契約書の収入印紙とは|課税文書の判定基準と号分類の考え方
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- 収入印紙が必要な契約書の判定がわかる
- 契約書が2通ある場合の貼り方と負担がわかる
- 貼らなくてよいケースと電子契約の扱いがわかる
契約書に収入印紙が必要なのは、印紙税法の課税文書(第1号から第20号まで)に当たる契約書だけです。契約書という名前でも雇用契約書や単発の商品売買契約書のように貼らなくてよいものがあり、反対に「覚書」や「請書」という名前でも課税されることがあります。貼る義務を負うのは契約書の作成者で、同じ契約書を2通作って各自が持つ場合は、それぞれが契約の成立を証明する目的で作られていれば2通とも課税文書として扱われます。貼り忘れると本来の印紙税の3倍の過怠税が徴収されるため、判定の考え方を先に押さえておくことが大切です。この記事では国税庁の資料をもとに、課税文書の判定、貼る人と費用の負担、貼らなくてよいケース、消印と還付までを整理し、電子契約で印紙税がかからなくなる理由も紹介します。契約金額ごとの税額は「契約書の収入印紙 金額表|契約金額と契約書の名前から引ける早見表」、電子契約で不要になる理由は「契約書の収入印紙の金額一覧|号数別の税額と電子契約で不要になる理由」も参考にしてください。
あなたの契約書、印紙税の悩みはどちらに近い?2問で診断
Q1. 印紙税で、いま一番困っていることは?
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目次
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- 契約書に収入印紙は必要?先に知っておきたい4つの結論
- 印紙税の手間を減らす電子契約・契約管理サービスの比較
- 収入印紙とは何か|印紙税との関係と基本の仕組み
- 契約書と収入印紙|課税文書の判定フローと金額早見表
- 契約書の収入印紙は誰が貼る?2通作る場合と費用の負担
- 契約書に収入印紙が不要なケース|貼らなくてよい5つの場合
- 中小企業・個人事業主が特に注意すべき業種別の印紙税
- 収入印紙の貼り方・消印のルールと、誤って貼った場合の還付
- 印紙税法上、電子契約が課税対象外になる法的根拠
- 収入印紙でよくある失敗パターン3つと回避策
- 印紙税コストを数値で確認する
- 税務調査で印紙税の不足を指摘された場合の対応
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|今日からできる4つのこと
- 参考文献
契約書に収入印紙は必要?先に知っておきたい4つの結論
契約書に収入印紙が必要かどうかは、契約書の名前ではなく、印紙税法の課税文書に当たる内容が書かれているかどうかで決まります。
- 必要になる契約書:不動産売買契約書・金銭消費貸借契約書(第1号)、工事請負契約書・請書(第2号)、売買取引基本契約書・代理店契約書など(第7号)が代表例です。
- 貼らなくてよい契約書:雇用契約書、建物の賃貸借契約書、委任契約書などは課税文書ではありません。電子データだけで結ぶ契約にも印紙税はかかりません。
- 貼る人:課税文書の作成者です。契約書を2通作って各自が持つなら、それぞれが契約の成立を証明する目的で作られている限り、2通とも課税されます。
- 貼り忘れ:本来の印紙税の3倍の過怠税が徴収されます。調査を予知する前に自主的に申し出れば1.1倍に軽減されます。
それぞれの根拠と判断のしかたは、このあと順に説明します。まずは電子契約にすると何が変わるのかを、次の比較で確認してください。
印紙税の手間を減らす電子契約・契約管理サービスの比較
紙の契約書に印紙を貼る手間は、電子契約に切り替えれば発生しません。国税庁は、印紙税の課税対象は文書であり電磁的記録は文書に含まれないため、電子メールで送信した電磁的記録には印紙税が課税されないと示しています(出典:国税庁「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」、2026年10月15日確認)。
次の表は、電子契約で締結まで行うサービスと、契約書や取引書類の管理を中心にしたサービスを、役割の違いで並べたものです。優劣や順位ではなく、自社の契約書の持ち方に合うかどうかで見てください。内容は2026年10月15日に各商品ページで確認したもので、料金はプランによって異なるため資料や公式サイトで確認してください。
印紙税の手間を減らすサービスの役割を比べる
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:電子印鑑GMOサインは、立会人型・当事者型の署名に対応し、権限設定もできます。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:マネーフォワード クラウド契約は、紙の契約書と電子契約をまとめて一元管理できます。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:Biz Connectionは、発注書や請書などの取引書類をワンストップで管理できます。
資料を無料ダウンロード| サービス | Contract One | SMBCクラウドサイン | Biz Connection |
