出勤とは?出社との違い・出勤簿の法的要件・テレワーク時の考え方を解説
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- 出勤と出社の違い、休日出勤の扱いがわかる
- 出勤管理の法的要件と記録方法がわかる
- テレワーク時の出勤の記録と見直し方がわかる
出勤とは、従業員が仕事に就くこと、つまり勤務を始めて労働している状態に入ることを指します(読み方は「しゅっきん」)。会社に行くことを表す出社とは、場所ではなく「仕事を始めたかどうか」で区別され、在宅で業務を始めた日も出勤にあたります。テレワークや直行直帰が当たり前になった今は、会社に着いた時刻と仕事を始めた時刻が一致しないことも多く、この違いが労働時間の把握や残業代の計算に直結します。この記事では、出勤と出社・勤務・勤怠の違い、休日出勤や振替出勤の扱い、出勤管理で守りたい法令上の要件、テレワークやフレックスタイム制での考え方、紙・Excel管理でのつまずきとシステム化の進め方を、総務・労務担当者向けに整理します。
あなたの職場の出勤管理、どこから見直す?2問で診断
Q1. 出勤の記録でいちばん困っていることはどれですか?
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出勤の記録に手間がかかる職場は、記録の取り方から見直す
出勤管理とは、従業員がいつ仕事を始め、いつ終えたかを毎日記録し続けることです。出勤の意味を押さえたうえで記録の取り方を見直すと、集計や法令対応の手間が大きく変わります。
出勤の記録方法は、大きく分けて紙の出勤簿、Excel、タイムカード、勤怠管理システムの4つです。どれも「誰が何日に何時から何時まで働いたか」を残す目的は同じですが、記録の客観性や集計の手間、テレワークへの対応力が異なります。
| 管理方法 | 強み | 留意点 |
|---|---|---|
| 紙の出勤簿 | 費用がかからず、すぐに始められる | 自己申告になりやすく、客観的な記録とはいえない。集計は手作業 |
| Excel | 計算式で集計を自動化でき、自由に項目を足せる | 入力は自己申告。数式の破損や上書き、ファイルの版ずれが起きやすい |
| タイムカード | 打刻時刻が機械的に残り、客観的な記録になる | 事業所にいないと打刻できず、集計のための転記作業が残る |
| 勤怠管理システム | PC・スマホ・ICカードなどで打刻でき、集計や残業の警告まで自動化できる | 月額費用がかかる。就業規則に合わせた初期設定が必要 |
厚生労働省のガイドラインでは、始業・終業時刻は、使用者が自ら現認するか、タイムカード・ICカード・パソコンの使用時間の記録など客観的な記録を基礎に確認するのが原則とされています(参考:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」)。ここで記録するのは「会社に来たか」ではなく「仕事を始めた時刻」です。オフィスの入退館記録だけでは、在宅や直行直帰の日の出勤を残せません。テレワークと出社が混在する職場や、従業員が増えて集計が負担になってきた職場では、打刻から集計までを1つの仕組みで行える勤怠管理システムが現実的な選択肢になります。
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|---|---|---|
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| 特徴 | 打刻はPC・スマートフォン・タブレット・交通系ICカード・Chatwork・Slackに対応。GPSやIPアドレスで打刻の場所を制限でき、打刻漏れは従業員に自動で通知される。フレックスタイム制や裁量労働時間制の集計にも対応 | 打刻はPC・タブレット・スマートフォン・ICカードリーダーに対応。打刻忘れや残業超過をアラートで通知し、変形労働時間制・フレックスタイム制や36協定の設定ができる。出勤簿をCSV・PDFで出力でき、勤怠データは5年間自動保存される |
| 注意したい点 | 勤怠管理以外の機能のうち、セキュリティ機能やサポートプランの一部はオプション料金がかかる。料金はユーザー数やプランで変わるため、見積もりで確認する | タブレットは一部のタッチ操作に未対応で、スマートフォンアプリの動作保証はサポート対象外。推奨OS・ブラウザを導入前に確認する。料金は見積もりで確認する |
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-
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ジンジャー勤怠を導入した株式会社十万石ふくさやは、紙のタイムカードで勤怠を管理していました。同社の導入事例ページでは、導入後の効果として次のように紹介されています(個別の事例であり、効果は会社の規模や運用によって異なります)。
