SaaSのフルリモート求人とは?働き方の実態・職種・探し方と入社前の確認点

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  • フルリモートの働き方の幅と実態がわかる
  • 職種・探し方・契約形態の確認点がわかる
  • 入社前に聞く職場の仕組みがわかる

SaaSのフルリモートとは、SaaS企業で出社せずに自宅などで働く勤務形態、またはその求人を指す言葉です。SaaS業界はクラウドで仕事が完結しやすく、テレワークを導入している企業の割合も情報通信業で92.8%と全産業で最も高い一方、「フルリモート」の中身は企業ごとに違い、完全在宅の求人もあれば、月1回の出社や入社直後の研修出社がある求人もあります。この記事では、フルリモートの職場を支える仕組み、働き方の定義と実態、求人が多い職種、探し方と契約形態の確認、入社前に聞いておきたいことを順に整理し、リモートでチームを動かす側の確認事項にも触れます。

SaaSのフルリモート、まず何を確かめるべきか診断

Q1. いまの立場に近いのは?

目次

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  1. フルリモートの職場はどう回っているか|出社なしで仕事を進める仕組み
  2. SaaSのフルリモートとは|働き方の定義と実態
  3. SaaS業界でフルリモートが成立しやすい理由
  4. フルリモート求人が多い職種|開発・CS・営業・マーケティング
  5. フルリモートのメリット・デメリットと向いている人
  6. 求人サイトごとの探し方と、契約形態・条件の確認
  7. フルリモート求人選びでよくある失敗パターン
  8. リモートで回る職場にするには|受け入れる側・チームを任された側の確認事項
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ
  11. 参考文献

フルリモートの職場はどう回っているか|出社なしで仕事を進める仕組み

SaaS企業のフルリモートは、連絡・予定・資料・タスクをクラウドのツールに集めて、誰がどこにいても同じ情報にたどり着ける状態をつくることで成り立っています。求人票の「フルリモート」という言葉より、その職場でどのツールに何が残っているかのほうが、実際に回っているかを見極める手がかりになります。

オフィスがない職場では、スケジュールの共有、会議の予約、資料の保管、依頼の進み具合の確認、日々の相談まで、ほとんどのやり取りがツールの上で行われます。連絡がメール、電話、個人のメッセージアプリに分かれていると、担当者が不在のときに案件の状況がわからず、入社したばかりの人は情報の探し方にも迷います。応募する側は、面接でこの仕組みを質問すると実態が見えやすくなり、チームをリモートで動かす側は、同じ点を自分の職場の課題として点検できます。

連絡・タスク・ファイル共有を1か所に集める場合の一例がChatwork(提供は株式会社kubell)です。商品ページでは、チャットに加えてビデオ通話・音声通話が標準で使えること、タスク管理ができてタスクが完了すると自動でチャットに通知されること、ファイルをアップロードしてチャット参加メンバーのみで共有できることが特徴として紹介されています。一方で、フリープランは過去40日分、5,000件までしか閲覧できない点には注意が必要です。この記事は主に求職者向けですが、採用する側やチームを任された側は、導入するツールの候補の一つとして読んでください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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在宅で働くメンバーとの運用例として、株式会社ママントレ(1-50名、インターネットサービス)は、在宅勤務のメンバーとチームを組んでメールで複数のプロジェクトを進めるのが難しかったため、案件ごとにグループチャットを作り、各自の空き時間に返信する形で同時に10以上のプロジェクトを進めていると紹介されています。出典: Chatwork導入事例 株式会社ママントレ(2016年12月の取材時点の情報で、現在の機能やプランとは異なる場合があります)。

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SaaSのフルリモートとは|働き方の定義と実態

SaaS求人でいう「フルリモート」は、原則として出社せずに自宅などで働く勤務形態を指しますが、法律上の決まった定義はなく、出社の有無や頻度は企業ごとに異なります。求人票の表記だけで判断せず、具体的な出社条件を確認することが大切です。なお、SaaSそのものの意味はSaaSとは|意味・仕組み・種類と導入前に決めておく自社の管理で整理しています。

