プロキシ(ぷろきし)とは?4種類の見分け方とVPN・SWGとの違い、効果の確認方法を解説

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  • プロキシの仕組みと4種類の見分け方がわかる
  • VPN・SWGとの違いと設定の確認方法を押さえられる
  • 無料プロキシの注意点と運用の失敗を避けられる

ぷろきしとは、プロキシ(proxy)をひらがなで入力したときの読みで、パソコンなどの端末とインターネットの間に入って通信を代理で中継する仕組みを指すIT用語です。会社のパソコンの設定画面やネットワークの案内で目にすることが多く、プロキシサーバーとほぼ同じ意味で使われます。なお、カードゲームで代用品のカードを指す言い方も同じ表記ですが、本記事で扱うのはネットワークのプロキシです。

本記事では、プロキシが止まると何が起きるのかという運用の視点から入り、仕組みと機能、4種類の見分け方、VPN・SWG・SASEとの違い、自分のパソコンの設定を確認する方法、無料の公開プロキシの注意点、導入でよくある失敗、導入後の効果確認までを順に解説します。

プロキシの運用、どこから読むかを診断

Q1. プロキシの運用で、いま一番気になることは?

目次

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  1. プロキシは入れたあとの運用が本番|止まると全社のWebが止まる
  2. プロキシとは|仕組みと主な機能
  3. プロキシの種類|フォワード・リバース・明示型・透過型
  4. プロキシとVPN・SWG・SASEの違い
  5. 自分のパソコンのプロキシ設定を確認する・オンとオフを切り替える方法(Windows)
  6. プロキシを使うメリットとデメリット
  7. プロキシ導入でよくある失敗パターン
  8. 導入効果をどう確認するか
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ|プロキシを理解するための5つのポイント
  11. 参考文献

プロキシは入れたあとの運用が本番|止まると全社のWebが止まる

企業でプロキシを使うと、通信の出入口を1か所に集められる代わりに、プロキシが止まれば全社でWebサイトが見られなくなります。

そのため、導入の検討と同時に、稼働を誰がどう監視し、夜間や休日に止まったときに誰が気づくのかを決めておく必要があります。AWSなどのクラウド上でプロキシやリバースプロキシを動かす場合は、監視の仕組みを自分で組む手間と、AWS利用料の支払い事務が運用の負担に加わります。この負担を外部に任せる手段として、ビジネスコンシェルジュに掲載されている2つのサービスを、役割の違いで整理しました。プロキシの機能を置き換えるものではなく、AWS上で動かすときの運用側のサービスです。自社の機器だけで動かしている場合は、この節は読み飛ばして構いません。

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プロキシとは|仕組みと主な機能

プロキシとは、端末(クライアント)とWebサーバーの間に立って通信を代わりに行う中継役のことで、アクセスの制御、記録、キャッシュなどを担います。

その役割を担う機器やソフトウェアをプロキシサーバーと呼びますが、日常の会話では両者はほぼ同じ意味で使われます。「ぷろきし」「プロクシ」「プロキシー」と書かれることもありますが、いずれも同じものです。

プロキシを通す場合と通さない場合の違い

プロキシがない場合、端末はWebサーバーに直接つながります。プロキシがある場合、通信は次の順番で進みます。

  1. 端末のブラウザが「このWebサイトを見たい」という要求(リクエスト)をプロキシに送る
  2. プロキシが、その宛先にアクセスしてよいかをルールに照らして判断する
  3. 許可された宛先であれば、プロキシが端末の代わりにWebサーバーへ要求を送る
  4. Webサーバーからの応答(レスポンス)をプロキシが受け取り、端末に渡す
  5. 誰が、いつ、どこへアクセスしたかを記録として残す

Webサーバーから見える接続元は、端末ではなくプロキシのIPアドレスです。会社の受付を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。外部とのやり取りは受付がまとめて行い、社内の誰が依頼したかは外からは見えません。受付は取り次いでよい相手かどうかを確認し、来訪や発送の記録も残します。プロキシが担っているのは、通信におけるこの受付の役割です。

プロキシが持つ主な機能

機能 内容 対応する導入目的
アクセス制御(フィルタリング) URLやサイトの分類をもとに、接続を許可または遮断する 社内のアクセス制御
ログの記録 利用者、日時、宛先などの通信履歴を保存する セキュリティ強化、事故後の調査
接続元の秘匿 外部には端末ではなくプロキシのIPアドレスだけが見える セキュリティ強化
通信内容の検査 受け取ったデータにマルウェアなどが含まれないかを調べる セキュリティ強化
キャッシュ 一度取得したデータを一時保存し、同じ要求には保存分を返す 通信の効率化

