探すアプリとは?できること・使い方とビジネス活用を解説|社用端末の紛失対策と位置情報の注意点
Check!
- 探すアプリでできることと設定がわかる
- Androidでの探し方と位置共有の注意がわかる
- 社用端末の紛失対策と帳簿の扱いがわかる
探すアプリとは、iPhone・iPad・Macなどの位置を地図で確認し、見失った端末や持ち物を探すためのAppleの標準アプリです。位置の確認のほか、音の再生、紛失モード、遠隔でのデータ消去、家族や友人との位置共有ができます。Androidには、Googleの「Find Hub」が同じ役割を果たします。社用のiPhoneをタクシーに置き忘れた、出張先でノートPCが見当たらない、といったときも、事前に設定してあれば手がかりを得られます。この記事では、できることと使い方、Android端末の探し方、位置共有と相手への通知、ビジネスでの活用方法、よくある失敗、位置情報の注意点を解説し、見つからなかった端末を帳簿の上でどう扱うかまで整理します。
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探すアプリとは|できることと、見つからなかったときに残る会社の作業
探すアプリとは、iPhone・iPad・Macなどの位置を地図で確認し、音の再生や紛失モード、遠隔消去で見失った端末を探せるAppleの標準アプリです。
以前は「iPhoneを探す」「友達を探す」という別々のアプリでしたが、現在は1つのアプリに統合されています。Androidにも、Googleが提供する「Find Hub」という同様の仕組みがあります(名称や画面はバージョンにより異なります)。Appleの「探す」アプリでできる主なことは次のとおりです。
- 同じApple Accountでサインインしているデバイスの位置を地図上に表示する
- 近くにあるはずの端末から音を鳴らして場所を特定する
- 紛失としてマークし、端末をロックしたうえで連絡先メッセージを画面に表示する
- 見つかる見込みがない場合に、端末のデータを遠隔で消去する
- 端末を置き忘れたときに、手元から離れたことを通知で知らせる
- AirTagや対応する他社製アクセサリを登録し、カバンや鍵などの持ち物を探す
- 家族や友人と位置情報を共有し、お互いの現在地を確認する
特徴的なのが「探す」ネットワークの仕組みです。オフラインになった端末でも、近くを通った他のApple製品がBluetoothで信号を受け取り、暗号化した位置情報を送ってくれるため、通信できない状態の端末でもおおよその場所がわかることがあります。また、探す機能がオンの端末にはアクティベーションロックがかかり、Apple Accountのパスワードなしでは初期化して再利用することができません。盗難時の転売を防ぐ抑止力として働く点も、ビジネス利用では見逃せない機能です。
ただし、探すアプリが教えてくれるのは、いまアカウントに紐づいている端末の位置だけです。会社として端末を持つなら、見つからなかった端末の扱いも決めておく必要があります。紛失や盗難にあった端末は、ほかの備品と同じように帳簿から外す処理や、損失として扱うかどうかの判断が発生するためです。この処理は取得価額や保険の有無、会社の会計方針によって変わります。詳しくは見つからなかった社用端末は帳簿でどう扱うかで整理します。
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実際に使ってみたレビュー記事はこちら

【レビュー】マネーフォワードクラウド会計を実際に登録して使ってみた【使い方解説】
数ある会計ソフトの中でそのサービスを使ったらいいかわからないという方も多くいると思います。そこで今回は「マネーフォワードクラウド会計」の無料登録から使い方まで、利用経験ゼロの筆者が実況形式でお伝えします。
月次決算が6営業日で対応できるようになった。監査対応で用意する書類もクラウド会計上で検索できるので、探す手間がなくなった。
出典:株式会社HITOMIOテクノロジーズ「マネーフォワード クラウド会計」導入事例(マネーフォワード、2021年8月31日公開当時の情報)
探すアプリの使い方(設定・位置確認・遠隔ロック)
探すアプリは、紛失する前に設定アプリで「iPhoneを探す」などをオンにしておけば、見失ったときに別の端末やiCloud.comから位置を確認できます。紛失してから設定しても間に合わないため、まずは端末を手元にあるうちに次の設定を確認しておきます。
