SaaS営業とは?4職種の仕事内容と一般営業との違い、未経験からの転職方法を解説

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  • SaaS営業の4職種の分業と仕事内容がわかる
  • 営業の引き継ぎ記録の整え方と効率化がわかる
  • 未経験の転職・向き不向き・年収の見方がわかる

SaaS営業とは、クラウド上で提供される業務ソフトウェア(SaaS)を企業に提案し、契約後も使い続けてもらうところまでを支える営業職です。多くのSaaS企業は、見込み客を集めるマーケティング、商談をつくるインサイドセールス(IS)、受注に進めるフィールドセールス(FS)、契約後の活用を支えるカスタマーサクセス(CS)に役割を分けて進めます。この記事では、4職種の分業の仕組みと仕事内容、一般的な営業との違い、分業を支える顧客情報の記録と効率化の考え方、未経験からの転職、向き不向き、年収とキャリアパスの考え方を順に整理します。

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目次

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  1. SaaS営業とは|4職種の分業と、顧客情報をつなぐ記録の仕組み
  2. 一般的な営業との違い
  3. 各職種の仕事内容
  4. SaaS営業を効率化する|職種間の引き継ぎと記録の整え方
  5. 未経験からSaaS営業に転職するには
  6. SaaS営業に求められるスキルと向いている人
  7. SaaS営業のやりがいと大変なこと
  8. 年収とキャリアパスの考え方
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ
  11. 参考文献

SaaS営業とは|4職種の分業と、顧客情報をつなぐ記録の仕組み

SaaS営業とは、クラウド型ソフトウェアを企業に提案し、契約後の定着まで見届ける営業職で、顧客との接点を4つの職種に分けて進めるのが一般的です。

SaaS営業の最大の特徴は、1人の営業担当がすべてを受け持つのではなく、顧客との接点をプロセスごとに分担することです。この分業の考え方は、国内ではセールスフォース・ジャパンの取り組みを紹介した書籍の名前から「The Model(ザ・モデル)」と呼ばれることがあります。

職種 担当するプロセス 次の職種へ渡すもの よく使われる指標の例
マーケティング 見込み客(リード)を集める 資料請求やセミナー参加などの見込み客情報 獲得リード数、獲得単価
インサイドセールス(IS) 見込み客と接点を持ち、関心を育てる アポイント(商談の機会) 架電数、商談化数、商談化率
フィールドセールス(FS) 商談を進め、契約を獲得する 受注した顧客と導入の目的 受注数、受注率、受注金額
カスタマーサクセス(CS) 導入後の活用を支え、継続につなげる 追加提案の機会、顧客の声(マーケティングや開発へ) 解約率、継続率、追加契約額

分業する理由は、SaaSが月額や年額で料金を受け取るサブスクリプション型のビジネスだからです。契約時に大きな売上が立つ売り切り型の商品と違い、SaaSは顧客が使い続けてくれて初めて収益が積み上がります。そのため、集客から契約、契約後の定着までの各段階を専門の担当者が受け持ち、段階ごとの数字を改善していくやり方が広がりました。なお、すべてのSaaS企業が4職種を完全に分けているわけではなく、企業の規模や段階によってはISとFSを兼務するなど、分け方はさまざまです。

分業を支えるのは、顧客情報の記録と引き継ぎ

4つの職種は、顧客に関する情報を次の担当へ渡しながら仕事を進めます。マーケティングが集めた見込み客の情報、ISの会話メモ、FSの商談記録、CSの面談内容がつながっていれば、顧客は同じ説明を何度も繰り返さずに済みます。反対に、名刺や商談メモが担当者個人のノートやファイルにしか残っていないと、担当が替わった時点で顧客との関係の経緯が途切れてしまいます。

この「顧客情報を入口で集め、引き継ぎやすい形で残す」という課題に使われるツールの一例が、名刺管理SKYPCE(Sky株式会社)です。スマートフォンのアプリや複合機・スキャナーで取り込んだ名刺を、AI-OCRとオペレーターの確認でデータ化し、日々のアポイントや活動状況を名刺情報に紐付けて時系列で登録できます。蓄積した名刺から相手企業の組織図を自動で作る機能もあります。一方で、利用するユーザー数分のライセンス契約が必要で、契約は1年単位で自動更新される点は、導入前に確認しておきたい注意点です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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出典:www.skypce.net

