する側の対策としては、出題が提供会社によって異なるため、特定の問題集を覚えるより、診断の土台になっている枠組みを一度読んでおくのが近道です。DXリテラシー標準の4つの観点(Why・What・How・マインド・スタンス)に目を通しておくと、設問の意図をつかみやすくなります。IPAは、DXリテラシー標準で求められる知識・スキルを身につけるのに情報処理技術者試験のうちITパスポート試験が特に有用、情報セキュリティマネジメント試験が有用としています(IPA「DXリテラシー標準(DSS-L)概要」)。会社側は、点数で社員を比べるのではなく、研修の対象を決める材料として使うと伝えておくと、受検者が構えずに回答できます。
診断結果を配置と育成に生かすとき
人材向けの診断は、スキルの高低を見るだけでなく、誰をどの役割に就けるかという配置の議論にもつながります。このとき、知識やスキルの診断と合わせて、本人の性格特性や価値観を把握しておくと、役割との相性を考える材料が増えます。DXスキルそのものを測る診断とは別に、性格分析で適正配属の材料を持つ場合の一例が、株式会社リーディングマークのミキワメAI 適性検査です。
ミキワメAI 適性検査は、性格分析に特化した適性検査で、受検から分析・活用まで一貫して利用でき、カスタマーサクセスチームによる支援があるとされています。結果を人材の適正配属に生かせる点が特徴です。ただし、DXの知識やスキルを測る診断ではないため、DXリテラシー診断の代わりにはなりません。DX人材の選抜では、スキル診断の結果に人柄や価値観の面を足す材料として位置づけるのが現実的です。紙や会場での受検には対応していない点にも注意が必要です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社リーディングマーク
ミキワメAI 適性検査
株式会社リーディングマーク
ミキワメAI 適性検査
従業員は無料で受検!低コストで採用ミスマッチを防止したい企業におすすめ
評価・口コミを紹介
以前は新卒採用者の50%にあたる人数が退職していたところ、ミキワメ導入から現在(2024年1月)まで新卒退職者がゼロになりました。導入前後の背景が異なるので、単純に数値を比較できないのですが、ミキワメのおかげで早期退職者が減ったのは紛れもない事実です。
導入事例(アサヒ物産株式会社)|株式会社リーディングマーク
おすすめ!
- 受検から分析・活用まで一貫したサービスを低コストで使える
- 性格分析に特化しているため、活躍する人材の適正配属を実現
- 充実したコンテンツと「カスタマーサクセスチーム」による丁寧な支援
気になる…
- 紙での受検や会場での受検には対応していない
「社員のタイプが可視化できただけでなく、職場には様々な社員がいるという認識が生まれ、相互理解が生まれ始めた。」
出典:ミキワメ導入事例(株式会社シーユーシー・ホスピス)
DX推進指標とは|経済産業省・IPAの無料自己診断ツール
DX推進指標は、経済産業省が2019年7月に取りまとめた、企業がDXの現状と課題を関係者で共有するための無料の自己診断指標です。経済産業省は、経営者や社内の関係者が認識を共有し、アクションにつなげるための「気付きの機会」を提供するものと位置づけています(経済産業省「『DX推進指標』を改訂しました」)。他社と点数を競うための試験ではない点が、民間の格付けや認証との大きな違いです。
指標は、設問ごとに自社の成熟度を選ぶ「定性指標」と、DXの成果を数値で把握する「定量指標」で構成されています。回答と提出は、IPAのWeb申請システム「DX推進ポータル」のWebフォームで行います。IPAは、2026年9月18日から提出方法がWebフォームに変わり、従来のExcelファイルによる提出受付は終了したと案内しています(IPA「DX推進指標のご案内」)。Excelの設問一覧は提出には使えませんが、社内共有用の資料として活用できます。
自己診断から提出までの流れ
- 設問一覧(社内共有用)を関係者に配り、事前に目を通してもらう
- 経営層、IT部門、事業部門の担当者を集め、各設問について現状のレベルを出し合う
- 評価が食い違った設問を中心に議論し、社内の共通認識をつくる
- DX推進ポータルのWebフォームから回答を入力して提出する
- 提出後に取得できるベンチマークレポートと自社の結果を比べ、優先的に取り組む課題を決める
ポイントは、担当者1人で記入を済ませないことです。同じ設問でも、経営層は「方針は示している」と考え、現場は「具体的な指示は届いていない」と感じている、ということは珍しくありません。こうした食い違いを表に出すこと自体が、この指標の大きな価値です。