事前にやっておく設定
- 端末にApple Accountでサインインする
- 設定アプリで自分の名前をタップし、「探す」から「iPhoneを探す」をオンにする
- 同じ画面で「”探す”ネットワーク」と「最後の位置情報を送信」もオンにする
- 設定アプリの「プライバシーとセキュリティ」で位置情報サービスがオンになっているか確認する
- iPadやMac、AirTagなども使う場合は、同じアカウントで探すアプリに追加しておく
「最後の位置情報を送信」をオンにしておくと、バッテリーが切れる直前の位置が送られるため、電源が落ちた端末でも最後にあった場所の手がかりが残ります。盗難対策としては、信頼できる場所以外で重要な設定変更に生体認証を求める「盗難デバイスの保護」もあわせて有効にしておくと安心です。
紛失したときの探し方
手元に端末がないときは、別のApple製品の探すアプリ、またはWebブラウザからiCloud.comの「探す」にサインインして操作します。探す手段は1つではありません。状況に応じて次のように使い分けます。
| 探す手段 | 使う場面 | ポイント |
|---|---|---|
| 別のiPhone・iPad・Macの「探す」アプリ | 自分や家族の別のApple製品が手元にあるとき | 「デバイスを探す」タブで対象の端末を選び、位置を確認する |
| iCloud.comの「デバイスを探す」 | Windowsパソコンなど、Apple製品が手元にないとき | ブラウザでApple Accountにサインインし、端末を選んで位置確認、サウンド再生、紛失としてマーク、消去を行う |
| ファミリー共有 | 家族のiPhoneを探したいとき | 家族と位置情報を共有していれば、家族の端末の位置を確認できる |
| 「友達を助ける」 | 友達の端末を借りて自分の端末を探すとき | 友達の端末のブラウザからiCloud.comにサインインして探す。「探す」アプリの「自分」タブから開ける |
| Apple Watch | iPhoneがすぐ近くにありそうなとき | Apple Watchの「デバイスを探す」アプリで位置を確認する。事前にApple Watch側で「”探す”ネットワーク」をオンにしておく |
探すアプリの主な機能と使う場面を整理すると次のとおりです。
| 機能 | できること | 使う場面・注意点 |
|---|---|---|
| 位置の確認 | 地図上に端末の現在地または最後の位置を表示 | 最初に行う。表示は誤差を含むおおよその位置 |
| サウンド再生 | 端末から音を鳴らす | 社内や車内など近くにありそうなときに有効 |
| 経路案内 | 端末のある場所までの道順を地図アプリで表示 | 他人の手元にありそうな場合は自分で取り戻そうとせず警察に相談する |
| 紛失としてマーク | 端末をロックし、連絡先とメッセージを画面に表示 | 連絡先は個人番号でなく会社の代表番号などにする |
| デバイスを消去 | 端末内のデータを遠隔で消去 | 消去後は位置の追跡ができなくなるため最終手段にする |
経路案内を使う場面が多い人は、地図アプリの種類とビジネスでの活用方法もあわせて確認すると、外出先で端末の場所へ向かう手段を選びやすくなります。
探しても見つからないときの確認ポイント
「デバイスを探す」の一覧に端末が出てこない場合は、その端末で探す機能がオフになっているか、別のアカウントでサインインしていることが考えられます。会社の端末で後者がよく起こるのは、社員が個人のアカウントでサインインしているケースです。この問題はビジネスでの活用方法で詳しく取り上げます。一覧に出ているのに位置が古い場合は、次の順で対応します。
- 地図に表示された位置が「最後の位置」かどうかを確認する。電源が切れた端末は、切れる直前の位置が手がかりになる
- 近くにありそうなら、サウンドを再生して場所を特定する
- 見つからなければ、紛失としてマークして端末をロックし、画面に会社の連絡先を表示する
- 情報漏えいのおそれが高く、見つかる見込みがない場合に限り、遠隔消去を判断する
- 盗難が疑われるときは、警察への届出と通信キャリアへの回線停止を行う
地図に「位置情報が見つかりません」と表示されるのは、電源オフやバッテリー切れ、圏外や機内モード、位置情報サービスのオフなどで、端末が位置を送れないときです。その場合は、最後の位置情報を手がかりにしながら、立ち寄った駅や施設の遺失物窓口と警察にも問い合わせます。
