採用サイト制作の費用相場と進め方|制作会社選びの注意点と自社運用の選択肢

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  • 採用サイトの費用を決める要因と内訳がわかる
  • 相見積もりの取り方と制作会社選びの視点がわかる

採用サイト制作の費用は、ページ数よりも「取材・撮影をするか」「原稿を誰が書くか」「デザインがテンプレートかオリジナルか」で大きく変わり、公開後の更新を誰が担うかで数年間の総額も変わります。中小機構のJ-Net21では、一般的なWebサイト構築の相場をフリーランスの簡易なサイトで15万円超、中小の制作業者で30-100万円、大手クラスで100万円超と紹介しています(2015年度の市場データにもとづく目安)。この記事では、採用サイト制作の費用の内訳と見積もりの取り方、リース契約や著作権など制作会社選びの注意点、フリーランスとの違い、載せるべきコンテンツ、職業安定法にもとづく求人情報の更新ルール、制作の進め方とよくある失敗までを、厚生労働省などの公的資料をもとに整理します。

採用サイトの作り方、どこから考える?2問で確認

Q1. 採用サイトの今の状況は?

目次

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  1. 採用サイトの作り方は3つ|制作会社・フリーランス・CMSでの自社運用
  2. 採用サイト制作の費用相場|金額を決める要因と内訳
  3. 採用サイト制作の見積もりの取り方と制作会社の選び方
  4. 制作会社選びで失敗しないための注意点(契約形態・所有権)
  5. フリーランスと制作会社の違い
  6. 採用サイトに載せるべきコンテンツ
  7. 採用サイトの求人情報の更新ルール|職業安定法の的確表示と労働条件の明示
  8. 採用サイト制作の進め方
  9. よくある失敗パターン
  10. 採用サイト制作費用を数値で確認する
  11. よくある質問(FAQ)
  12. まとめ
  13. 参考文献

採用サイトの作り方は3つ|制作会社・フリーランス・CMSでの自社運用

採用サイトの作り方は、制作会社への依頼、フリーランスへの依頼、CMSを使った自社での構築・運用の3つに分かれます。公開後に誰が更新し、誰がデータを見て改善するのかを先に決めておくと、どの方法が合うかを判断しやすくなります。

作り方 長所 短所 向いているケース
制作会社に依頼 取材・撮影・デザインまで任せられ、品質が安定しやすい 費用が高くなりやすく、公開後の更新も依頼が必要な場合がある 複数職種を募集し、社風や働き方を写真や取材で伝えたい
フリーランスに依頼 費用を抑えやすく、やり取りが柔軟 対応範囲や継続的な保守は個人の状況に左右される 小規模で、原稿や写真を自社で用意できる
CMSで自社構築・運用 社内で更新でき、募集要項や記事をすぐに差し替えられる 原稿作成や写真の用意、運用の手間は社内で負担する 募集の開始・終了が多く、更新の頻度が高い

3つは対立するものではありません。デザインと初期の取材は制作会社に任せ、公開後の募集要項の差し替えや社員インタビューの追加は社内のCMSで行う、という組み合わせもよく検討されます。採用サイトそのものの役割やメリット・デメリットを先に整理したい場合は、採用サイトとは?効果的な運営のポイントやメリット・デメリットもあわせて確認してください。

採用サイトで手間がかかり続けるのは、制作よりも公開後の更新です。募集の開始や締め切り、職種の追加、労働条件の変更があるたびに外部へ依頼していると、反映までに時間がかかり、依頼のたびに費用も発生します。募集要項や社員インタビューを採用担当者が自分で更新したい場合の一例が、株式会社ベクトルのClipkitです。公式サイトでは、コーポレートサイトの求職者向けコンテンツを担当部署で更新管理するような採用サイトを、既存ドメインの配下に構築できると案内されています(既存ドメイン配下で使うにはリバースプロキシの設定が必要)。記事編集画面では見出しや画像を項目ごとに入力するノーコードの操作で更新でき、デザイン面ではHTML/CSS/JavaScriptを編集できます。公開開始日時の設定や公開承認の機能もあり、担当者が更新した内容を確認してから公開する運用にも向いています。一方で、商品ページでは支払い方法が銀行振込のみである点が注意点として挙げられています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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採用サイト制作の費用相場|金額を決める要因と内訳

