SaaSの具体例|業務ツール別に解説

Check!

  • 業務カテゴリ別のSaaS具体例がわかる
  • 企業規模による使われ方の違いがわかる
  • サービス選定でよくある失敗パターンがわかる

「SaaSの具体例を挙げてください」と言われても、特定の製品名しか思いつかず、業務カテゴリとして整理できないことがあります。本記事では、メール・チャット・会計など身近な業務ツールでSaaSの具体的なサービス例を解説します。SaaSそのものの正体や身近な使われ方をより基礎から知りたい場合はSaaSの身近な例を解説した記事も参考にしてください。

目次

開く

閉じる

  1. SaaSの具体的なサービスとは
  2. 業務カテゴリ別の具体例
  3. 企業規模での使われ方
  4. 具体的なサービス名を見るときの注意点
  5. 業務カテゴリごとに選ぶ際の着眼点
  6. SaaS選定でよくある失敗パターン3つ
  7. 複数の業務カテゴリを段階的に導入する進め方
  8. 業種別に見るSaaS活用の広がり
  9. SaaS導入後の運用体制を整えるポイント
  10. セキュリティとデータ管理で確認しておきたいこと
  11. 既存システムからSaaSへ移行する際の進め方
  12. よくある質問(FAQ)
  13. まとめ|今日からできる3つのこと

SaaSの具体的なサービスとは

メール、チャット、会計、ファイル共有、顧客管理など、日々の仕事で使っているWebサービスの多くが、SaaSに近い形で提供されています。身近なWebアプリケーションとして捉えると、SaaSという言葉が指す範囲が具体的にイメージしやすくなります。

業務カテゴリ別の具体例

メール・チャットによる社内外のコミュニケーション、会計処理、ファイル共有、顧客管理という業務カテゴリが、SaaSが広く使われている代表的な領域です。特にチャットによるコミュニケーションは、社内の情報共有だけでなく、顧客対応の一次受付としても活用が広がっています。

業務カテゴリ 具体例
メール・チャット 社内外コミュニケーション、顧客対応
会計 請求書発行、記帳処理
ファイル共有 文書の保管・共同編集
顧客管理 商談履歴・問い合わせ管理
図1:SaaSの業務カテゴリ別具体例

顧客対応の一次受付をチャットで自動化したい場合には、チャットボットの活用が選択肢になります。24時間の問い合わせ対応や、よくある質問への即時回答を、人手をかけずに実現できる点が特徴です。

企業規模での使われ方

個人事業主は最小限の機能で始め、中小企業は複数部門での共有を意識し、中堅・大企業はセキュリティ・権限管理を重視するといった形で、企業規模によって使われ方が変わります。自社の規模に応じて、必要な機能の範囲を見極めることが重要です。

具体的なサービス名を見るときの注意点

サービス名だけで判断せず、業務・データ・利用人数を整理してから選ぶことが、SaaSサービス選定における主な注意点です。無料か有料かだけではSaaSかどうかを判断できず、提供形態(インターネット経由でのアプリケーション提供)で見ることが重要です。

業務カテゴリごとに選ぶ際の着眼点

同じ業務カテゴリのSaaSでも、既存システムとの連携範囲や、対応できる利用人数、サポート体制はサービスごとに差が大きく、業務カテゴリごとに何を優先するかを整理してから比較検討すると選びやすくなります。

メール・チャット系のSaaSを選ぶ際は、社内での利用にとどめるか、顧客対応の窓口としても使うかで必要な機能が変わります。社内利用が中心であれば、シンプルなチャット機能で十分な場合が多い一方、顧客対応の窓口として使う場合は、複数の担当者で同じ問い合わせ履歴を共有できる機能や、対応漏れを防ぐステータス管理機能の有無を確認しておくと、運用開始後のトラブルを防ぎやすくなります。

会計系のSaaSを選ぶ際は、自社の申告方式(青色申告・白色申告、あるいは法人としての決算)に対応しているか、既に利用している銀行口座やクレジットカードとの自動連携に対応しているかが重要な確認ポイントになります。ファイル共有系のSaaSでは、保存容量の上限や、社外の取引先とファイルを共有する際のアクセス権限設定の細かさが、業務上の使いやすさを左右します。顧客管理系のSaaSでは、営業担当者が外出先のスマートフォンからも入力・確認できるかどうかが、実際の定着率に大きく影響することが多く見られます。

