押印とは?読み方・意味と署名・電子署名との違い、脱ハンコの進め方
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- 押印の読み方と捺印・署名との違いがわかる
- 押印を省略できる根拠と代わりに残す記録がわかる
- 脱ハンコの4ステップと電子契約サービスの選び方がわかる
押印(おういん)とは、書類に印鑑を押して、その内容を確認し同意したことを示す行為です。ビジネスでは、印字やゴム印で記した名前に押す「記名押印」を指すことが多く、契約の成立に押印は原則として必須ではありません。2020年6月に内閣府・法務省・経済産業省が公表した「押印についてのQ&A」でも、特段の定めがなければ押印がなくても契約の効力に影響しないと示されています。本記事では、読み方と意味、捺印・署名・電子署名との違い、押印を省略できる根拠、脱ハンコの進め方4ステップ、電子契約サービスの選び方を公的資料をもとに整理します。捺印との使い分けを詳しく知りたい方は捺印と押印の違いとは?署名捺印・記名押印の使い分けと電子契約での代わり方もご覧ください。
押印の電子化、自社に合う進め方を2問で診断
Q1. まず電子化したいのは?
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押印とは?意味・読み方と一言でいうと
押印とは、書類に印鑑(印章)を押して、その内容を本人が確認し、同意したことを示す行為です。読み方は「おういん」です。
ビジネスでは、印刷やゴム印などで名前を記した「記名」に印鑑を押す「記名押印」の意味で使われることが多く、手書きの署名に押す「捺印(なついん)」とは区別されます。一方、国語辞典などでは押印と捺印はどちらも「印を押すこと」と同じ意味で載っており、日常会話では区別せずに使われます。契約書の署名欄にどちらの言葉が書かれていても、まずは「誰が、どの形式で名前を記し、印鑑を押すのか」を確認することが大切です。
押印は、契約を成立させるための条件ではありません。民法では、契約は当事者の申込みと承諾の意思が合致すれば成立するのが原則で、書面の作成や押印は特段の定めがある場合を除いて必要とされていません。それでも押印が広く使われてきたのは、後から「その書類は本当に本人が作ったのか」が争いになったときに、証拠として役に立つからです。「押印は契約の成立要件ではなく、証明の手段の一つである」という点を押さえると、脱ハンコで何を代わりに残せばよいかが見えてきます(出典:内閣府・法務省・経済産業省「押印についてのQ&A」問1)。
押印の代わりとなる証明の手段として、近年は電子契約サービスによる電子署名が広く使われるようになりました。まず比較表でサービスの違いを確認し、そのあとで押印の法的な根拠や脱ハンコの手順を詳しく見ていきます。
押印の代わりになる電子契約サービス5選の比較
電子契約サービスは、契約の締結に強いもの、締結後の契約書管理に強いもの、取引書類全体や基幹システムとの連携に強いものに分かれます。押印をなくしたい書類と、電子化した後に何をしたいかで選ぶのが基本です。
以下は、各サービスの公式情報と商品ページをもとに、特徴と導入前に確認しておきたい点を整理したものです(2026年10月16日確認)。料金はプランやオプションによって変わるため、ここでは金額を記載していません。
押印をなくしたい書類に合う電子契約サービスの比較
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:電子印鑑GMOサイン立会人型と当事者型の両方に対応しており、契約の重要度に応じて署名方式を選べます。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:Contract One紙・PDF・電子契約の契約書をまとめてデータ化し、一元管理できます。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:マネーフォワード クラウド契約契約の作成から締結、保存、管理までを一つで完結でき、バックオフィス業務と連携しやすい設計です。
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|---|---|---|---|---|---|
| 向いている会社 | 契約書全般を幅広く電子化し、契約の重要度に応じて署名方式を使い分けたい会社 | 紙を含む既存の契約書をまとめて管理したい会社 | 契約書と見積書・請求書などの取引書類をまとめて扱いたい会社 | 会計・請求などバックオフィス業務と連携したい会社 | セキュリティやリスク管理を重視したい会社 |
| 特徴 | 立会人型と当事者型の両方の電子署名に対応。標準的なプランでも閲覧管理や役割権限の設定が使える | 紙・PDF・電子契約の契約書をAI-OCRと専門スタッフの確認でデータ化し、一元管理できる | 取引書類を案件・取引先別にワンストップで管理。基幹システムとの連携が可能で、年間定額制 | 契約書の作成から申請・承認、締結、保存、管理までを一つで完結。契約書の送信料・保管料がかからない | メガバンクの厳格なセキュリティ基準を採用。契約金額や期間を読み取るAI契約書管理を搭載 |
| 注意したい点 | 機能やオプションが豊富な分、すべて使うとオプション料金がかさむ場合がある | 導入時に業務フローの見直しが必要になる場合がある | 詳しい料金やプランの確認には問い合わせが必要 | 印影の表示方法にもう少し工夫の余地があるという声がある | フォルダ管理の自由度が低いという声がある |
