振込依頼書とは?書き方・記入項目・テンプレートと電子化のポイントを解説

Check!

  • 振込依頼書の4つの使われ方がわかる
  • 種類別の書き方と記入例がわかる
  • ミス防止と詐欺対策、保存ルールがわかる

振込依頼書(「振り込み依頼書」とも書きます)とは、誰に、いくらを、どの口座へ、いつまでに振り込むのかを書面で指示・依頼するための書類です。法律で決まった様式はなく、銀行の窓口で出すもの、社内で経理に支払いを頼むもの、取引先に自社の振込先口座を知らせるもの、従業員が給与の振込先を会社に届け出るものなど、場面によって書く内容が変わります。この記事では、4つの使われ方の違い、種類別の書き方と記入例、よくある記入ミス、テンプレートの入手先、振込の方法ごとの違い、振込先変更を装った詐欺への注意点、電子化と保存のルールまでを、経理実務の目線で整理します。

振込依頼書について、いま知りたいことは?

Q1. あなたの立場に近いのはどちらですか?

目次

開く

閉じる

  1. 振込依頼書とは?4つの使われ方と請求書との違い
  2. 振込依頼書の書き方と記入項目【種類別】
  3. 振込依頼書の記入でよくあるミスと注意点
  4. 振込依頼書の運用でよくある失敗パターン
  5. 振込依頼書のテンプレートの用意の仕方
  6. 振込の方法ごとの違い|窓口・ATM・ネットバンキング
  7. 「振込先を変更してください」という依頼には要注意
  8. 振込依頼書を電子化するメリットと保存のルール
  9. 振込依頼書の電子化の効果を測る指標
  10. よくある質問(FAQ)
  11. まとめ|振込依頼書で押さえたい6つのこと
  12. 参考文献

振込依頼書とは?4つの使われ方と請求書との違い

振込依頼書とは、振込先の口座・金額・期日を書面で伝えて振込を指示・依頼する書類で、銀行窓口用・社内の支払依頼用・取引先への口座通知用・給与振込用の4つの使われ方があります。

振込依頼書は、法律で様式が決められた書類ではありません。そのため、使う場面ごとに意味や書く内容が変わります。社内で「振込依頼書を出して」と言われた場合は、多くの場合2つ目の社内の支払依頼用を指しています。

種類 誰が誰に出すか 目的 様式
銀行窓口用 振込をする本人が銀行に出す 窓口で振込の手続きを依頼する 各銀行の所定用紙
社内の支払依頼用 各部署の担当者が経理部門に出す 取引先への支払いや経費の立替精算を依頼する 自社で定めた様式
取引先への口座通知用 代金を受け取る側が支払う側に出す 自社の振込先口座を正式に知らせる(振込先口座届とも呼ばれる) 支払う側の指定様式、または自社の様式
給与振込用 従業員が会社に出す 給与を受け取る口座を届け出る 会社が定めた様式

「払込依頼書」「振り込み依頼書」は表記の違いで、実務では同じ用途で使われることが多い言葉です(「払込」は払込取扱票などの専用用紙で支払う手続きを指す場合もあります)。振込・振替・口座振替の違いは、振込とは?振替・口座振替との違いから業務DXまでわかりやすく解説で整理しています。

請求書・支払依頼書との違い

請求書は、代金を受け取る側が支払う側に対して「この金額を支払ってください」と求める書類です。これに対して社内用の振込依頼書は、受け取った請求書などをもとに、社内の担当者が経理に「この請求書の代金を振り込んでください」と依頼する書類です。会社によっては同じ役割の書類を「支払依頼書」「支払伝票」と呼ぶこともあります。名前が違っても、支払先・金額・期日・根拠となる書類を記録し、承認を受けてから支払うという役割は同じです。

