物流BPOとは?3PLとの違い、2024年問題に備えて委託できる業務と進め方を解説

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  • 物流BPOと3PLの違いがわかる
  • 委託できる5つの業務領域がわかる
  • 物流効率化法と進め方の注意点がわかる

物流BPOとは、受発注、配送連絡、データ整理、問い合わせ対応、請求処理など、物流を支える事務・管理プロセスを外部の専門事業者に継続的に委託することです。トラックや倉庫で荷物を動かす機能そのものを任せる3PLとは違い、「荷物を動かすための情報と事務」を外に出す考え方で、2024年4月のトラックドライバーの時間外労働の上限規制を機に、荷主企業と物流事業者の両方で関心が高まっています。この記事では、3PLとの違い、委託できる業務領域、2024年問題と物流効率化法の背景、コストの考え方、失敗しない進め方を整理します。

物流の事務、どこから外に出すのが合っているかを診断

Q1. 物流の事務のうち、いま外に出したいのはどれに近いですか?

目次

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  1. 物流BPOとは?3PL・物流アウトソーシングとの違いと、最初に切り出しやすい請求処理
  2. 物流BPOが注目される背景:2024年問題と時間外労働の上限規制
  3. 物流BPOで委託できる業務領域
  4. 輸送能力不足の見通しと荷主企業に求められる対応
  5. 物流BPOのコストの考え方
  6. 物流BPOのメリット・デメリットと委託先の選び方
  7. 物流BPOの進め方(現状分析から委託まで)
  8. 物流BPOでよくある失敗パターン
  9. 物流DXとBPOの組み合わせ方
  10. よくある質問(FAQ)
  11. まとめ
  12. 参考文献

物流BPOとは?3PL・物流アウトソーシングとの違いと、最初に切り出しやすい請求処理

物流BPOとは、物流に関わる事務・管理系の業務プロセスを外部の専門事業者に継続的に委託することです。BPOは「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」の略で、作業を代わりに行うだけでなく、業務の流れの設計や改善まで含めて任せる点に特徴があります。

手段 任せるもの 向いているケース
物流BPO 受発注、配送連絡、データ整理、問い合わせ対応、請求処理など、物流を支える事務・管理プロセス 輸送や保管は自社や既存の委託先で行い、周辺業務の負担を減らしたい
3PL(サードパーティー・ロジスティクス) 保管、入出荷、配送など物流機能を包括的に受託し、物流戦略の立案まで担う 物流そのものを専門事業者にまとめて任せたい荷主企業
物流アウトソーシング(物流代行) 倉庫保管やピッキング、梱包、発送など特定の物流作業 EC事業者などで発送作業だけを外に出したい

3PLや物流代行が「モノを動かす機能」を外に出すのに対し、物流BPOは「モノを動かすための情報と事務」を外に出します。そのため、荷主企業だけでなく、運送会社や倉庫会社といった物流事業者自身が利用するケースも多くあります。

最初に切り出しやすい事務は請求処理

物流BPOの委託対象として、真っ先に挙がりやすいのが請求処理です。運賃や保管料の請求書発行、協力会社への支払、配送実績と請求額の突き合わせ、入金消込は、毎月決まった手順で発生し、正しいかどうかの基準も明確です。配車の判断や荷主との調整のように経験がものをいう業務と違い、手順書があれば外部でも処理できます。

運送会社や倉庫会社の事務担当者は、配車の補助や電話対応と経理を兼務していることが少なくありません。請求書の作成と送付の手間を減らせれば、その分を安全管理や運行管理の補助に回せます。委託先を探す前に、請求書発行システムで作成・送付を自動化するという選択肢もあり、その場合の一例がマネーフォワード クラウド請求書です。

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ロジスティクス・サプライチェーンとの関係

物流BPOは、ロジスティクスやサプライチェーン(原材料の調達から販売までの物の流れ全体)の中のうち、事務・管理の工程を受け持つ考え方です。ロジスティクスは物流を経営の視点で計画し管理する活動、物流BPOはその運用を支える情報処理や連絡、請求などの実務を担う手段と整理すると分かりやすくなります。サプライチェーン全体の最適化を目指す場合でも、各拠点の受発注や在庫データの入力、請求処理といった定型事務が滞ると全体の流れが止まるため、サプライチェーンBPOという形で事務を外に出す企業もあります。

