地図アプリとは?種類とビジネスでの活用方法・選び方を解説|訪問営業・配送での使い方と位置情報の注意点
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- 地図アプリの仕組みと種類の違いがわかる
- 代表的なアプリの特徴と無料・有料の違いがわかる
- 業務用の選び方と取引先情報の管理の分け方がわかる
地図アプリとは、スマートフォンやパソコンで地図を表示し、現在地の確認、目的地の検索、経路案内などを行うアプリのことです。個人の移動にはGoogleマップやYahoo!マップのように無料で始められるアプリで足りますが、業務で使い始めると、取引先や訪問先の場所と情報を誰がどう管理するのかという、個人利用では意識しなかった論点が出てきます。この記事では、地図アプリの仕組みと種類、代表的なアプリの特徴と無料・有料の違い、訪問営業・配送・店舗運営での活用方法、業務用に選ぶときのポイント、よくある失敗パターン、従業員の位置情報を扱うときの注意点を解説します。道案内は地図アプリ、取引先の情報管理は業務の仕組みに任せるという役割分担もあわせて説明します。
地図アプリの使い方、どこから見直す?
Q1. いま一番解決したいことは?
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地図アプリは道案内の道具、取引先・訪問先の管理には別の仕組みが要る
地図アプリは、目的地までの道順や所要時間を調べるための道具です。取引先や訪問先の場所・履歴を組織で管理する用途は、地図アプリ単体では扱いにくい領域です。
地図アプリを業務で使う場面のうち、最も多いのが訪問営業です。訪問先への道順を調べ、移動時間を見積もり、空き時間に寄れる取引先を探す。ここまでは一般的な地図アプリで十分こなせます。ところが担当者が複数いる組織では、「誰がどこを訪問したか」「次にどの顧客を回るか」「訪問を控えるべき取引先はどこか」を共有する必要が出てきます。マイマップやピン留めで訪問先を管理していると、情報は担当者個人のアカウントに残り、担当替えや退職のたびに引き継ぎが発生します。
地図に表示する住所の元になるのは、多くの場合、名刺や取引先のリストです。たとえばNAVITIMEの法人向けの巡回経路サービスは、名刺管理サービスのSansanと連携すると、登録されている名刺情報を目的地に設定して経路検索できると案内されています。裏を返せば、経路検索の入口は「取引先の住所データが正確に整理され、共有されていること」です。地図アプリを使いこなす前に、取引先の情報を会社として一元管理できているかを見直す価値があります。
取引先の情報を会社で管理するために名刺管理サービスを使う場合の一例が、名刺管理SKYPCE(Sky株式会社)です。スマートフォンのアプリで撮影した名刺を、AIによる文字認識(OCR)とオペレーターの確認を通じてデータ化し、パソコンやスマートフォンから検索できます。名刺の住所情報を基に取引先の所在エリアを地図で視覚的に表示でき、エリアごとの色分けも可能と案内されています。訪問前にスマートフォンで取引先の情報や過去の商談メモを確認する使い方もできます。一方で、地図で見られるのは所在エリアであり、道順を案内する地図アプリの代わりにはなりません。また、新聞の人事異動情報やクラウド電話帳(SKYCEB)はオプション対応とされているため、必要な機能が標準かどうかは資料で確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
S k y株式会社
名刺管理SKYPCE
S k y株式会社
名刺管理SKYPCE
AIが素早く解決!一元管理と共有の効率化を図りたい組織におすすめ

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気になる…
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業務委託契約の終了時に、個人のアカウントに登録された名刺情報が持ち出されることも懸念されるため、法人向け名刺管理サービスを導入し、業務効率化とリスクの解消を図ることにしました。
リーンマーケティング株式会社 導入事例(出典:名刺管理のSKYPCE 導入事例)
地図アプリとは|仕組みと種類(ナビ型・検索型・位置共有型)