| 資料・詳細 |
5サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)
まとめて資料をダウンロード表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
どのサービスを選ぶ場合も、最初に確認したいのは「立会人型」と「当事者型」のどちらの電子署名に対応しているかです。立会人型は、サービス事業者が利用者の指示を受けて電子署名を行う方式で、取引先はメールで届いたリンクから内容を確認して同意するだけなので、相手に負担をかけずに締結できます。当事者型は、契約する本人が電子証明書を取得して署名する方式で、手間はかかりますが本人性をより厳格に示せます。比較の観点は、この署名方式のほかに、取引先がアカウントなしで締結できるか、社内承認のワークフローがあるか、会計などの基幹システムと連携できるか、電子帳簿保存法の要件に沿って保存できるかの5点です。
取引先の数が多く、相手の業種や規模もさまざまな会社では、立会人型を基本にしつつ、金額の大きい契約や重要な契約だけ当事者型を使い分けられると運用しやすくなります。契約の重要度に応じて署名方式を変えたい会社の一例が、電子印鑑GMOサインです。立会人型と当事者型の両方に対応しており、併用もできます。標準的なプランでも閲覧管理や役割権限の設定などの機能が使える一方で、機能やオプションが豊富な分、すべてを使おうとするとオプション料金がかさむため、自社に必要な機能を先に決めてから見積もりを取るのがおすすめです。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトでご確認ください。
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社
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【レビュー】『GMOサイン』を実際に登録して使ってみた【使い方解説】
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紙の契約業務から解放されたのが一番のメリットです。
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導入することで契約締結のスピードが大幅に向上し、契約業務にかかる手間を削減できました。また、テレワーク環境でも円滑に契約業務を進めることが可能になり、業務効率がかなり向上しました。
雇用契約は法令により5年間の保存が義務づけられており、各事業所では印刷・押印・配布・回収・保管といった煩雑な作業が発生していました。(日建レンタコム株式会社)
出典:電子印鑑GMOサイン導入事例(日建レンタコム株式会社)
押印と捺印・署名・電子署名の違い
押印と捺印の違いは、名前の書き方にあります。印刷やゴム印の記名に印鑑を押すのが押印、自筆の署名に印鑑を押すのが捺印です。電子署名は、紙の署名や押印と同じ役割を電子データで果たすための技術的な仕組みです。
日常の会話では押印と捺印が同じ意味で使われることも多いのですが、契約実務では区別されます。4つの用語を並べると、次のように整理できます。
| 用語 | 意味 | 使われる主な場面 |
|---|---|---|
| 押印(記名押印) | 印刷・ゴム印・他人の代筆などで記した名前に印鑑を押す | 会社名と代表者名が印字された契約書、社内の申請書、受領確認 |
| 捺印(署名捺印) | 本人が手書きした署名に印鑑を押す | 個人との契約、重要な合意書、本人の意思をより明確に残したい書類 |
| 署名 | 本人が自筆で名前を書く。印鑑は押さない | 海外との契約、宅配便の受け取り、印鑑を使わない取引 |
| 電子署名 | 電子データが本人によって作られたこと、その後に改変されていないことを確認できるようにする措置 | 電子契約、電子申請、電子データでの請求や発注 |
証拠としての強さは、一般に「署名捺印」が最も高く、「記名押印」と「署名のみ」がそれに続くとされています。記名は本人以外でも書けるため、印鑑が本人のものであることが証明の支えになります。一方、署名は筆跡から本人が書いたことを確認できるため、印鑑がなくても一定の証明力があります。民事訴訟法第228条第4項が「署名又は押印」と並べて定めているとおり、条文のうえでは署名にも押印と同じく文書の成立を推定させる働きがあります。海外では署名だけで契約を結ぶのが一般的なのは、このためです。
契約書の「署名及び捺印」「署名または捺印」「署名の場合は押印不要」とは
契約書の署名欄には、似た言い回しがいくつかあります。意味は、言葉どおりに読むのが基本です。
| 契約書の表記 | 読み方の基本 | 押印・署名のどちらが必要か |
|---|---|---|
| 署名及び捺印(署名捺印) | 自筆の署名と印鑑の両方が必要という意味 | 両方が必要 |
| 署名または捺印(署名又は押印) | どちらか一方があればよいという意味。民事訴訟法第228条第4項の「署名又は押印」と同じ構造 | どちらか一方でよい |
| 記名押印 | 印字・ゴム印などの記名に印鑑を押すという意味 | 記名と押印の両方が必要 |
| 署名の場合は押印不要 | 自筆で署名するなら印鑑は省略できるという意味 | 署名があれば押印は不要 |
ただし、どの形式で足りるかは契約書の文言や取引先の社内ルールによって異なり、重要な契約では署名と押印の両方を求められることもあります。迷う場合は、契約書の署名欄の表記に合わせたうえで、取引先や専門家に確認してください。