SaaS選定でよくある失敗パターン3つ

サービス名の知名度だけで選ぶ、企業規模に合わない機能を選ぶ、無料か有料かでSaaSかどうかを判断するという3つが、SaaS選定でよく見られる失敗の典型です。

失敗パターン1:サービス名の知名度だけで選ぶ。自社の業務に合わない機能構成のサービスを選んでしまうケースです。業務カテゴリで考えることが回避策になります。

失敗パターン2:企業規模に合わない機能を選ぶ。個人事業主向けの機能を大企業で使い、権限管理が不足するケースです。企業規模に応じた機能を選ぶことが回避策になります。

失敗パターン3:無料か有料かでSaaSかどうかを判断する。提供形態という本来の判断軸を見落とすケースです。インターネット経由での提供形態に着目することが回避策になります。

複数の業務カテゴリを段階的に導入する進め方

メール・チャット、会計、ファイル共有、顧客管理をすべて同時に導入しようとすると、現場が新しい操作に慣れる負担が大きくなりやすいため、業務上の課題が大きいカテゴリから優先的に導入する進め方が実務的です。

たとえば、電話や紙のメモでの伝達漏れが頻発している企業であれば、まずメール・チャット系のSaaSを導入して情報共有の土台を整え、その運用が定着してから会計や顧客管理といった他のカテゴリへ広げていくという段階的な進め方が考えられます。逆に、複数のカテゴリを一度に導入してしまうと、従業員がどのツールで何を管理すればよいのか把握しきれず、結局一部の機能しか使われないまま形骸化してしまうことがあります。

段階的に導入する際は、最初に導入したSaaSの運用が軌道に乗った時点で、次に導入するカテゴリとの連携可能性も確認しておくと、後から二重入力の手間が発生するのを防ぎやすくなります。たとえば顧客管理系のSaaSを後から導入する場合、既に使っているメール・チャット系のSaaSと連携できれば、顧客とのやり取りの履歴を顧客管理システム側にも自動で反映できるため、導入の順序を決める段階で、将来的な連携のしやすさも検討材料に加えておくとよいでしょう。

業種別に見るSaaS活用の広がり

同じ業務カテゴリのSaaSでも、業種によって重視されるポイントは異なり、業種特有の事情を踏まえて選ぶことで、導入後の定着度が大きく変わります。ここでは代表的な業種を例に、SaaSがどのように使われているかを見ていきます。

小売業では、店舗の在庫状況と顧客管理系のSaaSを連携させ、来店・購買履歴をもとにした販促に活用する動きが見られます。実店舗とオンラインの両方で顧客と接点を持つ小売業の場合、顧客管理系のSaaSに蓄積されたデータを、チャット系のSaaSでの問い合わせ対応にも活かせるかどうかが、業務効率を左右するポイントになります。単に顧客情報を記録するだけでなく、記録した情報をどの部門がどう使うかまで見据えて選定することが重要です。

製造業では、取引先とのファイル共有や図面データのやり取りに、ファイル共有系のSaaSが使われる場面が多く見られます。大容量のファイルを社外の取引先と安全にやり取りする必要があるため、アクセス権限の細かさや、ファイルの閲覧・編集履歴を後から確認できるかといった点が、選定時の重要な着眼点になります。また、会計処理においても、部品調達や外注費の管理を目的として、会計系のSaaSを活用するケースが増えています。

サービス業や士業のように、顧客対応そのものが事業の中心となる業種では、メール・チャット系のSaaSと顧客管理系のSaaSを組み合わせ、問い合わせから商談、契約後のフォローまでの一連の流れを一元管理する使い方が定着しつつあります。特に少人数の事業所では、担当者ごとに対応状況が見えにくくなりがちなため、複数人で同じ顧客情報を共有できる仕組みを整えておくことが、対応漏れの防止につながります。

SaaS導入後の運用体制を整えるポイント

SaaSは契約して終わりではなく、社内での使い方のルール作りと、継続的な見直しの体制を整えて初めて業務改善の効果につながります。導入後に形骸化させないための運用体制のポイントを整理します。

まず、業務カテゴリごとに1名以上の運用担当者を決めておくことが基本です。運用担当者は、社内からの使い方に関する質問への対応や、サービス提供元からの機能更新のお知らせを確認し、必要に応じて社内のルールに反映する役割を担います。担当者が不在のまま導入だけを進めてしまうと、機能追加や仕様変更があった際に社内での認識がずれ、一部の従業員だけが新機能を使い、他の従業員は古い使い方のままという状態が生じやすくなります。

