管理とは?意味・目的・種類・PDCAの進め方とDXで効率化するポイント
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- 管理の意味と基準・記録・是正の3要素がわかる
- 別の言い方や使い方、PDCAの進め方がわかる
- 属人化の失敗と、DXで効率化する手順がわかる
管理とは、目標や基準を決め、現状を記録して基準と比べ、ずれがあれば正すことで、物事を望ましい状態に保つ活動です。勤怠管理・在庫管理・予算管理など「〇〇管理」と呼ばれる業務の多くは、この「基準・記録・是正」という同じ流れでできています。本記事では、管理の意味と目的、マネジメントとの違い、「管理」の語源と別の言い方、ヒト・モノ・カネ・情報という4つの種類、PDCAを使った基本の進め方を整理したうえで、うまくいかない管理者の特徴、属人化やExcel管理の失敗パターン、DXで管理業務を効率化する手順までを解説します。
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管理業務の手間が出やすいのは「記録と集計」|まず着手しやすい勤怠管理
管理の手間が集中しやすいのは、基準・記録・是正の3つのうち「記録」と「集計」です。多くの会社で最初に見直しやすいのは、毎日記録が発生する勤怠管理です。
基準を決めても、記録が紙やExcelに散らばり、月末にまとめて集計する運用では、ずれに気づくのが月末以降になり、是正が後手に回ります。デジタル化の対象として勤怠管理が選ばれやすいのは、毎日発生し全従業員が関わること、労働時間の把握が法令上も求められること、手作業の集計に手間がかかりやすいことの3つがそろうためです。
厚生労働省のガイドラインは、使用者に対し、労働日ごとの始業・終業時刻を確認して記録することを求めています。確認と記録の方法は、使用者自らが確認するか、タイムカードやICカード、パソコンの使用時間の記録などの客観的な記録を基礎にすることが原則とされています(厚生労働省労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン)。「記録を残し、基準と照らし、ずれがあれば正す」という管理の基本がそのまま求められる業務であり、管理のデジタル化を考える最初の題材に向いています。以下は、各サービスの商品ページで確認できた内容をもとに、役割の違いを整理した表です。
勤怠管理を見直すときの、2サービスの役割の違い
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:ジンジャー勤怠日本語・英語・インドネシア語・タイ語・ベトナム語の5言語に対応し、交通系ICカードやChatwork・Slackなど打刻の方法も選べます。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:カオナビ勤怠変形労働時間や36協定の設定を含め、自社の労働条件を細かく設定できます。
資料を無料ダウンロード| サービス | ジンジャー勤怠 | カオナビ勤怠 |
|---|---|---|
| 向いている会社 | 管理者が外出や在宅で、スマートフォンやパソコンから操作したい会社。外国人従業員が多い会社 | 自社の就業規則に合わせて細かく設定したい会社。給与計算など他のシステムとデータ連携したい会社 |
| 特徴 | 100種以上の集計項目から設定でき、申請の承認ルートは10段階まで設定可能。ジンジャー給与とはCSVを介さずに連携できる | 打刻・申請・承認・シフト・工数管理に対応。打刻忘れや残業超過などをアラートで通知し、勤務データはシステム上に5年間自動保存される |
| 注意したい点 | 勤怠管理以外の機能やサポートプランの一部にはオプション料金が発生する。サポート内容は加入プランで異なる | タブレット端末では一部のタッチ操作に非対応で、スマートフォンアプリでの動作保証はサポート対象外 |
| 資料・詳細 |
2サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)
まとめて資料をダウンロード表は横にスクロールできます。内容は2026年10月14日に各商品ページで確認したものです。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
毎日の打刻と月末の集計に手間がかかっている場合の一例が、jinjer株式会社が提供するジンジャー勤怠です。パソコン・スマートフォン・タブレットのほか、交通系ICカードやChatwork・Slackでの打刻に対応し、GPSやIPアドレスによる制限で不正打刻を防ぐ仕組みがあります。集計は100種以上の項目から設定でき、フレックスタイム制や裁量労働制といった勤務形態にも対応しています。一方で、勤怠管理以外の機能やサポートプランの一部にはオプション料金が発生するため、必要な範囲を事前に確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
ここがおすすめ!
