SaaSの代表例|分野別に整理

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  • SaaSの分野別代表例がわかる
  • PaaS・IaaSとの対比とVertical SaaSの具体例がわかる
  • 自社に合うSaaSを探す3つの軸がわかる

SaaSの代表例を挙げようとしても、業務領域が幅広いため、どこから整理すればよいか迷うことがあります。分野ごとに整理し、PaaS・IaaSとの対比も踏まえると、全体像がつかみやすくなります。本記事では、SaaSの代表例を分野別の具体サービスとPaaS・IaaSの実例まで整理します。業務ツール単位でより詳しく具体例を知りたい場合はSaaSの具体例の記事、マルチテナントとシングルテナントなどSaaSの型そのものを詳しく知りたい場合はSaaSの型と具体例の記事もあわせてご覧ください。

目次

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  1. SaaSの代表例を分野別に整理
  2. PaaS・IaaSの具体例との対比
  3. 業種特化(Vertical SaaS)の具体例
  4. 自社に合うSaaSを探すコツ
  5. 業界別に見るVertical SaaSの活用実態
  6. SaaS選定でよくある失敗パターン3つ
  7. PaaS・IaaSの具体的なサービス例
  8. SaaS導入時に確認したいセキュリティとデータ管理の観点
  9. 複数SaaSを併用する際に起こりやすい管理課題
  10. SaaS導入の一般的な進め方
  11. SaaSの料金体系を比較する際の考え方
  12. よくある質問(FAQ)
  13. まとめ|今日からできる3つのこと

SaaSの代表例を分野別に整理

CRM、会計、コミュニケーション、人事労務、プロジェクト管理など、SaaSは10前後の業務領域に整理できます。総務省の調査によれば、日本企業のクラウド利用率は2024年時点で80.6%に達し、業務領域を問わずSaaSが広く浸透していることが分かります。

業務領域 主な用途
CRM 顧客管理・商談履歴
会計 記帳・請求書発行
コミュニケーション 社内共有・共同作業
人事労務 勤怠・給与管理
図1:SaaSの代表的な業務領域

PaaS・IaaSの具体例との対比

NISTの3層モデルに基づくと、SaaSは完成したアプリケーションの利用のみで済み、IaaSは基盤部分から自社で管理する必要があるという違いがあります。PaaSはその中間で、開発・実行基盤が提供され、アプリケーションの開発は利用者側が担います。

業種特化(Vertical SaaS)の具体例

医療、建設、飲食といった特定業界の業務慣行に合わせて設計されたSaaSが、Vertical SaaSと呼ばれる領域です。業種を問わず使える水平型(Horizontal)のコミュニケーション領域では、社内のスケジュール共有やファイル管理を担うグループウェアが代表的な位置づけにあります。

自社に合うSaaSを探すコツ

業務領域、企業規模、既存システムとの連携性という3つの軸で絞り込むことが、自社に合うSaaSを探すコツです。分野の広さに圧倒されず、この3軸で候補を絞ることで、比較検討の負担を減らせます。

業界別に見るVertical SaaSの活用実態

Vertical SaaSは業界ごとに求められる機能が大きく異なり、医療業界ではカルテ管理や予約管理、建設業界では工事進捗管理や見積作成、飲食業界では在庫管理や予約・注文管理といった、業界特有の業務フローに合わせた設計がされています。

医療業界向けのVertical SaaSでは、電子カルテや予約管理の機能に加えて、診療報酬の算定に関わる項目や、医療関連の各種法令・ガイドラインへの対応を前提とした設計がされていることが一般的です。Horizontal SaaS(業種を問わない汎用ツール)で同じ業務を代替しようとすると、医療業界特有の帳票様式や算定ルールに対応できず、結局は個別のカスタマイズや手作業が発生してしまうことが少なくありません。

建設業界向けのVertical SaaSでは、工事の進捗状況を現場写真とあわせて記録する機能や、複数の下請け業者とのやり取りを一元管理する機能など、建設業特有の多重下請け構造を前提とした設計が見られます。飲食業界向けのVertical SaaSでは、POSレジと連動した在庫管理や、予約・注文の受付から会計までを一気通貫で扱う機能が中心となっており、店舗を複数展開する企業では、本部が全店舗の状況をリアルタイムに把握できる点が重視されます。