物流BPOが注目される背景:2024年問題と時間外労働の上限規制

物流BPOへの関心が高まった直接のきっかけは、いわゆる「物流の2024年問題」です。働き方改革関連法により、2024年4月からトラックドライバーなど自動車運転の業務にも時間外労働の上限規制が適用されました。あわせて、厚生労働省の「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)も見直され、拘束時間や休息期間のルールが厳しくなっています。

項目 2024年4月以降の主な内容(トラック運転者)
時間外労働の上限 原則月45時間・年360時間。臨時的な特別の事情がある場合でも年960時間
1年の拘束時間 原則3,300時間以内(労使協定により3,400時間以内まで延長できる例外あり)
1日の休息期間 継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、9時間を下回らない

上限規制は、長時間労働に支えられてきたドライバーの健康を守るための制度ですが、同じ人数で運べる量が減るという影響を伴います。ここで見落とされがちなのが、ドライバーの労働時間には運転だけでなく、荷待ちや荷役、配車担当とのやり取りの時間も含まれるという点です。荷主側の出荷情報が直前まで確定しない、配送先の受付時間の連絡が遅れるといった事務面の滞りは、そのままドライバーの待機時間につながります。事務と連絡の流れを整えることが、限られた運転時間を有効に使う前提になるのです。

なお、労働時間の上限規制や改善基準告示の適用範囲には、業務の種類や協定の内容によって細かな条件があります。自社の運用が基準を満たしているかどうかは、厚生労働省のポータルサイトの資料や、社会保険労務士などの専門家に確認してください。本記事は法的助言を目的としたものではありません。

物流BPOで委託できる業務領域

物流BPOで委託できる業務は、大きく5つの領域に分けられます。ポイントは、同じ領域の中でも「判断を伴う工程」と「定型的な工程」を分けて考えることです。

領域 委託しやすい工程 社内に残したい判断
配車・運行の事務 ドライバーへの配送指示の連絡、到着・完了確認、運行記録や日報の入力・整理 配車計画そのもの、急な変更時の車両の割り当て
受発注・出荷手配 受注データの入力、出荷指示書の作成、送り状の発行 欠品時の出荷優先順位の決定
倉庫・在庫データ管理 入出荷実績の入力、棚卸データの照合、在庫レポートの作成 発注量や保管レイアウトの見直し
問い合わせ対応 配送状況の照会、再配達や日時変更の受付、一次回答 事故・破損時の補償方針、クレームの最終判断
請求・経理 運賃・保管料の請求書発行、協力会社への支払処理、入金消込、実績との突き合わせ 運賃改定の交渉、与信の判断

配車・運行の事務

配車担当者の1日は、配車計画を組む時間よりも、ドライバーへの連絡や到着確認、荷主からの変更連絡の中継に追われる時間のほうが長くなりがちです。計画を立てる判断は社内に残し、連絡の送信や完了報告の記録、日報の入力といった工程を外部に任せると、配車担当者は荷待ちを減らすための段取りや、車両の稼働率を上げる工夫に時間を使えるようになります。

受発注・出荷手配と倉庫データ管理

受注データの入力や出荷指示書の作成、入出荷実績の登録は、件数が多く正確さが求められる業務です。紙やFAXで届く注文をシステムに入力する作業が残っている会社では、この工程を外部に任せるだけで、現場の締め作業が大きく軽くなります。倉庫側でも、棚卸データの照合や在庫レポートの作成を委託すれば、倉庫管理者は保管効率の改善や作業動線の見直しに集中できます。

受注・出荷・請求のデータが別々に管理されていると、数量や金額が合わない「データ整合」の確認に毎月時間がかかります。入力と突き合わせの手順を決めて委託すれば、確認作業を一定の品質で回しやすくなります。

問い合わせ対応

「荷物は今どこにあるか」「配達日を変えたい」といった問い合わせは、繁忙期に件数が急増し、現場の担当者の手を止めてしまいます。追跡情報の見方や日時変更の受付ルールを整えたうえで外部の窓口に任せれば、現場に回るのは判断が必要な案件だけになります。事故や破損への対応方針は社内で決めておき、委託先には一次受付と社内への引き継ぎ条件を共有しておくのが基本です。