- 初期設定から定着まで電話・チャット・WEBなどでサポート
- 24時間365日お問い合わせ可能
- スマホアプリ対応で場所を問わず簡単に打刻ができる
- 月末の締め日に見直すだけで簡単に勤怠管理ができる
- 個人だけでなくチーム全体の勤怠管理ができる
ここが少し気になる…
- スマホアプリだと申請や修正画面がわかりにくい
-
⚫︎自社ではエクセル管理からデジタルアプリへの移行だったため出退勤管理の手間や集計ミスの軽減につながり大幅な効率アップができた。 ⚫︎スマホ連携ができることで、営業の直行時や在宅勤務時もリアルタイムで打刻ができるようになった。(後修正の手間が省けた)
-
打刻の漏れや修正についての対応漏れが減った(対応率が向上した)また管理職としてメンバーの勤怠管理が容易になった。管理部門側での対応負荷も減ったようで業務時間が減少、効率化が実現できたため導入満足度は高かった
-
jinjer勤怠を利用することによって、取り急ぎ問題となっていた「社内システムでは不可能な日付を跨いだ打刻」に関する問題が解決しました。 また、個人個人で日勤・夜勤がバラバラになっているシフト管理も、あらかじめスケジュールを登録できることにより解決しました。現場の責任者からも「シフト表を作る手間が省けた!」と大変好評でした。 労務部の立場としても、無理なシフトになっていないかの連携がリアルタイムにできることは大きなメリットでした。
導入事例として、広告代理業の株式会社さんぽう(従業員380名)は、ジンジャー導入前の課題を次のように公開しています。
「当時の勤怠の管理方法がタイムカードと紙であり、各作業に非常に工数を要していた」「リアルタイムで労働時間管理がおこなえず、月中に残業の抑制ができなかった」
ジンジャー導入事例(2021年6月公開、https://hcm-jinjer.com/news/news-14546/)。個別の事例であり、同様の結果を保証するものではありません。
就業規則に合わせた細かい設定と、ほかのシステムとのデータ連携を重視する場合の一例が、カオナビ勤怠です。打刻はパソコン・タブレット・スマートフォン・ICカードリーダーに対応し、打刻忘れや残業時間の超過、休日出勤の未届け、申請の承認待ちなどをアラートで通知します。変形労働時間や36協定の設定など自社の労働条件を細かく設定でき、CSV連携またはAPI連携で給与計算などのシステムともつなげられます。一方で、タブレット端末では一部のタッチ操作に対応しておらず、スマートフォンアプリでの動作保証はサポート対象外とされているため、使う端末を事前に確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
ここがおすすめ!
- 「アラート機能」搭載で管理画面で素早い確認と管理が可能
- その日のスケジュールにあわせて使える3つの打刻方法を提供
- 打刻だけでなく、シフトや工数管理・テレワーク機能なと機能充実
ここが少し気になる…
- カオナビのオプション扱いのため、詳細な費用は問い合わせで確認
2つのサービスは優劣を示すものではなく、どちらにも向き不向きがあります。自社の勤務形態と、給与計算など連携したい仕組みが何かによって、合うサービスは変わります。勤怠管理はデジタル化できる管理業務の一例にすぎず、在庫や経費、顧客情報など、ほかの管理にも「基準・記録・是正」という見方は使えます。次の章から、管理そのものの意味と考え方を順に整理します。
管理とは|目的と基本的な考え方
管理とは、目標や基準を決め、対象の状態を把握し、基準からずれていれば正すことで、物事を望ましい状態に保つ活動です。日本国語大辞典は「管理」の意味を、1. 管轄し処理すること・取り仕切ること、2. 法律上、財産の性質を変えない範囲で保存し利用をはかること、3. 物の状態や性質が変わらないよう保ち続けること、4. 事務を経営し、設備の維持にあたること、の4つに分けています(杉野隆「「管理」という言葉」による整理)。
管理は、狭い意味ではコントロール(統制・調整)を指しますが、広い意味では、目標を定め、現状との差を明らかにし、その差を埋めるためにPDCAサイクルを回すことまでを含みます(パワー・インタラクティブ「「管理」とは何か?コンサルティング会社で行われていた説明」)。品質管理の分野でも、管理は目的を継続的かつ効率よく達成するための活動全般を指し、PDCAサイクルを持つことが前提だと説明されています(杉野隆、前掲)。本記事で扱う「基準・記録・是正」の流れ全体が、広い意味での管理にあたります。
ここで大切なのは、管理は「記録すること」そのものではない、という点です。タイムカードを押す、在庫表を付ける、顧客リストを作るといった行為は管理の材料にすぎません。集めた記録を基準と比べ、問題があれば手を打って初めて、管理として機能します。
