SaaSの文書管理とは?電帳法・インボイス対応で見る選び方とチェックリスト
Check!
- SaaS型とオンプレ型の違いと弱点がわかる
- 文書の種類別に電帳法の保存区分がわかる
- 契約書を締結から電子化する進め方がわかる
SaaSの文書管理とは、契約書・請求書・社内規程などの文書を、ベンダーが運用するクラウド上のシステムで保存・検索・共有する仕組みのことです。サーバーの用意や保守が不要で少人数から始められる一方、電子帳簿保存法の保存要件を満たす責任は、クラウドに置いただけでは自社に残ります。2024年1月から電子取引データは電子のまま保存することが原則となり、インボイス制度で適格請求書の保存も欠かせなくなったため、「紙とフォルダの管理から抜け出したい」と考える経理・総務の担当者が増えています。この記事では、オンプレミス型との違いと弱点、電帳法とインボイスで求められる保存のポイント、契約書を電子契約から文書管理につなぐ考え方、選び方のチェックリストと導入の進め方を順に整理します。
文書管理のSaaS化で、先に整えたい契約書まわりを2問で確認
Q1. 文書管理で、いま一番困っているのはどちらですか?
おすすめ記事
目次
開く
閉じる
開く
閉じる
契約書を文書管理にのせる前に、どこで電子化するかを決める
文書管理のSaaS化では、契約書を締結の段階から電子で扱い、電子契約システムを入口に保管までつなぐと、取り込みの手入力と保存要件の手当てを減らせます。
文書管理をSaaSに移すとき、保存要件の確認が最も重くなるのが契約書です。国税庁の一問一答では、電子取引の対象となる取引情報に、注文書・契約書・送り状・領収書・見積書などに通常記載される事項が含まれるとされています。電子メールやクラウドサービスで授受した契約書は電子データのまま保存する必要があり、従業員との雇用契約書や労働条件通知書も、電子的にやり取りすれば同じ扱いです。一方、紙で締結した契約書を文書管理システムにスキャンして取り込む運用では、スキャナ保存の要件も別に満たす必要があり、二重の手間が生じます。
そこで、締結の段階から電子化し、署名の記録やタイムスタンプ、保管までを同じ仕組みで扱える電子契約システムを、文書管理のSaaS化の入口として検討する企業が少なくありません。契約書は、締結した時点で取引先・契約日・金額といった検索に必要な属性がデータとして揃うためです。ここでは、このサイトで紹介している電子契約システムのうち、文書管理との関わり方が異なる5サービスを、役割の違いで並べます。
契約書の保管と検索を整える電子契約システム5サービスの役割の違い
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:freeeサイン 30種類以上の契約書フォーマットがあり、はじめての電子契約でも進めやすいと商品ページで紹介されています。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:Contract One 紙・PDF・電子の契約書をデータ化し、全文検索や期限アラートで管理できると紹介されています。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:電子印鑑GMOサイン 立会人型と当事者型の署名に対応し、権限管理の機能も備えていると紹介されています。
資料を無料ダウンロード| サービス | Contract One |
SMBCクラウドサイン |
|||
|---|---|---|---|---|---|
| 向いている会社 | 契約の相手や内容に応じて、署名の強さを使い分けたい会社 | freeeを使っている会社や、はじめて電子契約を使う会社 | 契約書の作成から保管までを1つのサービスで完結させたい会社 | 紙・PDF・電子の契約書をデータ化して、全社で探せるようにしたい会社 | 契約書の検索や、法務・セキュリティ面の安心感を重視する会社 |
| 特徴 | 立会人型の契約印タイプと、当事者型の実印タイプに対応。権限管理や文書管理の機能もある | 30種類以上の契約書フォーマットとワークフローがあり、送信件数が増えても従量課金ではない | 申請・承認から保存・管理までを一元化。他の方法で締結した契約書も含めて管理できる | AI-OCRと専門スタッフの確認でデータ化。全文検索、期限アラート、取適法対応の支援機能がある | 弁護士監修。組み合わせ検索や範囲指定検索があり、AI契約書管理機能も備える |
| 注意したい点 | すべての機能やオプションが必要な場合は、オプション費用が増えやすい | 画面が簡素なぶん、場所が分かりにくい機能もある | 口コミでは、ハンコの印影にもう少し工夫があるとよいとされている | 連携できる電子契約サービスが限られる。導入時に業務フローの見直しが必要な場合もある | フォルダ管理の自由度が低い |
| 資料・詳細 |
5サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)
まとめて資料をダウンロード表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
表の「注意したい点」は優劣ではなく、事前に確かめておきたい観点です。電子契約システムで締結した契約書を、別途導入する文書管理SaaSにも連携して保管するのか、電子契約システム側で保管を完結させるのかによって、検索項目の持たせ方や権限設計が変わります。以下では、署名の強さと保管をそろえたい場合の例から順に見ていきます。
契約書の締結から保管までを、署名の強さを使い分けながら電子で進めたい場合の一例が電子印鑑GMOサインです。商品ページでは、立会人型の契約印タイプと、電子証明書を使う当事者型の実印タイプの両方に対応していること、権限管理やワークフロー、文書管理といった機能を備えていることが紹介されています。文書管理機能には文書検索があり、保存は電子帳簿保存法に対応していると記載されています。一方で、機能やオプションが豊富な分、すべてを使う場合はオプション費用が増えやすい点には注意が必要です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社
電子印鑑GMOサイン
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社
電子印鑑GMOサイン
オプションが豊富で自社にあった機能を選びたい方におすすめ

実際に使用してみたレビューはこちら

【レビュー】『GMOサイン』を実際に登録して使ってみた【使い方解説】
数ある電子契約システム、どのサービスを使ったら良いかわからないと言う方も多くいると思います。そこで今回は、GMOサインの利用経験ゼロの筆者が、ゼロからGMOサインの無料登録から初回契約締結までの流れを実況形式でお伝えします。
ここがおすすめ!
