注文請書とは?書き方・注文書との違い・印紙の要否と発行後の管理まで解説

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  • 注文請書の意味と注文書との違いがわかる
  • 書き方と収入印紙が必要になる条件がわかる
  • 受け取った側の対応と保存期間がわかる

注文請書とは、発注者から届いた注文書に対して、受注者が「この内容で注文を引き受けます」と承諾したことを示す書類です。発行は法律で一律に義務づけられているわけではありませんが、注文書とセットでそろえておくと、契約の成立と条件を後から確認できます。この記事では、注文書や請求書との違い、記載項目と書き方、契約が成立するタイミング、収入印紙が必要になる条件、受け取った側の対応、保存期間までを、国税庁などの公的資料をもとに順に整理します。あわせて、発行したあとの注文書と請書をどう保管し、探せる状態にしておくかという管理の論点も取り上げます。法令に関する記述は一般的な情報であり、個別の取引への適用は税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。

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目次

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  1. 注文請書の発行と保管を電子化する|印紙・郵送・探す手間を減らす方法
  2. 注文請書とは|注文書・請求書・契約書との違い
  3. 注文請書の書き方|記載すべき項目
  4. 注文請書の法的効力|契約はいつ成立するか
  5. 注文請書を受け取ったら|発注者側の確認と保管
  6. 注文請書に収入印紙は必要か
  7. 注文請書の保存期間と保管方法
  8. 注文請書でよくある失敗パターン
  9. 注文請書を電子化したときの効果の測り方
  10. よくある質問(FAQ)
  11. まとめ|注文請書の実務で押さえたい6つのこと
  12. 参考文献

注文請書の発行と保管を電子化する|印紙・郵送・探す手間を減らす方法

注文請書は電子データで取り交わせば収入印紙は課税されず、電子契約サービスを使えば発行から保管・検索までを1か所にまとめられます。

注文請書とは、注文書の内容を受注者が承諾したことを示す書類です(詳しくは次の章で説明します)。紙で出すと、印刷・押印・郵送の手間に加えて、請負にあたる取引では収入印紙の負担が生じます。さらに、発行後は注文書と請書を取引ごとにそろえて数年間保管し、必要なときに探せる状態にしておかなければなりません。電子で取り交わし、保管まで同じ場所で行えば、こうした手間をまとめて減らせます。

ただし、電子で送るだけでは足りません。PDFをメールで送った場合、請書がメールの添付ファイルのまま担当者ごとに散らばり、紙の時代と同じように探す手間が残ります。そこで、取り交わしと保管を担うサービスの役割の違いを、次の表で整理しました。優劣ではなく、自社の状況に合うものを選ぶための比較です。

注文請書の取り交わしと保管を電子にまとめる5つのサービス

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

自社の状況:

この状況に合う一例:電子印鑑GMOサインは、立会人型と当事者型の両方の署名に対応しています

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この状況に合う一例:マネーフォワード クラウド契約は、紙と電子の書類をまとめて管理できます

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この状況に合う一例:SMBCクラウドサインは、電子帳簿保存法の検索要件を満たす検索機能があります

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サービス 電子印鑑GMOサイン freeeサイン マネーフォワード クラウド契約 Contract One SMBCクラウドサイン
向いている会社 立会人型と当事者型の署名を、取引に応じて使い分けたい会社 freeeの会計・人事労務などをすでに使っている会社 紙と電子の書類が混在し、まとめて管理したい会社 紙も電子も含め、取引書類を全社で検索・活用したい会社 セキュリティと電子帳簿保存法への対応を重視する会社
特徴 メール認証の立会人型と、電子証明書の当事者型に対応。文書管理にフォルダと検索があり、保存は電子帳簿保存法に対応 弁護士監修の電子契約サービス。従量課金制ではなく、送信件数が増えても料金が変わらない。承認用のワークフローを搭載 紙と電子の契約書をまとめて管理でき、他社の電子契約サービスで締結したデータも取り込める。送信料・保管料の追加課金がない 紙・電子の契約書をAI-OCRでデータ化し、全文検索や期限アラートで管理できる。紙のスキャン作業は代行 メガバンクのセキュリティ基準を採用。AI契約書管理機能があり、検索機能は電子帳簿保存法の検索要件を満たす
注意したい点 機能やオプションが豊富なため、すべて必要な場合はオプション料金が高額になる場合がある 画面が簡素な分、場所が分かりにくい機能もある ハンコの印影にもう少し工夫の余地があるという声がある 導入時に業務フローの見直しが必要になる場合がある フォルダ管理の自由度が低いという声がある
資料・詳細

5サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)

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表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

表の内容は、各サービスの商品ページ(2026年10月14日確認)に掲載されている情報をもとにしています。注文書や注文請書のような取引書類をどこまでそのまま扱えるかは、サービスや契約プランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

紙の請書の印刷・押印・郵送をなくしたい場合の一例が、電子印鑑GMOサイン(運営会社はGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)です。商品ページでは、メール認証で手軽に締結できる立会人型と、電子証明書で本人性を高める当事者型の両方に対応していること、文書管理機能でフォルダの作成や文書の検索ができ、保存は電子帳簿保存法に対応していることが紹介されています。注意点として、機能やオプションが豊富な分、すべてを使う場合はオプション料金が高額になることがあるため、必要な機能を絞って確認してください。料金はプランによって異なるため、詳しくは資料や公式サイトで確認してください。

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社

電子印鑑GMOサイン

電子印鑑GMOサイン
出典:www.gmogshd.com

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  • 電子契約サービスを選定する際は、自社側の使いやすさに加えて、契約相手にとっても操作が分かりやすく、ストレスなく利用できるかを重視すべきだと感じました。また、料金体系が明瞭であること、法的な効力が担保されている仕組みであることも、安心して導入する上で重要なポイントだと思います。

  • 導入することで契約締結のスピードが大幅に向上し、契約業務にかかる手間を削減できました。また、テレワーク環境でも円滑に契約業務を進めることが可能になり、業務効率がかなり向上しました。

契約件数や取引先の情報が可視化されるようになったことで、法務を統括するホールディングスカンパニーとして、契約管理の精度と効率が大きく向上しました。

日建レンタコム株式会社 出典:電子印鑑GMOサイン導入事例

注文請書とは|注文書・請求書・契約書との違い

注文請書とは、発注者から届いた注文に対して、受注者が「その内容で引き受けます」と承諾したことを示すために発行する書類です。「発注請書」や、単に「請書」と呼ばれることもあります。注文書が発注者から受注者への「申込み」にあたるのに対し、注文請書は受注者から発注者への「承諾」にあたります。

書類 発行する側 契約上の意味 主な役割
注文書(発注書) 発注者 申込み 品目・数量・金額・納期などの条件を示して発注する
注文請書(発注請書) 受注者 承諾 注文書の条件で引き受けることを示す
請求書 受注者 代金の支払を求める書類 納品や検収のあとに、金額と支払期日を示して請求する
契約書 発注者・受注者の双方 申込みと承諾を1通にまとめたもの 責任範囲や損害賠償なども含めた取引条件全体を定める

契約書は1通の書面に双方が署名または記名押印しますが、注文書と注文請書は、それぞれ片方だけが作成して相手に渡します。2通がそろうことで、契約書を1通交わしたのと同じように、合意の内容を確認できる状態になります。逆に言えば、どちらか片方しか手元にないと、相手がその条件に同意していたことを示しにくくなります。

注文請書を発行する目的

注文請書を発行する目的は大きく3つあります。1つ目は、受注の意思を発注者にはっきり伝えることです。注文書を送っただけでは、発注者は相手が本当に引き受けてくれたのかがわかりません。2つ目は、認識のずれをその場で見つけることです。請書を作るときに注文書の品目・数量・金額・納期を1つずつ写すため、条件の食い違いに着手前に気づけます。3つ目は、後日のトラブルに備えた証拠を残すことです。納期や金額をめぐって意見が分かれたとき、注文書と請書がそろっていれば合意した条件を示せます。

発行までの流れとタイミング

一般的な取引では、受注者が見積書を提出し、発注者がそれをもとに注文書を発行し、受注者が注文請書を返す、という順に進みます。その後は納品、検収、請求、支払いと続きます。注文請書は、注文書を受け取って内容を確認し、自社で対応できると判断した時点で、できるだけ早く発行するのが基本です。請書の発行が遅れると、発注者は受注されたかどうかがわからないまま待つことになり、着手や納期の認識がずれる原因になります。