電子署名と電子印鑑の違い
電子署名は、電子署名法(電子署名及び認証業務に関する法律)の第2条で定義されています。電子データについて行われる措置であって、そのデータが本人によって作成されたことを示すものであり、かつ改変が行われていないかを確認できるもの、という2つの条件を満たすものが電子署名に当たります(出典:e-Gov法令検索「電子署名及び認証業務に関する法律」)。紙の押印が「誰が」を示すだけなのに対し、電子署名は「誰が」に加えて「その後に書き換えられていないか」まで確認できる点が大きな違いです。
なお、印影の画像を電子データに貼り付けただけの「電子印鑑」は、見た目は押印と同じでも、それだけでは電子署名法の電子署名には当たらない場合があります。画像は誰でも複製できるため、本人が作成したことや改変されていないことを確認できないからです。社内の回覧など確認の記録として使う分には便利ですが、取引先との契約書では、電子署名の仕組みを備えた電子契約サービスを使うのが安全です。印鑑の種類(実印・銀行印・認印・角印)ごとの使い分けは、捺印と押印の違いとは?署名捺印・記名押印の使い分けと電子契約での代わり方で詳しく解説しています。
押印はいつから省略できる?法的根拠と政府のQ&A
押印は、法律で特に求められている場合を除いて、今でも省略できます。2020年6月に内閣府・法務省・経済産業省が公表した「押印についてのQ&A」で、契約に押印がなくても効力に影響しないことが示され、同年以降の押印見直しをきっかけに、民間でも脱ハンコが広がりました。
民事訴訟法と「二段の推定」
押印が証拠として重視されてきた根拠は、民事訴訟法第228条第4項です。同項は、私文書は本人またはその代理人の署名または押印があるときは、真正に成立したものと推定すると定めています(出典:e-Gov法令検索「民事訴訟法」)。さらに判例では、文書の印影が本人の印章によるものであれば、本人の意思で押されたものと推定されるとされてきました。この2つを合わせて「二段の推定」と呼びます。なお、同法第229条は、文書の成立の真否は筆跡または印影の対照によっても証明できると定めており、署名の筆跡も証明の材料になります。
ただし、押印についてのQ&Aは、この推定は相手方の反証によって破られうるものであり、証明の負担が軽くなる程度は限定的だとしています。二段の推定は認印にも適用されうる一方で、認印の場合は、印影と本人の印章が一致することを相手が争ったときに、その一致を証明する手段がないと推定が及ぶことは難しいと整理されています(出典:押印についてのQ&A問4・問5)。実印であれば印鑑証明書で一致を示しやすい、という違いがあります。
押印の代わりに残すべき記録
押印についてのQ&Aは、押印を省略する場合に文書の成立を証明する手段として、次のような記録の保存を挙げています。継続的な取引では取引先とのメールの送受信記録、新規の取引では契約締結前の本人確認情報や契約の成立過程の記録、そして電子署名や電子認証サービスの活用です(出典:押印についてのQ&A問6)。脱ハンコは「押印をやめる」だけでは不十分で、これらの記録を仕組みとして残すことが前提になります。
電子署名法による電子契約の位置づけ
電子署名法は2001年4月に施行された法律で、第3条において、本人による電子署名(本人だけが行えるよう適正に管理されたものに限る)が行われている電子データは真正に成立したものと推定すると定めています。これは紙の文書における民事訴訟法第228条第4項と同じ役割を、電子データに与えるものです(出典:法務省「電子署名法の概要と認定制度について」)。
サービス事業者が利用者の指示を受けて署名する立会人型の電子契約サービスについては、総務省・法務省・経済産業省が2020年に電子署名法第2条・第3条に関するQ&Aを公表しており、第3条のQ&Aは2024年1月にデジタル庁・法務省が一部改定しています。一定の要件を満たせば立会人型でも電子署名法上の電子署名に当たりうる、との考え方が示されています(出典:電子契約サービスに関するQ&A(電子署名法第3条関係))。ただし、第3条の推定が働くかどうかは、本人確認の方法など個別のサービスの仕組みによって判断が分かれる余地があるため、重要な契約では当事者型の併用や二要素認証の設定を検討してください。
電子署名はどう手に入れる?立会人型と当事者型
電子契約で使う電子署名の入手方法は、署名方式によって異なります。立会人型は、電子契約サービスのアカウントを作れば利用でき、利用者が電子証明書を自分で用意する必要はありません。取引先もメールのリンクから同意する形で締結できます。当事者型は、契約する本人が認証局から電子証明書を取得して署名します。
当事者型で使う電子証明書には、会社の代表者向けの商業登記電子証明書と、個人向けのマイナンバーカードの署名用電子証明書などがあります。商業登記電子証明書は法務局(登記所)が発行し、行政手続のオンライン申請や企業間の電子契約に利用できます(出典:法務省「商業登記電子証明書」)。2026年7月21日からは、電子証明書と署名鍵を法務省のクラウド環境に保管し、さまざまな端末から電子署名ができる「商業登記リモート署名」も始まっています(出典:法務省「商業登記リモート署名の利用方法」)。マイナンバーカードの電子証明書は公的個人認証サービス ポータルサイトに取得の流れがまとまっています。どの電子証明書が使えるかは電子契約サービスごとに異なるため、導入前に対応状況を確認してください。
今も書面や押印が求められる主な場面
