DXトレンド2026|生成AI・データ活用・店舗DXの動向を公的調査で解説

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  • IPA調査の数字で2026年のDXの現在地がわかる
  • 業種・規模別の進み具合と主要技術を整理できる
  • 判定表で優先すべきトレンドと人材づくりを判断できる

2026年のDXトレンドを一言でまとめると、AI導入の広がりと、それを成果につなげるための人材・組織づくりです。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が2026年7月に公表した「DX動向2026 広がるAI導入、DXは変われるか」では、国内企業の58.0%がAIを導入または試験利用している一方、成果の中心は業務効率化にとどまっているとされています。経済産業省とIPAが6月にまとめた「デジタルトランスフォーメーション調査2026の分析」も、DX銘柄企業は技術より先にビジョン・組織・IT基盤を整えていることを示しました。この記事では、dx トレンドとして押さえたい動きを、公的機関の調査を軸に整理します。生成AIの業務組み込み、主要な技術、業種・規模別の進み具合、店舗DX、自社への当てはめ方、よくある失敗、効果の確認方法までを解説します。

あなたの会社に合うDXトレンドの進め方を診断

Q1. 2026年のDXで、いちばん取り組みたいトレンドはどちらですか?

目次

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  1. DXトレンド2026の結論|AI導入は広がり、成果を分けるのは人材と成果指標
  2. 2026年のDXトレンド|政府・公的機関の動き
  3. DX動向2026の調査結果|数字で見る日本企業の現在地
  4. 生成AIの本格的な業務組み込み
  5. DXを支える主要技術と業務自動化|「2025年の崖」後の課題
  6. 中小企業のデータドリブン経営
  7. 店舗DX(無人化・省人化)の広がり
  8. 業界別に見るDXの進み具合|進んでいる業界・遅れている業界と身近な例
  9. トレンドを自社に当てはめる判定表
  10. DXトレンド対応でよくある失敗パターン
  11. トレンド対応の効果をどう確認するか
  12. よくある質問(FAQ)
  13. まとめ
  14. 参考文献

DXトレンド2026の結論|AI導入は広がり、成果を分けるのは人材と成果指標

2026年のDXトレンドの中心は、生成AIをはじめとするAI導入の広がりですが、成果を分けるのは技術の新しさより、人材と成果指標です。

IPAの「DX動向2026」では、DXに取り組む企業のうち、DXを推進する人材が量で85.5%、質で88.8%不足していると答えています。AIを導入しても、使いこなす人材が足りなければ、業務効率化の先にある成果には届きません。そこで、どのトレンドに取り組む場合も共通して必要になるのが、社員にDXやAIの基礎を揃え、受講状況や理解度を管理できる仕組みです。その手段として使われているのがeラーニングで、サービスごとに得意な役割が違います。目的別に比較表で整理しました。

DXトレンドを使いこなす人材づくり、役割の違うeラーニング3サービス

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

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この状況に合う一例:Smart Boarding。OJTで教えていた内容を学習プログラムにでき、LMS機能で受講者ごとの進捗や理解度を確認できます。

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この状況に合う一例:OneCompliance(ワンコンプライアンス)。個人情報保護法・情報セキュリティ・著作権などの研修コンテンツを提供し、受講状況をダッシュボードで確認できます。

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この状況に合う一例:SAKU-SAKU Testing。選択式・穴埋め・記述などのテストを配信し、受講結果をリアルタイムで集計できます。

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サービス Smart Boarding OneCompliance(ワンコンプライアンス) SAKU-SAKU Testing
向いている会社 社員研修・OJT・eラーニングを1つの仕組みにまとめ、自社独自の教育内容も載せたい会社 生成AIの利用ルールに関わる法令や情報セキュリティの研修を、全社員に周知したい会社 研修後の理解度をテストで確認し、受講状況を集計して次の施策に生かしたい会社
特徴 社員研修・OJT・eラーニングを1つのシステムで運用。OJTの内容をプログラム化でき、LMS機能で受講者ごとの進捗や理解度を確認できる 法務・労務・情報領域のコンプライアンス研修に特化。ダッシュボードで受講状況を確認でき、自動リマインダーで受講を促せる CBTの技術を活かしたテスト機能が中心。1つのテストにサービスの設問と自社オリジナルの設問を併用でき、結果はリアルタイムで集計される
注意したい点 自社独自の教育内容を学習プログラム化する際に一定の手間がかかり、担当者との打ち合わせが必要 料金体系は受講者の人数に応じて変わるため、詳細は問い合わせで確認が必要 AIを使ったリモート監視機能などは有償オプション。日本国内仕様で、海外での利用はサポート対象外
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表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

表のうち、OneComplianceとSAKU-SAKU Testingは、それぞれ生成AIの業務組み込みと効果の確認の章で詳しく紹介します。ここでは、自社の教育内容をまとめて運用したい場合の一例から見ていきます。

全社員に同じ基礎を届けながら、自社独自の教育内容も載せたい場合の一例が、Smart Boardingです。商品ページによると、社員研修・OJT・eラーニングを1つのシステムで運用でき、OJTで教えていた内容を資料や動画のプログラムにして、いつでも何度でも学習と復習ができます。自社の資料や動画とサービスの動画を組み合わせた研修コースの作成や、LMS機能による受講者ごとの進捗・理解度の確認にも対応しています。注意点として、自社独自の教育内容を学習プログラム化する際には一定の手間がかかり、キャリアマップや教育プログラムの作成では担当者との打ち合わせが必要です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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出典:Smart Boarding

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【2026年最新】LearnO vs Smart Boardingを徹底比較|どちらがあなたに合う?評判・機能・料金で検証!