注文請書と請求書の違い

注文請書と請求書の違いは、出す段階と目的です。注文請書は、取引が始まる前の段階で「注文を引き受けた」ことを示す書類で、代金の支払を求めるものではありません。請求書は、納品や検収のあとに「この金額を、この期日までに支払ってください」と求める書類です。金額が同じでも役割が違うため、請書を請求書の代わりにすることはできず、両方を取引の流れの中でそれぞれ発行します。請求書の記載内容は注文書・請書と金額が一致していることが前提なので、3つの書類を取引単位でひもづけておくと、支払前の突き合わせが楽になります。

受注書・発注請書・請書は同じ書類か

「受注書」「発注請書」「請書」など、呼び方は会社や業界によってさまざまです。法律で呼び方が決められているわけではなく、大切なのは表題ではなく、注文を承諾する内容になっているかどうかです。印紙税でも同じ考え方で、国税庁の質疑応答事例「物品販売の注文請書」では、表題が「請書」であっても、契約の内容が請負か物品の譲渡(売買)かで判断するとされています。

なお、「請書」という言葉全般の意味や、電子契約サービスを使った取り交わし方については、請書の意味と電子化を解説した記事で扱っています。注文書と発注書の呼び分けは発注書と注文書の違いを解説した記事が参考になります。この記事では、注文書に対する注文請書に絞って、書き方と発行後の扱いを中心に解説します。

注文請書の書き方|記載すべき項目

注文請書に法律で決まった書式はありません。ただし、注文書に対する承諾であることがわかり、取引の条件を特定できる内容になっている必要があります。実務で記載されることが多い項目は次のとおりです。

項目 書き方のポイント
タイトル・文書番号 「注文請書」と明記する。対応する注文書の番号を併記すると、後で突き合わせしやすい
発行日 請書を発行した日付。注文書の日付より前にならないようにする
宛先(発注者) 発注者の会社名・部署名・担当者名を正式名称で書く
発行者(受注者) 自社の会社名・所在地・連絡先。紙の場合は社印を押すのが一般的
承諾の文言 「下記のとおりご注文をお請けいたします」など、承諾の意思がわかる一文を入れる
注文内容 件名、品目、仕様、数量、単価、金額。注文書の表記をそのまま写し、略称に言い換えない
合計金額 税抜金額と消費税額を分けて書く。印紙税の記載金額の判定にも関わる
納期・納入場所 日付で特定する。工事や開発では工期や作業期間として書く
支払条件 締め日、支払日、支払方法。基本契約書がある場合は「基本契約書による」としてもよい
備考 基本契約書との関係、注文書と異なる条件がある場合の明記など

書くときに押さえたい3つのポイント

1つ目は、注文書と1項目ずつ照合することです。注文請書は注文書の内容を承諾する書類なので、品目・数量・金額・納期が注文書と一致していることが前提です。もし注文書の条件のままでは受けられない点(納期が間に合わない、数量が足りないなど)がある場合は、請書に黙って別の条件を書くのではなく、発注者に連絡して注文書を出し直してもらうのが確実です。条件を変えて承諾した場合、それは元の申込みへの承諾ではなく、新しい申込みとして扱われる可能性があるためです。

2つ目は、金額の表記を統一することです。税込か税抜かがあいまいだと、請求時に金額の認識がずれます。税抜金額、消費税額、税込金額を分けて書いておけば、請求書との照合も楽になります。

3つ目は、過去の請書を使い回すときに案件固有の項目を必ず更新することです。前回のファイルをコピーして作ると、納期や件名、文書番号が古いまま残りやすくなります。発行前に確認する項目を決めておくと防ぎやすくなります。

業種によって追加したい項目

基本の項目は共通ですが、業種によって加えておきたい情報があります。建設業では、工事名、工事場所、工期、請負代金の支払時期など、建設業法で書面に記載することが求められている事項との関係を意識する必要があります。ITやシステム開発では、請負か準委任かという契約の形、作業範囲、検収の基準を書いておくと、納品時の認識のずれを減らせます。製造業では、品番や図面番号、納入場所、継続的な取引であれば基本契約書に基づく個別の注文であることを備考に記載しておくと整理しやすくなります。

注文請書に押印は必要か

法律上、契約の成立に押印は必要とされておらず、注文請書への押印が一律に義務づけられているわけではありません。ただし、紙で交付する場合は、社内ルールや取引先の求めで社印の押印を求められることがあるため、取引先との取り決めに従うのが実務的です。なお、請負にあたる注文請書に貼った収入印紙の消印は、作成者や従業員などの印章または署名で、書面と印紙の彩紋にかけて行います。単に「印」と書いたり斜線を引いたりするだけでは消印したことにはなりません(国税庁質疑応答事例「印紙の消印の方法」)。