地図アプリとは、スマートフォンやパソコンで地図を表示し、現在地の確認、目的地の検索、経路案内などを行うアプリケーションです。紙の地図との最大の違いは、情報がオンラインで随時更新される点と、GPSで利用者の現在地を地図上に重ねて表示できる点にあります。
地図アプリが動く仕組み
地図アプリは大きく3つの要素で成り立っています。1つ目は道路・建物・施設などの地図データ、2つ目はGPS・携帯電話の基地局・Wi-Fiなどから推定する現在地の情報、3つ目は交通情報や施設の営業時間などを組み合わせて経路や検索結果を返す処理です。屋内や高層ビルの谷間でGPSの電波が届きにくい場所では、基地局やWi-Fiの情報で位置を補うため、表示位置が数十メートル程度ずれることもあります。業務で到着判定や訪問記録に使う場合は、この誤差を前提に運用を考える必要があります。
なお、国の機関も地図を公開しています。国土交通省の国土地理院が提供する地理院地図は、地形図や航空写真、標高、災害に関する情報などをWeb上で確認できるサービスで、防災や土地の状況確認に使われています。
地図アプリの主な種類
一口に地図アプリといっても、何を得意とするかで性格は大きく異なります。業務での使い方を考える際は、次の分類で整理するとわかりやすくなります。
| 種類 | 得意なこと | 業務での主な使い道 |
|---|---|---|
| ナビ型(カーナビ・徒歩ナビ) | 渋滞や規制を考慮した経路案内、音声ガイド | 営業車・配送車での移動、初めての訪問先への案内 |
| 検索型(施設・店舗検索) | 周辺の店舗・施設の検索、口コミや営業時間の表示 | 自社店舗の集客、商圏の把握、出張先での施設探し |
| 位置共有型 | 家族や仲間同士で現在地をリアルタイムに共有 | 現場作業員の所在確認、待ち合わせ(業務利用には同意と規程が必要) |
| 乗換・公共交通型 | 電車・バスの経路、運行状況、時刻表 | 電車移動が中心の営業、出張時の移動計画 |
| 住宅地図・専門地図型 | 建物名・居住者名・番地など詳細な情報 | 戸別訪問、配達、ポスティング、点検業務 |
多くの汎用地図アプリは、ナビ型と検索型の機能を1つのアプリにまとめています。一方、住宅地図型や業務用ナビは、詳細な地図データや大型車向けの経路といった専門的な機能を持つ代わりに、有料プランが用意されているサービスもある点が違いです。位置共有型の使い方や、社用端末の紛失対策については探すアプリとは?できること・使い方とビジネス活用を解説で整理しています。
地図アプリ・地図システム・GISの違い
業務用途の情報を調べていると、「地図システム」や「GIS(地理情報システム)」という言葉も出てきます。地図アプリは、地図の表示・検索・経路案内を利用者個人が使うための道具です。地図システムは、地図の上に顧客データや売上データなどを重ねて業務に活用するための仕組みを指すことが多く、GISは地理的な位置を持つデータを収集・管理・分析・可視化する技術全般を指します。つまり、「目的地に行く」のが地図アプリ、「地図上でデータを見て判断する」のが地図システムやGISという違いです。自社の課題がどちらにあるかを最初に見極めると、選ぶべき道具を間違えにくくなります。
代表的な地図アプリの特徴と、無料・有料の違い
無料で使える代表的な地図アプリには、Googleマップ、Yahoo!マップ、NAVITIME、ゼンリン地図ナビなどがあります。基本機能は無料で始められても、住宅地図などは有料プランになるサービスがあります。
ここでは、検索結果の上位にも並ぶ代表的なサービスについて、公式サイトとアプリストアの掲載内容(2026年10月15日時点で確認)から、特徴と無料・有料の違いを整理します。機能や料金は変更されるため、導入前に最新の情報を確認してください。
代表的な地図アプリ5つの特徴
順位や優劣は付けず、公式に確認できた特徴と、無料・有料の違いを並べます。料金の金額は変わりやすいため書きません。
| サービス | 公式で確認できた主な特徴 | 無料・有料と、業務で見る点 |
|---|---|---|
| Google マップ | 自動車・徒歩・自転車・公共交通機関の経路案内、リアルタイムの交通情報、保存した場所のリストの共有、エリアを保存してオフラインで使える機能 | App Storeの掲載では「無料」でアプリ内購入あり。同じ掲載に「大型車や緊急車両でのナビの利用は想定されていません」とある。オフライン地図は一部の国や地域ではダウンロードできない |