今、eラーニングシステムを導入する企業が増えています。特に「LearnO」と「Smart Boarding」は2大人気サービスで、評価を見てもどちらが本当に自社に合うサービスなのか悩んでいる方も少なくありません。本記事では、徹底比較したビジコン編集部が目的別・使い方別に違いを明確に解説します。

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導入事例では、アース環境サービス株式会社が、部署ごとに教育の取り組みがばらばらだった状態を見直し、全社で育成の方針をそろえるために導入したと紹介されています。(出典:Smart Boarding 導入事例(アース環境サービス株式会社))

DX人材の類型や育成と外注の考え方をもっと詳しく知りたい場合は、DX人材とは|DSS-P ver.2.0の6類型と中小企業の育成・確保の進め方もあわせて読んでみてください。

2026年のDXトレンド|政府・公的機関の動き

2026年のDXトレンドを公的機関の動きから見ると、「AI導入の広がり」と「DXの成果をどう測り、どう高めるか」の2つが大きな軸です。民間のトレンド記事は新しい技術の名前を並べがちですが、公的な調査は、企業が実際にどこでつまずいているかを数字で追っている点に価値があります。IPAの調査は、日本標準産業分類の19業種の企業の経営層またはICT関連事業部門を対象に、1,799社から有効回答を得たものです。まずは主な資料の位置づけを整理しておきましょう。

資料(公表元・時期) 主な内容 読むときの着眼点
DX動向2026 広がるAI導入、DXは変われるか(IPA、2026年7月) 企業のDXの取組状況と成果、成果を把握するための評価、DX投資、AI導入の状況と効果、DX推進でのAIの位置づけ、DX・AI人材の過不足と育成・確保 AIを導入した企業が、それをDXの成果にどう結びつけているかという視点で読む
デジタルトランスフォーメーション調査2026の分析(経済産業省・IPA、2026年6月) DX銘柄・DX注目企業などの回答をもとに、DXの取組の特徴を分析。DX銘柄企業は「ビジョン策定」「組織づくり」「IT基盤整備」が高水準、DX注目企業は「成果指標の見直し」のスコアが高いとされる 先進企業が技術より先に、ビジョン・組織・指標を整えている点に注目する
デジタルスキル標準(IPA) 全てのビジネスパーソン向けのDXリテラシー標準(DSS-L)と、DX推進人材向けのDX推進スキル標準(DSS-P)で構成 社内研修の目標レベルを決めるときの共通のものさしとして使う

このほか政府は、建築・都市、交通インフラ、製造業などでのAIロボティクスといった分野でDXを後押しする方針を示しています。ただし、こうした産業政策の動きは業種によって関係の深さが大きく異なります。自社の業種に直接関わる施策かどうかを見極め、関係する分野だけを所管省庁の一次情報で追うのが効率的です。

公的な調査が示すメッセージをひと言でまとめると、「AIなどの技術を入れる段階から、成果を出す段階へ移れるかどうか」が2026年の分かれ目だということです。次の章では、IPAの調査結果を数字で確認します。

DX動向2026の調査結果|数字で見る日本企業の現在地

DX動向2026では、DXに取り組む企業は75.7%で横ばい、AIを導入または試験利用する企業は58.0%に達した一方、成果はコスト削減や業務効率化が中心です。

主な調査結果の一覧

項目 結果 読み取り
DXに何らかの形で取り組む企業 75.7%(経年では横ばい) 取組の有無より、成果の出し方が問われる段階にある
DXで「成果が出ている」企業 60.8%(「わからない」は26.8%) 成果を把握できていない企業が4社に1社以上ある
DXの経営面の成果(成果が出ている企業の回答) コスト削減70.9%、売上高増加17.9%、利益増加19.6% 内向きの成果が中心で、外向きの成果は限定的
DXの成果指標を設定している企業 23.9% 4社に1社に満たない。設定しない理由の最多は「評価指標の設定方法がわからない」(36.0%)
AIの導入状況 導入している42.3%、試験利用15.7%(合計58.0%) 半数以上の企業が何らかの形でAIを使い始めている
生成AIを「導入している」企業 22.6%(2024年度)から44.0%(2025年度) 1年でほぼ倍増した
AI導入の効果 期待以上13.7%、期待どおり18.1%(合計31.8%)。「一定の効果はあった」は50.6% 期待を満たした企業は3割強にとどまる
DX推進人材の不足(DXに取り組む企業) 量85.5%、質88.8%(「やや不足」と「大幅に不足」の合計) 慢性的な人材不足が続いている