- スタンダードプランでも機能が充実しており、提供機能を無駄なく活用できる
- 立会人型電子署名は1件あたり100円で送信でき、他社と比較してほぼ半額で利用できる
ここが少し気になる…
- 機能やオプションが豊富でマルチに使えるが、全て必要な場合はオプション料金が高額になってしまう
-
契約書を巻くのに多い時では1日かかっていた作業が、10-15分ぐらいで終わるという時間効率が圧倒的に良くなった点が挙げられるかと思います。また紙の契約書だとかかる紙台、インク代もバカにならないかと思いますがそこの削減にもつながりました。
-
電子契約サービスを選定する際は、自社側の使いやすさに加えて、契約相手にとっても操作が分かりやすく、ストレスなく利用できるかを重視すべきだと感じました。また、料金体系が明瞭であること、法的な効力が担保されている仕組みであることも、安心して導入する上で重要なポイントだと思います。
-
導入することで契約締結のスピードが大幅に向上し、契約業務にかかる手間を削減できました。また、テレワーク環境でも円滑に契約業務を進めることが可能になり、業務効率がかなり向上しました。
契約書が法務部に届かず支店で保管されるケースもあり、管理の一元化やコンプライアンス面での課題が顕在化していました。
日建レンタコム株式会社(導入前の課題) 出典:電子印鑑GMOサイン導入事例
SaaSの文書管理とは|オンプレミス型との違い
SaaSの文書管理とは、文書管理システムをインターネット経由のサービスとして利用し、サーバーやソフトウェアの運用・保守をベンダーに任せる形態のことです。自社でサーバーを用意して構築するオンプレミス型に比べ、初期費用を抑えて短期間で使い始められる点が特徴です。
文書管理システムは、文書を保存するだけでなく、属性(日付・金額・取引先・文書種別など)を付けて検索できるようにし、版の管理やアクセス権限、承認の流れ、保存期間の管理までをまとめて扱う仕組みです。共有フォルダやオンラインストレージとの違いは、この「属性で探せる」「誰がいつ何をしたかが記録に残る」という点にあります。電子帳簿保存法の保存要件の多くは、まさにこの部分に関わります。なお、「文書管理」と「ドキュメント管理」は製品や提供会社によって呼び方が違うだけで、文書を保存・検索・共有・管理する点は共通していることが多いため、比べるときは名称ではなく機能を見るのが確実です。
SaaS型とオンプレミス型の違いを整理すると、次のようになります。
| 観点 | SaaS型(クラウド) | オンプレミス型 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 抑えやすい。月額・年額の利用料が中心 | サーバー・ライセンス・構築費がかかりやすい |
| 料金の決まり方 | ユーザー数・保存容量・文書件数に応じた課金が多い | 買い切り+保守費用が一般的 |
| 法改正への追随 | ベンダーのアップデートで反映されることが多い | 改修の要否を自社で判断し、費用も自社負担 |
| カスタマイズ | 設定の範囲内に限られることが多い | 自社業務に合わせた作り込みがしやすい |
| アクセス環境 | 社外・在宅からも利用しやすい | 社内ネットワーク前提になりやすい |
| データの置き場所 | ベンダーのデータセンター。所在地や解約時の返却方法の確認が必要 | 自社で管理できるが、バックアップも自社責任 |
電子帳簿保存法の観点で見ると、SaaS型の大きな利点は法改正への追随をベンダーに任せやすいことです。電子帳簿保存法は近年、2022年1月、2024年1月と大きな改正が続いており、そのたびに自社で改修するのは負担が大きくなります。一方で、保存要件を満たしているかどうかの最終的な責任は、保存する事業者側にあります。SaaSを使えば自動的に要件を満たせるわけではない点は、最初に押さえておきたいポイントです。
SaaS型の弱点と事前に確かめたい対策
SaaS型には利点が多い一方で、弱点もあります。多くは契約前に確認できるため、よく挙がる弱点と、事前に確かめておきたい点を整理しました。
| 弱点 | 起きやすいこと | 事前に確かめたい点 |
|---|---|---|
| カスタマイズに限りがある | 自社独自の承認ルートや帳票に合わせた作り込みができず、運用を製品に合わせる必要が出る | 標準機能で主要な業務が回るかを、試用や資料で確かめる |
| 通信環境やベンダー側の障害に左右される | 障害や保守作業の間は、文書を閲覧できないことがある | 障害時のサポート体制と、重要文書を閲覧する代替手段を確認する |
| ベンダーに依存する | サービス内容の変更や終了で、運用の見直しを迫られることがある | 解約時に属性情報つきでデータを一括出力できるかを確認する |
| 利用料が継続して発生する | ユーザー数・容量・件数が増えると、利用料も増える | 課金の単位と、増えたときの料金の決まり方を資料で確認する |
| 権限の設計は自社の責任 | 閲覧権限の設定が緩いと、SaaSでも機密文書が不要な範囲に見える | 部署・文書種別ごとに権限を設計し、異動時に見直す |