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注文請書の法的効力|契約はいつ成立するか

民法では、契約は、申込みに対して相手方が承諾をしたときに成立するとされています。また、法令に特別の定めがある場合を除き、契約の成立に書面の作成は必要ないとされています。つまり、口頭やメールのやり取りでも契約は成立し得ますし、注文請書の発行そのものが一律に義務づけられているわけでもありません。

そのうえで注文請書に意味があるのは、承諾の意思表示が書類として残るからです。注文書だけでは「申込みがあった」ことしか示せませんが、注文請書があれば「承諾があった」ことと、その日付、条件を確認できます。一般的には、注文請書が発注者に届いた時点で承諾の意思が相手に伝わり、契約が成立したと考えられます。基本契約書に「注文書の受領後、一定期間内に異議がなければ承諾したものとみなす」といった定めがある取引では、請書がなくても成立する場合があるため、自社の基本契約書の定めを確認しておきましょう。

発行が事実上必要になる取引

民法上は任意でも、取引の種類によっては書面でのやり取りが強く求められます。代表的なのが建設工事です。建設業法第19条は、建設工事の請負契約の当事者に対し、工事内容や請負代金の額、工期などを書面に記載し、署名または記名押印をして相互に交付することを求めています。国土交通省の通達では、注文書と請書の形で契約を結ぶ場合について、基本契約書を交わしたうえで個別の取引を注文書・請書で行う方法や、注文書・請書に基本契約約款を添付する方法など、同条に違反しないと解される要件が整理されています。建設工事では、注文書と請書だけを簡単に交わせば足りるとは限らない点に注意が必要です。

また、2026年1月1日に施行された中小受託取引適正化法(取適法、従来の下請法を改正したもの)では、対象となる取引について、発注する側の委託事業者に、発注内容を書面または電磁的方法で明示する義務と、取引に関する書類を作成・保存する義務が課されています。義務の対象は発注する側であり、受注者に注文請書の発行を義務づけるものではありませんが、受注者としても、明示された発注内容と自社の請書が一致しているかを確認し、記録を残しておくことが自社を守ることにつながります。

なお、ここでの説明は法令の一般的な内容を紹介するもので、法的助言ではありません。自社の取引が各法令の対象になるかどうかは、所管官庁の公表資料や専門家にご確認ください。

建設業のように注文書と請書のやり取りが多い業種では、書面の交付を求める法令への対応と、取り交わした書類の保管をセットで考えておくと運用が安定します。取り交わしを電子で行いながら、承認の流れも整えたい場合の一例が、freeeサイン(運営会社はfreeeサイン株式会社)です。商品ページでは、弁護士監修の電子契約サービスで、リモートでも承認できるワークフローを搭載していること、従量課金制ではないため送信件数が増えても料金が変わらないことが紹介されています。freeeの会計・人事労務などのサービスをすでに使っている会社にも向いているとされています。注意点として、画面が簡素な分、場所が分かりにくい機能もあるという声があります。なお、建設業法が求める書面の要件を電子での取り交わしで満たせるかは、国土交通省の資料や専門家で確認してください。料金はプランによって異なるため、詳しくは資料や公式サイトで確認してください。

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出典:www.freee.co.jp

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  • リモートワークでも契約業務が進められるようになり、社内ガバナンスも強化されました。 またワークフロー内での契約承認・締結により、業務時間が40%程削減できました。 紙の使用が大幅に減り、コスト削減にも繋がってます。

  • 郵送など紙でのやり取りがなくなり、どこにいてもことがその場で完結でき、スムーズに契約等を行うことができる。また、紙としての保管をしなくても良くなり、書類管理もシステム上で行えることがメリットに感じます。

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弘栄設備工業株式会社(注文書・注文請書の事例として掲載) 出典:freeeサイン導入事例一覧

注文請書を受け取ったら|発注者側の確認と保管

注文請書が届いたら、まず注文書と品目・数量・金額・納期が一致しているかを照合し、問題がなければ注文書とセットで保管します。違いがあれば、そのままにせず着手前に連絡します。

