音声翻訳とは?仕組みとビジネスでの活用シーン・選び方を解説
Check!
- 音声翻訳の仕組みと種類、使い分けがわかる
- 精度の考え方と、訳を確かめる方法がわかる
- 選び方と、訳したあとの確認手順がわかる
音声翻訳とは、話した言葉を機械が聞き取り、別の言語に変換して、文字や音声で相手に伝える技術です。音声認識・機械翻訳・音声合成の3つを組み合わせて動き、スマートフォンのアプリ、専用の翻訳機、Web会議の機能などの形で提供されています。海外の取引先との商談、訪日客への接客、海外出張先でのやり取りなど、通訳を毎回手配するのが難しい場面で使われます。一方で、訳が常に正しいわけではなく、訳した内容を確認して記録に残す作業は人の側に残ります。本記事では、仕組みと種類、精度の考え方、活用シーン、選び方、よくある失敗、情報漏洩を防ぐ注意点までを順に解説します。
音声翻訳の使い方、あなたの場面ならどこから読む? かんたん診断
Q1. 音声翻訳を使いたい場面は、どちらに近いですか?
おすすめ記事
目次
開く
閉じる
開く
閉じる
音声翻訳とは|仕組みと、訳したあとに残る作業
音声翻訳とは、話した言葉を機械が聞き取って別の言語に変換し、文字や音声で相手に伝える技術です。音声認識・機械翻訳・音声合成の3つの技術を順につなげて動くため、どこか1つの段階で誤りが起きると、その誤りは後の段階にそのまま引き継がれます。
音声翻訳システムを支える3つの技術
| 段階 | 技術 | 役割 | 誤りが起きやすい場面 |
|---|---|---|---|
| 1 | 音声認識 | 話し声を文字に変換する | 周囲の雑音、早口、方言、複数人の同時発言 |
| 2 | 機械翻訳 | 文字を別の言語の文字に変換する | 主語の省略、あいまいな表現、専門用語、固有名詞 |
| 3 | 音声合成 | 訳した文字を音声で読み上げる | 数字や略語の読み方、イントネーション |
多くの音声翻訳ツールは、訳した結果を読み上げるだけでなく、画面に文字でも表示します。読み上げまで行う方式と、字幕のように文字だけを表示する方式があり、会議では字幕型の方が、聞き逃した内容を目で確認しやすい場面があります。
訳したあとに残る作業
音声翻訳が減らすのは「言葉を訳す手間」です。一方で、商談や会議のあとには、決まった条件や数字、次の期日を文字で確認し、相手と共有する作業が残ります。口頭の訳だけで終えてしまうと、後から食い違いに気づいても、何をどう伝えたかを確かめる手がかりがありません。確認を頼まれた人が期限までに返す、決まったことを関係者に共有する、といった流れは、人が担います。
訳した内容の確認依頼や、決まったことの共有を、メールの添付から切り離して回したい場合の一例が、株式会社kubellが提供するChatworkです。Chatworkは翻訳サービスではないため、訳す作業そのものは音声翻訳ツールで行います。商品ページでは、タスクを作成でき、完了するとチャットへ自動で通知されること、アップロードしたファイルをチャット参加メンバーのみで共有できること、ビデオ通話・音声通話が標準で使えることが特徴として紹介されています。一方で、フリープランは過去40日分・5,000件までしか閲覧できない点が注意点とされているため、利用規模に合うプランの確認が必要です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
おすすめ!