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  • 新聞人事異動情報やクラウド電話帳(SKYCEB)はオプション対応

引き継ぎの際、前任者が「アポイントは16時以降をご希望」といった注意点だけでなく、担当者の出身地や趣味などの情報をメモ機能に残してくれていました。

出典: 名刺管理のSKYPCE「導入事例」(Sky株式会社の自社活用事例)
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一般的な営業との違い

SaaS営業と一般的な法人営業の違いは、担当する範囲、売上の立ち方、成果の測り方の3点に集約できます。

比較の観点 一般的な法人営業 SaaS営業
担当範囲 新規開拓から契約、アフターフォローまで1人で受け持つことが多い プロセスごとに職種を分け、担当者間で顧客情報を引き継ぐ
売上の立ち方 契約・納品時にまとまった売上が立つ売り切り型が多い 月額・年額の利用料が継続して積み上がる
営業のゴール 契約の獲得 契約後も使い続けてもらい、顧客の成果につなげること
商談の進め方 訪問・対面が中心になりやすい オンライン商談やデモ、無料トライアルの活用が多い
成果の測り方 売上金額や契約件数 職種ごとの指標(商談化率、受注率、解約率など)を細かく追う

特に大きいのが、ゴールの違いです。売り切り型の商品なら契約した時点で営業の仕事はほぼ終わりますが、SaaSは顧客が使いこなせずに解約してしまうと、獲得にかけた費用を回収できません。そのためSaaS営業では、どの職種でも「この顧客は本当に使い続けて成果を出せるか」を意識して動くことが求められます。無理に契約を取るよりも、顧客の課題とサービスが合っているかを見極める姿勢が評価されやすいのは、この構造があるからです。

各職種の仕事内容

4つの職種について、1日の仕事の流れと求められる力を具体的に見ていきます。求人票の職種名だけではわかりにくい実際の仕事をイメージする参考にしてください。

企業のクラウドサービス利用は年々広がっており、総務省の通信利用動向調査でも、企業のクラウドサービスの利用状況が継続的に調査・公表されています。SaaSを提供する企業が増えるにつれ、SaaS営業の求人も職種別に細かく出されるようになっています。SaaS企業のビジネス構造はSaaS企業とはで、業界の分類と代表的な職種はSaaS業界とはで整理しています。

マーケティング

マーケティングは、自社のSaaSに関心を持ちそうな企業の担当者を集める役割です。Webサイトのコンテンツ作成、検索広告やSNS広告の運用、展示会への出展、オンラインセミナーの企画、資料ダウンロードの導線づくりなどを担当します。集めた見込み客の情報はMA(マーケティング自動化)ツールやSFA(営業支援ツール)に登録され、関心の高さに応じてISへ引き渡されます。営業職というより企画職に近い仕事ですが、SaaS企業では営業部門の一部として位置づけられることが多く、「どのような見込み客なら商談につながるか」を営業担当とすり合わせる力が求められます。マーケティング施策の考え方はSaaSマーケティングとはで詳しく解説しています。

インサイドセールス(IS)

ISは、電話、メール、オンライン会議を使って見込み客と接点を持ち、商談の機会をつくる役割です。資料請求をした企業に連絡して課題を聞き取る、まだ検討段階でない企業には役立つ情報を送り続けて関心を育てる、といった活動を行います。1日に数十件の連絡をすることもあり、短い会話で相手の状況をつかむ力と、断られても切り替えられる粘り強さが大切です。会話の内容はすべて記録し、FSが商談前に読めるようにします。未経験者の採用が比較的多く、SaaS営業の入口になりやすい職種です。

フィールドセールス(FS)

