校正とは?校閲との違い・進め方・効率化の方法を解説

Check!

  • 校正は誤字や表記を正し校閲は内容を確かめる
  • 素読みと赤字照合で見落としを減らせる
  • 基準を教材にして全員で学べる仕組みを作る

校正とは、文章や印刷物の誤字・脱字、表記のゆれ、体裁の乱れを、原稿と照らし合わせて見つけ、正しく直す作業です。書かれている内容が事実かどうかを確かめる校閲とは役割が分かれており、社外に出す資料やWebページの信頼性を支える工程にあたります。実務では「気づいた人が直す」という個人任せの運用になりやすく、担当者が変わるたびに品質がぶれるという悩みもよく聞かれます。この記事では、校正の意味と校閲・推敲・添削との違い、基本の進め方と校正記号、よくある失敗、効率化の方法、「校正をお願いします」「校正中」といったビジネスでよく見る言い回し、社内で校正フローを定着させる手順までを順に解説します。最初に、校正の品質を個人任せにしない方法から取り上げます。

校正の悩み、どこから手を付ける?2問で診断

Q1. 校正で特に困っているのはどれですか?

目次

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  1. 校正の品質を担当者によらず一定にするには|社内で基準をそろえる3つの段階
  2. 校正とは|校閲・推敲・添削との違い
  3. 校正の基本的な進め方
  4. 表記統一の拠りどころになる公的な基準
  5. 校正でよくある失敗パターン
  6. 校正を効率化する方法
  7. 業務での校正フローの作り方
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ|今日からできる5つのこと
  10. 参考文献

校正の品質を担当者によらず一定にするには|社内で基準をそろえる3つの段階

校正の品質を担当者によらず一定にするには、校正の基準を決めて全員が同じ内容で学び、身についたかを確かめる仕組みが必要です。

校正は、書き手本人よりも、書き手以外の人が読んだほうが誤りに気づきやすい作業です。書いた本人は内容を覚えているため、誤りがあっても頭の中で補って読み飛ばしてしまうからです。そのため多くの職場では「書き手以外が1回は読む」ことを基本にしますが、読む人が変わるたびに見る観点や表記の基準が変わると、品質はすぐにぶれます。個人の注意力に頼る運用には限界があり、基準そのものを共有する仕組みが要になります。

社内で基準をそろえる流れは、大きく次の3つの段階に分けられます。

  1. 基準を決めて教材にする:表記ルール、チェックリスト、赤字の書き方を文書にまとめ、新しい担当者も同じ内容を同じ順序で学べる形にします。
  2. 身についたかを確かめる:確認テストで理解度を見て、誰がどこまで学んだかを把握します。
  3. 表現や情報管理の知識を継続して学ぶ:校正は誤字の発見にとどまらず、広告表示や個人情報の扱いなど、表現の適否に関わる場面があるためです。

この3つの段階に使えるeラーニングを、当サイトの商品ページで確認した内容をもとに、役割の違いで整理しました(2026年10月14日確認)。

校正の基準を社内でそろえるときに使えるeラーニングの役割

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

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この状況に合う一例:Smart Boarding 自社オリジナルの研修コースを作成でき、OJTで教えていた内容を学習プログラム化できます。

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サービス Smart Boarding SAKU-SAKU Testing OneCompliance(ワンコンプライアンス)
担う段階 (1) 校正のルールを教材にする (2) 身についたかを確かめる (3) 表現や情報管理の知識を継続して学ぶ
向いている会社 OJTや研修など、社員教育の進め方に悩んでいる会社 受講者の管理をスムーズに行いたい会社、初めてeラーニングを使う会社 コンプライアンス研修を年間を通じて続けたい会社(上場準備中の企業から中堅・中小企業まで)
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表のほかの2つのサービスは、確認テストで理解度を確かめる話(「校正を効率化する方法」の章)と、表現や情報管理の知識の話(「業務での校正フローの作り方」の章)で、関係する場面とあわせて紹介します。まずは、校正とは何かから確認しましょう。

校正とは|校閲・推敲・添削との違い

校正とは、原稿と仕上がり(校正刷りやデータ)を見比べ、誤字・脱字、表記のゆれ、体裁の乱れを見つけて正す作業です。確認するのは文字や表記の正しさであり、書かれている内容が事実かどうかの判断は含みません。内容面を確かめる作業は校閲と呼ばれ、役割が分かれています。

