AI議事録を無料で使う方法と選び方|無料プランの制限・精度・データ学習の注意点
Check!
- 無料のAI議事録を場面別に選ぶ方法がわかる
- 1回あたりの上限など無料プランの注意点がわかる
- 有料や別の仕組みに切り替える目安がわかる
AI議事録を無料で使う方法は、専用ツールの無料プラン、契約済みのWeb会議ツールの文字起こし機能、文字起こしを済ませた文章を生成AIに貼って要約させる使い方の3つが中心です。ただし、無料で使える範囲は1回あたりの録音時間、月の合計時間、辞書登録、データの学習利用などの条件で大きく変わり、試す前の確認で使い勝手が決まります。この記事では、会議・オンライン会議・電話という場面ごとに無料で使える選択肢を整理したうえで、無料プランの2つのタイプ、精度・誤記・データの扱いという3つの注意点、個人事業主や中小企業が最初に確認する項目、有料や別の仕組みに切り替える目安までを順に解説します。
あなたの議事録に合う無料の使い方を診断
Q1. 議事録を残したい場面は?
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無料で使えるAI議事録の選択肢|会議の場面別に見る向き不向き
無料のAI議事録は、対面とWeb会議なら専用ツールの無料プランやWeb会議ツールの標準機能で始められますが、電話の通話は別の仕組みが必要です。
議事録を取りたい場面は、大きく3つに分かれます。場面によって音声の入り方が違うため、同じ無料ツールでも向き不向きが出ます。
| 場面 | 無料で試しやすい方法 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 対面の会議 | 専用ツールの無料プランを、スマートフォンやパソコンの録音に使う | マイクから遠い人の声が拾いにくく、複数人の発言の区別も難しい |
| Web会議 | Google MeetやTeamsの標準の文字起こし、専用ツールの録音機能 | 文字起こしが使えるかどうかは、契約しているエディションなどで決まる |
| 電話・オンライン商談 | 通話を録音できる電話サービスを使うか、録音ファイルを文字起こしツールに取り込む | 取り込める回数に上限があり、通話ごとに手作業が残りやすい |
対面とWeb会議は、次の節以降で紹介する無料の方法で始められます。一方、顧客との電話や営業の通話は、会議と違って、記録の仕組みを電話そのものに持たせたほうが手間が少なくなります。通話後に録音を聞き直して議事録に起こす運用は、通話が増えるほど担当者の時間を取り、記録の粗さも担当者ごとにばらつくためです。
電話や商談の内容を議事録として残したい場合の一例が、株式会社RevCommが提供するMiiTel Phoneです。お名前.comの商品ページでは、電話番号を1クリックするだけで発信できる点、SFAやCRMと連携して情報共有を効率化できる点、AIの音声解析でトップ営業の話し方の特徴を分析・可視化できる点が特長として紹介されています。MiiTelの公式サイトでは、生成AIで通話の文字起こしを要約し、議事録を自動で生成できることも案内されています。一方で、サポート対応は平日9時から18時までのため、夜間や休日に電話対応がある場合は事前に確認しておきたいところです。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社RevComm
MiiTel Phone
株式会社RevComm
MiiTel Phone
電話解析AIが採点!トーク改善でアポ率・成約率をUPさせたい企業におすすめ
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- 電話番号を1Clickするだけで架電が可能
- SFA/CRMツールと連携することで、情報共有も正確で効率的に届く
- AIの音声解析により、トップ営業の話し方の特徴を分析・可視化できる
気になる…
- サポート対応は平日9時~18時まで
録音と文字起こしを活用して、正確な通話記録を効率的に作成しています。
出典:MiiTel導入事例「東京都カスハラ相談窓口にMiiTelを活用」(アデコ株式会社)
この事例は電話の相談窓口の業務で、会議ではありません。ただ、通話の内容を正確な記録として残し、後から確認できる形にするという課題は、電話や商談の議事録でも同じです。