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|---|---|---|---|---|---|
| 向いている会社 | 署名方式やオプションを自社に合わせて選びたい会社 | 契約書の作成から保管までを1つのサービスで済ませたい会社 | 紙・PDF・電子の契約書が混在し、契約情報を整理して活用したい会社 | 法務面やセキュリティに不安があり、リスク管理を重視したい会社 | 発注書・請書などの取引書類をまとめて電子化したい会社 |
| 特徴 | 立会人型・当事者型のどちらの署名にも対応。契約印&実印プランでユーザーの閲覧管理や役割権限の設定ができる | 作成・申請承認・締結・保存・管理がクラウド上で完結。紙の契約書と電子契約をまとめて一元管理できる | AI-OCRと専門スタッフの確認で、紙・PDF・電子の契約書を主要項目まで約99%の精度でデータ化。全文検索や期限アラートに対応 | 弁護士監修で日本の法律に特化。メガバンクの厳格なセキュリティ基準でモニタリング。AI契約書管理機能あり | 企業間取引の書類と業務プロセスをワンストップで管理。基幹システムとの連携や電子帳簿保存法への対応が可能 |
| 注意したい点 | 機能やオプションが豊富なぶん、すべて必要な場合はオプション費用が増える可能性がある | 商品ページの口コミに、ハンコの印影にもう少し工夫があるとよいという声がある | 導入時に業務フローの見直しが必要な場合がある | 商品ページに、フォルダ管理の自由度が低いとの記載がある | 詳しい料金やプランは問い合わせが必要 |
| 資料・詳細 |
5サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)
まとめて資料をダウンロード表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
電子契約で締結まで行うか、紙を含む契約書の管理を中心にするかで、選ぶサービスは変わります。契約件数が少なく、まず電子契約を試したい場合は、無料のトライアルの有無を確認するとよいでしょう。署名方式には、メール認証で完了する立会人型と、電子証明書による本人確認を伴う当事者型があり、契約の重要度や相手先の対応状況で使い分けます。
契約書を紙から電子に切り替える最初の一歩として、署名方式を選べるサービスが一例です。電子印鑑GMOサインは、立会人型・当事者型のどちらの署名にも対応する電子契約サービスで、契約印&実印プランではユーザーの閲覧管理や役割権限の設定ができると商品ページに記載されています。一方で、機能やオプションが豊富なぶん、すべてを使う場合は費用が増える可能性があるため、必要な機能を絞って資料で確認するとよいでしょう。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社
電子印鑑GMOサイン
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社
電子印鑑GMOサイン
オプションが豊富で自社にあった機能を選びたい方におすすめ

実際に使用してみたレビューはこちら

【レビュー】『GMOサイン』を実際に登録して使ってみた【使い方解説】
数ある電子契約システム、どのサービスを使ったら良いかわからないと言う方も多くいると思います。そこで今回は、GMOサインの利用経験ゼロの筆者が、ゼロからGMOサインの無料登録から初回契約締結までの流れを実況形式でお伝えします。
ここがおすすめ!
- スタンダードプランでも機能が充実しており、提供機能を無駄なく活用できる
- 立会人型電子署名は1件あたり100円で送信でき、他社と比較してほぼ半額で利用できる
ここが少し気になる…
- 機能やオプションが豊富でマルチに使えるが、全て必要な場合はオプション料金が高額になってしまう
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契約書を巻くのに多い時では1日かかっていた作業が、10-15分ぐらいで終わるという時間効率が圧倒的に良くなった点が挙げられるかと思います。また紙の契約書だとかかる紙台、インク代もバカにならないかと思いますがそこの削減にもつながりました。
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契約が必要な書類の種類、必要な印鑑種類によっての承認フローの設定や、担当者印で進行する場合の設定、送付作業など、視覚的にシンプルでわかりやすい。 法務部門に所属していない、印鑑対応が1回/3ヶ月程度の現場担当であってもスムーズに対応ができる。
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紙の契約書の管理や郵送の手間が大きな課題でしたが、このサービスを導入したことで契約締結のスピードが向上し、業務効率が大幅に改善しました。また、電子署名による法的効力の確保や契約書の一元管理が可能になり、コンプライアンスの強化にもつながりました。さらに、リモート環境でも契約手続きが完結できるため、業務の柔軟性が向上し、取引先とのやり取りもスムーズになりました
導入事例では、日建レンタコム株式会社が、電子契約を検討した背景の一つを次のように述べています。
契約書が法務部に届かず支店で保管されるケースもあり、管理の一元化やコンプライアンス面での課題が顕在化していました。
出典:電子印鑑GMOサイン「書類文化から脱却し、膨大な契約事務を電子契約で効率化」(日建レンタコム株式会社)