取引先への口座通知用は、金額を書かず、振込先の口座を正式に伝えるための書類です。請求の都度、請求書に振込先を載せて知らせている会社では、請求書がこの役割を兼ねています。取引の流れの中での位置づけは、見積書で金額と条件を示し、納品書で納品の事実を伝え、請求書で代金の支払いを求めるという順番です。それぞれの書き方は、見積書とは?記載項目と書き方、請求書との違いや保存期間まで解説や納品書テンプレートの選び方|インボイス・電帳法対応と失敗しない使い方で確認できます。

受け取る側の口座通知は、請求書の発行と入金確認までセットで考える

代金を受け取る側にとって、振込依頼書(口座通知)の目的は、期日までに正しい口座へ入金してもらうことです。振込先を伝えて終わりではなく、請求書を作成して送り、入金されたかを確認するところまでが一連の業務になります。この流れを紙やExcelで回していると、請求書の作成や送付の手間に加えて、入金の有無を取引先ごとに探す手間が積み重なります。

請求書の作成・送付・入金確認を手作業で行っている場合の一例が、マネーフォワード クラウド請求書です。商品ページによると、見積書・納品書・請求書・領収書を同じサービスで作成でき、定期的に発行する請求書は「毎月自動作成」の機能で発行漏れを防げます。送付はメールまたは郵送代行(オプション)に対応し、各書類のステータスは一覧で確認でき、支払期限を過ぎた未入金は未入金アラートで知らせてくれます。インボイス制度と電子帳簿保存法にも対応しています。注意したい点は、請求書の発行と管理を担うサービスであり、支払う側の振込依頼書の作成や振込そのものを行うものではないことです。商品ページ(2026年10月14日確認)には、スマートフォンやタブレットには対応していないとの記載もあるため、利用環境も確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウド請求書

マネーフォワード クラウド請求書

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウド請求書

らくらく操作◎作成から保管まで一元管理したい方におすすめ

30秒で完了!かんたん入力 資料を無料ダウンロード
料金・機能をまとめて確認 サービス詳細はこちら
30秒で完了!かんたん入力 資料を無料ダウンロード
料金・機能をまとめて確認 サービス詳細はこちら

見積書・納品書・請求書・領収書の作成が簡単に行え、ワンクリックでメール送付・郵送が完了するソフトなら、マネーフォワード クラウド請求書の導入がおすすめです。

出典:マネーフォワード クラウド請求書
GOOD

おすすめ!

  • フォームに沿って入力するだけで簡単に帳票を作成できる
  • インボイス制度にも対応
  • 入金ステータスが一目で分かるので、請求の抜け漏れ防止にも効果的
MORE

気になる…

  • 請求書発行に特化しているものの、「入金消込」を利用するには「マネーフォワード クラウド請求書Plus」の契約が必要

今までは、システムから請求書のPDFをダウンロードして、PDFをメールで送るというステップでしたが、デジタルインボイスだと画面上からワンクリックで処理が完結するのでラクですね。

株式会社ハマスピ(マネーフォワード クラウド請求書の導入事例、2025年5月公開)https://biz.moneyforward.com/case/12832/
マネーフォワード クラウド請求書

請求書の作成から入金確認まで一元管理したい会社に

マネーフォワード クラウド請求書の資料を無料でダウンロードできます

無料・30秒で完了 資料を無料ダウンロード

振込依頼書は領収書の代わりになる?

振込依頼書は領収書の代わりになりません。振込依頼書は振込を指示・依頼する書類であり、代金を受け取ったことを証明する書類ではないためです。

支払いの記録として残すのは、銀行から受け取る振込の控え(窓口の受付控え、ATMのご利用明細、ネットバンキングの振込完了画面や明細)です。これを領収書の代わりとして扱えるかは取引先との取り決めによるため、領収書が必要な場合は事前に先方へ確認しておくと安心です。領収書の書き方や収入印紙の扱いは、領収書とは?書き方・インボイス対応・収入印紙・保存方法をわかりやすく解説で解説しています(本記事は法的助言を目的としたものではありません)。

