振込とは?やり方・振替・口座振替との違いから業務DXまで解説
Check!
- 振込は支払う人が相手の口座へ送る手続き
- 手数料や受付時間は方法と金融機関で変わる
- 誤振込や不正送金は二重確認と電話確認で防ぐ
振込とは、自分の口座や現金から、相手の金融機関の口座へお金を送る手続きです(「振り込み」と送り仮名を付けて書くこともあります)。手続きをするのは支払う人で、受け取る事業者の依頼で金融機関が自動的に引き落とす「口座振替」や、同じ銀行にある本人名義の口座間でお金を移す「振替」とは、動かす人と口座の組み合わせが異なります。本記事では、振込の仕組みとやり方、手数料と受付時間、送金・入金・払込といった紛らわしい言葉の違いを整理したうえで、誤振込や不正送金への対策、売手が負担する振込手数料の扱い、振込業務をDXで効率化する方法まで、経理・総務担当者が実務で迷いやすい点を解説します。
振込まわりの手間、どこから減らせる? かんたん診断
Q1. 振込まわりの業務で、いまの立場に近いのはどちらですか
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振込業務の負担は支払う側と受け取る側で違う|仕組み化できる工程を整理
振込業務の負担は、支払う側では請求書の内容を振込データへ転記して承認する工程に、受け取る側では入金を請求と突き合わせて消し込み、未入金を追う工程に集中します。
振込の仕組み自体は単純でも、件数が増えると手作業の確認が積み重なります。支払う側は、届いた請求書の金額・振込先・期日を目で確認し、ネットバンキングへ1件ずつ入力して承認を取ります。受け取る側は、請求書の発行から、通帳や入金明細との照合、未入金先への連絡までが一続きの作業です。取引先が増えると、振込名義が社名と違う、複数の請求がまとめて振り込まれる、手数料を差し引かれて金額が合わない、といった照合しにくい入金も出てきます。
どの工程を仕組み化したいかで、選ぶサービスは変わります。ここでは、支払う側の例として請求書の受領から振込までを扱う「マネーフォワード クラウド債務支払」、受け取る側の例として請求・入金管理を代行する「GMO掛け払い」を、役割の違いで並べます。
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資料を無料ダウンロード| サービス | GMO掛け払い |
|
|---|---|---|
| 対象の工程 | 支払う側(請求書の受領から振込まで) | 受け取る側(請求・入金管理・督促) |
| 向いている会社 | 取引先への支払い件数が多く、請求書の確認から振込までを手作業で行っている会社 | 請求書の発行・入金確認・督促を自社で行っていて、企業間取引の回収業務を減らしたい会社 |
| 特徴 | 請求書のPDFをAI OCRで読み取り、支払依頼の下書きを自動作成する。承認フローを柔軟に設定でき、銀行振込API連携で全銀データ(FBデータ)を作らずに振り込める。電子帳簿保存法とインボイス制度に対応 | 与信審査、請求書の発行、入金管理、督促などを代行する。与信審査を通過して正常に完了した取引は、GMOペイメントサービスが未回収リスクを負担する。買い手は事前の手続きが不要で、初回の取引から利用できる |
| 注意したい点 | 紙の請求書の開封・受領・保管の代行はオプションとなる。料金はプランによって異なる | 加盟店審査の結果によっては取り扱えない商材がある。利用できる取引先は国内で事業を営む企業に限られる。手数料や固定費は取り扱う商材や販売方法で異なる |
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株式会社マネーフォワード
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振込とは|支払う人が自分の意思で送金する手続き
振込とは、自分の口座や現金から、相手の金融機関の口座へお金を送る手続きで、銀行振込・口座振込とも呼ばれます。手続きをするのは支払う側です。
振込先の金融機関名・支店名・預金の種類・口座番号・口座名義を指定して送金します。窓口、ATM、インターネットバンキングなどで手続きでき、法人では取引先への支払いや給与の支給など、業務で日常的に使われます。振込は、自分とは名義の異なる口座や他行の口座へも送れる点が、同じ銀行にある同一名義の口座間で資金を動かす振替との違いです。