| Yahoo!マップ | 車・徒歩・自転車のナビ、公共交通機関のルート検索、主要駅や地下街の屋内マップ、混雑予報、用途別のテーママップ | 公式サイトでアプリは無料と案内されている。Google Playの掲載には「広告が表示されます」とある |
| NAVITIME | 徒歩・電車・バス・車などを組み合わせたルート検索、複数目的地ルート検索、車長・車高・車幅を考慮するトラックルート検索、法人向けの巡回経路サービス(各地点の滞在時間や出発・到着の希望時刻を設定できる) | Google Playの掲載では「アプリ内購入あり」。法人向けの巡回経路サービスはNAVITIMEプレミアムコースの登録者のみ利用でき、法人一括契約の案内もある |
| ゼンリン地図ナビ | 表札・番地・建物名がわかる住宅地図、高さ規制や道幅による通行規制など大型車の車両規制を考慮したルート案内、電車・徒歩のナビ | 無料プランと有料プランがあり、住宅地図は有料プランで使える(プランによって回数や表示範囲の制限が異なる)。初回の有料契約は1か月無料(適用条件は申込時に確認) |
| MapFan | スポット・住所・駅・郵便番号からの地図検索、距離・面積の計測ツール、プレミアム会員向けのVICS渋滞情報や駐車場の満空情報、法人向けの地図・位置情報サービスの案内 | MapFan会員IDの登録は無料、プレミアム会員の登録は有料 |
公式の案内を見ると、地図の閲覧や経路案内が機能の中心で、取引先ごとの訪問履歴を担当者間で共有する用途は、法人向けのサービスや別の業務システムで扱うことになります。個人で使うぶんには無料のアプリで足りても、組織で使う段階では、機能の差よりも「情報をどこに置くか」が選ぶ基準になります。
Google地図アプリは無料ですか?個人利用と業務利用で費用は別
Googleマップのアプリ本体は、App Storeの掲載で「無料」と表示されています(アプリ内購入あり)。ただし、自社のWebサイトやアプリに地図を組み込む場合は、提供元の開発者向けサービス(API)の利用規約と料金体系が別に適用されます。個人で使うときと同じ感覚で進めず、業務での利用条件は提供元の公式情報で確認してください。
「一番いい」地図アプリは?用途別の選び方
「一番使われている」「一番いい」といった順位は、移動手段や使う場面によって変わるため、本記事では順位を付けません。代わりに、用途ごとに確認したい点を整理します。
- 電車・バス・徒歩が中心:乗換案内や、主要駅・地下街の屋内マップに対応したアプリ(例:Yahoo!マップの屋内マップ)
- 車が中心:渋滞情報や通行止めを考慮した経路案内。大型車やトラックを使うなら、車両規制や車両情報に対応したサービス(例:ゼンリン地図ナビ、NAVITIMEのトラックルート検索)
- 住所・表札・建物名まで知りたい:住宅地図に対応したサービス(例:ゼンリン地図ナビ)
- 複数の訪問先を順に回る:複数目的地や巡回経路に対応したサービス(例:NAVITIMEの複数目的地ルート検索、法人向けの巡回経路サービス)
- 圏外でも使いたい:オフライン地図に対応したアプリ(例:Googleマップ)
- まず無料で試したい:無料で始められるアプリを、実際の現場で一度試してから決める
ビジネスでの地図アプリの活用方法(訪問営業・配送ルート最適化)
地図アプリは、使い方次第で移動時間の短縮、情報共有の手間削減、顧客接点の強化につながります。業務別に代表的な活用方法を見ていきましょう。
訪問営業:訪問順と空き時間の活用
訪問営業では、1日の訪問先を地図上に並べ、移動距離が短くなる順番に並べ替えるだけでも移動時間を減らせます。複数の訪問先を順に回る場合は、各地点の滞在時間や出発・到着の希望時刻を設定して経路を検索できる法人向けサービスもあります。マイマップのような機能で担当エリアの顧客を登録しておくと、商談が早く終わったときに近くの取引先へ立ち寄る判断もしやすくなります。ただし、登録した情報は担当者個人のものになりやすく、訪問履歴や商談内容までは残せません。訪問件数が多い組織では、取引先の情報と訪問記録を会社として管理する仕組みを別に用意する必要があります。営業活動全体の管理については営業支援とは?SFAの仕組み・種類・選び方と定着しない理由を解説、訪問日程の組み方は日程とは?意味と予定・日時との違い、ビジネスでの日程管理と調整の効率化も参考になります。