弱点の多くは、試用や資料請求の段階で確かめられます。標準機能で自社の主要な業務が回るかと、解約時にデータを持ち出せるかの2点は、とくに優先して確認しておきたいところです。
電子帳簿保存法が求める保存要件
電子帳簿保存法の保存要件は、改ざんされていないことを担保する「真実性」と、必要なときに見られる状態を保つ「可視性」の2つに大きく分かれます。文書管理SaaSを選ぶ際は、この2つを機能で満たせるか、運用で補う必要があるかを見極めることが出発点です。
電子帳簿保存法の3つの区分
電子帳簿保存法は、保存の対象によって「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引データの保存」の3つに区分されています。文書管理SaaSで主に関わるのは、紙で受け取った書類を画像で保存する「スキャナ保存」と、メールやクラウドで受け取った請求書・電子契約書などを電子のまま保存する「電子取引データの保存」です。このうち電子取引データの保存は、2024年1月以降、原則として紙に印刷して保存する方法が認められなくなりました。国税庁の電子帳簿保存法関係のページで、区分ごとの要件や一問一答が公開されています。
文書の種類と受け取り方で決まる保存区分の早見表
自社の文書がどの区分にあたるかは、文書の名前ではなく、どのように授受したかで決まります。国税庁の一問一答をもとに、よくある文書を整理しました。
| 文書の例 | 授受の方法 | 保存の区分 |
|---|---|---|
| 請求書・領収書・見積書 | 電子メールの添付ファイルやクラウドサービスで受け取った | 電子取引データの保存(電子のまま保存) |
| 自社が発行した請求書・見積書 | 電子メールやクラウドサービスで相手に送った | 電子取引データの保存(交付した側も対象) |
| 契約書・注文書 | 電子契約システムなどで電子的に締結・交付した | 電子取引データの保存(電子のまま保存) |
| 雇用契約書・労働条件通知書 | 電子メールやクラウドサービスで授受した | 電子取引データの保存(一問一答の問3) |
| 請求書・領収書 | 紙で受け取った | 紙のまま保存、または要件を満たしてスキャナ保存 |
| 契約書 | 紙で取り交わした | 紙のまま保存、または要件を満たしてスキャナ保存 |
| 社内規程・業務マニュアル | 社内で作成して共有する | 電子帳簿保存法が対象とする国税関係帳簿書類や電子取引データではない。保存方法は社内のルールやほかの法令による |
出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」(令和8年7月)の問2・問3・問5・問7、および国税庁「電子帳簿保存法の概要」。表のうち電子取引データにあたる文書は、2024年1月以降、紙に印刷して保存する方法では足りません。契約書や注文書を電子契約システムで締結する企業ほど、保管先を文書管理システムにそろえておく意味が大きくなります。
電子取引データの保存要件
電子取引データを保存する際の主な要件は次のとおりです。国税庁の一問一答などで示されている内容をもとに、文書管理SaaSで確認したい機能と対応づけて整理しました。
| 区分 | 求められる内容 | 文書管理SaaSで確認したい点 |
|---|---|---|
| 真実性 | タイムスタンプの付与、訂正・削除の履歴が残る(または訂正・削除できない)システムでの保存、改ざん防止の事務処理規程の整備のいずれかを行う | 訂正削除履歴の記録方式、認定タイムスタンプへの対応、事務処理規程のひな形提供の有無 |
| 可視性(検索) | 取引年月日・取引金額・取引先で検索でき、日付や金額は範囲指定、2項目以上の組み合わせでも検索できる | 3項目を必須入力にできるか、範囲指定と組み合わせ検索ができるか |
| 可視性(表示) | ディスプレイやプリンタで、整然とした形式で速やかに出力できる | 税務調査時に画面表示・印刷がすぐできるか |
| 可視性(説明書類) | 自社開発のシステムを使う場合は、システムの概要書を備え付ける | 市販のSaaSなら取扱説明書等で足りるか、ベンダーの資料で確認 |
検索要件には緩和措置もあります。国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」(令和8年7月)によると、電子取引を行った日の属する事業年度の前々事業年度(個人事業者は前々年)の売上高が5,000万円以下の場合、または電磁的記録を出力した書面を取引年月日その他の日付と取引先ごとに整理して提示・提出できるようにしている場合は、検索機能の確保が不要とされています。いずれも、税務職員からのダウンロードの求めに応じられるようにしておくことが前提です。また、要件に従った保存が難しい相当の理由があると税務署長が認める場合の猶予措置もありますが、出力書面だけで済ませることはできず、電子データそのものも保存しておく必要があります。適用できるかどうかは事業者ごとの状況で異なり、細部は改正されることもあるため、最新の国税庁資料や顧問税理士に確認したうえで判断してください。本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の税務判断に代わるものではありません。
