企画書の書き方|6ステップで承認される構成と実務コツ
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- 企画書の目的・種類と、7要素の基本構成がわかる
- 承認される6ステップと、通りやすくなるコツがわかる
- 計画倒れを防ぐ、承認後の予算と工数の見方がわかる
企画書は、読み手と判断してほしいことを先に決め、背景・目的・内容・予算・スケジュールの順に、根拠を添えて書くと通りやすくなります。書き方のコツは、結論を冒頭に置くこと、読み手の関心を軸にすること、主張に根拠を添えることの3点です。この記事では、企画書とは何か、提案書・計画書との違い、基本構成の7要素、承認される6つのステップ、3W1Hなどのフレームワーク、よくある失敗の改善例を整理します。あわせて、競合の解説では触れられにくい、承認後に計画倒れにしないための書き方と、承認された予算・工数を実績と突き合わせる考え方も解説します。
企画書づくりのつまずきポイントと、承認後の管理の考え方をかんたん診断
Q1. 企画書づくりで、いまいちばん困っていることは?
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企画書の書き方の全体像|基本の流れと、承認後の予算・工数の見方
企画書の書き方は、読み手と判断してほしいことを決め、課題・目的・内容・予算・スケジュールを根拠つきで順に書くのが基本です。
詳しい手順は次の章から解説しますが、先に押さえておきたいのは、企画書の「予算」「スケジュール」「実施体制」に書いた数字は、承認されたあとに実績と突き合わされるということです。承認時の見積もりと実績がどれだけずれたかは、次の企画を評価するときの材料にもなります。企画書の段階で、予算の内訳と必要な工数を、あとから追える粒度で書いておくと、承認後の管理が楽になります。
とくに、システム開発・広告制作・コンサルティングのように案件単位で仕事を受ける会社では、企画の原価の大半が人の作業時間です。見積もった工数と実際の工数を、案件ごとの売上・原価と合わせて追える仕組みがあると、見積もりの精度を次の企画書に生かせます。そうした案件単位の予算・工数・原価の管理に使われる業務システムを2つ、役割の違いで並べました。社内の小さな企画で表計算ソフトの共有シートで足りる場合は、読み飛ばして次の章に進んでかまいません。
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企画書とは|目的・提案書や計画書との違い・種類
企画書とは、自分が考えたアイデアの目的・内容・方法・費用・スケジュールを具体的にまとめ、読み手に実施を判断してもらうための書類です。社内で新しい施策や業務改善、新商品・新サービスを始めるときに、上司や経営層の承認を得る場面で使われることが多く、関係者の認識をそろえる役割も持っています。意味や種類をより基本から知りたい場合は、企画書とは|提案書との違い・基本構成・書き方のコツと失敗例もあわせて参考にしてください。
企画書の目的
企画書の目的は、大きく3つに分けられます。どの目的が中心になるかで、書くときの重点が変わります。
- 実施の判断を得る:上司や決裁者が、やるかやらないか、どの範囲でやるかを決めるための材料にする
- 関係者の認識をそろえる:目的、役割分担、進め方を共有し、承認後の動きをそろえる
- 実行と振り返りの基準にする:承認時の目標・予算・スケジュールを基準として、実績と比べる
提案書・計画書との違い
企画書と混同されやすい書類に、提案書と計画書があります。どれも「相手に何かを伝えて動いてもらう」点は同じですが、読み手と書く段階が異なります。
| 書類 | 主な読み手 | 目的 | 書く段階 |
|---|---|---|---|
| 企画書 | 社内の上司・決裁者 | 新しいアイデアの実施を承認してもらう | アイデアを形にする段階 |
| 提案書 | 社外の顧客・取引先 | 相手の課題に対する解決策を採用してもらう | 相手の課題を聞いた後の段階 |
| 計画書 | 実行するチーム・関係者 | 決まった内容を、手順と日程に落とし込んで共有する | 承認された後の段階 |