配送・巡回:複数地点の順番を決める
配送やメンテナンス巡回では、複数の経由地を回る順番が効率を大きく左右します。汎用の地図アプリにも経由地を追加する機能はありますが、登録できる地点数には上限があり、荷物の量や時間指定、車両の大きさといった業務上の条件までは考慮されません。数件程度の巡回なら地図アプリで十分ですが、1日に数十件を複数の車両で回る場合は、配送計画に特化したシステムの検討が現実的です。
もう1つの落とし穴は、経路の「最短」と業務上の「最適」が一致しないことです。地図アプリは距離や所要時間を基準に経路を示しますが、実務では「午前中に届けたい顧客」「駐車スペースがなく短時間しか停められない場所」「2トン車では入れない道」など、地図データにない条件が優先されることがよくあります。こうした現場の知恵は、ドライバーや担当者のメモとして共有しておくと、担当交代時の事故やクレームを防げます。
店舗運営:検索結果に表示される自社情報の管理
店舗を持つ事業者にとって、検索型の地図アプリは集客の窓口です。「近くの店」と検索した利用者に店舗が表示されるかどうかは、来店数に直結します。地図アプリ上の店舗情報は、事業者が公式の管理画面から登録・更新できる仕組みを用意しているサービスが多く、営業時間、定休日、臨時休業、写真などを正しく保つことが基本になります。特に年末年始や臨時休業の情報が古いままだと、来店した顧客の不満につながるため、更新担当者と更新のタイミングを決めておくことが大切です。
現場作業・防災:拠点と危険箇所の共有
建設・点検・保守などの現場作業では、作業場所や資材置き場、立ち入り注意箇所を地図上で共有すると、初めて現場に入る担当者の迷いを減らせます。また、災害時の避難場所や浸水想定区域を確認するときは、民間の地図アプリだけでなく、先に紹介した地理院地図のような公的な地図情報を併用すると、事業継続の計画を立てるうえで根拠のある判断がしやすくなります。
業務で使う地図アプリの選び方のポイント(オフライン対応・法人向け機能)
個人利用なら使い慣れたアプリで十分ですが、業務で使う場合は選ぶ基準が変わります。次の5つの観点で確認すると、導入後の「こんなはずではなかった」を防げます。
| 観点 | 確認すること | 重視すべき業務 |
|---|---|---|
| 1. 利用目的との一致 | 道案内・検索・位置共有・詳細地図のどれが主目的か | すべての業務 |
| 2. オフライン対応 | 地図データを端末に保存でき、圏外でも表示・案内できるか | 山間部・地下・建物内での作業、海外出張 |
| 3. 地図の詳しさ | 建物名・番地・大型車の通行規制などが載っているか | 戸別訪問、配達、トラック輸送 |
| 4. 法人向け機能 | アカウント一括管理、データ共有、他システムとの連携 | 複数人で訪問先や巡回ルートを共有する組織 |
| 5. 利用規約と費用 | 業務・商用利用が認められているか、無料か有料プランか、利用量に応じた課金の有無 | 自社サイトや自社アプリへの地図の組み込み |
オフライン対応は「圏外になる現場」があるかで判断する
地図アプリの多くは通信を前提に地図を読み込むため、電波の届かない場所では地図が表示されなくなります。山間部の工事現場、地下の設備室、トンネル内などで作業がある場合は、事前に地図データを端末へ保存できるかを確認しましょう。保存できる範囲や保存期間、自動更新の有無はアプリによって異なり、Googleマップのように一部の国や地域ではオフライン地図をダウンロードできない場合もあります。実際の現場で一度試してから業務に組み込むと安心です。
「個人アプリの業務利用」と「業務用ツールの導入」を分けて考える
見落とされがちなのが、無料の個人向け地図アプリを業務で使う場合と、法人向けのサービスを導入する場合の違いです。個人向けのアプリは、業務情報を個人アカウントに保存することになりやすく、退職時のデータ回収や情報漏えいのリスクを会社が管理できません。一方、地図を自社サイトや自社アプリに組み込む場合は、提供元の開発者向けサービス(API)の利用規約に従う必要があり、表示回数や検索回数に応じて費用がかかる料金体系も一般的です。どちらの使い方にあたるかを整理したうえで、利用規約と費用の条件を公式情報で確認することが欠かせません。
名刺管理SKYPCE
取引先の住所や担当者の情報が、個人のアカウントに散らばっていませんか?