公的統計で見るテレワークの広がり

総務省の令和7年通信利用動向調査(常用雇用者100人以上の企業が対象)によると、テレワークを導入している企業の割合は全体で50.1%です。産業別では、SaaS企業の多くが含まれる情報通信業が92.8%と最も高く、フルリモートを含むテレワークが定着している業界であることがわかります。業界の統計の確認先をまとめて知りたい場合は、SaaS業界レポートの読み方|市場規模・最新トレンドと公的統計の確認先も参考になります。

項目 数値
テレワークを導入している企業(全体) 50.1%(前年47.3%)
テレワークを導入している企業(情報通信業) 92.8%
導入企業のうち、導入形態が在宅勤務の割合 89.8%
導入企業のうち、テレワークを利用する従業者が80%以上の企業 10.0%(前年12.0%)

出典:総務省「令和7年通信利用動向調査報告書(企業編)」(調査時点は令和7年8月末)。

注目したいのは、テレワークを導入していても、従業者の80%以上が利用している企業は導入企業の10.0%にとどまり、前年より低下している点です。「テレワーク制度がある」ことと「ほぼ全員が出社せずに働いている」ことは別であり、出社とリモートを組み合わせるハイブリッド型の企業も多いと考えられます。

「フルリモート」の表記に含まれる働き方の幅

タイプ 働き方の例 確認したい点
完全フルリモート 出社義務がなく、居住地も問わない 全社イベントや研修で出社する機会の有無、交通費の扱い
原則フルリモート(一部出社あり) 月1回の全社会議や、入社直後の数週間だけ出社する 出社の頻度と時期、通勤圏内に住む必要があるか
リモート中心のハイブリッド 週1日程度の出社日があり、ほかは在宅 出社日が固定か自由か、将来出社日が増える可能性
職種・時期限定のリモート 研修期間は出社、独り立ち後にリモート可。顧客訪問がある リモートに切り替わる条件と時期、訪問の頻度
居住地に条件があるフルリモート 普段は出社しないが、国内在住や、急な呼び出しに応じられる範囲に住むことが条件になる 居住地の範囲、海外からの勤務の可否、引っ越しの扱い

SaaS業界でフルリモートが成立しやすい理由

SaaS業界でフルリモートが成立しやすいのは、商品そのものがクラウドで提供されるため、開発、販売、サポートまでの業務をオンラインで完結させやすく、社内の情報共有にもクラウドツールを使い慣れているためです。

  • 商品がクラウド上のサービスのため、開発やサポートの作業場所を選ばない
  • 営業の多くがオンライン商談で行われ、顧客のもとへ訪問しなくても提案から契約まで進められる
  • グループウェア、チャット、オンライン会議などのツールを自社でも日常的に使い、情報をツール上に残す文化がある
  • 成果を数値やタスクの完了状況で確認しやすく、働く場所より成果で評価する仕組みをつくりやすい
  • 居住地を問わず採用できると、人材を確保しやすくなる

一方で、組織が大きくなるにつれて、新しいメンバーの育成や部署をまたぐ連携のために出社を増やす企業もあります。フルリモートを続けられるかどうかは、業界の特徴だけでなく、その企業が情報共有の仕組みをどれだけ整えているかに左右されます。

企業がテレワークを導入する目的

企業側がなぜリモートを取り入れるのかを知ると、求人の背景を読み取りやすくなります。総務省の令和7年通信利用動向調査では、テレワーク導入企業の導入目的は次のとおりです(複数回答)。

導入目的 導入企業のうちの割合
勤務者のワークライフバランスの向上 53.8%
業務の効率性(生産性)の向上 45.0%
勤務者の移動時間の短縮・混雑回避 42.6%
人材の雇用確保・流出の防止 23.9%

出典:総務省「令和7年通信利用動向調査報告書(企業編)」。導入目的の選択肢にはほかに感染症への対応などがあります。リモートの目的が働きやすさや生産性、人材の確保に置かれている企業ほど、フルリモートを制度として続ける意思が強いと考えられます。