ただし実務では、社外向けでも「企画書」と呼ぶことがありますし、会社によって呼び方はさまざまです。名前よりも「誰に、何を判断してもらう書類なのか」を意識すると、書くべき内容がぶれにくくなります。資金調達や融資の場面で使う事業計画書は、企画書よりも収支計画や資金繰りの記載が重くなります。こちらは事業計画書テンプレートの選び方と書き方で詳しく解説しています。
企画書の種類
企画書の種類に決まった分け方はありませんが、読み手と目的で整理すると、重点を決めやすくなります。一般的な整理は次のとおりです。
| 種類 | 主な読み手 | 重点を置く項目 |
|---|---|---|
| 社内向け(新規事業・新施策の承認) | 上司・経営層 | 費用対効果、経営方針との関係、リスク |
| 社内向け(業務改善) | 部門長・関係部署 | 現状の課題、改善の効果、現場への負担 |
| 社外向け(取引先・顧客への企画提案) | 顧客・取引先 | 相手の課題への解決策、実績、実施体制 |
| 社外向け(資金や協力を得るもの) | 金融機関・出資者・協力先 | 収益性、資金の使いみち、実行の確実さ |
内容によって、新規事業、商品開発、販促・イベント、業務改善などに分けて呼ぶこともありますが、基本構成はどれも共通で、重点を置く項目だけが変わります。
企画書の基本構成|7つの要素と、冒頭のサマリーの書き方
企画書の基本構成は、概要、背景・現状の課題、目的・ゴール、企画内容・実施方法、予算・費用対効果、スケジュール・実施体制、リスクと対策の7つの要素です。構成に決まった形式はありませんが、読み手が判断に必要な情報を順番に確認できるよう、この順で組み立てます。
| 項目 | 書く内容 | 読み手が確認したいこと |
|---|---|---|
| 概要(タイトル・サマリー) | 企画名と、何をして何が良くなるのかを一文で | この企画は一言でいうと何か |
| 背景・現状の課題 | なぜ今この企画が必要なのか、データや事実で示す | 本当に解決すべき課題なのか |
| 目的・ゴール | 企画で達成したい状態と、測定できる目標値 | 成功したかどうかをどう判断するか |
| 企画内容・実施方法 | 具体的に何を、誰に対して、どのように行うか | 課題の解決策として筋が通っているか |
| 予算・費用対効果 | 必要な費用と、見込まれる効果の比較 | 投資する価値があるか |
| スケジュール・実施体制 | 主な日程、担当者、進捗の管理方法 | 計画どおりに実行できるか |
| リスクと対策 | 想定される問題と、そのときの対応方針 | 失敗したときの影響は許容できるか |
すべての項目を毎回同じ分量で書く必要はありません。社内の小さな業務改善であれば、背景・目的・内容・予算・スケジュールの5点をA4用紙1枚に箇条書きでまとめ、詳しいデータは別紙に回す形でも十分です。一方、大きな投資を伴う企画では、費用対効果とリスク対策の比重が高くなります。
冒頭のサマリーの書き方
サマリーは、企画書の冒頭に置く要約です。決裁者は多くの資料に目を通すため、最初の1ページで企画の全体像と、承認してほしいことが分かるようにします。次の5点を含めます。
- 企画名と、何をして何が良くなるのかを表す一文
- 目的と、測定できるゴール
- 提案する内容の概要
- 概算の予算とスケジュール
- 承認してほしいことと、判断してほしい時期
たとえば「来期の予算で、新人向け研修の試行を承認してほしい」のように、読み手と判断内容が分かる一文から書き始めると、残りの項目も書きやすくなります。
資料にするときのページの並び順
パワーポイントなどの資料にする場合は、基本構成を次のようなページ順に分けると、読み手が迷いません。ページ数は企画の規模に合わせて、まとめたり省いたりします。
| 順 | ページ | 入れる内容 |
|---|---|---|
| 1 | 表紙 | 企画名、日付、作成者・部署 |
| 2 | サマリー | 結論、目的、承認してほしいこと |
| 3 | 背景と課題 | 現状の数字や事実、解決すべき課題 |