キャッシュだけを専門に行うサーバーはキャッシュサーバーと呼ばれ、プロキシの一機能として組み込まれている場合と、別の機器として置かれる場合があります。なお、現在のWebサイトの多くは通信が暗号化されており(HTTPS)、プロキシが中身まで検査するには、いったん暗号を解いて確認する設定が必要です。この設定をしていないプロキシは、宛先のドメイン名までしか判断材料にできない点を覚えておいてください。

2サービスの役割を比較表で見る

プロキシの種類|フォワード・リバース・明示型・透過型

プロキシの種類は、役割と設定方法という2つの軸で分けられ、「フォワードプロキシを透過型で導入する」のように組み合わせて使います。

ひとつは誰の代理をするかという役割の軸、もうひとつは端末側に設定が要るかどうかという設定方法の軸です。4種類が横並びの選択肢だと思い込むと混乱するため、まず軸を分けて捉えましょう。

分類の軸 種類 特徴 注意点
役割 フォワードプロキシ 社内の端末の代理として社外のWebサイトへアクセスする。社員のWeb利用の制御と記録に使う 止まると社内からWebが見られなくなる
役割 リバースプロキシ 自社のWebサーバーの代理として外部からのアクセスを受ける。負荷分散やサーバーの保護に使う 自社でWebサイトやシステムを公開していなければ出番がない
設定方法 明示型プロキシ 端末やブラウザにプロキシの宛先を設定して使う。利用者ごとの認証と組み合わせやすい 端末の台数分の設定と、設定漏れの管理が必要
設定方法 透過型プロキシ ネットワーク側の制御で通信を強制的に経由させる。端末の設定が要らず、利用者は存在を意識しない 利用者単位の認証がしにくく、暗号化通信の扱いに設計が要る

プロキシとリバースプロキシの違い|見分け方

プロキシ(フォワードプロキシ)とリバースプロキシは、守っている対象がどちら側にあるかで見分けます。

比較項目 フォワードプロキシ リバースプロキシ
置かれる場所 利用者(社内の端末)の側 Webサーバーの側
扱う通信の向き 社内から社外へ出ていく通信 社外から入ってくる通信
主な目的 Web利用の制御、ログの記録、キャッシュ 負荷分散、サーバーの保護、暗号化通信の終端
利用者が意識するか 端末に設定があれば気づく 利用者はほぼ気づかない

会社のパソコンの設定に出てくる「プロキシ」は、ほぼフォワードプロキシを指します。一方、自社のWebサービスの開発や運用の場面で話題になるのはリバースプロキシです。

明示型と透過型の選び方

明示型では、端末のネットワーク設定にプロキシの宛先を手入力する方法のほか、設定内容を書いたファイル(PACファイル)を配布して自動で読み込ませる方法、ネットワークから自動検出させる方法があります。誰がアクセスしたかを個人単位で記録したい場合や、宛先によってプロキシを通す通さないを細かく分けたい場合に向いています。

透過型は端末を1台ずつ設定しなくてよいため、台数が多い環境や、来客用の端末のように設定を配れない機器がある環境で使われます。ただし、利用者を特定する認証と相性がよくないこと、暗号化された通信の検査に追加の設計が必要なことから、手軽さだけで選ぶと後で困ります。

導入目的から見た種類の選び方

導入目的 まず検討する種類 理由
社内のアクセス制御 フォワードプロキシを明示型で 認証と組み合わせ、部署や役職ごとにルールを分けやすい
セキュリティ強化 フォワードプロキシ、社外利用が多ければクラウド型 通信の検査とログの記録を、社外にいる端末にも適用できる
自社サイトの通信効率化 リバースプロキシ キャッシュと負荷分散でWebサーバーの応答を安定させられる
社内の回線の通信効率化 キャッシュ機能を持つフォワードプロキシ 同じデータの取得をまとめられるが、暗号化通信では効果が限られる

