BPOと人材派遣の違いとは?指揮命令権・委託範囲・RPOまで整理
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- 指揮命令権と対価の違いが整理できる
- 偽装請負を避ける契約と窓口がわかる
- 契約形態の選び方と委託先の見方がわかる
BPOと人材派遣の違いは、現場への指示を出すのが委託先か自社か(指揮命令権の所在)と、対価が業務の成果・遂行に対するものか労働時間に対するものかの2点です。BPOは業務プロセスごと外部企業に任せて指示は委託先が出し、人材派遣は派遣会社と雇用契約を結んだスタッフが自社で働いて指示は自社が出します。似た言葉の業務委託(請負・準委任)や採用業務に特化したRPOも混同されやすく、整理しないまま契約すると、発注側が現場に指示を出して偽装請負と判断されるおそれもあります。この記事では、指揮命令権・対価・契約の根拠の違い、委託範囲、コストの範囲、RPOとの関係、偽装請負を避けるポイント、契約形態の選び方、委託先の選び方と導入の進め方までを、発注企業の担当者の視点で整理します。
BPOと人材派遣、どちらが候補かを診断
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BPOと人材派遣の違い|指揮命令権・対価・契約の根拠
BPOと人材派遣の最大の違いは、現場で働く人に業務の指示を出す権限(指揮命令権)が、BPOでは委託先に、人材派遣では自社(派遣先)にある点です。
人材派遣は労働者派遣法にもとづく仕組みで、「雇用するのは派遣会社、指示するのは自社」という関係です。BPOは民法上の請負契約や準委任契約(業務委託契約)にもとづく仕組みで、委託先が自社の従業員への指示と勤怠管理を行い、自社は委託先の責任者に業務内容と求める水準を伝えます。
| 比較項目 | BPO(業務委託) | 人材派遣 |
|---|---|---|
| 契約の根拠 | 民法の請負契約・準委任契約 | 労働者派遣法にもとづく労働者派遣契約 |
| 指揮命令権 | 委託先 | 自社(派遣先) |
| スタッフの雇用主 | 委託先 | 派遣会社(派遣元) |
| 対価の対象 | 業務の成果・業務の遂行 | 労働時間(時間単価が一般的) |
| 業務を行う場所 | 委託先の拠点が多いが、自社内で行う場合もある | 自社の職場 |
| 業務品質の責任 | 委託先が契約で定めた水準に責任を負う | 指示を出す自社が管理する |
| 期間の制限 | 法律上の一律の期間制限はない | 同じ組織単位での受け入れは原則3年までなどの制限がある |
この違いは、最終的に契約書の書き方に表れます。BPOでは、委託する業務の範囲、品質基準、指示の窓口(委託先の責任者)、再委託の可否、個人情報の取り扱いを契約書で決めておかないと、現場で「誰がどこまで指示してよいか」があいまいになります。一方、契約書を確認する法務の専任担当者がいない会社も多く、兼務の担当者の経験に頼っている場合は、確認の抜けが偽装請負などのトラブルにつながりかねません。
契約書の確認を外部に頼める場合の一例が、MOLTON株式会社の企業法務アウトソーシングサービス(ALSP)「クラウドリーガル」です。BPOや人材派遣そのものを提供するサービスではありませんが、弁護士や専門士業のチームが、契約書レビュー、法務・労務相談、広告審査、商標登録などを支援し、英語の契約書にも対応すると商品ページに記載があります。契約書の自動作成から電子契約・契約管理まで扱える点も特徴です。注意点として、申し込みには審査があり、年間契約の場合は途中解約ができません。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。なお、個別の契約が偽装請負にあたるかどうかは実態で判断されるため、判断が必要な場合は弁護士などの専門家に確認してください。
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指揮命令権の違いは、自社の管理の手間にも直結します。人材派遣では、業務の手順書を用意し、日々の進捗を確認し、ミスがあれば自社が指導します。その代わり、自社のやり方に合わせて柔軟に指示を変えられます。BPOでは、日々の管理を委託先に任せられる代わりに、契約時に業務範囲と品質基準を文書で決めておく必要があり、途中で指示内容を変えたい場合は委託先の責任者を通じて契約や仕様を見直すことになります。「柔軟さ」と「管理負担の軽さ」のどちらを優先するかが、選び方の一つの軸になります。