保存要件のうち検索要件を、機能で満たせるかを確かめたい場合の一例がSMBCクラウドサインです。商品ページには、組み合わせ検索や範囲指定検索など電子帳簿保存法の検索要件を満たしていること、締結した契約書の情報をAIが自動で抽出して保管するAI契約書管理の機能があること、弁護士監修でメガバンクのセキュリティ基準による監視が行われていることが紹介されています。注意点として、フォルダ管理の自由度が低いとされているため、部署ごとに細かい階層を作りたい場合は事前に確認が必要です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。導入事例では、発注書の電子化にあたり、次のように送信履歴を後から追えることが期待されていました。

ここがおすすめ!
- AI契約書管理機能搭載
- メガバンクの厳格なセキュリティ基準が採用されている
ここが少し気になる…
- フォルダ管理の自由度が低い
何をいつ送信したのか、といった履歴を後から容易に追うこともでき、発注管理の効率化を図ることも可能になるのではないかと。
株式会社山一建設 出典:SMBCクラウドサイン導入事例
スキャナ保存で追加になる要件
紙で受け取った請求書や領収書をスキャンして文書管理SaaSに取り込む場合は、スキャナ保存の要件がかかります。一定の解像度・カラーでの読み取り、受領から入力までの期間の制限、タイムスタンプの付与(または訂正削除履歴の残るシステムでの保存)、帳簿との相互関連性の確保、検索機能の確保などが求められ、電子取引データよりも要件が多いのが特徴です。紙の受領が多い業務ほど、スキャンの手順と入力期限を運用ルールとして明文化しておく必要があります。
保存期間の考え方
国税関係の帳簿書類は、法人の場合、原則として事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間の保存が必要です。青色申告書を提出した事業年度で青色繰越欠損金が生じた事業年度などは、10年間とされます。国税庁のタックスアンサー(No.5930)では、保存が必要な書類の例として注文書・契約書・領収書などが挙げられています。文書管理SaaSでは、文書種別ごとに保存期間を設定し、期間中は削除できないようにする機能があるかを確認しておくと、誤削除による要件違反を防ぎやすくなります。あわせて、契約を解約した場合に保存期間の途中のデータをどう引き継ぐかも、導入前に確かめておきたい論点です。
5サービスの役割を比較表で見るインボイス制度対応で見るべきポイント
インボイス制度では、仕入税額控除を受けるために、原則として適格請求書(インボイス)の保存が必要です。文書管理SaaSでインボイスを扱う際は、電子帳簿保存法の要件に加えて、インボイスならではの確認作業を仕組みに組み込めるかが焦点になります。
登録番号と記載事項の確認
適格請求書には、発行事業者の登録番号、適用税率、税率ごとに区分した消費税額などの記載が求められます。受け取った請求書がこれらを満たしているか、登録番号が有効かを確認する作業は、件数が増えるほど負担になります。登録番号の有効性は、国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで確認できます。文書管理SaaSの中には、読み取った登録番号を公表サイトの情報と照合する機能を持つものもあるため、受領件数が多い企業は確認しておきたいポイントです。請求書の記載事項と作り方の全体像は、請求書の作成の全手順の記事で整理しています。
紙と電子が混在する請求書の扱い
取引先によって、紙の請求書を郵送してくる会社と、PDFをメールで送ってくる会社が混在するのが一般的です。電子で受け取ったインボイスは電子取引データとして、紙で受け取ったものは紙のまま、またはスキャナ保存の要件を満たして保存します。同じ「請求書」でも保存ルールが異なるため、文書管理SaaS上で受領方法を属性として持たせ、どちらのルールで保存しているかがわかるようにしておくと、税務調査の際にも説明しやすくなります。領収書側の書き方と保存の考え方は、領収書の書き方の記事も参考になります。
会計処理との突合
インボイスは、保存するだけでなく、帳簿の記載内容と一致しているかを後から確かめられる状態にしておくことが重要です。仕訳番号や支払日を文書の属性として持たせる、会計ソフトと連携して請求書データと仕訳を紐づけるといった工夫により、突合の手間を減らせます。インボイス制度の概要や最新情報は、国税庁のインボイス制度特設サイトで確認できます。
SaaSの文書管理の主な用途
SaaSの文書管理は、経理の証憑保存だけでなく、部門や業種によってさまざまな使われ方をしています。代表的な用途と、それぞれで重視されやすい機能は次のとおりです。
| 用途 | 主な文書 | 重視されやすい機能 |
|---|---|---|