「探す」をオフにするとどうなるか
探す機能をオフにするには、Apple Accountのパスワードの入力が必要です。オフにすると端末の位置を検索できなくなり、アクティベーションロックも解除されます。第三者に端末を使われたり、データを取り出されたりするリスクが高まるため、普段はオンのままにしておくのが基本です。会社の端末を返却・再利用するときは、この仕組みが逆に問題になります。アクティベーションロックがかかったままだと、前の利用者のApple Accountのパスワードがなければ初期化後に使えないためです。端末を返却する前に、前の利用者が「探す」をオフにしてサインアウトする手順を、キッティングや退職時のチェックリストに入れておきます。
Android端末の場合|GoogleのFind Hubでできること
Android端末は、Googleの「Find Hub」で、紛失したスマートフォンの位置確認、音の再生、リモートロック、データ消去ができます。Appleの探すアプリと考え方は同じで、紛失する前にGoogleアカウントで設定しておくことが前提です。
Googleの案内によると、主な機能は次のとおりです。
- 最後に確認された場所を地図に表示し、遠い場合は現地までのルートも確認する
- 端末から音を鳴らして、近くにある紛失物を探す
- 端末をロックし、ロック画面にメッセージや電話番号を表示して、拾った人が返却しやすくする
- ログインしなくても、電話番号だけでデバイスの画面をロックするリモートロックを使う
- 遠隔でデータを消去する
- スマートフォンのアプリのほか、ウェブのブラウザからも探す。友人の端末にゲストとしてログインして探すこともできる
- 現在地を共有する相手と期間を選び、いつでも共有を止める
利用の条件にも注意が必要です。Googleの案内では、Findネットワークを使うにはAndroid 9以降が必要で、位置情報サービスとBluetooth、モバイル通信またはインターネット接続が求められます。機能や提供状況は、国、携帯会社、地域、端末によって異なります。詳細はAndroid公式のFind Hubの案内やFind Hubのページで確認してください。
AppleとGoogleの仕組みを並べると、次のように対応しています。
| 項目 | Appleの「探す」 | GoogleのFind Hub |
|---|---|---|
| 位置の確認 | 地図上に現在地または最後の位置を表示 | 最後に確認された場所を地図に表示 |
| 音の再生 | 端末から音を鳴らす | 端末から音を鳴らす |
| ロック | 紛失としてマークして、連絡先とメッセージを表示 | 紛失マークやリモートロックで、メッセージや電話番号を表示 |
| データ消去 | 「デバイスを消去」で遠隔消去 | 遠隔でデータを消去 |
| ブラウザから探す | iCloud.comの「デバイスを探す」 | Find Hubのウェブページ |
| 他人の端末を借りて探す | 「友達を助ける」 | 友人の端末にゲストとしてログイン |
| 位置の共有 | 「人を探す」で家族や友達と共有 | 現在地を共有する相手と期間を選ぶ |
社用のAndroid端末でも、考え方はAppleと変わりません。社員の個人のGoogleアカウントで端末を使っていると、会社は端末を探すことも遠隔ロックすることもできません。会社が管理するアカウントやMDMで、探す権限を会社側が持てるようにしておきます。
家族・友人との位置共有(人を探す)と、相手に知られるか
探すアプリの位置共有は、相手が共有を設定したときだけ位置が見える仕組みです。自分のApple Accountの端末を探すだけなら、ほかの人が関わる操作ではありません。家族のiPhoneを探したい、パートナーの居場所を知りたい、という場面で気になる「相手にわかるのか」を、Appleの公式情報にもとづいて整理します。
位置共有のしくみ
家族や友達の位置は、「探す」アプリの「人を探す」タブで確認します。ファミリー共有を設定している家族は「人を探す」に自動で表示されますが、お互いが自分の位置情報を共有するまで、位置共有は始まりません。共有するかどうかは、家族それぞれが選べます。友達とは、招待して共有を許可し合う形になります。共有する期間を決めるライブ位置情報や、家族の出発・到着を知らせる通知もありますが、この通知を許可するかどうかも相手が選びます。
共有を止めると相手に通知されるか
