名刺の渡し方のマナー|基本手順・複数人対応・個人情報管理まで解説

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  • 名刺は目下の人から先に、両手で読める向きにして名乗りながら渡す
  • 複数人は役職の高い人から交換し、受け取った名刺は席順に並べる
  • 受け取った名刺は個人情報として扱い、保管の仕組みを決める

名刺の渡し方の基本は、立ち上がって相手の正面に立ち、会社名と氏名を名乗りながら、名刺入れから出した名刺を相手が読める向きにして両手で差し出すことです。順番は訪問した側や目下の人から先で、複数人のときは役職の高い人どうしから始めます。ただ、実際の商談では、相手が3人いる、上司と一緒に訪問している、名刺を先に差し出された、名刺を切らした、といった型どおりにいかない場面が少なくありません。この記事では、基本の5ステップを早見表で示したうえで、渡すときの言葉、複数人での順番と並べ方、場面別の対応、NG行動とその場での取り返し方、受け取った名刺の個人情報としての扱い、オンライン商談での名刺交換までを順に解説します。

あなたの名刺交換の場面と、受け取った名刺の管理方法を診断

Q1. 名刺交換の場面で、いちばん多いのはどれですか?

目次

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  1. 名刺の渡し方の基本|5つのステップ
  2. 名刺交換のあとが大切|受け取った名刺の管理方法と名刺管理ソフト3サービス
  3. 各ステップのコツと渡すときの言葉|準備から受け取りまで
  4. 複数人での名刺交換|順番・持ち方・並べ方
  5. 場面別の名刺の渡し方|応接室・立食・受付での対応
  6. 名刺交換でよくあるNG行動とその対処法
  7. 受け取った名刺の個人情報管理|法務上の注意点
  8. オンライン商談・Web会議での名刺交換(デジタル名刺)
  9. 名刺交換後、業務に活かすための管理の仕組み化
  10. よくある質問(FAQ)
  11. まとめ
  12. 参考文献

名刺の渡し方の基本|5つのステップ

名刺の渡し方の基本は、立って相手の正面に移動し、会社名と氏名を名乗りながら、名刺入れから出した名刺を相手が読める向きにして両手で胸の高さに差し出すことです。流れは次の5つです。

  1. 会う前に、人数分より少し多めの名刺を名刺入れに入れておく。
  2. 立ち上がり、相手の正面に移動する。
  3. 相手から読める向きにして、名刺の端を両手で持つ。
  4. 会社名と氏名を名乗りながら、胸の高さで差し出す。
  5. 相手の名刺は「頂戴いたします」と両手で受け取り、名前を確認する。

順番は、訪問した側や目下の人から先に渡すのが原則です。名刺は渡して終わりではなく、受け取った名刺をどう管理するかまでが名刺交換です。次の章で管理の選択肢を整理し、そのあとで各ステップの作法を詳しく見ていきます。

名刺交換のあとが大切|受け取った名刺の管理方法と名刺管理ソフト3サービス

受け取った名刺は、会社として預かる個人情報です。引き出しや各自の名刺入れに残したままだと、探せない、異動で引き継げない、紛失に気づけないといった問題が起こりやすくなります。

管理方法は大きく、名刺ホルダーなどで紙のまま整理する方法、表計算ソフトに入力する方法、名刺管理ソフトを使う方法の3つです。枚数が少なく本人しか使わないうちは紙や表計算で足りますが、取引先が増えて複数の担当者で共有する段階になると、入力の手間と情報の散らばりが問題になります。法人向けの名刺管理ソフトのうち代表的な3サービスを、優劣ではなく役割の違いで並べました。

名刺管理ソフト3サービスの役割の違い

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

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サービス SansanSansan株式会社 ネクスタ・メイシ東日印刷株式会社 名刺管理SKYPCESky株式会社
向いている会社 名刺と取引先との接点を全社で共有し、営業に活かしたい会社 シンプルな画面で、名刺の共有から始めたい会社 情報管理を重視し、スキャナーで名刺をまとめて取り込みたい会社
特徴 専用スキャナーやアプリでデータ化。メール署名やデジタル名刺の情報も蓄積できる 自動名寄せ。名刺単位・部署単位で公開と非公開を設定できる スマホ撮影やスキャナー・複合機で取り込み。IPアドレスでアクセス元を制限できる
注意したい点 顧客フォロー機能が少なく、名刺管理が一段落すると使う機会が減る場合がある 原則5ユーザーからの利用で、一部の機能はオプション対応 利用料金は公開されておらず、問い合わせが必要
資料・詳細