| 証憑保存(経理) | 請求書・領収書・納品書 | 3項目検索、OCRによる属性の自動入力、会計ソフト連携 |
| 契約書管理(法務・総務) | 取引基本契約書・NDA・覚書 | 契約期限の通知、電子契約との連携、閲覧権限の細分化 |
| 品質文書管理(製造業など) | ISO関連の手順書・規程・記録 | 版管理、承認フロー、改訂履歴の記録 |
| 公文書管理(自治体など) | 起案文書・決裁文書・行政文書 | 電子決裁、保存期間の管理、廃棄・移管の記録 |
| 社内規程・マニュアル共有 | 就業規則・業務マニュアル | 全文検索、最新版の一元管理、閲覧履歴 |
用途によって必要な機能は大きく変わります。経理の証憑保存では電子帳簿保存法の要件への対応が最優先になりますが、品質文書や社内規程では「常に最新版だけが使われる状態」を保つ版管理が重要になります。自治体の公文書管理では、公文書等の管理に関する法律や各自治体の規程に沿った保存期間の管理や廃棄の記録が求められます。1つのSaaSですべてを賄おうとすると設定が複雑になりやすいため、まずは最も困っている用途を1つ選び、そこから対象を広げていく進め方が現実的です。
このうち契約書管理は、紙・PDF・電子と形態が混ざりやすく、更新期限の管理も加わるため、ほかの用途より仕組みが必要になりやすい分野です。
紙やPDFで溜まった契約書を、データ化して全社で探せるようにしたい場合の一例がContract Oneです。商品ページでは、紙・PDF・電子契約といったさまざまな形態の契約書をAI-OCRと専門スタッフの確認でデータ化し、全文検索や、契約期限が近づいたときのアラート通知、契約の自動更新設定などで管理できることが紹介されています。注意点として、連携できる電子契約サービスが限られるため、すでに使っているサービスがある場合は対応を確認する必要があります。導入時に業務フローの見直しが必要になる場合もあります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

ここがおすすめ!
- あらゆる契約書を正確にデータ化し、AIで扱いやすいデータベースを構築
- Contract One内で生成AIを活用することで、法務部門に限らず全社での契約データの活用を促し、さまざまな部門の課題を解決
- 法改正への対応をサポート
ここが少し気になる…
- 導入時、業務フローの見直しが必要な場合も
必要な契約書を迅速に確認できるようになったほか、属人的な管理に伴うリスクを抑え、期日管理の精度向上にもつながっています。
イオンマーケティング株式会社 出典:Sansan株式会社のプレスリリース
SaaSの文書管理を選ぶためのチェックリスト
SaaSの文書管理を比較する際は、料金表や機能一覧だけでなく、保存要件と運用の両面から確認することが大切です。ベンダーへの問い合わせにそのまま使えるよう、確認項目と質問の例を整理しました。
| 観点 | 確認項目 | ベンダーへの質問例 |
|---|---|---|
| 法令対応 | JIIMA認証の取得状況と認証の種類 | 取得しているのは電子取引ソフト法的要件認証か、スキャナ保存か |
| 真実性 | 訂正削除履歴、タイムスタンプの方式 | 訂正した場合、訂正前の内容と日時・操作者は残るか |
| 検索性 | 3項目検索、範囲指定、組み合わせ検索 | 取引先名の表記ゆれ(株式会社の有無など)に対応できるか |
| 入力の手間 | OCR、メール取り込み、一括アップロード | 読み取り結果の確認・修正はどの画面で行うか |
| 料金 | 課金の単位(ユーザー数・容量・件数) | 閲覧だけのユーザーや、保存件数が増えたときの料金はどうなるか |
| セキュリティ | 権限設定、操作ログ、データセンターの所在地、第三者認証 | 部署・文書種別ごとに閲覧範囲を分けられるか |
| 連携 | 会計ソフト、電子契約、ワークフローとの連携 | 連携時に検索用の属性も引き継がれるか |
| サポート・出口 | 導入支援、解約時のデータ返却 | 解約時に属性情報付きで一括出力できるか |
JIIMA認証は、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会が、市販のソフトウェアやサービスについて電子帳簿保存法の要件への適合性を確認する制度です。国税庁のJIIMA認証情報リストのページでは、認証を受けた製品の一覧がJIIMAの公式サイトに掲載されていることが案内されています。ただし、認証を受けていることは機能面の目安であり、事務手続関係書類の備え付けなど機能以外の要件も含めて、すべての要件を満たす責任は保存義務者にあります。また認証の種類は複数あり、電子取引データの保存に使うのか、スキャナ保存に使うのかによって確認すべき認証が異なります。
チェックリストの中でも見落とされやすいのが「連携」の項目です。契約書は、電子契約システムで締結した時点で取引先・契約日・金額といった属性がすでにデータとして揃っています。締結と保管を同じ仕組み、または属性を引き継げる仕組みで扱えば、文書管理SaaSに取り込む際の手入力を省けます。契約書を多く扱う企業ほど、文書管理SaaSの選定と電子契約システムの選定をセットで考えると、検索性と真実性の両方を効率よく確保できます。