また、人材派遣には期間制限があります。平成27年の労働者派遣法改正により、派遣先の同じ事業所での派遣受け入れは原則3年まで、同じ派遣スタッフを同じ組織単位(課など)で受け入れられるのも3年までとされています(事業所単位の期間は、過半数労働組合等への意見聴取により延長できる場合があります)。長期にわたって続く業務を派遣で回し続ける前提は取りにくいため、恒常的な業務であれば、直接雇用やBPOとあわせて検討するのが一般的です。アウトソーシング・派遣・BPRなど近い言葉との違いを概念ごとに整理したい場合は、BPOとアウトソーシング・派遣・BPRの違いも参考になります。
委託範囲の違い|一括か一部か
BPOは業務プロセスの設計から運用・改善までを一括で任せる形が基本で、人材派遣は自社の業務の一部を担う「人」を補う形が基本です。
人材派遣で補えるのは、あくまで労働力です。業務の手順を決めるのも、業務全体の品質に責任を持つのも自社です。たとえば経理部門に派遣スタッフを受け入れる場合、伝票入力を担当してもらうことはできますが、どの手順で入力するか、締め日までに何を終えるかは、自社の担当者が決めて指示します。
BPOでは、業務のまとまり(プロセス)単位で委託します。経理であれば、請求書の受け取りから仕訳、支払データの作成、月次の締め処理までをひとつの業務プロセスとして任せ、委託先はそのプロセスを効率よく回すための手順や体制を自ら設計します。委託先によっては、業務フローの見直しやシステムの導入まで含めて提案するところもあります。
ただし、実際の外部委託は「一括か一部か」の二択ではなく、段階があります。委託の深さを整理すると次のようになります。
| 委託の深さ | 内容 | 主な契約形態 |
|---|---|---|
| 1. 人を補う | 自社の指示のもとで作業する人員を確保する | 人材派遣 |
| 2. 作業を切り出す | データ入力や書類発送など、手順が決まった作業単位で任せる | 業務委託(請負・準委任) |
| 3. プロセスを任せる | 給与計算や受発注など、業務のまとまりを手順設計ごと任せる | BPO |
| 4. 改善まで任せる | 業務フローの見直しやシステム化の提案、継続的な改善まで任せる | BPO(改善提案を含む契約) |
段階が深くなるほど自社の管理負担は軽くなりますが、業務のノウハウが社内に残りにくくなり、委託先を変更するときの切り替えコストも大きくなります。反対に、段階が浅いほど自社のコントロールは効きますが、指示や教育の負担が残ります。どの段階が適切かは業務ごとに異なるため、部門単位で一律に決めるより、業務ごとに「どの深さで任せるか」を判断するほうが実態に合いやすくなります。
なお、業務委託には「請負」と「準委任」の2種類があります。請負は、完成した成果物(納品物)に対して対価を払う契約で、委託先は完成させる義務を負います(民法第632条)。準委任は、決められた業務を適切に遂行すること(事務処理など)に対して対価を払う契約で、成果物の完成までは義務づけられません(民法第656条)。BPOでは、書類作成などの成果が明確な業務は請負、問い合わせ対応や定型事務のように継続的に処理する業務は準委任として契約することが多く、いずれの場合も指揮命令権が委託先にある点は共通しています。「bpo 契約形態」で調べる場合は、この請負か準委任かの区分と、契約書での指示の窓口の決め方が出発点になります。
コストの範囲の違い|直接雇用・人材派遣・BPOで何が費用に含まれるか
人材派遣は労働時間に対する費用で、管理や教育の負担が自社に残ります。BPOは業務の遂行に対する費用で、委託先の管理や体制づくりのコストも含まれるのが一般的です。単価だけで比べず、誰が何を負担するかで比べる必要があります。
| コストの項目 | 直接雇用 | 人材派遣 | BPO |
|---|---|---|---|
| 募集・採用 | 自社 | 派遣会社 | 委託先 |
| 業務に関する教育・手順書づくり | 自社 | 自社の負担が残りやすい | 委託先(業務の引き継ぎ時は自社も協力) |
| 日々の指示・進捗の管理 | 自社 | 自社 | 委託先 |
| 欠員・退職時の補充 | 自社が再び採用 | 派遣会社に交代を依頼(契約による) | 委託先の体制で対応 |
| 業務手順の設計・改善 | 自社 | 自社 | 委託先(契約の範囲による) |