請求・経理

請求・経理は、5つの領域の中で最も手順が定型化しやすい領域です。物流業の請求業務には、配送件数や距離、重量、待機料金や附帯作業料など計算の要素が多いという特徴があります。料金の計算ルールを表にまとめ、配送実績データを共有できる状態にしておけば、請求書の作成から入金確認までを外部に任せたり、請求書発行システムで自動化したりできます。運賃改定の交渉や取引先の与信判断は、引き続き社内で行います。

マネーフォワードが公開している運輸・物流業界向けの解説では、この業界の請求業務の課題として、取引先が多く請求書の受取・発行の件数が多いこと、紙の請求書の印刷・封入・郵送に時間がかかること、本部の経理担当者が少なく属人化しやすいことが挙げられています。受注データを販売管理システムから連携して請求書を作りたい場合は、同社の別サービスの機能範囲も合わせて確認するとよいとされています。詳しくは運輸・物流業界向け 請求書ソフトの選び方・よくある課題・事例集で確認できます。

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輸送能力不足の見通しと荷主企業に求められる対応

経済産業省・国土交通省・農林水産省が開催した「持続可能な物流の実現に向けた検討会」の最終取りまとめでは、何も対策を行わなかった場合、2019年度と比べて、2024年度には輸送能力の14.2%が不足し、2030年度には34.1%が不足する可能性があるという試算が示されました。人口減少でドライバーの担い手が減る一方、EC市場の拡大で小口配送は増えており、2024年問題は一時的な出来事ではなく、今後も続く構造的な課題といえます。

同じ取りまとめでは、物流の効率化を物流事業者だけの努力に委ねるのではなく、荷主企業も含めて商慣行を見直す必要性が示され、荷待ち・荷役の時間を3時間から2時間へ短縮することなどが施策の例として挙げられています。荷主企業にとって、これらの取り組みの多くは事務の見直しから始まります。出荷情報を早めに確定させて運送会社に共有する、受付時間の予約を管理する、荷待ちの実績を記録して改善につなげるといった対応は、いずれも情報をやり取りし、記録し、集計する作業を伴います。物流部門の担当者がこれらを本来の業務に加えて抱え込むと、改善の取り組みそのものが続きません。定型的な事務を外部に任せ、社内の人員を改善の企画と現場との調整に集中させることが、物流BPOを使う大きな意義です。

物流効率化法で荷主に求められること

こうした流れを受けて、物流関連の法律も改正されました。経済産業省の「物流効率化法について」によると、令和6年法律第23号の「物流改正法」は、2025年4月に一部が施行され、全ての荷主事業者に物流効率化に向けた取組の努力義務が課されました。2026年4月には全面施行され、一定規模以上の荷主(特定荷主)には、中長期計画の作成・提出、物流統括管理者の選任、定期報告などの新たな措置が義務づけられています。

特定荷主に当たるかどうかや、届出・計画の具体的な内容は、取扱貨物の重量などの条件で決まります。計画書や報告書の作成には、取扱貨物量や取り組みの状況といったデータを集めて整理する事務が伴うため、定型的な集計や入力の工程を外部に任せられるかどうかも、体制づくりの論点になります。ただし、対象かどうかの判断や法的な義務の解釈は、所管省庁の最新の公表資料や専門家に確認してください。本記事は法的助言を目的としたものではありません。

物流事業者の側でも同じことがいえます。事務担当者が請求書の作成や支払処理に追われていると、運行管理の補助や点呼記録の確認、ドライバーの労働時間の管理といった安全に関わる業務に手が回りません。経理のように手順が決まった事務を外に切り出すことは、限られた人員を安全管理と運行の質に振り向けるための具体的な方法です。

物流BPOのコストの考え方

2024年問題以降、ドライバーの人件費や燃料費の上昇を背景に、運賃や3PLの委託料金は上昇傾向にあります。こうした中で物流BPOを検討する際は、委託料金の高い安いだけでなく、社内で処理している場合の「見えにくいコスト」と比べて判断することが大切です。