AI議事録を無料で使う4つの方法|Web会議の標準機能と生成AIの使い方
AI議事録を無料で使う方法は、専用ツールの無料プラン、無料トライアル、Web会議ツールの標準機能、生成AIへの貼り付けの4つで、目的に合わせて選び分けます。
| 方法 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 専用ツールの無料プラン | 短い定例会議を少人数で継続的に記録したい | 月の時間、1回あたりの時間、要約の回数に上限がある |
| 専用ツールの無料トライアル | 有料導入を前提に、精度と使い勝手を見極めたい | 期間が終わると使えなくなるため、評価項目を先に決めておく |
| Web会議ツールの標準機能 | 契約済みの環境の中で追加費用なく始めたい | 契約しているプランによって文字起こしが使えないことがある |
| 生成AIへの貼り付け | 文字起こしは別の手段で行い、要約だけAIに任せたい | 話者の区別ができず、入力データの扱いを自分で管理する必要がある |
Google MeetとTeamsの標準機能で足りる場合
すでにGoogle WorkspaceやMicrosoft Teamsを使っている会社は、新しいツールを増やさずに文字起こしを試せることがあります。Google Meetの公式ヘルプによると、文字起こしはパソコンとAndroid端末で使え、会議の主催者のGoogleドライブにある「Google Meet」フォルダに保存されます。保存には組織と主催者の両方のドライブに十分な空き容量が必要で、使えるかどうかはWorkspaceのエディションによって決まります。また、文字起こしに含まれるのは会議で話された言葉だけで、チャットの内容を残すには録画が必要です。
Microsoft Teamsは、会議中にライブの文字起こしを開始すると、話者の名前とタイムスタンプつきで表示されます。日本語にも対応しており、開始すると参加者全員に通知されます。どちらも「無料の期間」ではなく、契約しているプランや管理者の設定で使えるかが決まる機能です。まず自社の契約で使えるかを管理者に確認すると、無駄な比較を減らせます。
生成AIに貼り付けて要約する場合
文字起こしを別の方法で用意し、そのテキストをChatGPTなどの生成AIに貼り付けて要約させる使い方もあります。ChatGPTにはFreeプランがあり、OpenAIのヘルプによると、設定の「Data controls」で「Improve the model for everyone」をオフにすると、以後の新しい会話はOpenAIのモデルの学習に使われなくなります。ただし、この方法は話者の区別ができず、貼り付ける文章に含まれる顧客名や個人情報の扱いは自分で管理する必要があります。使える回数や機能はプランや時期によって変わるため、最新の条件は公式のヘルプで確認してください。
AI議事録を業務の流れの中でどう使うかは「AI議事録ツールの選び方|仕組み・5タイプ・セキュリティの確認点」で、有料のツールを含めた選び方は「議事録ツールの選び方|種類・費用の考え方・書き方のフォーマットと失敗パターン」で解説しています。
無料プランの2タイプ|「実用型」と「お試し型」の違い
無料のAI議事録ツールは、期限なく使い続けられる「実用型」と、一定期間だけ有料相当の機能を試せる「お試し型」に分かれます。どちらに当たるかで、試す目的と確認すべき点が変わります。
| 比較項目 | 実用型(無料プラン) | お試し型(無料トライアル) |
|---|---|---|
| 使える期間 | 期限なし | 数日から数週間程度に限定 |
| 使える機能 | 基本機能に限定されることが多い | 有料プランに近い機能を使えることが多い |
| 主な制限 | 月の文字起こし時間、1回あたりの時間、要約の回数、保存期間 | 利用期間、合計の利用時間 |
| 向いている目的 | 個人や少人数で、短い会議を継続的に記録する | 部署や全社への導入前に、実際の会議で精度を検証する |
月の合計時間より「1回あたりの上限」を先に見る