出典:IPA「DX動向2026」(2026年7月30日公表)。AIの導入状況は回答企業全体、成果や人材の不足はDXに取り組む企業の回答です。

企業規模で二極化している

従業員規模別に見ると、DXに何らかの形で取り組む企業は、1,001人以上で98.7%に達する一方、100人以下では41.6%にとどまります。100人以下で取り組まない最大の理由は「自社がDXに取組むメリットがわからない」(54.0%)で、101人以上300人以下では、知識や情報、戦略立案や現場で推進する人材の不足が目立ちます。AIの導入でも同じ傾向があり、100人以下の企業では「関心はあるがまだ特に予定はない」が34.6%、データを利活用している企業の割合は1,001人以上の75.3%に対して100人以下は38.6%です。トレンドの追いかけ方は、規模によって課題が違うことを前提に考える必要があります。

成果は「内向き」にとどまっている

DXの成果を内容別に見ると、「コスト(人件費・材料費等)削減」が70.9%で最も高く、売上高の増加は17.9%、利益の増加は19.6%です。AIの導入効果でも、「業務が効率化したり迅速化した」が91.6%なのに対し、「顧客満足度が向上した」は4.5%、「売上や利益が向上した」は3.9%にとどまります。AIの用途も、文書・音声の要約・翻訳・校正(82.5%)や文書・レポートの作成(80.5%)が中心で、自社製品・サービスの高度化は10.9%です。副題の「DXは変われるか」は、この内向きの成果から、新しい価値づくりへ進めるかという問いだといえます。

人材と成果指標の整備が追いついていない

成果を測る指標を設定している企業は23.9%で、設定していない理由で最も多いのは「評価指標の設定方法がわからない」です。人材面でも、DX推進に必要なスキルを「把握できていない」企業が52.8%、DX推進人材の人材像を設定して社内に周知している企業は16.2%にとどまります。一方で、必要なスキルを把握している企業ほどDX推進人材の質が「大幅に不足している」と答える割合は低く(把握している企業は40.6%、把握できていない企業は64.0%)、人材像とスキルの把握が人材確保の前提になることがうかがえます。経済産業省とIPAの分析でも、DX銘柄企業でさえ「人材育成」では最も良い選択肢を回答した割合が他の項目より小さいと指摘されています。

つまり、どのトレンドに取り組む場合も、人材の基礎を揃え、受講状況や理解度を管理できる仕組みづくりが共通の課題です。冒頭の比較表で紹介したeラーニングは、その仕組みをつくる手段の一つです。

生成AIの本格的な業務組み込み

2026年のDXトレンドで最も注目度が高いのが、生成AIの業務への本格的な組み込みです。IPAの調査では、生成AIを「導入している」企業が2024年度の22.6%から2025年度の44.0%へほぼ倍増しました。多くの企業が文章作成や要約、アイデア出しなどで試してきた段階から、特定の業務フローの中に生成AIを組み込んで継続的に使う段階へ移りつつあります。

試行と本格活用の違い

試行の段階では、社員が個人的に生成AIを使い、便利だと感じた使い方を共有する形が中心です。本格活用の段階では、「問い合わせメールの一次回答案を作る」「会議の議事録を要約して共有する」「社内規程を検索して回答する」のように、業務の手順の中にAIの役割が組み込まれます。担当者が変わっても同じ品質で使えるよう、使い方のルールや確認の手順も決まっています。IPAの調査で生成AIの組織での利用状況を見ると、「個人で業務利用している」が63.3%と最も高く、「部署の業務プロセスに組み込まれている」は11.9%、「全社的なサービスに組み込まれている」は18.6%です(導入・試験利用・検討中の企業が対象)。

観点 試行の段階 本格的な業務組み込みの段階
使う人 関心のある一部の社員 業務の担当者全員
使い方 個人の工夫に任されている 業務手順の中で役割が決まっている
ルール 禁止事項だけが決まっている 入力してよい情報、出力の確認手順、責任者まで決まっている
効果の把握 「便利になった」という感想 作業時間や対応件数など、業務の数字で確認する

AIエージェントへの関心の高まり

生成AIの発展形として、指示を受けて複数の作業を自律的に進める「AIエージェント」への関心も高まっています。たとえば、問い合わせ内容を読み取って必要な情報を社内システムから調べ、回答案を作って担当者に確認を依頼する、といった一連の流れをAIが担う使い方です。IPAの調査でもAIエージェントの利用はどの部署でも低水準にとどまっていますが、官民による投資を期待するAIの分野として「エージェントAI」を挙げた企業は33.5%ありました。ただし、AIが自律的に動く範囲が広がるほど、誤った処理や情報の取り扱いに関するリスクも大きくなります。最初は人が最終確認をする前提で、影響の小さい業務から試すのが現実的です。