  1. 注文書と1項目ずつ照合する。品目、数量、単価、金額(税抜・消費税・税込)、納期、納入場所、支払条件を見る
  2. 違いがあれば、受注者に連絡する。注文書を出し直すか、請書を再発行してもらうかを決める
  3. 注文書とセットにして保管する。法人は、取引に関して作成または受領した書類を原則7年間保存する必要がある
  4. 請書が届かないときは、受注者に確認する。発行が遅れると、着手や納期の認識がずれる原因になる

印紙についても整理しておきます。請負にあたる注文請書を紙で受け取った場合、印紙を貼って消印する義務があるのは文書の作成者である受注者で、受け取る側が貼る必要はありません。国税庁の質疑応答事例「印紙を貼り付けなかった場合の過怠税」も、課税文書の作成者が印紙税を納付する前提で説明しています。

発注する側が取適法の対象となる取引では、先に説明したとおり、発注内容の明示と書類の保存が発注者の義務です。受け取った請書の内容が明示した発注内容と食い違っていないかを確認する作業は、この義務を果たすうえでも役立ちます。注文書・請書の電子化や保存要件については、注文書・注文請書の電子化を解説した記事もあわせてご覧ください。

5サービスの役割を比較表で見る

注文請書に収入印紙は必要か

注文請書に収入印紙が必要かどうかは、「契約の種類」「記載金額」「交付の方法」の3点で決まります。国税庁は、請負についての契約書が印紙税額一覧表の第2号文書「請負に関する契約書」に該当するとし、その例として工事注文請書や物品加工注文請書を挙げています。つまり、工事や加工、システム開発のように仕事の完成を約束する請負の注文請書は、紙で交付する場合、原則として課税文書になります。

契約の種類と交付方法の組み合わせで、印紙の要否は次のように整理できます。

契約の種類 紙で交付する場合 電子データで交付する場合
請負(工事・加工・開発など) 課税文書(第2号文書)。記載金額が1万円以上なら印紙が必要 電磁的記録は文書に含まれず、印紙税は課税されない
売買(既製品の販売など) 請負に関する契約書(第2号文書)にはあたらない。ただし継続的取引の基本となる条件を定める内容が含まれると、別の課税文書にあたることがある 電磁的記録は文書に含まれず、印紙税は課税されない
記載された契約金額 印紙税額(第2号文書)
1万円未満 非課税
1万円以上100万円以下 200円
100万円を超え200万円以下 400円
200万円を超え300万円以下 1,000円
300万円を超え500万円以下 2,000円
500万円を超え1,000万円以下 1万円
1,000万円を超え5,000万円以下 2万円
契約金額の記載がないもの 200円

上の表は国税庁のタックスアンサー「No.7102 請負に関する契約書」に基づくもので、5,000万円を超える区分や、建設工事の請負契約書に適用される軽減措置(令和9年3月31日までに作成されるものが対象)は同ページで確認できます。税額は法改正で変わることがあるため、発行時点の最新情報をご確認ください。

印紙が不要になる主なケース

  • 記載された契約金額が1万円未満の場合
  • 既製品の購入など、請負ではなく物品の売買にあたる注文の場合(ただし、継続的な取引の基本となる条件を定める内容が含まれると、別の課税文書にあたることがあります)
  • 紙の書面を交付せず、電子データで送信する場合

請負か売買かは書類のタイトルではなく、取引の実質で判断されます。たとえば既製品を仕入れる注文は売買ですが、仕様を指定して製作してもらう注文は請負にあたる可能性があります。判断に迷う場合は税務署や税理士に確認するのが確実です。また、消費税額を区分して記載している場合は、税抜の金額が記載金額として扱われます。金額が区分の境目に近い取引では、税抜と消費税を分けて書くかどうかで税額が変わることがあります。

印紙を貼らなかった場合・消印をしなかった場合

印紙を貼るべき書面に貼らなかった場合、国税庁の質疑応答事例では、納付しなかった印紙税額とその2倍に相当する金額との合計額、つまり印紙税額の3倍の過怠税が徴収されるとされています。調査を受けることを予知せずに自主的に申し出た場合は1.1倍です。また、貼った印紙を所定の方法で消印しなかった場合は、消されていない印紙の額面金額に相当する金額の過怠税が徴収されます。

