SaaSマーケティングとは|PLGとThe Model型

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  • SaaSマーケティングの意味がわかる
  • PLGとThe Model型の違いがわかる
  • 設計の4ステップとよくある失敗がわかる

SaaSのマーケティングは、契約獲得だけを目的とする通常のBtoBマーケティングとは異なり、契約後の定着まで含めて設計する必要があります。本記事では、SaaSマーケティングをPLG・The Model型とDX活用の設計という観点で解説します。営業側の役割分担・未経験からの始め方はSaaS営業とはの記事で整理しています。

目次

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  1. SaaSマーケティングとは
  2. PLGとThe Model型の違い
  3. SaaSマーケティングを設計するステップ
  4. 指標と注意点|リード数だけで判断しない
  5. 導入初期に取り組みやすい施策の具体例
  6. SaaSマーケティングでよくある失敗パターン3つ
  7. マーケティングと営業・カスタマーサクセスの連携体制
  8. 事業フェーズ別に見るSaaSマーケティングの重点の置き方
  9. 業種によって異なるSaaSマーケティングのアプローチ
  10. SaaSマーケティングの効果測定で見るべき指標の組み合わせ
  11. よくある質問(FAQ)
  12. まとめ|今日からできる3つのこと

SaaSマーケティングとは

SaaSマーケティングとは、認知から継続利用までをつなげる成長活動を指します。契約後に使い続けてもらって初めて収益になるSaaSの収益構造上、契約獲得後の定着支援まで含めて設計する点が、通常のBtoBマーケティングとの大きな違いです。

PLGとThe Model型の違い

PLG(Product-Led Growth)は無料トライアルやプロダクト体験を軸にした成長戦略、The Model型はマーケティング・営業・カスタマーサクセスの分業連携モデルという違いがあります。プロダクト単体での訴求力が高い場合はPLGが、複雑な業務課題に対応する場合はThe Model型が向いている傾向があります。

アプローチ 特徴
PLG 無料トライアル・プロダクト体験を軸にした成長
The Model型 マーケティング・営業・CSの分業連携
図1:PLGとThe Model型の違い

SaaSマーケティングを設計するステップ

顧客理解、導線設計、KPI設定、改善運用という4つのステップで、SaaSマーケティングを設計します。各ステップを行き来しながら継続的に見直すことが、成果を積み上げる鍵になります。

導線設計の実例として、社内のスケジュール共有やファイル管理を担うグループウェアのマーケティングでは、無料トライアルからの体験導線が重視される傾向があります。

指標と注意点|リード数だけで判断しない

リード数だけでなく、契約後の利用継続率や解約率も合わせて確認することが、SaaSマーケティングの指標を見る際の注意点です。量だけでなく質も見ることで、マーケティング活動の実効性を正しく評価できます。

導入初期に取り組みやすい施策の具体例

SaaSマーケティングを初めて設計する企業は、大掛かりな施策を一度に始めるのではなく、コンテンツマーケティング・ウェビナー・無料トライアルという3つの施策から着手すると、比較的少ないリソースで効果検証を始めやすくなります。

コンテンツマーケティングは、見込み顧客が抱える業務課題に関する記事や資料を作成し、検索エンジンやSNS経由で自社のサービスを知ってもらう施策です。すぐに問い合わせにつながらなくても、継続的にコンテンツを発信することで、中長期的に自社の認知度を高め、見込み顧客のデータベースを蓄積していけます。特に検索ボリュームのある課題キーワードで記事を作成しておくと、広告費をかけずに継続的な流入を得やすくなります。

ウェビナーは、見込み顧客に対してオンラインでサービスの活用方法や業界動向を伝える施策で、参加者との双方向のコミュニケーションを通じて、コンテンツだけでは伝えきれない情報を届けられる点が特徴です。参加者の質問への回答を通じて、顧客が実際にどのような課題を抱えているかを直接把握できる機会にもなります。無料トライアルは、実際にプロダクトを触ってもらうことで導入への心理的なハードルを下げる施策です。トライアル期間中に顧客がどこでつまずいているかを分析し、オンボーディング(導入支援)のプロセスを改善していくことが、契約獲得と契約後の定着の両方につながります。