管理を成り立たせる3つの要素
どんな対象の管理でも、次の3つがそろっているかどうかで機能するかが決まります。管理がうまくいっていないと感じるときは、どれが欠けているかを確かめると原因を特定しやすくなります。
| 要素 | 内容 | 欠けたときに起きること |
|---|---|---|
| 基準 | 望ましい状態を数字やルールで決める(残業は月の上限時間まで、在庫は発注点を下回ったら発注、など) | 良いのか悪いのか判断できず、記録がたまるだけになる |
| 記録 | 対象の実際の状態を、決まった形で残し続ける | 担当者の感覚や記憶に頼り、問題に気づくのが遅れる |
| 是正 | 基準とのずれを見つけたら、誰が何をするかを決めて手を打つ | 問題が見えていても放置され、同じトラブルが繰り返される |
管理とマネジメントの違い
「管理」は英語の「マネジメント(management)」の訳語として使われることが多いものの、日常の日本語では意味の幅に差があります。日本語の「管理」は、決めた基準どおりに物事を保つ「統制」のニュアンスが強い言葉です。一方で経営学でいうマネジメントは、目標そのものを設定し、人や資源を配分し、組織として成果を上げるための活動全般を指し、より広い概念として扱われます。
英語では、管理にあたる言葉としてadminister・control・manageの3つがあります。杉野隆は、administerを「組織に仕え、整然と運営すること」、controlを「設定した目標から外れないよう統制すること」、manageを「困難なことを手順を踏んで巧みに扱うこと」と整理し、日本語の「管理」は計画・実行・統制というサイクル全体をカバーする言葉だと考察しています(杉野隆「「管理」という言葉」)。
実務では、「管理職」「プロジェクト管理」のようにマネジメントに近い意味で使う場合と、「在庫管理」「勤怠管理」のように統制の意味で使う場合が混在しています。社内で「管理を強化する」と話すときは、基準どおりに保つ話なのか、目標や体制そのものを見直す話なのかをそろえておくと、議論がかみ合いやすくなります。
また、「管理」という言葉は、使い方によっては「人を信用せず縛る」という否定的な印象を与えることがあります。語の成り立ちを調べた研究でも、企業では管理の重要性が強調される一方、一般社会では嫌われやすい言葉だと指摘されています。上から行動を細かく制限する統制型の管理は、業務が多様になり現場の判断が求められる場面では、かえって成果を妨げることもあります。部下やチームについて話すときは「管理する」ではなく「支援する」「進捗を確認する」と言い換える、対象を人ではなく数字や仕組みに置くといった工夫で、管理本来の目的である「望ましい状態を保つ」ことに焦点を当てやすくなります。
「管理」の語源と、別の言い方・使い方
「管理」の別の言い方には、運営・運用・統制・コントロール・所管・マネジメントなどがあります。何を保ちたいのかによって、近い言葉が変わります。
「管理」は、もともと「管轄辦理」を略した言葉とされ、中国で17世紀末までに使われ始め、日本には18世紀中ごろに伝わったと整理されています。「管」は門の鍵、「轄」は車輪が外れないようにするくさびを指し、「権限をもって取り仕切る」という色合いの強い言葉です(杉野隆、前掲)。品質管理の分野では、戦後、英語のquality controlを「品質統制」と訳す案もありましたが、戦時の暗い印象が残る言葉だったため、「品質管理」という言葉が作られたとされています(同)。
| 言い換え | 近い意味 | 使う場面の例 |
|---|---|---|
| 運営 | 組織や制度、サービスを働かせ続けること | 店舗の運営、サイトの運営 |
| 運用 | 仕組みや制度を実際に使って回すこと | システムの運用、ルールの運用 |
| 統制・コントロール | 基準から外れないよう抑えること | 品質を統制する、コストをコントロールする |
| 所管・管轄 | 権限をもって受け持つ範囲 | 総務部の所管、管轄の官公庁 |
| 監督・監視 | 実行の状況を見張り、指示や確認をすること | 工事を監督する、アクセスを監視する |
| マネジメント | 目標設定から資源の配分、成果までを組み立てること | チームのマネジメント |
使い方は、次のように「何をどう保つか」を示す形が基本です。
- 「顧客情報を一元管理する」:対象を1か所に集め、状態を保つ使い方
- 「在庫管理を見直す」:「〇〇管理」の形で、基準と記録のしくみを指す使い方
- 「管理が行き届かない」:記録や是正が追いついていない状態を指す使い方
- 「管理職」「管理者」:管理を担う役割や人を指す使い方
管理の種類|ヒト・モノ・カネ・情報の4分類