業務組み込みで壁になりやすい点

生成AIの業務組み込みでは、「ツールは導入したが、業務の変革まではつながっていない」という状態に陥りやすくなります。IPAの調査でも、AIの導入・運用上の課題は「専門人材が不足している」(50.1%)、「生成AIの効果やリスクに関する理解が不足している」(45.8%)、「適切な利用を管理するためのルールや基準の作成が難しい」(39.7%)が上位で、人材不足・リテラシー不足・ガバナンス整備の遅れが三大課題とされています。AIのポリシーやガイドラインを「どちらも定めていない」企業は16.7%、AI独自のリスクマネジメントを実施している企業は14.2%にとどまります。

生成AIは、もっともらしい誤りを出力することがあり、個人情報や機密情報の入力には注意が必要です。こうした基本的な注意点を、全社員が共通して理解している状態をつくることが、業務組み込みの前提になります。AIとDXの関係を整理したい場合は、DXとAIの違いとは?関係性とDX推進でAIを活用する手順が、AIの研究や政策の動向を知りたい場合はAI研究とは?日本の主要機関・政策・最新トレンドをわかりやすく解説が参考になります。

生成AIの利用ルールを決めたあとに残るのが、そのルールと関連する法令を全社員に周知する作業です。AIに入力する情報には個人情報や機密情報が含まれやすく、生成物の扱いでは著作権の理解も欠かせません。こうした周知の手段の一例が、OneCompliance(ワンコンプライアンス)です。商品ページによると、コンプライアンス研修に特化したeラーニングで、個人情報保護法・情報セキュリティ・著作権(AIに関する著作権を含み、主な対象は役員・管理職)などのコンテンツを提供しています。ダッシュボードで受講状況を確認でき、自動リマインダーで受講を促せるほか、法改正などに合わせてコンテンツが更新されます。自社のAI利用ルールそのものは自社で定める必要があり、料金体系は受講者の人数に応じて変わるため詳細は問い合わせで確認が必要です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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  • 費用は人数に応じた課金体系のため、問い合わせで確認

導入事例では、上場準備中の株式会社プリメディカ(医療/ヘルスケア)が、法務や教育の専任担当がおらず社内だけでは研修の実施が難しい状況で導入したと紹介されています。(出典:OneCompliance 公式サイト(導入事例))

3サービスの役割を比較表で見る

DXを支える主要技術と業務自動化|「2025年の崖」後の課題

DXを支える主要な技術は、AI、クラウド、IoT、ビッグデータ、RPA、5G、デジタルツインの7つで、技術名から選ぶのではなく、自社の課題から必要なものを選ぶのが基本です。2026年は、これらを単体ではなく組み合わせ、生成AIと一緒に使う前提で見直す動きが進んでいます。DXの目的を「効率化」から「新しい価値づくり」へ広げるための土台として、位置づけも変わりつつあります。

DXを支える7つの主要技術

技術 できること 導入前に確認したい点
生成AI・AIエージェント 文章の要約・作成・分類や、指示に応じた複数作業の実行 誤った出力がありうるため、人が確認する手順を残す
クラウド 必要なITリソースを、ネットワーク経由で必要な分だけ使う データを集めて共有する土台になるため、データの置き場所とアクセス権限を先に決める
IoT 機器やセンサーをネットワークにつなぎ、稼働状況などを自動で記録する 集めたデータを誰がどの判断に使うかを先に決めておく
ビッグデータ・BI 大量で多様なデータを分析し、意思決定に生かす 数字を読み解ける人が限られると、現場の判断は変わらない
RPA 手順が決まっている入力・転記・集計などの繰り返し作業を代行する 画面や手順が変わると止まるため、保守する担当者を決めておく
5G 高速・低遅延・多数同時接続の通信 現場のIoTなどを支える通信基盤。必要な場面かを先に見極める
デジタルツイン 現実の設備や機器の状態をデジタル空間に再現し、分析や予測に使う 設備のデータを継続して取れる環境が前提になる

7つすべてを入れる必要はありません。先に解決したい課題があり、それに合う技術を選ぶという順番を守ることが大切です。技術を選ぶときは、予算・体制・既存システム・セキュリティといった制約を踏まえ、必要に応じて外部パートナーの知見を借りる方法もあります。

RPA・IoTと生成AIを組み合わせた自動化

RPA(パソコン上の定型操作をソフトウェアに代行させる仕組み)は、決まった手順の繰り返し作業に強い一方、文章の内容を読み取って判断するような作業は苦手でした。そこに生成AIを組み合わせ、判断が必要な部分をAIが担い、システムへの入力や転記をRPAが担う形で、1つの作業ではなく業務の流れ全体を自動化しようとする考え方が広がっています。こうした複数の技術を組み合わせた自動化は「ハイパーオートメーション」と呼ばれることもあります。製造や物流の現場では、IoT(機器やセンサーをネットワークにつなぐ技術)で集めた稼働データを、点検や保全の判断に生かす取り組みも進んでいます。

自動化で成果を出すうえで大切なのは、今の手順をそのまま機械に置き換えないことです。不要な承認や二重入力が残ったまま自動化すると、無駄な作業が速く回るだけになります。先に業務の流れを見直し、残すべき作業を絞ってから自動化の対象を決めましょう。