Appleの案内では、「探す」で位置情報の共有を始めたあとで停止しても、相手に通知は送られません。ただし、相手の友達リストからあなたが表示されなくなるため、相手が気づく可能性はあります。古いOSでは、停止したことが「メッセージ」に表示される場合もあるとされています。共有を一時的に隠した場合は翌日に自動で再開され、共有を再開したときは、相手に開始の通知が届きます。詳しい手順はApple「位置情報を管理する」で確認できます。
相手の同意なしに居場所を調べられるか
パートナーなどの位置を「探す」で見られるのは、相手が自分の位置情報を共有しているときだけです。Appleの案内に、同意なしで他人の位置を確認する方法は書かれていません。相手の端末やApple Accountに無断でサインインして位置を調べる行為は、プライバシーの侵害にあたるおそれがあり、不正アクセスとして問題になる可能性もあります。居場所が気になる事情があるときは、共有の設定を本人と話し合って決めるのが基本です。位置共有の仕組みはApple「「探す」と位置情報の共有」にまとまっています。
なお、この位置共有を業務で使う場合は、家族間とは別の配慮が必要です。社員の位置を扱うときの注意点は、プライバシー・セキュリティ上の注意点で解説します。
ビジネスでの活用方法(社用デバイスの紛失対策)
会社で探すアプリを使うときは、「誰のアカウントで、誰が探せる状態にしておくか」を最初に決めることが最大の論点です。個人向けの記事では「自分の端末をどう探すか」が中心になりますが、会社の端末では運用のルールが成果を分けます。ここでは社用デバイスの紛失対策として探すアプリを活かすポイントを紹介します。
アカウントの持ち主を会社側で決めておく
探すアプリは、端末にサインインしているアカウントの持ち主が操作するしくみです。社員が個人のApple Accountで社用iPhoneを使っていると、会社は端末を探すことも遠隔ロックすることもできず、退職時にはアクティベーションロックが解除できずに端末を再利用できない、という事態も起こります。会社が管理するアカウントを使う、あるいはMDM(モバイルデバイス管理)を導入して会社側で紛失モードや消去を操作できるようにするなど、「端末を探す権限を会社が持つ」状態を最初に作っておくことが重要です。MDMの種類と違いは、MDM・EMM・UEMの違いで確認できます。
紛失時の連絡フローを決めておく
端末を紛失した社員がまずやるべきことは、自分で探し回ることではなく、上長や情報システム担当に報告することです。報告を受けた担当者が探すアプリで位置を確認し、見つからなければ紛失モード、さらに情報漏えいのおそれが高ければ遠隔消去、という判断の順番と判断者をあらかじめ決めておくと、慌てて消去して位置がわからなくなる、といった失敗を防げます。あわせて、警察への遺失届、通信キャリアへの回線停止、取引先への報告が必要かどうかの確認、そして経理への連絡もフローに入れておきます。経理への連絡は後回しにされがちですが、帳簿の処理に必要な情報だからです。
持ち物の紛失防止にタグを活用する
AirTagなどの紛失防止タグを、社用PCのケース、鍵、測定機器、展示会用の備品などに取り付けておくと、探すアプリでまとめて場所を確認できます。ただし、タグは他人の位置を追跡する道具にもなりうるため、業務備品にだけ取り付け、従業員の私物や人そのものを追跡する目的で使わないことを社内ルールで明確にしておきます。
台帳と結びつけて紛失を記録に残す
探すアプリで見つかった場合も見つからなかった場合も、紛失の事実は記録に残しておきます。どの資産番号の端末を、誰が、いつ紛失し、どう処理したかが台帳にあれば、同じ部署で紛失が続いていないかの確認や、端末の除却・再購入の会計処理がスムーズになります。端末の台数が多い会社は、IT資産管理ツールのように、端末の情報をまとめて管理する仕組みもあります。探すアプリは「その場で見つける」道具、台帳は「後から振り返る」道具と考えると役割分担がはっきりします。
ここまでの運用を、自社の状況に当てはめて点検してみましょう。経理に関わる記録の部分に絞ったチェックです。
社用端末の紛失・除却の記録、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
探すアプリ利用時によくある失敗パターン
探すアプリの失敗の多くは、設定の抜けと、会社として探せる状態になっていないことから起きます。設定が簡単な分、「入れているつもり」で運用してしまいがちです。会社の端末で起こりやすい失敗と、その改善策をBefore/Afterで整理します。