管理の種類は、企業の経営資源である「ヒト・モノ・カネ・情報」の4つで分けると全体像をつかみやすくなります。名前の付いた管理業務の多くは、この4つのどれかに当てはまります。
| 分類 | 主な管理業務 | 基準の例 | 記録の例 |
|---|---|---|---|
| ヒト | 勤怠管理、シフト管理、人事評価、労務管理 | 所定労働時間、残業の上限、有給休暇の取得日数 | 打刻データ、シフト表、評価シート |
| モノ | 在庫管理、備品・資産管理、品質管理、生産管理 | 適正在庫数、発注点、不良率の許容範囲 | 入出庫記録、棚卸表、検査記録 |
| カネ | 予算管理、経費管理、売上・債権管理、原価管理 | 部門予算、経費規程、支払期日 | 会計帳簿、経費精算データ、請求・入金記録 |
| 情報 | 顧客管理、文書管理、案件・プロジェクト管理、情報セキュリティ管理 | 保存期間、アクセス権限、対応期限 | 顧客台帳、文書の版管理、進捗表、アクセスログ |
仕事の進め方そのものも管理の対象になる
4分類のほかに、仕事の進め方を管理する考え方もあります。リクルートマネジメントソリューションズ「業務管理とは? メリットや進め方、実施のポイントを解説」は、業務管理の種類として、タスク管理・時間管理(タイムマネジメント)・案件管理・顧客管理・従業員の健康管理を挙げています。誰のどの仕事が遅れているかを一覧にするタスク管理、期限に対して各工程の所要時間を見える形にする時間管理なども、期限や担当を基準とし、進捗を記録し、遅れを人員の調整で正す、という3要素に当てはめれば同じ見方で整理できます。
「何でも管理する」は逆効果になる
管理には必ず手間、つまり管理コストがかかります。記録を付ける時間、集計する時間、確認する時間はすべて、本来の業務の時間を削って生み出されています。細かい項目まで記録させた結果、現場が入力に追われ、肝心の確認は誰もしていないという状態は珍しくありません。
管理する対象を決めるときは、「問題が起きたときの損失が大きいもの」「法令や契約で記録が求められるもの」「判断に実際に使うもの」を優先し、それ以外は記録の頻度を下げる、項目を減らすといった割り切りも必要です。管理の目的は記録の量を増やすことではなく、望ましい状態を少ない手間で保つことにあります。
4つの管理はつながっている
4つは独立しているように見えて、実際にはつながっています。たとえば勤怠(ヒト)の記録は給与計算(カネ)の材料になり、在庫(モノ)の記録は発注や原価(カネ)の判断材料になります。管理のしくみを見直すときは、1つの記録が他のどの管理に使われているかをたどってみると、二重入力や転記ミスが起きている箇所が見つかりやすくなります。勤怠データを給与計算に渡す際の転記を減らしたい場合の一例として、ジンジャー勤怠は、従業員の勤怠データをCSVを介さずにジンジャー給与へ連携できると商品ページで紹介されています。
勤怠データを給与計算へ手作業で写している会社に
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管理の基本的な進め方|PDCAで回す
管理を継続的に進める代表的な枠組みが、PDCAサイクルです。Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の4段階を繰り返すことで、基準と実態のずれを見つけ、少しずつ状態を良くしていきます。もともとは製造業の品質管理の考え方として広まりましたが、現在は勤怠や経費、営業活動など、あらゆる管理業務に応用されています。
| 段階 | やること | 勤怠管理での例 |
|---|---|---|
| Plan(計画) | 目標と基準、記録の方法、確認する人とタイミングを決める | 月の残業上限を決め、週1回、上長が部下の残業時間を確認するルールを作る |
| Do(実行) | 決めた方法で記録を付け、業務を進める | 全員が出退勤を打刻し、残業は事前申請する |
| Check(評価) | 記録を基準と比べ、ずれとその原因を確かめる | 上限に近い人を洗い出し、特定の業務や時期に偏っていないかを見る |
| Action(改善) | ずれを正す手を打ち、必要なら基準や方法を見直す | 業務の割り振りを変える、申請ルールを分かりやすくする |
PDCAがうまく回らない原因は、ほとんどがCheckとActionにあります。計画を立てて記録を付けるところまでは進んでも、記録を見返す時間が確保されていない、見返しても誰が手を打つかが決まっていない、という状態では、サイクルが1周目で止まってしまいます。Planの段階で「いつ、誰が、何を見て、何を判断するか」まで決めておくことが、PDCAを回し続けるための最も確実な方法です。
