契印とは?正しい押し方の手順と割印との違い、押し忘れを防ぐ方法

Check!

  • 契印の意味と、誰がどこまで押すかがわかる
  • 割印との違いと、印鑑の選び方を確認できる
  • 失敗時の直し方と、契印が不要なケースがわかる

契印(けいいん)とは、複数ページにわたる契約書が1つの連続した文書であることを示すために、ページのつなぎ目(つづり目・綴り目・綴じ目)にまたがって押す印のことです。ホチキス留めなら見開きごとに、袋とじ製本なら表紙または裏表紙の1箇所に、署名押印と同じ印鑑で当事者全員が押すのが基本で、押し忘れても契約が無効になるわけではありません。ただし、20ページほどの契約書を2通・2社で作ると押印は数十回に及び、かすれやずれ、押し忘れも起きやすくなります。この記事では、つづり目への押し方と誰がどこまで押すか、割印との違い、シャチハタは使えるか、失敗したときの直し方、契印が要らないケースまでを整理し、押す作業そのものをなくす電子契約の選び方も紹介します。印鑑の用語の違いは捺印と押印の違いとは?署名捺印・記名押印の使い分けと電子契約での代わり方もあわせてご覧ください。

契印の手間を減らす方法を2問で診断

Q1. 契印まわりで、今いちばん手間がかかっているのは?

目次

開く

閉じる

  1. 契印とは|押し方を画像なしでも分かるように手順で解説
  2. 契印作業をなくす電子契約システムの比較
  3. 契印と割印の違い|似た印との使い分け早見表
  4. 契印の押し忘れ・失敗が起きやすい業務パターン
  5. 契約書に契印が必要ない場合|省略できるケースと法的な位置づけ
  6. 業種別に見る契印運用の実態
  7. 電子契約における契印・割印の位置づけ|電子署名とタイムスタンプ
  8. 契印作業の時間・ミスコストを数値で確認する
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ|契印は正しく押し、件数が多いなら作業そのものを見直す
  11. 参考文献

契印とは|押し方を画像なしでも分かるように手順で解説

契印(けいいん)とは、複数ページにわたる契約書が1つの連続した文書であることを示すために、ページのつなぎ目にまたがって押す印のことです。ページの抜き取りや差し替えを防ぎ、後から「このページは契約時にはなかった」という争いが起きにくくします。契印がなくても契約そのものは有効で、紛争時に文書の一体性を示す証拠を残すための実務慣行です。

ホチキス留めの契約書に契印を押す手順

ホチキス留めの契約書では、すべての見開きのつなぎ目に契印を押します。印影が左右のページに半分ずつかかるように押すのがポイントです。

  1. 契約書に署名押印した印鑑と同じ印鑑を、当事者全員分用意する(会社なら通常は代表者印または契約書に押した社印)
  2. 1ページ目と2ページ目の見開きを開き、つなぎ目の中央に印鑑を当てる
  3. 印影が左右のページに均等にかかるよう、平らな台の上で軽く体重をかけて押す
  4. 相手方も同じつなぎ目に、自社の印影と重ならない位置で押す
  5. 最後の見開きまで繰り返し、かすれや欠けがないか全ページを確認する

ページ数が10ページなら見開きは9箇所、当事者が2社なら1通あたり18回、2通作成なら合計36回です。つなぎ目に段差があると印影が欠けやすいため、下に捺印マットを敷き、紙を軽く押さえて押すと安定します。

製本・袋とじした契約書に契印を押す手順

ページ数が多い契約書は、背を製本テープで包む「袋とじ」にすると、表紙または裏表紙の1箇所に押すだけで済みます。製本テープと紙の境目にまたがって押すことで、テープをはがしてページを差し替えると印影が崩れるため、見開きごとに押すのと同じ効果が得られます。

  1. 契約書をそろえてホチキスで綴じ、背の部分を製本テープで包む
  2. 表紙(または裏表紙)の、製本テープと紙の境目を確認する
  3. 印影の半分がテープに、半分が紙にかかる位置に、当事者全員が1回ずつ押す
  4. どの面に押すかは、事前に相手方とそろえておく(両面に押す運用の会社もある)

契印は誰が、つづり目のどこまで押す?

契印は、契約書に署名押印した当事者全員が、つづり目(綴り目・綴じ目)にまたがるように押します。つづり目とは、複数枚の書類を綴じて1つにまとめた箇所、つまりページのつなぎ目のことです。ホチキス留めなら最初から最後までのすべての見開き、袋とじなら表紙か裏表紙の1箇所が押す範囲の目安で、甲乙それぞれが同じ位置に印影が重ならないよう並べて押します。会社の場合は、署名押印をした代表者または代理権のある担当者が、同じ印鑑で押します。

契印作業をなくす電子契約システムの比較

電子契約では、契約書全体を1つの電子ファイルにして電子署名とタイムスタンプを付けるため、契印を押す作業そのものがなくなります。この基本はどのサービスでも共通ですが、署名方式の選択肢、契約書の管理機能、契約の前後の書類まで扱えるかといった得意分野は異なります。各サービスの商品ページの情報をもとに、役割の違いを整理しました(2026年10月14日確認)。