押印が原則不要になったとはいえ、法律で書面や公正証書が求められる契約、登記など印鑑証明書を添付する手続き、金融機関の口座開設で届出印が必要な場面など、今も押印や紙の書面が必要なケースは残っています。たとえば事業用定期借地権の設定契約は、借地借家法第23条第3項で公正証書によることが求められています(出典:e-Gov法令検索「借地借家法」)。電子化の対象を決める際は、こうした例外を先に洗い出しておくことが重要です。
本記事は押印や電子署名に関する一般的な情報を整理したものであり、個別の契約についての法的助言ではありません。具体的な契約で押印の要否や電子化の可否を判断する際は、弁護士などの専門家や、所管する行政機関にご確認ください。
押印の位置と契印・割印・訂正印の基本
押印する位置は法律で決まっておらず、書式と慣習に従うのが基本です。署名欄や記名欄の名前の右横、「印」の文字がある場合はその上に、はっきり読める印影になるよう押します。
| 種類 | 押す場所 | 目的 |
|---|---|---|
| 押印・捺印 | 署名欄・記名欄の名前の右横(「印」の文字があればその上) | 本人が内容に同意したことを示す |
| 契印 | 複数ページにまたがる書類の綴じ目(袋とじの場合は製本テープとの境目) | ページが一つの書類としてつながっていることを示す |
| 割印 | 2通以上の書類にまたがる位置(重ねて押す) | 同じ内容の書類が複数あることを示す |
| 訂正印 | 訂正した箇所 | 訂正が本人の意思によるものであることを示す |
| 捨印 | 書類の欄外 | 軽微な誤りを後から訂正できるよう、あらかじめ押しておく |
捨印は、後から書き換えられるおそれがあるため、押す必要が本当にあるかを確かめたうえで使います。実印を押す書類では、印鑑証明書の印影と一致するよう、文字や枠に重ならない位置に押すのが一般的です。印鑑の種類ごとの使い分けは捺印と押印の違いとは?署名捺印・記名押印の使い分けと電子契約での代わり方、押印の法的効力の細かい論点は押印の法的効力とは?二段の推定の仕組みと覆るケース、電子署名法第3条との違いで扱っています。
印鑑がないとき、代わりに押す・使えるものは?
法律で決められた「印鑑の代わり」は特にありません。民事訴訟法第228条第4項が「署名又は押印」と定めているため、手元に印鑑がなければ、取引先が認めるなら手書きの署名で足りる場合があります。認印やシャチハタは手軽ですが、重要な書類では印影の同一性を示しにくいため向きません。取引書類を電子化するなら、電子署名の仕組みを備えた電子契約サービスが印鑑の代わりになります。どの形式で足りるかは書類と取引先ごとに異なるため、事前に確認してください。電子契約は一つの電子ファイルに署名する形なので、ページごとに契印や割印を押す作業もなくなります。
脱ハンコの進め方4ステップ
脱ハンコは、対象書類の棚卸し、社内規定の見直し、ツールの選定、導入と運用開始の4ステップで進めます。いきなりツールを選ぶのではなく、どの書類を、誰の承認で、どの方法に置き換えるかを先に決めることが失敗を防ぐ近道です。電子化とは、紙の書類を電子データに置き換え、押印や署名も電子署名や承認の記録に置き換えることを指します。業務全体の見直し方はDX業務改革とは?効率化との違いと進め方もあわせてご覧ください。
ステップ1:押印している書類を棚卸しし、優先度をつける
最初に、社内で押印している書類をすべて書き出します。部署ごとに「書類名」「年間の件数」「押印する人」「押印の根拠(法律か社内の慣習か)」「相手(社内か取引先か官公庁か)」を記入してもらうと、全体像がつかめます。そのうえで、次の表の考え方で電子化の優先度をつけます。
| 書類の種類 | 電子化のしやすさ | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 社内の申請書・稟議書・回覧 | 高い | 相手の同意が不要で、社内規定を変えれば始められる。最初の対象に向いている |
| 取引先との継続的な契約書・発注書 | 中程度 | 件数が多く効果が大きい。取引先の了解を得る手順が必要 |
| 個人の顧客との契約書 | 中程度 | スマートフォンで同意できるか、本人確認をどうするかを確認する |
| 法律で書面や公正証書が求められる契約 | 低い | 電子化の可否を個別に確認し、当面は紙で残す |
| 官公庁・金融機関への提出書類 | 提出先による | 提出先が電子申請や押印省略に対応しているかを確認する |
棚卸しの際に見落としやすいのが、過去に紙で結んだ契約書です。新しい契約だけを電子化すると、紙の契約書と電子契約が別々に管理され、更新期限の確認や契約内容の検索に手間がかかります。キャビネットに眠っている契約書も含めて、どこに何があるかを一覧にしておくと、後のステップで管理方法を決めやすくなります。
紙の契約書の量が多い会社では、この棚卸しと台帳化そのものを外部のサービスに任せる方法もあります。たとえばContract One(Sansan株式会社)は、紙・PDF・電子契約といった形態の異なる契約書を、AI-OCRと専門スタッフの確認によってデータ化し、一元管理できるサービスです。親契約と個別契約のひも付けや、契約期限が近づいた際のアラート通知にも対応しているため、「押印をやめる前に、まず既存の契約書を把握したい」という会社に向いています。一方で、導入時に契約書の受付や保管の業務フローを見直す必要が出る場合があるため、法務部門と現場の担当者を交えて導入の進め方を決めておくと安心です。

ここがおすすめ!