回すコツは2つあります。1つ目は、Check(評価)からAction(改善)に移るまでの時間を短くすることです。確認だけで終わる、あるいは対策が遅れて状況がさらに悪化する、という事態は企業の中でよく起きます。2つ目は、Actionで実施した内容を、次のPlanの情報として入れることです。同じ失敗を繰り返さないために、対策の結果は次の計画に反映します(パワー・インタラクティブ「「管理」とは何か?コンサルティング会社で行われていた説明」の整理による)。
なお、変化の速い業務では、状況を観察して素早く判断・行動するOODAループ(観察・状況判断・意思決定・行動)が合う場面もあります。ただし、勤怠・在庫・経費のように基準がはっきりしていて、同じ作業が繰り返される管理業務では、PDCAが今も基本の考え方として有効です。
うまくいかない管理者の特徴と直し方
「ダメな管理者」と言われる人の特徴は、基準・記録・是正の3要素に当てはめると整理できます。下の表は本記事での整理であり、特定の調査結果ではありません。
| よくある特徴 | 欠けている要素 | 直し方 |
|---|---|---|
| 「ちゃんとやって」と言うだけで、基準を示さない | 基準 | 数字・期限・状態の形で、基準を言葉にして共有する |
| 報告や記録を集めるだけで、見返さない | 記録の活用 | 見る日と見る項目を決め、会議や指示で使う |
| ずれに気づいても、手を打たず先送りにする | 是正 | 誰がいつ何をするかを決め、CheckからActionまでの間隔を短くする |
| 手順や例外の扱いを、自分だけが知っている | 記録(属人化) | 手順と例外を文書やシステムの設定として残す |
| 行動の細部まで統制し、現場の判断を認めない | 基準の置き方 | 結果の基準を決め、やり方は任せる範囲を作る |
管理者が悪いというより、3要素のどれかが仕組みとして用意されていないことが原因になっている場合も少なくありません。人の努力に頼る部分を減らし、仕組みで補えるところを増やす方向で見直すと、改善が続きやすくなります。
管理業務でよくある失敗パターン|属人化とExcel管理の限界
管理がうまくいかない職場には、いくつかの共通する状態があります。特に中小企業で多いのは、特定の担当者しかやり方がわからない「属人化」と、Excelや紙で管理を続けてきたことによる限界です。代表的な失敗パターンと、改善後の状態を並べて整理します。
| 失敗パターン | Before(よくある状態) | After(改善後の状態) |
|---|---|---|
| 1. 属人化 | 集計方法や例外の処理が担当者の頭の中にあり、休むと業務が止まる | 手順とルールが文書やシステムの設定として残り、誰でも同じ結果を出せる |
| 2. 記録の目的化 | 毎日入力はしているが、誰も見返しておらず判断に使われていない | 見る人と見るタイミングが決まり、記録が会議や指示に使われている |
| 3. Excelファイルの乱立 | 部署や担当者ごとに別のファイルがあり、どれが最新か分からない | データの置き場所が1つに決まり、変更の履歴を追える |
| 4. 転記・二重入力 | 紙からExcel、Excelから別システムへ手で写し、ミスや遅れが出る | 一度入力したデータが自動で次の工程に渡る |
| 5. 基準の形骸化 | 何年も前に決めた基準が、今の業務量や体制に合っていない | 定期的に基準を見直す機会が予定に組み込まれている |
Excel管理が限界を迎えるサイン
Excelは手軽で柔軟なため、管理の入り口としては優れた道具です。問題になるのは、規模や関わる人が増えたあとも同じ使い方を続けたときです。次のような状態が見られたら、専用のシステムや共有の仕組みへの移行を検討する時期と考えられます。
- 同じファイルを複数人が同時に開き、上書きや保存の競合が起きる
- 関数やマクロの中身を作った本人しか理解しておらず、修正できない
- 月末や締め日に集計作業が集中し、担当者の残業が常態化している
- 過去の値を誰がいつ変えたのか、後から確認できない
- 外出先や在宅勤務の環境から入力・確認ができない
「一人しかわからない仕組み」という点では、小さなExcelファイルも大きなシステムも同じ構造の問題を抱えます。属人化とExcel管理が業務改革の妨げになる流れは、「DX業務改革とは?効率化との違いと進め方」でも整理しています。
管理業務の「手作業度」セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
DXで管理業務を効率化する進め方