契印をなくす電子契約サービスの役割の違い

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

自社の状況:

この状況に合う一例:電子印鑑GMOサイン電子証明書を使う当事者型と、メール認証の立会人型を契約ごとに使い分けられます。

資料を無料ダウンロード

この状況に合う一例:Biz Connection見積書・注文書・請求書など企業間取引の書類を案件ごとにまとめて扱えます。

資料を無料ダウンロード

この状況に合う一例:SMBCクラウドサイン弁護士監修で日本の法律に特化し、メガバンクのセキュリティ基準でモニタリングされています。

資料を無料ダウンロード
サービス 電子印鑑GMOサイン マネーフォワード クラウド契約 Contract One Biz Connection SMBCクラウドサイン
向いている会社 契約の重要度に応じて署名方式を使い分けたい会社 契約データを経理・人事などの業務とつなげたい会社 過去の紙の契約書と新しい契約をまとめて管理したい会社 見積書・注文書・請求書など、契約の前後の取引書類が多い会社 取引先のセキュリティ審査や法務確認が厳しい会社
特徴 メール認証の立会人型と、電子証明書を使う当事者型の両方に対応し、併用もできる 法務相談から作成、申請・承認、締結、保存、管理までを1つで扱える。紙の契約書や他社サービスで結んだ契約書も一元管理できる 紙・PDF・電子契約の契約書をAI-OCRと専門スタッフの確認でデータ化。全文検索や契約期限のアラートに対応 企業間取引の書類を案件・取引先ごとにワンストップ管理。基幹システムとの連携に対応 弁護士監修で日本の法律に特化。メガバンクのセキュリティ基準でモニタリング。AIで契約金額や期間を読み取る契約書管理機能あり
注意したい点 当事者型は電子証明書の発行審査に時間がかかり、有効期限ごとの更新も必要 署名方式は立会人型。厳密な本人確認が必要な契約は運用方法を資料で確認したい 導入時に業務フローの見直しが必要になる場合がある 詳しい料金やプランは問い合わせが必要 フォルダ管理の自由度が低いという評価がある
資料・詳細

5サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)

まとめて資料をダウンロード

表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

契印を押す紙の契約書のうち、重要度の高いものと定型的なものが混在している会社の場合の一例が、電子印鑑GMOサインです。メール認証の立会人型と、電子証明書を使う当事者型の両方に対応し、契約ごとに併用できます。当事者型は電子証明書の発行審査に時間がかかる点に注意が必要です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社

電子印鑑GMOサイン

電子印鑑GMOサイン
出典:www.gmogshd.com

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社

電子印鑑GMOサイン

オプションが豊富で自社にあった機能を選びたい方におすすめ

全体評価
4.6 (18件)

実際に使用してみたレビューはこちら

【レビュー】『GMOサイン』を実際に登録して使ってみた【使い方解説】

数ある電子契約システム、どのサービスを使ったら良いかわからないと言う方も多くいると思います。そこで今回は、GMOサインの利用経験ゼロの筆者が、ゼロからGMOサインの無料登録から初回契約締結までの流れを実況形式でお伝えします。

GOOD

ここがおすすめ!

  • スタンダードプランでも機能が充実しており、提供機能を無駄なく活用できる
  • 立会人型電子署名は1件あたり100円で送信でき、他社と比較してほぼ半額で利用できる
MORE

ここが少し気になる…

  • 機能やオプションが豊富でマルチに使えるが、全て必要な場合はオプション料金が高額になってしまう
評価・口コミ(一部抜粋)
4.6
  • とにかく面倒だった紙面契約が全て電子に置き換わり契約業務がスピーディになった。紙面契約の場合、保管場所も圧迫されるがクラウド上で保存されるため物理的スペースが不要に。

  • このサービスを利用することにより契約書の管理そのものを本サービスに任せることが出来るので管理コストが削減できること、電子契約のため印紙代が不要となること、メールで全てが完了するために当社だけでなく相手方にも負担をかけない点がメリットです。

  • 導入することで契約締結のスピードが大幅に向上し、契約業務にかかる手間を削減できました。また、テレワーク環境でも円滑に契約業務を進めることが可能になり、業務効率がかなり向上しました。

導入事例(要約):東急リバブル株式会社では、紙の契約書の郵送対応で1週間ほどかかっていた締結が、電子契約にしたことで2-3日ほどに短くなったと紹介されています。

出典:電子印鑑GMOサイン「東急リバブル株式会社の導入事例」2026年10月14日確認

立会人型はメールで届いたリンクから署名できるため相手方の負担が小さく、当事者型は電子証明書で本人性を担保する分、金額の大きな契約や長期の基本契約に向いています。ほかのサービスは、契約書の種類や業種との関係が深いため、後半の「業種別に見る契印運用の実態」「電子契約における契印・割印の位置づけ」で、向いている場面とあわせて紹介します。無料プランを含む電子契約サービスを幅広く比べたい場合は無料の電子契約システム8選(全19サービス)を比較も参考になります。