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表は横にスクロールできます。情報は商品ページの公開内容(2026年10月16日確認)です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

名刺を受け取る機会が多く、全社で名刺と取引先との接点を共有したい場合の一例がSansanです。Sansan株式会社が提供するサービスで、専用のスキャナーやスマートフォンアプリで名刺をスキャンするとデータ化され、社内にある名刺を検索できます。メールの署名から取得した顧客情報も名刺データと同様に管理でき、オンライン会議で交換したデジタル名刺の情報も蓄積できます。一方で、商品ページには、顧客フォロー機能が少なく、名刺管理が一段落すると使う機会が減る場合がある、という注意点も示されています。名刺を探して共有する用途だけなら機能を持て余さないか、資料で確認するとよいでしょう。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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他システムとの比較記事はこちら

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今はSansanで検索することで、すぐに次の行動につなげることができるようになり、業務がとても楽になりました。

マツ六株式会社のSansan導入事例(同社社員のコメント) 出典:Sansan導入事例 マツ六株式会社

ネクスタ・メイシと名刺管理SKYPCEは、それぞれが役立つ場面とあわせて、このあとの章で紹介します。

各ステップのコツと渡すときの言葉|準備から受け取りまで

名刺交換で押さえるのは、準備、移動、持ち方、名乗り、受け取りの5点です。ここでは、早見表の各ステップを、失敗しやすい点とあわせて詳しく見ていきます。

ステップ1. 会う前に名刺と名刺入れを整えておく

名刺交換の印象は、会う前の準備でほぼ決まります。名刺は名刺入れに入れて持ち歩き、財布や手帳、ポケットから直接出すことは避けます。名刺入れの中の名刺は、角が折れていたり汚れていたりしないかを確認しておきましょう。相手の人数が事前に分かっている場合は、人数分より少し多めの枚数を取り出しやすい位置にそろえておくと、遅れて参加する人がいても慌てずに済みます。名刺の残りが少ないまま出かけて途中で切らしてしまうのは、準備不足と受け取られやすい失敗です。

ステップ2. 立ち上がって相手の正面に移動する

名刺交換は、座ったままではなく立って行うのが基本です。応接室で先に着席していた場合も、相手が入室したら立ち上がって迎えます。相手が座ったまま名刺を差し出してきたときも、そのまま受け取らず、立ち上がってから受け取ります。テーブルを挟んだまま手を伸ばして渡すのは避け、テーブルの横に回って相手の正面に立つのが丁寧な形です。部屋が狭くて回り込めない場合は、「テーブル越しに失礼いたします」と一言添えてから差し出せば、失礼にはあたりません。

ステップ3. 名刺を相手が読める向きにして両手で持つ

名刺は、相手から見て文字が正しく読める向きにして持ちます。縦書きの名刺も同様に、相手側から読める向きにそろえます。両手で名刺の端を持ち、会社名やロゴ、名前に指がかからないように注意しましょう。名刺を持つときは、余白に親指を置くよう普段から意識しておくと、指がかかるのを防げます。名刺入れを座布団のように名刺の下に添える持ち方もよく紹介されますが、大切なのは相手が名刺の内容をすぐに読めることです。

ステップ4. 会社名と氏名を名乗りながら差し出す

「株式会社○○の山田と申します。よろしくお願いいたします」と、会社名と氏名をはっきり名乗りながら、軽くお辞儀をして差し出します。差し出す高さは相手の胸のあたりが目安です。声が小さいと、せっかくの名乗りが相手に届きません。緊張していても、最初の一言だけは相手の目を見てはっきり伝えることを意識しましょう。名刺交換の場面でよく使う言葉を、次の表にまとめました。