- チャットだけでなく「ビデオ通話」「音声通話」も標準装備
- タスク管理が行えて、タスクが完了すると自動でチャットへ通知
- ファイルがアップロードでき、チャット参加メンバーのみで共有
気になる…
- フリープランは過去40日分、5,000件までしか閲覧できない
「大事な内容が大量のメールに埋もれることが多く、依頼しても忘れられてしまう事態が起きていました。」
出典: Chatwork導入事例 株式会社モリチュウ(社員22名、取材2022年9月) https://go.chatwork.com/ja/case/morichu.html
自社の訳した内容の確認や共有が、メールや口頭に偏っていないかを振り返り、機能や進め方を具体的に知りたい場合は、資料で確認してみてください。
会議で決まった確認事項を、依頼として残して共有したい会社に
Chatworkの資料を無料でダウンロードできます
音声翻訳の種類|アプリ・専用機・Web会議機能と、人の通訳との違い
音声翻訳の種類は、提供の形で大きく分けると、スマートフォンのアプリ、専用の翻訳機、Web会議や電話に組み込まれた機能、録音データを訳すサービスの4つです。どれが優れているかではなく、使う場面で選びます。
| 種類 | 主な使い方 | 向いている場面 | 留意点 |
|---|---|---|---|
| スマートフォンのアプリ | 話しかけて訳を表示・読み上げする。会話モードで相手と交互に話せるものもある | 出張先、店舗や窓口での簡単な会話 | 機能や対応言語はアプリごとに異なる。業務での利用条件とデータの扱いを確認する |
| 専用の翻訳機 | 持ち運べる端末で、マイクとスピーカーを使って訳す | 通信や端末の設定に不慣れな相手との対面の会話、現場での利用 | 端末の用意と管理が必要。対応言語やオフラインの範囲は機種ごとに確認する |
| Web会議・電話の翻訳機能 | 会議や通話の発言を、字幕や音声で訳す | 海外拠点や取引先とのオンライン会議 | 使っている会議システムで使えるか、遅延や同時発言への強さを確認する |
| 録音データの翻訳・議事録 | 録音した音声を文字にして翻訳する | 会議後の記録づくり、研修や動画の翻訳 | その場の会話には向かない。固有名詞や数字は人が確認する |
| 人の通訳(遠隔を含む) | 通訳者が会話を訳す | 契約条件や交渉など、誤訳が損害につながる場面 | 手配と費用が必要。ニュアンスや交渉に強い |
スマートフォンで使う|Googleの翻訳アプリとiPhoneのライブ翻訳
スマートフォンでの音声翻訳は、手持ちの端末ですぐに試せます。Googleの公式ヘルプ(Android版)では、翻訳アプリを開き、音声入力の言語と翻訳する言語を選び、マイクのアイコンをタップして話す手順が案内されています。マイクのボタンが無効になる言語は、音声入力による翻訳に対応していません。App Storeの「Google 翻訳アプリ」のページには価格が「無料」と表示され、音声入力、会話、音声文字変換の機能が案内されています。対応する言語は機能ごとに異なるため、使う言語の組み合わせで事前に試しておきましょう(いずれも2026年10月16日確認)。
iPhoneでは、Appleの公式サポートに「ライブ翻訳」の使い方が案内されています。電話アプリでは通話中に「その他」から「ライブ翻訳」を選んで翻訳を開始すると、こちらの発言が翻訳されて音声で相手に伝えられ、相手の返答も翻訳されます。画面上で文字起こしも確認できます。使う言語がインストールされていない場合はダウンロードされ、数分かかることがあります。機能は一部の地域や言語では利用できない場合があります。モバイルデータ通信を使う場合は、通信事業者の料金が発生することがあります(2026年10月16日確認)。手順の詳しい流れや、用途別のツールの選び方は、音声翻訳ツールの選び方|対面接客・Web会議・出張の用途別タイプと注意点で取り上げています。
無料アプリと業務向けサービスの違い
無料で使える音声翻訳アプリは手軽に試せますが、業務で継続して使う前提で作られているとは限りません。たとえばNICT(情報通信研究機構)が提供する「VoiceTra」は、33言語に対応し、ダウンロードも利用も無料とされています。ただし、個人の旅行者の試用を想定して作られた研究用のアプリで、研究目的のサーバーを使っていると案内されており、本格的な用途では、VoiceTraの技術を活用した民間サービスの検討が勧められています(2026年10月16日確認)。業務で使うツールは、利用規約で業務利用が認められているか、会話データがどう扱われるか、管理者が利用状況を把握できるかを確認したうえで選びましょう。