| 4 | 目的とゴール | 達成したい状態、目標値、期限 |
| 5 | 企画内容 | 何を、誰に、どのように行うか |
| 6 | 予算と費用対効果 | 費用の内訳、見込まれる効果、比較した他の案 |
| 7 | スケジュールと体制 | 主な日程、担当者、進捗の報告方法 |
| 8 | リスクと次のアクション | 想定されるリスクと対策、承認後の最初の一手 |
A4用紙1枚にまとめるひな形と記入例
社内の小さな企画であれば、A4用紙1枚に収めるのが読み手に親切です。次の表は、項目ごとの書き方を、新人向け研修の試行企画という説明用の仮の例で示したものです。数字や固有名詞は、自社の事実に置き換えて使います。
| 項目 | 記入例(説明用の仮の例) |
|---|---|
| 概要 | 新入社員向けに、提案資料の作り方を学ぶワークショップを、月1回・半年間の試行として実施する |
| 背景・課題 | 提案資料の質にばらつきがあり、受注に差が出ている(社内の受注記録で確認した事実を記載) |
| 目的・ゴール | 試行の終了時に、提案資料のレビュー合格率を、開始時の記録と比べて引き上げる |
| 企画内容 | 月1回の実践型ワークショップ。実際の案件資料を題材にし、担当は営業企画部 |
| 予算 | 講師費用・会場費・教材費の概算(見積書を別紙で添付) |
| スケジュール・体制 | 準備1か月、実施6か月、振り返り1か月。進捗は月次で部長へ報告 |
| リスクと対策 | 参加率が低い場合は日程を調整する。効果が見られなければ、試行の終了時に中止を判断する |
| 承認してほしいこと | 試行の実施と、概算予算の承認 |
承認される企画書の書き方|6つのステップ
承認される企画書は、読み手と判断してほしいことを決める、現状と課題を整理する、ゴールを決める、内容を具体化する、予算・スケジュール・体制を落とし込む、読み手の目線で見直す、という6つのステップで書きます。いきなりパワーポイントやWordを開いて書き始めると、途中で論点がぶれて書き直しが増えるため、中身を固めてから形にするのが効率的です。
ステップ1. 読み手と「判断してほしいこと」を決める
最初に、企画書を読んで判断する人は誰か、その人に何を決めてほしいのかを一文で書き出します。「部長に、来期の予算で新しい研修制度の試行を承認してほしい」のように、読み手と判断内容を具体的にするほど、書くべきことと省いてよいことがはっきりします。経営層が読み手なら費用対効果と経営方針との関係を、現場の責任者が読み手なら業務への影響と負担を厚くするなど、同じ企画でも重点が変わります。
ステップ2. 現状と課題を事実で整理する
次に、なぜこの企画が必要なのかを裏付ける材料を集めます。社内の売上や問い合わせ件数、作業時間の記録、顧客アンケート、公的な統計など、読み手が確認できる事実を中心にします。「最近、問い合わせ対応が大変になっている」ではなく「問い合わせ件数が前年同期比で増え、担当者の残業時間も増えている」のように、変化を数字で示すと課題の大きさが伝わります。
ステップ3. 目的とゴールを測れる形で決める
課題が整理できたら、企画によってどの状態を目指すのかを決めます。「業務を効率化する」のような抽象的な目的だけでなく、「半年後に問い合わせ1件あたりの対応時間を短縮する」のように、期限と測定方法が分かるゴールを置くと、承認後の振り返りもしやすくなります。目標値を置くときは、根拠のない大きな数字ではなく、現状のデータから説明できる範囲にとどめることが大切です。
ステップ4. 企画内容と実施方法を具体化する
目的に対して、具体的に何をするのかを書きます。ここで役立つのが後述する3W1Hや5W2Hのフレームワークです。誰が、いつ、どこで、何を、どのように行うのかを埋めていくと、抜け漏れを防げます。複数の案を検討した場合は、採用した案だけでなく、比較した他の案と、それを選ばなかった理由も簡単に書いておくと、読み手の「他の方法はないのか」という疑問に先回りできます。
ステップ5. 予算・スケジュール・体制を落とし込む