「2025年の崖」を過ぎた今、何が課題か

「2025年の崖」は、経済産業省が2018年に公表したDXレポートで示した言葉です。老朽化・複雑化し、中身がわかる人も減った既存システム(レガシーシステム)を放置すると、2025年以降に大きな経済損失が生じるおそれがあると警鐘を鳴らしました。その2025年を過ぎた現在も、この問題が解消されたわけではありません。古いシステムにデータが閉じ込められたままでは、生成AIやBIツールを導入しても、使えるデータが限られてしまいます。

このため2026年は、システムの刷新を済ませてデータを活用できる企業と、既存システムの維持に人手と予算を取られ続ける企業との差が、AI活用の差としても表れやすい時期といえます。経済産業省とIPAの分析でDX銘柄企業の「IT基盤整備」の評価が高いとされているのも、この点と重なります。基幹システムを一度に入れ替えるのが難しい場合は、どのシステムにどのデータがあるかを棚卸しし、AIやデータ分析で使いたいデータを持つシステムから順に見直すのが現実的です。

中小企業のデータドリブン経営

2つ目のトレンドは、中小企業にもデータにもとづく経営判断が広がりつつあることです。以前はデータ分析の基盤をつくるには大きな投資が必要でしたが、クラウド型のBIツールや、プログラミングの知識がなくても業務アプリをつくれるノーコード・ローコードの仕組みが普及したことで、データを集めて可視化するまでのハードルは大きく下がりました。

データドリブン経営で扱うデータの例

データドリブン経営というと大がかりに聞こえますが、最初に扱うデータは、多くの会社がすでに持っているものです。販売管理システムの売上データ、勤怠データ、問い合わせの件数と内容、ウェブサイトのアクセス数、製造業であれば設備の稼働状況などです。これらがExcelや紙、部署ごとのシステムに散らばっていることが、活用を妨げる最大の原因になっています。IPAの調査では、データを「全社で」または「事業部門・部署ごとに」利活用している企業は59.9%ですが、「全社で利活用している」は20.0%と前年度の24.2%から減っており、利活用は広がっても全社展開には至っていない企業が多い状況です。データ整備・管理・流通の課題で最も多いのは「人材の確保が難しい」(51.2%)でした。

段階 取り組みの内容 必要になる力
1. 集める 紙やExcelで管理しているデータをデジタル化し、一か所に集める 業務の流れとデータの発生場所を把握する力
2. 見える化する BIツールなどで売上や稼働状況をグラフにし、関係者が同じ数字を見られるようにする ツールの基本操作と、見るべき指標を決める力
3. 判断に使う 数字の変化から原因を考え、発注量や人員配置などの判断を変える データを読み解き、仮説を立てて検証する力

ツールより先に「読める人」を増やす

表の3つの段階のうち、ツールで解決できるのは主に1と2です。3の「判断に使う」段階は、データを読み解ける人がいなければ前に進みません。ダッシュボードを整えたのに誰も見なくなった、という失敗は珍しくありません。データドリブン経営を根づかせるには、分析の専門家を1人置くことよりも、現場の管理職や担当者がグラフの読み方や数字の比べ方を理解していることのほうが効いてきます。IPAのDXリテラシー標準(DSS-L)でも、データを扱う基礎的な知識は全てのビジネスパーソンが身につけるべき内容として整理されています。

中小企業がデータ活用を始める場合は、全社のデータを一度に統合しようとせず、1つの部門の1つの課題から始めるのが確実です。たとえば「在庫の過不足を減らしたい」という課題なら、販売と在庫のデータだけを見える化し、発注の判断に使えるかを確かめます。成果が出たら、同じやり方をほかの部門に広げていきます。中小企業のDXの進め方全体を知りたい場合は、中小企業のDX推進ガイドもあわせて確認してください。

データの読み方や自社の業務の見方は、担当者が口頭で教えるだけでは広がりにくい内容です。管理職や現場の担当者向けの学習内容を、自社の資料や動画でプログラム化し、いつでも繰り返し学べる形にしておくと、人が入れ替わっても同じ水準を保ちやすくなります。

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店舗DX(無人化・省人化)の広がり

3つ目のトレンドは、小売・飲食・サービス業での店舗DXの広がりです。背景にあるのは深刻な人手不足で、少ない人数でも店舗を運営できるようにする省人化や、時間帯によっては無人で営業する取り組みが増えています。

取り組みの例 期待できる効果 導入時に注意したい点
セルフレジ・セミセルフレジ レジ対応の人員を減らし、混雑時の待ち時間を短くする 操作に不慣れな客へのサポート体制を残しておく
モバイルオーダー・テーブルオーダー 注文受付の手間と聞き間違いを減らし、注文データを蓄積できる スマートフォンを使わない客への対応方法を決めておく
無人店舗・無人営業時間帯 深夜や早朝など人を配置しにくい時間帯にも営業できる 防犯対策、トラブル時の連絡手段、酒類など販売規制のある商品の扱いを確認する
キャッシュレス決済・データ連携 現金管理の手間を減らし、売上データを在庫や発注に生かせる 決済手数料と、データを分析に使う体制の両方を検討する