DXで管理業務を効率化するとは、ツールを入れることではなく、基準・記録・是正の3要素をデジタルの仕組みに置き換え、手間を減らしながら判断の質を上げることです。業務全体を可視化・標準化・自動化の3段階で見直す考え方は「DXで業務効率化を進める方法|可視化・標準化・自動化の3ステップ」で詳しく解説しています。ここでは管理業務に絞って、次の順番で進めるとつまずきにくくなる点を整理します。
ステップ1|いまの管理業務を棚卸しする
まず、社内で行っている管理業務をヒト・モノ・カネ・情報の4分類で書き出し、それぞれ「誰が」「何を使って」「どのくらいの時間をかけて」行っているかを整理します。あわせて、紙からExcelへの転記や、締め日の集計のように、同じ情報を何度も扱っている箇所に印を付けておきます。この一覧が、どこからデジタル化するかを決める材料になります。
ステップ2|効果が出やすい1つから始める
棚卸しした業務のうち、「発生頻度が高い」「関わる人数が多い」「手作業のミスが起きやすい」の3条件を満たすものから着手すると、効果を実感しやすくなります。中小企業の多くでこの条件に当てはまるのが、全従業員が毎日打刻し、毎月集計が発生する勤怠管理です。小さく始めて効果を確かめ、社内に「便利になった」という実感をつくってから、在庫や顧客情報など次の管理業務に広げていく順番が現実的です。
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無料デモやトライアルで、使い心地を確かめてから決めたい
ステップ3|記録を自動化し、確認に時間を回す
デジタル化の効果は、記録と集計の手間が減ることだけではありません。浮いた時間を、これまで後回しになっていたCheck(評価)とAction(改善)に回せることが本当の価値です。たとえば勤怠管理システムでは、打刻が自動で集計されるだけでなく、残業時間が基準に近づいた人にアラートを出す機能を持つものもあります。基準とのずれを人が探しに行くのではなく、仕組みが知らせてくれる状態をつくることが、管理の質を上げる近道です。
ステップ4|つながる管理を増やしていく
1つの管理業務がデジタル化できたら、そのデータを他の管理に渡せないかを考えます。勤怠データを給与計算に連携する、案件の工数を原価の管理に使う、といった形で管理どうしがつながると、転記や二重入力がなくなり、経営の判断に使えるデータが自然とたまっていきます。中小企業庁の情報サイト「ミラサポplus」は、デジタル化を「いままでの業務のやり方」を電子化することと説明し、その目的を業務の効率化としています。そのうえで、デジタル化とDXに明確な区別はなく、デジタル化の先にDXがあると考えればよい、という整理を示しています(中小企業庁 ミラサポplus担当者に聞く「DXとは」)。業務効率化とDXの違いは「DX効率化とは?業務効率化との違いを経費精算の例で解説、進め方と課題も」でも解説しています。
最初の1つとして勤怠管理を選ぶ場合は、給与計算ソフトとの連携、スマートフォンからの打刻・申請、自社の勤務形態への対応という3点を比べると、次の段階に広げやすいサービスを選びやすくなります。前の比較表の「特徴」と「注意したい点」の行も、この3点の見方で読み返せます。
管理業務のデジタル化を検討する際のポイント
管理業務向けのシステムやツールを選ぶときは、機能の多さよりも「自社の管理の3要素に合うか」を基準に比べると失敗が少なくなります。検討時に確認したい観点を整理します。
| 観点 | 確認すること |
|---|---|
| 基準の設定 | 自社のルール(勤務形態、承認の流れ、発注点など)をそのまま設定できるか |
| 記録のしやすさ | 現場の人が迷わず入力できるか。スマートフォンや外出先から使えるか |
| 是正の支援 | 基準から外れたときにアラートや一覧で知らせる機能があるか |
| 連携 | 会計・給与など、データを渡したい他の仕組みと連携できるか |
| 費用と規模 | 利用人数に応じた料金体系か、無料プランや試用期間があるか |
| 運用体制 | 導入時の設定支援や問い合わせ窓口など、サポートの範囲はどこまでか |
導入前には、試用期間を使って実際の担当者に数週間使ってもらうことをおすすめします。管理する側にとって便利でも、記録する現場にとって手間が増える仕組みは定着しません。また、紙やExcelとの並行運用を長く続けると二重管理になるため、いつから旧来の方法をやめるかを事前に決めて関係者に伝えておくことも大切です。カオナビ勤怠は、導入前に無料のオンライン相談があり、無料のデモやトライアルでテスト環境の使用感を確かめられると商品ページで案内されています。料金や機能、法令への対応状況は変わる場合があるため、最終的な判断は各サービスの公式情報で確認してください。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 管理とは簡単にいうと何ですか?