FSは、ISがつくった商談を引き継ぎ、契約の獲得まで進める役割です。顧客の業務課題を深く聞き取り、サービスのデモを見せ、導入効果や費用の試算を示し、社内の決裁者への説明資料づくりを手伝います。一般的な法人営業に最も近い職種で、商談の経験や業界知識がそのまま生かせます。SaaSの場合は無料トライアルを経て契約に進むことも多く、トライアル中に顧客がつまずかないよう支援することも仕事に含まれます。

カスタマーサクセス(CS)

CSは、契約した顧客がサービスを使いこなし、導入の目的を達成できるように支える役割です。導入初期の設定支援や社内説明会の実施、利用状況のデータを見て使われていない機能の活用を提案する、定期的な面談で課題を聞き取る、といった活動を行います。問い合わせに答えるカスタマーサポートとの違いは、顧客から連絡が来るのを待つのではなく、こちらから働きかけて成果を出してもらう点です。顧客の成果が出れば、上位プランや追加ライセンスの提案(アップセル・クロスセル)にもつながります。

求人票の職種名は会社によって違う

求人票では、SDR(見込み客への初期対応を担う職種で、ISにあたることが多い)、AE(商談を進めて受注を担う職種で、FSにあたることが多い)、CSM(カスタマーサクセスマネージャー)といった英語の職種名が使われることもあります。ただし、担当範囲は会社によって違い、ISが商談の進行まで受け持つ場合や、FSが既存顧客への追加提案まで担当する場合もあります。名前だけで判断せず、募集要項で「どこからどこまでを担当するか」を確認しましょう。

4つの職種に共通するのは、記録された情報をもとに担当を引き継ぎ、職種ごとの数字を見ながら仕事を進めることです。この記録と引き継ぎをどう整えるかが、分業の営業組織では成果と効率を左右します。次の章で具体的に整理します。

SaaS営業を効率化する|職種間の引き継ぎと記録の整え方

SaaS営業の効率化は、ツールを増やす前に、職種の間で受け渡す情報を決めて共通の場所に残すところから始まります。分業するほど、受け渡しの質がそのまま全体の効率を左右するためです。

職種間で受け渡す情報の例

次の表は、職種の切り替わりごとに、何を残して渡すとよいかを整理した例です。会社や商材によって項目は変わるため、自社に合わせて調整してください。

受け渡し 渡す情報の例 残す場所の例
マーケティングからIS 見込み客の企業名・担当者・役職、接点(資料請求・セミナー参加など)、関心を示したテーマ MAツール、SFAやCRM(顧客管理)、名刺管理ツール
ISからFS 聞き取った課題、決裁者の有無、検討時期、商談の日程と参加者 SFAやCRMの活動記録欄、名刺管理ツールのメモ
FSからCS 導入の目的、契約時に約束した内容、関係者(決裁者・利用部門)の一覧 SFAやCRM、顧客ごとの共有メモ
CSからマーケティング・FS 活用状況、追加の要望、顧客の声や事例にできそうな成果 CRM、CS管理ツール、定例会の議事メモ

効率を落としやすい3つの状態

  • 名刺や商談メモが個人のノート・ファイルに残り、担当が替わると中身がわからなくなる
  • 記録する項目や書き方が人によって違い、次の担当者が読んでも状況をつかみにくい
  • 活動件数や商談の件数を、週ごとに手作業で集計している

ツールの役割分担

SaaS営業では、目的の違う複数のツールを組み合わせて使うのが一般的です。製品によって機能が重なる部分もあるため、「何を記録したいか」から選ぶと整理しやすくなります。

ツールの種類 主な役割 主に使う職種
SFA(営業支援ツール) 商談の進み具合や案件の状況を管理する IS、FS
CRM(顧客管理ツール) 顧客の基本情報と対応履歴を一元管理する 全職種
名刺管理ツール 名刺情報をデータ化し、接点や活動の記録を共有する 全職種(特に社外との接点が多い職種)
MA(マーケティング自動化ツール) 見込み客の反応を記録し、メール配信などを自動化する マーケティング、IS
CS管理ツール 顧客の利用状況を把握し、フォローの時期を判断する CS