機器の導入後に必要になる店舗スタッフの教育

店舗DXで見落とされがちなのは、機器を導入したあとに残る人の仕事の変化です。レジ打ちが減る代わりに、機器のトラブル対応、客への操作案内、蓄積された販売データの確認といった新しい仕事が生まれます。こうした仕事を担う店舗スタッフが、機器の仕組みやデータの見方を理解していないと、トラブルのたびに本部に問い合わせが集中し、かえって負担が増えることもあります。

アルバイトやパートを含めて入れ替わりの多い店舗では、新しい機器の使い方を口頭で教えるだけでは限界があります。短い動画で操作やトラブル時の対応を学べるようにしておけば、スタッフが入れ替わっても同じ水準で運営しやすくなります。新しい技術を入れるたびに、使いこなす人材を育てる仕組みもあわせて用意しておくと、店舗DXの効果が長続きします。

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業界別に見るDXの進み具合|進んでいる業界・遅れている業界と身近な例

DXの取組が進んでいるのは、IPAの調査では情報通信業が突出し、金融業・保険業が続きます。サービス業は、取り組んでいる企業の回答率が相対的に低くなっています。

業種別の取り組み状況(IPA調査)

業種 DXの取組状況 AIの活用
情報通信業 55.4%が「全社戦略に基づき、全社的にDXに取組んでいる」と回答し、他業種を大きくリードしている AIを「導入している」が約7割。「プログラムコードやシステム開発支援」の用途は76.3%で、他業種を大きく上回る
金融業・保険業 DXに取り組んでいるとする回答率が高い 情報通信業を除くと、問合せ対応、業務手続き支援、顧客対応の自動化・支援、不正検知・リスク管理など多くの用途で他業種より回答率が高い
サービス業 DXに取り組んでいる企業の回答率が相対的に低い IPAの本文では、業種別の個別の特徴は示されていない

このほか、AIの導入はほとんどの業種で、試験利用を含めると半数以上の企業が進めており、業種を問わず広がっています。生成AIの利用部署では、ITシステム(71.9%)、経営企画(69.0%)、総務・法務(68.4%)といったバックオフィス系が先行し、調達(31.3%)、流通(23.9%)、製造(35.7%)など現場業務に近い部署は低めです。

「進んでいない業界」をどう読むか

「DXが進んでいない業界はどこか」という疑問には、IPAの調査ではサービス業の取組の回答率が相対的に低いこと、従業員100人以下の企業の取組が41.6%にとどまることが手がかりになります。ただし、IPAの業種は5つの区分に集約された集計で、同じ業種の中でも企業ごとの差は大きくなります。自社の業界が遅れているかどうかを気にするより、自社の課題から取り組む順番を決めるほうが実用的です。

身近なDXの例と、デジタル化との違い

場面 身近な例 DXに近づくポイント
店舗・小売 セルフレジ、キャッシュレス決済、モバイルオーダー 売上データをもとに、発注や品ぞろえを見直す
オフィス オンライン会議、チャットツール、クラウドストレージ 場所を選ばない働き方に合わせて、会議や承認の進め方を見直す
契約・事務 電子契約、請求書や経費精算のクラウド化 紙・押印・郵送の手間を減らし、処理の流れ自体を短くする
人事・総務 勤怠管理のクラウド化、eラーニングによる社内研修 受講や勤務のデータを集計し、育成や人員配置の判断に生かす
製造・物流 IoTによる設備の稼働記録、需要予測 点検や発注の判断を、経験ではなく数字をもとに行う

身近な例の多くは、紙や対面の作業をデジタルに置き換える段階です。DXは、そこで集まったデータをもとに、業務の進め方や提供する価値まで変えていく取り組みを指します。定義の詳しい整理は、DXとは?経産省の定義とデジタル化との違い、業種別・規模別の始め方で解説しています。

トレンドを自社に当てはめる判定表

ここまで見てきたトレンドは、どれも全ての会社がすぐに取り組むべきものではありません。トレンド記事を読んで「全部やらなければ」と焦るより、自社の課題と照らし合わせて、取り組む順番を決めることが大切です。自社の状況から、優先して見るべきトレンドを判定するための表を用意しました。

自社の状況 優先して見るトレンド 最初の一歩
文書作成や問い合わせ対応など、定型的な事務作業に時間がかかっている 生成AIの業務組み込み 対象業務を1つ決め、生成AIの利用ルールと確認手順をつくる
データはあるが、判断は経験や勘に頼っている データドリブン経営 1つの部門の課題について、関係するデータだけを見える化する
店舗や現場の人手が足りず、採用も難しい 店舗DX(省人化) 人の手がかかっている作業を洗い出し、機器で置き換えられるものを選ぶ
ツールを入れても使われず、定着しない DX人材の育成 DXリテラシー標準を目安に、全社員向けの基礎研修を用意する
業界全体で国の施策が動いている(建築・交通・製造など) 産業分野ごとの政府施策 所管省庁の一次情報を確認し、補助制度や標準化の動きを把握する