IPAは、提出された自己診断結果をもとにベンチマークを作成しており、ベンチマークレポートは回答の提出後、5-10分ほどで取得できると案内しています。また、各企業の結果を総合的に分析した「DX推進指標 自己診断結果 分析レポート」を毎年公表しており、2026年8月時点の最新は2025年版です。規模別の傾向や先行企業の特徴が整理されているため、自社の結果を読み解く際の参考になります(IPA「DX推進指標 自己診断結果分析レポート」)。
成熟度レベルの考え方|自社はどこに位置するか
DX推進指標の成熟度はレベル0からレベル5の6段階で、2026年改訂版ではレベル0から4が「個社内の取組」、レベル5が「個社の取組を超え、社会価値を創出している水準」と整理されました。設問ごとに、自社の状態に最も近いレベルを選ぶ形式です。
| レベル | 改訂版での位置づけ | 読み方の目安 |
|---|---|---|
| レベル0から4 | 個社内の取組が行われている水準 | 数字が大きいほど、取り組みが部分的なものから全社的・継続的なものへ広がっている状態 |
| レベル5 | 個社の取組を超え、社会価値を創出している水準 | 自社の変革が業界や社会に波及している状態。DX銘柄などの先進企業が目指す水準 |
各レベルの具体的な判定基準は設問ごとに定められているため、必ず最新の自己診断の設問に書かれた記述を読んで選んでください。改訂前の資料や解説記事に載っているレベルの説明は、表現や区切り方が現行版と異なる場合があります。
結果を見るときに大切なのは、全設問の平均値だけで判断しないことです。平均が中位でも、特定の設問だけが極端に低い企業もあります。そのような「凹み」こそが、次に手を付けるべき課題です。また、レベルは高ければ良いというものでもありません。自社の事業規模や戦略に照らして、どこまで上げる必要があるかという目標レベルを、あわせて設定しておきましょう。
凹みが「人材」や「企業文化」に関わる設問に出たときは、経営層と関係者の自己評価だけで原因を決めず、社員の受け止めを数字で確認すると判断を誤りにくくなります。月1回程度の短いサーベイで現場の状態を追っておけば、次の自己診断で評価の根拠として使えます。
2026年2月改訂のポイント|デジタルガバナンス・コード3.0に対応
2026年2月の改訂では、設問の構成と成熟度レベルが「デジタルガバナンス・コード3.0」に基づいて見直され、2026年4月3日から新指標による自己診断結果の提出受付が始まりました。経済産業省とIPAは2025年1月に「企業DXを推進する指標の在り方に関する検討会」を立ち上げ、その議論を踏まえて改訂しています。
| 項目 | 改訂前 | 2026年改訂版 |
|---|---|---|
| 定性指標の構成 | 「経営」と「ITシステム」の2つの観点 | デジタルガバナンス・コード3.0の認定基準と「望ましい方向性」に基づく構成 |
| 成熟度レベル | レベル0から5の6段階 | 6段階は維持しつつ、レベル0から4を個社内の取組、レベル5を社会価値の創出と再定義 |
| 定量指標 | 従来の設問分類 | デジタルガバナンス・コード3.0の「5つの柱」に基づいて分類を見直し |
| 重視される要素 | 経営とITの両輪 | データ活用・連携、デジタル人材の育成・確保、サイバーセキュリティなどを取り入れた構成 |
出典:経済産業省「『DX推進指標』を改訂しました」、IPA「改訂した『DX推進指標』による自己診断結果の提出を2026年4月3日(金曜日)から受け付けます」(いずれも2026年2月13日公表)
デジタルガバナンス・コード3.0は、DX経営に求められる対応を「3つの視点・5つの柱」として整理したものです。5つの柱は、経営ビジョン・ビジネスモデルの策定、DX戦略の策定、DX戦略の推進(組織づくり・人材・企業文化、ITシステム・サイバーセキュリティ)、成果指標の設定・DX戦略の見直し、ステークホルダーとの対話で構成されています(経済産業省「デジタルガバナンス・コード」)。改訂版で自己診断をすると、このコードのどの柱が弱いかが見えやすくなります。
経済産業省は、各設問のレベルを上げていくことでDX銘柄やDXセレクションといった先進企業を目指せる構造にしたと説明しています。つまり改訂版は、現状把握のツールであると同時に、「次に何をすれば一段上がるか」を示す道しるべの役割も持つようになりました。これから初めて自己診断をする企業は、改訂版の設問で回答するのが基本です。その後、2026年9月18日に提出方法がWebフォームへ移っているため、手順は最新のIPAの案内で確認してください。