置き場所にも選択肢があります。自社で機器を持つオンプレミス型は構成を自由に決められる反面、機器の更新や保守を自社で担います。クラウド型は機器を持たずに済み、社外の端末にも同じルールを適用しやすい一方、細かな構成は事業者の仕様に従います。プロキシサーバーそのものの役割や企業での活用場面は「プロキシサーバーとは?仕組み・種類・企業での活用を解説」で詳しく扱っています。

プロキシを動かすソフトウェアと提供形態

プロキシを自社で用意する方法は大きく3つあります。ソフトウェアを自社のサーバーに入れて構築する方法、専用機器(アプライアンス)として購入する方法、クラウドサービスとして契約する方法です。ソフトウェアには、フォワードプロキシやキャッシュとして使われるSquidや、リバースプロキシとして使われることが多いnginxなどのオープンソースがあります。費用を抑えやすい反面、設定、更新、障害対応を自社の担当者が受け持つため、先に述べた運用の体制づくりがそのまま必要になります。

ほかに耳にするプロキシ|匿名プロキシ・SOCKS・無料のWebプロキシ

「プロキシ 無料」「プロキシサイト」と検索して見つかるものは、会社が管理するプロキシとは性格が異なります。名前だけが同じで別物として切り分けておきましょう。

呼び方 特徴 業務での扱い
匿名プロキシ 接続元のIPアドレスを相手に知らせにくくすることを目的とするもの。個人向けに公開されているものも多い 運営者や通信の記録の扱いがわからないものは業務で使わない
SOCKSプロキシ Webの通信だけでなく、さまざまな種類の通信を中継できる方式 自社で管理する環境で、必要な用途に限って使う
無料のWebプロキシ(公開プロキシ) ブラウザからアドレスを入力するだけで使えるものが多く、インストールが要らない 通信の内容を記録・書き換えされる危険があるため、業務では使わない

無料で誰でも使える公開プロキシは、運営者がわからないまま通信を預けることになります。業務で使うプロキシは、自社が管理するものか、契約にもとづいて提供されるものに限りましょう。

2サービスの役割を比較表で見る

プロキシとVPN・SWG・SASEの違い

VPNは通信経路を暗号化する別の技術で、SWGはプロキシを発展させたクラウド中心の仕組み、SASEはそれらを含めてクラウドでまとめる考え方です。

比較項目 プロキシ VPN SWG
主な目的 Web通信の中継、制御、記録 拠点間や社外から社内への安全な接続 Web通信の制御と脅威対策をまとめて提供
対象となる通信 主にWeb通信(ブラウザやアプリ単位) 端末から出る通信全体 主にWeb通信
通信の暗号化 プロキシ自体は暗号化を目的としない 経路全体を暗号化する 暗号化通信を復号して検査する機能を持つものが多い
得意なこと 宛先ごとの許可と遮断、ログの取得 社外から社内システムを使うこと 場所を問わず同じルールを適用すること
苦手なこと Web以外の通信、社外にいる端末の保護 宛先ごとの細かい制御や内容の検査 事業者の仕様に依存する部分がある

VPNとの違い|通す道と、出入口の検問

VPNは、インターネット上に暗号化された専用の通り道をつくり、離れた場所同士を安全につなぐ技術です。プロキシは通り道ではなく、出入口で通信の宛先や中身を確かめる検問にあたります。目的が違うため、どちらか一方を選ぶ関係ではありません。在宅勤務の社員がVPNで社内ネットワークに入り、そこから社内のプロキシを通ってWebサイトを見る、という組み合わせは一般的な構成です。テレワークでの使い分けは「ウェブプロキシとは?仕組み・種類と中小企業の導入判断ポイントを解説」も参考になります。

SWGとの違い|クラウドで提供される発展形

SWG(セキュアWebゲートウェイ)は、プロキシの中継機能を土台に、URLフィルタリング、マルウェア対策、暗号化通信の検査、情報の持ち出し防止などをまとめた仕組みです。クラウドサービスとして提供されるものが多く、社員が社内にいても社外にいても同じ検査を通せる点が、社内に置いた従来のプロキシとの大きな違いです。クラウドサービスの利用が増え、社外から直接インターネットへ出る通信が多い会社では、社内のプロキシだけでは通信を見きれなくなるため、SWGが検討の対象になります。

クラウドプロキシとは|社内に機器を置かないプロキシ

クラウドプロキシ(クラウド型プロキシ)とは、プロキシの機能をクラウドサービスとして利用する形態です。機器の購入や更新が要らず、社外にいる端末にも同じルールを適用しやすいのが利点で、SWGはこの形態で提供されることが多い仕組みです。一方、細かな構成や障害時の対応は事業者の仕様に従うため、契約前に対応範囲を確認しておきます。