引き継ぎ記録の基本手順

  1. 名刺交換や商談など、接点を持ったその日のうちに相手の情報を登録する。
  2. 相手の関心、検討時期、決裁者の有無、予算の目安を、毎回同じ項目で残す。
  3. 次にやることと期限を1行で書く。
  4. 担当が替わるときは、前任者の記録を読んでから最初の連絡をする。
  5. 週に1回、活動の件数と商談の進み具合を見直し、記録の抜けがないか確認する。

ここまでの手順を手作業のまま続けると、入力の後回しや記録の抜けが起きやすくなります。名刺の取り込みを自動化し、活動記録を名刺情報に紐付けて共有できるツールを使うと、入力の手間と引き継ぎの抜けを減らせます。下のチェックで、今の記録・引き継ぎの方法を確かめてみましょう。

営業の顧客情報、今の記録・引き継ぎの方法で大丈夫?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

未経験からSaaS営業に転職するには

未経験からSaaS営業を目指す場合は、ISやCSから入るのが現実的な道です。これまでの経験のどこが生かせるかを整理し、SaaSのビジネスの仕組みを理解していることを示すと、選考で評価されやすくなります。

前職の経験別に見た入りやすい職種

前職の経験 入りやすい職種 アピールしやすい点
法人営業(有形商材・人材・広告など) FS、IS 商談の進め方、決裁者への提案経験
個人向け営業・販売・接客 IS、CS ヒアリング力、顧客との関係づくり
コールセンター・カスタマーサポート IS、CS 電話応対の品質、数値目標のある環境での経験
事務・企画・Webマーケティング マーケティング、IS データ分析、資料作成、ツール操作
業界の実務経験(医療・建設・経理など) その業界向けSaaSのFS、CS 顧客と同じ目線で業務課題を語れること

応募前に準備しておきたいこと

  • 応募先のSaaSが「誰の、どんな業務課題を解決するサービスか」を1分で説明できるようにする
  • 無料トライアルや公開されている製品デモがあれば、実際に触って使い心地を言葉にしておく
  • 前職の成果を、件数・割合・期間などの数字で説明できるよう整理する
  • サブスクリプション型のビジネスでは継続率や解約率が重要になることを理解しておく
  • 顧客管理や名刺管理などのツールを使った経験があれば、何を記録し、どう活用したかを整理する

求人票で確認したい項目

同じ「SaaS営業」でも、求人によって仕事の中身は大きく違います。職種名だけで判断せず、次の項目を比べると、入社後のギャップを減らせます。

確認する項目 見るポイント
担当範囲 ISとFSの兼務の有無、既存顧客への追加提案まで担当するか
顧客の規模 中小企業向けか大企業向けか。商談の期間や関係者の数が変わる
評価の指標 受注金額、商談化数、継続率など、職種ごとに何で評価されるか
報酬の仕組み 固定給とインセンティブの割合、想定年収の前提条件
研修・立ち上がり 入社後の研修の内容と、独り立ちまでの期間の目安
配属の変更範囲 就業場所・業務の変更の範囲(労働条件の明示事項)

2024年4月からは、労働条件を明示する際に就業場所・業務の変更の範囲も示すことが求められるようになっています(厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」)。入社後に別の職種へ配置転換される可能性があるかどうかも、この欄から読み取れます。

企業の規模や段階で変わる担当範囲

職種の分け方は、企業の規模や成長の段階でも変わります。次の表は一般的な傾向を整理したもので、実際は企業ごとに異なるため、面接や募集要項で確かめてください。

観点 分業が進んだ企業に多い傾向 成長途上の企業に多い傾向
担当範囲 職種ごとに担当が決まっており、自分の工程に集中しやすい 1人が複数の工程を兼ねることがあり、幅広く経験しやすい
仕事の進め方 手順や資料が整っており、型を学びやすい 手順を自分で作る場面が多く、裁量が大きい
確認したい点 担当工程以外の仕事に関われる機会があるか 評価の指標や研修の仕組みがどこまで決まっているか