実用型で見落としやすいのが、1回あたりの上限です。月の合計時間が十分に見えても、1回の文字起こしが数分で打ち切られる設定では、30分や60分の会議を通しで記録できません。たとえばNottaのフリープランは、公式サイトの料金ページ(2026年10月16日確認)で、文字起こし時間が月120分、1回につき3分まで、AI要約が月10回と案内されています。同じ料金ページでは、1回の文字起こしの上限は有料プランで5時間とされています。合計時間の数字だけで比較すると、この種の条件を見落とします。条件は変更される場合があるため、最新の内容は各サービスの料金ページで確認してください。
自社の会議時間から必要な枠を見積もる
無料枠で足りるかどうかは、会議の長さと回数を掛け合わせれば事前に見積もれます。次の表は、1か月を4週として計算した目安です。
| 会議の使い方 | 1か月に必要な時間の目安 | 無料枠との相性 |
|---|---|---|
| 30分の定例が週1回 | 約120分 | 実用型の無料プランで収まる可能性がある |
| 60分の会議が週2回 | 約480分 | 多くの無料プランでは月の途中で枠が尽きやすい |
| 60分の会議が毎営業日 | 約1,200分 | 無料の範囲では現実的でなく、有料プランの検討が前提 |
この見積もりを部署の人数分で考えると、無料プランは「担当者1人が特定の定例会議で使う」範囲にとどまることがわかります。無料プランは個人での利用が前提のものが多く、複数人で1つのアカウントを使い回す運用は、規約上の問題に加えて、誰が何を記録したのかを追えなくなる点でも避けるべきです。
注意点1:精度の限界と専門用語の誤変換
AIの文字起こしは、静かな環境で1人ずつはっきり話す会議では高い精度が期待できますが、条件が悪くなると誤変換が増えます。精度を下げる主な要因は、複数人の発言の重なり、マイクから遠い人の声、周囲の雑音、早口や方言、そして社名、人名、製品名、業界用語といった固有名詞です。固有名詞は一般的な言葉に置き換えられやすく、読み返したときに意味が通らない原因になります。
Nottaの料金ページのよくある質問では、整然とした発言が行われるフォーマルな会議で認識率が98.86%以上とされる一方、収音が困難な場合は認識精度に影響する可能性があると案内されています。提供元が示す数値は条件のよい場合の値であることが多いため、自社の会議で試した結果で判断しましょう。
誤変換を減らす機能が、よく使う言葉をあらかじめ登録しておく辞書登録(単語登録)です。ただし、辞書登録は有料プランだけで使える場合があります。実際にNottaの料金ページでは、単語登録や文字起こしデータのダウンロードが、有料のプレミアムプラン以降の機能として掲載されています。無料で試す段階で、辞書登録が使えるかどうかと、使えない状態でどの程度の誤変換が出るかを確かめておくと、有料化の判断材料になります。業種によって気をつけたい言葉の種類も異なります。
| 業種 | 誤変換が起きやすい言葉 | 試すときの確認点 |
|---|---|---|
| 製造業 | 型番、部品名、工程の略語、数量や公差などの数値 | 英数字の混じった型番と数値が正しく残るか |
| 医療・介護 | 薬剤名、疾患名、処置の略語 | 業種別の音声認識や辞書に対応しているか。患者や利用者の情報を扱う会議で使ってよいか |
| 建設業 | 工法名、現場名、資材名 | 現場事務所など雑音の多い環境でも聞き取れるか |
| 士業・コンサルティング | 法令名、制度名、顧客の社名 | 金額と日付が正しいか。顧客との守秘義務に反しないか |
ツールを替えなくても、録音の仕方で精度は改善できます。会議室では発言者の近くにマイクを置く、Web会議では各自がヘッドセットを使う、発言が重ならないよう進行役が指名する、会議の冒頭で参加者が名乗るといった工夫です。精度の比較は、紹介記事の数値ではなく、自社の実際の会議で試した結果で判断しましょう。同じ会議の録音を複数のツールにかけ、固有名詞と数値がどれだけ正しく残ったかを数えると、差がはっきりします。
注意点2:ハルシネーション(誤記)のリスク
文字起こしの誤変換とは別に、要約の段階で起きる誤りがあります。生成AIは、もっともらしい文章を組み立てる過程で、事実と異なる内容を書いてしまうことがあり、これをハルシネーションと呼びます。議事録では、次のような形で現れます。
- 検討中の案が、決定事項として書かれる
- 発言していない人が、宿題の担当者として記載される
- 話題に出ていない期限や数値が補われる
- 反対意見や保留の条件が省かれ、全員が合意したように読める
- 別の人の発言が入れ替わって記録される