場面 言葉の例
名乗りながら渡す 「株式会社○○の山田と申します。よろしくお願いいたします」
読みにくい名前を伝える 氏名のあとに読み方を添えて、「山田(やまだ)と申します」
相手の名刺を受け取る 「頂戴いたします」
読み方が分からないとき 「何とお読みすればよろしいでしょうか」
相手から先に差し出されたとき 「頂戴いたします」と受け取ってから、「申し遅れました」と添えて自分の名刺を渡す
名刺を切らしているとき 「あいにく名刺を切らしております」とお詫びし、口頭で会社名と氏名を名乗る

ステップ5. 相手の名刺を受け取り、名前を確認して置く

相手の名刺は「頂戴いたします」と言って両手で受け取ります。受け取ったらすぐにしまわず、会社名と名前を確認し、「山田様ですね」と復唱すると、聞き間違いを防げます。読み方が分からない場合は、その場で尋ねるのが失礼のない対応です。着席したら、受け取った名刺は名刺入れの上に載せて自分の左側に置き、商談が終わるまで机の上に出しておきます。名刺の上に資料やパソコンを重ねないよう、資料を広げる前に位置を確認しておきましょう。名刺をしまうのは商談が終わってからで、相手がしまうのに合わせると、話を早く切り上げたいという印象を与えません。立ち話や短時間の面会で机が無い場合は、その場で名前と所属を確認し、丁寧にしまいます。

複数人での名刺交換|順番・持ち方・並べ方

複数人での名刺交換は、役職の高い人どうしから始めるのが原則です。1対1のときは訪問した側、または立場が下の人から先に渡しますが、人数が増えるとこの原則を組み合わせて順番を決めることになります。

立場と人数ごとの順番の整理

場面 渡す順番の基本 実務上のポイント
1対1(訪問した側) 訪問した側から先に渡す 相手が先に差し出してきた場合は、無理に先を争わず受け取ってから「申し遅れました」と渡す
1対1(受け入れる側) 相手が渡し終えてから自分が渡す 相手が取引上の目上であっても、訪問を受ける側は受け取ってから渡す形が自然
自分1人で、相手が複数人 訪問した側の自分から、相手の役職の高い人の順に渡す 自分が訪問を受ける側なら、先方から差し出されるのを待つ
自分が上司と訪問 上司が先方の最上位者と交換し、自分はその後に続く 上司より先に前に出ない。上司が交換している間は一歩後ろで待つ
双方が複数人 上位者どうし、自分と先方上位者、上司と先方担当者、担当者どうしの順 先方の人数分の名刺を事前に取り出しておくと、流れを止めずに済む

相手の役職が分からないときの見分け方

相手の役職が分からないときは、先方が部屋に入ってくる順番を見ておきます。応接室や会議室には、役職の高い人から順に入室することが多いためです。相手が先に着席して待っている場合は、部屋の入口から最も遠い席が上座にあたるため、そこに座っている人が役職の高い人である可能性が高くなります。判断に迷ったら、先方で最初に前に出てきた人から交換し、相手の動きに合わせれば問題になりにくいでしょう。

受け取った名刺は名刺入れの下に重ね、席順に並べる

複数人から続けて名刺を受け取る場合、1人ずつ名刺入れにしまうのではなく、受け取った名刺を名刺入れの下に重ねて持ち、次に渡す自分の名刺を名刺入れの上に準備して交換を続けるのが一般的な手順です。重ねる順は受け取った順になるので、交換が終わった時点で役職順に並んでいることが多くなります。

着席したら、一番役職の高い人の名刺を名刺入れの上に載せ、ほかの人の名刺は相手の座っている順番に合わせて机の上に並べます。こうしておくと、商談中に相手の名前を呼ぶときに迷わずに済み、名前を間違えるという失礼も防げます。1枚だけを机に出して残りをしまう、一部だけを並べる、といった扱いは避け、並べたあとは相手の人数と名刺の枚数が合っているかを確認しましょう。名刺交換が一通り終わったら、全体に向けて「本日はよろしくお願いいたします」と一言添えると、場が落ち着いて商談に入りやすくなります。