他の成熟度評価フレームワーク(COBIT・CMMI)との違い
成熟度を段階で評価する考え方はDX推進指標に限らず、ITガバナンスのCOBITや、業務プロセス改善のCMMIでも使われています。違いは「何を評価するか」にあります。
| フレームワーク | 主な評価対象 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| DX推進指標 | 経営戦略、組織、ITを含む企業全体のDXの取り組み | 経営層と現場でDXの現在地をそろえたいとき。無料で使え、日本企業のベンチマークがある |
| COBIT | IT部門のガバナンスと管理プロセス | IT統制や監査の観点で、IT管理の仕組みを点検したいとき |
| CMMI | 開発・サービス提供などの業務プロセスの成熟度 | ソフトウェア開発などで、プロセスの標準化と品質の安定を図りたいとき |
COBITやCMMIは国際的に使われている枠組みですが、評価の対象がIT部門や特定の業務プロセスに寄っているため、「会社としてDXをどこまで進めているか」を測る目的では範囲が狭くなります。まずDX推進指標で全体像を把握し、IT管理や開発プロセスに課題が見つかった場合に、これらの枠組みで深掘りするという使い分けが現実的です。どの枠組みを使っても、数字を出すことより、関係者で結果を共有して次の行動を決めることが大切だという点は変わりません。
診断の進め方|経営層と現場を巻き込む体制
自己診断の質は、誰が参加するかで大きく変わります。経営層、IT部門、事業部門の3者が同じ場で評価をすり合わせる体制をつくることが、DXアセスメントを形だけで終わらせないための条件です。
| 参加者 | 主な役割 | 事前に準備しておきたいこと |
|---|---|---|
| 経営層 | ビジョン・戦略・投資判断に関する設問を評価し、目標レベルを決める | 中期経営計画やDX方針の文書 |
| IT部門 | システム、データ基盤、セキュリティに関する設問を評価する | システム一覧、保守費用の内訳、セキュリティ対策の状況 |
| 事業部門 | 現場での活用度や業務の変化を評価し、経営とITの評価を検証する | デジタル化した業務と、紙や手作業が残る業務の洗い出し |
| 事務局(推進担当) | 日程調整、議論の記録、結果の提出と社内共有 | 前回結果(2回目以降)と改訂内容の要点 |
進め方としては、まず各自が個別に仮の評価を記入し、その後に全員で集まって差が大きい設問だけを議論すると、限られた時間でも密度の濃い話し合いになります。最初から全員で1問ずつ議論すると、発言力の強い人の評価に引っ張られがちです。
ただし、この場に参加するのは各部門の代表者です。代表者の感覚が、部門の社員全体の感覚と一致しているとは限りません。「うちの部署はデジタル化に前向きだ」という評価が、実際には一部の社員の声だったというケースもあります。自己診断の議論で評価が割れた設問や、人材・企業文化に関わる設問については、社員アンケートで裏付けを取ると判断の精度が上がります。組織全体の状態を部署別・階層別に測るなら、組織診断ツールを使うと集計や分析の手間を抑えられます。
すでにサーベイを実施していても、結果を施策に生かせていない場合に向くのが、株式会社ラフールのラフールサーベイです。
ラフールサーベイは、組織と従業員の状態を多角的に調査し、スコアの背景にある要因まで分析できる組織改善ツールとして紹介されています。結果から組織の良い点と課題を整理して改善のヒントを示すフィードバック機能があり、専任のカスタマーサクセス担当が運用から改善まで伴走するとされています。ショートサーベイ(パルス型)で状態の変化を追い、ディープサーベイ(センサス型)で課題を深掘りするという使い分けもできます。一方、組織課題の解決に効果的なオプションサービスは見積もりでの依頼になります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
企業に関わる人すべてが身体的・精神的・社会的に満ち足りた状態を実現し、従業員のセルフマネジメントを促進するなら、ラフールサーベイの導入がおすすめです。
評判・口コミを紹介
「ショートサーベイ」で把握できる、メンタル・フィジカル・エンゲージメントの結果をもとに、気になる点数が出ている時、振れ幅が大きい時などに、社員に声をかけたり、面談を行うようにしています。
悪化する前に未然に対応できるようになったことは大きな利点です。
活用事例(株式会社平山組)|株式会社ラフール
おすすめ!
