遠隔操作とは?仕組み・種類・費用相場と安全に使うための注意点

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  • 遠隔操作の意味と仕組み、種類がわかる
  • スマホの遠隔操作と遠隔サポートの手順がわかる
  • サポート詐欺などの悪用への対策がわかる

遠隔操作とは、ネットワークを通じて、離れた場所にあるパソコンやスマートフォン、サーバー、設備を手元の端末から操作することです。リモートコントロールとも呼ばれ、テレワークで会社のパソコンを自宅から使う、情シス担当者が社員の端末を遠隔でサポートする、紛失したスマートフォンをロックする、クラウド上のサーバーを離れた場所から監視・運用するといった場面で使われています。便利な一方で、同じ仕組みがサポート詐欺などに悪用されることもあり、企業として使う際は「何を、誰が、どう管理するか」を決めておくことが欠かせません。この記事では、遠隔操作の意味と仕組み、種類、スマートフォンの遠隔操作、遠隔サポートの手順、費用の考え方、セキュリティ上の注意点を順に解説します。

遠隔操作の運用で、まず確認したいことを診断

Q1. 遠隔操作で動かしたい対象は、どちらが中心ですか?

目次

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  1. 遠隔操作とは|離れた場所からデバイスを操作する仕組み
  2. 遠隔操作の接続方法と認証
  3. 遠隔操作の主な種類
  4. スマートフォンの遠隔操作でできること(iPhone・Android)
  5. 遠隔操作の活用シーン
  6. 遠隔サポートの進め方とツールを選ぶときの比較点
  7. サーバー・クラウドの遠隔運用を外部に任せる前に確認すること
  8. 遠隔操作ツールの費用相場
  9. 遠隔操作のメリット・デメリットとツールの選び方
  10. 遠隔操作のセキュリティ上の注意点
  11. よくある質問(FAQ)
  12. まとめ
  13. 参考文献

遠隔操作とは|離れた場所からデバイスを操作する仕組み

遠隔操作とは、ネットワークを通じて離れた場所にある機器を、手元の端末の画面やキーボード、マウスで操作することです。

操作する側の端末(クライアント)と操作される側の端末(ホスト)をつなぎ、ホストの画面の映像をクライアントに送り、クライアントでの入力をホストに送り返します。ファイルやアプリケーションそのものはホスト側で動き続けます。

遠隔操作の対象はパソコンだけではない

遠隔操作の対象は、社員のパソコンやスマートフォンのほか、サーバー、クラウド上の業務システム、店舗や工場の設備まで広がっています。パソコンやスマートフォンは画面を見ながら操作しますが、サーバーやクラウドは、障害の監視や設定変更を担当者が離れた場所から行うのが基本です。

クラウドの例では、業務システムや、リモートデスクトップ用の仮想デスクトップ(Amazon WorkSpacesなど)をAWS上で動かす会社があります。この場合、遠隔操作を安全に続けられるかは端末の管理だけでなく、夜間・休日の障害をだれが見るか、AWSの利用料をどう支払うかといった運用面にも左右されます。外部サービスの一例を、役割の違いで比べると次のとおりです。

AWSで業務システムを動かす会社向け:運用と支払いの役割の違い

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注意したい点 障害発生時の一次対応は手順書に沿った復旧になる。自社の要件に合わせるにはオプションが必要 監視や運用のサービスを使いたい場合は有料オプションになる
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GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社

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2つのサービスは役割が異なり、運用と支払いのどちらに課題があるかで必要なものが変わります。どちらも遠隔操作そのものではなく、AWS上の環境を遠隔で運用する場合の選択肢です。パソコンやスマートフォンの遠隔サポートだけが目的であれば、次の章からの解説で足ります。