契約書の締結データを、会計などほかのバックオフィス業務と同じ流れで扱いたい場合の一例がfreeeサインです。商品ページでは、契約書の作成から締結、管理、保管までをオンラインで行えること、30種類以上の契約書フォーマットが用意されていること、既存のWordファイルをテンプレートとして登録できること、リモートで承認できるワークフローを搭載していること、freeeのプロダクトとの互換性が高いことが紹介されています。送信件数が増えても料金が変わらない従量課金ではない点も特徴とされています。一方で、シンプルな画面ゆえに場所が分かりにくい機能もあると記載されています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

実際に使用してみたレビューはこちら

【徹底レビュー】電子契約システム『freeeサイン』を実際に使ってみた!スムーズな契約フローを体験レポート【使い方解説】
数ある電子契約システム、どのサービスを使ったら良いかわからないと言う方も多くいると思います。そこで今回は、freeeサイン利用経験ゼロの筆者が、無料登録から初回契約締結までの流れを実況形式でお伝えします。
ここがおすすめ!
- リモートでも承認できるワークフローを搭載
- 従量課金制ではないため、送信件数が増えても料金が変わらない
- 契約相手も「電話サポート」が利用できる
ここが少し気になる…
- シンプルで見やすい画面ではあるが、簡素化されすぎてしまい場所が分かりにくい機能もある
-
ひな形テンプレートやAIサポートがあるので間違いが減ります。また、契約締結までの時間も短縮することができるので自然と作業効率があがり他の仕事へ時間をかけることができます。また、文章管理もされるので自分でフォルダに管理する必要がなくなったのも大きなメリットです。
-
操作性がシンプルで、マニュアルなしでも操作できるため導入コストが低かったことやテンプレート機能があったので、契約書作成の手間が省けて、効率的に送付ができたことがよかったです。確かですが、契約相手がfreeeサインに登録する必要がなかったことも、先方負担が減ってよかった点です。
-
紙での契約締結にかかっていた郵送や押印の手間が不要になり、遠隔地とのやりとりも即時対応できるようになりました。未署名の相手に自動でリマインドが送られる機能も便利で、無駄な工数や手間をかけることなく、締結までの対応漏れや遅れが格段に減りました。
SaaSの文書管理を導入する進め方|4ステップ
SaaSの文書管理の導入は、対象文書の棚卸し、検索項目と保存ルールの設計、試用での要件確認、運用ルールの整備と小さな開始の4ステップで進めます。
選ぶ前に自社の文書を整理しておくと、比較の軸がぶれません。次の順に進めると、手戻りを抑えやすくなります。
- 対象文書を棚卸しする。どんな文書が、紙・電子メール・クラウドのどこから入ってくるかを洗い出し、先の早見表で保存区分を振ります。経理業務全体の見直しは、経理DXの進め方の記事も参考になります。
- 検索項目と保存ルールを決める。取引年月日・金額・取引先を必須項目にし、取引先名の表記、保存期間、閲覧権限を文書の種類ごとに決めます。
- 試用や資料で要件を確かめる。訂正削除の履歴、3項目検索と組み合わせ検索、データの一括出力を、実際の画面または資料で確認します。
- 運用ルールを整え、1つの用途から始める。国税庁が公開している各種規程等のサンプルを参考に事務処理規程を整備し、担当者へ周知したうえで、最も困っている用途から対象を広げます。
契約書の保管先が、電子契約システム、メール、共有フォルダなどに分かれている場合は、ステップ1の段階で保管先を1つに集約する方針を決めておくと、後の検索性が大きく変わります。
契約書の保管先が分かれていて、1か所に集めたい場合の一例がマネーフォワード クラウド契約です。商品ページでは、契約書の作成から申請・承認、締結、保存、管理までを1つのサービスで行えること、紙の契約書や複数の電子契約サービスで締結した契約書も含めて一元管理できることが紹介されています。契約書の送信料や保管料が従量課金ではなく、契約書が増えても追加課金がない旨も記載されています。一方、口コミではハンコの印影にもう少し工夫があるとよいという声が挙げられています。無料トライアルで使用感を試せるとされているため、ステップ3の試用に使えるかを確認するとよいでしょう。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

実際に使ってみたレビューはこちら

【正直レビュー】『マネーフォワードクラウド契約』のメリットや機能は?実際に導入してわかったリアルな感想【使い方解説】
数ある電子契約システム、どのサービスを使ったら良いかわからないと言う方も多くいると思います。そこで今回は、電子契約システム利用経験ゼロの筆者が、マネーフォワードクラウド契約の無料登録から初回契約締結までの流れを実況形式でお伝えします。
ここがおすすめ!