人の通訳との使い分け
音声翻訳は、通訳者を手配しなくてもすぐに使える点が強みです。早朝や深夜の対応、短い案内や確認のように、誤訳が起きても取り返しがつく会話に向いています。一方で、契約条件の詰めや、相手の意図を汲んだ交渉のように、ニュアンスや文脈が結果を左右する場面では、通訳者に依頼する方が安全です。迷う場合は、「誤訳が起きたときの損害の大きさ」で分けると判断しやすくなります。
音声翻訳は正確?精度の考え方と、確かめ方
音声翻訳の正確さは、ツールの性能だけで決まるのではなく、話し方、周囲の環境、扱う内容の専門性によって大きく変わります。旅行先で道を尋ねるような短い会話と、契約条件を詰める商談とでは、求められる正確さがまったく違うためです。
公的ロードマップに見る、音声翻訳の到達レベル
国内では、総務省が2020年3月に「グローバルコミュニケーション計画2025」を公表し、NICTの多言語翻訳技術の研究開発と社会実装を進めています。この計画は、翻訳技術の到達レベルを次の3段階で示しています。表は計画上の目標であり、市販のツールが各段階に達しているかを示すものではないため、実際の水準は製品ごとに試して確かめる必要があります。
| 目標の時期 | 計画が示すレベル | 想定される場面 |
|---|---|---|
| 2020年 | 日常生活やビジネスを支える翻訳(逐次翻訳) | 日常生活、行政手続、医療、旅行、ビジネス等の場面での会話の支援 |
| 2025年 | 文脈・話者の意図等を補う同時通訳 | ビジネスや国際会議等での議論の場面。文脈、話者の意図、周囲の状況、文化的背景等を補いながら翻訳する |
| 2030年 | シビアな交渉にも使える同時通訳 | ビジネスや国際会議等での、シビアな交渉 |
この表からは、計画の側でも「シビアな交渉」に使える水準は、より先の目標に置かれていることがわかります。総務省の「令和7年版 情報通信白書」には、NICTの個人向けアプリ「VoiceTra」に加え、民間企業による40を超えるサービスが展開され、医療、防災、観光などの分野でも活用が進んでいると記載されています。使える場面は広がっていますが、交渉の最終確認まで任せてよいかは、別に考える必要があります。
「誤訳が起きても困らない会話か」で使い分ける
ビジネスで使うときは、誤訳が起きても困らない会話か、誤訳が起きると損害が出る会話かを分けて考えることが大切です。前者は音声翻訳に任せ、後者は訳を確認する手順を組み込んだり、専門の通訳や翻訳者に依頼したりと、使い分けを決めておきます。
逆翻訳で訳を確かめる
相手の言語がわからないと、こちらの言葉が正しく訳されたかを判断できません。そこで役立つのが、訳した文をもう一度元の言語に戻して表示する「逆翻訳」です。逆翻訳の結果が自分の言いたかった内容とずれていれば、言い回しを変えて話し直す、という確認ができます。逆翻訳の結果が正しくても訳が完全に正しいとは限りませんが、大きな誤りに気づくための手がかりとして有効です。
ビジネスでの活用シーン(商談・Web会議・接客・海外出張)
音声翻訳が使われる場面は、商談、Web会議、店舗や窓口の接客、海外出張、外国籍社員とのやり取りなどです。総務省の同計画は、社会的背景として、日本企業の海外拠点や国際会議の増加、外国人の役員・社員の増加、多言語での会議に対応できる人材の不足による通訳へのニーズの高まりを挙げています。場面ごとに重視すべき機能と、気をつけるべき点が異なるため、代表的な活用シーンを表にまとめました。
| 活用シーン | 主な使い方 | 重視したい機能 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 商談・打ち合わせ | 海外の取引先との対面会議、来日した担当者との面談 | 双方向翻訳、文字での表示と記録 | 金額・納期などの条件は文書で確認する |
| Web会議 | 海外拠点や取引先とのオンライン会議で、訳を字幕のように表示する | 利用中のWeb会議システムとの連携、遅延の少なさ | 複数人が同時に話すと聞き取り精度が落ちやすい |
| 店舗・窓口での接客 | 訪日客への案内、ホテルのチェックイン、受付での問い合わせ対応 | 多くの言語への対応、相手の言語の自動判別、雑音への強さ | よく使う説明は定型文として事前に用意しておく |