SaaS営業に求められるスキルと向いている人

SaaS営業に求められるのは、話のうまさよりも、顧客の課題を正しく聞き取る力と、数字をもとに自分の行動を改善する力です。

スキル 具体的な中身 特に重視される職種
ヒアリング力 相手の業務の流れと困りごとを質問で引き出す IS、FS
課題解決の提案力 導入前後の変化を具体的に示し、費用に見合う効果を説明する FS
数値分析力 商談化率や解約率などの指標から改善点を見つける マーケティング、全職種
ITリテラシー 自社サービスの仕組みを理解し、SFAやオンライン会議ツールを使いこなす 全職種
情報共有の丁寧さ 次の担当者が読んで状況がわかるように記録を残す 全職種
関係構築力 長期的に顧客と付き合い、信頼を積み重ねる CS

向いているのは、新しいサービスや仕組みに興味を持って自分で調べられる人、チームで成果を出すことにやりがいを感じる人、うまくいかなかった理由を数字で振り返るのが苦にならない人です。自分の強みがどの職種と重なるかは、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)で営業職やマーケティング職の仕事内容・必要なスキルを確認して整理するのも一つの方法です。

合わないと感じやすい人の傾向

向き不向きは職種によっても変わりますが、次のような傾向がある人は、SaaS営業の進め方に窮屈さを感じることがあります。

  • 1人で最初から最後まで顧客を担当したい(分業のため、担当範囲が決まっている)
  • 自分の裁量で値引きや条件交渉をしたい(料金体系が決まっていることが多い)
  • 契約を取ったら関係が終わる働き方がよい(契約後も継続して関わる)
  • 記録や情報共有を面倒に感じる(職種間の引き継ぎが仕事の前提になる)
  • 製品の更新や競合の情報を学び続けることが負担になる

合わないと感じやすい点があっても、職種を変えると働き方が合う場合があります。たとえば、1人で顧客を担当したい人は、兼務の多い成長途上の企業のほうが合うことがあります。

SaaS営業のやりがいと大変なこと

SaaS営業のやりがいと大変さは、どちらも「契約後も顧客との関係が続く」「成果を数字で細かく追う」という仕組みから生まれます。転職前に両面を知っておくと、入社後のギャップを小さくできます。

観点 やりがい・魅力 大変なこと・きついと感じやすい点
顧客との関係 導入後に顧客の業務が改善していく様子を見届けられる 使いこなせない顧客は解約(チャーン)につながるため、契約後も気を抜けない
成果の測り方 職種ごとの指標で自分の貢献が見えやすく、改善の手応えを得やすい 商談化率や解約率などを日々追われ、数字のプレッシャーを感じやすい
スキル 営業、IT、データ分析の知識が同時に身につく 製品のアップデートや競合サービスの情報を学び続ける必要がある
働き方 オンライン商談が多く、リモートワークを取り入れている企業もある 分業のため担当範囲が限られ、引き継ぎの連携不足がそのまま成果に響く

「営業で一番しんどい業種は?」という疑問もよく聞かれますが、業種ごとに一律の順位をつけることはできません。しんどさは、目標の水準、新規開拓か既存顧客の対応か、訪問や架電の量、評価の仕組みといった条件で変わるためです。業種の名前よりも、これらの条件を求人票と面接で確認するほうが、自分に合うかどうかを判断しやすくなります。

SaaS企業では、1社の顧客が契約期間を通じてもたらす売上の合計をLTV(顧客生涯価値)と呼び、これを伸ばすことを重視します。LTVは継続期間が長いほど大きくなるため、新規の受注だけでなく解約を防ぐことも営業組織全体の成果として評価されます。短期間で大きな契約を取ることに一番のやりがいを感じる人より、顧客の成果が積み上がっていく過程を楽しめる人のほうが、この仕組みになじみやすいといえます。

年収とキャリアパスの考え方

SaaS営業の年収は、企業の規模や成長段階、担当する顧客の規模、職種によって大きく異なるため、「SaaS営業は高年収」と一律には言えません。求人票を比べるときは、金額そのものよりも、報酬の決まり方とキャリアの広がりを確認することが大切です。公的統計をもとにした年収の見方は、SaaS営業の年収相場の解説で整理しています。