振込のお金はどう届くのか
異なる銀行の間の振込は、全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)が運営する「全銀システム」を通じて処理されます。全銀システムは1973年から稼働しており、国内のほぼすべての金融機関が参加しています。2018年10月には、平日夜間や土日祝日の内国為替取引に対応する「モアタイムシステム」が始まり、銀行振込の24時間365日化が実現しました。ただし、夜間・休日に実際に着金するか、どの時間帯まで当日扱いになるかは、金融機関や振込方法によって異なります。
振込に必要な情報
振込には、次の情報が必要です。1つでも誤ると、振込が届かない、または別人の口座に入金されるおそれがあります。
- 振込先の金融機関名と支店名(金融機関コード・支店番号)
- 預金の種類(普通・当座など)
- 口座番号
- 口座名義(カナ表記)
- 振込金額
- 振込依頼人名(請求書番号や社名を入れて、相手が入金を確認しやすくすることもある)
口座名義はカタカナで入力する場面が多く、金融機関によって使える文字や字数に制限があります。たとえば三井住友銀行のインターネットバンキング(個人向け)では、受取人名をカタカナ48文字までとし、促音(ッ)や拗音(ャ・ュ・ョ)などは入力しても確認画面で「ツ」「ヤ」などに置き換えて表示すると案内しています。法人略語の表記ルールもあるため、取引先から受け取った振込先情報は、請求書や登録依頼書の原本で確認する習慣をつけましょう。
振込先の口座情報を伝えても大丈夫か
請求書に記載するなど、振込を受けるために金融機関名・支店名・口座番号・口座名義を伝えることは、通常の業務で行われています。伝えてはいけないのは、出金や不正な手続きにつながる情報です。暗証番号、インターネットバンキングのIDとパスワード、ワンタイムパスワードは、取引先にも、銀行や官公庁を名乗る相手にも伝えません。三菱UFJ銀行は、警察官や金融庁職員が暗証番号を尋ねることはなく、銀行員が電話や店舗外で確認することもないと案内しています。振込先の情報を渡すときも、記録の残る請求書などを使い、相手が正しい取引先かを確認してからにすると安心です。
振込・振替・口座振替の違い
振込・振替・口座振替の違いは、手続きをする人と、お金が動く口座の組み合わせです。振込は支払う人が相手の口座へ送り、口座振替は事業者の依頼で自動的に引き落とされます。
| 項目 | 振込(口座振込) | 振替(口座間の振替) | 口座振替(自動引き落とし) |
|---|---|---|---|
| 手続きをする人 | 支払う人 | 口座の持ち主本人 | 受け取る事業者の依頼で金融機関が実行 |
| お金の動き | 自分から他人の口座へ(他行・同行とも) | 同じ銀行内の本人名義の口座同士 | 支払う人の口座から事業者の口座へ |
| 事前の手続き | 不要(振込先情報があればよい) | 不要 | 支払う人が口座振替依頼書を提出し、登録完了まで時間がかかる |
| 手数料の負担 | 一般的に振り込む側 | 無料のことが多い | 一般的に受け取る事業者側 |
| 主な場面 | 取引先への支払い、給与、単発の購入代金 | 普通預金から定期預金への移動など | 公共料金、家賃、月謝、会費、サブスク |
「振替」は文脈によって意味が変わる
注意したいのが、「振替」という言葉が2つの意味で使われることです。インターネットバンキング(IB)のメニューにある「振替」は、同じ銀行にある本人名義の口座同士でお金を移すことを指し、手数料はかからないのが一般的です。一方、請求や支払方法の文脈で「振替」と言う場合は、多くが「口座振替(自動引き落とし)」の略です。社内で「振替で払う」と言われたときは、どちらの意味かを確認すると行き違いを防げます。なお、オリックス銀行は、ゆうちょ銀行の口座への送金は「振替」と呼ぶため操作時に注意が必要だと案内しており、金融機関ごとに用語の使い方が異なる場合があります。
会計上の「振替伝票」とは別物
経理では「振替伝票」「振替仕訳」という言葉も使われますが、これは現金の出入りを伴わない取引(売掛金の計上や科目の付け替えなど)を記録する帳簿上の処理で、銀行でのお金の移動とは関係ありません。新任の経理担当者が混同しやすいポイントなので、あわせて押さえておきましょう。