振込依頼書の書き方と記入項目【種類別】

振込依頼書の書き方は、種類によって記入項目が変わりますが、振込先の口座・金額・期日・依頼者を正確に書くことが共通の基本です。ここでは種類ごとに、記入が必要な項目と書き方のポイントを整理します。

社内の支払依頼用の記入項目

項目 書き方のポイント
依頼日・依頼者 依頼した日付、部署名、担当者名を書く。後から問い合わせ先がわかるようにする
支払先 取引先の正式名称を書く。略称や通称は避ける
振込先口座 金融機関名、支店名、預金種目(普通・当座)、口座番号、口座名義(カナ)を書く
支払金額 税込の金額を書く。源泉徴収がある場合は差し引き後の振込額も明記する
支払期日 請求書や契約で決められた期日を書く。銀行の営業日かどうかも確認する
振込手数料の負担 当社負担か先方負担かを書く。取引条件と食い違わないようにする
支払内容・勘定科目 何の代金か(例:9月分の外注費)と、わかれば勘定科目を書く
根拠書類 請求書番号などを書き、請求書や領収書を添付する
承認欄 上長や決裁者の承認印またはサインの欄を設ける

社内の支払依頼用の記入例

次の表は、上の項目を埋めた場合のイメージです。会社名や口座はすべて書き方を示すための架空の例です。

項目 記入例
依頼日・依頼者 2026年10月14日 経理部 担当:山田
支払先 株式会社サンプル商事
振込先口座 サンプル銀行 本店 普通 1234567
口座名義(カナ) カ)サンプルシヨウジ
支払金額 110,000円(税込。源泉徴収なし)
振込手数料 当社負担
支払期日 2026年10月30日(金)
支払内容・根拠書類 10月分の外注費 請求書番号:INV-1001(請求書を添付)
承認欄 課長 承認印

取引先への口座通知用の記入項目

取引先に自社の振込先を知らせる振込依頼書では、金額は書かず、口座の情報を正確に伝えることが目的です。会社名、所在地、担当者の連絡先、金融機関名と金融機関コード、支店名と支店コード、預金種目、口座番号、口座名義(カナ)を記入し、会社の印を押すのが一般的です。口座名義のカナは通帳やキャッシュカードの表記と一字一句そろえてください。「カ)」「(カ」のように法人格の略称の位置が違うだけで、振込が組戻しになることがあります。

取引先に書面として送る場合は、ビジネス文書の体裁を整えます。上部に「振込依頼書」などのタイトルと作成日、宛先(取引先の会社名・担当者名)と差出人(自社の会社名・部署・担当者)を書き、本文には「下記口座へお振込みくださいますようお願い申し上げます」といった前文を入れたうえで、口座情報と、請求に対応する場合は振込期日や対象の請求書番号を「記」以下に箇条書きでまとめます。末尾は「以上」で締めるのが一般的です。前文に「拝啓」を使う場合は末文を「敬具」で結びますが、用件を簡潔に伝える通知なら、あいさつを省いて用件から書く形でも差し支えありません。押印の要否は書類の性質や取引先の運用によって異なるため、先方から社判や担当者印を求められた場合は指示に従ってください。

ゆうちょ銀行の口座を知らせる場合は、通帳の「記号・番号」ではなく、他の金融機関から振り込むときに使う「店名(店番)・口座番号」を記載してください。

従業員が会社に出す給与振込依頼書

「振込依頼書」という名前で、従業員が給与の振込先口座を会社に届け出る書類が使われることもあります。労働基準法では賃金は原則として通貨で直接支払うこととされており、口座振込は労働基準法施行規則により、個々の労働者の同意を得た場合に認められる例外という位置づけです。そのため、給与振込依頼書には金融機関名・支店名・預金種目・口座番号・口座名義(カナ)に加えて、給与を口座振込で受け取ることに同意する旨の一文を入れるのが一般的です。振込先は本人名義の口座に限られ、同意しない従業員に口座振込を強制することはできないとされています。詳しい扱いは厚生労働省の案内で確認してください(本記事は法的助言を目的としたものではありません)。