採用サイト制作の費用は、取材・撮影の有無、原稿を誰が書くか、デザインがテンプレートかオリジナルかの3点でほぼ決まり、公開後の更新費用も総額を左右します。同じページ数でも、社員インタビューの本数や撮影の日数で見積額は大きく変わります。

公的な情報で目安を確認すると、中小企業基盤整備機構が運営するJ-Net21の起業ガイド「Web制作代行業」では、Webサイト構築代の相場は仕様やページ数などで異なるとしたうえで、フリーランスによる簡易なサイト構築で15万円超、中小業者で30-100万円、大手クラスの業者で100万円超と紹介しています。ただし、これは採用サイトに限らない一般的なWebサイトの目安で、2015年度の市場データにもとづく記述です。採用サイトは社員インタビューや撮影が加わることが多いため、実際の金額は要件をそろえて複数社から見積もりを取って確認してください。依頼先別の費用の考え方は、webサイト制作とは?依頼先別の費用相場と選び方でも整理しています。

金額の大小は、どこまでを制作会社に任せるかでおおむね決まります。下の表は、作り方の段階ごとに含まれる作業と向いているケースを整理したものです。上の段ほど作業が少なく、下の段ほど制作会社が担う範囲が広がります。

作り方の段階 主な内容 費用が増える要因 向いているケース
テンプレート型 既存のデザインに原稿と写真を流し込む数ページの構成。原稿や写真は自社で用意する ページの追加、独自の色やレイアウトへの変更 まずは募集要項と会社紹介を載せたい小規模な採用
パッケージ型 制作会社が用意した構成をもとに、トップ・募集要項・社員紹介などの基本ページをそろえる 原稿作成や撮影をどこまで含めるか 必要な情報を一通り載せ、早めに公開したい場合
オリジナル型 オリジナルデザイン、社員インタビューの取材・撮影、職種別ページ インタビューの人数、撮影の日数と拠点数、職種ページの数 複数職種を募集し、社風や働き方をしっかり伝えたい場合
ブランディング込み 採用ブランディング、ペルソナ設計、動画制作、採用戦略の設計を含む総合支援 戦略設計の範囲、動画の本数、関連ツール(パンフレット等)の有無 新卒・中途を通じた大規模採用や、採用の方向性から見直したい場合

採用サイト制作費の内訳

見積書は「一式」でまとめられていることもありますが、採用サイトの制作費はおおむね5つの項目に分けられます。項目ごとに金額と作業範囲を出してもらうと、複数社の見積もりを同じ条件で比べやすくなり、どこを自社で引き受ければ費用が下がるのかも判断できます。

費用項目 主な作業 金額が変わる要因
企画・ディレクション 採用課題のヒアリング、ターゲットとコンセプトの整理、ページ構成の設計、進行管理 求める人物像やコンセプトを自社で固めているか、戦略設計から依頼するか
デザイン・コーディング デザイン案の作成、スマートフォン対応、ページの構築、CMSの組み込み、応募フォームの実装 テンプレートかオリジナルか、ページ数、動きのある演出の有無
写真撮影・動画制作 社員や職場の撮影、紹介動画の撮影と編集 撮影の日数と拠点数、動画の本数と長さ、自社の写真素材を使えるか
取材・原稿作成 社員インタビュー、代表メッセージ、職種紹介の原稿作成 インタビューの人数、原稿を自社で書くか依頼するか
保守・運用 サーバーやCMSの管理、不具合への対応、公開後の更新や改善の支援 更新を自社で行うか、アクセス解析や改善提案まで含めるか