収入印紙とは何か|印紙税との関係と基本の仕組み
収入印紙とは、印紙税法に基づいて課税文書に貼り付けることで、印紙税を納めたことを示す政府発行の証票です。収入印紙そのものが税金なのではなく、印紙税という国税を印紙で前払いする手段として使われています。
印紙税は、契約書や領収書などの特定の文書に課される国税です。国税庁の「印紙税額の一覧表(その1)」と「印紙税額の一覧表(その2)」(令和8年4月1日現在法令等)には、第1号文書から第20号文書までの20種類の課税文書が載っており、これ以外の文書には印紙税はかかりません(2026年10月15日確認)。
印紙税の課税対象は、紙などに書かれた「文書」です。そのため、電子データだけで結ぶ契約は課税文書の作成に当たらず、収入印紙は不要になります。この点は、後述の「印紙税法上、電子契約が課税対象外になる法的根拠」で詳しく説明します。
収入印紙は額面ごとに複数の券種があり、必要な額になるように組み合わせて貼ります。郵便局や法務局などで購入できますが、取扱店や取り扱う額面は店舗ごとに異なるため、事前に確認すると確実です。券種や買い方の詳細は「収入印紙の種類一覧|全31種類の金額と文書別の必要額・買い方を解説」で解説しています。
契約書と収入印紙|課税文書の判定フローと金額早見表
課税文書に当たるかどうかは、契約書の名前ではなく、書かれている内容の実質で判断します。タイトルが「委任契約書」でも、内容が請負なら第2号文書になります。
国税庁は、課税文書を次の3つをすべて満たす文書としています(出典:国税庁「No.7100 課税文書に該当するかどうかの判断」、2026年10月15日確認)。3要件は単純に見えますが、実務では「課税事項が書かれているか」の見極めが難しく、1つの文書に複数の契約の内容が混在している場合は、全体を精査して判断します。
- 印紙税法の課税物件表に掲げられた20種類の文書により証明されるべき事項(課税事項)が記載されていること
- 当事者の間で課税事項を証明する目的で作成された文書であること
- 印紙税法第5条の非課税文書に当たらないこと
名前ではなく内容で判断する:覚書・念書・注文書の扱い
契約書とは、名称にかかわらず、契約の成立や内容の変更・補充の事実を証明する目的で作られる文書をいいます(出典:国税庁「No.7117 契約書の意義」)。そのため「覚書」「念書」「合意書」という名前でも、請負や不動産の譲渡などの課税事項が書かれていれば、契約書と同じように課税文書になります。
注文書や申込書は、契約の申込みを示すだけであれば通常は課税されません。ただし、相手の申込みに対する承諾を証明する目的で作られたものや、契約当事者の双方の署名または押印があるものは、契約書として扱われます(出典:国税庁「No.7118 申込書、注文書、依頼書等と表示された文書の取扱い」)。注文請書の印紙の要否は、「注文請書とは?書き方・注文書との違い・印紙の要否と発注後の管理まで解説」で詳しく解説しています。
主要な契約書の課税区分(早見表)
中小企業や個人事業主がよく作る契約書が、どの号に当たるかを整理しました。第1号と第2号は契約金額によって税額が変わり、第7号は金額にかかわらず1通4,000円です。
| 契約書の種類 | 該当する号 | 課税区分の要点 |
|---|---|---|
| 不動産売買契約書・金銭消費貸借契約書・土地賃貸借契約書 | 第1号 | 契約金額に応じて税額が変わる。不動産の譲渡には軽減措置がある |
| 工事請負契約書・工事注文請書・業務委託契約書(請負型) | 第2号 | 契約金額に応じて税額が変わる。建設工事の請負には軽減措置がある |
| 売買取引基本契約書・代理店契約書・業務委託基本契約書(継続取引型) | 第7号 | 1通4,000円。契約期間が3か月以内で更新の定めがないものは除かれる |
| 雇用契約書・委任契約書・建物賃貸借契約書・使用貸借契約書 | 課税物件表に無い(原則として非課税) | 委任契約書でも内容が請負なら第2号になる。土地の賃借権の設定は第1号になる |
第1号・第2号の税額(契約金額が1億円以下の場合)
第1号文書と第2号文書の税額は、契約書に記載された契約金額で決まります(出典:国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)」、令和8年4月1日現在法令等、2026年10月15日確認)。軽減措置が使える契約書の税額は後述します。
| 記載された契約金額 | 第1号(不動産の譲渡・消費貸借など) | 第2号(請負) |
|---|---|---|
| 1万円未満 | 非課税 | 非課税 |
| 1万円以上10万円以下 | 200円 | 200円 |
| 10万円を超え50万円以下 | 400円 | 200円 |
| 50万円を超え100万円以下 | 1,000円 | 200円 |
| 100万円を超え200万円以下 | 2,000円 | 400円 |
| 200万円を超え300万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
| 300万円を超え500万円以下 | 2,000円 | 2,000円 |
| 500万円を超え1,000万円以下 | 1万円 | 1万円 |
| 1,000万円を超え5,000万円以下 | 2万円 | 2万円 |
| 5,000万円を超え1億円以下 | 6万円 | 6万円 |