企画内容が固まったら、必要な費用、主な日程、担当者と役割を整理します。費用は初期費用と継続費用を分け、人件費のように見落としやすいものも含めて概算します。スケジュールは細かい日付を並べるより、準備・実施・振り返りといった区切りごとのマイルストーンと、それぞれの判断ポイントを示す方が読み手に伝わります。ここで、承認後の進捗をどう管理し、誰に報告するのかまで書いておくと、実現性の評価が上がります。案件単位で仕事を受ける会社であれば、見積もった工数と費用を案件の原価としても追える形で書いておくと、承認後に実績と突き合わせやすくなります。
ステップ6. 構成を組み、読み手の目線で見直す
最後に、ここまで整理した内容を基本構成に沿って並べ、資料の形に整えます。書き上げたら、読み手になったつもりで最初から読み直し、「最初のページで結論が分かるか」「数字に出典があるか」「専門用語に説明があるか」を確認します。可能であれば、企画に関わっていない同僚に一度読んでもらい、分かりにくい箇所を指摘してもらうと、自分では気づけない前提の飛躍が見つかります。
承認されやすい企画書の書き方のコツ
承認されやすい企画書のコツは、結論と承認してほしいことを冒頭に置く、読み手が知りたいことを軸にする、主張に根拠を添える、1枚で全体像を示す、懸念への答えを先に用意する、の5つです。同じ内容の企画でも、書き方ひとつで通りやすさは大きく変わります。
結論と「お願いしたいこと」を冒頭に置く
決裁者は多くの資料に目を通すため、最後まで読まないと結論が分からない企画書は後回しにされがちです。1ページ目の概要で「何をしたいのか」「何を承認してほしいのか」「いくらかかり、何が得られるのか」を先に示し、詳細はその後に続ける構成にします。いわゆる結論先行の書き方で、口頭で説明する時間が短くなった場合にも要点が伝わります。
読み手が知りたいことを軸に書く
企画を考えた本人は、アイデアの面白さや思い入れを伝えたくなります。しかし読み手が知りたいのは、自社にとってのメリット、費用、リスク、現場への影響です。「自分が伝えたいこと」ではなく「相手が判断に必要なこと」を軸に項目の順番と分量を決めると、文章の上手さに関係なく伝わる企画書になります。文化庁の「公用文作成の考え方」でも、文書を読み手とのコミュニケーションとして捉え、読み手に伝わる表現を工夫する考え方が示されており、社内文書にもそのまま当てはまります。
主張には必ず根拠を添える
「効果が期待できます」「ニーズがあります」と書くだけでは、読み手は判断できません。社内データ、顧客の声、公的な統計、他社の公開事例など、主張を支える根拠をセットで示します。数字を使う場合は、いつ時点の、どこから取ったデータなのかを明記し、推計値であればその前提も書きます。根拠が弱い部分は、無理に断定せず「試行で検証する」と位置づける方が、かえって信頼されます。
1枚で全体像が分かるようにする
ページ数が多い企画書でも、冒頭に全体像をまとめた1枚を用意しておくと、読み手は最初に概要をつかんでから詳細を確認できます。1スライド・1ページに伝えることは1つに絞り、文章の段落よりも箇条書きや表、グラフを使って視覚的に整理すると読みやすくなります。ただし、図を増やしすぎると要点がぼやけるため、判断に必要な情報に絞って使います。
懸念への答えを先に用意する
決裁者は、費用が膨らまないか、現場の負担が増えないか、失敗したらどうするのかといった懸念を必ず持ちます。これらを質疑で指摘される前に、リスクと対策の項目で答えておくと、議論が前向きに進みます。特に効果的なのが、いきなり全社展開せず小さく試してから判断する「試行期間」の設定と、途中でやめる条件をあらかじめ決めておくことです。撤退基準が書かれていると、決裁者は失敗時の損失を見積もれるため、承認のハードルが下がります。
決裁者の懸念のうち、費用の膨らみや現場の負担は、承認後に費用と作業時間を実績として示せれば答えやすくなります。案件ごとの予算と実績を並べて確認する仕組みを整えたい場合は、ZACのような案件単位の管理システムも選択肢になります。
企画書づくりに使えるフレームワーク
企画書づくりで使われる主なフレームワークは、3W1H、5W2H、6W2H、3C分析、SWOT分析、PREP法、ロジックツリーです。フレームワークは考えるべき観点をあらかじめ型にしたもので、企画の中身を整理する段階で使うと、抜け漏れや論理の飛躍を防げます。目的別にまとめました。