フルリモートを支える社内の仕組みとルール

厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」では、テレワークを制度として導入するときに、実施場所、申請の手続、費用負担、労働時間管理の方法や中抜け時間の取扱い、通常時と緊急時の連絡方法などを、あらかじめ労使で話し合ってルールにしておくことが重要だとされています。働く側にとっても、始業と終業の報告方法や、費用負担のルールが明確になっているかは、長く働くうえで大切な確認点です。

こうしたルールを日々の業務で運用する場が、グループウェアやチャットなどのツールです。予定の共有、勤務の報告、申請の承認、社内のお知らせがツール上にまとまっていれば、上司や同僚と離れていても仕事の状況を把握できます。応募先のフルリモートが実際に回っているかどうかは、ルールの有無だけでなく、そのルールがどのツールでどう運用されているかを聞くと見えてきます。

フルリモート求人が多い職種|開発・CS・営業・マーケティング

SaaS企業のフルリモート求人は、エンジニアなどの開発職で特に多く見られ、カスタマーサクセス、インサイドセールス、マーケティング、コーポレート部門などでも募集があります。職種によってリモートとの相性や求められる力が異なるため、自分の経験に合う職種から探すのが効率的です。

職種 リモートとの相性 フルリモートで求められやすい力・確認点
エンジニア・開発職 作業をオンラインで完結しやすく、求人も多い 進み具合を文章で共有する力、コードレビューなど非同期での連携。運用を担う職種では、夜間・休日の障害対応(オンコール)の有無と頻度
カスタマーサクセス・サポート オンライン会議やチャットでの顧客対応が中心 画面越しでも顧客の課題を聞き出す力、対応履歴を記録する習慣
インサイドセールス 電話やオンラインでの接点づくりが仕事の中心 自分で行動量を管理する力、活動を数値で報告する力
フィールドセールス オンライン商談が多いが、大企業向けでは訪問が発生することもある オンラインでのデモや提案の進め方、訪問頻度の見極め
マーケティング Web施策やコンテンツ制作が中心で相性がよい 施策の結果を数値で示す力、他部署と進行を共有する力
コーポレート(人事・経理など) クラウド化が進んだ企業ではリモートが可能 書類や押印が残る業務の有無の確認、社内への丁寧な発信

どの職種にも共通するのは、顔を合わせない分、自分の仕事の状況を言葉や記録で伝える力が求められる点です。チャットでの報告、予定の共有、ドキュメントへの記録など、ツール上で情報を残す習慣がある人ほど、フルリモートでも評価されやすくなります。ZoomやSlack、Teamsといったオンラインツールを使った仕事の経験は、応募書類や面接で具体的に伝えられると有利に働くことがあります。

経験が浅い場合の考え方

フルリモート可の求人は、応募が集まりやすいうえ、入社後の育成に手をかけにくいため、同じ職種の経験を求める募集が多くなる傾向があると、転職支援会社のカスタマーサクセス職の解説記事で説明されています(出典: 9Eキャリア カスタマーサクセス「カスタマーサクセス職でリモートワーク・在宅勤務はできる?」)。経験が浅い場合は、入社直後の数週間から数か月は出社して業務を覚え、慣れてからリモートの頻度を増やす求人も候補に入れておくと、立ち上がりで困りにくくなります。求人ごとに事情は異なるため、育成の体制と、リモートに切り替わる条件を面接で確認しましょう。

フルリモートのメリット・デメリットと向いている人

フルリモートは通勤がなく自分のペースで働きやすい一方、孤独感や自己管理の難しさといった負担もあります。応募前にメリットとデメリットの両面を知り、自分に合う働き方かを見極めておくと、入社後の後悔を減らせます。

メリット デメリット
通勤時間がなくなり、その分を仕事や生活に使える 雑談や気軽な相談の機会が減り、孤独を感じやすい
話しかけられることが少なく、作業に集中しやすい ちょっとした確認もチャットや会議の設定が必要になり、やり取りに手間がかかる
居住地を問わない求人なら、住む場所の選択肢が広がる 仕事と私生活の切り替えが難しく、働きすぎや気のゆるみにつながりやすい
家庭の事情と両立しやすい場合がある 働く様子が見えにくい分、成果で評価される傾向が強まる