| 失敗パターン(Before) | 起きること | 改善策(After) |
|---|---|---|
| 社員の個人アカウントで社用端末を使っている | 会社が探せない、退職後にロック解除できない | 会社管理のアカウントやMDMで、探す権限を会社が持つ |
| 探す機能や位置情報サービスがオフのまま配布 | 紛失しても位置が表示されない | 配布前のキッティング手順に設定確認を入れる |
| 紛失直後にすぐ遠隔消去してしまう | 消去後は位置を追えず、回収の手がかりを失う | 位置確認、紛失モード、消去の順番と判断者を決めておく |
| 紛失モードに担当者個人の携帯番号を表示 | 異動・退職で連絡がつかない、個人情報が露出する | 会社の代表番号や窓口のメールアドレスを表示する |
| 端末の一覧が探すアプリの画面にしかない | 棚卸で台帳と現物が合わない、紛失端末が帳簿に残り続ける | 資産番号で台帳を管理し、紛失・除却を経理に連絡して記録する |
最後のパターンは見落とされがちです。探すアプリの一覧は「いまアカウントに紐づいている端末」を示すだけで、会社が保有している端末の全体像ではありません。初期化済みで倉庫に眠っている端末、他の社員に引き継いだ端末、すでに紛失してアカウントから外した端末は、探すアプリの画面からは消えてしまいます。デバイスの位置確認とあわせて、資産台帳での棚卸も定期的に見直しておくと、こうした「どこにあるかわからない資産」をなくせます。
プライバシー・セキュリティ上の注意点
探すアプリが扱う位置情報は、特定の個人と結びつくと個人情報として扱われる場合があります。社用端末であっても、端末を持ち歩くのは社員本人であり、位置を確認することは社員の行動を把握することにつながります。業務で使う場合は、次の点に注意しましょう。
- 位置を確認する目的を「紛失・盗難時の端末捜索」などに限定し、就業規則や端末利用規程に明記する
- 平常時に社員の居場所を確認する目的で使わない。勤務時間外の確認も原則として行わない
- 位置を確認できる担当者を限定し、確認した記録を残す
- 端末の貸与時に、位置情報を取得しうることを社員に説明し、理解を得ておく
- 人の位置共有機能を業務で使う場合は、本人がいつでも共有を止められる状態にしておく
セキュリティ面では、探すアプリの操作に使うアカウントそのものの保護が重要です。アカウントを乗っ取られると、第三者に端末の位置を知られたり、遠隔消去されたりするおそれがあります。会社管理のアカウントには推測されにくいパスワードと2ファクタ認証を設定し、パスワードを複数の担当者で使い回さないようにします。また、端末の画面ロックを必ず設定しておくことが、探すアプリで見つけるまでのあいだ情報を守る最低限の対策になります。Appleは、位置情報の受信は限られた場合のみで、サーバー上では暗号化して24時間だけ保存すると説明しています(Apple「探す」)。
位置情報の取り扱いが法令上どう判断されるかは、取得の方法や目的、ほかの情報との結びつき方によって変わります。本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。社内ルールを定める際は、個人情報保護委員会の公表資料を確認し、必要に応じて専門家に相談してください。
見つからなかった社用端末は帳簿でどう扱うか
紛失や盗難で見つからない社用端末は、台帳から外す除却や、損失として扱う処理が必要になる場合があります。処理の内容は、取得価額、保険の有無、会社の会計方針によって変わるため、経理担当者や顧問税理士と確認して決めます。本記事は一般的な情報提供であり、税務上の助言ではありません。
まず、端末が「固定資産」か「経費」かを分けて把握する
社用のスマートフォンやノートPCは、取得価額に応じて、固定資産として台帳で管理する端末と、取得した年度に経費として処理する端末に分かれます。たとえば国税庁によると、中小企業者等が取得価額40万円未満の減価償却資産を取得して事業の用に供した場合には、一定の要件のもとで取得価額に相当する金額を損金に算入できる特例があります(令和8年4月1日以後に取得したものは40万円未満。改正前は30万円未満)。ただし、取得価額が10万円未満のものや一括償却資産の制度を使うものはこの特例の対象外で、年度ごとの合計額の上限もあります。基準額は税制改正で変わるため、国税庁「No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」で最新の内容を確認してください(本記事は2026年10月14日時点の確認)。経費として処理した端末でも、紛失したときに困らないよう、台数と貸与先は別に記録しておきます。