| 契約金額の記載がない | 200円 | 200円 |
1億円を超える契約金額の区分と、第3号以降の文書の税額は国税庁の一覧表で確認してください。
全金額帯の早見表は「契約書の収入印紙 金額表|契約金額と契約書の名前から引ける早見表」にまとめています。なお、第1号または第2号に当たる文書が、第3号から第17号の事項も併せて記載していて第1号または第2号に所属が決まる場合は、記載金額が1万円未満でも非課税になりません。判断に迷うときは、税務署に確認してください。
消費税額を明記した場合の記載金額
第1号文書・第2号文書・第17号文書では、消費税額等が区分記載されているか、税込価格と税抜価格の両方が書かれていて消費税額が明らかな場合、その消費税額は記載金額に含めません。たとえば「請負金額1,100万円うち消費税額等100万円」と書けば、記載金額は1,000万円として扱われます。一方、「請負金額1,100万円(税込)」とだけ書くと、記載金額は1,100万円として扱われます(出典:国税庁「No.7124 消費税額等が区分記載された契約書等の記載金額」)。
ここまでの判定を、自社の運用に当てはめて確認してみましょう。
契約書の印紙税、今の運用で大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
判定・購入・貼付・消印を契約書ごとに手作業で行っているなら、その作業自体をなくせる電子契約への切り替えが、根本的な対策になります。具体的なサービスの違いは、冒頭の比較表で確認できます。
契約書の収入印紙は誰が貼る?2通作る場合と費用の負担
収入印紙を貼る義務があるのは、課税文書の作成者です。契約書を2通作って各自が持つ場合は、それぞれが契約の成立を証明する目的で作られている限り、2通とも課税文書になり、それぞれに印紙が必要です。
印紙税法第3条は、課税文書の作成者に印紙税を納める義務があると定め、1つの課税文書を2人以上が共同して作成した場合は、全員が連帯して納める義務を負うとしています(出典:e-Gov法令検索「印紙税法」、2026年10月15日確認)。契約書は当事者が共同で作る文書なので、法律上は双方に納税義務があります。
契約書が2通ある場合は、どちらに貼るのか
印紙税は、契約が成立した事実ではなく、契約の成立を証明する目的で作られた文書に課されます。そのため、同じ契約について2通以上の文書を作った場合は、そのすべてが契約の成立を証明する目的で作られていれば、すべてが課税の対象です。一方に「正本」、他方に「写し」「副本」と書いても同じで、双方の署名押印があるなど契約の成立を証明する目的が文書上明らかなら課税されます(出典:国税庁「写、副本、謄本等と表示された契約書の取扱い」、「No.7120 契約書の写し、副本、謄本等」)。
| 契約書の持ち方 | 印紙の要否 |
|---|---|
| 同じ契約書を2通作り、双方が署名押印して各自が1通ずつ保管する | 2通とも課税文書。それぞれに印紙が必要 |
| 一方に正本、他方に「写し」と書いたが、双方の署名押印がある | 契約の成立を証明する目的が明らかなので、写しにも印紙が必要 |
| 正本を複写機でコピーして渡す(署名押印や証明のない単なる写し) | コピーは課税対象外。正本の分だけ |
| PDFにして電子メールやファクスで送る | 送付先で印刷した文書は写しと同じ扱いで、課税対象外 |
出典:国税庁 No.7120 契約書の写し、副本、謄本等(2026年10月15日確認)。具体的な取引への当てはめは、税務署や税理士に確認してください。
印紙代はどちらが負担するのか
法律が定めているのは「作成者が納税義務を負う」ことで、2社のどちらが費用を持つかは、法律の条文だけでは決まりません。2通作って各自が自分の保管分に貼り、それぞれが負担する方法や、一方がまとめて負担する方法などがあり、トラブルを避けるには、契約書や覚書に負担者を書いておくのが確実です。第7号文書(継続的取引の基本契約書)は1通ごとに4,000円なので、2通作れば2通分の印紙が必要になる点にも注意が必要です。
印紙と文書にまたがって押す「消印」と、複数通の契約書にまたがって押す「割印」は別のものです。割印の押し方は「契約書の割印とは?正しい押し方・位置・契印との違いを解説【2026年最新】」で解説しています。
契約書に収入印紙が不要なケース|貼らなくてよい5つの場合
契約書に収入印紙を貼らなくてよいのは、課税文書に当たらない契約書、記載金額が非課税の範囲に収まる契約書、契約期間が短い基本契約書、単なる写し、電子データで結ぶ契約の5つです。
- 課税文書に当たらない契約書:雇用契約書や委任契約書は課税物件表に無く、印紙は不要です。建物の賃貸借契約書も課税対象ではありませんが、敷地の賃借権の設定を結んだことが明らかな場合は第1号の2文書に当たります(出典:国税庁「No.7106 建物の賃貸借契約書」)。
- 記載金額が1万円未満の第1号・第2号文書:非課税です。ただし、他の号の事項も書かれていて第1号または第2号に所属が決まる文書は、1万円未満でも非課税になりません。
- 契約期間が3か月以内で、更新の定めがない基本契約書:第7号文書から除かれます。期間が3か月以内でも、更新の定めがあれば課税されます。
- 署名押印や証明のない単なる写し:契約書のコピーは課税対象になりません。
- 電子データで結ぶ契約:電磁的記録は文書に含まれないため、印紙税は課税されません。