このうち金額の差が出やすいのは、撮影と取材・原稿作成です。社員インタビューは人数を増やすほど取材と原稿の工数が積み上がり、動画は本数や編集の内容で費用が大きく変わります。採用動画を別に依頼する場合の流れや費用の考え方は、映像制作とは?依頼の流れ・費用相場・会社選びが参考になります。反対に、既存の写真を活用する、原稿の下書きを社内で用意するといった工夫で調整しやすいのもこの項目です。見積もりを依頼するときは、インタビューの人数、撮影の有無、想定するページ数をそろえて各社に伝えると、提示された金額の違いが作業範囲の差なのか単価の差なのかを見分けられます。

制作費以外にかかる費用

見積もりで見落としやすいのが、公開後にかかる費用です。サーバーやドメインの維持費、CMSの利用料、保守契約、募集要項や記事の更新を依頼するたびに発生する作業費などが代表的です。J-Net21のビジネスQ&Aでも、制作会社を選ぶ際は初期費用だけでなく、運用費用や情報を更新する際の費用も確認するよう勧めています。制作費が安くても、更新のたびに費用がかかる契約だと、年間の総額は高くなることがあります。見積もりを比べるときは、制作費だけでなく「3年間使い続けた場合の総額」で比較すると判断しやすくなります。

採用費用全体の中で考える(採用単価の出し方)

採用サイトの制作費は、採用活動にかかる費用全体の一部です。採用費用には、求人広告の掲載料や人材紹介の手数料、採用サイトの制作・運用費、会社説明会の会場費といった社外に支払う費用と、採用担当者や面接官の人件費といった社内の費用があります。自社の採用費用の平均を把握するには、一定期間の採用費用の合計を採用人数で割った「採用単価」を出すのが基本です。採用サイトの制作費は数年間使う前提の費用なので、使う年数で割って1年あたりの金額にしてから他の費用と並べると、求人広告に毎回払う費用と比べやすくなります。採用サイトからの応募がどれだけあったかを応募経路ごとに記録しておくと、制作費が採用単価の改善につながっているかを後から確かめられます。

費用を抑えるために自社で準備できること

費用を抑える近道は、制作会社に任せる範囲を絞ることです。求める人物像、募集職種と仕事内容、社員に聞きたい質問のリスト、使える写真素材などを事前に社内でまとめておくと、打ち合わせの回数が減り、取材や原稿作成の工数も減らせます。特に「どんな人に応募してほしいか」が決まっていないまま依頼すると、提案の方向性が定まらず、修正の往復が増えて費用がかさみやすくなります。公開後の更新を社内で行う前提にしておけば、保守契約に含める作業も絞り込めます。

採用サイト制作の見積もりの取り方と制作会社の選び方

採用サイトの見積もりは、目的・ターゲット・掲載内容・ページ数などの要件を整理してから、3社程度に絞って同じ条件で相見積もりを取るのが基本です。要件がそろっていないと、金額の差が作業範囲の差なのか判断できません。

中小企業診断士が回答するJ-Net21のビジネスQ&A「ホームページ制作会社はどのように選定したらよいでしょうか。」では、評価項目を決めたうえで10社程度以上の候補をリスト化し、デザイン性・費用・サポート体制などで3社程度に絞ってから相見積もりを取り、自社で決めた評価項目で総合的に判断する流れが紹介されています。採用サイトの場合も、この流れに採用ならではの条件を足すと、見積もりの精度が上がります。

見積もりを依頼する前に整理しておく情報

整理する項目 具体的に決めること 見積もりへの影響
目的とターゲット 新卒か中途か、募集職種、採用人数、求める人物像 企画・ディレクションの範囲が変わる
掲載内容とページ数 募集要項、仕事内容、社員インタビュー、職種別ページなど、載せたいページの一覧 デザイン・コーディングの工数の基準になる
取材と撮影 インタビューの人数、撮影の有無と場所、動画の有無 金額の差が最も出やすい部分
機能 スマートフォン対応、応募フォーム、CMSの有無、アクセス解析の設定 構築費と保守費の両方に関わる
公開後の更新 誰がどの頻度で更新するか、社内で更新したいページはどれか 保守・運用費と、CMSの要否が決まる
希望納期と予算 採用活動の開始時期から逆算した公開日、社内で決裁できる予算の幅 提案の内容と進め方が変わる