SaaS選定でよくある失敗パターン3つ

分野の広さに圧倒されて選定が進まない、Horizontal SaaSとVertical SaaSを混同する、対比軸を決めずに比較するという3つが、SaaS選定でよく見られる失敗の典型です。

失敗パターン1:分野の広さに圧倒されて選定が進まない。候補が多すぎて比較が終わらないケースです。3軸で先に絞り込むことが回避策になります。

失敗パターン2:Horizontal SaaSとVertical SaaSを混同する。業種特化型を業種を問わず使えると誤解するケースです。両者の違いを理解することが回避策になります。

失敗パターン3:対比軸を決めずに比較する。比較のたびに基準が変わり、結論が出ないケースです。業務領域・規模・連携性の3軸で統一することが回避策になります。

PaaS・IaaSの具体的なサービス例

PaaSの代表例には、アプリケーションの開発・実行環境を提供するサービスがあり、IaaSの代表例には、仮想サーバーやストレージなどのインフラを提供するサービスがあります。SaaSと違い、これらは主にエンジニアやシステム部門が利用する層のサービスです。

PaaSは、アプリケーションを開発する際に必要となるサーバーやデータベース、実行環境をあらかじめ用意してくれるサービスです。開発者は、インフラの構築や設定に時間をかけることなく、アプリケーションのコードを書くことに集中できます。自社で独自の業務システムを開発したい企業や、SaaSでは対応できない特殊な機能を実装したい企業が、PaaSを選ぶ主な動機になります。

IaaSは、サーバー・ストレージ・ネットワークといったITインフラそのものを、必要な分だけ借りられるサービスです。物理的なサーバーを自社で購入・設置する必要がなく、必要に応じてリソースを増減できる柔軟性が特徴です。自社独自のシステムを一から構築したい企業や、既存のオンプレミス環境をクラウドへ移行したい企業が、IaaSを利用する典型的なケースです。ただし、OSのインストールやセキュリティ設定など、SaaSでは不要だった作業を自社で担う必要があるため、専門知識を持つ人材の確保が前提になります。

SaaS導入時に確認したいセキュリティとデータ管理の観点

SaaSは自社でサーバーを管理しない分、データの保管場所やアクセス権限の設計、ベンダー側のセキュリティ体制を事前に確認しておくことが重要になります。PaaSやIaaSと違い、SaaSではインフラの設定を自社でコントロールできない代わりに、提供事業者が公開しているセキュリティ関連の認証や第三者機関の監査結果を確認することが、導入判断の材料になります。

具体的には、データの保管先(国内か海外か)、通信の暗号化の有無、アカウントごとのアクセス権限を細かく設定できるかどうか、退職者のアカウントを速やかに無効化できる仕組みがあるかどうかといった点が、業務データを扱う上での基本的な確認項目です。特に人事労務や会計のように個人情報や機密性の高いデータを扱う業務領域のSaaSでは、これらの項目をチェックリスト化して比較する企業も少なくありません。加えて、SaaSベンダーが不慮の事態でサービスを停止した場合に、自社データをエクスポートして引き継げるかどうかも、契約前に確認しておくべき点です。

Vertical SaaSの場合は、業界特有の法令やガイドラインに対応したデータ管理が求められる場合があります。例えば医療業界向けのSaaSであれば、医療情報の取り扱いに関するガイドラインを踏まえた設計になっているかどうかが選定時の論点になりますし、建設業界や飲食業界向けのSaaSでも、業界団体が定める指針やルールに沿った運用ができるかどうかを、導入前に自社の担当部門と確認しておくと安心です。こうした確認は法的な助言を目的とするものではなく、あくまで一般的な導入前チェックの視点として捉えてください。

複数SaaSを併用する際に起こりやすい管理課題

業務領域ごとに異なるSaaSを個別に導入していくと、アカウント管理の煩雑化やデータの分散、いわゆるシャドーITといった管理課題が発生しやすくなります。CRM、会計、コミュニケーション、人事労務など、部門ごとに異なるSaaSを個別最適で選んでいくと、全社的な視点でどのSaaSがどの部門でどう使われているかを把握しづらくなる状態に陥りがちです。