打刻データが自動的に蓄積され、給与計算システムにデータを取り込むことで正確な給与計算が実現できた。
出典:jinjer株式会社「株式会社十万石ふくさやの導入事例」
出勤とは|出社・勤務・就業との違い
出勤とは、勤務に就くこと、つまり仕事を始めることです。出社は会社(オフィス)に行くことで、場所に重心がある言葉のため、在宅で仕事を始めた日は「出勤したが出社はしていない」ことになります。似た言葉に勤務・就業・勤怠もあり、社内の規程や案内文で使い分けておくと、テレワークや直行直帰の扱いで誤解が生まれにくくなります。
| 言葉 | 意味の重心 | 使い方の例 |
|---|---|---|
| 出勤 | 仕事を始めること。場所は問わない | 在宅で9時に出勤した、明日は休日出勤です |
| 出社 | 会社(オフィス)に行くこと。場所に重心がある | 週2日は出社する、出社せず客先に直行する |
| 勤務 | 職務に就いて働いている状態や、その形態 | 勤務時間、夜勤勤務、在宅勤務 |
| 就業 | 仕事に就いていること。規程や制度で使われることが多い | 就業規則、就業時間、就業場所 |
| 勤怠 | 出勤・欠勤・遅刻・早退・休暇など、勤務状況全体。これを記録して管理することが勤怠管理 | 勤怠管理、勤怠データ |
「出勤」の読み方・意味・言い換え
出勤は「しゅっきん」と読みます。デジタル大辞泉(小学館)では「勤めにでること」と説明され、反対の言葉は「退勤」、類語には「出社」「登庁」「出所」が挙げられています(参考:コトバンク「出勤」)。ただし出社は会社に行くことを指すため、在宅で仕事を始める場合などには当てはまりません。働く場所を問わずに言い換えるなら、「勤務につく」「業務を開始する」といった表現が自然です。
仕事を終える側の言葉は「退勤」で、会社を出ることを指す「退社」とは別です。退勤と退社の違いや、退勤時刻の記録方法は、退勤とは?出勤・退社との違いから管理方法・DX化まで解説で解説しています。
出社時刻と出勤時刻は同じとは限らない
労務管理で重要なのは、「会社に着いた時刻」と「仕事を始めた時刻」が違う場合があるという点です。厚生労働省のガイドラインでは、労働時間とは使用者の指揮命令下に置かれている時間であり、使用者の明示または黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間にあたるとされています。さらに、労働時間にあたるかどうかは、労働契約や就業規則の定めにかかわらず、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価できるかどうかで客観的に決まるとされています。
たとえば就業規則の始業時刻が9時でも、会社の指示で参加が義務付けられた朝礼が8時50分に始まるなら、その時刻から労働時間として扱う必要があります。1日の流れで見ると、次のように整理できます(あくまで考え方を示す例です)。
| 時刻 | できごと | 出社・出勤の整理 |
|---|---|---|
| 8時20分 | オフィスに到着し、席で私用の時間を過ごす | 出社した時刻。指示された業務をしていなければ、原則として労働時間に含まれない |
| 8時50分 | 会社の指示で参加が義務付けられた朝礼が始まる | 実質的な出勤の時刻。指揮命令下に置かれているため労働時間にあたる |
| 9時 | 就業規則に定めた始業時刻 | 所定の始業時刻。朝礼がすでに労働時間なら、勤怠の記録上の始業は8時50分になる |
同じガイドラインでは、労働時間として扱わなければならない時間として、使用者の指示で就業を命じられた業務に必要な準備行為(着用を義務付けられた所定の服装への着替え等)や、業務終了後の業務に関連した後始末(清掃等)を事業場内で行った時間、すぐに業務に就くことを求められている待機時間(手待時間)、参加が業務上義務付けられている研修・教育訓練の受講時間が挙げられています。「10分前には席に着いておくように」といった指示がある職場では、その時間も労働時間にあたる可能性があるため、出勤時刻の定義を就業規則で明確にし、打刻のタイミングとそろえておくことがトラブル防止の第一歩です。
「出勤日」と「労働日」
出勤日は、実際に出勤した日を指すのが一般的です。一方、労働日は就業規則などで働くことが予定されている日で、休日の反対にあたります。この違いが影響する代表例が、年次有給休暇の付与要件です。
年次有給休暇は、雇入れの日から6か月間継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に与えられます。全労働日とは、6か月または1年の暦日数から所定の休日を除いた日数のことです。また、業務上のケガや病気で療養のために休業した期間、産前産後の休業期間、育児休業・介護休業の期間、年次有給休暇を取得した日は、出勤したものとして計算されます(参考:厚生労働省「確かめよう労働条件 年次有給休暇」)。たとえば全労働日が120日なら、出勤とみなされる日を含めて96日以上(120日の8割)が目安です。単純な出勤日数とは一致しないため、勤怠の記録では欠勤と休暇の種類を分けておく必要があります。