見積書が届いたら、総額だけでなく、項目ごとの作業範囲、修正の回数、公開後の保守に何が含まれるかを並べて比べます。同じ「保守費」でも、サーバーの管理だけなのか、募集要項の差し替えまで含むのかで中身は大きく違います。見積もりを依頼する時点で相見積もりであることを伝え、不明な点はその場で確認しておきましょう。

制作会社を選ぶときに確認したい5つの視点

  1. 同じ業種や同じ規模の会社の採用サイトを手がけた実績があるか
  2. 見た目だけでなく「誰に、何を伝えて、どう応募につなげるか」という採用目線の提案があるか
  3. 取材・撮影・原稿作成・動画など、自社で用意できない作業まで対応できるか
  4. 公開後の更新や改善の相談にどこまで応じてもらえるか(サポート体制)
  5. 担当者が自社の採用課題を質問し、こちらの意図をくみ取ってくれるか

実績を見るときは、公開後に応募数がどう変わったかを説明できるかも確認します。提案段階で自社の採用課題を質問してこない会社は、テンプレートに当てはめるだけの制作になりやすいため注意しましょう。また、制作会社によって公開後の更新の扱いは異なります。更新のたびに依頼が必要なのか、社内で更新できる仕組みを用意してもらえるのかは、見積もりの段階で必ず確認しておきたい点です。

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制作会社選びで失敗しないための注意点(契約形態・所有権)

制作会社選びで最も注意したいのは、デザインの良し悪しより契約形態とサイトの所有権です。初期費用0円をうたうリース型の契約では、長期契約が条件で、途中解約時の違約金や、サイトの権利が制作会社側に残るケースがあります。

買い切り型とリース型の違い

契約形態 費用の払い方 確認しておきたい点
買い切り型 制作費を最初にまとめて支払う 納品物の範囲、著作権の譲渡の有無、公開後の保守費用
リース型・月額型 初期費用を抑え、毎月一定額を支払う 契約期間、途中解約の条件、解約後にデータや画像を持ち出せるか

契約前に確認したい5つの項目

  1. デザインや原稿、写真の著作権が自社に譲渡されるか、利用範囲はどこまでか
  2. ドメインとサーバーの契約者が自社名義になっているか
  3. CMSの管理者アカウントを自社で持てるか
  4. 契約期間と途中解約の条件、解約後にデータを受け取れるか
  5. 公開後の更新作業の料金と、自社で更新できる範囲

特に著作権は、契約書に明記がないと制作者側に残るのが原則とされています。社員インタビューの写真を別の採用媒体やパンフレットに流用したい場合にも関係するため、文化庁の著作権施策に関する総合案内などで基本を押さえたうえで、契約書の条項を確認しておきましょう。本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の契約内容は弁護士などの専門家にご確認ください。

フリーランスと制作会社の違い

フリーランスは費用を抑えやすく柔軟に動いてもらえる一方、対応範囲や継続性は個人の状況に左右されます。制作会社は体制が整っている分、費用は高くなりやすいものの、取材・撮影・デザイン・保守までまとめて任せやすいのが特徴です。

比較項目 フリーランス 制作会社
費用 抑えやすい 高くなりやすい
対応範囲 得意分野に限られることが多い 取材・撮影・デザイン・開発を分業で対応
継続性 病気や多忙で対応が止まるリスクがある 担当交代があっても組織で引き継ぎやすい
向いているケース 小規模で、原稿や写真を自社で用意できる 複数職種を募集し、取材や撮影も任せたい