紛失・盗難が起きたときに最低限残す記録
帳簿の処理は、事実の記録がそろっていてはじめて進められます。経理に渡す情報として、次の項目を紛失の報告時にまとめて残しておくと、後から確認する手間が減ります。
| 記録する項目 | 残しておく内容 | 誰が確認するか |
|---|---|---|
| 端末の特定 | 資産番号、機種、購入日、貸与先 | 情報システム担当・経理 |
| 紛失・盗難の状況 | 発生日時、場所、報告日、報告した人 | 上長・情報システム担当 |
| 探した経過 | 探すアプリで確認した日時と位置、紛失モードや消去の実施日 | 情報システム担当 |
| 外部への手続き | 警察への届出の日付と受理番号、通信キャリアへの回線停止日 | 総務・情報システム担当 |
| 保険・補償 | 端末に動産保険などの契約があるか、請求の有無 | 総務・経理 |
| 帳簿への反映 | 除却や損失として処理した日付と仕訳の内容、承認者 | 経理・顧問税理士 |
帳簿への反映で確認する論点
盗難で資産を失った場合の扱いについて、国税庁の質疑応答事例は、法人税法第47条第1項の「固定資産の滅失」には、固定資産の盗難による滅失も含まれると示しています(国税庁「盗難により支払を受けた保険金に係る保険差益の圧縮記帳」)。この事例は、自動車の盗難で受け取った保険金で自動車を取得した場合の圧縮記帳についてのもので、端末の紛失や、保険に入っていない場合にそのまま当てはまるとは限りません。実際の処理は、次の論点を経理と顧問税理士に確認して決めます。
- 端末が固定資産として台帳に載っているか、取得時に経費処理済みか
- 保険金や補償金が入る見込みがあるか。ある場合は、損失の処理との対応をどうするか
- 紛失と盗難で扱いを分けるか。警察への届出など、事実を裏づける書類がそろっているか
- 代わりの端末を購入した場合の、取得の処理と、除却した端末の処理の関係
- 決算期をまたぐ場合、どの事業年度で処理するか
記帳を手作業で回すと起きやすいこと
端末の購入時の領収書、仕訳、台帳、紛失時の報告書が別々の場所にあると、決算の時期に「どの端末をいつ除却したか」を探す作業が発生します。台帳に載っていても現物がなく、帳簿に残り続けている端末が棚卸で見つかるのは、この典型的な症状です。購入から除却までの記録が、仕訳と証憑のつながりの中で追える状態にしておくと、紛失が起きたときの確認が短く済みます。
この作業を毎回手でやっているなら、記帳の仕組みから見直す方法があります。マネーフォワード クラウド会計は、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込み、AIが仕訳を提案する会計ソフトです。電子帳簿保存法に対応し、紙で受け取った領収書もスキャンして保存できるため、端末を購入したときの証憑と仕訳を同じ場所で管理しやすくなります。税理士とクラウド上でデータを共有できるので、紛失時の処理の相談もしやすくなります。ただし、固定資産の台帳としてどこまで使えるかは、プランや連携サービスによって異なる場合があります。資料や公式サイトで、自社の運用に合うか確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 探すアプリとは何ですか?
A1. スマートフォンやPC、紛失防止タグなどの位置を地図上で確認し、見失った端末や持ち物を探すためのアプリです。代表的なのはiPhone・iPad・Macに標準搭載されているAppleの「探す」アプリで、位置の確認、音の再生、紛失モード、遠隔でのデータ消去、家族や友人との位置共有などができます。Androidでは、Googleの「Find Hub」が同じ役割を果たします。
Q2. 探すアプリを使うには事前に何を設定すればよいですか?
A2. 端末にApple Accountでサインインし、設定アプリの「探す」で「iPhoneを探す」をオンにします。あわせて「”探す”ネットワーク」と「最後の位置情報を送信」、位置情報サービスもオンにしておくと、通信できない状態やバッテリー切れの直前の位置も手がかりにできます。紛失後に設定することはできないため、手元にあるうちに確認しておきましょう。
Q3. 電源が切れた端末やオフラインの端末も探せますか?