口座振替と「口座振込」の違い
口座振替と口座振込は1文字違いですが、主体が逆です。口座振込は支払う人が毎回自分で送金し、口座振替は受け取る事業者が金融機関に引き落としを依頼し、決められた日に支払う人の口座から自動で引き落とされます。支払う人から見ると、口座振込は「自分で払う」、口座振替は「自動で払われる」と覚えると分かりやすいでしょう。口座振替の仕組みや導入の流れは、口座振替とは?仕組みと事業者が導入するメリット・流れを解説で詳しく解説しています。
送金・入金・払込・為替との違い
振込と近い言葉に、送金・入金・払込・為替があります。意味と、振込との関係を表にまとめました。
| 言葉 | 意味 | 振込との関係 |
|---|---|---|
| 送金 | お金を相手に送ること全般を指す言葉 | 振込は、金融機関の口座あてに送る送金の代表的な方法の一つ |
| 入金 | 口座にお金が入ること。ATMなどで自分の口座にお金を入れる場合にも使う | 振込は送る側の手続き、入金は受け取る側の口座で起きる結果。取引先から見ると「振込があった」と「入金があった」は同じ出来事を別の側から言った表現 |
| 払込 | 払込書(払込取扱票)を使って、ゆうちょ銀行などの窓口やATMで払い込む方法。ゆうちょ銀行の「通常払込み」は、受取人の振替口座に現金で払い込む送金方法で、口座がなくても窓口で払い込める | 銀行振込とは別の手続き。払込の請求はまとめて入金処理されるため、受取人が受け取るまでに数日かかる |
| 為替 | 離れた相手へ、現金を運ばずに資金を移す仕組み | 国内の銀行間の振込は、全銀システムを通じた内国為替取引として処理される |
振込のやり方|窓口・ATM・ネットバンキングの違い
振込のやり方は、窓口・ATM・インターネットバンキングの3つが基本です。手数料は窓口が高く、ATM、ネットバンキングの順に安い傾向があります。
| 方法 | 向く場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 窓口 | 高額や複雑な振込、入力ミスが心配なとき。振込依頼書に記入して手続きする | 受付時間が平日の日中に限られ、混雑すると待ち時間が出る。手数料は一般に高め |
| ATM | 短時間で済ませたいとき。現金またはキャッシュカードで振り込む | 現金での振込には上限がある。コンビニATMは銀行ATMより手数料が高めで、対応しない銀行もある |
| インターネットバンキング・アプリ | 取引先への定期的な支払い、件数の多い振込。24時間受け付けられる | 多要素認証など、金融機関が求める認証が必要。受け付けと着金の時間は別 |
窓口での振込の手順
窓口では、その場で疑問を確認しながら手続きできるため、高額な振込や初めての取引先への振込で安心です。必要な持ち物は金融機関によって異なりますが、一般的な流れは次のとおりです。振込依頼書の書き方やテンプレートは、振込依頼書とは?書き方・記入項目・テンプレートと電子化のポイントを解説にまとめています。
- 通帳・届出印(またはキャッシュカード)と本人確認書類を持って、取引銀行の窓口へ行く
- 振込依頼書に、振込先の情報、振込金額、依頼人の情報を記入する
- 窓口で内容の確認を受け、手続きをする
- 振込の控え(受付印のある書類)を受け取り、保管する
ATMでの振込の手順
- キャッシュカードを入れるか、現金を入れて「振込」を選ぶ
- 振込先の金融機関・支店・預金の種類・口座番号を入力する
- 振込金額を入力する
- 振込先の名義と依頼人名を確認する
- 手数料を確認して実行し、明細票を保管する
現金で振り込む場合は、金額に注意が必要です。10万円を超える現金振込は、犯罪による収益の移転防止に関する法律にもとづく取引時確認(本人確認書類の提示)が必要な取引にあたります。三菱UFJ銀行は、ATMでは10万円を超える現金振込を扱わず、キャッシュカードによる振込か窓口での手続きになると案内しています(電気・ガス・水道の料金など、確認が不要になる例外もあります)。ゆうちょ銀行の通常払込みも、10万円を超える現金の払込みはATMで扱えず、窓口で取引時確認をしたうえで取り扱います。銀行口座がなくても、窓口や一部のATMで現金を使って振り込める場合がありますが、高額になるときは先に窓口へ確認しましょう。
インターネットバンキングでの振込の手順