| フレームワーク | 中身 | 企画書で使う場面 |
|---|---|---|
| 3W1H | 誰に(Who)、何を(What)、なぜ(Why)、どのように(How) | 企画の骨子を最初に固めるとき |
| 5W2H | 3W1Hに、いつ(When)、どこで(Where)、いくらで(How much)を加える | 予算やスケジュールまで含めて実施方法を詰めるとき |
| 6W2H | 5W2Hの「誰」を、実施する主体(Who)と対象となる相手(Whom)に分けて整理する | 担当者とターゲットを取り違えずに実行計画を書くとき |
| 3C分析 | 顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つの視点で現状を整理する | 新商品や販促の企画で、市場と自社の立ち位置を説明するとき |
| SWOT分析 | 自社の強み・弱みと、外部の機会・脅威を整理する | 背景や、なぜ自社がやるべきかを説明するとき |
| PREP法 | 結論、理由、具体例、結論の順に述べる | 概要や各ページの文章を組み立てるとき |
| ロジックツリー | 課題を原因や要素に分解して枝分かれで整理する | 課題の真因を特定し、打ち手を選ぶとき |
最も手軽に使えるのが3W1Hです。たとえば社内研修の企画であれば、「誰に=入社3年目までの営業担当者に」「何を=提案資料の作り方を」「なぜ=提案の質にばらつきがあり受注率に差が出ているため」「どのように=月1回のワークショップ形式で」と埋めるだけで、企画の骨子が一文で説明できるようになります。この骨子が一文で言えない場合は、まだ企画の中身が固まっていないサインです。
注意したいのは、フレームワークを埋めること自体が目的にならないようにすることです。企画書にSWOT分析の表をそのまま貼るよりも、分析から導いた「だからこの企画をやるべき」という結論を1、2文で示す方が、読み手にとっては価値があります。フレームワークは考える道具として使い、企画書には結論と根拠を載せるという使い分けを意識しましょう。
企画書を作るツールの使い分けと見やすく整える基本
企画書の作成ツールに決まりはなく、会議で投影して説明するならプレゼンテーションソフト、回覧して読んでもらうなら文書作成ソフト、予算やスケジュールの詳細は表計算ソフトと使い分けるのが一般的です。社内に指定の様式やテンプレートがある場合は、それに合わせるのが前提です。
| ツールの種類 | 向いている場面 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| プレゼンテーションソフト | 会議で投影しながら説明する企画、図やグラフで見せたい企画 | 装飾に時間をかけすぎやすく、口頭説明がないと伝わらない資料になりやすい |
| 文書作成ソフト | A4用紙1枚から数枚で回覧する企画、文章で経緯や理由を丁寧に説明したい企画 | 文章が長くなりやすいため、見出しと箇条書きで要点を拾えるようにする |
| 表計算ソフト | 予算の内訳、収支の試算、スケジュール表など数値や日程を扱う部分 | 企画書本体には向かないため、別紙や添付資料として組み合わせる |
実務では、本体をプレゼンテーションソフトか文書作成ソフトで作り、予算とスケジュールの詳細だけ表計算ソフトで別紙にする組み合わせがよく使われます。テンプレートを使うと、項目の抜け漏れを防げて作成も早くなります。
テンプレートを使うときの注意点
- 社内に指定の様式や、承認済みの過去の企画書がある場合は、それを優先し、項目や順番を勝手に変えない
- テンプレートの項目は読み手によって重みが変わるため、自分の企画に不要な項目は削り、足りない項目は足す
- 見本の文例をそのまま写さず、自社の数字と事実に置き換える
- 枠を埋めること自体が目的にならないよう、冒頭の概要には結論と承認してほしいことを自分の言葉で書く
見やすく整えるためのデザインの基本