- 契約書の作成、申請・承認、締結、保存、管理までマネーフォワード クラウド契約ひとつで完結
- 契約書送信料・契約書保管料は0円だから契約書が増えても追加課金なし!
ここが少し気になる…
- ハンコの印影にもう少し工夫ができると良い
-
契約書を印刷して捺印してスキャンしてメールに添付して送付…という一連の手間を大幅削減できたこと。
-
契約書のやり取りがオンラインで完結し、郵送や印刷の手間がなくなったのが大きなメリットです。また、契約書の管理がクラウド上で一元化され、必要な書類をすぐに検索できるため、契約関連の業務時間が短縮されました。電子署名機能も搭載されており、契約締結がスムーズになった点も便利です。
-
契約締結までの時間が大幅に短縮され、印紙代や郵送コストも削減できました。契約書の一元管理が可能になり、検索性も向上したため、必要な時にすぐにアクセスできます。また、契約更新のリマインダー機能のおかげで、更新漏れのリスクも軽減されました。テレワーク環境下でも、場所を選ばずに契約業務を進められるようになったことも大きなメリットです。
ステータスがひと目で確認できるようになり、管理工数の削減に繋がった
株式会社ワンオールシステム(導入後の結果) 出典:マネーフォワード クラウド契約導入事例
SaaSの文書管理の導入でよくある失敗パターン
SaaSの文書管理でよくある失敗は、検索項目の未設計、取引先名の表記ゆれ、紙と電子の保存区分の混同、権限の設計漏れ、規程の未整備、解約時のデータ出力の未確認の6つです。
SaaSの文書管理は導入のハードルが低い分、準備が不十分なまま使い始めて、後から手戻りが生じるケースも見られます。よくある失敗と、その回避策を整理しました。
| 失敗パターン(Before) | 起きがちな問題 | 回避策(After) |
|---|---|---|
| ファイル名だけで管理し、検索項目を入力しない | 税務調査で取引先や金額から書類を探せず、検索要件も満たせない | 取引年月日・金額・取引先を必須属性にし、OCRで自動入力する |
| 取引先名の表記ルールを決めない | 同じ取引先が複数の名前で登録され、検索漏れが起きる | 取引先マスタを用意し、選択式で入力する |
| 紙の契約書をスキャンして電子契約と同じ扱いにする | スキャナ保存の要件(入力期間・解像度など)を満たさない | 紙と電子で保存区分を分け、新規の契約は電子で締結する |
| 全員に全文書の閲覧権限を与える | 給与関連や機密契約が不要な範囲に見える | 部署・文書種別ごとに権限を設計し、異動時に見直す |
| 事務処理規程を作らずに運用を始める | 訂正削除履歴の残らない仕組みで真実性を説明できない | 国税庁のひな形を参考に規程を整備し、担当者に周知する |
| 解約時のデータ出力を確認しない | 乗り換え時に属性が失われ、保存期間中の文書が探せなくなる | 契約前に一括出力の形式と費用を確認する |
とくに多いのが、検索性を軽視したまま文書だけを溜め込んでしまうケースです。導入直後は件数が少ないため不便を感じませんが、数年分の証憑が溜まった段階で税務調査や監査を迎えると、特定の取引の書類を探すだけで多くの時間を取られます。文書が発生する時点で属性を揃えることが、後の手間を減らす最も確実な方法です。
ここまでの失敗パターンのうち、契約書まわりで自社に当てはまるものがいくつあるかを、次のチェックで確かめられます。
契約書まわりの保存と管理、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
SaaSの文書管理の導入効果を確かめる方法
SaaSの文書管理の導入効果は、導入前に指標を測っておき、導入の3か月後と半年後に数字で比べて確かめます。
SaaSの文書管理を導入したら、感覚ではなく数字で効果を確かめることが、定着と次の対象業務への展開につながります。導入前に次の指標を測っておき、導入の3か月後、半年後に比較するのがおすすめです。
- 書類1件を探し出すまでの平均時間(税務調査や監査を想定し、取引先・金額から探す時間を計る)
- 書類の受領から保存完了までの日数(スキャナ保存の入力期間を守れているかの確認にもなる)
- 契約書の締結にかかる日数(押印・郵送の待ち時間がどれだけ減ったか)
- 紙の保管に使っているキャビネットや外部倉庫の量
- 検索項目の入力漏れや、取引先の表記ゆれの件数
効果を測ってみると、検索時間は短くなったものの、契約書の締結日数はほとんど変わっていない、という結果になることがよくあります。文書管理SaaSは「保存した後」の効率を上げる仕組みであり、紙で締結している限り、押印と郵送の待ち時間は残るためです。契約書の締結から保管までを電子で一気通貫にすると、締結日数と保存までの日数の両方を短縮でき、スキャン作業も不要になります。締結日数の短縮を目的にするなら、署名方式や権限管理、保管機能までそろった電子契約システムの資料で、自社の契約の流れに合うかを確かめてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. SaaSの文書管理と、クラウドストレージに文書を置くだけの運用は何が違いますか?
