BPO領域とは?委託できる業務一覧と、最初に任せる業務の優先順位のつけ方

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  • BPOで委託できる6つの業務領域と、領域ごとの具体的な業務例がわかる
  • 委託しやすい工程と社内に残すべき判断の分け方がわかる
  • 最初に委託する業務を決める4つの観点と進め方がわかる

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)で委託できる業務は、経理・総務などのバックオフィスから、人事・採用、コールセンター、IT運用、営業・マーケティングまで幅広い領域に広がっています。対象が広いぶん、「自社のどの業務が委託候補になるのか」「どこから任せればよいのか」が見えにくいのも実情です。この記事では、BPOの対象になる業務領域を一覧で整理したうえで、領域ごとの具体的な業務例と向いている会社、そして委託する業務の優先順位のつけ方までを順に解説します。

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Q1. 外部に任せたいと考えている業務領域はどれですか?

目次

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  1. BPOで委託しやすい採用業務から比較したい採用代行サービス
  2. BPOで委託できる業務領域一覧
  3. バックオフィス系業務(経理・総務)
  4. 人事・採用系業務
  5. 顧客対応系業務(コールセンター・受付)
  6. IT・Web系業務、営業系業務
  7. 委託する業務の優先順位づけ方
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ
  10. 参考文献

BPOで委託しやすい採用業務から比較したい採用代行サービス

BPOの対象領域の中でも、人事・採用業務は多くの企業が最初に委託を検討する代表的な領域です。求人票の作成、応募者対応、面接日程の調整、スカウト送信といった工程は手順を切り分けやすく、採用の時期だけ業務量が急増するため、社内で人員を抱えるより外部に任せたほうが効率的なケースが少なくありません。

採用業務の委託は、RPO(採用代行・採用アウトソーシング)と呼ばれます。代表的なサービスには次のようなものがあり、対応できる採用区分や契約形態がそれぞれ異なります。

サービス名(提供会社) 主な特徴 依頼前に確認したい点
スポット人事(株式会社LeadSTAR) 地方企業の採用課題に合わせた手法を持ち、採用戦略の立案から実務まで一貫して対応する 契約期間は3か月からが前提
CASTER BIZ recruiting(株式会社キャスター) 750社を超える支援実績があり、採用のプロが月30時間から対応する 採用人数が多いと料金が増えやすい
まるごと人事(マルゴト株式会社) 初期費用と月額制で採用支援全般を任せられ、最短1か月から契約でき、エンジニア採用に強い 採用広報や資料制作は別途費用がかかる
ネオキャリアの採用アウトソーシング(株式会社ネオキャリア) 新卒・中途・アルバイトと幅広い採用区分に対応する サービス・媒体ごとの料金は問い合わせが必要

表に挙げたのは一部で、新卒採用や特定業界に特化したサービス、工数ではなく成果に応じて料金が決まるサービスもあります。自社の採用区分や予算に合う委託先を、料金や業務範囲まで含めて見比べたい場合は、次の記事が参考になります。

BPOで委託できる業務領域一覧

BPOとは、企業の業務プロセスの一部を外部の専門事業者に継続的に委託することです。経済産業省東北経済産業局も、BPOを「企業の業務プロセスの一部を外部に委託すること」と説明し、近年はクラウドサービスとして提供されることで業務のデジタル化にも寄与しているとしています。単に作業を代わりに行う人手を借りるのではなく、業務の流れごと任せ、改善提案まで含めて運用してもらう点が、スポットの外注との違いです。

アウトソーシング・人材派遣・BPRとの違い

BPOの対象領域を考える前に、似た言葉との違いを押さえておくと、自社に必要なのがBPOなのか別の手段なのかを判断しやすくなります。

手段 任せるもの 業務の指示を出す人
BPO 業務プロセスの設計・運用・改善まで継続的に任せる 委託先
アウトソーシング(一般的な業務委託) 特定の作業や成果物を任せる。BPOはこの一形態にあたる 委託先
人材派遣 人材を受け入れ、自社の業務に従事してもらう 自社(派遣先)
BPR 外部に任せるのではなく、業務プロセスそのものを自社主導で抜本的に見直す取り組み 自社

人手が足りないだけで業務の進め方は自社で決めたい場合は人材派遣、業務の進め方ごと専門事業者に任せて改善まで期待したい場合はBPOが向いています。BPRで業務を整理してからBPOで外に出すというように、組み合わせて使われることもあります。