同時交換になったときの手順

お互いが同時に名刺を差し出す「同時交換」になることもよくあります。この場合は、右手で自分の名刺を相手の名刺入れの上に差し出し、左手で相手の名刺を受け取るのが一般的な対応です。受け取ったらすぐに右手を添えて両手で持ち直します。同時交換の手順は解説によって説明が少しずつ異なるため、迷ったときは相手の動きに合わせて落ち着いて受け取ることを優先しましょう。無理に先を譲り合って時間がかかるよりも、同時交換で進めた方がスマートに見える場面も多くあります。

3サービスの役割を比較表で見る

場面別の名刺の渡し方|応接室・立食・受付での対応

名刺交換のマナーは応接室での商談を前提に説明されることが多いのですが、実際には展示会や交流会、受付など、条件の異なる場面で名刺を渡す機会も多くあります。場面ごとに気をつけたい点をまとめます。

場面 渡し方の工夫 見落としやすい点
応接室・会議室 入室時に立ち上がり、テーブルの横で交換してから着席する 受け取った名刺を商談中にしまってしまう、書類の下に置いてしまう
立食パーティー・交流会 グラスや皿をいったん置いてから両手で渡す。置けない場合は一言断ってから片手で差し出す 短時間で多くの人と交換するため、誰と何を話したかを忘れやすい
展示会のブース 立ち話のまま交換することが多い。用件を一言添えて渡すと相手の記憶に残りやすい もらった名刺が大量になり、会期後の整理が追いつかない
受付・初回訪問の取り次ぎ 受付で名刺を求められたら、担当者への取り次ぎ用として渡す 受付に渡した分を差し引いて、商談相手の人数分が残っているか確認しておく
相手の自席を訪ねる 相手が座っていても自分は立ったまま、相手が立ち上がるのを待って渡す 相手の作業を中断させるため、手短に済ませる配慮が必要

立食や展示会のように短時間で多くの人と名刺を交換する場面では、名刺を渡すこと自体よりも、あとで相手を思い出せるかどうかが重要になります。受け取った名刺の余白に、話した内容や日付を控えておく人もいますが、相手の目の前で書き込むのは失礼にあたるため、書き込むのは別れた後にしましょう。

一度に多くの名刺がたまる展示会や交流会では、会期後の入力と整理に時間がかかり、お礼の連絡が遅れがちです。名刺をまとめてデータ化できる仕組みがあれば、整理の時間をフォローに回せます。たとえば名刺管理SKYPCEは、スマートフォンの撮影に加えて、推奨のスキャナーや複合機に名刺をセットしてまとめて取り込める仕組みです。資料で、取り込みの流れと登録までの日数を確認してみてください。

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名刺交換でよくあるNG行動とその対処法

名刺交換では、悪気がなくても相手に失礼と受け取られる行動があります。よくあるNG行動と、してしまったときの取り返し方をまとめました。失敗そのものより、その後の一言で印象は大きく変わります。

NG行動 なぜ失礼にあたるか 対処法・取り返し方
名刺を切らしてしまった 準備不足と受け取られやすい 「あいにく名刺を切らしております」と詫び、口頭で会社名と氏名を名乗る。後日、お礼の連絡とあわせて名刺を郵送するか次回に渡す
財布やポケットから名刺を出す 名刺を大切に扱っていない印象を与える 名刺入れを持ち歩き、予備の名刺入れを鞄に入れておく
座ったまま、テーブル越しに渡す 相手を迎える姿勢が見えにくい 立ち上がって正面に回る。回れない場合は「テーブル越しに失礼いたします」と断る
受け取った名刺をすぐにしまう 相手に関心がないように見える 名刺入れの上に載せて机に置き、商談の終わりにしまう
名刺を落とした・名前を読み間違えた 相手の名前や会社を粗末に扱ったように見える すぐに拾って「大変失礼いたしました」と詫びる。読み方に自信がなければ最初に確認する
片手で渡してしまった 略式な印象を与える 気づいた時点で左手を添える。同時交換のときは受け取った後に両手で持ち直す
名刺の上に資料や物を置く、名刺を重ねて置く 相手の名刺を軽く扱っているように見える 資料を広げる前に名刺の位置を確認する。複数枚は席順に並べて重ねない