- ID・パスワードに加えて、多要素認証などでログインする
- 振込先を入力する(登録済みの振込先から選ぶと、入力ミスを防げる)
- 振込金額と振込日を入力する(先の日付を指定する予約もできる)
- 内容を確認して実行し、受付結果や明細を確認する
法人向けネットバンキングの「振込振替」と「総合振込」
法人向けのインターネットバンキングでは、メニューに「振込・振替」と「総合振込」が分かれていることがあります。振込・振替は1件ずつ手続きするもの、総合振込は複数の振込先を1回の手続きでまとめて送るものです。
| 項目 | 振込・振替(1件ずつ) | 総合振込 |
|---|---|---|
| 向く場面 | 少ない件数の支払い、急ぎの支払い | 多数の取引先への一括支払い |
| 手続き | 振込先ごとに1件ずつ | 複数の振込先を1回の手続きでまとめて |
| 当日扱い | 当日扱い(即時)の振込ができる | 予約扱いのみで、当日扱いはできない |
上の内容は、あいち銀行と北國銀行のよくあるご質問に記載されている例です。締め切りや手数料、利用できる機能は金融機関ごとに異なるため、契約している銀行の案内で確認してください。
振込手数料と受付時間|知っておきたい基本
振込手数料は、振込の方法、同じ銀行あてか他行あてか、金額によって変わります。受付時間も金融機関と方法で異なり、平日15時までの受付が当日扱いの目安です。
手数料は方法によって変わる
オリックス銀行は、振込手数料が最も高いのは窓口、次にATM、最も安いのはネットバンキングとアプリだと案内しています。同じ銀行あての振込でも、選ぶ方法で手数料が変わります。また、コンビニATMは銀行ATMより手数料が高めとされています。料金体系は金融機関ごとに異なるため、利用する銀行の料金表で確認してください。
手数料を誰が負担するかは、法律で決まっているわけではなく、契約や取引慣行で決まります。一般的には支払う側が負担することが多いものの、取引先との間で「手数料は誰が負担するか」を契約書や請求書に明記しておくと、手数料分を差し引いて振り込まれるといった行き違いを防げます。
手数料を差し引いて入金されたとき(受け取る側)
取引先が振込手数料相当額を請求金額から差し引いて支払うと、請求額と入金額が合わず、消し込みの手間が増えます。税務上の扱いは、取引の位置づけによって変わります。国税庁のインボイスQ&A(問29)では、売手が負担する振込手数料相当額を売上値引きとする場合は、売上げに係る対価の返還等を行ったことになり、原則として適格返還請求書の交付が必要ですが、振込手数料相当額は一般に1万円未満になると考えられるため、その場合は交付義務が免除されると示されています。一方、買手から代金決済上の役務提供を受けた対価として扱う場合は、売手が仕入税額控除を受けるために、買手から交付を受けた適格請求書の保存が必要です。
また、取適法(製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律)の対象になる取引では、振込手数料を中小受託事業者に負担させることが禁止されています(令和8年1月1日施行)。自社の取引が対象になるかどうかは、公正取引委員会の案内で確認してください。ここで紹介した内容は一般的な情報であり、個別の取引の会計処理や法令の適用について法的助言を行うものではありません。具体的な処理は、税理士や所轄の税務署、公正取引委員会などに確認してください。
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受付時間と着金のタイミング
オリックス銀行は、一般的な目安として、平日15時までの手続きは当日中に振込先へ反映され、平日15時以降は翌営業日以降、土日祝日は翌営業日扱いになると案内しています。15時を過ぎると「振込予約」の扱いになり、実際の処理は翌営業日になる場合があるため、期限のある支払いは午前中に済ませておくと安心です。夜間や休日でも即時に反映される金融機関は増えていますが、すべての金融機関が対象ではありません。
夜間・休日は、振込先の確認の扱いも金融機関によって異なります。三井住友銀行は、インターネットバンキング(個人向け)で日曜21時から月曜7時の他行あての振込をする場合、振込先の口座番号と受取人名の確認が行われず、内容の相違で振込できなかったときは出金口座に戻るものの、振込手数料は戻らないと案内しています。夜間・休日に振り込むときは、振込先の入力を普段以上に確認しましょう。