作業 主に見るもの 行う人
校正 誤字・脱字、表記のゆれ、体裁、原稿との相違 書き手以外の確認者
校閲 事実関係、数値や固有名詞の正しさ、内容の矛盾 書き手以外の確認者
推敲 構成や言い回しの練り直し 書き手本人
添削 より良い表現への書き換え提案 指導する立場の人

ビジネスの現場では、1人の確認者が校正と校閲を同時に担うことも珍しくありません。その場合でも「いまは表記を見ている」「いまは内容を見ている」と頭の中で工程を分けたほうが、見落としは減ります。表現の改善提案まで求める場合は、校正ではなく添削を依頼することになります。

校正が必要とされる理由

誤字や社名の表記ミスは、内容が正しくても読み手の信頼を下げます。印刷物であれば刷り直し、Webであれば訂正のお知らせや問い合わせ対応が発生し、後工程で直すほど手間は大きくなります。校正は、公開前に低い負担で誤りを取り除くための工程と位置づけられます。

また、校正は書き手以外の人が行うのが基本です。執筆は文章をつくる作業、校正・校閲は読み手の立場から誤りを見つける作業であり、求められる視点が異なります。書き手本人が自分の文章を客観的に読むには限界があるため、できる限り別の人に読んでもらい、どうしても1人で行う場合は、書く時間と読む時間を分けて、立場を切り替えて読むことが勧められます。

素読みは校正か校閲か|呼び方は会社によって違う

原稿を見ずに仕上がりだけを読んで誤りを探す「素読み」は、校正の一種として説明されることが多い読み方です。たとえば求人情報サイトのIndeedは、原稿と校正刷りを一字ずつ見比べる「付け合わせ(引き合わせ)校正」と並べて、「素読み校正」を校正の方法として紹介しています(出典:Indeed「校正者になるには」)。一方、校正・校閲専門会社の講座を紹介したシナジーマーケティングのブログでは、校正を「前の工程と比べる作業」、校閲を「内容を読む作業」と整理し、素読みと事実確認を校閲の作業として説明しています(出典:シナジーマーケティング「「校正」と「校閲」の違いって?」)。

どちらが正しいというより、整理の仕方が会社ごとに異なるということです。社内では呼び名の議論に時間を使うより、「今回は表記と体裁を見る回」「今回は内容と数字を見る回」のように、確認する観点を決めておくほうが、見落としを防げます。取引先や外部の制作会社に依頼するときも、「素読みまで含むのか」「事実確認まで含むのか」を言葉で確かめておくと、認識の食い違いを避けられます。

計測器の「校正」は別の意味

「校正」は、文章だけでなく計測器にも使われる言葉です。計測器の校正は英語のcalibration(キャリブレーション)にあたり、JIS Z 8103:2019「計測用語」では、測定標準が提供する値と、それに対応する指示値との関係を確立する操作として定義されています。同じ規格の注記では、校正を測定システムの「調整」や校正の「検証」と混同しないよう示されています(出典:JIS Z 8103:2019 計測用語(規格の条文を掲載した kikakurui.com))。つまり、計測器の校正は標準との関係を確かめる作業であり、誤差を直す調整とは区別されます。この記事で扱うのは、文章や印刷物の校正です。

「校正をお願いします」「校正中」など、ビジネスでよく見る言い回し

メールや進行表では、次のような言い回しをよく見かけます。辞書や規格で厳密に定められた用語ではなく、現場での一般的な使われ方を整理したものです。会社や業界によって意味が異なることもあります。

言い回し 一般的な意味 依頼・確認するときの注意
校正をお願いします 原稿やデータの誤りを確認して、直す(または指摘する)作業の依頼 誤字・脱字だけか、内容や数字も見るのか、赤字を入れるのか直接直すのかを書き添える
校正をかける 校正の作業を行う、または行ってもらうこと 初校・再校のどの段階か、見る範囲(全体か修正箇所だけか)を決める
校正中 校正の作業が進んでいて、まだ確定していない状態 進行表やファイル名に付けるなら、修正の受付を止める時点も決めておく
校正確認・校正チェック 校正で出た赤字が正しく反映されたかの確認、または校正作業そのもの 文脈で意味が変わるため、「赤字の反映確認」のように具体的に書く
校正なし 校正の工程を行わない、またはまだ校正を経ていない状態 見積や発注に出てくる場合は、校正が費用や納期の範囲に含まれるかを確認する

校正を依頼するときは、校正と校閲のどちらまで求めるのか、見てほしい観点、期限の3点を添えると食い違いが減ります。依頼を受ける側も、あいまいな依頼は着手前に確認したほうが、あとからの手戻りを防げます。