比べる項目 社内で処理する場合 BPOで委託する場合
人件費 給与に加え、社会保険料や採用・教育の費用がかかる 業務量や作業時間に応じた委託料金になる
繁閑への対応 繁忙期に合わせて人員を抱えると閑散期に余剰が出る 契約形態によっては業務量に応じて調整しやすい
欠員時のリスク 担当者の退職や休職で業務が止まるおそれがある チームで対応するサービスなら影響を受けにくい
導入時の負担 既存の体制のため追加負担は少ない 手順書づくりや引き継ぎの工数が発生する

料金体系は、作業時間に応じた月額制、処理件数に応じた従量制、業務範囲を定めた定額制などサービスによって異なり、具体的な金額は業務量や範囲によって大きく変わります。比較する際は、同じ業務範囲の条件で複数社から見積もりを取り、初期費用や引き継ぎ期間の費用も含めて確認しましょう。社内で処理した場合の作業時間をあらかじめ記録しておくと、委託によって空いた時間を数字で示せるため、費用対効果の判断がしやすくなります。

物流BPOのメリット・デメリットと委託先の選び方

物流BPOには、社内の人員を本来の業務に集中させられるという利点がある一方で、外部に任せるからこそ生じる弱点もあります。コストだけで判断せず、両面を並べたうえで自社に合うかどうかを見極めることが大切です。

区分 内容 物流の現場での現れ方
メリット コア業務に集中できる 配車担当者や倉庫管理者が、連絡や入力ではなく段取りと改善に時間を使える
メリット 専門性を活用でき、業務品質が安定する 請求や入金消込などを専門の体制で処理でき、担当者の交代による品質のばらつきが減る
メリット 固定費を変動費に近づけられる 繁忙期と閑散期で事務量が大きく変わっても、人員を抱え続けずに対応しやすい
デメリット 社内にノウハウが残りにくい 荷主ごとの締め日や料金計算のルールを委託先しか把握していない状態になりやすい
デメリット 情報漏えいのリスクがある 配送先の住所や氏名、取引先との運賃条件などを社外で扱うことになる
デメリット 進捗や品質が見えにくくなる 処理の遅れや誤りに気づくのが、荷主や協力会社からの指摘の後になりやすい

デメリットの多くは、任せ方の工夫で小さくできます。ノウハウについては、手順書と例外ルールの一覧を自社の資産として持ち、委託先が更新した内容を定期的に受け取る運用にしておけば、委託先を変更する場合や内製に戻す場合にも対応できます。進捗と品質については、処理件数や締め日までの完了率、差し戻しの件数といった報告項目を契約時に決め、月1回の定例で確認する形が一般的です。丸投げにせず、社内に窓口となる担当者を1人置いておくことが前提になります。

委託先を選ぶときの5つの確認ポイント

委託先の候補が挙がったら、料金の前に次の5点を確認します。価格だけで決めると、品質や対応力の面で後から苦労しやすいためです。なお、特定の会社を順位づけして紹介することはせず、自社の条件に合う会社を見つけるための観点を挙げます。

  1. 得意分野と委託したい業務が一致しているか:経理に強い会社、コールセンターに強い会社、物流事務に強い会社では、対応できる範囲と精度が異なります。
  2. 物流業や近い業種での実績があるか:待機料金や附帯作業料、荷主別の締め日といった業界特有の処理に慣れているかを、事例や担当者の説明から確かめます。食品や医薬品のように温度帯やロット・賞味期限の記録が必要な貨物を扱う場合は、その管理に慣れているかも確認します。
  3. 情報管理の体制が整っているか:プライバシーマークやISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証の取得状況、作業場所やアクセス権限の管理方法を確認します。
  4. 改善提案まで期待できるか:依頼した作業をこなすだけでなく、手順の見直しやミスの再発防止策を提案する体制があるかを見ます。
  5. 窓口の担当者と意思疎通がしやすいか:急な出荷変更や繁忙期の件数増加に、どこまで、どのくらいの早さで対応できるかを事前に聞いておきます。