- あらゆる契約書を正確にデータ化し、AIで扱いやすいデータベースを構築
- Contract One内で生成AIを活用することで、法務部門に限らず全社での契約データの活用を促し、さまざまな部門の課題を解決
- 法改正への対応をサポート
ここが少し気になる…
- 導入時、業務フローの見直しが必要な場合も
今回Contract Oneを導入し契約書を一元的に管理することで、必要な契約書を迅速に確認できるようになったほか、属人的な管理に伴うリスクを抑え、期日管理の精度向上にもつながっています。(イオンマーケティング株式会社の事例)
出典:Sansan株式会社ニュース(2026年1月22日)
ステップ2:社内規定を見直し、押印の代わりを決める
次に、印章管理規程や稟議規程、職務権限規程など、押印を前提にした社内規定を見直します。規定に「決裁者の押印をもって承認とする」と書かれたままでは、電子化しても正式な承認として扱えないためです。見直しでは、押印を何に置き換えるかを書類ごとに決めます。社内の申請はワークフローシステム上の承認記録、取引先との契約は電子署名、少額の発注はメールでの合意記録、といった具合です。
あわせて、誰がどの金額までの契約を電子署名で締結できるかという権限と、電子契約サービスのアカウントを誰が管理するかも決めておきます。紙の時代は「社印を金庫で管理する」ことで押印の権限を統制していましたが、電子契約ではアカウントとパスワードがその役割を担います。担当者が異動や退職をしたときにアカウントを停止する手順まで決めておくと、なりすましによる締結を防げます。
ステップ3:業務に合ったツールを選ぶ
ツールを選ぶときは、機能の多さよりも、自社の業務の流れに合うかを重視します。確認したいのは、立会人型と当事者型のどちらに対応しているか、取引先がアカウントなしで締結できるか、ワークフロー(社内承認)の機能があるか、既存の会計・販売管理などの基幹システムと連携できるか、電子帳簿保存法の要件に沿って保存できるか、の5点です。料金体系も、送信件数に応じた従量課金か、利用者数に応じた課金か、年間定額かによって、自社の件数での総額が大きく変わります。
契約書だけでなく、見積書・発注書・請求書といった取引書類全体の押印や郵送をなくしたい会社では、契約単体ではなく取引の流れ全体を扱えるツールが候補になります。見積書の電子化の進め方は見積とは?見積書の電子化の進め方|承認フローと電子保存まで解説で整理しています。この場合の一例が、Biz Connection(株式会社フォーカスシステムズ)です。企業間取引で受け渡す書類を案件・取引先別にワンストップで管理できるBtoBプロセスプラットフォームで、基幹システムとの連携に対応しており、登録するデータを他のシステムから自動で取り込めるため、手作業での転記やファイル添付を減らせます。契約書ごとの従量課金ではなく年間定額制のため、取引件数が多い会社ほど費用の見通しを立てやすい点も特徴です。詳しい料金やプランは問い合わせが必要なため、自社の年間の取引件数を棚卸しの結果から把握したうえで相談するとスムーズです。
株式会社フォーカスシステムズ
Biz Connection
株式会社フォーカスシステムズ
Biz Connection
取引を明確化・効率化!生産性向上・コスト削減を目指す企業におすすめ
料金:要問い合わせ
ここがおすすめ!
- 取引書類のワンストップ管理によって業務を効率化できる
- 業務の自動化により、手作業によるミスゼロを実現
- 年間定額制・従量課金制からの見直しで大幅なコスト削減が可能
ここが少し気になる…
- 詳しい料金やプランについては問い合わせが必要
月10時間、年間では120時間相当の業務時間削減、コンプライアンス強化、情報検索の効率化など、大きな成果を上げている。(株式会社TS東京の事例)
出典:Biz Connection導入事例(株式会社TS東京)
Biz Connection
見積書・発注書・請求書まで、押印と郵送が残っていませんか?