複数の行に当てはまる場合も多いはずです。その場合は、「効果が出るまでの期間が短いもの」と「失敗したときの影響が小さいもの」から始めると、社内の理解を得やすくなります。また、表の4行目「ツールを入れても使われない」に当てはまる会社は、ほかのトレンドに取り組む前に人材育成を先に整えたほうが、結果的に早く成果が出ることが多い点も覚えておきましょう。自社のDXの成熟度を客観的に測りたい場合は、DXアセスメントとは|DX推進指標で成熟度を測る方法も参考になります。

判定表のうち、人材とルールの準備に関わる部分を、次のセルフチェックで手早く確かめられます。

DXトレンドを使いこなす人材づくり、今の準備状況セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

DXトレンド対応でよくある失敗パターン

DXトレンドに乗ろうとして、かえって時間とコストを無駄にしてしまうケースもあります。よくある失敗パターンと、その対策を整理しました。

失敗パターン 起きること 対策
流行のツールを先に導入する 解決したい課題がはっきりせず、使われないまま費用だけがかかる 「デジタル化のためのデジタル化」にならないよう、先に業務上の課題を言葉にする
全社で一斉に始める 部署ごとに事情が違い、調整に時間がかかって前に進まない 1つの部門で小さく試し、成果とやり方を確認してから広げる
推進担当者1人に任せきりにする 担当者が異動・退職すると取り組みが止まる 経営層が方針を示し、現場の社員にも基礎知識を広げて推進を支える体制をつくる
生成AIの利用ルールを決めずに使わせる 機密情報の入力や、誤った出力をそのまま使うトラブルが起きる 入力してよい情報と出力の確認手順を決め、研修で周知する
効果を測らずに続ける 成果があるのかわからず、投資の継続や拡大の判断ができない 始める前に効果を確認する指標を決め、定期的に振り返る

とくに注意したいのが、セキュリティ面の見落としです。クラウドサービスや生成AIの利用が広がるほど、情報の持ち出しや不正アクセスのリスクも増えます。新しいトレンドに取り組むときは、利便性とあわせてセキュリティの確認も同時に進めましょう。詳しくはDXセキュリティとは?DX推進で見落としやすいリスクと対策で解説しています。

トレンド対応の効果をどう確認するか

経済産業省とIPAの分析では、DX注目企業で「成果指標の見直し」のスコアが高いとされています。成果を出している企業ほど、何をもって成果とするかを定め、状況に合わせて見直していることがうかがえます。トレンドに取り組むときも、始める前に効果を確認する指標を決めておくことが大切です。

IPAの調査では、DXの成果指標を設定している企業は23.9%にとどまり、DXの投資対効果が「投資・費用を上回る」と答えた企業は14.6%でした。成果指標を設定している企業は、設定していない企業と比べて、投資対効果が出ているという回答が10ポイント程度高くなっています。

段階ごとに見る指標を変える

DXの効果は、すぐに売上や利益に表れるとは限りません。取り組みの段階に合わせて、見る指標を変えていくのが現実的です。

段階 見る指標の例 確認のしかた
導入直後 利用者数、利用頻度、研修の受講率 ツールの管理画面やeラーニングの受講記録で毎月確認する
定着期 対象業務の作業時間、処理件数、ミスの件数 導入前の数字と比べる。導入前に一度計測しておくことが前提
成果期 コスト、売上、顧客満足度、従業員の負担感 四半期や半期ごとに、経営層も交えて振り返る

人材面の指標も忘れずに入れる

効果の確認では、業務の数字だけでなく、人材面の指標もあわせて見ることをおすすめします。たとえば「DXの基礎研修を修了した社員の割合」「新しいツールを自分で使いこなせると答えた社員の割合」「社内で改善提案を出した人数」などです。どのトレンドに取り組む場合も、最後に成果を左右するのは使いこなす人材の層の厚さです。人材面の指標が伸びていれば、次のトレンドに取り組むときの立ち上がりも早くなります。

研修の受講率や修了状況をきちんと追うには、紙やExcelの管理では手間がかかります。eラーニングであれば受講状況が記録として残るため、人材面の指標を定期的に確認しやすくなります。受講率だけでなく、研修後の理解度まで数字で確かめたい場合の一例が、SAKU-SAKU Testingです。

SAKU-SAKU Testingは、CBTの技術を活かしたテスト機能を備えたeラーニングプラットフォームです。商品ページによると、選択式・穴埋め・並び替え・記述のテストを配信でき、サービスが用意した設問と自社オリジナルの設問を1つのテストにまとめられます。受講状況や結果はリアルタイムで集計され、組織やグループ別に進捗を把握できるため、受講率や理解度といった人材面の指標を確認しやすくなります。注意点として、AIを使ったリモート監視機能(サクテスAIMONITOR)などを使う場合は、有償オプションの契約が必要です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

株式会社イー・コミュニケーションズ

SAKU-SAKU Testing

SAKU-SAKU Testing

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初心者にも◎受講者の管理をスムーズに行いたい方におすすめ

30秒で完了!かんたん入力 資料を無料ダウンロード
料金・機能をまとめて確認 サービス詳細はこちら
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おすすめ!