休日出勤・振替出勤・代休の違い
「出勤」は、休みの日に働く場面でも使われます。休日出勤、振替出勤、代休は似ていますが、賃金の扱いが異なります。
| 区分 | 意味 | 賃金の扱い |
|---|---|---|
| 休日出勤(休日労働) | 休日とされている日に働くこと | 法定休日(原則として週1日)に働かせた場合は、1時間あたりの賃金の35%以上増しの割増賃金が必要 |
| 振替出勤(休日の振替) | 事前に休日と定めていた日を労働日にし、代わりに別の労働日を休日にすること | 4週4日の休日が確保されていれば休日労働にはならず、休日労働の割増賃金は不要。ただし、振替によって週の法定労働時間を超えた部分には25%以上の時間外労働の割増賃金が必要 |
| 代休 | 休日に働いた後で、その代わりに別の労働日を休みにすること | 休日労働をさせた事実は変わらないため、休日労働分の割増賃金の支払いが必要 |
(参考:厚生労働省「確かめよう労働条件 振替休日の仕組みとは?」、厚生労働省「振替休日と代休の違いは何か。」、厚生労働省「確かめよう労働条件 時間外・休日労働と割増賃金」)。休日出勤の割増賃金を正しく計算するには、出勤の記録に「通常の出勤」「休日出勤」「振替出勤」の区分を分けて残しておくことが欠かせません。振替は事前に日を特定して通知しておくことが前提です。個別の判断が必要な場合は、労働基準監督署や社会保険労務士などの専門家に相談してください。
「出勤率」と「出社率」は別の指標
出勤と出社の違いは、社内で使う指標にも表れます。出勤率は、全労働日のうち実際に出勤した日の割合で、年次有給休暇の付与要件(8割以上)の判定などに使われます。在宅勤務で業務を行った日も出勤に含まれるため、働く場所には左右されません。
一方、出社率は、従業員のうちオフィスに来た人の割合や、勤務日のうちオフィスで働いた日の割合を指すのが一般的で、オフィスの座席数の見直しやハイブリッドワークの運用状況の確認に使われます。出社率は法令で定められた指標ではないため、社内で使う場合は算出方法を決めておきましょう。2つを混同すると「出社率が低い=勤務していない」といった誤解につながるため、勤怠記録では出勤の有無と勤務場所(オフィス・在宅・直行直帰など)を分けて残しておくと、どちらの指標も正しく集計できます。
出勤管理に関する労働基準法上の要件
会社には、従業員の出勤と労働時間を適正に把握し、記録を残す義務があります。業種や会社の規模を問わず、従業員を1人でも雇っていれば対象になる点を押さえておきましょう。なお、この章は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。自社の就業規則や個別の判断は、労働基準監督署や社会保険労務士などの専門家に確認してください。
始業・終業時刻を客観的な方法で記録する
厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、使用者は労働日ごとに始業・終業時刻を確認し、記録することとされています。確認の方法は、使用者が自ら現認するか、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録など客観的な記録を基礎とすることが原則です。
やむを得ず自己申告制とする場合は、対象の従業員と労働時間を管理する者への十分な説明、申告した時間と実際の労働時間が合っているかの実態調査と補正などの措置が求められます。入退場の記録やパソコンの使用時間の記録がある場合に、自己申告との間に著しい乖離があれば、実態調査を行うこととされています。
また、労働安全衛生法でも、2019年4月から、管理監督者を含むすべての従業員について、客観的な方法で労働時間の状況を把握することが事業者に義務付けられ、その記録は3年間保存する必要があります。自己申告が認められるのは、直行直帰で事業者が現認できず客観的な手段もないなど、客観的な方法での把握が困難な場合に限られます(参考:厚生労働省「確かめよう労働条件」労働時間の適正な把握方法)。
出勤簿に記録しておきたい項目
出勤簿は、賃金台帳や労働者名簿と並んで、労働関係の重要な書類として保存が求められる帳簿です。法律で様式が決まっているわけではありませんが、残業代の計算や労働時間の上限の確認に使えるよう、次の項目を記録しておくのが一般的です。
| 項目 | 記録する理由 |
|---|---|
| 従業員の氏名 | 誰の記録かを特定するため |
| 出勤日・労働日数 | 給与計算や有給休暇の付与要件の確認に使うため |
| 出勤の区分(通常・休日出勤・振替出勤・テレワークなど) | 休日出勤の割増賃金の計算と、働く場所の把握に使うため |
| 始業・終業時刻 | 労働時間を算出する基礎になるため |