業務での使い分け|口座振替が向く業種・振込が向く業種
事業者が振込と口座振替のどちらで代金を受け取るかは、請求の頻度と金額の決まり方で判断します。毎月決まった相手なら口座振替、毎回変わるなら振込が向きます。
口座振替が向くのは「毎月決まった日に、決まった相手から回収する」事業
口座振替は、同じ顧客から継続的に代金を受け取る事業に向いています。顧客が毎回振込手続きをする必要がないため、支払い忘れが起きにくく、事業者側も入金日がそろうので資金繰りの見通しを立てやすくなります。代表的なのは、不動産賃貸(家賃・管理費)、学習塾や習い事(月謝)、会員制サービス(会費)、定期購入型の通販や保守契約、SaaSなどのサブスクリプション、清掃・警備・リース料などの定期的な役務提供です。
一方で、口座振替は顧客に口座振替依頼書を提出してもらい、金融機関の登録が終わるまで1か月から2か月程度かかることがあります。初回の支払い方法や、残高不足で引き落とせなかったときの再請求の手順は、導入前に決めておきましょう。
振込が向くのは「金額や相手が毎回変わる」取引
振込は、取引ごとに金額が変わるBtoBの取引や、単発の購入代金の受け取りに向いています。卸売・製造業の掛取引、建設業の出来高払い、制作・コンサルティングなどのプロジェクト型の請求が典型例です。事前の登録が不要で、初めての取引先ともすぐに使える手軽さがある反面、支払いは相手の手続き次第になるため、入金の遅れや振込漏れの確認・連絡は受け取る側の仕事になります。
事業者側から見た比較
| 観点 | 振込で受け取る | 口座振替で受け取る |
|---|---|---|
| 導入のしやすさ | 口座を伝えるだけで始められる | 金融機関や代行会社との契約、顧客の登録手続きが必要 |
| 回収の確実さ | 振込忘れ・遅れが起きやすい | 自動で引き落とされるため未回収が起きにくい(残高不足は除く) |
| 手数料 | 通常は支払う側が負担 | 通常は事業者が1件ごとの手数料を負担 |
| 入金確認の手間 | 名義や金額の照合が必要 | 引き落とし結果のデータで一括確認できる |
実際には、継続契約の顧客は口座振替、スポット取引の顧客は振込というように、両方を併用する事業者も多くあります。併用すると請求ごとに回収方法が分かれるため、どの請求がどの方法でいつ入金予定なのかを一覧で管理できる体制が欠かせません。
振込業務でよくある失敗パターン
振込業務の失敗は、入力ミス、二重振込、期日の遅れ、振込先変更を装った詐欺、消し込み漏れの5つが中心です。多くは転記と確認を1人で行う工程から生まれます。
| 失敗パターン | 起きやすい原因(Before) | 対策(After) |
|---|---|---|
| 振込先の間違い(誤振込) | 口座番号を手入力し、確認を1人で済ませている | 振込先を登録済みリストから選ぶ運用にし、新規登録や変更は別の担当者が原本と照合する |
| 二重振込 | 請求書が郵送とメールの両方で届き、別々に処理された | 請求書番号で支払済みかを確認してから振込データを作る |
| 振込の遅れ | 支払期日を担当者が個別に管理し、休日や受付時間を考慮していない | 支払予定表を作り、期日が休日の場合の扱いを取引先ごとに決めておく |
| 振込先変更を装った詐欺 | メールで届いた「口座変更のお知らせ」をそのまま反映した | 口座変更の連絡は、既知の電話番号で取引先に直接確認してから反映する |
| 入金の消し込み漏れ(受取側) | 振込名義が社名と異なる、複数の請求がまとめて振り込まれた、手数料が差し引かれた | 請求書に振込依頼人名の書き方を明記し、入金明細と請求データを突き合わせる仕組みを使う |
誤って振り込んでしまったときの対応
振込先を間違えた場合は、すぐに振込を依頼した金融機関に連絡し、「組戻し」を依頼します。組戻しは、振込先の金融機関を通じて受取人の同意を得たうえで資金を返してもらう手続きで、受取人の同意が得られないと返金されないことがあります。また、組戻しには所定の手数料がかかるのが一般的で、元の振込手数料は戻らないのが通常です。手続きの詳細や手数料は金融機関ごとに異なるため、利用している銀行に確認してください。受け取る側で心当たりのない入金があった場合も、自分のお金として使わず、金融機関に連絡することが大切です。