提出の締め切りに遅れると、その月の給与の振込処理に間に合わない場合があるため、会社が定めた期日を確認してください。社内宛でも宛名に「御中」を添える書き方があります。ネット銀行の口座を届け出るときは、支店名が店名ではなく独自の名称になっていることがあるため、銀行の公式表記どおりに書きます。会社が振込先の銀行を指定している場合もあるので、案内も確認しましょう。

なお、令和5年4月からは、労使協定の締結と労働者本人の同意を前提に、厚生労働大臣が指定した資金移動業者の口座へ賃金を支払う「賃金のデジタル払い」も認められています。この場合は銀行口座の届け出とは別の同意書が必要で、同意しない従業員には従来どおり銀行口座などへ支払う必要があります。制度の詳細と指定業者は、厚生労働省の案内で確認してください。

銀行窓口用の記入項目

銀行の窓口で振込をする場合は、銀行に置いてある所定の振込依頼書を使います。書く内容は、振込先の金融機関名・支店名・預金種目・口座番号・受取人名(カナ)、振込金額、依頼人の名前・住所・電話番号です。金額の頭には「¥」を付け、書き換えられないようにします。様式や記入のルールは銀行ごとに異なるため、用紙の記入例や窓口の案内に従ってください。窓口での振込はATMやインターネットバンキングより手数料が高い場合が多く、受付時間を過ぎると翌営業日の扱いになることもあります。

機械で読み取る用紙では、枠からはみ出さないよう丁寧に書き、指定された文字(数字は算用数字、カナは標準的な字体)を使います。手書きで訂正する場合は、訂正印を求められる場合や、金額の訂正は受け付けず書き直しになる場合があるため、窓口の案内に従ってください。振込日は、最短の日ではなく取引先が指定した日を書きます。

振込依頼書の記入でよくあるミスと注意点

振込依頼書の記入ミスで多いのは、口座名義のカナ、支店名と支店番号、源泉徴収の差し引き、手数料の負担、支払期日と振込日の6点です。振込は一度実行すると取り消しに手間と手数料がかかるため、記入の段階で防ぎます。

  • 口座名義のカナの誤り:長音や小さい文字、法人格の略称を通帳の表記どおりに書く
  • 支店名と支店番号の不一致:支店の統廃合で番号が変わっていないか、取引先の最新の情報で確認する
  • 源泉徴収の差し引き忘れ:士業への報酬など源泉徴収が必要な支払いは、差し引き後の金額で振り込む
  • 手数料負担の食い違い:先方負担の約束なのに全額を振り込む、またはその逆にならないよう取引条件を確認する
  • 支払期日が休日:期日が土日や祝日にあたる場合に前営業日と翌営業日のどちらにするか、社内でルールを決めておく
  • 振込日の食い違い:取引先が指定した日と違う日を書くと、取引条件とずれる。最短の日ではなく指定日を書く
  • 訂正の仕方:手書きで間違えた場合は、二重線を引いて訂正印を押すのが原則。金額の訂正を認めない銀行もあるため、書き直すのが安全

間違えて振り込んでしまったときの組戻し

誤った口座や金額で振り込んでしまった場合は、振込を受け付けた金融機関に「組戻し」を依頼します。組戻しには手数料がかかり、すでに入金されている場合は受取人の承諾が必要になるなど、時間と手間がかかることがあります。取り戻せるとは限らないため、振込の前に口座と金額を請求書と見比べることが最も確実な防止策です。

振込依頼書の運用でよくある失敗パターン

振込依頼書の運用でよくある失敗は、二重払い、支払期日の遅れ、古い口座への振込、根拠書類の紛失、部署ごとの様式の乱立の5つで、書き方を覚えても社内のルールがあいまいだと防げません。