なお、BPOが向いているのは、定型的な事務が一定量あり、担当者の兼務や欠員で業務が滞りやすい会社です。反対に、業務量がごく少ない場合や、手順が毎回変わり文書化が難しい業務ばかりの場合は、委託の準備にかかる手間のほうが大きくなることがあります。その場合は、まず社内で手順をそろえることから始めるほうが現実的です。

物流BPOの進め方(現状分析から委託まで)

物流BPOを失敗させないためには、いきなり委託先を探すのではなく、社内の業務を整理するところから始めることが重要です。基本的な流れは次の5段階です。BPO全般の進め方は、BPOの進め方を5段階で解説|検討から運用開始までの手順でも詳しく解説しています。

  1. 現状分析:物流に関わる事務を洗い出し、誰がどの業務に何時間使っているかを1か月ほど記録する。
  2. 業務の切り分け:各業務を「判断を伴う工程」と「定型的な工程」に分け、委託候補を決める。
  3. 手順書の作成:委託候補の業務について、手順と例外処理のルールを文書にまとめる。
  4. 委託先の選定:同じ条件で複数社から提案と見積もりを取り、対応範囲とセキュリティ体制を比べる。
  5. 試行と拡大:小さな範囲で委託を始め、品質と効果を確認してから範囲を広げる。

中でも手間がかかるのが3番目の手順書づくりです。物流の事務には「この荷主は月末ではなく20日締め」「この配送先は午前指定のみ」「待機料金は30分単位で計算」といった、担当者の頭の中にしかないルールが多く存在します。こうした例外を洗い出して文書にしておかないと、委託後にミスや問い合わせが増え、結局社内で確認作業に追われることになります。手順書づくりは委託のための作業であると同時に、属人化していた業務を見える化する機会でもあります。

契約面では、委託先のスタッフに社内の社員が直接細かい作業指示を出さないよう注意が必要です。業務委託の形をとりながら、実態として発注側が指揮命令を行っていると、偽装請負として労働者派遣法違反になるおそれがあります。指示や変更の依頼は委託先の責任者を通して行う運用を決めておきましょう。また、荷主や配送先の個人情報を扱う業務では、情報の管理方法と漏えい時の責任分担を契約で明確にしておくことも欠かせません。委託後の運用の考え方は、BPO導入・運用の進め方|委託設計から定着まで5フェーズガイドも参考になります。

物流BPOでよくある失敗パターン

物流BPOは、進め方を誤ると「委託したのに現場が楽にならない」という結果になりがちです。よくある失敗と対策を整理します。

失敗パターン 起きること 対策
判断を伴う業務まで丸ごと委託する 配車変更や欠品対応のたびに社内確認が発生し、かえって遅くなる 判断は社内、連絡と記録は外部と工程単位で分ける
例外ルールを共有しないまま始める 請求額の誤りや配送先への誤案内が起き、取引先の信頼を損なう 締め日や料金計算の例外を手順書にまとめてから委託する
データの受け渡し方法を決めていない FAXや紙の転送が増え、委託先の作業が遅れる 共有フォルダやクラウドシステムでデータを渡す仕組みを先に整える
効果を測る指標がない 委託の成果が分からず、継続か見直しかを判断できない 導入前の作業時間や処理件数、ミスの件数を記録しておく

4つの失敗に共通しているのは、委託先の選び方よりも、委託する前の社内の準備が不足していることです。逆にいえば、業務の切り分けと手順書づくりを丁寧に行えば、どの委託先を選んでも一定の効果が出やすくなります。

物流DXとBPOの組み合わせ方

物流の効率化では、BPOとあわせて物流DX(デジタル技術を使った業務の変革)も話題になります。両者は対立する選択肢ではなく、組み合わせることで効果が高まる関係にあります。物流DXそのものの進め方は、dx 物流とは?2024年問題から考える物流DXの進め方で詳しく解説しています。

たとえば、動態管理システムを導入すれば、ドライバーへの「今どこですか」という確認の電話は減らせます。しかし、システムに入力されたデータを見て荷主に連絡したり、遅延の記録を集計して改善策につなげたりする作業は残ります。トラック予約受付システムを入れても、予約枠の調整や当日の変更対応を誰かが担う必要があります。システムで自動化できる部分はシステムに任せ、残った人の手が必要な事務をBPOで外に出すと考えると、両者の役割分担が見えてきます。