| 海外出張 | 移動中や現地での会話、工場や現場の視察 | オフライン翻訳、持ち運びやすさ、電池の持ち | オフラインでは翻訳の精度や対応言語が限られることがある |
| 外国籍社員とのやり取り | 現場での作業指示、面談、研修での補助 | やさしい言い回しでの訳、文字での表示 | 安全に関わる指示は、翻訳に頼らず掲示物やマニュアルでも伝える |
商談・Web会議で使うとき
商談では、相手の発言を正しく理解することと同じくらい、こちらの意図を誤解なく伝えることが重要です。音声翻訳を使う場合は、会議の冒頭で「翻訳ツールを使っているため、短い文で話します」と相手に伝えておくと、相手も区切って話してくれるようになり、訳の精度が上がります。会議の後は、決まったことを文書にまとめて相手に送り、内容に食い違いがないかを確認しましょう。会議の内容を文字として残す方法については、音声入力とは?ビジネス活用の仕組みと選び方|議事録・文章作成・コールセンターでの使い方もあわせて参考にしてください。
接客で使うとき
店舗や窓口では、相手が何語を話すのかが事前にわからないことがよくあります。話し始めた言語を自動で判別できる機能があると、言語を選ぶ手間が省けます。また、営業時間や支払い方法、館内の案内など、繰り返し説明する内容は、あらかじめ定型文として登録しておくと、毎回の翻訳の誤りを防げます。
海外出張で使うとき
出張先では、空港や地下、工場の中など、通信が不安定な場所で使う場面があります。オフラインでも使えるツールを選ぶか、出張前に必要な言語のデータを端末に入れておくと安心です。イヤホン型の機器を使う方法もあり、機能の種類はAIイヤホンとは?機能の種類とビジネスでの選び方で整理しています。現地で得た情報を社内に共有する場面も多いため、会話の内容を文字で残せる機能があると、帰国後の報告書づくりにも役立ちます。
選び方のポイント(対応言語・遅延・オフライン・データの扱い)
音声翻訳ツールは、アプリ、専用の翻訳機、Web会議用のサービスなど種類が多く、どれを選べばよいか迷いがちです。次の8つの観点で比べると、自社の使い方に合うものを絞り込めます。
| 観点 | 確認すること |
|---|---|
| 対応言語 | 取引先や来客がよく使う言語に対応しているか。言語の数よりも、必要な言語での精度を重視する |
| 双方向翻訳 | 自分と相手の言葉を、それぞれの言語に切り替えながら訳せるか |
| リアルタイム性 | 話してから訳が出るまでの遅延が、会話のテンポに合うか。実際の会話で試して確かめる |
| オフライン利用 | 通信のない場所でも使えるか。使える場合の対応言語や精度の違い |
| 翻訳精度と専門用語 | 業界の専門用語や社内用語を辞書として登録できるか。試用期間で自社の会話を試す |
| 使う環境との相性 | スマートフォン、専用機、パソコン、Web会議システムなど、使う場所で動くか |
| 会話を補う機能 | 文字での表示、会話の記録、逆翻訳、定型文、通訳者につなぐ機能などがあるか |
| セキュリティと運用 | 会話データの保存や二次利用の扱い、管理者による利用者の管理、サポート体制があるか |
対応言語は「数」より「必要な言語での質」
対応言語の数が多いツールほど便利に見えますが、実際の業務で使う言語は限られていることがほとんどです。取引先の国、来店客の国籍、外国籍の社員の母語などから、本当に必要な言語を洗い出し、その言語で十分な精度が出るかを確認しましょう。特定の国の言語だけを使うのであれば、その言語に強いツールの方が向いている場合もあります。
オフライン利用は出張・現場向けの必須条件
多くの音声翻訳ツールは、インターネットを通じて高性能な翻訳エンジンを使う仕組みです。通信が届かない場所では使えないか、端末の中だけで処理するために精度が下がることがあります。海外出張や工場、建設現場などで使う予定があるなら、オフラインでどこまで使えるかを事前に試しておくことが欠かせません。
導入前に試用期間で確かめる
翻訳の精度や遅延は、カタログの説明だけでは判断できません。試用期間やデモを利用して、実際の会話に近い条件で試すのが確実です。たとえば、よく使う専門用語を含む文、早口の会話、周囲が騒がしい場所での会話などを試し、訳の正しさと反応の速さを確認します。可能であれば、相手の言語を話せる社員にも訳を見てもらうと、精度を客観的に判断できます。