SaaSマーケティングでよくある失敗パターン3つ

リード数だけを追い求める、PLGとThe Model型を混在させて設計が定まらない、契約獲得後の定着支援を後回しにするという3つが、SaaSマーケティングでよく見られる失敗の典型です。

失敗パターン1:リード数だけを追い求める。契約に至らない質の低いリードが増え、成果につながらないケースです。継続率等の質的指標も見ることが回避策になります。

失敗パターン2:PLGとThe Model型を混在させて設計が定まらない。どちらの体験導線を軸にするか決めず、施策が分散するケースです。プロダクト特性に応じて主軸を決めることが回避策になります。

失敗パターン3:契約獲得後の定着支援を後回しにする。マーケティングの役割を契約獲得までと考え、解約が増えるケースです。契約後の定着まで含めて設計することが回避策になります。

マーケティングと営業・カスタマーサクセスの連携体制

SaaSマーケティングの成果は、マーケティング部門単独の活動だけでなく、営業・カスタマーサクセスとの情報共有体制がどれだけ整っているかによっても大きく左右されます。

マーケティング部門が獲得したリードの質を正しく評価するには、その後の商談化率や成約率といった、営業部門が持つデータとの突き合わせが欠かせません。マーケティングと営業が別々のシステムでデータを管理していると、どの施策から獲得したリードが実際に契約につながっているかを追跡しづらくなります。CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)を通じて、リードの獲得経路から契約に至るまでの流れを一気通貫で追える体制を整えておくことが、施策の効果検証を正確に行うための前提になります。

また、契約後の顧客が実際にどのように製品を活用しているか、どこでつまずいているかといった情報は、カスタマーサクセス部門が最も詳しく把握しています。こうした現場の声をマーケティング部門にフィードバックする仕組みがあれば、次のコンテンツ制作や訴求メッセージの改善に活かせます。定例のミーティングや共有ドキュメントを通じて、マーケティング・営業・カスタマーサクセスの3部門が定期的に情報を交換する体制を作ることが、SaaSマーケティング全体の精度を高める鍵になります。

事業フェーズ別に見るSaaSマーケティングの重点の置き方

創業期・成長期・成熟期という事業フェーズによって、SaaSマーケティングで優先すべき施策の重点は変わります。同じ「マーケティング施策」でも、プロダクトの認知度や顧客数が異なる段階では、投じるべきリソースの配分が大きく異なるため、自社が今どのフェーズにいるかを踏まえた設計が求められます。

創業期は、プロダクトの認知度がほぼゼロの状態から始まるため、まずは市場に存在を知ってもらうことが最優先になります。この段階では、限られた予算の中で効率よく見込み顧客との接点を作る必要があるため、SNSでの情報発信や、業界特化型のコミュニティ・イベントへの参加など、コストを抑えながら濃い見込み顧客と直接接触できる施策が有効です。あわせて、初期に契約してくれた顧客から丁寧にヒアリングを行い、実際の利用シーンや評価されているポイントを言語化しておくと、その後のコンテンツ制作や訴求メッセージの土台になります。

成長期に入ると、ある程度プロダクトの認知が広がり、問い合わせや無料トライアルの申込みが増え始めます。この段階では、増加するリードを取りこぼさずに商談・契約へつなげる仕組み作りが重要になります。具体的には、リードの興味関心度合いに応じてメールやコンテンツを出し分けるナーチャリング(見込み顧客の育成)の仕組みを整えたり、営業部門と連携してどのリード属性が契約に至りやすいかを分析し、コンテンツマーケティングの投稿テーマや広告の配信先を調整したりする取り組みが有効です。

成熟期になると、新規契約の獲得と同じくらい、既存顧客の解約防止やアップセル(上位プランへの移行)・クロスセル(関連機能の追加提案)の重要性が高まります。この段階のマーケティングは、カスタマーサクセス部門と密に連携しながら、利用データに基づいて活用が停滞している顧客に個別のフォローコンテンツを届けたり、活用が進んでいる顧客の事例を新規見込み顧客向けのコンテンツとして展開したりするなど、既存顧客と新規顧客の両方に効果が波及する施策の設計が求められます。