校正の基本的な進め方

校正は「原稿と照らし合わせる」「前の版の赤字と照らし合わせる」「仕上がりだけを読む」という3種類の読み方を、初校・再校と段階を踏んで繰り返す形で進めます。読み方と段階を混ぜないことが基本です。

3種類の読み方:突き合わせ・赤字照合・素読み

  • 突き合わせ(引き合わせ):元の原稿と仕上がりを1文字ずつ見比べ、転記や修正の反映漏れを探します。原稿どおりに作るだけの作業に見えて、コピー漏れや文字化けなど、人の手による誤りが起きやすい工程です。
  • 赤字照合:前の版で出した赤字(修正指示)が、次の版に漏れなく反映されているかを、前の版と比べて確認します。初校の赤字は再校で、再校の赤字は三校で、というように段階ごとに行います。直したつもりの箇所以外が変わっていないかも、このときに見ます。
  • 素読み:原稿を見ずに仕上がりだけを読み、誤字・脱字、表記のゆれ、文のねじれを探します。読者と同じ目線で読む工程です。

段階:初校・再校・校了

1回目の校正を初校、修正を反映した後の2回目を再校と呼びます。修正がすべて済んで次の工程に進めてよい状態が校了です。軽微な修正だけが残り、制作側の責任で直すことを条件に校了とする場合は責了といいます。校正刷りそのものは「ゲラ」と呼ばれます。校正刷りを何回出すかは媒体によって異なり、再校で終わる場合もあれば、三校まで進む場合もあります。Web記事や社内資料でも、「修正を出した版」と「修正を確認した版」を分けて管理する考え方は同じです。

校正記号と赤字の入れ方

紙やPDFに修正指示を書き込むときは、校正記号という共通の書き方を使います。印刷物の校正記号は日本産業規格の「JIS Z 8208(印刷校正記号)」に定められており、規格の内容は日本産業標準調査会のJIS検索で確認できます。実務で使用頻度が高い記号の意味は、次のとおりです(出典:JIS Z 8208:2007 印刷校正記号(規格の条文を掲載した kikakurui.com))。

指示の名前 意味 書き方のポイント
トル 文字や記号を削除する 削除する部分に斜線を引き、引き出し線の先に「トル」と書く
トルツメ 削除したあと、前後を詰める 詰めるかどうかで結果が変わるため、詰める場合は明示する
トルアキ(トルママ) 削除したあと、その分の空きを残す 空けておきたい場合に使う
イキ 以前に入れた修正を取りやめ、校正刷りの状態のまま残す 取りやめたい文字の傍らに書く
入れ替え 連続する文字や記号の順序を入れ替える 逆S字形の記号で示す。離れた文字には別の記号を使う
改行 指定した位置で改行する 改行した行頭を天付きにしたいときは「天ツキ」と付記する

赤字は文字の上に重ねず、引き出し線で余白に出して書きます。誰が読んでも1通りにしか解釈できない書き方にすることが原則です。校正記号の規格には許容される書き方も複数あるため、社内で使う記号を一覧にして共通の書き方を決めておくと、赤字の読み違いを防げます(参考:DTP出版「正しい校正の方法 校正記号表」)。文書編集ソフトの変更履歴やコメント機能を使う場合も、「どこを」「どう直すか」を具体的に書く点は変わりません。

校正で確認する主な項目

項目 確認する内容の例
誤字・脱字・衍字 変換ミス、同音異義語の取り違え、文字の抜けや重複
表記のゆれ 漢字とひらがなの使い分け、送り仮名、外来語の長音、全角と半角
固有名詞・数字 社名、人名(「高」と「はしご高」のような異体字を含む)、商品名、日付と曜日の組み合わせ、金額、単位
原稿との相違 コピー漏れ、文字化け、赤字の反映漏れ、修正していない箇所の変化
文法・文体 主語と述語のねじれ、助詞の誤り、敬語、です・ます調の混在
体裁 見出しの階層、図表番号、リンク先、改行位置

文体の確認では、同じ意味の語が重なる、前置きや文末が回りくどいといった冗長な表現も見直しの対象になります。見つけ方と直し方は冗長とは?意味と冗長表現の直し方で整理しています。

表記統一の拠りどころになる公的な基準

社内の表記ルールをゼロから作る必要はなく、国が公表している基準を土台にして、自社固有の用語だけを足すのが効率的です。表記の正誤で意見が割れたときに、立ち戻れる根拠があると判断が早くなります。