BPOの対象になる6つの業務領域

委託できる業務は、大きく次の6つの領域に整理できます。

領域 主な委託業務の例 委託のしやすさ
経理・財務 記帳・仕訳、請求書発行、入金消込、経費精算、月次・年次決算の補助 高い(手順が定型化しやすい)
総務・一般事務 備品管理、郵便物・契約書の管理、出張手配、データ入力、資料作成 高い
人事・採用 採用代行(RPO)、給与計算、社会保険手続き、勤怠集計、研修運営 高い(工程ごとに切り出せる)
顧客対応 コールセンター、メール・チャット対応、電話代行、受付業務 中程度(対応ルールの整備が前提)
IT・Web ヘルプデスク、サーバー・システム運用、アカウント管理、Webサイトの更新・制作 中程度(権限管理の設計が必要)
営業・マーケティング テレアポ、インサイドセールス、広告運用、SNS運用、記事作成 中程度(成果指標の合意が前提)

このほか、ECサイトの商品登録や在庫更新、アンケートや売上データの集計といったデータ処理業務、物流・配送、翻訳、医療事務など、業種特有の業務を専門に請け負うBPOもあります。一覧を見るときのポイントは、「委託のしやすさ」が業務そのものの難易度ではなく、手順を文書にして外部に渡せるかどうかで決まることです。同じ経理でも、請求書の発行は委託しやすく、資金繰りの判断は社内に残すべき業務というように、領域の中でも工程によって向き不向きが分かれます。

バックオフィス系業務(経理・総務)

経理・総務などのバックオフィス業務は、BPOの中で最も委託実績が多い領域です。毎月同じ手順で発生し、成果物(帳簿、請求書、支払データなど)の正誤が明確なため、委託先との間で品質の基準を合わせやすいことが理由です。

経理・財務で委託できる業務

経理で委託されることが多いのは、証憑にもとづく記帳・仕訳、請求書の発行と送付、入金消込、支払処理、経費精算のチェック、月次決算の補助などです。会計ソフトやクラウドストレージを共有すれば、委託先が遠隔で作業できるため、担当者が1人しかいない会社でも急な欠員に備えられます。一方で、予算策定や資金繰りの判断、金融機関との交渉など経営判断に近い業務は、社内に残すのが一般的です。

総務・一般事務で委託できる業務

総務では、備品や消耗品の発注管理、郵便物の受け取りとスキャン、契約書の保管・期限管理、社員の出張手配、データ入力や資料作成などが委託の対象になります。1件あたりの作業は小さくても、積み重なると担当者の時間を大きく占める業務です。オンラインで依頼を受け付けるサービスを使えば、専任の総務担当がいない小規模な会社でも、必要な分だけ依頼できます。

バックオフィス業務を委託する際に注意したいのは、社内独自のルールが暗黙のまま運用されているケースです。「この取引先は月末締めではなく20日締め」「この経費は部長の確認が必要」といった例外を洗い出して手順書にまとめることが、委託を成功させる前提になります。

人事・採用系業務

人事・採用系の業務は、定型的な労務手続きと、専門性が成果を左右する採用活動の2つに分けて考えると、委託の範囲を決めやすくなります。

労務・給与関連の業務

給与計算、年末調整、社会保険・雇用保険の資格取得・喪失手続き、勤怠データの集計などは、法令にもとづいて手順が決まっているため委託しやすい業務です。法改正や保険料率の変更に委託先が対応してくれるため、担当者が制度の更新を追い続ける負担も減らせます。なお、社会保険・労働保険の手続きを本人に代わって行う業務は社会保険労務士の独占業務にあたるため、委託先に社労士が関与しているかを確認しておきましょう。

採用業務(RPO)

採用業務は、採用計画の立案、求人票の作成、求人媒体の運用、スカウト送信、応募者対応、面接日程の調整、内定者フォローといった工程に分けられます。すべてを任せる方法もあれば、応募者対応と日程調整だけを任せ、面接と合否判断は社内で行う方法もあります。採用活動は時期によって業務量の波が大きく、専任担当を置きにくい中小企業ほど、必要な時期に必要な工程だけを委託できるメリットは大きくなります。