この課題への対応としては、まず社内で利用しているSaaSを棚卸しし、契約状況や利用部門、担当者を一覧化することが出発点になります。加えて、シングルサインオン(SSO)に対応したSaaSを優先的に選ぶことで、ログイン情報の管理を一元化し、退職者のアカウント無効化漏れといったリスクを減らせます。API連携に対応したSaaS同士を組み合わせれば、CRMで入力した顧客情報を会計システムに自動反映させるなど、部門をまたいだ二重入力の手間を減らすことも可能です。

また、情報システム部門を持たない中小企業では、各部門が個別の判断でSaaSを契約してしまい、経営側が把握していないサービスが社内に点在する状態になりやすい傾向があります。定期的に契約中のSaaSを見直し、利用実態のないサービスを解約する、類似機能を持つサービスを統合するといった棚卸し作業を、年に一度程度のペースで実施することが、コスト管理とセキュリティ管理の両面で有効な取り組みとして挙げられます。

SaaS導入の一般的な進め方

候補の絞り込み、無料トライアルや限定的な範囲での試験導入、社内での本格展開という段階を踏むことが、SaaS導入における一般的な進め方です。いきなり全社導入を決めるのではなく、一部の部門やチームで試験的に使ってみることで、実際の業務フローに合っているかどうかを見極める余地を持たせられます。

試験導入の段階では、操作性だけでなく、既存の業務システムとの連携がスムーズに行えるか、社内のITリテラシーに関わらず現場の担当者が使いこなせるかといった観点も確認しておくと、本格展開後のつまずきを減らせます。多くのSaaSベンダーは無料トライアル期間を設けているため、この期間を活用して複数の候補を並行して試し、実際の使用感を比較したうえで最終的な選定に進む進め方が広く採用されています。本格展開の際は、一度に全部門へ展開するのではなく、段階的に対象部門を広げながら、利用マニュアルの整備や社内向けの説明会を並行して行うことで、現場への定着がスムーズになります。

SaaSの料金体系を比較する際の考え方

SaaSの料金体系は、利用人数に応じて課金される形態や、利用機能の範囲によって段階的にプランが分かれる形態など、サービスによって設計が異なります。具体的な金額はサービスごとに変動するうえ、時期によって改定される場合もあるため、比較検討の際は必ず各サービスの公式サイトで最新の料金情報を確認することが前提になります。

料金体系を比較する際は、単純な月額費用の大小だけでなく、利用人数が増えた場合の従量課金の仕組みや、初期費用の有無、サポート体制がプランによってどう変わるかといった点も含めて確認すると、実際の運用コストを把握しやすくなります。特に従業員数の増減が見込まれる企業では、将来的な利用人数の変化を見越したプラン選びが、長期的なコスト管理につながります。無料プランやトライアル期間が用意されているSaaSも多いため、まずは小規模な範囲で試用し、自社の業務量に見合った費用対効果を確認したうえで、正式契約に進む進め方が一般的です。

よくある質問(FAQ)

Q1. SaaSとPaaS・IaaSの違いは何ですか?

A. SaaSは完成アプリの利用のみで済み、IaaSは基盤から自社で管理する必要がある点が異なります。

Q2. 代表的なSaaSの業務領域は何ですか?

A. CRM、会計、コミュニケーション、人事労務、プロジェクト管理など、10前後の領域があります。

Q3. Vertical SaaSの特徴は何ですか?

A. 医療、建設、飲食といった特定業界の業務慣行に合わせて設計されている点が特徴です。

Q4. 個人事業主にも合うSaaSはありますか?

A. あります。会計やコミュニケーション領域のHorizontal SaaSは小規模利用にも取り入れやすい形態です。

Q5. 導入時によくつまずくポイントは何ですか?

A. 分野の広さに圧倒されて比較検討が進まない点がよくつまずくポイントです。

Q6. 自社に合うSaaSはどう探せばよいですか?

A. 業務領域、企業規模、既存システムとの連携性の3軸で絞り込むと探しやすくなります。

まとめ|今日からできる3つのこと

  1. 3軸で候補を絞り込む:分野の広さに圧倒されません。
  2. HorizontalとVerticalを区別する:混同しません。
  3. 比較軸を統一する:基準を変えません。

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