文字起こしの誤変換は読めば違和感に気づけますが、要約の誤記は文章として自然なため、会議に出ていない人には見抜けません。議事録は「言った、言わない」を防ぐための記録であり、誤った決定事項がそのまま共有されると、後工程の手戻りや取引先との行き違いにつながります。対策は次の3点です。
- 要約と文字起こしの原文、録音を突き合わせられるツールを選ぶ。要約の各項目から該当箇所の音声に戻れると、確認の手間が小さくなります。
- 決定事項、担当者、期限、金額の4項目は、会議の参加者が必ず目で確認してから共有する。
- 会議の最後に、進行役が決定事項と宿題を口頭で読み上げる。明確な発言として録音に残るため、AIの要約も安定します。
AIが作るのは議事録の下書きであり、完成品ではありません。無料か有料かにかかわらず、人が確認して確定させる工程を省かないことが前提です。
注意点3:データのAI学習利用リスク
会議の音声には、顧客名、取引条件、人事、未発表の計画など、社外に出せない情報が含まれます。無料のAI議事録ツールを使う前に、アップロードした音声や文字起こしがAIの学習に使われるかどうかを必ず確認しましょう。サービスによっては、プランによって学習利用の扱いが分かれることがあります。
たとえばLINE WORKS AiNoteの公式サイトの料金表では、チーム・ビジネス・エンタープライズの各有償プランの「データの学習利用」が「学習利用なし」と記載され、フリープランは利用できる機能に一部制限があると案内されています。フリープランでの扱いは料金表からは読み取れないため、利用規約やプライバシーポリシーで確認が必要です。Nottaの料金ページでは、「AI学習なし」がエンタープライズプランと士業向け特別プランの機能として掲載されています。
個人情報保護委員会は、2023年6月の「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」で、個人情報取扱事業者が生成AIサービスに個人情報を含むプロンプトを入力する場合、特定された利用目的の達成に必要な範囲内であることを十分に確認するよう求めています。また、本人の同意なく個人データを含むプロンプトを入力し、応答結果の出力以外の目的で取り扱われる場合は個人情報保護法の規定に違反する可能性があるとして、サービス提供事業者が個人データを機械学習に利用しないこと等を十分に確認するよう求めています。会議には参加者や顧客の氏名、発言内容といった個人情報が含まれることが多いため、議事録ツールでも同じ考え方を当てはめて確認する必要があります。経済産業省と総務省の「AI事業者ガイドライン」(第1.2版)や、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「テキスト生成AIの導入・運用ガイドライン」も、AIを業務で利用する際の情報管理の考え方を示しており、社内ルールを作る際の参考になります。確認しておきたい項目は次のとおりです。
| 確認項目 | 見るべき内容 | 確認先 |
|---|---|---|
| 学習への利用 | 音声や文字起こしがAIの学習に使われるか。使わない設定に変更できるか | 利用規約、プライバシーポリシー、設定画面 |
| 保存場所と保存期間 | データが保存される国や地域、無料プランでの保存期間 | プライバシーポリシー、料金ページ |
| 削除 | 利用者が自分でデータを削除できるか。退会後にデータが残らないか | ヘルプページ、利用規約 |
| 通信と保存の暗号化、認証 | 暗号化の有無、ISO/IEC 27001などの第三者認証の取得状況 | セキュリティに関する説明ページ |
| 共有範囲 | 共有リンクを知っている人なら誰でも見られる設定になっていないか | 共有設定の画面 |
録音そのものについても配慮が必要です。会議の冒頭で、録音することとAIで文字起こしすることを参加者に伝え、了承を得てから始めるのが望ましい運用です。社外の参加者がいる場合は、事前の案内に記載しておくと行き違いを防げます。取引先との契約に秘密保持の定めがある場合、外部のサービスに会議内容を預けること自体が問題になることもあるため、契約内容もあわせて確認しましょう。なお、本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の判断に迷う場合は、専門家に相談してください。