SASEとファイアウォールとの関係

SASE(サシー)は、SWGやVPNの代わりになるネットワークとセキュリティの機能を、クラウドでまとめて提供する考え方で、SWGはその構成要素のひとつとされます。ファイアウォールとの関係にも触れておきます。ファイアウォールは通信の宛先や種類(IPアドレスやポート番号)で通す通さないを決める仕組みで、プロキシはWeb通信の宛先のURLや中身まで見て判断します。両者は見る深さが異なり、併用するのが普通です。

ここまで見てきたとおり、プロキシ、VPN、SWG、ファイアウォールは置き換えではなく重ねて使うものです。重ねるほど通信は守りやすくなりますが、どれか1つが止まっても業務に影響が出るため、見守る対象は増えていきます。機器ごとの管理画面を個別に見ていると、障害の原因がどの機器にあるのかの切り分けに時間がかかります。

自分のパソコンのプロキシ設定を確認する・オンとオフを切り替える方法(Windows)

Windowsでは、設定の「ネットワークとインターネット」から「プロキシ」を開くと、自動検出、セットアップスクリプト、手動の3つの設定を確認できます。

会社から支給されたパソコンのプロキシ設定は、情報システム部門が管理者として決めている場合があります。設定を変えるとWebサイトやクラウドサービスに接続できなくなることがあるため、自己判断で変更せず、先に担当者へ確認してください。以下はMicrosoftの公式案内にもとづく手順です。

  1. 「設定」を開き、「ネットワークとインターネット」から「プロキシ」を選ぶ
  2. 自動で設定する場合は、「自動プロキシセットアップ」の「設定の自動検出」をオンにする
  3. セットアップスクリプトを使う場合は、「セットアップスクリプトを使う」の横の「セットアップ」を選び、スクリプトのアドレスを入力して保存する
  4. 手動で設定する場合は、「手動プロキシセットアップ」の「セットアップ」を選び、「プロキシサーバーを使う」をオンにして、プロキシのアドレスとポートを入力して保存する
設定方法 入力するもの 使う場面
設定の自動検出 入力は不要 ネットワーク側が設定を配っている環境
セットアップスクリプト スクリプトの場所(アドレス) 宛先ごとにプロキシを通すかどうかを振り分けたい環境
手動設定 サーバー名またはIPアドレスとポート 決まったプロキシを指定して使う環境

手動設定では、特定のサイトにだけプロキシを使いたくない場合に、例外リストへサイトのアドレスを入力できます。また、組織のイントラネットにプロキシが不要な場合は、「ローカル(イントラネット)アドレスにプロキシサーバーを使わない」をオンにすることが推奨されています。VPN接続を使う場合は、VPN接続ごとにプロキシの設定が別にあります。

プロキシを設定しないとどうなる?つながらないときの確認順

プロキシの利用が必須のネットワークで設定をしていないと、Webサイトに接続できないことがあります。反対に、プロキシが不要な環境で誤った宛先を設定したままにすると、やはり接続できなくなります。つながらないときは、次の順に確認します。

  1. プロキシサーバーを使う設定がオンになっているか、使っている場所のネットワークで正しいか
  2. アドレスとポートの入力に誤りがないか
  3. 例外リストに必要なサイトが入っているか、不要なサイトが入っていないか
  4. 上記で解決しなければ、自分で直そうとせず、情報システム担当者にプロキシの指定を確認する

なお、本節はWindowsの手順です。MacやスマートフォンのOSは画面の名前が異なるため、各OSの公式案内を確認してください。

プロキシを使うメリットとデメリット

プロキシのメリットは通信の出入口を1か所にまとめられることから生まれ、デメリットも同じ理由で生じるため、表裏の関係として理解すると判断しやすくなります。

メリット 裏返しとして生じるデメリット
業務に不要なサイトや危険なサイトへの接続を一括で止められる 設定を誤ると、業務に必要なサービスまで止めてしまう
通信履歴が1か所に集まり、事故の調査や不審な通信の発見に使える ログそのものが漏えいや盗み見の対象になる
端末のIPアドレスを外部に見せずに済む プロキシが攻撃を受けると、通信の改ざんや偽サイトへの誘導に悪用されるおそれがある
キャッシュや負荷分散で応答を速くできる 処理能力が足りないと、かえって通信が遅くなる
通信の出入口を1か所にまとめて管理できる 障害時に影響が全社に及ぶ(単一障害点になる)