二重振込に気づいたとき
二重に振り込んだことに気づいたら、まず取引先に連絡し、返金してもらうか次回の支払いと相殺するかを相談します。相殺する場合は、どの請求のどの金額と相殺したかを、メールなど記録が残る形で合意しておきましょう。
振込と入金確認のやり方、今の運用で大丈夫? セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
振込のセキュリティ|不正送金・ボイスフィッシング・振込先変更詐欺
振込で特に注意したいのは、銀行を装ってIDやパスワードを聞き出す不正送金と、取引先になりすまして振込先の変更を指示する詐欺です。法人口座も対象になります。
インターネットバンキングの不正送金
金融庁は、銀行を装ったSMSやメール、メッセージツールで利用者を偽のログインサイトに誘導し、ID・パスワード・ワンタイムパスワードなどを盗んで不正に送金する手口について、注意を呼びかけています。金融庁は、金融機関がSMSなどでID・パスワードを問い合わせることはないとしています。また、令和7年9月には警察庁と共同で、法人口座やインターネットバンキングを含む預貯金口座の不正利用等の防止対策を強化するよう、金融機関の業界団体などに要請しました。社内では、次の基本対策を徹底しましょう。
- SMSやメールのリンクからログインせず、公式サイトのブックマークや公式アプリから利用する
- 金融機関が推奨する多要素認証やワンタイムパスワードを利用し、ログインや送金の通知機能を有効にする
- 振込の承認権限を持つ人を限定し、1日の振込限度額を業務に必要な範囲に設定する
- 口座残高や入出金明細をこまめに確認し、身に覚えのない取引があればすぐ金融機関に連絡する
- 振込に使うパソコンのOSやセキュリティソフトを最新の状態に保つ
法人口座を狙うボイスフィッシング
警察庁のサイバー警察局便りによると、法人口座を狙う「ボイスフィッシング」では、まず犯人が銀行担当者を装って企業に電話をかけ(自動音声の場合もあります)、メールアドレスを聞き出します。次に、フィッシングメールを送って電話で指示しながら偽サイトへ誘導し、インターネットバンキングのアカウント情報などを入力させて盗み取り、法人口座から不正に送金します。警察庁は、知らない電話番号からの着信は信用しないこと、銀行の代表電話番号や問い合わせ窓口で確認すること、メールに記載されたリンクからアクセスしないことを呼びかけています。被害に遭った場合は、警察に通報・相談しましょう。
ビジネスメール詐欺による振込先の変更に注意する
取引先や自社の役員になりすまし、「振込口座が変わった」「至急この口座に送金してほしい」と指示するメールで送金させる手口もあります。メールの表示名や署名は簡単に偽装できるため、口座の変更や急な送金依頼は、メール以外の手段(以前から使っている電話番号など)で本人に確認するルールを決めておくことが有効です。
振込業務をDXで効率化する方法
振込業務のDXは、手で転記して目で確認する工程をデータでつなぎ、人は例外の判断に集中できる状態をつくることです。
入口は、支払う側では振込データを手入力しない仕組み、受け取る側では請求から入金確認までを一つの流れにすることです。
支払う側:振込データを手入力しない仕組みにする
- 法人向けインターネットバンキングで振込先を登録し、総合振込データで一括送信する
- 会計ソフトや経費精算システムの支払データから、全銀フォーマットの振込データを出力して取り込む
- 振込データの作成者と承認者を分け、承認しないと送信できない設定にする
- 受け取った請求書をスキャンやデータ化で一元管理し、支払済みかどうかを請求書番号で管理する
全銀フォーマットは、金融機関共通の振込データの形式です。会計ソフトなどからこの形式で出力できれば、ネットバンキングの画面で1件ずつ入力する必要がなくなり、口座番号の打ち間違いも防げます。
請求書の受け取りから振込までを、一つのサービスで扱う方法もあります。マネーフォワード クラウド債務支払のように、請求書のPDFの読み取り、承認、銀行振込APIによる振込までを扱うサービスは、手入力と転記の工程を減らしたい場合の選択肢です。紹介内容は、冒頭の比較表にまとめています。
受け取る側:請求から入金確認までを一つの流れにする