- 専任担当による、徹底的なサポートを受けられる
- 組織の状態を可視化するための設問を網羅し、強みと課題の発見につながる
- 従業員設定や実施プランの自動作成など、簡単に導入や運用が行える
気になる…
- 組織課題解決に効果的なオプションサービスは見積もりで依頼
「半年に1回のディープサーベイと月1回のショートサーベイを実施しています。」
出典:ラフールサーベイ活用事例(日本プラスト株式会社)
ここまでの手順を、自社の今のやり方に当てはめて確認してみてください。
DXアセスメントの進め方、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
診断結果をどう改善計画に反映するか
自己診断は実施して終わりではなく、「ギャップの可視化」「優先課題の絞り込み」「短期計画への落とし込み」「再診断」のサイクルで回すことで、はじめて改善につながります。
現状レベルと目標レベルの差を一覧にする
設問ごとに現状レベルと目標レベルを並べ、差の大きい順に並べ替えます。差が大きい設問ほど改善余地が大きい領域です。提出後に得られるベンチマークと比べて、同規模の企業よりも明らかに低い設問があれば、そこも優先候補に加えます。
優先課題を3つ程度に絞り、短期の行動計画にする
すべての設問を一度に底上げしようとすると、どれも中途半端になります。事業への影響が大きく、かつ着手しやすい課題を3つ程度に絞り、担当者と期限を決めた3か月程度の行動計画に落とし込むと、実行に移しやすくなります。計画の進み具合は、DX推進指標の定量指標を使って追うと、次回の自己診断ともつながります。進め方全体の流れはDX推進の進め方|6ステップのロードマップも参考にしてください。
よくある失敗と改善後の姿
自己診断の使い方で差が出やすいポイントを、切り替えて比べてみてください。
- 担当者が1人でフォーマットを埋めて提出する
- 全設問の平均レベルだけを経営会議に報告する
- 低い設問すべてに改善策を並べ、どれも進まない
- 1回診断して終わり、次の年は実施しない
改善計画の中で「人材」や「企業文化」に関わる施策を進める場合は、施策の前後で社員の受け止めがどう変わったかを測っておくと、次の自己診断で評価を上げる根拠にもなります。経営側の指標と現場側の指標を両方持っておくことが、計画を途中で見直すときの判断材料になります。スコアの背景にある要因まで分析できるサーベイを使えば、施策の優先順位をつけるときの根拠も残せます。
よくある質問(FAQ)
Q1. DXアセスメントとは何ですか?
A. 企業や人材のDXへの取り組み状況を、客観的な指標で測って現在地を把握する診断です。会社全体の成熟度を測る診断(経済産業省とIPAの「DX推進指標」が代表例)と、社員のスキルを測るリテラシー診断の2種類があり、測る対象が違います。
Q2. DXアセスメントの対策は何をすればよいですか?
A. 会社向けのDX推進指標では、設問を事前に社内で共有し、経営層・IT部門・事業部門で評価をすり合わせておくことが対策になります。人材向けの診断は出題が提供会社ごとに異なるため、受検の案内を確認したうえで、診断の土台になるDXリテラシー標準の4つの観点に目を通しておくと設問の意図をつかみやすくなります。IPAは、ITパスポート試験がDXリテラシー標準の習得に特に有用としています。
Q3. DXリテラシーアセスメントとは何ですか?