上の表は一般的な傾向で、実際の分担は契約や委託先によって異なります。見積もりを比べるときは、委託料や派遣料金の金額だけでなく、自社の社員が指示や教育に使う時間(社内の管理工数)、立ち上げ時の業務整理や引き継ぎにかかる手間まで含めて比べると、判断を誤りにくくなります。短期間や一時的な人手不足なら人材派遣、定型業務が長く続くならBPOのほうが総額で有利になりやすい傾向がありますが、実際の金額は業務内容や委託先によって大きく変わるため、同じ条件で複数社から見積もりを取ってください。
BPOとRPOの違い|採用業務に特化した外部委託
RPO(リクルートメント・プロセス・アウトソーシング)は、BPOのうち採用業務に特化したものです。契約上の位置づけはBPOと同じ業務委託で、指揮命令権も委託先にあります。
RPOで任せられる業務には、採用計画の立案支援、求人票の作成、求人媒体の運用、応募者対応、書類選考の一次対応、面接の日程調整、内定者フォローなどがあります。採用の繁忙期だけ事務作業を任せる形もあれば、採用戦略の設計から入る形もあります。一方、最終的な合否の判断は自社が行うのが一般的です。用語の関係を整理すると、BPOが業務プロセスの外部委託全体を指す広い言葉で、その中に人事領域全般を任せるHRO(人事アウトソーシング)があり、さらに採用に絞ったものがRPOという位置づけになります。
| 用語 | 対象範囲 | 業務の例 |
|---|---|---|
| BPO | 業務プロセスの外部委託全般 | 経理、総務、受発注、コールセンター、人事労務など |
| HRO | 人事領域全般 | 給与計算、社会保険手続き、勤怠管理、研修運営、採用 |
| RPO | 採用業務 | 求人票作成、媒体運用、応募者対応、日程調整、内定者フォロー |
RPOと人材紹介も混同されやすい組み合わせです。人材紹介は、求職者を企業に紹介し、採用が決まったときに成功報酬を払う仕組みで、職業安定法にもとづく許可事業です。RPOは採用活動の業務そのものを代行する仕組みで、採用の成否にかかわらず業務の遂行に対して対価を払う契約が多く見られます。また、派遣スタッフに採用事務を担当してもらう方法もありますが、その場合は自社が日々の指示を出すことになるため、RPOとは管理の考え方が大きく異なります。RPOを含めて採用プロセスの委託先を選ぶときの軸は、BPOとRPOの違い|採用プロセスアウトソーシングの選択軸と法的区分で詳しく整理しています。
偽装請負に注意すべきポイント|契約前に確認すること
偽装請負とは、契約書の上では業務委託(請負・準委任)でありながら、実態としては発注側が委託先のスタッフに直接指示を出しており、労働者派遣と同じ状態になっていることを指します。
労働者派遣と請負の区別は、契約の名称ではなく実態で判断されるとされています。厚生労働省は「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(いわゆる37号告示)を定めており、委託先が自ら労働者への業務の指示・管理を行っているか、業務を自らの責任で処理しているか(資金の調達、法律上の責任、機械や材料の自己調達、専門的な技術・経験など)といった観点で判断するとしています。この基準を満たさない場合、形式上は業務委託でも労働者派遣とみなされる可能性があります。
偽装請負と判断されると、発注側・受注側の双方が労働者派遣法や職業安定法上の問題を指摘される可能性があります。また、発注側が偽装請負であることを知りながらスタッフを受け入れていた場合などには、そのスタッフに対して直接雇用の労働契約を申し込んだものとみなされる制度(労働契約申込みみなし制度)の対象になりうるとされています。具体的な判断は個別の事情によって異なるため、不安がある場合は社会保険労務士や弁護士、都道府県労働局などに相談してください。本記事は法的助言を目的としたものではありません。
偽装請負は、悪意がなくても現場の「つい」で起きやすいのが特徴です。とくにBPOのスタッフが自社のオフィス内で作業する常駐型の委託では、自社の社員と同じ感覚で声をかけてしまいがちです。現場で起こりやすい場面と、避けるための対応を整理します。
| 起こりやすい場面 | なぜ問題になりやすいか | 避けるための対応 |
|---|---|---|
| 自社の社員が委託先スタッフに作業の順番や方法を直接指示する | 業務の指示は委託先が行うべきもので、自社が直接行うと派遣と同じ関係になる | 依頼や変更は委託先の責任者を通じて伝える窓口ルールを決める |
| 自社が委託先スタッフの始業・終業時刻や残業を決める | 労働時間の管理は雇用主である委託先が行うもの | 契約では業務量と納期を決め、勤務時間の管理は委託先に任せる |