| 休憩時間 | 労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩(労働基準法第34条)を与えているかを確認するため |
| 時間外・休日・深夜の労働時間 | 割増賃金の計算と、時間外労働の上限の確認に使うため |
記録の保存期間は5年(当面は3年)
出勤簿やタイムカードなど労働時間の記録に関する書類は、労働基準法により保存が義務付けられています。2020年4月の法改正で保存期間は5年に延長されましたが、経過措置として当面の間は3年とされています。紙で保管する場合は、保管場所と廃棄のルールまで決めておかないと、必要なときに見つからないという事態になりがちです。
ここまでの内容を、自社の運用に当てはめて確認してみましょう。当てはまる項目が多いほど、記録の取り方を見直す余地があります。
出勤の記録、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
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テレワーク・フレックスタイム制における出勤の考え方
働き方が多様になると、「出勤した」をどう判断し、どう記録するかが職場ごとに曖昧になりがちです。代表的な働き方ごとに、出勤の考え方と記録のポイントを整理します。
| 働き方 | 出勤の考え方 | 記録のポイント |
|---|---|---|
| テレワーク | 自宅などで業務を始めた時点が出勤。出社はしていなくても出勤にあたる | PCのログイン記録やシステムでの打刻など客観的な記録を残す。業務を離れる中抜け時間の扱いも決めておく |
| フレックスタイム制 | 始業・終業時刻を従業員が決める。出勤時刻は日によって変わる | 日々の始業・終業時刻に加え、清算期間の総労働時間と過不足を管理する |
| 直行直帰 | 客先など会社以外の場所で業務を始めた時点が出勤 | スマホの打刻や位置情報を使い、出社しなくても記録できるようにする |
| シフト制 | シフトで予定された時刻に業務を始めることが出勤 | 予定と実績の差(遅刻・早退・残業)を比べられるように記録する |
厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」では、テレワークの労働時間の把握について、パソコンの使用時間の記録など客観的な記録による方法が示されています。自己申告で簡便に把握する方法としては、1日の終わりに始業時刻と終業時刻をメールなどで報告させる例が挙げられています。上司が出勤を目で確認できない働き方ほど、メールやチャットでの「おはようございます」の連絡だけに頼らず、記録として残る仕組みを用意しておくことが大切です(参考:厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」)。
テレワークでは、業務を一時的に離れる「中抜け時間」の扱いも決めておく必要があります。同じガイドラインでは、中抜け時間を把握するかどうかは労働基準法上いずれでもよいとされ、取り扱い方として次の2通りが示されています。あらかじめ就業規則などで定めておくことが重要です。
| 扱い方 | 考え方 |
|---|---|
| 中抜け時間を把握する | 休憩時間として扱い、その分終業時刻を繰り下げる。または時間単位の年次有給休暇として扱う |
| 中抜け時間を把握しない | 始業時刻から終業時刻までの時間を、休憩時間を除いてすべて労働時間として扱う |
打刻の方法は、拠点や働き方によって向き不向きがあります。どの打刻方法が自社に合うかは、勤怠管理システムの打刻方法とは?拠点・働き方別の選び方で整理しています。
テレワークの日の出勤状況を管理画面で確認したい場合の一例が、株式会社カオナビが提供する「カオナビ勤怠」です。テレワーク機能で、従業員の出勤状況やテレワーク状況を管理画面から確認できます。打刻はPC、タブレット、スマートフォン、ICカードリーダーに対応し、変形労働時間制やフレックスタイム制の設定、打刻忘れや残業超過を知らせるアラートも備えています。注意点として、タブレット(iPad・Androidタブレット)は一部のタッチ操作に対応しておらず、スマートフォンアプリの動作保証はサポート対象外のため、推奨OS・ブラウザを導入前に確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
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出勤管理でよくある失敗パターン(紙・Excel管理の限界)
従業員が少ないうちは紙やExcelの出勤簿でも回りますが、人数や働き方のバリエーションが増えると、次のような問題が起きやすくなります。
| 失敗パターン | よくある運用(Before) | 改善後の運用(After) |
|---|---|---|