フリーランスに依頼する場合は、発注側にも守るべきルールがあります。2024年11月に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法では、業務内容や報酬額、支払期日などを書面や電子メールなどで明示することが求められています。公正取引委員会のフリーランスの取引適正化に向けた取組のページで、発注時に必要な対応を確認しておきましょう。

どちらに依頼する場合でも、公開後の更新を毎回外部に頼むと、募集の締め切りや職種の追加にすぐ対応できないという問題が残ります。更新頻度が高い採用サイトほど、社内で更新できるCMSを前提に設計してもらうと、運用の負担を抑えられます。

採用サイトに載せるべきコンテンツ

採用サイトに最低限必要なのは、募集要項、仕事内容、働く環境、社員の声、応募方法の5つで、企業理念や1日の流れを加えると働くイメージが伝わりやすくなります。求人媒体と違い、文字数や写真の枚数に制限がないのが採用サイトの強みです。

コンテンツ 載せる内容の例 求職者が知りたいこと
企業理念・代表メッセージ 事業の内容、事業で目指していること、代表や採用責任者の言葉 何をしている会社で、どこへ向かっているのか
募集要項 職種、雇用形態、勤務地、勤務時間、給与、休日、試用期間、業務や就業場所の変更の範囲 自分の条件に合うか、入社後に条件が変わらないか
仕事内容・1日の流れ 担当する業務の範囲、配属先のチーム構成、ある社員の1日のスケジュール 入社後に具体的に何をするのか
働く環境 オフィスの写真、研修制度、評価制度、福利厚生、育児や介護との両立支援 長く働き続けられる環境か
社員の声 入社理由、やりがい、大変だったこと、キャリアの歩み どんな人が働いていて、自分がなじめそうか
応募方法・選考フロー 応募フォーム、選考の段階と回数、選考期間の目安、よくある質問 応募から内定までに何が起きるのか

社員インタビューは、良い面だけを並べるより「入社して大変だったこと」「それをどう乗り越えたか」まで書いたほうが、読み手の信頼を得やすくなります。入社後のギャップによる早期離職を防ぐうえでも、仕事の厳しさや繁忙期の働き方を率直に伝えておくことは有効です。1日の流れは時刻を並べるだけでなく、誰とどんな目的でその仕事をしているのかまで書くと、仕事の中身が具体的に伝わります。

新卒採用を行う企業では、若者雇用促進法にもとづき、募集・採用に関する状況、職業能力の開発・向上に関する状況、企業における雇用管理に関する状況といった職場情報を、応募者などに提供する仕組みが設けられています。採用サイトにあらかじめ平均勤続年数や研修の有無、有給休暇の取得状況などを掲載しておくと、問い合わせへの対応がしやすくなるだけでなく、情報を開示している企業として求職者の安心感にもつながります。

中途採用と新卒採用で重点を変える

中途採用では、求職者は転職によって何が変わるかを具体的に知りたがっています。担当する業務の範囲や裁量、使っているツール、評価の仕組み、前職の経験がどう生かせるかを、職種ごとのページで詳しく書くと効果的です。一方、新卒採用では、仕事そのものより「どんな先輩がいて、どう成長できるか」への関心が高いため、研修制度や若手社員のキャリアの歩みを中心に構成します。同じ採用サイトで両方を扱う場合は、トップページから新卒・中途の入り口を分けて、それぞれに必要な情報へ迷わずたどり着けるようにしておきましょう。

採用サイトの求人情報の更新ルール|職業安定法の的確表示と労働条件の明示

自社の採用サイトに載せる求人情報も、職業安定法の「的確な表示」の対象で、募集を終了・変更したら速やかに更新し、いつ時点の情報かを明らかにする必要があります。作って終わりにせず、更新できる体制まで用意しておくことが大切です。