もう1つの見落としが、社員が個人の判断で無料ツールに登録して会議を録音している状態です。会社が把握していないところで会議データが社外のサービスに蓄積され、担当者が異動や退職をすると、議事録の所在もわからなくなります。会社として使ってよいツールと、議事録の保管場所を先に決めておくことが、無料ツールを使う場合の最低限の管理です。
無料AI議事録の選び方|目的別の早見表と7つの確認項目
無料のAI議事録は、会議の種類と人数、扱う情報の機密度、必要な上限の3点から選びます。「一番いい無料ツール」は用途によって変わります。
目的別に見た選び方の早見表
| 目的 | 向く方法 | 理由と確認点 |
|---|---|---|
| 短い定例を少人数で継続して記録したい | 専用ツールの無料プラン(実用型) | 期限なく使えるが、1回あたりの上限と月の合計時間の確認が前提 |
| 導入前に精度や使い勝手を検証したい | 無料トライアル(お試し型) | 有料プランに近い機能を期間限定で試せる。評価項目を先に決める |
| 契約済みの環境で追加費用なく始めたい | Google MeetやTeamsの標準機能 | 契約しているプランで使えるかが決まる。管理者に確認する |
| 文字起こしは別で済ませ、要約だけ任せたい | 生成AIへの貼り付け | 話者の区別ができない。学習の設定と入力する情報を自分で管理する |
| 電話や商談の通話も記録したい | 通話を録音・文字起こしできる電話サービス | 会議用の無料ツールとは別の仕組みで記録する。サポート時間やデータの扱いを確認する |
個人事業主や中小企業が最初に確認すること
個人事業主や少人数の会社では、まず自分1人または数人で使えるかが条件になります。次の3点を順に確かめると、無料のまま使えるか、早めに切り替えるかが見えてきます。
- 利用人数:無料プランは個人での利用が前提のものが多いため、複数人で共有したい場合は、共有機能と管理機能の有無を確認する。
- 会議の場所:自宅やオンライン中心なら、契約済みのWeb会議ツールの標準機能が使えるかを先に確認する。対面の打ち合わせが多いなら、スマートフォンで録音できる専用ツールが候補になる。
- 取引先の情報:顧客との契約に秘密保持の定めがある場合は、無料プランでも学習利用の有無と削除の方法を確認する。
総務省の令和8年版情報通信白書によると、生成AIの業務類型ごとの活用状況では、日本で「議事録・メール作成補助」での活用を回答した割合が約7割と最も高く、導入効果を実感すると回答した割合も約7割でした。議事録は多くの企業でAI活用の入口になっている業務のため、無料で小さく試し、効果と課題を把握してから範囲を広げる進め方が現実的です。
確認したい7つの項目
ここまでの注意点を踏まえると、無料のAI議事録ツールを選ぶときに確認すべき項目は次の7つに整理できます。料金ページの数字だけでなく、実際に1回試して確かめることが大切です。
| 確認項目 | 確認する内容 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 利用制限 | 月の文字起こし時間、1回あたりの時間、要約の回数、保存期間 | 1回あたりの上限と、保存期間が過ぎた後の扱い |
| 辞書登録機能 | 固有名詞や専門用語を登録できるか、登録できる数 | 有料プラン限定の場合がある |
| 話者の区別 | 発言者ごとに分けて記録できるか | 対面の会議を1台で録音する場合は精度が下がりやすい |
| 要約と書き出し | 決定事項や宿題を抽出できるか、文書ファイルなどに書き出せるか | 無料プランでは書き出しができない場合がある |
| 利用環境 | 利用中のWeb会議ツールとの連携、対面会議での録音、スマートフォン対応 | 連携には管理者の許可設定が必要な場合がある |
| データの扱い | 学習への利用、保存場所、削除、暗号化 | 無料プランと有料プランで扱いが異なる場合がある |
| 共有と管理 | チームでの共有、アクセス権限、管理者による利用状況の確認 | 無料プランは個人利用が前提で、管理機能がないことが多い |
無料で足りなくなったら|有料や別の仕組みを検討する目安
無料のまま使い続けてよいのは、利用者が1人から数人で、会議が短く回数も少なく、機密性の高い内容を扱わず、議事録を個人のメモとして使う場合です。反対に、次のいずれかに当てはまるなら、有料プランや別の仕組みを検討する段階といえます。