ここで挙げた失敗の多くは、名刺入れの準備と「一言添える」ことで防げます。特に名刺切れは、出かける前に残りの枚数を確認する習慣をつけるだけで避けられる失敗です。名刺の発注から納品までは日数がかかるため、残りが少なくなった段階で早めに補充の手配をしておきましょう。

交換のタイミングを逃したとき、名刺入れを忘れたとき

表に挙げた行動のほかにも、見落としやすい場面があります。1つ目は、名刺交換のタイミングを逃した場合です。相手が遅れて入室してそのまま打ち合わせが始まった、立ち話から商談に入ってしまった、といったときは、無理に話を遮る必要はありません。話の区切りや商談の終わりに「ご挨拶が遅れまして失礼いたしました。名刺を交換させていただけますでしょうか」と切り出せば、失礼にはあたりません。交換しないまま別れてしまうと、後から連絡先や正式な部署名、役職を確認する手間が相手にもかかるため、帰り際であっても一言お願いする方が丁寧です。

2つ目は、名刺入れを忘れた場合です。名刺を財布やポケットから直接出して渡すのは避け、名刺入れを持ち合わせていない旨を伝えて、後日あらためて名刺を渡す方が丁寧です。名刺そのものを切らしている場合と同じく、「あいにく名刺を切らしております」と伝えるのが一般的で、相手の名刺は両手で受け取り、口頭で会社名と氏名を名乗ります。3つ目は、商談中の名刺の扱いと置き忘れです。机に並べた名刺を指先でいじる、名刺の上に資料やパソコンを重ねてしまう、といった行動は、本人が気づかないうちに相手の目に入っています。席を立つ前には、受け取った枚数がそろっているかを確認しましょう。会議室への置き忘れは、相手に対して失礼であるだけでなく、次の章で説明する個人情報の紛失にもつながります。

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受け取った名刺の個人情報管理|法務上の注意点

名刺に書かれた氏名や所属、連絡先は、個人情報保護法上の個人情報にあたります。受け取った名刺は、会社として預かる情報として扱うのが基本です。

個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」は、個人情報の事例として、会社における職位または所属に関する情報や連絡先を、本人の氏名と組み合わせた情報を挙げています。名刺は、まさにこの組み合わせにあたります。

名刺の整理の仕方で、個人データとしての扱いが変わる

通則編には、個人情報データベース等に該当する事例として、従業者が名刺の情報を業務用パソコンの表計算ソフト等で入力・整理している場合が示されています。一方、該当しない事例として、従業者が自己の名刺入れを、他人には容易に検索できない独自の分類方法で整理した状態が挙げられています。つまり、名刺を検索できる形でデータ化して整理すると、事業者として個人データの安全管理や従業者の監督が求められる側に入ります。具体的には、閲覧できる人の範囲を決める、パスワードやアクセス権限を設定する、退職者のアカウントを速やかに停止する、といった対応が考えられます。

利用目的と第三者への提供に注意する

通則編によると、名刺は、本人が自発的に相手へ渡すものであり、申込書やアンケートのように事業者が書式を用意して記入を求める場合とは異なるため、取得時に利用目的を書面などで明示する義務の対象にはなりません。ただし、その場合も、利用目的をあらかじめ公表するか、取得後速やかに本人へ通知または公表する必要があります。例外として、取得の状況からみて利用目的が明らかな場合は通知等が不要とされ、その事例として、名刺交換で得た情報を今後の連絡や、所属する会社の広告宣伝のための冊子・電子メールの送付に使う場合が挙げられています。

この範囲を超えて名刺の情報を使う場合や、本人の同意なく社外の第三者に提供する場合は、個人情報保護委員会が公表しているガイドラインやQ&Aを確認し、必要に応じて専門家に相談してください。

紙の名刺を扱うときの実務上の注意

  • 名刺を机の上に出しっぱなしにしない。退社時は鍵のかかる引き出しなどに保管する
  • 名刺入れを紛失した場合に備え、どの取引先の名刺を持ち歩いているかを把握しておく
  • 不要になった名刺はそのままごみ箱に捨てず、シュレッダーなどで処分する
  • 担当者の異動・退職時には、名刺を個人の持ち物として持ち出さず、会社に引き継ぐ