こんな会社に向いています
取引先の情報を担当者ごとでなく会社で持ちたい
外出先のスマホから名刺情報を確認したい
地図の更新頻度・見やすさ・対応端末もあわせて確認する
5つの観点に加えて、実際に使い続けられるかを左右するのが、地図情報の更新頻度、画面の見やすさと操作のしやすさ、対応端末の3点です。新しい道路や移転した店舗が反映されていないと、案内どおりに進んでも目的地にたどり着けないことがあります。地図データや交通情報がどの程度の頻度で更新されているかは、アプリストアの掲載情報や提供元の公式案内で確認できます。また、運転中や移動中は画面を長く見られないため、文字の大きさ、ボタンの配置、音声案内のわかりやすさといった操作性も重要です。
車で使う場合は、運転中の端末の扱いにも注意が必要です。道路交通法第71条第5号の5は、自動車などの運転中(停止しているときを除く)に、手で保持しなければ通話できない携帯電話用装置などを通話のために使うことや、持ち込まれた画像表示用装置に表示された画像を注視することを禁じています。出発前に目的地を設定する、音声操作やホルダーを使うといった運用を決めておきましょう。なお、本記事は法的助言を目的としたものではないため、具体的な判断は警察庁などの公表資料や専門家に確認してください。さらに、社用端末と私物端末でOSが混在している組織では、使いたいアプリがすべての端末に対応しているかを事前に確かめておくと、導入後に一部の担当者だけ使えないという事態を防げます。
業務の規模に応じた道具の目安
どの道具を選ぶかは、機能の多さよりも業務の規模と共有の必要性で決めるのが現実的です。目安は次のとおりです。
- 担当者1人・訪問先が少ない:汎用の地図アプリとスプレッドシートの訪問先リストで十分
- 複数人で取引先・訪問先の情報を共有したい:名刺管理サービスやSFA・CRMなど、情報を会社で管理する仕組みを検討
- 複数車両で多数の配送先を回る:配送計画・車両管理に特化したシステムを検討
- 自社サイトで店舗の場所を案内したい:地図サービスの埋め込み機能やAPIの規約を確認
地図アプリの導入・業務利用でよくある失敗パターン
地図アプリは手軽に使い始められる分、業務のルールを決めないまま広がってしまうことが少なくありません。よくある失敗と、その対策をBefore/Afterで整理します。
| 失敗パターン | Before(よくある状態) | After(改善後) |
|---|---|---|
| 訪問先が個人アカウントに散らばる | 各自がマイマップやお気に入りで管理し、退職・異動で情報が消える | 訪問先・取引先の情報は会社が管理するリストやシステムに集約し、地図アプリは道案内に限定する |
| 最短ルートをそのまま採用する | 時間指定や駐車条件を無視した順番で回り、再訪問が発生する | 業務上の条件を優先し、現場の注意点をメモとして共有する |
| 訪問記録が残らない | 移動は地図アプリ、報告は帰社後に日報で行い、記入漏れや二重入力が起きる | 訪問先で記録を入力できる仕組みを用意し、移動と報告を一続きにする |
| 位置共有を同意なしで始める | 管理職の判断で従業員の位置共有を始め、不信感や反発が出る | 目的・取得範囲・時間帯を規程に定め、事前に説明したうえで運用する |
| 店舗情報を放置する | 営業時間の変更や臨時休業が反映されず、来店客とのトラブルになる | 更新担当と更新タイミングを決め、定期的に掲載内容を確認する |
5つの失敗のうち、上の3つはいずれも「地図アプリに、本来は情報管理の仕組みが担うべき役割まで任せてしまう」ことが原因です。地図アプリは移動を助ける道具としては優秀ですが、訪問先の管理、履歴の蓄積、チームでの共有までを1つのアプリで無理にこなそうとすると、かえって情報が分散します。移動は地図アプリ、取引先・訪問先の情報と記録の管理は会社のデータベースというように役割を分けると、それぞれの長所を活かせます。
取引先の情報を集約する先には、名刺管理サービス、SFA(営業支援システム)、CRM(顧客管理システム)などがあります。住所の元データになる名刺情報から整えるなら名刺管理、商談の進捗まで追うならSFAやCRMというように、管理したい情報の範囲で選ぶと無理がありません。