- 月の途中で無料枠を使い切ることが続いている
- 辞書登録を使わないと、固有名詞の修正に毎回時間がかかる
- 顧客情報や人事など、機密性の高い会議でも使いたい
- 部署やチームで議事録を共有し、管理者が利用状況を把握する必要がある
- 会議だけでなく、電話や商談の通話内容も議事録として残したい
費用は、利用者ごとの月額制、利用時間に応じた従量制、法人向けの個別見積もりなど、サービスによって課金の考え方が異なります。料金は改定されることがあるため、具体的な金額は各サービスの公式サイトで最新の情報を確認してください。比較するときは、削減できる時間を目安にすると判断しやすくなります。たとえば、60分の会議の議事録作成に60分かかっていたものが、AIの下書きを確認して直す20分に短縮できれば、1回あたり40分の削減です。月に8回なら約320分、5時間あまりの時間が生まれる計算になります(簡易的な試算であり、実際の効果は会議の内容や精度によって変わります)。
最後の項目、つまり電話や商談の通話の記録は、会議用の文字起こしツールの有料プランに上げても解決しないことがあります。会議の録音と通話の録音では、音声の入り方も記録を残す場所も異なるためです。通話の記録は、電話サービス側に録音と文字起こし、CRMへの連携を持たせたほうが、通話後の転記の手間を減らせます。MiiTelの公式サイトでは、議事録の自動生成やCRMへの自動連携によって、架電後の各種作業を自動化できると案内されています。今の運用で足りているかは、次のセルフチェックで確認できます。
電話や商談の議事録、今のやり方で足りていますか?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
よくある失敗パターン
無料のAI議事録ツールで起きやすい失敗は、ツールの性能よりも、試す前の確認不足と運用の決め方に原因があります。代表的な失敗と、その防ぎ方を整理します。
| 失敗パターン | 防ぎ方 |
|---|---|
| 月の合計時間だけを見て選び、1回あたりの上限で会議の途中に記録が止まる | 料金ページで1回あたりの上限を確認し、本番前に同じ長さの録音で試す |
| 月末の重要な会議の前に無料枠を使い切る | 会議時間から必要な枠を見積もり、記録する会議の優先順位を決めておく |
| AIの要約をそのまま共有し、決定事項や担当者の誤りが後から見つかる | 決定事項、担当者、期限、金額は参加者が確認してから共有する |
| 学習に使われる設定のまま、顧客情報を含む会議を録音する | 利用規約と設定を確認し、AIを使ってよい会議の種類を決めておく |
| 保存期間が過ぎて、過去の議事録が見られなくなる | 確定した議事録は、社内の共有場所に書き出して保管する |
| 社員がそれぞれ別の無料ツールを使い、議事録の置き場所がばらばらになる | 会社として利用を認めるツールと、議事録の保管場所を1つに決める |
| 電話や商談の通話を、各自のスマートフォンで録音して手元に置いている | 通話の録音と保管のルールを決め、会社として管理できる仕組みにそろえる |
中でも影響が大きいのは、無料トライアルを目的なく始めてしまう失敗です。期間限定のお試し型は、評価項目を決めないまま使うと、便利だったという感想だけが残り、導入の判断ができないまま期間が終わります。試す前に、固有名詞の正しさ、要約の修正にかかった時間、書き出しと共有のしやすさ、データの扱いの4点を評価項目として決め、同じ会議で比べることをおすすめします。
電話や商談の通話を手作業で議事録にしている場合は、評価項目に「通話の録音と文字起こし、CRMへの連携を電話サービス側で持てるか」を加えると、会議用のツールとは別の選択肢が見えてきます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 無料で一番いいAI議事録ツールはどれですか?
A1. 会議の種類、人数、扱う情報の機密度によって変わるため、1つに決めることはできません。短い定例を少人数で記録するなら実用型の無料プラン、導入前に検証するならお試し型、契約済みの環境で始めるならGoogle MeetやTeamsの標準機能が目安です。どの場合も、1回あたりの上限と学習利用の有無は必ず確認してください。
Q2. ChatGPTで議事録を作るのに、無料で使える方法はありますか?