企画書のデザインは、見栄えを良くするためではなく、読み手が迷わず要点を拾えるようにするために整えます。凝った装飾よりも、次の基本をそろえる方が効果的です。
- フォントは読みやすいものに統一し、見出しと本文の文字サイズの差をページ間でそろえる
- 使う色は基本の文字色、強調色など数色に絞り、強調色は本当に見てほしい箇所だけに使う
- 余白を十分に取り、関連する情報は近づけ、関係の薄い情報は離して配置する
- 見出しの位置、図表の左端などをそろえ、どのページも同じレイアウトのルールで作る
- 一文を短くし、専門用語や社内でしか通じない略語には説明を添える
仕上がった企画書をメールやチャットで共有するときは、PDFに変換しておくと、相手の環境でレイアウトが崩れたり、意図せず内容が書き換わったりするのを避けやすくなります。一方、上司や関係者に修正やコメントをもらう途中の段階では、編集できる形式のまま共有した方がやり取りが早く進みます。
企画書のよくある失敗パターンと改善例
企画書が差し戻される主な原因は、結論が最後にある、目的があいまい、根拠が思い込み、情報の詰め込みすぎ、実行計画が薄い、リスクに触れていない、の6つに集約されます。代表的な失敗と、その改善例をBefore/After形式で整理しました。
| 失敗パターン | Before(差し戻されやすい書き方) | After(通りやすい書き方) |
|---|---|---|
| 結論が最後にある | 背景説明から始まり、何をしたいのかが最後のページまで分からない | 1ページ目で、やりたいこと・承認してほしいこと・費用と効果を示す |
| 目的があいまい | 「業務を効率化するため」とだけ書かれている | 対象業務、期限、測定する指標まで書く |
| 根拠が思い込み | 「顧客のニーズは高いはず」と書くだけで、データがない | 問い合わせ件数やアンケート結果など、確認できる事実を出典つきで示す |
| 情報の詰め込みすぎ | 1ページに文章とグラフがびっしり並び、要点が読み取れない | 1ページに1メッセージ、詳細データは別紙や付録に回す |
| 実行計画が薄い | スケジュールが「4月開始、9月完了」の一行だけで、担当者も決まっていない | マイルストーン、担当者、進捗の報告方法と頻度を書く |
| リスクに触れていない | メリットだけを並べ、懸念は質疑で初めて議論になる | 想定リスク、対策、試行期間と撤退基準を先に示す |
見落とされやすいのが、5つ目の「実行計画が薄い」パターンです。アイデアと効果は魅力的でも、誰がどう進めるのかが見えない企画は「良い企画だが、今はやめておこう」と判断されやすくなります。また、承認された後に計画倒れになった企画があると、次の企画も通りにくくなります。企画書の段階で、タスクの分け方と、予算・工数の実績を見える化する方法まで決めておくことが、今回の承認と次回の信頼の両方につながります。
実行計画には、日程と担当者だけでなく、見積もった工数と費用を、実際の作業時間や支出と比べられる形で書いておく必要があります。案件ごとに作業時間と原価を記録し、見積もりとのずれを確認できる仕組みを、自社の運用に合わせて整えたい場合は、MA-EYESのような工数管理を軸にしたシステムも検討できます。
2サービスの役割を比較表で見る承認後に計画倒れにしないための企画書の書き方
承認後に計画倒れにしないためには、企画書の段階で、担当者を割り当てられる粒度のタスク、判断ポイントと報告のタイミング、進捗と実績を共有する仕組みの3点を書いておきます。多くの解説は「どうすれば企画書が通るか」で終わりますが、企画書の本当の目的は、承認を得た後に企画を実現して成果を出すことです。承認された企画がそのまま実行計画の土台になるよう、次の3点を押さえると、立ち上げがスムーズになります。
タスクに分解できる粒度で内容を書く
「新しい研修制度を導入する」という内容のままでは、承認後に何から手を付けるかをもう一度考え直すことになります。企画内容を「教材の作成」「講師の手配」「受講者への案内」「効果測定のアンケート作成」のように、担当者を割り当てられる単位まで分けておくと、そのままタスク一覧として使えます。分解する過程で、見落としていた作業や必要な費用に気づけるのも利点です。