| 自社の朝礼や部署の会議に委託先スタッフを業務として参加させる | 自社の組織の一員として管理している実態とみられやすい | 情報共有は委託先の責任者との定例会議で行う |
| 委託先スタッフの人選や人数を自社が指定する | 要員の配置は委託先が自らの判断で行うもの | 求める成果と品質基準を示し、体制は委託先に決めてもらう |
| 自社の社員と委託先スタッフが混在して同じ作業を分担する | 業務の区分があいまいになり、自社の指示下にあるとみられやすい | 委託する業務の範囲と作業スペースを明確に分ける |
反対に、自社の担当者が委託先スタッフに日々の指示を出す運用が避けられない業務であれば、無理に業務委託の形をとらず、最初から人材派遣として契約するほうが実態に合っています。「指示を出す必要があるかどうか」を契約前に確認することが、偽装請負を防ぐいちばんの近道です。「派遣 請負 違い」で調べる場合も、この点が判断の中心になります。
業務委託契約書で確認したい項目
偽装請負を防ぐ対応は、現場の運用ルールと、契約書の条項の両方で行います。BPOの業務委託契約書では、次の項目が文書で定まっているかを確認します。
- 契約の区分(請負か準委任か)と、委託する業務の範囲・成果物・納期
- 指示や変更依頼の窓口(委託先の責任者)と、依頼の手続き
- 品質基準と、報告の頻度・方法
- 再委託の可否と、再委託先に求める条件
- 個人情報や機密情報の取り扱いと、事故が起きたときの連絡と対応
- 契約の期間、更新、中途解約の条件
個人データの取り扱いを委託する場合は、個人情報保護法(第25条)により、委託先に対する必要かつ適切な監督が求められます。委託先の選定、契約での取り決め、実際の運用の確認まで行うことが、個人情報保護委員会のガイドラインで示されています。契約書の条項がこれらを満たしているかを確かめるには、法務の専門的な目が必要になる場面もあります。自社の状況を次のセルフチェックで確かめてみてください。
業務委託・派遣の契約、今の確認体制で足りている?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
BPOと人材派遣のメリット・デメリット
BPOは管理の手間を減らして業務の品質と継続性を高めやすい一方、業務の中身が見えにくくなります。人材派遣は自社の指示で柔軟に動かせる一方、指示や教育の負担と、人への依存が残ります。
| 形態 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| BPO | 日々のマネジメントを委託先に任せられる。委託先のノウハウや仕組みを活用でき、担当者の退職や欠員があっても委託先の体制で業務が続きやすい | 処理の過程が見えにくく、業務がブラックボックス化しやすい。ノウハウが社内に残りにくく、細かな変更は契約や仕様の見直しが必要になる |
| 人材派遣 | 必要なスキルを持つ人材を比較的短期間で確保できる。自社が直接指示するため、状況を把握しやすく、手順の変更にも柔軟に対応できる | 手順書の用意や指導など、管理と教育の負担が自社に残る。特定のスタッフに業務が依存しやすく、交代や期間制限による入れ替えのたびに引き継ぎが発生する |
BPOで業務のブラックボックス化を避けるには、業務の手順書や処理件数などの報告を定期的に受ける取り決めを契約に入れておくと、委託先を変更するときや社内に戻すときにも対応しやすくなります。人材派遣では、特定のスタッフに業務が偏らないよう、手順書を自社で整えておくことが引き継ぎの負担を減らします。
契約形態の選び方|業務の特徴から判断する比較表
契約形態は「自社が日々の指示を出したいか」「業務の手順が標準化されているか」「業務がどれくらいの期間続くか」の3つの観点で選ぶと判断しやすくなります。
| 業務の特徴 | 合いやすい形態 | 理由 |
|---|---|---|
| 手順が頻繁に変わり、その都度自社が判断して指示したい | 人材派遣 | 指揮命令権が自社にあり、柔軟に指示を変えられる |
| 繁忙期や欠員など、一時的に人手が足りない | 人材派遣 | 必要な期間だけ人員を補える |
| 手順が決まっていて、成果物がはっきりしている作業 | 業務委託(請負) | 成果物単位で発注・検収でき、管理がシンプル |
| 定型的な事務処理が長く続き、業務のまとまりで任せたい | BPO | 期間制限がなく、手順の設計から運用まで任せられる |
| 専門知識が必要で、法改正などへの対応も任せたい | BPO | 給与計算や社会保険手続きなど、専門会社のノウハウを活用できる |