受け取る側で負担が大きいのは、請求書を発行した後の入金確認と消し込みです。請求書をExcelで作り、入金は通帳やネットバンキングの明細を見て確認する、という分断された運用では、取引先が増えるたびに作業時間が比例して増えていきます。請求書発行システムを使うと、請求データを作った時点で「いつ、いくら入金される予定か」が登録され、銀行の入金明細を取り込むと予定と実績を自動で照らし合わせられます。名義が違う入金や金額が合わない入金だけが一覧に残るため、担当者は例外の確認に集中できます。請求業務全体の流れは、請求とは|業務フロー・法務論点・DX化まで中小企業向けに解説で整理しています。
請求から入金管理、督促までの回収業務そのものを外部に任せる方法もあります。請求書払い(振込)で受け取っている取引の一部を、掛け払いの仕組みに切り替える形で、その一例がGMO掛け払いです。企業間取引の与信審査、請求書の発行、入金管理、督促といった負荷の高い業務を代行し、GMOペイメントサービスの与信審査を通過して正常に完了した取引は、同社が未回収リスクを負担するサービスとして紹介されています。買い手は事前の手続きが不要で、初回の取引から利用できる点も特徴です。注意点として、加盟店審査の結果によっては取り扱えない商材があること、利用できる取引先が日本国内で事業を営む企業に限られること、手数料や固定費が取り扱う商材や販売方法によって異なり、場合によっては負担が大きくなることが挙げられています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
GMOペイメントサービス株式会社
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新規拡大したいけど未回収リスクは減らしたい方におすすめ
おすすめ!
- 「消し込み」や「督促(架電・再発行)」「入金管理」といった業務負荷のかかる作業を代行
- 未回収リスクも負担
- 買い手は事前の手続きが不要で初回取引から利用できる
気になる…
- 手数料や固定費の幅が広く、取り扱いの商材や販売方法によっては高くつく場合も
導入事例:チャンスメーカー株式会社の事例では、ノベルティ販売サイトの開始当初は銀行振込のみに対応しており、担当者が入金を1件ずつ確認していたため、まれに確認漏れで顧客を待たせることがあったと紹介されています。導入後は、回収にかかっていた約0.5人月分の工数をカスタマーサポートに振り向けられたとしています(担当者の印象)。出典:GMO掛け払い 導入事例(チャンスメーカー株式会社)
小さく始めるための手順
いきなりすべての業務を切り替える必要はありません。まずは1か月分の請求と入金の件数、消し込みにかかった時間、照合できずに確認した件数を記録し、どこに時間がかかっているかを把握します。そのうえで、件数が多い定期請求や、照合の手間が大きい取引先から順に仕組みへ移すと、効果を確認しながら無理なく進められます。
支払う側・受け取る側のサービスの役割を比較表で見るよくある質問(FAQ)
Q1. 振込と振替の違いは何ですか?
A. 振込は、自分の口座から他人の口座や他の銀行の口座へお金を送る手続きです。インターネットバンキングの「振替」は、同じ銀行にある本人名義の口座同士でお金を移すことを指し、手数料はかからないのが一般的です。請求の文脈で「振替」と言う場合は、口座振替(自動引き落とし)を指すことが多いため、どちらの意味か確認しましょう。
Q2. 振込と送金の違いは何ですか?
A. 送金は、お金を相手に送ること全般を指す言葉です。振込は、その中でも金融機関の口座あてに送る方法の一つで、振込先の金融機関名・支店名・口座番号・口座名義を指定して手続きします。そのため、口座あての送金は「振込」と呼ばれることが多く、日常では同じ意味で使われる場面もあります。
Q3. ATMから現金で振り込めますか? いくらまでですか?
A. 現金での振込に対応したATMでは、現金を入れて振り込めますが、上限は金融機関やATMによって異なります。10万円を超える現金振込は、犯罪による収益の移転防止に関する法律にもとづく取引時確認が必要で、三菱UFJ銀行ではATMでは扱わず、キャッシュカードによる振込か窓口での手続きになります。高額の場合は、キャッシュカードやネットバンキングを使うか、窓口で相談しましょう。
Q4. 振込先の口座情報を取引先に教えても大丈夫ですか?