こんな会社に向いています
契約書だけでなく取引書類もまとめて管理したい会社
基幹システムとの連携で、転記や添付の手間を減らしたい会社
ステップ4:取引先に案内し、小さく導入して広げる
ツールが決まったら、いきなり全社・全取引先に広げるのではなく、社内の申請書や、取引量の多い一部の取引先との契約から始めます。取引先には、電子契約に切り替える理由、締結の手順、相手側で費用がかからないことなどを事前に案内し、了解を得てから送信します。電子契約に対応できない取引先もあるため、しばらくは紙と電子の両方で締結できる運用を残しておくことが大切です。
運用開始後は、1か月から3か月ほどで、締結までの日数、郵送・印刷の件数、取引先からの問い合わせ内容を振り返ります。締結までの日数が短くなっているか、取引先がつまずいている手順はないかを確認し、案内文やマニュアルを改善してから対象を広げます。電子化した契約書の保管方法や検索の仕方も、この段階で社内に周知しておくと、紙の時代と同じように「契約書がどこにあるかわからない」状態を防げます。
脱ハンコの進め方、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
業種・目的別の電子契約サービスの選び方
電子契約サービスは、業種ごとの法律や、社内のどの業務とつなげたいかによって向き不向きが分かれます。不動産・建築業なら業法への対応、バックオフィスの効率化が目的なら会計や請求との連携、金融機関との取引が多いならセキュリティ基準を重視して選びます。
不動産・建築業の契約を電子化するなら
不動産取引では、2022年5月18日に施行された宅地建物取引業法の改正などにより、重要事項説明書(35条書面)や契約締結時の書面(37条書面)に宅地建物取引士が押印する必要がなくなり、相手方の承諾を得たうえで電磁的方法で提供できるようになりました(出典:国土交通省「不動産取引時の書面が電子書面で提供できるようになります」)。ただし、宅地建物取引士の記名の扱いや、重要事項説明を行ってから契約を締結するという順序など、一般的な契約書にはない確認点があります。業法の要件は、汎用の電子契約サービスでも運用ルールで補えますが、導入前にサービスごとの対応状況を資料で確認しておくと安心です。業界ごとの押印の事情は押印の法的効力とは?二段の推定の仕組みと覆るケース、電子署名法第3条との違いもあわせてご覧ください。
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契約書の電子化の効果を大きくしたいなら、締結した契約の情報が、そのまま支払いや請求、従業員の管理といったバックオフィス業務に流れる状態をつくることが大切です。契約金額や支払条件を、締結後に経理担当者が会計ソフトへ手で入力し直していると、電子化しても二重入力の手間は残ります。
マネーフォワード クラウド契約(株式会社マネーフォワード)は、契約書の作成から申請・承認、締結、保存、管理までを一つのサービスで完結できる電子契約・契約書管理サービスです。紙の契約書や他社の電子契約サービスで締結した契約書もまとめて管理でき、契約データを債務管理や人事管理に連携できます。契約書の送信料や保管料がかからないため、契約件数が増えても追加の費用を気にせず使えます。一方で、ハンコの印影の表示にもう少し工夫がほしいという利用者の声もあるため、取引先に見せる印影の体裁を重視する場合は、無料トライアルで実際の表示を確認しておくと安心です。

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契約締結までの時間が大幅に短縮され、印紙代や郵送コストも削減できました。契約書の一元管理が可能になり、検索性も向上したため、必要な時にすぐにアクセスできます。また、契約更新のリマインダー機能のおかげで、更新漏れのリスクも軽減されました。テレワーク環境下でも、場所を選ばずに契約業務を進められるようになったことも大きなメリットです。
-
契約書を印刷して捺印してスキャンしてメールに添付して送付…という一連の手間を大幅削減できたこと。
営業活動においては見積書を出して、その後に注文書、そして最後に請求書と複数の書類が存在するため、それらをクラウド上で一元管理できるのは、非常に便利だなと感じています。(株式会社ワンオールシステムの事例)
出典:マネーフォワード クラウド契約 導入事例(株式会社ワンオールシステム)
金融機関との取引が多く、セキュリティを重視するなら
金融機関や医療機関、大企業との取引が多い会社では、電子契約サービスを導入する際に、取引先からセキュリティチェックシートへの回答を求められることがあります。どのような基準でサービスが運用されているか、第三者による監視が行われているかを説明できるサービスを選ぶと、取引先の社内審査を通りやすくなります。
SMBCクラウドサイン(SMBCクラウドサイン株式会社)は、メガバンクの厳格なセキュリティ基準で定期的にモニタリングされている電子契約サービスです。導入企業には銀行や病院も含まれており、セキュリティチェックへの対応事例が多い点は、慎重な取引先を持つ会社にとって安心材料になります。契約金額や契約期間を自動で読み取って登録するAI契約書管理の機能もあり、契約書管理台帳を手作業で更新する負担を減らせます。一方で、フォルダ管理の自由度が低いという声もあるため、部署別や取引先別など自社の管理ルールに合うかを事前に確認しておきましょう。

ここがおすすめ!