電子データで送る場合の扱い

国税庁の質疑応答事例「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」では、書面の注文請書に代えて、請負内容などを記録した電磁的記録に電子署名を付して電子メールで送信する場合について、印紙税の課税対象となるのは文書であり、電磁的記録は文書に含まれないため、印紙税は課税されないと回答されています。PDFをメールで送る、電子契約サービスで取り交わす、といった方法であれば、紙の請書を交付する場合と違い印紙は不要という扱いです。

注意したいのは、電子で送ったあとに、慣習で同じ内容の紙を印刷・押印して郵送してしまうケースです。紙の書面を交付すれば、その書面は課税文書にあたる可能性があります。「この取引は紙か電子か」をあいまいにしないことが、印紙税を正しく扱うための前提です。

ここで管理の問題が出てきます。紙で交付した請書と電子で送った請書が混在していると、どの取引に印紙を貼ったのか、原本はどこにあるのかを後から確認しにくくなります。税務調査や社内監査で説明を求められたときに備えるには、取引ごとに「交付方法」「印紙の有無」「原本の保管場所」を記録し、注文書と請書をひとまとめに探せる状態にしておくことが有効です。交付方法を電子に統一し、取り交わしと保管を同じ場所で記録できる仕組みを選ぶのも、印紙の貼り忘れと二重交付を防ぐ方法の1つです。

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注文請書の保存期間と保管方法

注文請書は発行して終わりではなく、一定期間の保存が必要です。国税庁のタックスアンサー「No.5930 帳簿書類等の保存期間」では、法人は取引に関して作成または受領した書類(注文書、契約書、領収書などが例示されています)を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存しなければならないとされています。青色申告で欠損金が生じた事業年度などは10年間です。自社が発行した注文請書の控えも、相手から受け取った注文請書も、取引に関する書類として保存の対象になります。

保管方法は、紙で受け渡した書類と、電子データで受け渡した書類とで考え方が異なります。メールやクラウドサービスで受け渡した注文書・注文請書は電子取引のデータにあたり、電子帳簿保存法のルールに沿って、データのまま、日付・金額・取引先で検索できるなどの要件を満たして保存する必要があります。印刷した紙だけを残す運用では足りない点に注意してください。紙で受け取った書類をスキャンしてデータで保存する場合は、電子帳簿保存法のスキャナ保存の要件に沿う必要があります。要件の詳細は、先ほどのタックスアンサーが案内している国税庁の電子帳簿保存法Q&Aで確認してください。

7年から10年という期間は、担当者の異動や退職をまたぐ長さです。個人のメールボックスやパソコンに保存したままでは、数年後に探し出せなくなるおそれがあります。会社として保管場所を決め、注文書と請書を取引単位でまとめておくことが、保存義務を果たすうえでも実務のうえでも大切です。

紙で受け取った請書と電子で受け取った請書が混在していて、保管場所を1つにまとめたい場合の一例が、マネーフォワード クラウド契約(運営会社は株式会社マネーフォワード)です。商品ページでは、紙の契約書と電子契約書をまとめて一元管理でき、他社の電子契約サービスで締結したデータも取り込めること、契約書の送信料・保管料の追加課金がないことが紹介されています。注意点として、ハンコの印影にもう少し工夫の余地があるという声があります。料金はプランによって異なるため、詳しくは資料や公式サイトで確認してください。

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウド契約

マネーフォワード クラウド契約
出典:biz.moneyforward.com

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウド契約

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  • 契約書紙で印刷し、さらに契約先に郵送するなどしていた。近頃は郵便料金が値上がりしているため、印刷から郵送までの工程のコストがかさんでいたという課題があった。ところが、このサービスを利用することで、これらのコストが全くかからなくなった。大変大きなメリットだと感じている。

  • 雛形利用により簡単に契約書フォームを作成する事が可能になった。 契約相手とも対面でなくインターネットを使ったワークフローで契約する事が可能となった。 対面では無い為、商談日時のネゴ取り等も不要になった。 契約書をペーパレスで管理する為、契約書管理が楽になった。

営業活動においては見積書を出して、その後に注文書、そして最後に請求書と複数の書類が存在するため、それらをクラウド上で一元管理できるのは、非常に便利だなと感じています。