A3. 「最後の位置情報を送信」をオンにしていれば、バッテリーが切れる直前の位置が表示されます。また「探す」ネットワークがオンなら、近くの他のApple製品を経由して位置が届くことがあります。ただし、必ず見つかるとは限らず、表示される位置も誤差を含むおおよそのものです。
Q4. 「iPhoneを探す」を使うと相手にバレますか?
A4. 自分のApple Accountの端末を探すだけなら、ほかの人が関わる操作ではありません。家族や友達の位置を見られるのは、相手が位置情報を共有しているときだけです。位置共有を止めても相手に通知は送られませんが、相手の友達リストから表示が消えるため、気づかれる可能性はあります。共有を再開すると、相手に開始の通知が届きます。
Q5. 家族やパートナーのiPhoneの位置を探すにはどうすればよいですか?
A5. 「探す」アプリの「人を探す」タブで、相手が自分の位置情報を共有していれば位置を確認できます。ファミリー共有の家族も、お互いが位置情報を共有するまでは共有が始まりません。相手の同意なしに居場所を調べる方法はAppleの案内になく、無断でアカウントにサインインして調べる行為は問題になるおそれがあります。共有の設定は、本人と話し合って決めましょう。
Q6. 会社のスマートフォンやPCで探すアプリを使うときのポイントは?
A6. 社員の個人アカウントではなく、会社が管理するアカウントやMDMを使い、端末を探す権限を会社側で持つことが重要です。そのうえで、紛失時の報告先、位置確認から紛失モード、遠隔消去までの判断の順番を決め、経理への連絡も流れに入れておきます。社員の位置を確認する目的は、紛失・盗難時の捜索などに限定して社内規程に明記し、事前に社員へ説明しておきましょう。
まとめ
探すアプリは、端末の位置確認から遠隔ロック・消去までできる、紛失対策の基本となるアプリです。最後に、ビジネスで探すアプリを活かすために押さえておきたい5つのことを整理します。
- 紛失する前に、探す機能、”探す”ネットワーク、最後の位置情報の送信、位置情報サービスをオンにしておく
- 社用端末は会社が管理するアカウントやMDMで、端末を探す権限を会社側で持つ
- 位置確認、紛失モード、遠隔消去の順番と判断者を決め、位置情報を確認する目的と範囲を社内ルールにする
- 位置共有は相手の同意が前提。家族や社員の居場所を、無断で調べない
- 見つからなかった端末の処理を経理・顧問税理士と決め、記帳の仕組みを見直すためにマネーフォワード クラウド会計などの会計ソフトの資料を確認する
探すアプリで「いまどこにあるか」を押さえ、経理の記録で「会社の資産としてどう扱ったか」を残す。この2つを組み合わせることで、社用デバイスの紛失リスクを個人の注意力に頼らず、組織として管理できるようになります。
参考文献
- 個人情報保護委員会「法令・ガイドライン等」https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/
- Apple「iPhoneで”探す”を使ってデバイスを探す」(iPhoneユーザガイド)https://support.apple.com/ja-jp/guide/iphone/iph09b087eda/ios
- Apple「探す」https://www.apple.com/jp/icloud/find-my/
- Apple「チェックリスト2:位置情報を管理する」(Appleのパーソナルセーフティ ユーザガイド)https://support.apple.com/ja-jp/guide/personal-safety/ips3dbc70436/web
- Apple「「探す」と位置情報の共有」(Appleのパーソナルセーフティ ユーザガイド)https://support.apple.com/ja-jp/guide/personal-safety/ips05ede4573/web
- Android「Find Hub」https://www.android.com/intl/ja_jp/learn-find-hub/
- Google「Find Hub」https://www.google.com/android/find/
- 国税庁「No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5408.htm
- 国税庁「盗難により支払を受けた保険金に係る保険差益の圧縮記帳」(質疑応答事例)https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/07/02.htm
- マネーフォワード「株式会社HITOMIOテクノロジーズ」導入事例https://biz.moneyforward.com/case/6636/