A. 請求書に記載するなど、振込を受けるために金融機関名・支店名・口座番号・口座名義を伝えることは、通常の業務で行われています。伝えてはいけないのは、暗証番号、ネットバンキングのIDやパスワード、ワンタイムパスワードです。銀行や官公庁を名乗る電話でも答えないでください。取引先から振込先の変更を求められたときは、既知の電話番号で本人に確認してから反映しましょう。
Q5. 振込先を間違えたらどうすればよいですか?
A. すぐに振込を依頼した金融機関に連絡し、組戻しを依頼します。組戻しは受取人の同意が必要で、同意が得られないと返金されないことがあります。所定の手数料がかかるのが一般的なため、詳細は金融機関に確認してください。
Q6. 取引先が振込手数料を差し引いて振り込んできた場合はどうなりますか?
A. 請求額から手数料が差し引かれた金額で入金されることがあります。手数料を誰が負担するかは契約や取引慣行で決まるため、請求書に負担者を明記しておくと行き違いを防げます。売手が負担する場合の税務上の扱いは、国税庁のインボイスQ&A(問29)で、売上値引きとする場合などが示されています。取適法の対象取引では、振込手数料を中小受託事業者に負担させることが禁止されています。入金の照合に時間がかかる場合は、入金明細と請求データを自動で突き合わせる仕組みの導入も選択肢です。
まとめ|振込業務を見直すために押さえたい5つのこと
- 振込・振替・口座振替の違いを、「誰が手続きをするか」で整理する
- 振込のやり方、手数料、受付時間は金融機関ごとに確認し、期日に余裕をもって手続きする
- 振込先の二重チェック、口座変更の電話確認、暗証番号やパスワードを渡さないルールで、誤振込と詐欺を防ぐ
- 手数料の負担者は請求書に明記し、差し引かれた入金の税務上の扱いも確認しておく
- 支払いや入金確認の手作業が重なっている工程を洗い出し、必要に応じて資料でサービスの内容を確認する
振込・振替・口座振替の違いを正しく理解したうえで、自社の支払いと入金確認の流れのどこに手間とリスクがあるかを見直してみてください。支払う側ならマネーフォワード クラウド債務支払、受け取る側ならGMO掛け払いのように、工程に合うサービスの資料を取り寄せて比べると、仕組みで解決できる範囲を具体的に確認できます。
参考文献
- 金融庁「インターネットバンキングによる預金の不正送金事案が急増しています。」https://www.fsa.go.jp/ordinary/internet-bank_2.html
- 金融庁「法人口座及びインターネットバンキングの利用を含む預貯金口座の不正利用等防止に向けた対策の一層の強化について」https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20250912/20250912.html
- 警察庁 サイバー警察局便り「電話に注意!「ボイスフィッシング」による不正送金被害が急増」https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/pdf/R6_Vol.15cpal.pdf
- 一般社団法人全国銀行資金決済ネットワーク「全銀システムとは」https://www.zengin-net.jp/zengin_system/
- 国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」問29(売手が負担する振込手数料相当額)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/29.pdf
- 公正取引委員会「取適法・振興法」https://www.jftc.go.jp/toriteki_2025/
- 三菱UFJ銀行「お取引時の確認について」https://www.bk.mufg.jp/ippan/law/kakunin.html
- 三菱UFJ銀行「金融犯罪にご注意ください:暗証番号の管理について」https://www.bk.mufg.jp/info/cashcard_chuui/index.html
- ゆうちょ銀行「通常払込み」https://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/sokin/koza/kj_sk_kz_tujo.html
- オリックス銀行「【初心者向け】銀行振り込みのやり方を解説」https://www.orixbank.co.jp/column/article/374/
- 三井住友銀行「SMBCダイレクト 振込・振替 振込」https://www.smbc.co.jp/direct/sousa/help_furikomi/7.html
- 東京スター銀行「用語集 振込」https://www.tokyostarbank.co.jp/feature/glossary/furikomi.html
- あいち銀行「法人向けインターネットバンキングで振込・振替と総合振込の違いは何ですか?」https://secure.okbiz.jp/aigin-faq/faq/show/397?category_id=82&site_domain=default
- 北國銀行「個別振込と総合振込の違い」https://support.hokkokubank.co.jp/faqs/f03193/?site_domain=default