契印と割印の違い|似た印との使い分け早見表

契印は「1つの文書の中でページがつながっていること」を示す印で、割印は「別々の文書が互いに関連していること」を示す印です。どちらも2枚以上の紙にまたがって押す点が似ているため混同されやすいのですが、証明する対象が異なります。

割印は、同じ内容の契約書を2通作って当事者がそれぞれ保管する場合や、原本と写しを作る場合に、2通を少しずらして重ね、両方にまたがるように押します。これにより、2通が同時に作成された一組の文書であることを示します。一方、契印は1通の契約書の内部で押すもので、2通作成するなら、それぞれの契約書に契印を押したうえで、2通の間に割印を押すことになります。つまり複数ページの契約書を2通作る場合は、契印と割印の両方が必要になるのが一般的です。割印の押し方や位置は契約書の割印とは?正しい押し方・位置・契印との違いを解説【2026年最新】で詳しく解説しています。

印の種類証明・目的押す位置使う印鑑
契印1通の文書のページが連続していること見開きのつなぎ目、または袋とじの製本テープと紙の境目署名押印と同じ印鑑
割印別々の文書(正本と副本、原本と写しなど)が一組であること2通をずらして重ねた上端などにまたがる位置署名押印と同じ印鑑が一般的(縦長の割印用印鑑を使う会社もある)
訂正印記載内容を訂正したのが当事者本人であること訂正箇所の近く、または欄外署名押印と同じ印鑑
捨印軽微な訂正をあらかじめ相手方に認めること欄外の余白署名押印と同じ印鑑
消印収入印紙の再使用を防ぐこと収入印紙と文書の境目印鑑のほか署名でも可

このうち消印は印紙税のルールに基づくもので、国税庁は、印紙の消印は文書の作成者や代理人、使用人などの印章または署名によって行い、印章でなく署名でもよいとしています(出典:国税庁「印紙の消印の方法」2026年10月14日確認)。契印や割印とは目的がまったく異なるため、同じ「またがって押す印」でも混同しないようにしましょう。捨印は、相手方に訂正を任せる効果を持つため、不用意に押さないよう注意が必要です。

契印に使う印鑑は?シャチハタは使える?

契印には、契約書の署名押印に使ったものと同じ印鑑を使うのが基本です。会社なら、署名欄が代表者印であれば契印も代表者印でそろえます。印鑑の種類について法的な規定はないとされますが(出典:マネーフォワード クラウド契約「契印とは?割印との違いや正しい押し方、失敗した時の注意点などを解説」2026年10月14日確認)、シャチハタなどのインク浸透印は、印面の変形やインクの劣化が起こる可能性があり、偽造防止の観点から契約書や金融機関の手続きでは使用できない場合が一般的とされています(出典:シヤチハタ「認印とは?シャチハタや実印、銀行印との違い、使い分け方を解説」2026年10月14日確認)。契印だけシャチハタで押すと、署名押印の印影と並べたときに同一の印鑑か確かめにくくなるため、朱肉を使う同じ印鑑でそろえるのが無難です。取引先から印鑑の指定がある場合は、その指定に従ってください。

契印の押し忘れ・失敗が起きやすい業務パターン

契印の失敗は、押し方を知らないことより「ページ数と作成通数が多く、確認の工程が抜けやすい業務」で起きやすくなります。1回の押印自体は数秒で終わりますが、押す回数が増えるほど、1箇所の押し忘れや印影の欠けを見落とす確率も上がります。

典型的なのは、次のような場面です。第一に、別紙や仕様書、図面などの添付資料を後から綴じ込むケースです。本体の契約書には契印を押したのに、添付資料との境目だけ押し忘れると、添付資料の一体性を示す印がなくなります。第二に、相手方と郵送で往復するケースです。自社で押印して送ったあと、相手方が一部の見開きに押し忘れたまま返送してくると、再送のやり取りで締結が数日から1週間以上遅れることがあります。第三に、担当者の異動や繁忙期で、押印に慣れていない人が代わりに担当するケースです。袋とじの契約書で、表紙だけに押す運用なのか裏表紙にも押す運用なのかが社内で共有されていないと、取引先との間で押し方がそろわなくなります。下のトグルでは、よくある失敗と、それを防ぐための改善策を切り替えて確認できます。

よくある失敗 改善後

失敗1:添付資料の境目だけ押し忘れた。本体の契約書には契印を押したが、後から綴じた仕様書との境目に押さず、別紙の一体性を示せなくなった。

失敗2:見開きのつなぎ目で印影が欠けた。段差のある部分に押したため印影の半分がかすれ、どの印鑑で押したのか判読しにくくなった。

失敗3:相手方の押し忘れで再送になった。返送された契約書の一部の見開きに相手方の契印がなく、郵送のやり直しで締結が1週間遅れた。

失敗4:違う印鑑で契印を押した。署名欄は代表者印、契印は角印と印鑑がそろわず、どの印が誰のものか説明が必要になった。

契印に失敗したら、どこまでやり直す?