A. 目標や基準を決め、対象の状態を把握し、基準からずれていれば正すことで、物事を望ましい状態に保つ活動です。記録を付けることは管理の材料であり、記録を使って判断・行動するところまでが管理です。
Q2. 管理とマネジメントの違いは何ですか?
A. 日本語の「管理」は、決めた基準どおりに保つ統制の意味合いが強い言葉です。マネジメントは、目標の設定や人・資源の配分も含め、組織として成果を上げるための活動全般を指す、より広い概念として使われます。
Q3. 「管理」の別の言い方は何ですか?
A. 運営・運用・統制・コントロール・所管・マネジメントなどがあります。基準から外れないよう抑える意味なら「統制」「コントロール」、組織や仕組みを動かし続ける意味なら「運営」「運用」、目標設定から成果までを含む意味なら「マネジメント」が近い言葉です。
Q4. 「管理」はどのように使いますか?
A. 「在庫の管理」のように名詞として、「データを管理する」のように動詞として使うほか、「管理職」「管理下」のように他の語と組み合わせて使います。何をどう保つかを示す形が基本です。人に対して使うと「縛る」印象を与えることがあるため、「進捗を確認する」「支援する」と言い換える場面もあります。
Q5. ダメな管理者の特徴は何ですか?
A. 本記事の整理では、基準を示さない、記録を見返さない、ずれに気づいても動かない、手順や例外を自分だけが知っている、行動の細部まで統制するといった特徴が挙げられます。基準・記録・是正のどれが欠けているかを確かめると、直す順番が見えてきます。
Q6. 管理業務のデジタル化は何から始めればよいですか?
A. 発生頻度が高く、関わる人数が多く、手作業のミスが起きやすい業務から始めると効果を実感しやすくなります。多くの企業では勤怠管理がこの条件に当てはまり、デジタル化の第一歩として選ばれやすい業務です。
まとめ|管理を機能させるための5つのこと
- 3要素をそろえる:基準・記録・是正のどれが欠けているかを確かめ、記録するだけの管理から抜け出します。
- 管理する対象を絞る:損失が大きいもの、法令で求められるもの、判断に使うものを優先し、管理コストを抑えます。
- PDCAの評価と改善を予定に組み込む:誰がいつ記録を見て判断するかを、計画の段階で決めておきます。
- 効果の出やすい1つからデジタル化する:勤怠管理のような毎日発生する業務から始め、つながる管理を増やしていきます。
- 資料で自社に合うかを確かめる:勤怠管理システムのように候補を絞れる業務は、資料を取り寄せ、自社の勤務形態や連携したい仕組みに合うかを確かめてから判断します。
参考文献
- 厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000149439.pdf
- 杉野隆「「管理」という言葉」(国士舘大学 情報科学センター、2011年)https://www.issj.net/conf/issj2011-papers/pfiles/6-2.pdf
- パワー・インタラクティブ「「管理」とは何か?コンサルティング会社で行われていた説明」https://www.powerweb.co.jp/blog/entry/2022/02/16/000000
- リクルートマネジメントソリューションズ「業務管理とは? メリットや進め方、実施のポイントを解説」https://www.recruit-ms.co.jp/glossary/dtl/0000000280/
- 中小企業庁 ミラサポplus「担当者に聞く「DXとは」」https://mirasapo-plus.go.jp/hint/19693/
- jinjer「【ジンジャー導入事例】属人的な管理体制からの脱却!リアルタイムでの実績確認により法律に基づいた管理体制の構築へ」https://hcm-jinjer.com/news/news-14546/