なお、この記事は名刺の取り扱いに関する一般的な考え方を紹介するもので、法的助言を目的としたものではありません。個別の事案については、最新のガイドラインを確認したうえで、弁護士などの専門家にご相談ください。

名刺を会社として管理する仕組みを選ぶとき

名刺を会社の個人データとして管理するなら、誰がどこから名刺を見られるかを決められるかが、仕組みを選ぶときの基準になります。この観点の一例が、Sky株式会社の名刺管理SKYPCEです。許可したネットワーク(IPアドレス)からのみアクセスを許可する利用ネットワーク設定機能があり、未許可のIPアドレスからのアクセスを検知すると管理者に通知されます。名刺のデータ化はAI-OCRとオペレーターの確認で行われ、作業はすべて国内で実施されると商品ページに記載されています。利用料金は公開されておらず、問い合わせが必要な点は、あらかじめ押さえておきましょう。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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以前は交換した名刺は机の引き出しの中。気がついたときには仕分け作業が滞り、残念ながら管理できているとはいえない状態でした。

株式会社テリーナテリーナ 代表取締役CEOのコメント(名刺管理SKYPCE導入事例) 出典:SKYPCE導入事例 株式会社テリーナテリーナ

オンライン商談・Web会議での名刺交換(デジタル名刺)

Web会議での商談では、紙の名刺を直接渡すことができません。そのため、名刺交換の代わりにどう名乗り、どう連絡先を伝えるかを決めておく必要があります。よく使われる方法は次の3つです。

  1. 会議の冒頭で画面越しに名乗り、終了後のお礼メールの署名に連絡先を記載する
  2. 名刺の画像や、デジタル名刺のURL・QRコードを会議のチャット欄やメールで共有する
  3. 名刺管理サービスのオンライン名刺交換機能を使い、お互いのデジタル名刺を交換する

オンラインの場合も、名乗るときに会社名と氏名をはっきり伝える、相手の名前の読み方を確認する、といった基本は対面と変わりません。画面に表示される表示名を「会社名 氏名」の形式にそろえておくと、相手が名前を確認しやすくなります。オンライン商談の後に紙の名刺を郵送する方法もありますが、相手の手元でデータを入力する手間が増えるため、デジタル名刺で済ませる企業もあります。オンラインでの名乗り方やデジタル名刺の使い方は、名刺の渡し方の基本マナーとは?順番・同時交換・オンライン交換と受け取った名刺の管理方法で詳しく整理しています。

名刺交換後、業務に活かすための管理の仕組み化

名刺交換は、相手との関係の始まりにすぎません。交換した名刺を業務に活かせるかどうかは、交換した後の数日間の動きと、会社としての管理の仕組みで決まります。個人任せにした場合と、仕組みにした場合の違いを整理しました。

項目 個人任せの管理 会社として仕組み化した管理
保管場所 各自の名刺入れや引き出し、個人のスマホ 共有のシステムに登録し、原本は決めた場所で保管または処分
検索 本人しか探せず、時間がかかる 会社名や氏名で誰でもすぐに検索できる
異動・退職時 名刺と人脈が本人と一緒にいなくなる 取引先の情報と接点の履歴が会社に残る
社内の重複接触 同じ取引先に別の担当者が連絡してしまう 誰が接点を持っているかを事前に確認できる
個人情報の管理 紛失しても気づきにくい 閲覧権限やアクセス記録で管理しやすい

仕組み化の第一歩としては、名刺を受け取ったら何日以内に登録する、登録するときに会った場面や話した内容を一言メモしておく、といった社内ルールを決めることから始めるのが現実的です。そのうえで、お礼のメールを交換の当日から翌営業日までに送る習慣を組み合わせると、相手の記憶に残りやすくなり、次の商談にもつなげやすくなります。お礼メールの構成や送るタイミングは、お礼メールの書き方|構成と送信タイミング・シーン別例文で確認できます。

名刺の枚数が少ないうちは表計算ソフトでも管理できますが、枚数や利用者が増えると入力の手間と情報の散らばりが問題になります。いまの管理方法が足りているかを、次のセルフチェックで確認してみてください。