2022年10月1日に施行された改正職業安定法では、求人企業に対して、求人情報や自社に関する情報について虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしないこと、情報を正確かつ最新の内容に保つことが義務付けられました。対象となる手段にはウェブサイトが含まれ、厚生労働省の求人企業向けリーフレットでは、正確・最新に保つための措置の例として「自社の採用ウェブサイト等を速やかに更新する」ことが挙げられています。詳しくは厚生労働省の令和4年職業安定法の改正についてのページで確認できます。

厚生労働省の資料で示されていること 採用サイトの運用で準備しておくこと
募集を終了・内容変更したら、速やかに求人情報の提供を終了・内容を変更する 募集の締め切りや条件の変更を誰がいつ反映するかを決め、外部に依頼する場合は反映までの日数を確認する
いつの時点の求人情報か明らかにする(募集を開始した時点、内容を変更した時点など) 募集要項のページに掲載日や更新日を表示できるテンプレートにしておく
誤解を生じさせる表示をしない(例:固定残業代を基本給に含めて表示しない、モデル収入例を必ず支払われる額のように見せない) 給与の書き方を人事・労務担当と確認し、制作会社任せにしない
2024年4月から、明示すべき労働条件に業務の変更の範囲、就業場所の変更の範囲、有期契約の更新上限などが追加 募集要項の項目に変更の範囲などの欄を設け、職種ごとに記入できるようにする

なお、厚生労働省の資料では、労働条件の明示は的確な表示とは別に、個別の応募者と最初に接触するまでに行う必要があるとされています。2024年4月の追加事項は、厚生労働省のリーフレット「募集時などに明示すべき労働条件が追加されます」で記載例とともに確認できます。応募フォームで本籍や家族構成など、本人の適性や能力と関係のない事項を尋ねないことも含め、掲載内容は社内の人事・労務担当と事前にすり合わせておきましょう。本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の判断は都道府県労働局や専門家にご確認ください。

こうした更新を確実に回すには、募集の動きに合わせて担当者がすぐに掲載を変えられることが前提になります。今の採用サイトの更新のやり方で足りているか、次の項目で確認してみましょう。

採用サイトの更新、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

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採用サイト制作の進め方

採用サイト制作は、目的と要件の整理、依頼先の選定、構成とデザイン、取材・撮影、構築・テスト・公開の5工程で進み、採用活動の開始時期から逆算して動き出すのが基本です。取材や社内確認の工程は遅れやすいため、余裕を持たせておきましょう。

工程 主な作業 社内で準備すること
1. 目的と要件の整理 採用人数、職種、求める人物像、予算、公開時期を決める 現場の管理職へのヒアリング、過去の応募データの確認
2. 依頼先の選定 複数社から提案と見積もりを取り、契約条件を比較する 契約書の確認、社内の決裁手続き
3. 構成とデザイン サイトマップ(ページの一覧と階層)、ワイヤーフレーム(各ページの配置の下書き)、デザイン案を固める 伝えたい強みやキーメッセージ、応募ボタンを置きたい位置の確認
4. 取材・撮影・原稿作成 社員インタビュー、職場の撮影、原稿の作成と校正 取材対象者の選定と日程調整、撮影場所の確保
5. 構築・テスト・公開 ページの構築、CMSとアクセス解析の設定、スマートフォンでの表示確認、応募フォームのテスト 掲載内容の最終確認、応募受付後の対応フローの準備

構成の段階では、サイトマップとワイヤーフレームで「どのページに何を載せ、どこで応募ボタンを見せるか」を確認します。ここで社内の合意を取っておくと、デザインに入ってからの大きな作り直しを防げます。構築の段階では、どのページがどれだけ読まれ、どこから応募フォームに進んでいるかを後から確認できるよう、アクセス解析の計測設定もあわせて依頼しておきましょう。公開後に計測を足すと、それまでのデータが残りません。

スケジュールが遅れやすいのは、取材・撮影と社内確認の工程です。取材対象の社員が繁忙期で時間を取れない、原稿の確認が複数の部署を回って止まる、といった理由で遅れることは珍しくありません。原稿の確認者と確認期限をあらかじめ決めておくだけでも、公開時期のずれを防ぎやすくなります。