  • 公用文作成の考え方:文化審議会が令和4年1月に建議した、政府の公用文作成の手引きです。昭和26年の「公用文作成の要領」に代わるものとして取りまとめられ、SNSによる広報など一般の人に直接向けた情報発信も想定されています(出典:文化庁「文化審議会建議「公用文作成の考え方」について」)。
  • 常用漢字表:一般の社会生活で現代の国語を書き表すための漢字使用の目安として、平成22年に内閣告示されています(出典:文化庁「常用漢字表」)。漢字で書くかひらがなで書くかの判断材料になります。
  • 送り仮名の付け方:「行う」と「行なう」のような送り仮名のゆれを判断する拠りどころです(出典:文化庁「送り仮名の付け方」)。
  • 外来語の表記:カタカナ語の書き表し方の拠りどころです(出典:文化庁「外来語の表記」)。

これらは公用文や一般の社会生活を対象にした目安であり、民間企業に適用が義務づけられているものではありません。自社のルールでは「原則は公的基準に従う。例外は一覧に書く」と決めておくと、一覧に載せる語を最小限にできます。例外になりやすいのは、自社の商品名、業界用語、取引先の正式名称です。

校正でよくある失敗パターン

校正の失敗の多くは、注意不足ではなく進め方に原因があります。代表的な5つを、改善前と改善後の形で整理します。

失敗パターン 改善前 改善後
表記統一漏れ 「問い合わせ」「問合せ」「お問合わせ」が1つの資料に混在する 用字用語の一覧を作り、検索機能で一括確認する
書いた本人だけで確認する 内容を覚えているため、脳内で補って読み飛ばす 本人以外が必ず1回読む。難しければ時間を空けて読み直す
一度に全部を見ようとする 誤字、数字、体裁を同時に追い、どれも中途半端になる 1回の読みで見る項目を絞り、観点を変えて複数回読む
どの版を確認したか分からなくなる 修正前のファイルに赤字を入れ、修正が二重になる ファイル名に版と日付を入れ、確認済みの版を記録する
赤字の反映を確認しない 直したつもりで再校を読み流し、修正漏れや別の箇所の変化に気づかない 前の版と赤字照合を行い、直した箇所の周辺も読み直す

このほか、修正した箇所の周辺を読み直さないことも見落としの原因になります。1語を直した結果、前後の助詞や文末と合わなくなることがあるためです。修正後は、直した文だけでなく段落単位で読み直すと安全です。

ここまでの失敗パターンは、個人の注意力よりも、確認の観点や基準が人によって違うことから起きるものがほとんどです。自社の状況に近いものがいくつあるか、確かめてみましょう。

自社の校正、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

当てはまる項目が多い場合、校正の方法を一人ひとりに任せるだけでは、品質はそろいにくいでしょう。表記ルールとチェックリストを一度教材にしておけば、新しく担当になった人にも同じ内容を届けられ、教える側が毎回ゼロから説明する負担も減らせます。冒頭の比較表で紹介したSmart Boardingは、自社オリジナルの研修コースを作成できるため、こうした教材化の受け皿になります。

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校正を効率化する方法

校正の効率化は、読み方の工夫、チェックリスト化、ツールの活用の3つを組み合わせて進めます。機械に任せられる部分を任せ、人は判断が必要な部分に時間を使うという分担が基本です。

見落としを減らす読み方

  • 誤りが必ずあるという前提で読む
  • 画面だけでなく、紙に印刷する、文字の大きさや書体を変えるなど見え方を変える(画面上の確認は見落としが起きやすく、印刷すると全体を見比べやすくなります)
  • 声に出して読む。助詞の抜けや文のねじれに気づきやすくなる
  • 書いた直後ではなく、時間を空けてから読む
  • 数字と固有名詞だけを拾って、元の資料と照らし合わせる回を設ける
  • 確認した箇所には必ずチェックを入れ、文字数が多い資料でも修正の見落としを防ぐ

チェックリスト化する

確認項目を一覧にしておくと、確認者による観点の差が小さくなります。項目は増やしすぎず、過去に実際に起きたミスから優先して載せるのが現実的です。「社名の表記」「日付と曜日の一致」「金額の桁」「リンク先」のように、はい・いいえで答えられる書き方にすると、経験の浅い人でも使えます。