契印がかすれたりずれたりしたときは、上から重ねて押さず、近くの別の位置にもう一度押し直すのが一般的です。やり直すのは失敗した見開きだけで、きれいに押せているほかの見開きまで押し直す必要はありません。ただし、失敗した印影の扱いは解説によって分かれ、訂正印は不要とするもの、失敗した印影の近くに訂正印を押してから押し直すとするもの、二重線で消してから押し直すとするものがあります。どの方法が正しいかは相手方との取り決め次第のため、押印の前に「失敗したらどうするか」を相手方と決めておくと迷いません。

修正液や修正テープは、契約書の信ぴょう性を疑われるおそれがあるため使わないのが無難です。押し直しの跡が目立つ場合や、多くの見開きで失敗した場合は、契約書を作り直して押印し直す方が安全とされています(出典:クラウドサイン「契約書の袋とじ(製本)のやり方は?割印・契印の押し方」、マネーフォワード クラウド契約「契印とは?割印との違いや正しい押し方、失敗した時の注意点などを解説」、2026年10月14日確認)。

ここまでの押し方の確認、押し忘れのチェック、押し直しの手配は、紙の契約書で契印を押す限り毎回発生します。この作業を毎回手で行っているなら、どこに手間がかかっているかを一度棚卸しすると、電子化すべきかどうかの判断がしやすくなります。

契印の作業、今のやり方で手間が出ていない?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

契約書に契印が必要ない場合|省略できるケースと法的な位置づけ

契約書に契印を押すことを義務づける法令は、私人間の契約にはありません。契印がなくても契約は有効に成立し、1枚で完結する契約書や電子契約では、そもそも契印が要りません。一方で、登記の申請書など法令で契印が求められる書類もあります。

契印を省略できるケース

  • 1枚で完結する契約書:ページのつなぎ目がないため、契印を押す場所がありません
  • A3用紙1枚に印刷して2つ折りにした契約書:A4で4ページ以内に収まる場合に使われ、折れ目への契印は不要とされています
  • 袋とじ製本した契約書:全ページの見開きには押さず、表紙または裏表紙の製本テープと紙の境目に1箇所押せば足ります
  • 電子契約:電子署名とタイムスタンプが文書全体の一体性を担保するため、契印は不要です

A3用紙の2つ折りと公文書の事務効率化の動きについては、マネーフォワード クラウド契約の解説でも触れられています(出典:マネーフォワード クラウド契約「契印とは?割印との違いや正しい押し方、失敗した時の注意点などを解説」2026年10月14日確認)。ただし、取引先から契印を求められている場合は、法的に不要でも相手方の求めに合わせるのが円滑です。

契約書のページ数が多いときの体裁と、押す回数の目安

契約書のページの区切り方(改ページ)に、法令上の決まりはありません。契印は「ページとページの境目」に押すため、紙の枚数が増えるほど境目が増え、ホチキス留めでは押す回数が増えます。最終ページに余白が残る場合は、「以下余白」と明記するのが実務上のマナーとされています(出典:クラウドサイン「契約書の袋とじ(製本)のやり方は?割印・契印の押し方」2026年10月14日確認)。綴じ方による押す回数の違いは、次の計算例のとおりです。

綴じ方見開きの数と押す場所20枚の契約書を当事者2社で押す場合(1通あたり)
ホチキス留め紙の枚数から1を引いた数の見開きに、それぞれ押す19箇所に2社が押すため38回
袋とじ製本(片面に押す運用)表紙または裏表紙の1箇所1箇所に2社が押すため2回
袋とじ製本(両面に押す運用)表紙と裏表紙の2箇所2箇所に2社が押すため4回

法令で契印が求められる場面

契約書の契印は実務慣行ですが、書類によっては法令が契印を求めています。会社の登記申請では、商業登記規則第35条第3項が、申請書が2枚以上であるときは各用紙のつづり目に契印をしなければならないと定めており、同条第4項で、申請人などが2人以上いる場合はそのうちの1人が押せば足りるとされています(出典:e-Gov法令検索「商業登記規則」第35条、2026年10月14日確認)。また、公証人法第54条は、公証人が私署証書に認証を与える際に、私署証書と認証簿とに契印をしなければならないと定めています(出典:e-Gov法令検索「公証人法」第54条、2026年10月14日確認)。契約書の契印が当事者全員で押す慣行であるのに対し、登記申請書の契印は法令で求められ、押す人数の扱いも異なる点に注意が必要です。このほか、複数ページにわたる株主総会議事録や取締役会議事録などでも、ページの連続性を示すために契印を押す運用が広く見られます。契約書の押印作業を電子化しても、こうした書類では紙の契印が残る場合があるため、提出先から押し直しを求められないよう、押し方も把握しておくと安心です。