このほか、災害で被害を受けた人が作る契約書などが非課税になる措置もあります。個別の取引で迷う場合は、国税庁のタックスアンサーや税務署への確認を優先してください。本記事は一般的な情報の提供であり、税務上の判断の助言ではありません。
中小企業・個人事業主が特に注意すべき業種別の印紙税
中小企業や個人事業主が判断に迷いやすいのは、請書・工事請負契約書、業務委託契約書、基本契約書と個別契約書の3つです。契約の目的が「仕事の完成」か「業務の遂行」か、継続取引の基本条件を定めているかで、課税区分が変わります。
建設・製造業|工事請負契約書・請書と軽減措置
工事請負契約書、工事注文請書、物品加工注文請書、広告契約書などは請負に関する契約書として第2号文書になります。請負には、建設工事のような有形の結果だけでなく、警備・機械保守・清掃のような役務の提供も含まれます(出典:国税庁「No.7102 請負に関する契約書」)。
建設工事の請負に関する契約書のうち、記載金額が100万円を超えるもので、平成26年4月1日から令和9年3月31日までに作成されるものは、税額が軽減されます(出典:国税庁「No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」、2026年10月15日確認)。適用期限が近いため、契約の時点で最新の情報を確認してください。
| 記載された契約金額(建設工事の請負) | 軽減後の税額 |
|---|---|
| 100万円を超え200万円以下 | 200円 |
| 200万円を超え300万円以下 | 500円 |
| 300万円を超え500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円を超え1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1,000万円を超え5,000万円以下 | 1万円 |
| 5,000万円を超え1億円以下 | 3万円 |
記載金額が100万円以下のものは軽減の対象外で、税額は200円です。1億円を超える区分は国税庁の案内で確認してください。
発注書と請書を紙でやり取りしていると、協力会社側の請書に印紙の貼付漏れがあり、差し戻しが発生することがあります。請書のやり取りを電子化すれば、貼付の確認そのものが不要になります。発注書や請書などの取引書類を電子化して一元管理したい場合の一例が、Biz Connectionです。企業間取引で受け渡す書類を電子化して管理するBtoBプロセスプラットフォームで、基幹システムとの連携や電子帳簿保存法への対応が商品ページに記載されています。詳しい料金やプランは問い合わせが必要とされているため、料金は資料や公式サイトで確認してください。
株式会社フォーカスシステムズ
Biz Connection
株式会社フォーカスシステムズ
Biz Connection
取引を明確化・効率化!生産性向上・コスト削減を目指す企業におすすめ
料金:要問い合わせ
ここがおすすめ!
- 取引書類のワンストップ管理によって業務を効率化できる
- 業務の自動化により、手作業によるミスゼロを実現
- 年間定額制・従量課金制からの見直しで大幅なコスト削減が可能
ここが少し気になる…
- 詳しい料金やプランについては問い合わせが必要
導入事例では、建設業の株式会社TS東京が、請書の電子化の効果を次のように述べています。
紙の書類の紛失リスクもなくなりましたし、印紙の貼付漏れによる差し戻しといった無駄な手戻りが発生する余地もありません。
出典:株式会社フォーカスシステムズ「【インタビュー事例】TS東京様 企業間取引DXソリューション「Biz Connection」導入」
不動産売買契約書|第1号文書と軽減措置
不動産売買契約書は第1号文書です。平成26年4月1日から令和9年3月31日までに作成される不動産の譲渡に関する契約書で、記載金額が10万円を超えるものは税額が軽減されます(出典:国税庁「No.7108」)。土地の賃借権の設定に関する契約書は、建物の賃貸借契約書と違って第1号の2文書として課税され、税額は権利金など返還されない対価の額で決まります(出典:国税庁「No.7101 不動産の譲渡・土地の賃貸借・消費貸借・運送等に関する契約書」)。
IT業・フリーランス|業務委託契約書は請負か委任か
ウェブ制作・システム開発・デザインなどの業務委託契約は、仕事の完成に対して報酬を支払う請負型なら第2号文書として課税されます。コンサルティングや顧問業務のように、業務の遂行に対して報酬を支払う委任・準委任型なら、原則として課税文書に当たりません。
ただし、タイトルが「業務委託契約書」でも、実質が請負なら課税されます。成果物の納品と継続的なサポートの両方が1つの契約書に入っている場合は、主たる目的が請負か委任かで判断するのが基本です。納品に関する契約と継続サポートに関する契約を別の文書に分ければ、それぞれの課税区分を明確にしやすくなりますが、判断に迷う場合は税務署や専門家に確認してください。
契約書の文言の判断に不安があり、法務面を重視したい場合の一例が、SMBCクラウドサインです。弁護士監修のクラウド型電子契約サービスで、日本の法律に特化し、メガバンクの厳格なセキュリティ基準でモニタリングを実施していると商品ページに記載されています。一方で、フォルダ管理の自由度が低いとの記載もあるため、管理のしかたが自社に合うかは資料で確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

ここがおすすめ!