採用の工程 委託しやすさ 社内に残したい判断
採用計画・ターゲット設計 助言を受けながら共同で進める 求める人物像と採用人数の最終決定
求人票作成・媒体運用・スカウト送信 高い 訴求内容の事実確認
応募者対応・日程調整 高い 特にない(対応ルールを共有する)
面接・合否判断 一次面接のみ委託する例もある 最終面接と採用可否

採用業務は、工程ごとに切り出して小さく委託を始め、成果を見ながら範囲を広げていける点で、BPOの最初の一歩に向いた領域です。採用区分や予算に合わせて、どこまで任せられるかをサービスごとに比べておくと、委託範囲を決めやすくなります。

顧客対応系業務(コールセンター・受付)

顧客対応系の業務には、商品・サービスに関する問い合わせ窓口(コールセンター)、メールやチャットでのサポート、代表電話の一次受付を行う電話代行、オフィスの受付業務などがあります。問い合わせ件数は季節やキャンペーンで大きく変動するため、外部に委託して繁忙期だけ席数を増やすといった柔軟な運用ができる点が大きな利点です。

一方で、顧客対応は会社の印象を直接左右する業務です。委託前に、よくある質問と回答、社内の担当部署へ引き継ぐ条件、クレームへの対応方針をまとめておかないと、回答が担当者によってばらついたり、社内への確認待ちで対応が遅れたりします。委託後も、応答率や一次解決率、顧客満足度といった指標を定期的に共有してもらい、対応ルールを見直していく体制が欠かせません。

小規模な会社では、まず代表電話の一次受付だけを電話代行に任せ、用件をメールやチャットで受け取る形から始めると、担当者が電話に中断されずに本来の業務に集中できるようになります。

IT・Web系業務、営業系業務

IT・Web系業務

IT系のBPOでは、社員からのパソコンやアカウントに関する問い合わせに答えるヘルプデスク、サーバーやネットワークの監視・運用、パソコンの調達とキッティング、SaaSのアカウント管理などが委託の対象になります。専任の情報システム担当を置けない会社が、総務担当の兼務で対応している業務を外に出すケースが典型です。Webサイトの更新や制作、Webコンテンツの運用もこの領域に含まれます。

IT系の業務を委託する際は、委託先に付与する管理者権限の範囲、アクセスログの確認方法、情報漏えい時の責任分担を契約で明確にしておくことが重要です。委託先の情報セキュリティ体制(認証の取得状況や再委託の有無など)も確認しましょう。

営業・マーケティング系業務

営業系では、テレアポやフォーム営業による商談獲得、見込み客を育成するインサイドセールス、営業事務などが委託されます。マーケティング系では、Web広告の運用、SNSアカウントの運用、記事コンテンツの作成などが代表的です。いずれも専門スキルを持つ人材を社内で育てるには時間がかかるため、立ち上げ期に外部の知見を借りる使い方が向いています。

この領域は成果が数字で表れる反面、「件数は達成したが商談の質が低い」といったすれ違いが起きやすい領域でもあります。アポイント件数だけでなく、商談化率や受注につながった件数など、どの指標で評価するかを委託前に合意しておくことが大切です。

委託する業務の優先順位づけ方

委託できる領域が分かっても、すべてを一度に外に出すのは現実的ではありません。東北経済産業局が金融機関やBPO事業者と設けた検討会でも、BPOには業務効率化や人材不足対策などの利点がある一方、業務の切り出しの難しさや心理的な抵抗といった課題があることが確認されています。だからこそ、切り出しやすく効果が見えやすい業務から順番に委託していくことが、BPOを定着させる近道です。

候補の業務を洗い出したら、次の4つの観点で評価すると優先順位をつけやすくなります。

評価の観点 優先度が高い業務の状態 当てはまりやすい業務の例
1. 手順が決まっているか 手順書にでき、例外が少ない 記帳、請求書発行、給与計算、日程調整
2. 業務量に波があるか 時期によって作業量が大きく変わる 採用活動、年末調整、繁忙期の問い合わせ対応
3. 社内に専門人材がいないか 兼務や属人化で回している 採用、ヘルプデスク、広告運用
4. 経営判断から遠いか 成果物の良し悪しを外部でも判断できる データ入力、応募者対応、一次受付