導入・利用でよくある失敗パターンと、訳したあとの確認手順
音声翻訳は手軽に使える反面、使い方を誤ると、かえって誤解やトラブルの原因になります。よくある失敗と、その直し方を表にまとめました。
| よくある失敗(Before) | 起きる問題 | 改善した使い方(After) |
|---|---|---|
| 長い文を一気に話す | 途中で聞き取りを誤り、文全体の意味が崩れる | 一文を短く区切り、主語と目的語をはっきり言う |
| あいまいな表現や比喩を使う | 「前向きに検討します」が承諾の意味で伝わるなど、意図と違う訳になる | 「今日は決められません。来週回答します」のように、結論をそのまま言う |
| 訳の確認をしない | 数字や日付の誤訳に気づかず、納期や金額で食い違う | 逆翻訳や文字表示で確認し、重要な条件は文書で送り直す |
| 個人が勝手に無料アプリを使う | 業務の会話が、管理されていないサービスに送られる | 会社として使うツールを決め、利用ルールを共有する |
| 決まったことを口頭の訳だけで終える | 何をどう伝えたかが記録に残らず、あとで認識がずれる | 決定事項を文字にして相手に送り、確認の返事ももらう |
商談・会議のあとの確認手順
表の失敗の多くは、話し方を工夫し、訳を確認する手順を決めておくことで防げます。会議や商談のあとは、次の順で進めると、訳の誤りを早い段階で見つけられます。
- 決まった条件を、金額・数量・納期・期日などの項目ごとに文字で書き出す
- 書き出した内容を、相手の言語と日本語の両方で相手に送る
- 相手からの返事(了承、または修正)を、同じ場所に残す
- 確認が必要な点は、担当者と期限を決めて依頼として残す
- 社内の関係者にも、同じ内容を共有する
この手順を毎回メールの添付で回すと、確認の依頼が埋もれたり、どれが最新の内容かわからなくなったりしがちです。確認の依頼に担当者と期限を付けて残し、資料を関係者だけで共有できる場があると、手順を回しやすくなります。次のチェックで、自社の今のやり方を振り返ってみてください。
訳したあとの確認と共有、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
セキュリティ・情報漏洩の観点での注意点
音声翻訳ツールの多くは、話した内容をインターネット上のサーバーに送って翻訳します。商談の条件、取引先の情報、顧客の個人情報など、業務の会話には外部に出してはいけない内容が含まれることが少なくありません。導入前に、次の点を確認しておきましょう。
- 会話の音声や文字のデータが、サービス提供者のサーバーに保存されるか、保存される場合はどのくらいの期間か
- 入力したデータが、翻訳エンジンの学習など別の目的に使われる可能性があるか
- データが保存されるサーバーの所在地や、通信の暗号化の有無
- 管理者が利用者のアカウントを管理し、退職者の利用を止められるか
- 利用規約で業務での利用が認められているか
顧客の氏名や連絡先などの個人情報を含む会話を翻訳する場合は、個人情報の保護に関する法律に沿った取り扱いが求められる場合があります。外部のサービスに個人情報を送ることになるため、社内の規程で扱いを決めておくことが大切です。具体的な判断が必要な場合は、個人情報保護委員会の資料を確認するか、専門家に相談してください。本記事は一般的な情報の提供を目的としており、法的な助言ではありません。
あわせて、社内での利用ルールを決めておくことも重要です。「機密性の高い会議では使わない」「顧客の個人情報は話さない」「会社が認めたツールだけを使う」といったルールを、利用する社員全員に共有しましょう。ルールは決めて終わりにせず、認めたツールの一覧や変更点を、関係者がいつでも見返せる場所に残して周知することが、守られる状態をつくります。こうした周知や、訳した内容の確認依頼を一か所で回したい場合は、Chatworkのようなビジネスチャットの活用が一例です。
利用ルールの周知と、訳した内容の確認依頼を一か所で回す
Chatworkのサービス詳細を見るよくある質問(FAQ)
Q1. 音声翻訳とはどのような技術ですか?
A. 話した言葉を機械が聞き取り、別の言語に変換して、音声や文字で伝える技術です。話し声を文字にする音声認識、文字を別の言語にする機械翻訳、訳した文字を読み上げる音声合成の3つの技術を組み合わせて動いています。
Q2. Google翻訳で音声翻訳はできますか?無料で使えますか?