契印を押さなければ契約が無効になる、という一般的な法律上のルールはありません。民法は、契約は申込みと承諾が合致したときに成立し、法令に特別の定めがある場合を除いて書面の作成などの方式は必要ないと定めています(出典:e-Gov法令検索「民法」第522条、2026年10月14日確認)。ただし、ページの差し替えが争点になったときに一体性を示す材料が弱くなるため、押し忘れに気づいた時点で当事者双方で押し直すのが安全です。押印そのものの法的な効力は押印の法的効力とは?二段の推定の仕組みと覆るケース、電子署名法第3条との違い、契約書の内容面の確認を外部に依頼する方法はリーガルチェックの意味とは?流れや費用相場、重要性を解説で紹介しています。本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は弁護士などの専門家にご相談ください。

業種別に見る契印運用の実態

契印の負担が大きくなるのは、1件の契約書のページ数が多く、しかも取引件数が多い業種です。代表的なのが不動産取引と建設業で、いずれも法令で書面の交付が求められてきた一方、近年の法改正で電子化の道が開かれています。業種ごとの実態と、向いている電子化の選択肢を整理します。

不動産取引(売買・賃貸借)

不動産の売買契約書や重要事項説明書は、物件の概要、法令上の制限、特約事項などを網羅するため、10ページを超えることも珍しくありません。仲介会社が売主・買主の双方と書面をやり取りし、それぞれに契印・割印をもらう運用では、押印の回数も、押し忘れを確認する手間も膨らみます。賃貸管理会社では、更新契約や解約合意書など同種の書類を大量に扱うため、1件あたりの手間の小ささが積み上がって大きな負担になります。

2022年5月に宅地建物取引業の書面の電子化を可能とする政省令の改正が施行され、相手方の承諾を得て、書面を電磁的方法で提供できるようになりました。媒介契約書(宅地建物取引業法第34条の2)は宅地建物取引業者の記名押印が求められますが、電磁的方法による提供では記名押印に代わる措置が定められています(出典:e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」第34条の2、2026年10月14日確認)。国土交通省は電磁的方法による提供の実施マニュアルを公表しており、現在は令和6年12月版が公開されています(出典:国土交通省「ITを活用した重要事項説明及び書面の電子化について」2026年10月14日確認)。

個人の顧客と結ぶ売買契約のように、紙の時代に実印での署名押印を求めていた契約まで電子化するなら、本人確認の強い当事者型の署名を選べるかが重要になります。前述の電子印鑑GMOサインは当事者型と立会人型の両方に対応しており、不動産会社である東急リバブル株式会社の導入事例も公開されています。重要事項説明書と売買契約書で署名方式を分けるといった使い方を検討する際の候補になります。

電子印鑑GMOサイン

重要な契約と定型的な契約で署名方式を使い分けたい会社に

電子印鑑GMOサインの資料を無料でダウンロードできます

無料・30秒で完了 資料を無料ダウンロード

建設業の請負契約

建設業法第19条は、建設工事の請負契約の当事者に対し、工事内容や請負代金の額、工期などの事項を書面に記載し、署名または記名押印をして相互に交付するよう求めています。同条第3項では、相手方の承諾を得て、国土交通省令で定める情報通信の技術を利用する方法をとることも認められています(出典:e-Gov法令検索「建設業法」第19条、2026年10月14日確認)。

建設業の契約書は、約款や設計図書、工程表などの添付資料が多く、ページ数が大部になりがちです。さらに元請と複数の下請、下請と孫請というように契約が階層的に積み重なるため、1つの工事で取り交わす契約書の総数も増えます。見積書、注文書、注文請書、請求書と、契約の前後にも書類のやり取りが続くため、契約書だけを電子化しても、関連書類が紙のままでは全体の手間は思ったほど減りません。押印の要らない契約締結と、その前後の書類のやり取りを一つの流れで扱いたい場合の一例が、Biz Connectionです。企業間取引の書類を案件や取引先ごとにワンストップで管理でき、基幹システムとの連携にも対応しています。詳しい料金やプランは問い合わせが必要なため、資料や公式サイトで確認してください。

株式会社フォーカスシステムズ

Biz Connection

Biz Connection
出典:bberc.focus-s.com

株式会社フォーカスシステムズ

Biz Connection

取引を明確化・効率化!生産性向上・コスト削減を目指す企業におすすめ

料金:要問い合わせ

GOOD

ここがおすすめ!