順番としては、まず業務を洗い出して標準化し、定型化できた業務のうち、システム化で効果が出るものはDX、人の手で処理したほうが早いものや件数が少ないものはBPOという振り分けが現実的です。請求処理のように、請求書発行システムの自動化と、外部への委託を組み合わせて使える業務は、DXとBPOの両方の効果を得やすい代表例です。現場の配車や倉庫の改善にはまだ手が回らないという会社でも、請求などのバックオフィスから負担を減らしていくことで、改善に使える時間を少しずつ生み出せます。

請求書の作成と送付を自動化する第一歩として、毎月自動作成やメール・郵送の一括送付に対応した請求書発行システムの資料を取り寄せ、自社の請求の流れに合うかを確認する方法があります。マネーフォワード クラウド請求書のサービス詳細は、次のリンクから確認できます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 物流BPOとは何ですか?BPOとはどう違いますか?

A. 物流に関わる業務のうち、受発注、配送連絡、データ整理、問い合わせ対応、請求処理などの事務・管理プロセスを、外部の専門事業者に継続的に委託することです。BPOは業務プロセス全般の外部委託を指す言葉で、物流BPOはそのうち物流を支える事務に特化したものです。

Q2. 物流BPOと3PLの違いは何ですか?

A. 3PLは保管や入出荷、配送など物流機能そのものを包括的に受託するのに対し、物流BPOは受発注や配送連絡、請求処理といった業務プロセスの一部を担います。物流を丸ごと任せたいなら3PL、周辺の事務負担を減らしたいなら物流BPOが向いています。

Q3. 2024年問題と物流BPOはどう関係しますか?

A. 2024年4月からトラックドライバーの時間外労働に上限が適用され、臨時的な特別の事情がある場合でも年960時間までとされています。限られた運転時間を有効に使うには、出荷情報の共有や荷待ちの記録といった事務を整えることが荷待ち時間の削減につながるため、その事務を担う手段として物流BPOが注目されています。

Q4. 物流BPOの委託先はどう選べばよいですか?大手企業を知りたいです。

A. 特定の会社を順位づけして紹介することはできませんが、選ぶ観点は共通しています。委託したい業務との得意分野の一致、物流業や近い業種での実績、情報管理の体制、改善提案の有無、窓口担当者との意思疎通の5点を確認し、同じ条件で複数社から見積もりを取って比べます。

Q5. 物流BPOで最初に委託しやすい業務はどれですか?

A. 手順が決まっていて判断を伴わない業務から始めるのがおすすめです。運賃や保管料の請求書発行、支払処理、入金消込といった請求・経理業務は、正誤の基準が明確で、外部への委託のほか請求書発行システムによる自動化もしやすく、最初の一歩に向いています。

Q6. 物流BPOを導入するときの注意点は何ですか?

A. 締め日や料金計算などの例外ルールを手順書にまとめてから委託すること、データの受け渡し方法を先に決めること、個人情報の管理方法を契約で明確にすることが重要です。また、委託先のスタッフに直接作業指示を出すと偽装請負とみなされるおそれがあるため、指示は委託先の責任者を通して行います。

まとめ

物流BPOは、輸送や保管そのものではなく、配車連絡や受発注、データ管理、問い合わせ対応、請求処理といった物流を支える事務を外部に任せる考え方です。2024年問題をきっかけに、ドライバーの限られた時間を有効に使うには事務の流れを整えることが欠かせなくなり、荷主企業と物流事業者の双方で活用が広がっています。最後に、今日から取り組める4つのことを整理します。

  1. 物流に関わる事務を5つの領域に沿って書き出し、それぞれの作業時間を記録する。
  2. 各業務を「判断を伴う工程」と「定型的な工程」に分け、例外ルールを手順書にまとめる。
  3. 請求処理など定型化しやすい業務から小さく委託を試し、効果を確認してから範囲を広げる。
  4. 請求書の作成と送付を自動化する選択肢として、請求書発行システムの資料を取り寄せ、自社の請求の流れに合うかを確認する。

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