判断ポイントと報告のタイミングを決めておく
スケジュールには、作業の日程だけでなく「いつ、誰に、何を報告して、続けるかどうかを判断するのか」を書き込みます。たとえば試行開始から1か月後に中間報告を行い、目標の達成状況を見て本格導入か見直しかを決める、といった形です。決裁者にとっては途中で軌道修正できる安心材料になり、実行チームにとっては進め方の目安になります。
進捗と実績を共有する仕組みを書いておく
複数の部署や担当者が関わる企画ほど、メールや口頭のやり取りだけでは進捗が見えにくくなります。企画書の実施体制の項目に「タスクと期限は共通のツールで管理し、関係者がいつでも状況を確認できるようにする」と書いておけば、承認後にすぐ運用を始められます。表計算ソフトの共有シートで足りる規模もあれば、関係者が多くプロジェクト管理ツールを使った方が効率的な規模もあります。企画の規模や予算に合った管理方法を選ぶことが大切です。
承認された予算と工数を、実績と突き合わせる
承認された企画は、実行に入ると、見積もりと実績のずれが少しずつ生まれます。ずれそのものは問題ではなく、気づかずに積み上がることが計画倒れの原因になります。次の手順で、承認時の数字を基準として残し、区切りごとに実績と比べる運用にしておきます。
- 承認時の予算と工数を、項目別・担当者別に基準値として記録する
- 週次または月次など、区切りを決めて、実際の費用と作業時間を集める
- 見積もりと実績の差が大きい項目について、原因を確認して判断ポイントで報告する
- 終了後の振り返りで、見積もりとの差を次の企画書の数字に反映する
受託開発、広告制作、コンサルティングのように、案件単位で売上と原価を管理する会社では、この突き合わせを案件ごとの損益の確認と合わせて行います。表計算ソフトでも運用できますが、案件が増えるほど、作業時間、請求、経費を別々の表に二重に入力する手間が増えます。自社の今の運用が足りているか、次のセルフチェックで確認してみましょう。
企画の予算と工数、承認後の追い方セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
チェックで当てはまる項目が多く、承認時の見積もりと実績を、工数の管理から揃えたい場合の別の選択肢が、株式会社ビーブレイクシステムズの統合型基幹業務パッケージ(ERP)「MA-EYES」です。商品ページでは、予算や企業規模、運用ニーズに合わせて導入できるオールラウンドなERPで、導入前から導入後までのフルサポート体制があり、クラウドでありながら標準機能へのカスタマイズも柔軟で、分析設定には独自の項目を追加できるとされています。一方で、商品ページには、工数管理に特化しているため工程管理には対応していなそうという記載があり、工程の進捗管理が必要な場合は事前の確認が必要です。ZACと同様、企画書を作るための道具ではなく、案件を持たない会社や社内の小さな企画には向きません。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社ビーブレイクシステムズ
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自社に合った柔軟なプロジェクト管理を実現したい方におすすめ

おすすめ!
- 予算や企業規模、運用ニーズに合わせて導入できるオールラウンドなERPシステム
- 導入前から導入後まで充実したフルサポート体制を完備
- クラウドでありながら標準機能へのカスタマイズも柔軟で、分析設定にも独自の項目追加が可能
気になる…
- 工数管理に特化しているため、工程管理には対応していなそう
テックファーム株式会社のMA-EYES導入事例(2016年5月時点)では、導入後のシステムの概要が次のように紹介されています。
案件受注後のプロジェクト計画の申請時に、承認者はアサイン計画や購買計画など原価予算を詳細に把握できる。
出典:ERP導入事例 テックファーム株式会社(株式会社ビーブレイクシステムズ)
よくある質問(FAQ)
Q1. 企画書に書くべき7つの要素は何ですか?