  • 取引書類のワンストップ管理によって業務を効率化できる
  • 業務の自動化により、手作業によるミスゼロを実現
  • 年間定額制・従量課金制からの見直しで大幅なコスト削減が可能
MORE

ここが少し気になる…

  • 詳しい料金やプランについては問い合わせが必要

導入事例(要約):内外装工事を手がける株式会社TS東京では、協力会社から紙で届く発注請書に印紙の貼り忘れによる差し戻しが多く発生していましたが、発注書と請書のやり取りを集約してペーパーレス化し、月10時間ほど(年間120時間相当)の業務時間を削減できたと紹介されています。

出典:株式会社フォーカスシステムズ「TS東京様 導入事例」2026年10月14日確認

その他業種の大部の契約(業務委託・ライセンス・基本契約)

不動産や建設業以外でも、システム開発の業務委託契約、ライセンス契約、取引基本契約などは、別紙の仕様書や個別条件を含めると数十ページになることがあります。こうした契約は数年単位で有効なため、締結時の契印の手間に加えて、「過去に結んだ紙の契約書のどこに何が書いてあったか」を探す手間が長く続く点が課題です。新しい契約を電子化しても、過去の紙の契約書が倉庫やキャビネットに残ったままでは、検索の負担は解消しません。紙・PDF・電子契約といった形態を問わず契約書をデータ化し、全文検索や契約期限のアラートで管理できるサービスであれば、過去の大部の契約と新しい契約を同じ画面で確認できるようになります。その一例が、Contract Oneです。導入時には業務フローの見直しが必要になる場合がある点に注意してください。

Sansan株式会社

Contract One

Contract One
出典:contract-one.com

Sansan株式会社

Contract One

全社の取引情報を正確に管理・活用したい方におすすめ

GOOD

ここがおすすめ!

  • あらゆる契約書を正確にデータ化し、AIで扱いやすいデータベースを構築
  • Contract One内で生成AIを活用することで、法務部門に限らず全社での契約データの活用を促し、さまざまな部門の課題を解決
  • 法改正への対応をサポート
MORE

ここが少し気になる…

  • 導入時、業務フローの見直しが必要な場合も

また、金融機関や大企業との取引では、電子契約に切り替えようとしたときに、相手方の法務部門や情報システム部門からサービスの安全性について確認を求められることがあります。セキュリティチェックシートへの回答や導入実績の提示が必要になる場合も少なくありません。そうした説明材料を重視する場合の一例が、SMBCクラウドサインです。弁護士の監修を受けて日本の法律に特化して設計され、メガバンクのセキュリティ基準でモニタリングされています。フォルダ管理の自由度が低いという評価もあるため、管理方法は資料で確認しておくと安心です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

SMBCクラウドサイン株式会社

SMBCクラウドサイン

SMBCクラウドサイン
出典:www.smbc-cloudsign.co.jp

SMBCクラウドサイン株式会社

SMBCクラウドサイン

リスク管理を徹底したい方向け

GOOD

ここがおすすめ!

  • AI契約書管理機能搭載
  • メガバンクの厳格なセキュリティ基準が採用されている
MORE

ここが少し気になる…

  • フォルダ管理の自由度が低い

導入事例(要約):IT企業のアシアル株式会社では、セキュリティやコンプライアンスを重視する大企業の取引先が多い中、銀行での導入実績を説明材料に電子化を進め、郵送で2-3週間かかっていた海外の取引先との締結がその日のうちに完了するようになったと紹介されています。

出典:SMBCクラウドサイン「アシアル株式会社の導入事例」2026年10月14日確認
5サービスの役割を比較表で見る

電子契約における契印・割印の位置づけ|電子署名とタイムスタンプ

電子契約では、契印や割印は押しません。その代わりに、電子署名で「誰が作成したか」を、タイムスタンプで「いつ存在し、その後改ざんされていないか」を示します。紙の契印が担っていたページの一体性の証明は、文書全体を1つの電子ファイルとして署名することで置き換えられます。

紙の契約書では、ページを1枚抜いて差し替えると、契印の印影がずれたり欠けたりすることで改ざんを発見できる仕組みでした。電子署名は、ファイルの内容から計算した値をもとに署名するため、1文字でも書き換えれば署名の検証に失敗します。ページ単位ではなく文書全体の一体性を、より細かい単位で確認できるのが特徴です。電子署名法第3条は、本人による一定の電子署名が行われている電磁的記録は真正に成立したものと推定すると定めています(出典:e-Gov法令検索「電子署名及び認証業務に関する法律」第3条、2026年10月14日確認)。法務省も電子署名法の概要と認定制度について解説しており、電子署名が手書きの署名や押印と同じように通用する法的基盤が整えられています(出典:法務省「電子署名法の概要と認定制度について」2026年10月14日確認)。紙の私文書についても、民事訴訟法第228条第4項が、本人またはその代理人の署名または押印があるときは真正に成立したものと推定すると定めており、電子署名法第3条はこれに対応する規定と位置づけられます(出典:e-Gov法令検索「民事訴訟法」第228条、2026年10月14日確認)。

確認したいこと紙の契約書電子契約
誰が作成・合意したか署名・記名押印電子署名
ページが一体であるか契印文書全体への電子署名(改変があれば検証で判明)
複数通が一組であるか割印同一ファイルを双方が保管するため不要
いつ存在したか契約書の日付欄タイムスタンプ
収入印紙課税文書なら必要電磁的記録は文書に含まれないため課税されない