| 採用の繁忙期に採用事務が回らない | RPO | 採用業務に特化したノウハウと体制を活用できる |
| 機密性が高く、判断をともなう中核業務 | 社内で対応(直接雇用) | ノウハウと判断の責任を社内に残しておきたい |
一つの部門の中で形態を組み合わせるのも現実的な選択肢です。たとえば人事部門であれば、給与計算と社会保険手続きはBPO、採用の繁忙期の事務はRPO、社内の問い合わせ対応は派遣スタッフ、人事評価の設計は社内、というように業務ごとに分けて考えると、コストと管理負担のバランスをとりやすくなります。
BPO委託先の選び方と導入の進め方
BPOを検討するときは、委託先を探す前に自社の業務を整理し、任せる範囲と求める水準を決めてから、次の観点で委託先を比較するのが基本の流れです。
委託先を比べるときの観点
| 観点 | 確認すること |
|---|---|
| 実績と専門性 | 委託したい業務や自社と近い業種での支援経験があるか |
| 対応できる範囲 | 設計だけ、運用だけに偏らず、業務の設計から運用、改善まで一続きで対応できるか |
| スタッフの教育体制 | 担当者の教育やマニュアルの整備を委託先が行う体制があるか |
| 運用体制の柔軟さ | 業務量の増減や繁閑に合わせて体制や範囲を変えられるか |
| 情報セキュリティ | 個人情報や取引データの管理体制、再委託の有無と条件 |
| 費用の内訳 | 何が基本の費用に含まれ、何が追加費用になるか。見積もりの前提(処理件数の上限など) |
| 報告と連絡の体制 | 定例報告の頻度、窓口となる責任者、問題発生時の連絡経路 |
導入の進め方
- 業務の棚卸:部門ごとに業務を一覧にし、担当者、頻度、処理件数、かかっている時間、使っているシステムを書き出す。
- 委託範囲の決定:一覧の中から、手順が決まっていて繰り返し発生する業務を委託候補にし、判断をともなう業務や機密性の高い業務は社内に残す。
- 業務手順の標準化:委託候補の業務について、手順書や判断基準を整え、例外処理の扱いも決めておく。
- 求める水準の設定:処理期限、正確さ、対応時間などの品質基準と、情報の取り扱いルールを決める。
- 委託先の比較と契約:同じ条件で複数社に見積もりを依頼し、上の観点と契約形態(請負か準委任か)を比較して契約する。
- 運用と見直し:委託先の責任者と定例会議を設け、品質基準の達成状況を確認しながら、委託範囲や手順を定期的に見直す。
この流れの中で、偽装請負を防ぐための準備も同時に進めます。具体的には、手順3の段階で「委託先に伝えるのは業務の内容と品質基準まで、スタッフへの個別指示は委託先の責任者が行う」という線引きを社内で共有し、手順5の契約書に連絡窓口と変更依頼の手続きを明記しておきます。個人情報を含む業務を委託する場合は、情報の取り扱いルールと確認方法も契約前に決めておきます。
人材派遣からBPOに切り替えるときの注意点
派遣の期間制限が近い、あるいは管理の負担が重いといった理由で、人材派遣からBPOへの切り替えを考える企業もあります。切り替えでは、契約の名称だけを変えて、同じ人に同じ指示を出し続けることがいちばん避けたいパターンです。実態が変わらなければ、業務委託の形をとっても偽装請負と判断されるおそれがあるためです。切り替えるときは、次の点を確認します。
- 現在の派遣契約の期間と、契約を終了できる時期
- 自社の社員が日々行っている指示を、手順書と品質基準に置き換えられるか
- 業務を引き継ぐ期間に、派遣スタッフと委託先のスタッフが混在しないよう、作業範囲を分けられるか
- 委託先の責任者を窓口とする運用に、現場の社員が切り替えられるか
最初から大きな範囲を委託すると、引き継ぎの負担が大きく、うまくいかなかったときの影響も大きくなります。まずは一つの業務を小さく委託し、運用が安定してから範囲を広げる進め方が現実的です。受付や問い合わせ対応を委託する場合の範囲や指標は、コールセンターBPOとは|委託範囲とKPI・派遣との違いを整理で確認できます。
BPOでも人材派遣でも、契約を結ぶ前に条項を文書で確かめる工程は共通です。契約書の確認を兼務の担当者に任せていて不安がある場合は、先に述べた契約書の確認項目を、専門家に見てもらう方法もあります。オンラインで契約書レビューや法務・労務相談を頼める一例として、クラウドリーガルの詳細を確認してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. BPOと人材派遣のいちばん大きな違いは何ですか?