- AI契約書管理機能搭載
- メガバンクの厳格なセキュリティ基準が採用されている
ここが少し気になる…
- フォルダ管理の自由度が低い
発注ルールの整備とクラウドサインの導入により一元管理を実現。案件の適正化、効率化に貢献。(株式会社山一建設の事例)
出典:SMBCクラウドサイン導入事例(株式会社山一建設)
押印の電子化でよくある失敗パターン
押印の電子化の失敗は、規定を変えずにツールだけ入れる、取引先への案内をしない、紙と電子の契約書を別々に管理する、の3つに集中します。スイッチを切り替えると、それぞれの回避策を確認できます。
失敗1:規定を変えずにツールだけ導入。稟議規程が押印前提のままで、電子で承認した書類を経理が受け付けず、結局印刷して押印し直す二度手間になる。
失敗2:取引先に案内せずにいきなり送信。見慣れないメールを不審に思った取引先が開かず、締結が止まったまま問い合わせが相次ぐ。
失敗3:紙と電子の契約書を別管理。更新期限の確認に紙のキャビネットと電子契約サービスの両方を見る必要があり、自動更新の解約期限を見落とす。
3つの失敗に共通するのは、脱ハンコを「ツールの導入」と捉え、押印を前提にした社内のルールや取引先との関係、既存の書類の扱いを後回しにしている点です。押印についてのQ&Aが示すとおり、押印を省略しても契約の効力は変わりませんが、その代わりに文書の成立を証明できる記録を残す仕組みが必要です(出典:押印についてのQ&A)。規定、取引先への案内、契約書の一元管理の3つを導入の前に決めておけば、二度手間や締結の停滞は大きく減らせます。電子契約に切り替えた後の収入印紙の扱いは、契約書の収入印紙とは|課税文書の判定基準と号分類の考え方で整理しています。
押印業務のコストを数値で確認する
押印には、印刷、製本、押印のための回付、郵送、返送の確認、保管といった作業時間と費用がかかります。以下のシミュレーターに自社の条件に近い数字を入れて、押印業務にかかる年間の費用と時間を試算してみてください。
押印業務の年間コスト試算
年間で、郵送費が約66,000円、作業時間が約200時間かかる計算です(簡易計算であり、印刷代・保管スペース・締結までの待ち時間は含みません。電子化する場合はサービスの利用料が別途かかります)。
1件あたりの作業は短く見えても、件数と12か月を掛けると、担当者の業務時間のかなりの部分を押印業務が占めていることがわかります。郵送料は2024年10月の郵便料金改定後の定形郵便物(50g以下)の110円で計算しており、契約書を2部製本して送り、1部を返送してもらう往復の2通を想定しています(出典:日本郵便「国内の料金表(手紙・はがき)」)。実際には、製本した契約書が定形外郵便になる場合や、返送用の封筒を同封する場合もあり、費用はさらに増えます。
もう一つ見落とされやすいのが、締結までの待ち時間です。郵送でのやりとりでは、発送から返送までに1週間以上かかることも珍しくなく、その間は取引の開始や請求ができません。電子契約に切り替えると、郵送費と作業時間の多くがなくなるだけでなく、取引先がその日のうちに締結できれば、取引の開始を早められます。試算した結果と、検討しているサービスの利用料を並べて比較すると、自社にとって電子化が見合うかを判断しやすくなります。
費用以外に押印が抱える3つの課題と、脱ハンコのメリット
押印の負担は、試算に表れる郵送費や作業時間だけではありません。1つ目は、業務の停滞です。紙の書類は決裁者の机を順番に回るため、決裁者が出張や休暇で不在だと承認が止まり、差し戻しがあれば最初から回し直すことになります。2つ目は、働く場所の制約です。印鑑と紙の書類は会社にあるため、在宅勤務の日でも押印のためだけに出社する必要が生じ、テレワークを取り入れにくくなります。3つ目は、管理上のリスクです。紙の契約書は紛失や持ち出し、保管場所の不足といった問題を抱えやすく、印鑑そのものも、保管が甘いと権限のない人に押されるおそれがあります。
脱ハンコを進めると、これらの課題にまとめて対応できます。承認や締結がパソコンやスマートフォンで完結するため、決裁者が社外にいても手続きが進み、場所を選ばない働き方に対応しやすくなります。電子契約サービスでは、誰がいつ承認・締結したかが操作の履歴として残り、多くのサービスでは電子署名に加えて、その時刻以降に書類が書き換えられていないことを示すタイムスタンプも付与されるため、改変やなりすましを後から確認しやすくなります。書類が電子データで保存されることで、保管スペースが不要になり、取引先名や契約日で検索できる点も、紙にはない利点です。ただし、こうしたメリットは、ツールを入れるだけでは得られません。前述の4ステップのとおり、対象書類の棚卸しと社内規定の見直しを先に済ませ、アカウントや権限の管理ルールを決めたうえで導入することが前提になります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 押印とはどういう意味ですか?読み方も教えてください。
A. 押印(おういん)は、書類に印鑑を押して、その内容を確認し同意したことを示す行為です。ビジネスでは、印刷やゴム印などで記した名前に印鑑を押す「記名押印」の意味で使われることが多く、捺印(なついん)は手書きの署名に印鑑を押すことを指すのが一般的です。
Q2. 契約書は「捺印」と「押印」のどちらを使えばよいですか?