個人が検索で見つける、誰でも無料で使える公開プロキシには特に注意が必要です。運営者がわからないプロキシを経由すると、通信の内容を記録されたり書き換えられたりする危険があります。業務で使うプロキシは、自社が管理するもの、または契約にもとづいて提供されるものに限り、利用者の認証を有効にしておくのが基本です。

導入と運用にかかる費用の見方

プロキシのコストは、導入時の機器やソフトウェアの費用だけでなく、更新、保守、監視、障害対応といった運用の人手まで含めて考える必要があります。クラウド上で動かす場合は、機器代の代わりにクラウドの利用料が毎月かかります。社内の機器で動かすかクラウドに置くかを比べるときは、この3つに分けて見積もりましょう。

  • 導入時の費用: 機器やソフトウェア、構築作業
  • 運用の費用: 更新、保守、稼働の監視、障害対応にかかる人手
  • クラウドの利用料: クラウド上で動かす場合の毎月の利用料と、その支払い事務

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プロキシ導入でよくある失敗パターン

プロキシの導入がうまくいかない原因は、機器の性能よりも、導入後の運用を決めていなかったことにある場合がほとんどです。

代表的な4つのパターンと、防ぎ方を整理します。

失敗パターン 起きること 防ぎ方
ルールを厳しくしすぎる 業務で使うクラウドサービスが開けず、社員が個人の回線や私物の端末で仕事を始める 導入前に業務で使うサービスを洗い出し、解除を申請する窓口と手順を決めておく
ログを取るだけで見ていない 不審な通信が記録されていても、事故が起きるまで誰も気づかない 確認の担当者と頻度を決め、異常な通信量や遮断の急増を通知する設定にする
プロキシが1台しかない 故障や更新作業のたびに、全社でWebサイトが見られなくなる 予備の機器を用意するか、停止時に迂回する手順をあらかじめ決めておく
処理能力の見積もりが甘い Web会議や大容量ファイルのやり取りが増えた時期に、通信が極端に遅くなる 利用者数と通信量の増加を見込んで選び、負荷の推移を継続して記録する

1つ目の失敗は、セキュリティのために入れた仕組みが、かえって管理の届かない利用(いわゆるシャドーIT)を増やすという点で見落とされがちです。4つすべてに共通するのは、導入の時点で「誰が、何を、どの頻度で見るか」が決まっていないことです。

このうち、ログを見ていない、1台しかないという2つは、稼働と異常を継続して見る仕組みと、停止時の連絡と対応の手順があれば大きく減らせます。AWS上で動かしている場合は、夜間や休日の監視と障害時の一次対応を外部に任せるという選択肢があり、その一例が先に紹介した監視・運用サービスです。

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ログの取り扱いで確認しておきたい法務面の論点

プロキシのログには、どの社員がいつどのサイトを見たかという情報が含まれます。特定の個人と結びつく形で記録する場合、一般的には個人情報保護法上の個人情報にあたり得るとされ、利用目的の特定や安全管理の対象になります。また、社員の通信を記録し確認することは、従業員のモニタリングにあたります。記録の目的、対象、確認する権限を持つ人を社内規程で定め、社員に周知しておくことが望ましいとされています。ログの保存期間についても、事故調査に必要な期間と保管の負担を踏まえて社内で決めておきましょう。なお、本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。個別の判断は専門家にご確認ください。

導入効果をどう確認するか

プロキシの導入効果は、導入目的ごとに見る数値を決めておき、導入前と同じ条件で比べることで確認できます。

プロキシは、入れただけでは効果が見えにくい仕組みです。事故が起きなかったことは成果ですが、それだけでは投資の説明になりません。冒頭の診断とは別に、導入の目的として挙がりやすい3つごとに、見るべき数値を整理します。

導入目的 確認する数値の例 読み取り方
社内のアクセス制御 遮断した件数、解除申請の件数、申請から解除までの日数 解除申請が多い分類は、ルールが業務の実態に合っていない合図
セキュリティ強化 危険と判定されたサイトへの接続を止めた件数、検知から確認までの時間 件数そのものより、検知に人が気づくまでの時間が短くなっているかを見る
通信の効率化 キャッシュから応答できた割合、応答時間、回線の使用量 混雑する時間帯の数値を、導入前と同じ条件で比べる
共通 プロキシの稼働率、停止の回数と復旧までの時間 プロキシ自体が業務を止めていないかの確認になる