- AI契約書管理機能搭載
- メガバンクの厳格なセキュリティ基準が採用されている
ここが少し気になる…
- フォルダ管理の自由度が低い
導入事例では、株式会社山一建設が、発注業務の電子化について次のように述べています。
最後の発注部分をSMBCクラウドサインにして発注書を確実に送付するようにし、相手方の承認も得る形にすることで、必然的に正しく発注管理ができるようになるだろうと考えました。
出典:SMBCクラウドサイン「注文住宅の発注業務の適正化、迅速化に貢献」(株式会社山一建設)
基本契約書と個別契約書|第7号文書の判定
継続的な取引の基本になる契約書は第7号文書で、1通につき4,000円です。国税庁は、売買取引基本契約書、特約店契約書、代理店契約書、業務委託契約書、銀行取引約定書などを例に挙げています。契約期間が3か月以内で、かつ更新の定めがないものは除かれます(出典:国税庁「No.7104 継続的取引の基本となる契約書」)。取引開始時に3か月以内の短期契約から始める方法もありますが、実態と合わない運用にならないよう注意が必要です。
基本契約書のもとで結ぶ個別契約書や注文書・請書は、内容ごとに判断します。基本契約書を引用していて金額が書かれていない請書でも、引用先の注文書などで金額が明らかなら、その金額が記載金額になります(出典:国税庁「No.7119 他の文書を引用している文書の取扱い」)。
| 書類 | 該当しやすい号 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 売買取引基本契約書・代理店契約書・下請基本契約書 | 第7号 | 1通4,000円。期間3か月以内かつ更新の定めなしは除く |
| 個別の工事・制作の請書・個別契約書(請負) | 第2号 | 記載金額で税額が決まる。基本契約書を引用していても、金額が明らかなら記載金額になる |
| 注文書・発注書(申込みの事実のみ) | 通常は課税されない | 相手が別に請書を作る場合。承諾を証明する目的の文書や、双方の署名押印のあるものは契約書扱い |
| 単発の商品の売買契約書 | 課税物件表に無い | 継続取引の基本条件を定める場合は第7号になることがある |
基本契約書と個別契約書が増えるほど、どの契約書がどの号に当たるのかを人手で把握するのは難しくなります。紙・PDF・電子契約の契約書をまとめてデータ化し、親契約と個別契約の関係を整理して管理したい場合の一例が、Contract Oneです。AI-OCRと専門スタッフの確認で主要項目を約99%の精度でデータ化し、親契約と個別契約を自動でひも付けると商品ページに記載されています。導入時に業務フローの見直しが必要な場合があるため、運用の負担も含めて資料で確認するとよいでしょう。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

ここがおすすめ!
- あらゆる契約書を正確にデータ化し、AIで扱いやすいデータベースを構築
- Contract One内で生成AIを活用することで、法務部門に限らず全社での契約データの活用を促し、さまざまな部門の課題を解決
- 法改正への対応をサポート
ここが少し気になる…
- 導入時、業務フローの見直しが必要な場合も
Contract Oneを提供するSansan株式会社は、イオンマーケティング株式会社の活用事例について次のように発表しています。
今回Contract Oneを導入し契約書を一元的に管理することで、必要な契約書を迅速に確認できるようになったほか、属人的な管理に伴うリスクを抑え、期日管理の精度向上にもつながっています。
出典:Sansan株式会社「イオンマーケティングが取引管理サービス「Contract One」を活用」(2026年1月22日)
収入印紙の貼り方・消印のルールと、誤って貼った場合の還付
収入印紙は、課税文書の作成の時までに貼り付け、印紙と文書にまたがって消印をして、はじめて納付が完了します。消印は、自分または代理人・使用人などの印章か署名で行います(出典:国税庁「No.7129 印紙税の納付方法」、印紙税法第8条、2026年10月15日確認)。税務署で税印を押してもらう方法や、印紙税納付計器を使う方法といった特例もあります。
消印を忘れた場合は、消印されていない印紙の額面に相当する金額の過怠税が徴収されます。貼付そのものを忘れた場合は本来の印紙税の3倍の過怠税で、印紙税不納付事実申出書を調査の予知前に提出すれば、1.1倍に軽減されます。過怠税は、法人税の損金や所得税の必要経費に算入されません(出典:国税庁「No.7131 印紙税を納めなかったとき」)。
消印と割印は別のものです。消印は印紙と文書にまたがって押すもので、割印は複数通の契約書にまたがって押すものです。割印の位置や押し方は「契約書の割印とは?正しい押し方・位置・契印との違いを解説【2026年最新】」で解説しています。
誤って貼った印紙の還付
印紙税額を超えて貼ってしまった場合、課税文書に当たらない文書に誤って貼った場合、課税文書の用紙に貼ったが使う見込みがなくなった場合は、印紙税の過誤納として還付の対象になる場合があります。還付請求は、請求できる日から5年で消滅します。汚損や破損のない未使用の収入印紙は、郵便局で他の額面の印紙に交換でき、1枚につき5円の手数料がかかります(出典:国税庁「No.7130 誤って納付した印紙税の還付」)。登録免許税や手数料のために貼った印紙は、印紙税法による還付の対象外です。
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導入事例では、株式会社ワンオールシステムが、導入後の変化を次のようにまとめています。