プライバシー・位置情報の取り扱いに関する注意点
地図アプリを業務で使うと、従業員や顧客の位置情報を扱う場面が出てきます。位置情報は、その人の行動や生活圏を推測できる情報であり、慎重な扱いが求められます。ここでは一般的な注意点を整理します。本記事は法的助言を目的としたものではないため、具体的な運用については専門家や所管官庁の公表資料を確認してください。
位置情報が個人情報にあたる場合がある
位置情報は、氏名や社員番号など特定の個人と結びつけて管理される場合、一般的に個人情報として扱われると考えられています。個人情報の取り扱いは個人情報保護法と、個人情報保護委員会が公表している法令・ガイドラインに沿って行う必要があり、利用目的をできる限り特定し、その範囲内で利用することが基本とされています。
また、総務省の検討会が平成26年にまとめた位置情報プライバシーレポートでは、GPS位置情報などについて、プライバシーの適切な保護と社会的な利活用を両立させるための考え方が整理されています。直接の対象は電気通信事業者が扱う位置情報ですが、位置情報がどれだけ慎重に扱われるべき情報かを知る参考になります。
従業員の位置情報を取得する場合のポイント
営業担当者や作業員の位置を把握する運用は、安全確認や業務効率化に役立つ一方で、監視されていると受け止められると職場の信頼関係を損ないかねません。一般的には、次の点を事前に決めて従業員に説明しておくことが望ましいとされています。
- 取得する目的(安全確認、訪問記録、経路改善など)を明確にし、目的外に使わない
- 取得する時間帯を業務時間内に限定し、休憩時間や業務時間外は取得しない設定にする
- 位置情報を閲覧できる担当者を限定し、閲覧や保存の記録を残す
- 保存期間を決め、期間を過ぎたデータは削除する
- 私物端末を使う場合は、業務用アプリと私的な利用の境界をルール化する
顧客情報や写真の取り扱い
訪問先の住所や顧客名を個人向け地図アプリに登録する場合、その情報がどこに保存され、誰に共有されるのかを確認しておく必要があります。共有設定を誤ると、顧客の住所一覧が第三者から閲覧できる状態になるおそれもあります。現場の写真を撮影して地図に登録する場合も、写真に位置情報が埋め込まれていることがあるため、社外へ送る前に設定を確認するとよいでしょう。
取引先の情報を会社の管理下に置くなら、誰が閲覧できるかを決められる仕組みが前提になります。名刺管理SKYPCEは、名刺情報の公開範囲を部署や名刺所有者(ユーザー)単位、名刺単位で設定できるほか、名刺管理画面へのアクセスを許可したPCやスマートフォンに限定する接続制限や、操作ログの記録も案内されています。提供される機能の範囲は契約内容によって異なる場合があるため、導入を検討するときは資料で確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 地図アプリとは何ですか?
A. スマートフォンやパソコンで地図を表示し、現在地の確認、目的地の検索、経路案内などを行うアプリです。地図データ、GPSなどによる現在地の推定、交通情報などを組み合わせて動いており、紙の地図と違って情報が随時更新される点が特徴です。
Q2. 無料の地図アプリで人気・おすすめのものは?一番いいアプリはどれですか?
A. 個人利用では、Googleマップ、Yahoo!マップ、NAVITIME、ゼンリン地図ナビなどが代表的で、いずれも無料で始められます(アプリ内購入や有料プランがあるものもあります)。一番いいアプリは、電車中心か車中心か、住宅地図やオフライン対応が必要かといった使い方で変わるため、条件を決めて実際の現場で一度試してから選ぶことをおすすめします。
Q3. Google地図アプリは無料ですか?
A. Googleマップのアプリ本体は、App Storeの掲載で「無料」と表示されており、アプリ内購入が用意されています。自社のWebサイトやアプリに地図を組み込む場合は、提供元の開発者向けサービス(API)の利用規約と料金体系が別に適用されるため、公式情報で確認してください。
Q4. 業務用の地図アプリはどう選べばよいですか?