A. 概要(タイトルと一文の要約)、背景・現状の課題、目的・ゴール、企画内容・実施方法、予算・費用対効果、スケジュール・実施体制、リスクと対策の7つが基本です。社内の小さな企画であれば、背景・目的・内容・予算・スケジュールの5点をA4用紙1枚にまとめる形でも伝わります。
Q2. 企画書を書くときの3つのポイントは何ですか?
A. 結論と承認してほしいことを冒頭に置くこと、読み手が判断に必要なことを軸に書くこと、主張には必ずデータなどの根拠を添えることの3点です。余裕があれば、1枚で全体像が分かる要約と、懸念への答えになるリスクと対策も加えます。
Q3. 企画書にはどのような順番で記載すればよいですか?
A. 概要、背景・現状の課題、目的・ゴール、企画内容、予算、スケジュール・体制、リスクと対策の順が基本です。ただし決裁者には結論が先に必要なため、冒頭のサマリーで結論と承認してほしいことを先に示すのが効果的です。
Q4. 企画書と提案書の違いは何ですか?
A. 一般的に、企画書は社内の上司や決裁者に新しいアイデアの実施を承認してもらうための書類で、提案書は社外の顧客や取引先に、相手の課題に対する解決策を採用してもらうための書類です。ただし会社によって呼び方は異なるため、誰に何を判断してもらう書類かを基準に考えると迷いにくくなります。
Q5. 企画書は何枚くらいにまとめるべきですか?
A. 決まった枚数はなく、企画の規模と読み手によって変わります。社内の業務改善ならA4用紙1枚、大きな投資を伴う企画ならスライド10枚程度になることもあります。枚数が多い場合でも、冒頭に全体像が分かる1枚を用意しておくと、読み手が判断しやすくなります。
Q6. 承認された後に計画倒れにしないためには、何を書いておけばよいですか?
A. 企画内容を担当者を割り当てられる単位のタスクに分けること、中間報告などの判断ポイントと報告のタイミングを決めること、進捗と実績を関係者で共有する方法を決めることの3点です。案件単位で仕事をする会社では、承認時の予算と工数を基準として記録し、実績と比べられるようにしておくと、次の企画書の見積もりにも生かせます。
まとめ|企画書を書くときの6つのポイント
企画書は、アイデアを披露するための資料ではなく、読み手に判断してもらい、企画を実現するための資料です。この記事のポイントを振り返ります。
- 読み手と判断してほしいことを決め、背景・目的・内容・予算・スケジュールを基本構成として並べる
- 結論と承認してほしいことを冒頭に置き、主張には根拠を添える
- 3W1Hなどのフレームワークは考える道具として使い、企画書には結論と根拠を載せる
- タスクの分解、判断ポイント、進捗と実績の共有方法まで書き、承認後に計画倒れにしない
- 承認時の予算と工数を基準として記録し、区切りごとに実績と比べて次の見積もりに生かす
- 案件単位で見積もりと実績を管理する会社は、ZACやMA-EYESなどの資料で、自社の運用に合うかを確認する
企画書の段階で実行の段取りまで見えていると、決裁者の安心感が高まり、承認後の立ち上がりも早くなります。まずは次に書く企画書で、1ページ目に結論とお願いしたいことを置くところから試してみてください。
参考文献
- 文化庁「公用文作成の考え方(建議)」 https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kokugo_shisaku/94336802.html
- 株式会社オロ「株式会社カヤック ZAC導入事例」 https://www.oro.com/zac/casestudy/kayac.html
- 株式会社ビーブレイクシステムズ「ERP導入事例 テックファーム株式会社」 https://www.bbreak.co.jp/maeyes/case/interview27.html