株式会社ワンオールシステム(IT・メディア、11-50名) 出典:マネーフォワード クラウド契約導入事例

注文請書でよくある失敗パターン

注文請書に関する失敗は、書き方そのものよりも、発行のタイミングや発行後の扱いで起きるものが目立ちます。よくあるパターンと対策を整理しました。

失敗パターン 起きること 対策
注文書と条件が違うまま請書を出す 納期や金額で「どちらが正しいか」の争いになる 発行前に1項目ずつ照合し、違いがあれば注文書を出し直してもらう
請書の発行前に作業を始める 条件が固まらないまま進み、仕様変更や減額に対応しにくい 注文書の受領と請書の発行を着手の条件として社内で決めておく
請負なのに印紙を貼り忘れる 過怠税の対象になる(印紙税額の3倍が徴収される場合がある) 契約の種類と金額を発行時に確認する。電子での交付に統一する方法もある
電子で送ったあと紙も郵送する 紙の書面が課税文書にあたる可能性が生じる 取引先ごとに紙か電子かを決め、二重に交付しない
注文書と請書を別々に保管する 必要なときに突き合わせができず、確認に時間がかかる 取引単位で2通をまとめ、文書番号で関連づけて保管する
担当者の手元だけに保存する 異動や退職で所在がわからなくなる 会社としての保管場所と検索方法を決める

上の3つは発行時の確認で防げますが、下の3つは仕組みがないと繰り返されます。特に、変更注文や追加注文が発生する取引では、同じ案件に複数の注文書と請書が存在することになり、どれが最新の条件なのかがわかりにくくなります。変更のたびに新しい注文書と請書を交わし、元の書類と関連づけて残しておくことが、後から経緯をたどるための最低限の備えです。

注文書と請書が別々に保管されている、担当者の手元にしか残っていない、といった失敗は、個人の注意だけでは防ぎきれません。紙の書類が大量に残っている会社で、全社の取引書類をまとめて検索できる状態にしたい場合の一例が、Contract One(運営会社はSansan株式会社)です。商品ページでは、紙・電子を問わず契約書をAI-OCRと専門スタッフの確認でデータ化して一元管理できること、全文検索や契約期限のアラート通知があること、紙の契約書はスキャン作業を代行してもらえることが紹介されています。注意点として、導入時に業務フローの見直しが必要になる場合があります。料金はプランによって異なるため、詳しくは資料や公式サイトで確認してください。

Sansan株式会社

Contract One

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出典:contract-one.com

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  • 導入時、業務フローの見直しが必要な場合も

Contract Oneを導入したことで、契約書を一元管理できるようになり、全社統一の契約書管理マスターデータを構築でき、関連情報の把握や検索も容易になりました。

イオンマーケティング株式会社 総務部ご担当者様 出典:Sansan株式会社ニュースリリース(2026年1月22日)
5サービスの役割を比較表で見る

注文請書を電子化したときの効果の測り方

注文請書を紙から電子に切り替える、あるいは保管をシステムに集約する場合、効果は「なんとなく楽になった」ではなく数値で確認できるようにしておくと、社内での説明や次の改善につなげやすくなります。導入前の数値を1か月分だけでも記録しておき、導入後と比べるのが基本です。

測る項目 測り方 見るポイント
印紙代 月ごとの請書の発行件数と、貼付した印紙の合計額 電子での交付に切り替えた件数分だけ減っているか
発行にかかる時間 注文書の受領から請書の送付までの日数 印刷・押印・郵送の待ち時間がなくなっているか
郵送費・印刷費 請書の送付にかかった切手代・封筒代・用紙代 紙でのやり取りが残っている取引先の割合
検索にかかる時間 過去の請書を1件探し出すのにかかる時間 担当者以外でも探せるようになっているか
突き合わせの漏れ 注文書に対して請書が未発行・未受領の件数 2通がそろっていない取引を一覧で把握できるか

印紙代や郵送費は、電子での交付に切り替えた時点で効果が見えやすい項目です。一方、検索にかかる時間や突き合わせの漏れは、発行を電子化しただけでは改善しません。電子で発行した請書がメールの添付ファイルのまま散らばっていれば、紙の時代と同じように探す手間が残るからです。発行の電子化と、発行後の保管・検索の仕組みは別のものとして考え、両方がそろって初めて、注文請書にかかる手間全体が減ります。

保管・検索の仕組みを選ぶ際は、自社の請書が紙中心か電子中心か、月に何件程度あるか、営業・購買・経理のうち誰が検索するのかを先に整理しておくと、必要な機能を絞り込みやすくなります。