失敗パターン Before(よくある状態) After(改善後)
二重払い 同じ請求書に対して別々の担当者が振込依頼書を出し、2回振り込んでしまう 請求書番号を必須項目にし、支払済みかどうかを一覧で確認してから振り込む
支払期日の遅れ 振込依頼書が承認者の机で止まり、期日を過ぎてから経理に届く 社内の提出締め日を決め、承認の状況が見える仕組みにする
古い口座への振込 過去の振込依頼書をコピーして使い、変更前の口座に振り込む 取引先の口座情報は1か所で管理し、変更時は登録情報を更新する
根拠書類の紛失 振込依頼書と請求書が別々に保管され、後から支払いの根拠を探せない 振込依頼書と請求書をひも付けて保存し、取引先や日付で検索できるようにする
部署ごとの様式の乱立 部署ごとに異なる様式を使い、経理が内容の確認に時間をとられる 全社で1つの様式に統一し、記入項目と承認ルートを決める

これらの失敗の多くは、紙やファイルが人の手を渡り歩くことで起きています。支払う側の様式統一や承認ルートの整理は、社内のルールづくりで改善できます。一方で、自社が代金を受け取る側として請求書を手作業で作り、メールや郵送で送って入金を確認している場合は、その部分の手間が件数に比例して増えます。自社の運用がどれくらい当てはまるか、次のセルフチェックで確かめてみてください。

振込依頼書まわりの運用、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

振込依頼書のテンプレートの用意の仕方

振込依頼書のテンプレートは、銀行窓口用は銀行の店頭、社内用・口座通知用は会計ソフトの提供会社や書式サイトの無料テンプレートをもとに、自社の運用に合わせて作るのが基本です。

種類 入手・作成の方法 注意点
銀行窓口用 銀行の店頭にある所定の用紙を使う 自作の様式は基本的に使えない。複写式のため控えを保管する
社内の支払依頼用 会計ソフトや表計算ソフトの無料テンプレートをもとに、自社の承認ルールに合わせて作る 前の見出しの記入項目と承認欄を必ず入れる。部署ごとに様式を分けない
取引先への口座通知用 支払う側から指定の様式があればそれを使い、なければ自社で作る 口座情報に加え、会社の印と担当者の連絡先を入れる
給与振込用 会社が定めた様式があるため、経理や総務に確認する 本人名義の口座かどうか、同意の旨の記載があるかを確認する

社内用のテンプレートを作るときは、見た目よりも「誰が書いても同じ項目が埋まること」を優先しましょう。支払先や口座を選択式にする、源泉徴収の有無をチェック欄にするなど、記入者が迷う箇所を減らすと差し戻しが少なくなります。

無料のテンプレートは様式が汎用的なため、そのまま使うと自社の承認ルートや源泉徴収の欄が足りないことがあります。入手したら前の見出しの記入項目と照らして、不足する欄を足してください。ファイルは共有フォルダの1か所にまとめ、古い様式が使われ続けないようにします。件数が増えて表計算ソフトでの管理が負担になってきたら、電子化を検討するタイミングです。

振込の方法ごとの違い|窓口・ATM・ネットバンキング

振込依頼書が必要なのは主に銀行窓口での振込で、ATMやネットバンキングでは用紙に書かず、画面に口座情報と金額を入力して依頼します。

方法 振込依頼書 向いている場面 注意点
銀行窓口 所定の用紙に記入して提出する 現金で振り込む場合や、操作に不慣れな場合 手数料が比較的高い傾向があり、受付時間を過ぎると翌営業日の扱いになることもある
ATM 用紙は不要(画面で入力) 件数が少なく、金額も少ない振込 金融機関によって1回あたりの振込限度額が設けられている場合がある
ネットバンキング 用紙は不要(画面で入力) 件数が多い場合や、振込予約をしたい場合 利用の申し込みが必要。入力ミスは自分で防ぐ必要がある
法人向けインターネットバンキング 用紙は不要(総合振込・給与振込のデータなどで依頼) 取引先や従業員が多く、まとめて振り込む場合 承認の権限設定など、利用条件は金融機関ごとに異なる