また、採用サイトの閲覧はスマートフォンからが中心になりやすいため、デザイン確認はパソコンの画面だけで済ませないことが大切です。募集要項の表が横にはみ出していないか、応募ボタンが押しやすい位置にあるか、応募フォームの入力項目が多すぎないかを、実際にスマートフォンで操作して確認しましょう。公開したら、求人媒体の掲載ページやSNS、コーポレートサイトから採用サイトへのリンクを張り、検索エンジンで採用サイトが表示されるかも確認します。

公開後に決めておきたい運用ルール

公開した時点では、採用サイトはまだ完成していません。募集を締め切ったときに誰が掲載を止めるのか、新しい社員インタビューを何か月ごとに追加するのか、アクセス数や応募数を誰がどの頻度で確認するのかを、公開前に決めておきましょう。担当者と頻度が決まっていないと、締め切った求人が掲載されたままになったり、数年前の情報が放置されたりしがちです。前の章で見たとおり、求人情報を最新に保つことは職業安定法でも求められています。

よくある失敗パターン

採用サイト制作の失敗は、公開前の設計不足と公開後の運用不足のどちらかに集約されます。代表的な3つのパターンと、改善後の状態を切り替えて確認してみましょう。

改善前改善後
  • 求める人物像を決めずに依頼し、どの会社にもありそうな内容になった
  • リース契約で作ったため、解約するとサイトも写真も使えなくなった
  • 公開後に更新できず、締め切った求人がそのまま掲載されている

失敗1:求める人物像が決まっていない

「若手がほしい」「やる気のある人がほしい」といった曖昧な状態で依頼すると、制作会社は一般的な採用サイトの型に沿って作るしかありません。結果として、どの会社にもあてはまる文言が並び、応募者に違いが伝わらなくなります。依頼前に、活躍している社員の共通点や、入社後に任せたい仕事を言葉にしておきましょう。

失敗2:掲載してはいけない情報を載せてしまう

採用サイトの応募フォームや募集要項で、本籍や家族構成など、本人の適性や能力と関係のない事項を尋ねるのは、公正な採用選考の観点から避けるべきとされています。厚生労働省の公正な採用選考についてを確認し、フォームの項目を制作会社任せにしないことが大切です。応募者の個人情報の取り扱いについても、個人情報保護委員会の法令・ガイドライン等を参考に、利用目的の明示などを確認しておきましょう。

失敗3:公開後のデータを見ていない

採用サイトを公開しても、アクセス数や応募数を見ていなければ、何が効いて何が効いていないのか分かりません。職種ページごとの閲覧数、応募フォームでの離脱、流入元別の応募率などを定期的に確認し、読まれていないページの見出しを変える、応募ボタンの位置を変えるといった改善を積み重ねることで、制作費を成果につなげられます。新卒採用では、若者雇用促進法にもとづく職場情報の提供も求められているため、厚生労働省の若者への就職支援のページも参考に、掲載情報を定期的に見直しましょう。

採用サイト制作費用を数値で確認する

制作費は一度きりでも、更新費用は毎年かかります。更新を外部に依頼し続ける場合の3年間の総額を出すと、社内で更新できる仕組みを用意すべきかどうかが見えてきます。手元の見積書の金額に合わせてスライダーを動かしてください(初期値は仮の値です)。

更新を外部に依頼し続けた場合の3年間の総額:

うち更新費用の合計:

※入力した値による簡易計算です。初期値は仮の値で、相場を示すものではありません。社内で更新する場合はこの更新費用の代わりに、ツールの利用料と担当者の作業時間がかかります。

例えば、募集要項の差し替えや社員インタビューの追加を月1回行うだけでも、3年間で更新は36回になります。更新費用の合計が初期制作費に近づくようなら、社内で更新できる仕組みを検討する価値があります。反対に、更新がほとんど発生しない場合は、制作会社にまとめて任せたほうが結果的に手間も費用も抑えられることがあります。

社内で更新する場合に比べたいのは、CMSの利用料と担当者の作業時間です。Clipkitのように記事編集画面からノーコードで更新できるCMSなら、募集要項の差し替えや掲載の終了を担当者が自分で行えるため、依頼から反映までの待ち時間もなくなります。更新回数が多い会社は、外部に依頼し続けた場合の総額と並べて検討してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 採用サイトを作るのにいくらかかりますか?