A. ビジネスでは記名押印で足りる契約書が多い一方、不動産取引など重要度の高い契約では署名捺印を求められることもあります。どちらが必要かは契約の内容や取引先によって異なるため、契約書の署名欄の表記に合わせ、迷う場合は取引先や専門家に確認してください。
Q3. 契約書に押印がないと契約は無効になりますか?
A. 法律に特別の定めがある場合を除き、無効にはなりません。契約は当事者の合意で成立し、押印は成立の要件ではないと、内閣府・法務省・経済産業省の「押印についてのQ&A」でも示されています。ただし、後から争いになったときに備えて、メールの履歴や電子署名など合意を証明できる記録を残しておくことが大切です。
Q4. 電子契約に法的な効力はありますか?
A. はい、あります。電子署名法第3条により、本人による電子署名(本人だけが行えるよう適正に管理されたもの)が行われた電子データは、真正に成立したものと推定されます。立会人型の電子契約サービスについても、一定の要件を満たせば電子署名法上の電子署名に当たりうるとの考え方が、総務省・法務省・経済産業省から示されています。
Q5. 印影の画像を貼る電子印鑑は電子署名になりますか?
A. 印影の画像を貼り付けただけでは、電子署名法の電子署名に当たらない場合があります。画像は複製でき、本人が作成したことや改変されていないことを確認できないためです。取引先との契約書では、電子署名の仕組みを備えた電子契約サービスを使うのが安全です。
Q6. 押印をやめられない書類はありますか?
A. 法律で公正証書や書面が求められる契約、印鑑証明書を添付する登記などの手続き、金融機関の届出印が必要な手続きなどは、今も押印や紙の書面が必要な場合があります。電子化の対象を決める前に、こうした例外を洗い出しておくことが大切です。
まとめ|押印の見直しで押さえる4つのこと
押印は契約の成立要件ではなく、本人が同意したことを証明する手段の一つです。押印の意味と脱ハンコの進め方を整理すると、次の4つに集約できます。
- 押印と捺印・電子署名の違いを知る:押印は記名押印、捺印は署名捺印で、電子署名は本人性と改変されていないことを確認できる仕組みです。
- 押印を省略する代わりの記録を残す:押印がなくても契約の効力は変わりませんが、本人確認やメールの履歴、電子署名などの記録が必要です。
- 棚卸しと規定の見直しから始める:押印している書類を洗い出し、社内の申請書から優先的に電子化し、押印前提の規定を改定します。
- 業種と目的に合う電子契約サービスを選ぶ:署名方式、取引先の負担、基幹システムや会計との連携、業法への対応、セキュリティ基準を比べて選びます。
まずは自社で押印している書類を一覧にし、社内の申請書のように始めやすいものから押印の代わりを決めるところから着手してみてください。
参考文献
- 内閣府・法務省・経済産業省「押印についてのQ&A」(2020年6月19日):https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00095.html、2026年10月16日確認
- 法務省「電子署名法の概要と認定制度について」:https://www.moj.go.jp/MINJI/minji32.html、2026年10月16日確認
- 総務省・法務省・経済産業省「電子契約サービスに関するQ&A(電子署名法第3条関係)」(2020年9月4日、2024年1月9日一部改定):https://www.moj.go.jp/content/001327658.pdf、2026年10月16日確認
- 法務省「商業登記電子証明書」:https://www.moj.go.jp/ONLINE/CERTIFICATION/index.html、2026年10月16日確認
- 法務省「商業登記リモート署名の利用方法」:https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00236.html、2026年10月16日確認
- 公的個人認証サービス ポータルサイト:https://www.jpki.go.jp/、2026年10月16日確認
- 国土交通省「不動産取引時の書面が電子書面で提供できるようになります」:https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo16_hh_000001_00036.html、2026年10月16日確認
- 日本郵便「国内の料金表(手紙・はがき)」:https://www.post.japanpost.jp/send/fee/kokunai/one_two.html、2026年10月16日確認
- e-Gov法令検索「電子署名及び認証業務に関する法律」:https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000102、2026年10月16日確認
- e-Gov法令検索「民事訴訟法」:https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109、2026年10月16日確認
- e-Gov法令検索「借地借家法」:https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000090、2026年10月16日確認