4つの観点に多く当てはまる業務ほど、委託の効果が出やすく、失敗したときの影響も小さくなります。反対に、経営方針や顧客との関係づくりに直結する業務は、BPOの対象にせず社内に残す判断も必要です。

委託の進め方は、次の順番が基本です。まず候補業務の作業時間を1か月ほど記録し、次に手順書を作って委託範囲を決めます。そのうえで複数の委託先から見積もりを取り、小さな範囲で試してから広げていきます。導入前の作業時間を記録しておけば、委託後にどれだけ社内の時間が空いたかを数字で示せるため、次の領域へ委託を広げる判断材料になります。

委託範囲を広げるほど注意したいのが、業務のノウハウが社内に残らなくなるリスクです。委託先を変更したり業務を社内に戻したりするときに困らないよう、手順書や業務マニュアルを委託先と共同で更新し、自社でも保管しておくこと、月次などで処理件数や改善内容の報告を受けることを契約に盛り込んでおきましょう。

契約面では、委託先のスタッフに社内の社員が直接細かい作業指示を出さないよう注意が必要です。業務委託(請負)の形をとりながら、実態として発注側が指揮命令を行っていると、いわゆる「偽装請負」として労働者派遣法違反になるおそれがあります。厚生労働省は、派遣か請負かは契約の形式ではなく実態に即して判断されるとしているため、指示は委託先の責任者を通して行う運用を決めておきましょう。

4つの観点すべてに当てはまりやすいのが採用業務です。手順を工程ごとに切り出せ、時期による業務量の波が大きく、専任担当を置きにくいうえ、応募者対応や日程調整は経営判断から離れています。まずは採用の一部工程から委託して成果を確認し、そこで得た手順書づくりや委託先とのやり取りの経験を、経理や顧客対応など他の領域へ広げていく進め方が現実的です。

よくある質問(FAQ)

Q. BPOとは何ですか?

A. BPOは「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」の略で、企業の業務プロセスの一部を外部の専門事業者に継続的に委託することです。作業を代行するだけでなく、業務の流れごと任せて改善提案まで受ける点がスポットの外注との違いで、業務の指示を委託先が出す点が人材派遣との違いです。

Q. BPOで委託できる業務領域にはどのようなものがありますか?

A. 大きく分けて、経理・財務、総務・一般事務、人事・採用、顧客対応、IT・Web、営業・マーケティングの6つの領域があります。このほか物流や翻訳、医療事務など業種特有の業務を請け負うBPOもあります。

Q. 最初に委託するならどの業務がよいですか?

A. 手順が決まっている、業務量に波がある、社内に専門人材がいない、経営判断から遠い、の4点に多く当てはまる業務から始めるのがおすすめです。採用業務の応募者対応や日程調整、経理の記帳や請求書発行などが代表例です。

Q. BPOに向かない業務はありますか?

A. 経営方針や予算の決定、資金繰りの判断、重要な取引先との関係づくり、採用の最終可否など、経営判断に直結する業務は社内に残すのが一般的です。同じ領域でも、判断を伴う工程は社内、定型的な工程は外部と分けて考えます。

Q. BPOを利用するときの注意点は何ですか?

A. 委託前に社内独自のルールを手順書にまとめること、情報管理と責任分担を契約で明確にすることが重要です。また、委託先のスタッフに社員が直接作業指示を出すと偽装請負とみなされるおそれがあるため、指示は委託先の責任者を通して行います。

Q. 採用業務はどこまで委託できますか?

A. 採用計画の立案から求人票作成、媒体運用、スカウト送信、応募者対応、面接日程の調整、内定者フォローまで委託できます。一部の工程だけを任せることもでき、最終面接と採用可否の判断は社内で行うのが一般的です。

まとめ

BPOで委託できる業務は、経理・総務、人事・採用、顧客対応、IT・Web、営業・マーケティングと幅広い領域に及びます。大切なのは、領域ごとに一律で判断するのではなく、工程単位で「手順を外部に渡せるか」を見極め、効果の出やすい業務から順に任せていくことです。最後に、今日から取り組める3つのことを整理します。

  1. 社内の業務を6つの領域に沿って書き出し、それぞれの作業時間を記録する。
  2. 手順の定型度、業務量の波、専門人材の有無、経営判断との距離の4点で優先順位をつける。
  3. 採用の一部工程など小さな範囲から委託を試し、成果を確認してから他の領域へ広げる。

参考文献

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