受け取った名刺の管理、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

チェックが2つ以上つく場合は、手作業の管理に限界が近づいているサインです。部署や会社で名刺を共有しながら、見せる範囲を分けたい場合の一例が、東日印刷株式会社が提供するネクスタ・メイシです。氏名とメールアドレスが同じ相手の名刺情報を自動で統合し、最新の部署や役職を表示する自動名寄せと、名刺単位・部署単位で公開と非公開を設定できる機能があります。商品ページでは、原則5ユーザーからの利用で、一部の機能がオプション対応である点が注意点として挙げられています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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名刺ホルダーをそのまま渡したり、名刺情報をエクセルでデータ化して引き継いだりしていました。

株式会社埼玉新聞社のコメント(ネクスタ・メイシ導入事例。異動時の引き継ぎについて) 出典:ネクスタ・メイシ導入事例 株式会社埼玉新聞社

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よくある質問(FAQ)

Q1. 名刺は誰から先に渡すのが正しいですか?

A1. 1対1のときは、訪問した側、または立場が下の人から先に渡すのが基本です。複数人のときは、役職の高い人どうしから順に交換します。相手が先に差し出してきた場合は、無理に順番を争わず受け取ってから「申し遅れました」と自分の名刺を渡せば問題ありません。

Q2. 名刺を渡すとき、どんな言葉を添えればよいですか?

A2. 「株式会社○○の山田と申します。よろしくお願いいたします」と、会社名と氏名をはっきり名乗りながら差し出します。読みにくい名前は、氏名のあとに読み方を添えます。相手の名刺は「頂戴いたします」と言って両手で受け取り、相手から先に差し出されたときは、受け取ってから「申し遅れました」と添えて自分の名刺を渡します。

Q3. 複数人と名刺交換したとき、受け取った名刺はどう置けばよいですか?

A3. 一番役職の高い人の名刺を名刺入れの上に載せ、ほかの人の名刺は相手の座席の順番に合わせて机の上に並べます。続けて交換するときは、受け取った名刺を名刺入れの下に重ねて持つと、次に渡す名刺を準備しやすくなります。名刺は商談が終わってからしまいます。

Q4. 名刺を切らした、または持っていないときはどうすればよいですか?

A4. 「あいにく名刺を切らしております」とお詫びし、口頭で会社名と氏名を名乗ったうえで、相手の名刺は両手で受け取ります。名刺入れを忘れたときも、財布やポケットから名刺を直接出さず、後日あらためて渡す方が丁寧です。後日のお礼の連絡とあわせて郵送するか、次に会うときに渡しましょう。

Q5. 受け取った名刺は個人情報として管理する必要がありますか?

A5. 名刺に記載された氏名や所属などは、特定の個人を識別できる情報として個人情報保護法上の個人情報にあたります。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)では、名刺の情報を表計算ソフト等で入力・整理している場合が個人情報データベース等に該当する事例として示されています。閲覧できる人の範囲を決める、不要な名刺はシュレッダーで処分するなどの対応が必要です。

Q6. オンライン商談では名刺交換をどうすればよいですか?

A6. 会議の冒頭で会社名と氏名を名乗り、名刺の画像やデジタル名刺のURLをチャットやメールで共有する方法が一般的です。名刺管理サービスのオンライン名刺交換機能を使えば、お互いのデジタル名刺を交換でき、紙の名刺と同じ場所で管理できます。

まとめ

名刺の渡し方は、目下の人から先に、両手で、相手が読める向きで、名乗りながら差し出すという基本の型を押さえれば、多くの場面に対応できます。複数人や立食、オンラインなど型どおりにいかない場面でも、相手を大切に扱うという考え方は変わりません。最後に、今日から取り組める4つのことを整理します。

  1. 名刺入れに十分な枚数の名刺を入れ、会う前に角折れや汚れがないか確認する。
  2. 5つのステップと複数人の順番を確認し、上司との訪問時は上司の後に続く。
  3. 受け取った名刺は個人情報として扱い、保管場所・閲覧できる人・処分方法を決めておく。
  4. 名刺管理ソフトを検討し、資料で自社の名刺の量と共有する人数に合うかを確認する。

参考文献

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