ネットバンキングで振込をする場合、銀行への振込依頼書は不要ですが、社内で承認を得るための支払依頼(社内用の振込依頼書)は引き続き必要になります。振込を実行したあとは、窓口の控え、ATMの明細、ネットバンキングの振込完了画面や明細を、支払いの記録として保存しておきます。電子で受け取った明細は、後述の保存のルールに沿って、探しやすい形で残しましょう。

「振込先を変更してください」という依頼には要注意

「振込先を変更してください」という依頼は取引先や経営者になりすました詐欺の可能性があるため、メールに書かれた連絡先ではなく、名刺や過去の資料にある既知の電話番号などで事実確認してから変更します。

取引先から、メールや書面で振込先の口座を変更したいという依頼が届くことがあります。多くは正当な変更ですが、取引先や自社の役員になりすまして偽の口座に振り込ませる詐欺(ビジネスメール詐欺)もあります。警察庁によると、指定される口座は海外であることが多く、一度送金すると回収がきわめて困難です。振込依頼書は「書かれた口座に振り込む」ための書類であるため、依頼の内容が偽物であれば、そのまま被害につながります。

  • 振込先の変更は、メールに書かれた連絡先ではなく、以前から把握している電話番号などで取引先に確認する
  • 変更後の口座名義が取引先の会社名と一致しているか、個人名義や海外の口座になっていないかを確かめる
  • 「至急」「今日中に」など、確認の時間を与えない依頼は特に慎重に扱う
  • 振込先の新規登録や変更は、依頼を受けた担当者とは別の人が承認するルールにする

警察庁と金融庁は2024年8月、法人口座を含む預貯金口座の不正利用を防ぐ対策を強化するよう、金融機関の団体に要請しています。振込先の登録と変更の手順を文書にしておくことが、詐欺への一番の備えになります。

振込依頼書を電子化するメリットと保存のルール

振込依頼書を紙からデータに切り替えると、転記ミスや承認待ちが減り、請求書などの根拠書類と一緒に検索・保存しやすくなります。

  • 取引先や口座の情報を登録しておけるため、書き間違いや転記ミスが減る
  • 承認を画面上で行えるため、決裁者が不在でも承認が止まりにくい
  • 誰がいつ作成・承認したかの記録が残り、不正や二重払いのチェックがしやすい
  • 日付・金額・取引先で検索でき、監査や税務調査のときに根拠書類をすぐに出せる
  • 紙の保管スペースやファイリングの手間が減る

電子帳簿保存法との関係

振込依頼書そのものは社内の書類ですが、添付する請求書や、振込の結果として受け取る振込金受取書などは、税法上の保存の対象になる書類です。自社が発行した請求書の控えも保存の対象です。法人の場合、帳簿や書類は原則として7年間の保存が必要です(欠損金が生じた事業年度などは10年)。また、請求書をメールやWebで受け取った場合は「電子取引」にあたり、紙に印刷して保存するのではなく、電子帳簿保存法の要件に沿ってデータのまま保存する必要があります。支払いの根拠書類をデータで受け取る場面が増えている会社ほど、振込依頼書も含めて電子で一元管理するほうが、保存のルールをそろえやすくなります。詳しい要件は、国税庁の電子帳簿保存法一問一答で確認できます。

マネーフォワード クラウド請求書

発行した請求書を探すのに、毎回時間がかかっていませんか?

こんな会社に向いています

請求書をExcelで作り、PDFをフォルダに保存している会社

取引先ごとの入金状況を一覧で把握したい会社

マネーフォワード クラウド請求書の資料を無料で見る

振込依頼書の電子化の効果を測る指標

電子化の効果は、導入前後で同じ指標を比べることで確かめられます。導入前に1か月ほど現状を記録しておくと、改善の度合いがはっきりします。

指標 測り方
1件あたりの処理時間 振込依頼書の作成から振込の実行までにかかった時間を、数件分記録して平均をとる
差し戻し・訂正の件数 記入漏れや口座の誤りで経理から差し戻した件数を月ごとに数える
承認までの日数 依頼日から承認完了日までの日数を記録する
組戻し・期日遅れの件数 振込の取り消しや支払期日を過ぎた件数を数える
書類を探す時間 過去の支払いの根拠を問い合わせられたときに、書類を出すまでの時間を測る