報酬の仕組みで確認したいポイント

  • 固定給と成果に応じたインセンティブ(歩合)の割合
  • インセンティブの対象になる指標(受注金額、商談化数、継続率など、職種によって異なる)
  • 目標を達成した場合に想定される年収(求人票で「想定年収」「OTE」などと書かれることがある)
  • 評価の時期と、職種の変更やチームリーダーへの昇格の条件

SaaS営業からのキャリアパス

方向性 主なキャリアの例 生きる経験
職種を広げる ISからFSへ、FSからCSへ 前工程・後工程を知っていることによる引き継ぎの質
マネジメント チームリーダー、営業マネージャー、営業部門の責任者 指標をもとにしたチーム運営と育成
営業の仕組みづくり セールスイネーブルメント(営業育成)、営業企画、レベニューオペレーション 記録・引き継ぎの運用設計、商談プロセスの標準化
事業側へ プロダクトマネージャー、事業開発、起業 顧客の声を直接聞いてきた経験

「営業の仕組みづくり」の方向へ進むと、各職種の引き継ぎがうまくいくように、何をどこに記録するかを設計する立場になります。名刺や活動記録を担当者個人に任せず、名刺管理SKYPCEのように名刺情報と活動記録を共通の場所で管理できるツールを使うかどうかも、設計の対象です。将来この方向を目指すなら、記録と引き継ぎの運用を、現場にいるうちから意識しておくと役立ちます。

よくある質問(FAQ)

Q1. SaaS営業とはどのような仕事ですか?

A. クラウドで提供される業務ソフトウェア(SaaS)を企業に提案し、契約後も継続して使ってもらえるよう支援する営業職です。多くの企業では、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの4職種で分担して進めます。

Q2. SaaS営業と一般的な営業の違いは何ですか?

A. 一般的な法人営業は1人で新規開拓から契約まで受け持つことが多いのに対し、SaaS営業はプロセスごとに職種を分けます。また売り切りではなく利用料が継続して積み上がるため、契約後も使い続けてもらうことが営業のゴールになります。

Q3. 未経験でもSaaS営業に転職できますか?

A. インサイドセールスやカスタマーサクセスは未経験者の採用も比較的多く、入口になりやすい職種です。販売・接客やコールセンターの経験、数字で成果を説明できる経験があると、選考でアピールしやすくなります。

Q4. SaaS営業に向いている人はどのような人ですか?

A. 顧客の課題を聞き取る力があり、数字で振り返って行動を改善でき、チームで情報を共有することを面倒に感じない人です。職種によっても異なり、関係を長く築くカスタマーサクセスでは関係構築力、商談を進めるフィールドセールスでは提案力がより重視されます。

Q5. SaaS営業は高年収ですか?

A. 一律に高いとは言えません。企業の規模、成長段階、職種、固定給とインセンティブの割合によって大きく異なります。求人票では、想定年収の前提条件と報酬の決まり方を確認することが大切です。

Q6. SaaS営業ではどのようなツールを使いますか?

A. 商談を管理するSFA(営業支援ツール)、顧客情報を管理するCRM、名刺情報を記録・共有する名刺管理ツール、見込み客を管理するMAツール、オンライン会議ツールなどを使います。4職種が同じ顧客情報を引き継ぐため、記録を共通の場所に残すことが全職種に共通する基本動作です。

まとめ

SaaS営業は、クラウドサービスを企業に届け、使い続けてもらうことで成果を積み上げる営業職です。転職を考えるときや、営業チームの効率を見直すときは、次の4点を意識すると判断しやすくなります。

  1. マーケティング、IS、FS、CSのうち、自分の経験と興味に近い職種を見極める。
  2. 求人票では職種名だけでなく、担当範囲、顧客の規模、評価の指標、報酬の仕組みを確認する。
  3. 職種間で受け渡す顧客情報を決め、記録と引き継ぎの手順を共通にそろえる。
  4. 名刺や活動記録の管理に課題があれば、名刺管理SKYPCEなどの資料を取り寄せ、機能と運用の流れを確認する。

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