表の最後の行にあるとおり、電子契約では印紙税も課税されません。国税庁の質疑応答事例では、電子署名を付した電磁的記録を電子メールで送信した場合について、電磁的記録は文書に含まれないため印紙税は課税されないと回答しています(出典:国税庁「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」2026年10月14日確認)。契約書の種類ごとの印紙税額は契約書の収入印紙の金額一覧|号数別の税額と電子契約で不要になる理由で整理しています。

電子契約に切り替えるときに見落としやすいのが、契約の締結後の流れです。紙の契約書では、契印を押して保管した後、経理担当者が契約書を見ながら請求や支払の予定を登録し、人事担当者が雇用契約の内容を給与計算に反映する、といった転記作業が発生していました。契印がなくなっても、この転記が手作業のままでは、契約業務全体の効率化は半分にとどまります。法務相談から作成・承認・締結・保存までを一元化し、会計や人事のサービスと契約データをつなげられるサービスであれば、締結した内容をそのまま後続のバックオフィス業務に活用しやすくなります。その一例が、マネーフォワード クラウド契約です。紙の契約書や他のサービスで結んだ契約書もまとめて管理できるため、移行期間中の管理も一本化できます。

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウド契約

マネーフォワード クラウド契約
出典:biz.moneyforward.com

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウド契約

電子契約書の送付料が従量課金制でないサービスをお探しの方

全体評価
3.8 (8件)

実際に使ってみたレビューはこちら

【正直レビュー】『マネーフォワードクラウド契約』のメリットや機能は?実際に導入してわかったリアルな感想【使い方解説】

数ある電子契約システム、どのサービスを使ったら良いかわからないと言う方も多くいると思います。そこで今回は、電子契約システム利用経験ゼロの筆者が、マネーフォワードクラウド契約の無料登録から初回契約締結までの流れを実況形式でお伝えします。

GOOD

ここがおすすめ!

  • 契約書の作成、申請・承認、締結、保存、管理までマネーフォワード クラウド契約ひとつで完結
  • 契約書送信料・契約書保管料は0円だから契約書が増えても追加課金なし!
MORE

ここが少し気になる…

  • ハンコの印影にもう少し工夫ができると良い
評価・口コミ(一部抜粋)
3.8
  • 雛形利用により簡単に契約書フォームを作成する事が可能になった。 契約相手とも対面でなくインターネットを使ったワークフローで契約する事が可能となった。 対面では無い為、商談日時のネゴ取り等も不要になった。 契約書をペーパレスで管理する為、契約書管理が楽になった。

  • 契約書を印刷して捺印してスキャンしてメールに添付して送付…という一連の手間を大幅削減できたこと。

  • 過去の給与明細がしっかり確認できます。開けば通勤手当などよくある手当だけでなく、様々な項目を自由に記載できるようでより企業それぞれに対応していると思われます。見る側も分かりやすいです。

導入事例(要約):株式会社第一住建ホールディングスでは、支店の契約書を本社へ郵送して押印する流れや、役員の予定に合わせた押印依頼が課題でしたが、オンラインで完結するワークフローを構築し、役員の出張中でも契約業務を進められるようになったと紹介されています。

出典:マネーフォワード クラウド契約「株式会社第一住建ホールディングスの導入事例」2026年10月14日確認

押印文化から電子契約への移行の進め方は、脱ハンコDXの進め方|捺印・押印業務を電子化する実務ガイドでも整理しています。電子契約で締結した契約書は、電子帳簿保存法に沿って電子データのまま保存する必要があります。保存の要件が定められているため、導入するサービスが対応しているかも確認しておきましょう(出典:国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」2026年10月14日確認)。

保存した契約書を後から探す場面では、電子契約に切り替える前に紙で結んだ契約書が別の場所に残っていると、更新時期や条件を確かめるたびに紙と画面の両方を探すことになります。過去の紙の契約書のデータ化まで含めて検討しておくと、新旧の契約を同じ基準で管理できます。

Contract One

電子化の前に結んだ紙の契約書が、キャビネットに残ったままになっていませんか?

こんな会社に向いています

紙・PDF・電子の契約書をまとめて管理したい会社

契約期限の管理を担当者の記憶に頼っている会社

Contract Oneの資料を無料で見る
5サービスの役割を比較表で見る

契印作業の時間・ミスコストを数値で確認する

契印の負担は、契約書の件数、見開きの数、作成通数、当事者数を掛け合わせた回数で積み上がるため、自社の数字で試算すると電子化の判断材料になります。1回の押印は数秒でも、確認や押し直しを含めると、年間では想像以上の時間になることがあります。

下のシミュレーターでは、自社側で押す契印の回数と作業時間の目安を試算できます。1箇所あたりの時間には、印鑑を押す時間だけでなく、位置合わせやかすれの確認、押し直しの時間も含めて入力してください。袋とじで表紙1箇所に押す運用なら、平均ページ数を2ページとして入力すると近い値になります。

簡易シミュレーター:自社で押す契印の回数と作業時間(年間)