校正ツール・生成AIを一次チェックに使う

文書作成ソフトの校正機能や専用の校正ツールは、誤字、表記のゆれ、助詞の重複といった機械的に検出しやすい誤りを短時間で洗い出せます。生成AIも、文章を渡して誤りの候補を挙げさせる使い方ができます。ツールの種類ごとの違いは文章校正ツールの選び方で整理しています。

ただし、ツールやAIの指摘には誤検出も見逃しもあります。生成AIは誤りのない箇所を書き換えたり、事実と異なる内容を補ったりすることがあるため、指摘を採用するかどうかは人が判断します。また、公開前の原稿や個人情報を含む文書を外部のサービスに入力してよいかは、社内の情報管理ルールを先に確認してください。入力した文章がサービス側でAIの学習に使われるかどうかもサービスごとに異なるため、利用規約や説明で確かめてから使います。

修正指示は、履歴が残る形で共有する

紙に赤字を入れて回す方法は、誰がどこを直したかが追いにくく、反映漏れも起きがちです。オンライン上で修正指示を共有できる「Web校正」のような仕組みを使うと、どこを修正したかが一目でわかり、見落としの防止にもつながります(参考:タカラサプライコミュニケーションズ「校正のコツ!印刷会社が行う校正のノウハウを紹介」)。専用のサービスを使わない場合でも、変更履歴とコメント機能を使い、直した版と確認した版をファイル名で区別するだけで、赤字照合はずっと楽になります。

効率化の成果を左右するのは「使い方の共有」

チェックリストもツールも、用意しただけでは効果が出ません。チェックリストの各項目が何を防ぐためのものか、ツールの指摘をどう判断するかが共有されていないと、形だけの確認になります。新しく担当になった人が同じ内容を同じ順序で学べるよう、表記ルールと実際のミス事例を教材にまとめ、確認テストで理解度を見る形にすると、教える側の負担も減ります。

学んだ内容が身についたかを確認テストで確かめたい場合の一例がSAKU-SAKU Testingです。CBT(コンピューターを使った試験)の技術を生かしたeラーニングプラットフォームで、選択式・穴埋め・並び替え・記述(単語、長文)の問題を配信でき、あらかじめ用意された設問と自社で作ったオリジナルの設問を1つのテストにまとめられます。たとえば「社内ルールで使う表記を選ぶ」選択問題や、「誤りを含む一文を直す」記述問題を、自社の用字用語集から作る使い方が考えられます。受講状況や結果はリアルタイムで集計され、組織やグループごとに把握できます。事務局運営やカスタマーデスクを利用する場合はオプション扱いとなる点には注意しましょう。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

株式会社イー・コミュニケーションズ

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出典:www.e-coms.co.jp

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テストのクオリティが向上しただけでなく、受講率も向上しました。1つでも合格していないテストがある人を対象にリマインドメールを事前に自動で送れるようになったのが大きいです。

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業務での校正フローの作り方

校正フローは「文書の重要度で確認の濃さを変える」「誰がどの観点を見るかを決める」「ルールを更新し続ける」の3点で設計します。すべての文書を同じ密度で確認しようとすると、重要な文書への確認がかえって手薄になります。

手順1:文書を重要度で分ける

文書の例 重点を置く確認 確認の体制の例
プレスリリース、広告、商品パッケージ 固有名詞、数値、表示に関する表現 作成者以外の2人以上。必要に応じて法務部門や専門家
契約書、見積書、請求書 金額、日付、相手先名、前の版との差分 作成者以外の1人以上による突き合わせ
Web記事、メールマガジン 表記のゆれ、リンク先、誤字・脱字 ツールによる一次チェックと担当者1人の素読み
社内向けの連絡文書 日付、宛先、数字 作成者によるチェックリスト確認

手順2:役割と観点を割り当てる

2人で確認する場合、2人とも同じ読み方をすると同じ箇所を見落とします。1人目は表記と体裁、2人目は数字と固有名詞というように、観点を分けて割り当てます。人数が限られる小規模な組織では、「書いた本人以外が必ず1回読む」という1点だけでも決めておくと効果があります。部署をまたいで文書を作る規模になったら、全社共通の表記ルールを1つにまとめ、部署ごとの差をなくすことが先決です。

手順3:表示に関する法令への目配りを組み込む

広告や商品説明の校正では、誤字だけでなく表現そのものが問題になることがあります。たとえば景品表示法は、商品やサービスの品質や価格について、実際よりも著しく優良または有利であると一般消費者に誤認される表示を規制しています(出典:消費者庁「景品表示法」)。数値や「最上級の表現」に根拠資料があるかを確認する項目を、チェックリストに入れておくと安心です。なお、本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の表現の適否は、所管官庁の公表資料や専門家に確認してください。