A2. 文字起こしを別の方法で用意し、そのテキストをChatGPTに貼り付けて要約させる方法があります。ChatGPTにはFreeプランがあり、設定の「Data controls」で「Improve the model for everyone」をオフにすると、新しい会話は学習に使われなくなります。ただし話者の区別ができないため、顧客名や個人情報を貼り付けるかどうかは慎重に判断してください。
Q3. Google MeetやTeamsの文字起こしは無料で使えますか?
A3. 別の無料期間ではなく、契約しているプランに含まれる機能として使えるかどうかが決まります。Google MeetはパソコンとAndroid端末で使え、Workspaceのエディションとドライブの空き容量が条件です。Teamsは会議中にライブの文字起こしを開始でき、話者名とタイムスタンプが付きます。自社の契約で使えるかは、管理者か公式ヘルプで確認してください。
Q4. 無料プランと無料トライアルは何が違いますか?
A4. 無料プランは期限なく使える代わりに機能や時間が限定される「実用型」、無料トライアルは期間限定で有料に近い機能を試せる「お試し型」です。継続して使いたいなら実用型、有料導入の前に精度を検証したいならお試し型が向いています。
Q5. AI議事録は安全ですか。会議の音声がAIの学習に使われることはありますか?
A5. 安全かどうかはサービスと契約プランによって異なるため、一概には言えません。プランによって学習利用の扱いが分かれる場合があるため、利用規約、プライバシーポリシー、設定画面で学習への利用の有無と削除の方法を確認し、機密性の高い会議では使用を控える判断も必要です。AIの要約には誤記が含まれることがあるため、決定事項、担当者、期限、金額は参加者が確認してから共有しましょう。
Q6. 無料のAI議事録で足りなくなったら、何を検討すればよいですか?
A6. 時間の不足や辞書登録が理由なら、同じツールの有料プランが候補です。電話や商談の通話内容も議事録に残したい場合は、通話の録音と文字起こしに対応した電話サービスの資料で、対応範囲やサポート時間を確認すると判断しやすくなります。
まとめ
AI議事録は無料でも十分に試せますが、無料プランには時間や機能の上限があり、精度、誤記、データの扱いという3つの注意点があります。最後に、今日から取り組める5つのことを整理します。
- 自社の会議の長さと回数から、1か月に必要な文字起こし時間を見積もる。
- 候補のツールが実用型かお試し型かを確かめ、1回あたりの上限と保存期間を確認する。
- 実際の会議で試し、固有名詞と数値の正しさ、辞書登録の有無を確かめる。
- 利用規約と設定で学習への利用を確認し、AIを使ってよい会議と、決定事項を人が確認する手順を決める。
- 電話や商談の通話内容も議事録に残す必要があるなら、通話の録音と文字起こしに対応した電話サービスの資料で、対応範囲とサポート時間を確認する。
参考文献
- 総務省「令和8年版 情報通信白書 生成AIの業務利用状況」 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r08/html/nd121130.html
- 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」 https://www.ppc.go.jp/news/careful_information/230602_AI_utilize_alert/
- 経済産業省「AI事業者ガイドライン」(第1.2版) https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/ai_shakai_jisso/20260331_report.html
- 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「テキスト生成AIの導入・運用ガイドライン」 https://www.ipa.go.jp/jinzai/ics/core_human_resource/final_project/2024/generative-ai-guideline.html
- Google Meet ヘルプ「Google Meet で文字起こしを使用する」 https://support.google.com/meet/answer/12849897?hl=ja
- Microsoft サポート「Microsoft Teams 会議でライブ トランスクリプトを開始、停止、ダウンロードする」 https://support.microsoft.com/ja-jp/teams/meetings/start-stop-and-download-live-transcripts-in-microsoft-teams-meetings
- OpenAI Help Center「Data controls in ChatGPT」 https://help.openai.com/en/articles/7730893-data-controls-in-chatgpt
- Notta「文字起こし料金プラン」(2026年10月16日確認) https://www.notta.ai/pricing/
- LINE WORKS AiNote(公式サイトの料金表。2026年10月16日確認) https://line-works.com/ainote/
- MiiTel Phone(公式サイト) https://miitel.com/jp/service/phone/