  • 不慣れな方でも作成・登録しやすいコンテンツ機能を多数搭載
  • あらゆる企業ですぐに役立つ実践的な内容のコンテンツを厳選して用意
  • ユーザー管理機能を備えているため、より細かな対象でカテゴリーやグループを紐づけられる
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気になる…

  • 事務局運営やカスタマーデスクを利用する場合はオプション扱いとなる

導入事例では、メディカル・データ・ビジョン株式会社が、合格していないテストがある人へのリマインドメールを事前に自動で送れるようになり、テストの質に加えて受講率も向上したと紹介されています。(出典:SAKU-SAKU Testing 導入事例(メディカル・データ・ビジョン株式会社))

DXリテラシーを一部の社員にとどめず、社内全体に広げる仕組みとして、研修の運用と効果の確認をセットで検討してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 2026年のDXトレンドで最も注目されているのは何ですか?

A1. 最も注目されているのは、生成AIをはじめとするAIの業務への本格的な組み込みです。IPAが2026年7月に公表した「DX動向2026」も、副題に「広がるAI導入、DXは変われるか」を掲げ、AI導入の状況や効果、DX推進でのAIの位置づけを主要な調査項目にしています。あわせて、AIを成果につなげるための人材の確保・育成も大きな論点になっています。

Q2. DXトレンドを知るには、どの資料を読めばよいですか?

A2. まずは公的機関の資料を確認するのがおすすめです。IPAの「DX動向2026」は国内企業1,799社の回答をもとにDXとAI導入の状況を幅広く調査しており、経済産業省とIPAの「デジタルトランスフォーメーション調査2026の分析」は、DX銘柄企業などの取組の特徴を分析しています。民間のトレンド記事は、これらの一次情報とあわせて読むと、内容の確かさを判断しやすくなります。

Q3. 2026年にトレンドとなる技術は何ですか?

A3. 注目度が高いのは、生成AIとAIエージェント、データを集めて分析するクラウドやBIツール、定型業務を代行するRPA、現場のデータを集めるIoTなどです。IPAの調査では、AIの用途は文書の要約・作成といった個人の業務効率化が中心で、AIエージェントの利用はどの部署でも低水準にとどまっています。技術名から選ぶのではなく、自社の課題に合うものを1つ選んで小さく試すのが現実的です。

Q4. DXが進んでいる業界と、進んでいない業界はどこですか?

A4. IPAの「DX動向2026」では、情報通信業の55.4%が全社戦略に基づいて全社的にDXに取り組んでいると回答し、他業種を大きくリードしています。金融業・保険業も取り組む企業の回答率が高く、サービス業は相対的に低くなっています。従業員規模でも差があり、DXに取り組む企業は1,001人以上の98.7%に対して、100人以下は41.6%です。

Q5. DX化の身近な例には何がありますか?

A5. セルフレジやモバイルオーダー、キャッシュレス決済、オンライン会議、電子契約、勤怠管理や請求書処理のクラウド化などが身近な例です。これらは紙や対面の作業をデジタルに置き換える段階で、集まったデータをもとに発注や人員配置などの判断を変えると、DXに近づきます。

Q6. DXトレンドに対応する人材はどう育て、効果はどう確認すればよいですか?

A6. IPAのデジタルスキル標準を目安に、全てのビジネスパーソン向けのDXリテラシー標準(DSS-L)で基礎を広げ、推進役にはDX推進スキル標準(DSS-P)を参考に専門的なスキルを身につけてもらいます。効果は、導入直後は研修の受講率、定着期は対象業務の作業時間や処理件数、成果期はコストや売上と、段階に合わせて指標を変えて確認します。全社員への教育と受講管理には、DX研修に対応したeラーニングを使う方法があります。

まとめ

2026年のdx トレンドは、AI導入の広がりを中心に、データドリブン経営や店舗DXなど幅広い領域に及んでいます。一方で公的な調査が共通して示しているのは、技術を入れるだけでなく、ビジョン・組織・人材・成果指標を整えた企業が成果を出しているという点です。トレンドに取り組むときは、次の6つを押さえておきましょう。

  1. IPAの「DX動向2026」や経済産業省・IPAの調査分析など、公的機関の一次情報でトレンドと自社の位置を確認する。
  2. 生成AIは試行で終わらせず、対象業務と利用ルールを決めて業務の手順に組み込む。
  3. データ活用や店舗DXは、1つの部門の1つの課題から小さく始める。
  4. 判定表を使って自社の課題に合うトレンドを選び、取り組む順番を決める。
  5. 業務と人材の両面の指標を決め、段階ごとに効果を確認する。
  6. 社員教育と受講管理を仕組みにするため、eラーニングサービスの資料を取り寄せて比べる。

参考文献

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