校正を担当する人は、誤字の確認にとどまらず、表示のルールや、外部のサービスに入力してよい情報かどうかといった判断にも触れます。こうした知識は一度の研修で終わらず、法改正などに合わせて継続して学ぶ必要があります。表現や情報管理の知識を継続して学ばせたい場合の一例がOneCompliance(ワンコンプライアンス)です。コンプライアンス研修に特化したeラーニングで、景品表示法、個人情報保護法、情報セキュリティ、著作権などのコースがあります(対象とする階層はコースごとに異なります)。コースのアサインや自動リマインダー、ダッシュボードによる受講状況の見える化で、研修を管理する工数を抑えられます。校正や文章術の講座ではない点と、費用が人数に応じた課金体系のため問い合わせでの確認が必要な点には注意しましょう。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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出典:onecompliance.jp

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出典:OneCompliance 導入事例(株式会社プリメディカ)

手順4:ミスを記録し、ルールと教育に戻す

公開後に見つかった誤りは、個人の反省で終わらせず、「どの工程で防げたか」を記録します。記録がたまると、チェックリストに足すべき項目と、用字用語の一覧に足すべき語が見えてきます。更新したルールは、全員に同じ内容で伝わってはじめて意味を持ちます。配布した文書が読まれたかどうかは把握しにくいため、受講履歴とテスト結果が残るeラーニングで周知する方法は、校正ルールの更新と相性がよいといえます。新任者の教育と、既存メンバーへの更新の周知を1つの仕組みで回せる点が利点です。

ルールを更新するたびに確認テストで理解度を見て、受講状況を把握したい場合は、効率化の章で紹介したSAKU-SAKU Testingのように、テストの作成と受講管理を1つにまとめられるサービスが候補になります。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 校正とは何ですか

A. 原稿と仕上がりを見比べ、誤字・脱字、表記のゆれ、体裁の乱れを見つけて正す作業です。内容が事実かどうかの確認は含みません。

Q2. 校正と校閲はどう違いますか

A. 校正は文字や表記の誤りを正す作業、校閲は事実関係や内容の矛盾を確かめる作業です。重要な文書では両方を行うことが望ましいです。

Q3. 「校正をお願いします」とはどういう意味ですか

A. 原稿やデータの誤字・脱字、表記のゆれ、体裁の乱れなどを確認して、直す(または指摘する)ことを頼む依頼の言葉です。校閲のように内容や数字の事実確認まで求めるのか、見てほしい観点と期限を添えると、認識の食い違いを防げます。

Q4. 「校正チェック」「校正なし」とはどういう意味ですか

A. 「校正チェック」は、校正で出た赤字が反映されたかの確認、または校正作業そのものを指して使われます。「校正なし」は、校正の工程を行わない、またはまだ校正を経ていない状態を指します。いずれも現場での一般的な使われ方で、会社によって意味が異なるため、迷ったときは範囲を確認します。

Q5. 校正を効率化する方法はありますか

A. 時間を空けて読む、紙に印刷する、声に出して読むといった読み方の工夫と、はい・いいえで答えられるチェックリスト、校正ツールや生成AIによる一次チェックを組み合わせます。ツールやAIには誤検出や見逃しがあるため採用は人が判断し、機密情報の入力可否も事前に確認が必要です。

Q6. 校正の品質を担当者によらず一定にするにはどうすればよいですか

A. 表記ルールとチェックリストを整えたうえで、全員が同じ内容を学べる仕組みを作ることです。ルールを教材と確認テストにし、eラーニングで受講状況を把握する方法があります。

まとめ|今日からできる5つのこと

  1. 校正と校閲を分けて考える:表記を見る回と内容を見る回を分け、依頼するときは求める範囲を伝えます。
  2. 公的な基準を土台に表記ルールを決める:例外になる自社用語だけを一覧にします。
  3. 過去のミスからチェックリストを作る:文書の重要度に応じて確認の濃さを変えます。
  4. 赤字は前の版と照らし合わせる:直した箇所だけでなく、周辺や別の箇所の変化も確認します。
  5. ルールを全員が学べる仕組みを検討する:教材づくり、確認テスト、表現や情報管理の研修を担うeラーニングの資料を取り寄せ、自社に合うものを比べます。

参考文献

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