処理時間に月の件数を掛けると、振込依頼書の業務にかかっている時間の総量がわかります。数字で把握しておくと、システムの費用に見合う効果があるかを判断しやすくなります。

自社が代金を受け取る側で、請求書の作成・送付・入金確認に月どれくらい時間をかけているかも、同じ方法で測れます。この部分の手作業が大きい場合は、請求書の作成から入金ステータスの管理までを一元化できるサービスの詳細を確認してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 振込依頼書とは何ですか?

A. 誰に、いくらを、どの口座へ、いつまでに振り込むのかを書面で指示・依頼する書類です。銀行の窓口で振込を依頼するもの、社内の担当者が経理に支払いを依頼するもの、取引先に自社の振込先口座を知らせるもの、従業員が給与の振込先を会社に届け出るものの4つの使われ方があります。

Q2. 振込依頼書はどこでもらえますか?

A. 銀行窓口用は、銀行の店頭に置いてある所定の用紙を使います。社内用・口座通知用・給与振込用は会社が様式を定めるのが一般的で、経理や総務に確認するか、会計ソフトの提供会社や書式サイトの無料テンプレートをもとに自社用に調整して作ります。

Q3. 振込依頼書は領収書の代わりになりますか?

A. なりません。振込依頼書は振込を指示・依頼する書類で、代金を受け取ったことを証明するものではないためです。支払いの記録は銀行の振込の控えや明細で残し、領収書が必要な場合は取引先に事前に確認します。

Q4. 振込依頼書の書き方で気をつける点は何ですか?

A. 振込先の金融機関名・支店名・預金種目・口座番号・口座名義(カナ)を、請求書や通帳の表記と一字ずつ照合して書きます。社内用では、支払期日、手数料の負担、請求書番号などの根拠書類、承認欄も入れます。

Q5. 取引先から振込先の変更を依頼されたらどうすればよいですか?

A. なりすましによる詐欺の可能性があるため、メールに書かれた連絡先ではなく、以前から把握している電話番号などで取引先に直接確認します。変更後の口座名義が会社名と一致しているかも確かめ、登録の変更は別の担当者が承認するルールにすると安全です。

Q6. 振込依頼書を電子化するメリットは何ですか?

A. 登録済みの取引先情報を使えるため転記ミスが減り、承認を画面上で行えるため支払いの遅れを防げます。作成や承認の記録が残り、請求書などの根拠書類とひも付けて検索できるため、二重払いのチェックや電子帳簿保存法に沿った保存もしやすくなります。

まとめ|振込依頼書で押さえたい6つのこと

振込依頼書は、振込の内容を書面で指示・依頼するための書類です。使う場面によって書く項目が異なるため、まず自分に必要な種類を見極めることが大切です。押さえておきたい行動を整理します。

  1. 銀行窓口用・社内の支払依頼用・取引先への口座通知用・給与振込用のうち、自分に必要な種類を確認する
  2. 社内用は、支払先、口座、金額、期日、手数料の負担、根拠書類、承認欄をそろえた様式にする
  3. 口座名義のカナ、支店名、源泉徴収の差し引き、振込日など、記入の段階で防げるミスを点検する
  4. 振込先の変更依頼は、既知の連絡先で取引先に確認してから登録する
  5. 根拠書類は法人の場合原則7年保存し、電子で受け取った請求書はデータのまま保存する
  6. 請求書の発行・送付・入金確認に手間がかかっているなら、請求書発行システムの資料を取り寄せて検討する

まずは社内で使っている振込依頼書の様式を集め、記入項目と承認のルートが統一されているかを確認するところから始めてみてください。

参考文献

同じカテゴリの記事を探す

同じタグの記事を探す

同じタグの記事はありません

top