向いている人と、選考で伝えたいこと

フルリモートに向いているのは、自分でスケジュールと進み具合を管理でき、チャットやドキュメントなど文章でのやり取りを苦にしない人です。誤解のないように文章で伝える力、相手の都合に合わせて時間をずらして連絡を取り合う非同期のやり取りに慣れていることは、特に評価されやすい点です。反対に、対面で相談しながら仕事を覚えたい人や、一人で作業を続けるとつらく感じる人は、出社とリモートを組み合わせるハイブリッド型の求人も候補に入れるとよいでしょう。

企業側から見ると、フルリモートでは働く様子を直接見られないため、選考では「自分で仕事を進められるか」が重視されやすくなります。面接では、これまでの成果を具体的な数字や取り組みで説明する、リモート環境で報告や情報共有をどう工夫してきたかを伝える、といった準備が有効です。「リモートだから」という理由だけを志望動機にせず、その会社の仕事や製品に何を期待しているかも添えると、伝わりやすくなります。面接自体もオンラインで行われることが多いため、通信環境やカメラ映り、画面共有の操作を事前に確認しておくと安心です。

SaaSのフルリモート求人は、求人検索サイト、転職サイト、転職エージェント、企業の採用ページを組み合わせて探すと見つけやすくなります。検索の段階では「フルリモート」「リモートワーク」「在宅勤務」など表記の違う言葉も試すのがコツです。

探し方 特徴 使い方のコツ
求人検索サイト(Indeedなど) 複数のサイトや企業の求人をまとめて検索できる 「フルリモート SaaS」などの組み合わせで検索し、職種名を加えて絞り込む
転職サイト(doda、リクナビNEXTなど) リモートワーク可などの条件で絞り込める 条件検索のあと、求人票の勤務地と勤務形態の欄で出社条件を確認する
転職エージェント 非公開求人の紹介や、企業への条件確認を代わりに行ってくれる 出社頻度や入社直後の働き方など、求人票に書かれていない点を確認してもらう
企業の採用ページ・採用ブログ 働き方の制度や社内の様子が詳しく書かれていることが多い リモート勤務の制度、使っているツール、社員インタビューを確認する
ハローワーク(ハローワークインターネットサービス) 公的な求人情報を無料で検索できる 「テレワーク」「在宅」などの語で検索し、就業場所の欄を確認する

求人票で確認したい項目

  • 勤務地・就業場所の欄に「在宅」「居住地自由」などの記載があるか
  • 出社の頻度(なし、月1回、週1回など)と、入社直後の研修期間の出社の有無
  • 居住地の制限(国内在住に限るか、通勤圏内に限るか)と、出社時の交通費の扱い
  • 在宅勤務の手当や、パソコンなどの機器の貸与、通信費の負担のルール
  • 始業・終業の報告方法やフレックスタイム制の有無など、時間管理の仕組み
  • 運用を担う職種では、夜間・休日の障害対応(オンコール)の体制
  • 雇用契約か、業務委託などの契約か(次の節で整理します)

2024年4月から労働条件の明示ルールが変わり、就業場所や業務の「変更の範囲」も明示することが求められるようになりました(厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」)。前述のガイドラインでも、入社直後からテレワークを行うことが通常想定される場合は、就業の場所として自宅などを明示することが示されています。内定時には、労働条件通知書で就業場所に自宅が含まれているか、将来出社に変わる可能性があるかを書面で確認しておきましょう。

雇用か業務委託か|契約形態で確認することが変わる

フルリモートの募集には、正社員や契約社員などの雇用だけでなく、業務委託(フリーランス)の募集も含まれます。雇用か業務委託かで、確認する相手と確認する内容が変わるため、応募の前に契約形態を見分けておくことが大切です。