| 1. 自己申告のまま放置 | 従業員が月末にまとめて出勤簿を記入し、定時の時刻が並ぶ | 打刻で始業・終業時刻を毎日記録し、実態とのずれを確認する |
| 2. 集計ミス | タイムカードの時刻をExcelに手入力し、転記ミスや数式の破損が起きる | 打刻データをそのまま集計し、手入力の工程をなくす |
| 3. 打刻漏れ | 押し忘れに月末の締めで気づき、本人の記憶で修正する | 打刻漏れをその日のうちに通知し、修正は申請と承認の履歴を残す |
| 4. 残業の把握が遅れる | 月末に集計して初めて、時間外労働の上限に近いことに気づく | 残業時間が一定を超えたら本人と上司に自動で警告を出す |
| 5. 法改正への対応漏れ | Excelの様式を何年も変えず、新しい管理項目が記録されていない | 法改正に合わせて提供側が機能を更新する仕組みを使う |
5つの失敗のうち、1から3は「記録の取り方」、4と5は「記録の活かし方」の問題です。紙やExcelは記録を残すことはできても、打刻漏れの通知や残業の警告のように、記録をもとに先回りして手を打つことが苦手です。出勤管理の負担と法令違反のリスクを同時に下げたいなら、打刻から集計、警告までを自動化できる仕組みに切り替えることを検討しましょう。
打刻漏れの自動通知と自動集計で、月末の確認作業を減らしたい会社に
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出勤管理のDX化で得られる効果
出勤管理をシステム化すると、どの作業の手間が減るのでしょうか。紙のタイムカードの時刻をExcelに転記して集計している職場を例に、月末の締め作業を分解してみます。時間は会社ごとに大きく異なるため、自社の数字で見積もってみてください。
| 作業 | 自社の時間の見積もり方 | システム化で変わる点 |
|---|---|---|
| 打刻時刻の転記 | 従業員数と1人あたりの転記時間から算出 | 打刻データを自動で取り込めるため、転記の工程が不要になる |
| 打刻漏れ・誤りの確認と修正 | 月末にまとめて確認している時間 | 打刻漏れを日々通知する機能があれば、修正を日々の申請と承認に分けられる |
| 残業・有給休暇の集計 | Excelの数式を確認しながら集計している時間 | 自動集計の結果を確認するだけになる |
| 給与計算への受け渡し | 集計表を給与ソフトへ手入力している時間 | 連携機能やCSV出力で取り込める |
削減できる時間に加えて、転記ミスによる給与の支払い誤りや、残業時間の上限超過に気づくのが遅れるリスクを減らせることも、システム化の大きな効果です。前述の株式会社十万石ふくさやの導入事例ページでは、導入前はタイムカードの収集と計算に1.5日、システム入力まで含めると2日から3日かかっていた勤怠集計から給与計算までの業務が、約1営業日に短縮できたと紹介されています(jinjer株式会社「株式会社十万石ふくさやの導入事例」)。これは1社の事例であり、効果は従業員数や勤務形態、運用によって異なります。
効果を大きくするには、自社の働き方(テレワークの有無、シフト制、フレックスタイム制など)と、今使っている給与計算ソフトに対応した製品を選ぶことが欠かせません。出勤簿の出力や保存の手間も、見落としがちな負担です。保存期間に備えて、出勤簿のデータ出力や長期保存をシステム側で整えたい場合は、その機能があるかも確認しておきましょう。
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出勤管理DX化の進め方3ステップ
ステップ1:現状のルールと課題を洗い出す
就業規則で定めている始業・終業時刻、休憩、勤務形態(固定時間制、シフト制、フレックスタイム制など)を整理し、今の出勤管理で困っていることを書き出します。出勤時刻の定義があいまいな場合は、このタイミングで「業務を始めた時刻を打刻する」などのルールを明文化しておくと、システム導入後の運用がぶれません。休日出勤・振替出勤・代休の区分や、中抜け時間の扱いもここで決めておきます。
ステップ2:必要な機能で製品を絞り込み、試用する
打刻方法(PC、スマホ、ICカードなど)、対応できる勤務形態、残業の警告、給与計算ソフトとの連携、料金体系の5点を軸に候補を絞ります。多くの製品には無料の試用期間があります。たとえばジンジャー勤怠は1か月間の無料トライアル、カオナビ勤怠は無料のデモ・トライアルが商品ページで案内されています。実際に打刻する従業員と、集計する担当者の双方で使い勝手を確かめてから決めると失敗を防げます。
ステップ3:説明と並行運用を経て切り替える
従業員に打刻方法と修正申請の手順を説明し、1か月程度は従来の方法と並行して運用して、集計結果に差が出ないかを確認します。問題がなければ本格的に切り替え、過去の紙の出勤簿は保存期間が終わるまで保管しておきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 出勤と出社の違いは何ですか?