業種によって異なるSaaSマーケティングのアプローチ

SaaSマーケティングの具体的な進め方は、対象とする業種や職種によっても変わってきます。汎用的な業務を効率化するツールと、特定の業種向けに機能を絞り込んだツールとでは、見込み顧客への訴求ポイントや検討のプロセスが異なるためです。

会計・人事労務・法務といったバックオフィス業務を支援するSaaSでは、法改正や制度変更への対応状況が顧客の意思決定に大きく影響します。こうした分野では、制度改正のタイミングに合わせた情報発信が、見込み顧客の検討を後押しする有効なきっかけになりやすい傾向があります。一方で、断定的な表現で対応範囲を誇張すると、実際の運用でトラブルにつながりかねないため、対応状況は公式情報に基づいて正確に伝える姿勢が欠かせません。

製造業や建設業向けの現場管理SaaSでは、実際に現場でツールを使うユーザーと、導入を決裁する経営層や管理部門が異なることが多く、両者に向けて別々のメッセージを用意する必要があります。現場ユーザーには操作のしやすさや日々の業務負担の軽減を、決裁者には導入によって見込める業務効率化や管理体制の強化を、それぞれ具体的な業務シーンに即して伝えることが、検討の後押しにつながります。業種特有の商習慣や用語を理解した上でコンテンツを作成することも、専門性の高い見込み顧客からの信頼を得る上で重要な要素です。

SaaSマーケティングの効果測定で見るべき指標の組み合わせ

SaaSマーケティングの効果測定では、単一の指標だけでなく、獲得・商談化・契約・継続という4つの段階を並べて確認することが重要です。各段階の指標を個別に見るだけでは、どこにボトルネックがあるのかを正確に把握できないためです。

獲得段階では、問い合わせ数や無料トライアル申込数といったリード数に加えて、そのリードがどのチャネル(検索・広告・SNS・紹介など)から来ているかを合わせて記録します。商談化段階では、獲得したリードのうち実際に商談に進んだ割合を確認し、特定のチャネルからのリードが商談化しにくい場合は、そのチャネルで発信している情報と実際の顧客ニーズにずれがないかを見直します。契約段階では、商談から契約に至った割合とあわせて、契約までに要した期間も記録しておくと、営業プロセスのどこに時間がかかっているかを把握しやすくなります。

継続段階では、契約後一定期間が経過した時点での利用継続率や、機能の利用状況を確認します。特定のチャネルから獲得した顧客の解約率が他のチャネルより高い傾向にある場合、そのチャネルでの訴求内容が、実際のプロダクトの提供価値と乖離している可能性があります。このように4つの段階を横断して数値を比較することで、リードの「量」を増やす施策と、リードの「質」を高める施策のどちらを優先すべきかを、感覚ではなくデータに基づいて判断できるようになります。

よくある質問(FAQ)

Q1. SaaSマーケティングと通常のBtoBマーケティングの違いは何ですか?

A. 契約後の定着支援まで含めて設計する点が、通常のBtoBマーケティングとの大きな違いです。

Q2. PLGとThe Model型はどう選べばよいですか?

A. プロダクト単体での訴求力が高い場合はPLG、複雑な業務課題に対応する場合はThe Model型が向いている傾向があります。

Q3. 初期段階で見るべき指標は何ですか?

A. リード数だけでなく、利用継続率や解約率も合わせて確認することが重要です。

Q4. 個人事業主にもSaaSマーケティングの考え方は適用できますか?

A. 適用できます。契約後の定着を意識した導線設計は、規模を問わず有効です。

Q5. SaaSマーケティングの設計手順は何ですか?

A. 顧客理解、導線設計、KPI設定、改善運用という4ステップで設計します。

Q6. この記事は投資情報を扱っていますか?

A. 扱っていません。マーケティング設計の解説に限定した内容です。

まとめ|今日からできる3つのこと

  1. 質的指標も確認する:リード数だけを追い求めません。
  2. アプローチの主軸を決める:PLGとThe Model型を混在させません。
  3. 契約後の定着まで設計する:契約獲得だけを目的にしません。

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