A. 社員個人のDXに関する知識やスキル、姿勢を測る診断です。IPAのデジタルスキル標準のうち、全ビジネスパーソン向けのDXリテラシー標準を土台にしたサービスが多く見られます。会社全体の方針や体制を評価するDX推進指標とは、測る対象が異なります。
Q4. DX推進指標は無料で使えますか?提出方法は?
A. 無料で使えます。2026年9月18日から、回答と提出はIPAのDX推進ポータルのWebフォームで行う形に変わり、Excelによる提出受付は終了しました。提出後、5-10分ほどでベンチマークレポートを取得できます。民間企業による有償の診断サービスもありますが、まずは公的な無料ツールで現状を把握するところから始めるのが一般的です。
Q5. 2026年の改訂で何が変わりましたか?
A. 設問と成熟度レベルがデジタルガバナンス・コード3.0に基づいて見直されました。成熟度はレベル0から4が個社内の取組、レベル5が社会価値を創出している水準と整理され、データ活用・連携、デジタル人材の育成・確保、サイバーセキュリティなどを取り入れた構成になっています。新指標による提出受付は2026年4月3日から始まりました。
Q6. DX推進指標で人材や企業文化の評価が低かった場合、何をすればよいですか?
A. まず、低く出た原因が制度や計画の不足なのか、現場の受け止めにあるのかを切り分けることが大切です。DX推進指標は経営層と関係者の自己評価のため、社員全体の状態までは測れません。組織診断ツールで部署別・階層別の状態を測り、両方の結果を照らし合わせると、改善策を的確に選びやすくなります。
まとめ|DXアセスメントで今日からできること
DXアセスメントは、感覚で語られがちなDXの進み具合を、共通の物差しで見える化する取り組みです。会社全体を測るDX推進指標と、社員個人を測るリテラシー診断では測れる範囲が違うため、まず何を測りたいかを決めることが出発点になります。最後に、今日から始められることを整理します。
- 測りたい対象(会社全体か、社員個人か)を決める
- DX推進指標の設問一覧を関係者に配り、DX推進ポータルのWebフォームで回答・提出する準備をする
- 経営層、IT部門、事業部門の3者で評価をすり合わせる場を設ける
- 人材や企業文化に関わる課題は、組織診断ツールの資料を取り寄せ、現場の状態も測れるか検討する
- 目標との差が大きい設問から優先課題を3つ程度に絞り、短期の行動計画にする
自己診断の結果は、DX認定制度などの申請準備にも役立ちます。制度の違いはDX認定・DX補助金・DX加算・DX検定の4制度を1枚で整理で確認できます。
参考文献
- 経済産業省「『DX推進指標』を改訂しました」2026年2月13日、https://www.meti.go.jp/press/2025/02/20260213001/20260213001.html
- 経済産業省「DX推進指標(DXの取組状況を診断する自己診断ツール)」、https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-shihyo.html
- 独立行政法人情報処理推進機構「改訂した『DX推進指標』による自己診断結果の提出を2026年4月3日(金曜日)から受け付けます」2026年2月13日、https://www.ipa.go.jp/pressrelease/2025/press20260213.html
- 独立行政法人情報処理推進機構「DX推進指標のご案内」2026年9月18日更新、https://www.ipa.go.jp/digital/dx-suishin/about.html
- 独立行政法人情報処理推進機構「DX推進ポータルの利用方法」、https://www.ipa.go.jp/digital/dx/dx-suishin-portal.html
- 独立行政法人情報処理推進機構「DX推進指標 自己診断結果分析レポート」、https://www.ipa.go.jp/digital/dx-suishin/bunseki-report.html
- 経済産業省「デジタルガバナンス・コード」、https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc.html
- 独立行政法人情報処理推進機構「デジタルスキル標準」、https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/dss/index.html
- 独立行政法人情報処理推進機構「DXリテラシー標準(DSS-L)概要」、https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/dss/about_dss-l.html
- 独立行政法人情報処理推進機構「DX推進スキル標準(DSS-P)概要」、https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/dss/about_dss-p.html