A. 出勤は仕事を始めることで、場所は問いません。出社は会社(オフィス)に行くことで、場所に重心があります。そのため、在宅勤務で業務を始めた場合は「出勤したが出社はしていない」ことになります。
Q2. 「出勤」とはどういう意味ですか?読み方も教えてください。
A. 出勤は「しゅっきん」と読み、勤めに出ること、つまり勤務先に出て仕事に就くことを指します(デジタル大辞泉の定義)。労務管理では、働く場所にかかわらず、業務を始めることを出勤として扱うのが一般的です。
Q3. 「出勤する」の言い換えにはどんな言葉がありますか?
A. 辞書の類語には「出社」「登庁」「出所」があります(デジタル大辞泉)。ただし出社は会社に行くことを指すため、在宅で仕事を始める場合には当てはまりません。働く場所を問わずに言い換えるなら、「勤務につく」「業務を開始する」などが自然です。
Q4. 会社に着いた時刻から労働時間になりますか?
A. 原則として、労働時間は使用者の指揮命令下で業務を始めた時点から数えます。始業前に私用で過ごしている時間は含まれませんが、会社の指示で義務付けられた朝礼や着替え、準備行為の時間は労働時間にあたると考えられています。
Q5. 出勤簿は法律で作成が義務付けられていますか?何年保存すればよいですか?
A. 会社には従業員の始業・終業時刻を確認し記録する義務があり、出勤簿やタイムカードなどの労働時間の記録は保存が求められます。様式の決まりはなく、氏名、出勤日、始業・終業時刻、休憩時間、時間外労働の時間などを記録するのが一般的です。保存期間は労働基準法で5年とされていますが、経過措置として当面の間は3年です。将来の運用変更に備えて、5年保存を前提に保管ルールを決めておくと安心です。
Q6. テレワークの日の出勤はどう記録すればよいですか?
A. 自宅などで業務を始めた時点が出勤です。チャットのあいさつだけに頼らず、パソコンの使用時間の記録や勤怠管理システムでの打刻など、客観的な記録を残す方法を用意しましょう。業務を一時的に離れる中抜け時間の扱いも、就業規則などであらかじめ決めておくと安心です。
まとめ|出勤を正しく管理するための5つのこと
出勤とは仕事を始めることで、会社に行くことを指す出社とは意味が異なります。出勤管理を見直す際は、次の5点を押さえておきましょう。
- 出社時刻と出勤時刻は同じとは限らないため、出勤時刻の定義を就業規則で明確にし、打刻のタイミングとそろえる
- 始業・終業時刻はタイムカードやPCの記録など客観的な方法で記録し、5年(当面は3年)保存する
- 休日出勤・振替出勤・代休は賃金の扱いが違うため、出勤の区分を分けて記録する
- テレワークや直行直帰など出社しない働き方でも、記録として残る方法で出勤を管理し、中抜け時間の扱いも決めておく
- 紙やExcelで集計の負担や打刻漏れが目立つなら、ジンジャー勤怠やカオナビ勤怠など勤怠管理システムの資料を取り寄せ、自社の勤務形態に合うか比べて検討する
出勤管理は給与計算と法令対応の土台です。働き方が変わった今こそ、自社の記録の取り方が実態に合っているかを見直してみてください。
参考文献
- 厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」、2026年10月14日確認
- 厚生労働省「確かめよう労働条件 労働時間の適正な把握方法について教えて下さい。」、2026年10月14日確認
- 厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」、2026年10月14日確認
- 厚生労働省「確かめよう労働条件 年次有給休暇」、2026年10月14日確認
- 厚生労働省「確かめよう労働条件 振替休日の仕組みとは?休日手当がつかないのは、問題ないですか?」、2026年10月14日確認
- 厚生労働省「振替休日と代休の違いは何か。」、2026年10月14日確認
- 厚生労働省「確かめよう労働条件 時間外・休日労働と割増賃金」、2026年10月14日確認
- 厚生労働省「休憩時間は法律で決まっていますか。」、2026年10月14日確認
- コトバンク「出勤」(デジタル大辞泉・精選版日本国語大辞典)、2026年10月14日確認
- jinjer株式会社「株式会社十万石ふくさやの導入事例」、2026年10月14日確認