契約形態 書面で確認したいこと 質問したいこと
雇用(正社員・契約社員など) 労働条件通知書の就業場所と変更の範囲、労働時間、賃金 テレワークの規程の有無、通信費や機器の負担、始業・終業の報告方法
業務委託(フリーランス) 業務の内容、報酬の額と支払期日、納品や作業を行う場所などの取引条件(発注側は書面またはメール等で明示する必要がある) 稼働時間や作業場所の指定の有無、必要な機器や通信費を誰が負担するか

業務委託の取引条件の明示は、フリーランス・事業者間取引適正化等法に基づくもので、公正取引委員会の特設サイトで内容が案内されています(公正取引委員会 フリーランス法特設サイト)。「完全在宅で高収入」のように好条件だけを強調する募集は、契約形態、報酬の決まり方、業務の範囲、研修などの費用負担の有無を、募集ページや面接で一つずつ確認してください。記載のない点は、口頭だけでなくメールなどの文面で残しておくと、あとで食い違いを防げます。なお、この記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の契約は、都道府県労働局や専門家にご相談ください。

職種別の難易度や、未経験からのルートなど、SaaS業界への転職全体の進め方はSaaS業界への転職ガイド|職種別の難易度・年収の見方・未経験からのルートを解説で整理しています。

フルリモート求人選びでよくある失敗パターン

フルリモート求人選びの失敗の多くは、求人票の「フルリモート」という言葉だけで判断し、出社条件や契約形態、社内の情報共有の仕組みを確認しないまま入社することから生じます。

よくある失敗(Before) 対処の考え方(After)
「フルリモート」の表記を信じて遠方に住んだまま入社したら、入社後の研修や月例会議で出社が必要だった 出社の頻度と時期、交通費の扱いを面接や労働条件通知書で確認する
入社後に必要な情報がどこにあるかわからず、仕事の立ち上がりに時間がかかった オンボーディングの資料やマニュアル、使っているグループウェアやチャットの運用を事前に聞く
チャットでの雑談や相談の機会が少なく、孤立を感じた 定例の面談や1on1、チームの交流の仕組みがあるかを確認する
成果が見えにくく、評価の根拠がわからなかった 評価の基準と、仕事の進み具合をどのツールで共有するかを入社前に確認する
組織の方針変更で、入社1年後に出社日が増えた 就業場所の変更の範囲を書面で確認し、リモート勤務の制度が就業規則で定められているかを聞く
業務委託の募集と気づかず応募し、稼働時間や費用負担が想定と違った 募集の段階で契約形態を確認し、報酬・業務範囲・費用負担を書面やメールで残す

表の失敗の多くは、フルリモートを支える社内の仕組みが見えないまま応募先を決めてしまうことから起こります。「情報共有にはどのツールを使っていますか」「入社直後の資料はどこにまとまっていますか」といった質問を具体的にできると、入社後のギャップを減らせます。次の章では、この質問を受け入れる側の視点から整理します。

リモートで回る職場にするには|受け入れる側・チームを任された側の確認事項

リモートで人を迎える側が整えておきたいのは、連絡手段、労働時間の管理、費用負担、評価の基準、入社直後の教え方の5つです。採用する側や、これからチームをリモートで動かす側の読者の点検項目であると同時に、求職者にとっては面接で聞くための質問リストにもなります。

項目 厚生労働省のガイドラインが示す視点 面接で聞く質問の例
連絡手段 通常時と緊急時の連絡方法を、あらかじめルールとして定めておく 社内の連絡はどのツールに集めていますか。緊急時の連絡はどうしますか
労働時間の管理 労働時間管理の方法や、中抜け時間の取扱いを決めておく 始業・終業はどのように報告しますか
費用負担 通信費や機器の負担は企業ごとに異なるため、あらかじめ話し合い、就業規則等に定めることが望ましい パソコンや通信費は誰が負担しますか
評価 上司は求める内容や水準を具体的に示し、非対面でも評価の方法を見える化する。時間外のメールに対応しなかったことを理由とした不利益な評価は適切とはいえない 評価の基準と、成果をどのツールで共有しますか
入社直後の教え方 オンラインでの教育を工夫し、新しい機器やオンライン会議ツールには必要な研修を行う 入社直後のオンボーディングは、どのような流れですか