A. クラウドストレージはファイルの保存と共有が中心です。文書管理システムは、取引年月日・金額・取引先などの属性を付けて検索でき、版管理、訂正削除の履歴、アクセス権限、保存期間の管理まで行えます。置くだけの運用では、電子帳簿保存法の検索要件や真実性の要件を、ファイル名の付け方や社内ルールで補うことになります。
Q2. SaaSを使えば電子帳簿保存法の要件は自動的に満たせますか?
A. 自動的に満たせるわけではありません。検索項目の入力や事務処理規程の整備など、運用で補う部分が残ります。JIIMA認証の有無は機能面の目安になりますが、保存要件を満たしているかの最終的な責任は保存する事業者にあります。
Q3. 電子で受け取った請求書を紙に印刷して保存してもよいですか?
A. 2024年1月以降、電子取引データは原則として電子のまま保存要件を満たして保存する必要があり、紙に印刷した保存だけでは認められないとされています。相当の理由がある場合の猶予措置もありますが、適用できるかは状況によるため、国税庁の資料や顧問税理士に確認することをおすすめします。
Q4. SaaS型の文書管理の弱点は何ですか?
A. 主な弱点は、カスタマイズがベンダーの用意した設定の範囲に限られること、通信環境やベンダー側の障害に左右されること、ユーザー数や容量に応じた利用料が続くこと、解約時のデータ出力を確認しないと乗り換えにくいことです。試用や資料で、標準機能で業務が回るか、データを属性つきで一括出力できるかを確かめると、弱点を小さくできます。
Q5. 紙の契約書と電子契約書は同じルールで保存できますか?
A. できません。電子契約システムなどで締結した契約書は電子取引データ、紙で取り交わした契約書をスキャンしたものはスキャナ保存の対象となり、要件が異なります。雇用契約書や労働条件通知書も、電子的に授受すれば電子取引データです。文書管理SaaS上で保存区分を属性として分け、新規の契約は電子で締結すると管理がシンプルになります。
Q6. 文書管理SaaSと電子契約システムは両方必要ですか?
A. 契約書が少なければ電子契約システムの保管機能だけで足りる場合もあります。一方、請求書や社内規程など契約書以外の文書も一元管理したい場合は、文書管理SaaSと電子契約システムを連携させ、締結時の属性を引き継いで保管する構成が効率的です。
まとめ
SaaSの文書管理は、初期費用を抑えて始められ、法改正への追随もベンダーに任せやすい一方で、電子帳簿保存法の保存要件を満たす責任は自社に残ります。導入の際は、次の4点を押さえると進めやすくなります。
- 真実性(訂正削除履歴・タイムスタンプ・事務処理規程)と可視性(3項目検索・表示)を、機能と運用のどちらで満たすかを事前に整理する。
- インボイスは登録番号の確認と仕訳との突合まで見据えて、検索項目と会計ソフト連携を設計する。
- 文書の種類と受け取り方で保存区分を分け、契約書は紙で締結してスキャンするのではなく、電子契約システムで締結から保管までを電子化して属性を引き継ぐ。
- 電子契約システムや契約書管理サービスの資料を取り寄せ、訂正削除履歴・検索機能・データ出力を、資料や試用で比べて検討する。
参考文献
- 国税庁「電子帳簿保存法関係」 https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/index.htm
- 国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」(令和8年7月) https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0026007-006_05.pdf
- 国税庁「電子帳簿保存法の概要」 https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/02.htm
- 国税庁「JIIMA認証情報リスト」 https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/11.htm
- 国税庁「参考資料(各種規程等のサンプル)」 https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/0021006-031.htm
- 国税庁タックスアンサー「No.5930 帳簿書類等の保存期間」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5930.htm
- 国税庁「インボイス制度特設サイト」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm
- 国税庁「適格請求書発行事業者公表サイト」 https://www.invoice-kohyo.nta.go.jp/
- 公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA) https://www.jiima.or.jp/