捺印や郵送が不要になり、契約業務において出社することはほとんどなくなった
出典:マネーフォワード クラウド契約「見積書や注文書などの様々な取引書類にも活用。ペーパーレス化により、業務効率化に繋がっている」(株式会社ワンオールシステム)
印紙税法上、電子契約が課税対象外になる法的根拠
電子データだけで結ぶ契約は、印紙税の課税対象になりません。国税庁は、課税されるのは課税物件表に掲げられた「文書」であり、電磁的記録は文書に含まれないと回答しています(出典:国税庁「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」、令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づく回答、2026年10月15日確認)。
印紙税基本通達第44条は、課税文書の「作成」を、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを文書の目的に従って行使することと定めています(出典:国税庁「法令解釈通達 第7節 作成者等」)。また、ファクスや電子メールで送信した場合、送付先で出力した文書は写しと同様で、課税対象にならないとされています(出典:国税庁「No.7120」)。
注意したいのは、電子契約で結んだあとに紙へ印刷し、改めて署名や押印をして契約の成立を証明する文書として使う運用です。この場合は課税文書になる可能性があるため、紙と電子を混在させる場合は、どの文書が正本なのかを社内で決めておくことが大切です。
法的な根拠を踏まえて、電子帳簿保存法との関係や移行の手順まで知りたい場合は、「契約書の収入印紙の金額一覧|号数別の税額と電子契約で不要になる理由」をご覧ください。印紙税を減らす方法としては、電子契約への切り替えのほか、消費税額を区分して記載する方法や、署名押印のない単なる写しで運用する方法もあります。
電子契約への移行を検討するときは、署名方式の選べるサービスから資料を取り寄せ、自社の契約書の種類や取引先の対応状況に合うかを確認するとよいでしょう。電子印鑑GMOサインは、立会人型・当事者型のどちらの署名にも対応していると商品ページに記載されています。
収入印紙でよくある失敗パターン3つと回避策
印紙税の実務では、貼り忘れ・金額の誤り・判定ミスの3つが典型的な失敗です。いずれも税務調査で発覚すると過怠税の対象になりうるため、事前の確認体制が重要です。
失敗パターン1:印紙の貼り忘れ。担当者の交代やリモートワークで確認の流れが崩れやすく、取引先から届いた請書に貼られていないことに後から気づくこともある。
失敗パターン2:印紙の金額の誤り。契約金額の区分を誤って、少ない額の印紙を貼ってしまう。工事請負契約書で区分を1段階低く見誤る、軽減措置の適用を忘れる、など。
失敗パターン3:課税文書の判定ミス。「委任契約書」という名称でも、内容が請負なら第2号文書として課税される。「覚書」「請書」でも同様に課税されうる。
もう一つの根本対策は、契約書のひな形そのものの精度を上げることです。税務署への確認は個別の契約書ごとに行う必要がありますが、ひな形を見直しておけば、同種の契約を結ぶたびに同じ判定ミスが繰り返されるのを防げます。それでも、貼り忘れ・金額の誤り・判定ミスは、紙の契約書だからこそ起きる失敗です。契約を電子化すれば、これらの確認作業そのものが不要になります。
特に、取引先から届く請書や契約書の印紙の貼付状況を毎回確認している場合は、その確認作業が差し戻しの原因にもなります。やり取りを電子化すれば、この手戻りをなくせます。
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印紙税コストを数値で確認する
年間の契約書の作成件数と、1件あたりの平均的な印紙税額を掛け合わせると、電子契約に移行した場合に不要になる印紙代の目安が分かります。次のシミュレーターに自社の件数を入れて、簡易的に試算してみてください。
簡易シミュレーター:電子契約への移行で不要になる印紙代の目安
印紙代のほかに、購入・貼付・消印の作業時間や、保管場所のコストも紙の契約書にはかかります。試算は印紙代だけの目安なので、実際の効果はこれらを含めて検討してください。
税務調査で印紙税の不足を指摘された場合の対応
税務調査で印紙税の不足を指摘された場合は、まず対象の文書を特定し、過怠税を含めた納付額を確認して、指定された期限内に納付します。
指摘を受けた文書について、契約金額と課税区分の判断根拠を確認し、同じひな形で作った契約書が他にもないかを社内で洗い出します。貼付漏れの場合の過怠税は本来の印紙税の3倍で、消印漏れの場合は消印されていない印紙の額面に相当する金額です。過怠税は法人税の損金や所得税の必要経費に算入されないため、負担は印紙代以上に大きくなります。
1件の指摘で終わらせず、同じ類型の契約書全体を点検することが重要です。作成の流れのどの段階で確認が漏れたのかを特定し、担当者への周知や確認手順の見直しなど、再発を防ぐ対策を講じてください。
指摘された文書が多数にわたる場合、同じひな形を使った契約書を過去にさかのぼって探すのは大きな負担になります。過去の契約書をデータ化して検索できる状態にしておけば、同種の契約の洗い出しが短時間で済みます。さらに、契約書の作成の流れ自体を電子契約に置き換えれば、印紙税の判定作業が発生しない仕組みに切り替えられます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 業務委託契約書に収入印紙は必要ですか?