検索にかかる時間や突き合わせの漏れを、仕組みで減らしたい場合の一例が、SMBCクラウドサイン(運営会社はSMBCクラウドサイン株式会社)です。商品ページでは、契約金額や契約期間を自動で読み取って登録するAI契約書管理機能があること、組み合わせ検索や範囲指定検索など電子帳簿保存法の検索要件を満たす検索機能があること、紙で締結した書類もスキャンしてアップロードし一元管理できること、メガバンクのセキュリティ基準が採用されていることが紹介されています。注意点として、フォルダ管理の自由度が低いという声があります。料金はプランによって異なるため、詳しくは資料や公式サイトで確認してください。

SMBCクラウドサイン株式会社

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出典:www.smbc-cloudsign.co.jp

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今は社内システムで稟議を回し、SMBCクラウドサインを利用して発注するという流れになったので、どんな発注をしているのかがシステム上ですぐにわかります。いきなり請求書が届いて混乱するようなこともなくなりました。

株式会社山一建設 経理部 平野陽一氏(発注書での利用事例) 出典:SMBCクラウドサイン導入事例

よくある質問(FAQ)

Q1. 注文請書と注文書の違いは何ですか?

A. 注文書は発注者が発行する「申込み」の書類、注文請書は受注者が発行する「承諾」の書類です。2通がそろうことで、契約書を1通交わしたのと同じように合意の内容を確認できます。

Q2. 注文請書は必ず必要ですか?

A. 民法上、契約の成立に書面は原則として必要なく、注文請書の発行が一律に義務づけられているわけではありません。ただし建設工事の請負契約のように書面の交付が求められる取引があるほか、後日のトラブルを防ぐ証拠として発行するのが一般的です。

Q3. 注文請書が届いたらどうすればいいですか?

A. まず注文書と品目・数量・金額・納期が一致しているかを照合します。違いがあれば着手前に受注者へ連絡し、問題がなければ注文書とセットにして、法人は原則7年間保管します。

Q4. 注文の請書と請求書の違いは何ですか?

A. 注文請書は取引の前に「注文を引き受けた」ことを示す書類で、代金の支払を求めるものではありません。請求書は、納品や検収のあとに金額と支払期日を示して支払を求める書類で、役割が異なります。

Q5. 注文請書に収入印紙は必要ですか?PDFで送れば不要ですか?

A. 工事や加工、開発などの請負にあたる注文請書を紙で交付する場合、記載金額が1万円以上であれば原則として必要です。物品の売買にあたる場合や、記載金額が1万円未満の場合は不要で、電子データで送信する場合も、国税庁の質疑応答事例では課税されないとされています。ただし、電子で送ったあとに同じ内容の紙を別途交付すると、その紙は課税文書にあたる可能性があります。

Q6. 注文請書は何年保存し、どう管理すればよいですか?

A. 法人の場合、確定申告書の提出期限の翌日から原則7年間、欠損金が生じた事業年度などは10年間の保存が必要です。メールなどで受け渡したものは電子データのまま検索できる状態で保存し、注文書とは取引単位でまとめ、取引先名・金額・日付で探せるようにしておきます。

まとめ|注文請書の実務で押さえたい6つのこと

注文請書は、注文書という申込みに対する承諾を書類にしたもので、2通がそろって初めて契約の内容を確認できます。実務で押さえておきたいポイントは次のとおりです。

  1. 注文請書は受注者が発行する承諾の書類で、請求書とは役割が違う。注文書と内容が一致していることが前提になる
  2. 記載項目は注文書と1つずつ照合し、条件が違う場合は注文書を出し直してもらう
  3. 発行は一律の義務ではないが、建設工事など書面の交付が求められる取引がある
  4. 印紙の要否は、請負か売買か、記載金額、紙か電子かで決まる。電子で送ったあとに紙を重ねて交付しない
  5. 受け取った側も、照合して注文書とセットで保管する。原則7年間の保存が必要なため、まとめて検索できる形で管理する
  6. 紙と電子が混在している、件数が増えて探せないといった場合は、取り交わしと保管をまとめるサービスを検討し、資料で比較する

書き方や印紙の判断は、ルールを一度理解すれば迷いにくくなります。手間がかかり続けるのは、発行したあとの保管と確認の側です。発行の方法とあわせて、注文書と請書をどこに、どう残すかまで決めておくことが、受発注の書類に振り回されないための近道になります。

参考文献

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