確認の手順は、導入前の数値を測っておく、目的ごとに指標を2つか3つに絞る、月に1回など決まった間隔で同じ指標を見る、の3段階で十分です。指標を増やしすぎると続かなくなります。費用の面から導入形態を比べたい場合は「プロキシ(Webプロキシ)とは?仕組み・種類・費用をわかりやすく解説」をあわせてご覧ください。

実際に運用を始めると、こうした数値を集める作業そのものが負担になります。プロキシの管理画面から件数を書き出し、回線の使用量は別の機器から取り、稼働率は障害の記録から数える、という手作業は、担当者が1人の会社では月次の確認が途切れる原因になります。次のセルフチェックで、自社の運用の状況を確かめてみてください。

プロキシの運用、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

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よくある質問(FAQ)

Q1. 「ぷろきし」と「プロキシサーバー」は同じものですか?

A. ほぼ同じ意味で使われます。プロキシは通信を代理で中継する仕組みを指し、プロキシサーバーはその役割を担う機器やソフトウェアを指します。プロクシ、プロキシーという表記も同じものです。

Q2. プロキシとリバースプロキシは何が違いますか?

A. 誰の代理をするかが違います。プロキシ(フォワードプロキシ)は社内の端末の代理として社外のWebサイトにアクセスし、社員のWeb利用の制御と記録に使います。リバースプロキシは自社のWebサーバーの代理として外部からのアクセスを受け、負荷分散やサーバーの保護に使います。

Q3. プロキシの設定をオンやオフにするには?設定しないとどうなりますか?

A. Windowsでは、設定の「ネットワークとインターネット」から「プロキシ」を開き、自動検出、セットアップスクリプト、手動のいずれかで切り替えます。プロキシが必須のネットワークで設定をしていないとWebサイトに接続できないことがあるため、会社のパソコンは自己判断で変えず、情報システム担当者に確認してください。

Q4. 無料のプロキシ(Webプロキシ)を仕事で使ってもよいですか?

A. 業務では使わないでください。運営者がわからない公開プロキシを経由すると、通信の内容を記録されたり書き換えられたりする危険があります。業務で使うプロキシは、自社が管理するものか、契約にもとづいて提供されるものに限るのが基本です。

Q5. プロキシ、VPN、SWGは何が違いますか?

A. プロキシはWeb通信の宛先や中身を確かめる仕組み、VPNは離れた場所同士を暗号化した経路でつなぐ仕組み、SWGはプロキシの中継機能にURLフィルタリングやマルウェア対策などをまとめたクラウド中心の仕組みです。目的が異なるため、置き換えではなく組み合わせて使うのが一般的です。

Q6. プロキシを導入したあと、運用で何を確認すればよいですか?

A. 稼働状況、遮断や解除申請の件数、不審な通信の検知、応答時間の4点を定期的に確認します。AWS上で動かしている場合は、夜間や休日の監視と障害時の一次対応を外部のサービスに任せる選択肢もあります。対応範囲は資料や公式サイトで確認してください。

まとめ|プロキシを理解するための5つのポイント

  1. プロキシは端末とインターネットの間で通信を代理する仕組みで、アクセス制御、ログの記録、キャッシュなどの機能を持つ
  2. 種類は役割(フォワードとリバース)と設定方法(明示型と透過型)の2つの軸で分かれ、組み合わせて使う。無料の公開プロキシは業務では使わない
  3. VPNは経路を暗号化する別の技術、SWGはプロキシを発展させたクラウド中心の仕組みで、いずれも重ねて使う。自分の端末の設定を変えるときは、先に情報システム担当者へ確認する
  4. 失敗の多くは、ルールの見直し、ログの確認、停止時の対応といった運用を決めていないことから起きる。導入目的ごとに指標を決めて効果を確認する
  5. AWS上でプロキシやWebサーバーを動かしている場合は、監視と利用料の支払いを外部に任せる選択肢として、サービスの資料を取り寄せて比較する

まずは、自社の通信がプロキシを通っているのか、通っているならどの種類なのかを、情報システムの担当者に確認するところから始めてみてください。

参考文献

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