次に、導入から一定期間が経過した時点で、実際の利用状況を振り返る機会を設けることも重要です。契約した機能のうち、実際にどの程度使われているかを確認し、ほとんど使われていない機能があれば、その原因が操作の分かりにくさにあるのか、そもそも自社の業務に合っていないのかを見極めます。利用状況の振り返りを怠ると、当初想定していた業務改善の効果が得られないまま契約だけが継続してしまう事態にもつながりかねません。

さらに、複数の業務カテゴリでSaaSを併用している場合は、それぞれのSaaS間でのデータの受け渡し方法を明確にしておくことも欠かせません。連携機能が用意されている場合はその設定状況を確認し、連携機能がない場合は、どのタイミングで誰が手作業でデータを転記するのかをあらかじめ決めておくことで、情報の食い違いや二重管理を防ぎやすくなります。

セキュリティとデータ管理で確認しておきたいこと

SaaSはインターネット経由でデータを取り扱うため、業務カテゴリを問わず、アクセス権限の設定とデータの保管場所についての基本的な確認が欠かせません。特に顧客情報や取引先情報を扱う顧客管理系・会計系のSaaSでは、この観点がより重要になります。

アクセス権限については、全従業員が同じ権限で全データを閲覧できる状態にするのではなく、役職や担当業務に応じて閲覧・編集できる範囲を分ける設定が可能かどうかを確認しておくとよいでしょう。退職者や異動した従業員のアカウントを速やかに無効化できる仕組みが用意されているかも、日常的な運用の中で見落とされがちな確認ポイントです。

データの保管場所や、サービス提供元がどのようなセキュリティ対策を講じているかについても、契約前に確認しておくことが望ましいといえます。一般的には、通信の暗号化やアクセスログの記録といった基本的な対策が講じられているかを確認し、業種によっては業界固有のガイドラインや取引先からの要求事項に対応できるかも合わせて確認しておくと、契約後のトラブルを避けやすくなります。不明な点があれば、サービス提供元に問い合わせて確認する姿勢が大切です。

既存システムからSaaSへ移行する際の進め方

紙の台帳や社内サーバーで管理してきた業務をSaaSへ移行する際は、いきなり全業務を切り替えるのではなく、影響範囲の小さい業務から段階的に移行していく進め方が現実的です。移行時にありがちなつまずきと、その対処の考え方を整理します。

移行でまずつまずきやすいのが、既存データの取り込みです。紙の台帳や古いシステムに蓄積されたデータを、新しいSaaSの形式に合わせて整理し直す作業には想定以上の時間がかかることが多く、移行スケジュールを立てる際は、このデータ整理の工程を余裕を持って見積もっておく必要があります。データ量が多い場合は、直近の数年分だけを優先的に移行し、古いデータは必要になった時点で参照する形にするなど、移行範囲を絞る判断も選択肢になります。

移行期間中は、旧来のやり方と新しいSaaSでの運用が一時的に併存する状態になるため、どの情報がどちらで管理されているのかが分からなくなり、二重入力や情報の抜け漏れが発生しやすくなります。この期間を短く区切り、いつまでに旧来の方法を廃止するかをあらかじめ社内で共有しておくことが、混乱を最小限に抑える一つの方法です。

よくある質問(FAQ)

Q1. SaaSの具体例は何ですか?

A. メール、チャット、会計、ファイル共有、顧客管理などの業務で使うWebサービスの多くが該当します。

Q2. 無料サービスもSaaSにあたりますか?

A. 無料か有料かでは判断できず、提供形態(インターネット経由でのアプリケーション提供)で見ることが重要です。

Q3. SaaSとクラウドサービスの違いは何ですか?

A. SaaSはクラウドサービスの一種で、アプリケーションが完成した形で提供される部分を指します。

Q4. 企業規模によって使われ方は変わりますか?

A. 変わります。個人事業主は最小限の機能、中堅・大企業はセキュリティ・権限管理を重視する傾向があります。

Q5. サービス選定で何を整理すべきですか?

A. 業務内容、扱うデータ、利用人数を整理してから選ぶことが重要です。

Q6. 顧客対応を自動化したい場合の選択肢は何ですか?

A. チャットボットを活用することで、人手をかけずに一次受付を自動化できます。

まとめ|今日からできる3つのこと

  1. 業務カテゴリで考える:サービス名の知名度だけで選びません。
  2. 企業規模に合う機能を選ぶ:過不足のある機能を選びません。
  3. 提供形態で判断する:無料か有料かだけで判断しません。

同じカテゴリの記事を探す

同じタグの記事を探す

同じタグの記事はありません

top