A. 利用目的との一致、圏外でも使えるオフライン対応、建物名や大型車の規制など地図の詳しさ、アカウント管理やデータ共有などの法人向け機能、業務利用を認める利用規約と費用の5つを確認します。顧客情報や訪問先を個人アカウントに保存すると、退職時のデータ回収や情報漏えいのリスクを会社が管理できないため、道案内は地図アプリ、取引先の情報は会社で管理する仕組みというように分けて考えます。
Q5. 従業員の位置情報を業務で取得するときの注意点は?
A. 位置情報は個人と結びつくと個人情報として扱われる場合があります。取得の目的を明確にし、業務時間内に限定する、閲覧者を限る、保存期間を決めるといったルールを定め、従業員に事前に説明して運用することが望ましいとされています。具体的な判断は専門家や公的資料で確認してください。
Q6. 取引先・訪問先の情報を会社で管理し、地図でも見るにはどうすればよいですか?
A. 名刺や取引先リストの住所を会社のデータとして集約し、地図で表示できるサービスを使う方法があります。たとえば名刺管理SKYPCEは、名刺の住所情報を基に取引先の所在エリアを地図で視覚的に表示でき、エリアごとの色分けも可能と案内されています。道順の案内は地図アプリが担うため役割を分けて使い、機能やオプションの範囲は資料で確認してください。
まとめ
地図アプリは、ナビ型・検索型・位置共有型など種類によって得意なことが異なり、業務では目的に合わせて使い分けることが大切です。最後に、業務で地図アプリを活かすために押さえておきたい4つのことを整理します。
- 道案内・検索・位置共有・詳細地図のどれが必要かを先に決め、目的に合う種類の地図アプリを選ぶ
- オフライン対応、地図の詳しさ、法人向け機能、利用規約と費用を業務の条件に照らして確認する
- 従業員や顧客の位置情報は、目的・時間帯・閲覧者・保存期間のルールを決めてから扱う
- 取引先・訪問先の情報を組織で共有する必要が出てきたら、名刺管理サービスなど会社でデータを持つ仕組みを検討し、資料で機能を確認する
地図アプリで「移動」を効率化し、業務の仕組みで「取引先の情報管理」を効率化する。この役割分担を意識すると、個人の便利な道具だった地図アプリを、組織の生産性を高める道具として活かせるようになります。
参考文献
- 個人情報保護委員会「法令・ガイドライン等」https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/、2026年10月15日確認
- 総務省「緊急時等における位置情報の取扱いに関する検討会 報告書『位置情報プライバシーレポート』の公表」(平成26年7月17日)https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban08_02000144.html、2026年10月15日確認
- 国土地理院「地理院地図」https://maps.gsi.go.jp/、2026年10月15日確認
- e-Gov法令検索「道路交通法」https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105、2026年10月15日確認
- Google マップ ヘルプ「Google マップでエリアをダウンロードしてオフラインでナビを使う」https://support.google.com/maps/answer/6291838?hl=ja、2026年10月15日確認
- App Store「Google マップアプリ」https://apps.apple.com/jp/app/google-%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%97/id585027354、2026年10月15日確認
- Yahoo!マップ「Yahoo!マップアプリ iPhone版/Android版(無料)」https://map.yahoo.co.jp/promo/、2026年10月15日確認
- Google Play「Yahoo!マップ – 最新地図、ナビや乗換案内も」https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.yahoo.android.apps.map&hl=ja、2026年10月15日確認
- Google Play「NAVITIME – 乗換案内と地図が1つになった総合ナビ」https://play.google.com/store/apps/details?id=com.navitime.local.navitime&hl=ja、2026年10月15日確認
- NAVITIME「ビジネスパーソン向け経路探索サービス 紹介」https://www.navitime.co.jp/cooperation/map/、2026年10月15日確認
- NAVITIME「トラックルート検索」https://www.navitime.co.jp/truck/、2026年10月15日確認
- ゼンリン地図ナビ「ゼンリンの地図アプリ – ゼンリン住宅地図とナビゲーション」https://dmapnavi.jp/smart/top/、2026年10月15日確認
- MapFan「地図・ルート検索」https://mapfan.com/、2026年10月15日確認
- Sky株式会社「SKYPCEの特長」https://www.skypce.net/businesscard/、2026年10月15日確認
- Sky株式会社「リーンマーケティング株式会社様 導入事例」https://www.skypce.net/businesscard/case/case022/、2026年10月15日確認