A. できます。Googleの公式ヘルプでは、翻訳アプリで音声入力の言語と翻訳する言語を選び、マイクのアイコンをタップして話す手順が案内されています。App Storeの掲載ページには価格が「無料」と表示されています。ただし、対応する機能や言語は組み合わせによって異なり、マイクのボタンが無効な言語は音声入力に対応していません。
Q3. iPhoneで音声をリアルタイムに翻訳するにはどうすればよいですか?
A. Appleの公式サポートでは、電話アプリで通話中に「その他」から「ライブ翻訳」を選び、翻訳元の言語を選んで「翻訳を開始」をタップする手順が案内されています。言語がインストールされていない場合はダウンロードされ、一部の地域や言語では使えない場合があります。使う端末と言語で、事前に試しておきましょう。
Q4. 音声翻訳の精度はビジネスで使えるレベルですか?
A. 日常的な会話や簡単な案内であれば、多くの場面で実用的に使えます。ただし契約条件や金額など、誤訳が損害につながる内容では、訳を確認する手順を設けるか、専門の通訳や翻訳者に依頼するのが安全です。一文を短く区切り、主語をはっきり話すと精度が上がります。
Q5. 無料の音声翻訳アプリを業務で使ってもよいですか?
A. 利用規約で業務利用が認められているかを必ず確認してください。たとえばNICTの「VoiceTra」は個人の旅行者の試用を想定した研究用のアプリとされており、本格的な用途では民間サービスの検討が勧められています。会話データの扱いや管理機能もあわせて確認し、機密性の高い会議では使わないなどの社内ルールを決めて共有しましょう。
Q6. 音声翻訳で訳した内容の確認や共有は、どうすればよいですか?
A. 決まった条件を金額・納期・期日などの項目ごとに文字で書き出し、相手の言語と日本語の両方で送って、返事を同じ場所に残すのが基本です。確認が必要な点は担当者と期限を決めて依頼として残し、社内の関係者にも共有します。メールの添付で回すと埋もれやすいため、ビジネスチャットなど確認依頼と資料の共有を一か所で回せる場を使う方法もあります。
まとめ|音声翻訳を業務で使うために押さえる6つのこと
音声翻訳は、通訳を手配しなくても外国語で会話できる便利な技術です。本記事のポイントを振り返ります。
- 音声翻訳は、音声認識・機械翻訳・音声合成の3つの技術でできていて、どこかの段階の誤りが後に引き継がれる
- アプリ、専用機、Web会議の機能、録音データの翻訳、人の通訳は、使う場面で選び分ける
- 精度は話し方や環境、内容の専門性で変わるため、誤訳が許されない会話では確認の手順を設ける
- 対応言語、遅延、オフライン利用、専門用語への対応、データの扱いなどの観点で選び、試用期間で確かめる
- 短く区切って話し、逆翻訳や文書で確認し、会社として使うツールと利用ルールを決める
- 訳したあとの確認と共有を担当者と期限つきで残す仕組みとして、ビジネスチャットなどの導入を検討する
まずは自社で音声翻訳を使いたい場面と、必要な言語を洗い出し、試用期間を使って実際の会話に近い条件で試してみてください。訳す作業は音声翻訳に任せ、確認と共有は人が回しやすい仕組みで支える。この役割分担が、言葉の壁による手戻りを着実に減らします。
参考文献
- 総務省「グローバルコミュニケーション計画2025」 https://www.soumu.go.jp/main_content/000678485.pdf
- 総務省 報道資料「グローバルコミュニケーション計画2025」の公表 https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin03_02000298.html
- 総務省「令和7年版 情報通信白書」多言語翻訳技術の高度化に関する研究開発 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd227320.html
- 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)「VoiceTra」 https://voicetra.nict.go.jp/
- Google翻訳ヘルプ「音声入力で翻訳する」 https://support.google.com/translate/answer/6142468?hl=ja
- App Store「Google 翻訳アプリ」 https://apps.apple.com/jp/app/google-%E7%BF%BB%E8%A8%B3/id414706506
- Appleサポート「iPhoneでライブ翻訳を使う」 https://support.apple.com/ja-jp/123720
- 個人情報保護委員会 https://www.ppc.go.jp/
- Chatwork導入事例 株式会社モリチュウ https://go.chatwork.com/ja/case/morichu.html