自社で押す契印は年間で約3,360回、作業時間は約14.0時間です。相手方の押印、割印、郵送の往復、押し忘れによる再送の時間は含んでいません(簡易計算のため、実際の時間は契約書の綴じ方や社内の運用により異なります)。

試算してみると、月に数件程度の契約であれば、契印の作業時間そのものはそれほど大きくありません。その場合、電子化の判断材料は作業時間よりも、郵送の往復で締結までにかかる日数や、収入印紙の費用、保管と検索の手間になることが多いでしょう。反対に、不動産や建設業のように1件あたりのページ数が多く件数も多い企業では、自社の契印だけで年間数十時間に達することがあり、相手方の押印や押し忘れによる再送まで含めると、負担はさらに大きくなります。まずは自社の数字で試算し、どの程度の時間と手間を契印に使っているかを把握することが、電子化を検討する出発点になります。

マネーフォワード クラウド契約

契約書の締結から保存、後続の業務までをつなげたい会社に

マネーフォワード クラウド契約の資料を無料でダウンロードできます

無料・30秒で完了 資料を無料ダウンロード

よくある質問(FAQ)

Q1. 契印とは何ですか?

A. 複数ページにわたる契約書が1つの連続した文書であることを示すために、ページのつなぎ目(つづり目)にまたがって押す印です。ページの抜き取りや差し替えを防ぎ、紛争時に文書の一体性を示す役割があります。

Q2. 契印は誰が、どこまで押せばよいですか?

A. ホチキス留めの契約書なら、すべての見開きのつなぎ目に、印影が左右のページに半分ずつかかるように押します。製本テープで袋とじにした契約書なら、表紙または裏表紙の製本テープと紙の境目に1箇所押せば足ります。契約書に署名押印した当事者全員が、署名押印と同じ印鑑で押すのが基本です。

Q3. 契印と割印の違いは何ですか?

A. 契印は1通の文書の中でページが連続していることを示す印で、割印は正本と副本など別々の文書が一組であることを示す印です。複数ページの契約書を2通作る場合は、それぞれに契印を押したうえで、2通の間に割印を押すのが一般的です。

Q4. 契印は必須ですか?押し忘れや失敗をしたらどうなりますか?

A. 私人間の契約に契印を義務づける法令はなく、契印がないことだけを理由に契約が無効になるわけではありません。1枚で完結する契約書や電子契約では契印は不要です。かすれやずれが出たときは、上から重ねずに近くの別の位置へ押し直すのが一般的で、押し忘れに気づいたら当事者双方で押し直すのが安全です。

Q5. 契印にはどの印鑑を使えばよいですか?シャチハタでも押せますか?

A. 契約書の署名欄に押したものと同じ印鑑を使うのが基本です。会社の場合、署名欄が代表者印なら契印も代表者印でそろえます。シャチハタなどのインク浸透印は、印面の変形やインクの劣化が起こりやすく、契約書では使用できない場合が一般的とされるため、朱肉を使う印鑑でそろえるのが無難です。

Q6. 電子契約では契印は必要ですか?

A. 必要ありません。電子契約では契約書全体を1つの電子ファイルとして電子署名とタイムスタンプを付けるため、内容が1文字でも変更されれば検証で判明します。紙の契印が担っていたページの一体性の証明は、電子署名によって置き換えられます。印紙税も課税されません。

まとめ|契印は正しく押し、件数が多いなら作業そのものを見直す

契印は、複数ページの契約書の一体性を示すための実務上の慣行です。押し方そのものは難しくありませんが、ページ数・作成通数・当事者数が増えるほど、押す回数も押し忘れのリスクも積み上がります。最後に、この記事のポイントを整理します。

  1. 押し方を綴じ方でそろえる:ホチキス留めなら全見開き、袋とじなら表紙または裏表紙の境目に、署名押印と同じ印鑑で当事者全員が押します。
  2. 契印と割印を使い分ける:契印は1通の中のページの連続性、割印は複数通が一組であることを示します。2通作るなら両方必要です。
  3. 失敗したときの直し方を決めておく:かすれやずれは重ねずに近くへ押し直し、押し直し方は相手方と事前にそろえます。
  4. 契印が要らない場面を見極める:1枚で完結する契約書や電子契約では契印は不要です。登記申請など法令で求められる書類は紙で押します。
  5. 自社の数字で試算し、電子契約の資料を取り寄せて比べる:契印の回数と時間、郵送や印紙の負担を試算し、電子署名とタイムスタンプで一体性を担保する電子契約サービスの資料を取り寄せて、自社の契約に合うか比べます。

契印を正しく押す知識は、紙の契約書が残る限り必要です。一方で、件数やページ数が多い企業ほど、押し方を工夫するだけでは限界があります。押す作業そのものをなくす選択肢もあわせて持っておくことで、契約業務の手間とリスクを継続的に減らしていけます。

参考文献

同じカテゴリの記事を探す

同じタグの記事を探す

同じタグの記事はありません

top