A. 業務委託契約書は、内容によって扱いが分かれます。仕事の完成に対して報酬を支払う請負型は第2号文書として課税されます。複数の取引の基本条件を定めて継続する基本契約に当たる場合は、契約期間が3か月を超えるか、更新の定めがあれば第7号文書(1通4,000円)として課税されます。業務の遂行に対して報酬を支払う委任・準委任型は、原則として課税文書に当たりません。名称ではなく内容で判断するため、迷う場合は税務署に確認してください。
Q2. 契約書が2部ある場合、どちらに収入印紙を貼りますか?
A. 同じ契約書を2部作り、それぞれが契約の成立を証明する目的で作られているなら、2部とも課税文書で、それぞれに印紙が必要です。「正本」と「写し」「副本」に分けて表示しても、双方の署名押印があるなど契約の成立を証明する目的が明らかなら同じです。署名押印のないコピーや、メールで送った電子データは課税されません。
Q3. 契約書の収入印紙代は、どちらが負担しますか?
A. 印紙税の納税義務は課税文書の作成者にあり、契約書を共同で作成した場合は、全員が連帯して納める義務を負います(印紙税法第3条)。費用をどちらが持つかは条文だけでは決まらないため、各自が自分の保管分に貼って負担する、一方がまとめて負担するなどの取り決めを、契約書や覚書に書いておくのが確実です。
Q4. 契約書に収入印紙を貼らなくてもよいのは、どのような場合ですか?
A. 雇用契約書・建物の賃貸借契約書・委任契約書のように課税文書に当たらない契約書、記載金額が1万円未満の第1号・第2号文書、契約期間が3か月以内で更新の定めがない第7号文書は、印紙が不要です。署名押印のない単なる写しと、電子データで結ぶ契約も課税されません。他の号の事項も書かれている場合などは例外があるため、迷うときは税務署に確認してください。
Q5. 雇用契約書に収入印紙は必要ですか?
A. いいえ、雇用契約書は課税物件表に掲げられた20種類の課税文書に含まれないため、収入印紙は不要です。ただし、雇用関係の文書であっても業務委託の要素がある場合は、個別の判断が必要です。
Q6. 収入印紙を貼り忘れた場合、どうなりますか?
A. 貼付を忘れたまま課税文書を作成した場合、本来の印紙税の3倍に相当する過怠税が徴収されます(印紙税法第20条)。調査を予知する前に印紙税不納付事実申出書を提出すれば、1.1倍に軽減されます。印紙を貼ったのに消印を忘れた場合は、消印されていない印紙の額面に相当する金額の過怠税です。
まとめ|今日からできる4つのこと
契約書の収入印紙は、課税文書に当たるかどうか、誰が貼るのか、貼らなくてよいケースに当たるかの3点を押さえれば、自社で判断できます。契約書の数が増えると、判定ミスや貼り忘れのリスクが積み重なるため、根本的には電子契約への移行が有効です。
- よく使う契約書の課税区分を確認する:国税庁の「印紙税額の一覧表」に照らして、課税区分・税額・消費税の記載方法を確認します。
- 2通作る契約書の貼り方と費用の負担を決める:どちらに貼るか、誰が負担するかを契約書や覚書に書いておきます。
- 電子契約サービスの導入を検討する:電子帳簿保存法に対応したサービスを選び、まず新規の契約から電子化します。印紙代だけでなく、郵送・保管のコストも減らせます。
- 契約書のひな形を見直す:委任と請負の判定ミスは、ひな形の文言が原因のことがあります。都度の税務署への確認に加えて、ひな形の文言を整えて再発を防ぎます。
判定に迷う場面では、国税庁の公式情報や税務署への確認を活用してください。本記事は一般的な情報の提供を目的としており、個別の税務判断については税理士または税務署にご相談ください。
参考文献
- 国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」(令和8年4月1日現在法令等)、2026年10月15日確認
- 国税庁「No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで」(令和8年4月1日現在法令等)、2026年10月15日確認
- 国税庁「No.7100 課税文書に該当するかどうかの判断」、2026年10月15日確認
- 国税庁「No.7102 請負に関する契約書」「No.7104 継続的取引の基本となる契約書」「No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」、2026年10月15日確認
- 国税庁「No.7117 契約書の意義」「No.7118 申込書、注文書、依頼書等と表示された文書の取扱い」「No.7119 他の文書を引用している文書の取扱い」「No.7120 契約書の写し、副本、謄本等」、2026年10月15日確認
- 国税庁「No.7124 消費税額等が区分記載された契約書等の記載金額」「No.7129 印紙税の納付方法」「No.7130 誤って納付した印紙税の還付」「No.7131 印紙税を納めなかったとき」、2026年10月15日確認
- 国税庁 質疑応答事例「写、副本、謄本等と表示された契約書の取扱い」「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」、2026年10月15日確認
- 国税庁「法令解釈通達 第7節 作成者等(第44条)」(印紙税基本通達)
- e-Gov法令検索「印紙税法(昭和42年法律第23号)」、2026年10月15日確認