A. 指揮命令権の所在です。BPOでは業務の指示を委託先が行い、人材派遣では派遣先である自社がスタッフに直接指示を出します。対価も、BPOは業務の成果や遂行に対して、人材派遣は労働時間に対して支払うのが一般的です。
Q2. BPOと業務委託は同じものですか?
A. BPOは業務プロセスを外部に任せる経営手法の呼び名で、契約としては業務委託(請負契約や準委任契約)の形をとるのが一般的です。業務委託のうち、業務のまとまりを手順設計から運用まで任せるものをBPOと呼ぶと整理すると分かりやすくなります。
Q3. BPOとRPOの違いは何ですか?
A. RPOはBPOのうち採用業務に特化したものです。求人票の作成、応募者対応、面接の日程調整、内定者フォローなどを委託します。契約形態は業務委託で、指揮命令権が委託先にある点はBPOと同じです。
Q4. 偽装請負とは何ですか?
A. 契約上は業務委託なのに、発注側が委託先のスタッフに直接指示を出すなど、実態が労働者派遣と同じ状態になっていることです。区別は契約の名称ではなく実態で判断されるとされており、厚生労働省の37号告示が判断の基準になります。依頼や変更は委託先の責任者を通じて伝えるなどの運用ルールが大切です。
Q5. BPO人材とは何ですか?派遣スタッフとどう違いますか?
A. BPO人材とは、BPOの委託先で業務を担当するスタッフを指す言い方です。雇用しているのは委託先で、日々の指示や勤怠の管理も委託先が行います。派遣スタッフは、派遣会社に雇用されながら派遣先である自社の指示のもとで働く点が異なります。
Q6. BPOとPMOの違いは何ですか?
A. BPOは業務プロセスの実行を外部に委託する手法です。PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)は、プロジェクトの進行管理や課題の整理を支援する部門や役割を指すのが一般的で、業務そのものの処理を引き受けるBPOとは目的が異なります。どちらも外部の事業者に依頼する場合は、業務委託の契約で範囲を決めます。
まとめ|BPOと人材派遣を選ぶ前に押さえる4つのこと
BPOと人材派遣は、どちらも外部の力を借りる方法ですが、指揮命令権と委託範囲が大きく異なります。次の4点を押さえると、自社に合う形態を選びやすくなります。
- 人材派遣は自社が指示を出して人を補う仕組み、BPOは業務プロセスごと任せて委託先が指示を出す仕組みで、RPOは採用業務に特化したBPOである。
- 業務委託の契約で自社が委託先スタッフに直接指示を出すと偽装請負とみなされるおそれがあるため、窓口ルールと業務範囲を契約前に決めておく。
- 契約形態は業務ごとに、指示の必要性、手順の標準化の度合い、業務が続く期間と、自社に残るコストの範囲で選び、まずは業務の棚卸から始める。
- 契約書の条項の確認に不安があれば、クラウドリーガルのような法務・契約書レビューのサービスの資料を取り寄せ、対応範囲とプランごとの上限を確認する。
参考文献
- 厚生労働省「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(37号告示)関係疑義応答集」 https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/gigi_outou01.html
- 厚生労働省「平成27年労働者派遣法の改正について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077386.html
- 厚生労働省「労働者派遣事業・職業紹介事業・募集情報等提供事業等」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/index.html
- 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」 https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/
- e-Gov法令検索「民法(明治二十九年法律第八十九号)」 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- MOLTON株式会社「導入事例 株式会社Medii様」 https://www.molton.inc/voice/2/