A. 取材・撮影の有無、原稿を誰が書くか、デザインがテンプレートかオリジナルかで大きく変わります。公的な目安として、中小機構のJ-Net21は一般的なWebサイト構築の相場をフリーランスの簡易なサイトで15万円超、中小業者で30-100万円、大手クラスで100万円超と紹介しています(2015年度の市場データ)。採用サイトは社員インタビューや撮影が加わることが多いため、要件をそろえて複数社の見積もりで確認してください。

Q2. 採用サイトの制作会社はどうやって選べばよいですか?

A. 同じ業種や規模の実績、採用目線の提案、取材・撮影まで任せられる対応範囲、公開後のサポート体制、担当者とのやり取りのしやすさを確認します。候補を10社程度挙げて3社程度に絞り、同じ条件で相見積もりを取ったうえで、契約形態や著作権、ドメインの名義も比べて選ぶと失敗しにくくなります。

Q3. 採用サイトを自社で作ると費用はどうなりますか?

A. 制作会社への制作費の代わりに、CMSなどのツールの利用料と、原稿作成や写真の用意、更新にかかる担当者の作業時間が主な費用になります。ノーコードで更新できるCMSを使えば、募集要項や社員インタビューを採用担当者が自分で更新できます。例えばClipkitは、コンテンツの作成・更新をノーコードで行え、デザインの自由度も高い国産CMSです。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

Q4. 初期費用0円の採用サイト制作は選んでも大丈夫ですか?

A. 初期費用0円のリース型・月額型の契約は、長期契約が条件で、途中解約時の違約金や、解約後にサイトや写真を使えなくなるケースがあります。契約期間、解約条件、著作権やドメインの名義を契約前に必ず確認しましょう。

Q5. 採用サイトの見積もりを依頼するときは何を伝えればよいですか?

A. 目的とターゲット(新卒か中途か、募集職種、採用人数)、載せたいページの一覧、社員インタビューの人数と撮影の有無、応募フォームやCMSなどの機能、公開後に誰が更新するか、希望納期と予算の幅を伝えます。条件をそろえて依頼すると、金額の違いが作業範囲の差なのか単価の差なのかを見分けられます。

Q6. 募集を締め切った求人は採用サイトから消す必要がありますか?

A. 2022年10月施行の改正職業安定法で、求人企業には求人情報を正確かつ最新の内容に保つことが義務付けられ、厚生労働省は募集を終了・変更したら自社の採用ウェブサイト等を速やかに更新するよう示しています。いつ時点の情報かも明らかにしましょう。個別の判断は都道府県労働局などにご確認ください。

まとめ

採用サイト制作は、費用の安さだけで依頼先を選ぶと、公開後の更新や契約の縛りで苦労しがちです。次の5点を押さえて、自社に合う作り方を選びましょう。

  1. 依頼前に、求める人物像と伝えたい強み、載せたいページの一覧を社内でまとめる
  2. 要件をそろえて3社程度から相見積もりを取り、更新費用を含めた3年間の総額で比べる
  3. 契約形態、著作権、ドメインの名義を契約前に確認する
  4. 募集の終了や条件の変更を速やかに反映できるよう、更新の担当者と確認者を決める
  5. 更新を社内で行うなら、Clipkitのようなノーコードで更新できるCMSの資料を取り寄せ、制作会社への依頼範囲とあわせて検討する

採用サイトは、作った後に育てていくものです。更新のしやすさとデータの活用まで見据えて、長く使える採用サイトを作りましょう。

参考文献

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