表の項目のうち、連絡手段と入社直後の教え方は、情報の置き場所がそろっているかどうかで難易度が大きく変わります。次のセルフチェックは、いまの職場やチームがリモートで回る状態かを確かめるためのものです。当てはまる数が多いほど、情報の置き場所を見直す余地があります。

いまの職場、リモートで回る状態か?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

連絡・タスク・ファイルを1か所に集める選択肢を比べる段階なら、まずサービスの詳細ページで機能と注意点を確かめ、そのうえで資料で自社の人数に合うプランを確認すると進めやすくなります。

よくある質問(FAQ)

Q1. SaaSのフルリモートとはどのような働き方ですか?

A. 原則として出社せずに自宅などで働く勤務形態です。ただし法律上の決まった定義はなく、完全に出社のない求人から、月1回の出社や入社直後の研修出社がある求人まで幅があります。求人票の表記だけで判断せず、具体的な出社条件を確認しましょう。

Q2. フルリモートが多い業界はどこですか?SaaS業界は多いのですか?

A. 総務省の令和7年通信利用動向調査では、テレワークを導入している企業の割合が情報通信業で92.8%と産業別で最も高く、SaaS業界はフルリモートの求人を見つけやすい分野といえます。ただし、導入企業のうち従業者の80%以上がテレワークを利用している企業は10.0%にとどまり、出社と組み合わせる企業も多い点に注意が必要です。

Q3. フルリモートの求人が多い職種はどれですか?

A. エンジニアなどの開発職で特に多く見られ、カスタマーサクセス、インサイドセールス、マーケティング、コーポレート部門などでも募集があります。フィールドセールスは、大企業向けの営業などで訪問が発生する場合があります。

Q4. SaaSのフルリモート求人はどうやって探せばよいですか?

A. 求人検索サイト、転職サイト、転職エージェント、企業の採用ページを組み合わせて探すのが効率的です。「フルリモート」「リモートワーク」「在宅勤務」など表記の違う言葉でも検索し、求人票の勤務地や勤務形態の欄で出社条件を確認しましょう。

Q5. 入社前に確認しておくべきことは何ですか?

A. 出社の頻度と時期、居住地の制限、雇用か業務委託かといった契約形態、在宅勤務の手当や費用負担、時間管理の方法、オンボーディングの体制を確認しておくと安心です。内定時には労働条件通知書で、就業場所と変更の範囲を書面で確認しましょう。

Q6. リモートワークが続きにくい会社には、どのような特徴がありますか?

A. 公的に決まった基準はありませんが、方針変更で出社日が増える、評価の基準が示されない、情報がツールに残らず出社している人に偏る、といった状況では続けにくくなります。面接で出社の方針と評価の基準、連絡や資料をどのツールに集めているかを聞き、就業場所の変更の範囲を書面で確認しておくと、入社後のギャップを減らせます。

まとめ

SaaS業界は、テレワークを導入している企業の割合が高く、フルリモートの求人を見つけやすい分野です。一方で「フルリモート」の中身は企業ごとに違うため、求人選びでは次の4点を意識すると判断しやすくなります。

  1. 求人票の表記だけで判断せず、出社の頻度、入社直後の働き方、居住地の制限、契約形態を具体的に確認する。
  2. 自分の経験に合う職種から探し、複数の求人サイトやエージェント、企業の採用ページを組み合わせる。
  3. 連絡手段、評価の基準、オンボーディングなど、フルリモートを支える職場の仕組みを面接で質問し、入社後のギャップを減らす。
  4. リモートでチームを動かす側は、連絡・タスク・ファイルの置き場所を1か所にそろえる選択肢としてChatworkなどの資料で機能とプランを確かめ、一部のチームで試して効果を確認する。

本記事は2026年10月時点の公開情報に基づく一般的な情報提供です。各サービスの機能や制度は変わることがあるため、最新の情報は公式情報で確認してください。

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