遠隔操作の接続方法と認証

遠隔操作の接続方法は、VPNなどで社内ネットワークに入る直接接続型と、提供会社のサーバーを経由する中継サーバー型の2つに大きく分かれます。

接続の方法 仕組み 特徴
直接接続型 VPNなどで社内ネットワークに入り、ホストへ直接つなぐ Windowsのリモートデスクトップなど標準機能で使えるが、ネットワークの設定や管理が必要
中継サーバー型 提供会社のサーバーを経由して、クライアントとホストをつなぐ ファイアウォールの設定を大きく変えずに使いやすい。多くの遠隔サポートツールがこの方式

どちらの方式でも、ホスト側の端末は電源が入り、ネットワークにつながっている必要があります。また、接続の際には、IDとパスワード、ワンタイムの接続コード、多要素認証などで「操作してよい相手かどうか」を確認するのが一般的です。遠隔操作の安全性は、この認証と、接続の記録をどれだけしっかり管理できるかに大きく左右されます。

遠隔操作の主な種類

遠隔操作の主な種類は、リモートデスクトップ、仮想デスクトップ(VDI)、遠隔サポート、端末管理、IoT機器・設備の遠隔操作、サーバー・クラウドの遠隔運用の6つです。誰が、何のために、どの機器を操作するかによって分かれます。

種類 操作する人と対象 主な用途
リモートデスクトップ 社員本人が、会社にある自分のパソコンを操作 テレワーク、出張先からの社内システム利用
仮想デスクトップ(VDI) 社員が、サーバー上の仮想パソコンを操作 端末にデータを残さない働き方、多人数の環境の一括管理
遠隔サポート(リモートサポート) 情シスやサポート担当者が、社員や顧客のパソコンやスマートフォンを操作 ヘルプデスク対応、設定作業の代行、顧客サポート
端末管理(MDM・IT資産管理) 管理者が、社内の多数の端末をまとめて操作 設定の一斉配布、紛失時のロックやデータ消去、利用状況の把握
IoT機器・設備の遠隔操作 担当者が、空調・照明・生産設備・建設機械などを操作 店舗や工場の設備管理、危険な現場での作業の省人化
サーバー・クラウドの遠隔運用 運用担当者が、サーバーやクラウド上のシステムを監視・操作 業務システムの保守、障害の検知と復旧、設定変更

このうち、情シス担当者の関心が高いのは遠隔サポートと端末管理です。社員のパソコンを1台ずつ遠隔サポートするだけなら専用のサポートツールで足りますが、台数が増えてくると「どのパソコンにどのソフトが入っているか」「更新プログラムが適用されているか」といった管理の問題が必ず出てきます。そのため、遠隔操作の機能を端末管理ツールの一部として導入する企業も少なくありません。

遠隔操作と、遠隔監視・遠隔サポートといった言葉の違いは、遠隔とは?遠隔操作・遠隔監視・遠隔サポートの違いと選び方を徹底解説で整理しています。リモートデスクトップの接続方式や設定の詳細は別の記事で扱っているため、ここでは種類の違いを押さえておけば十分です。

スマートフォンの遠隔操作でできること(iPhone・Android)

スマートフォンの遠隔操作には、OS標準の機能で紛失した端末を探す・ロックする・消去する方法と、画面共有ツールで遠隔サポートする方法の2種類があります。

紛失した端末をOS標準の機能で操作する

iPhoneはAppleの「探す」、AndroidはGoogleのFind Hubを使うと、別の端末やパソコンのブラウザから、紛失したスマートフォンを遠隔で操作できます。できることは次のとおりです。

できること iPhone(「探す」) Android(Find Hub)
位置の確認 別のApple製デバイスの「探す」アプリやiCloud.comの「デバイスを探す」で、地図上に表示する android.com/findやFind Hubアプリに同じGoogleアカウントでログインし、位置を特定する
音を鳴らす 近くにある場合に「サウンドを再生」で音を鳴らす 着信音を鳴らす
ロック 「紛失モード」でパスコードかApple Accountのパスワードによるロックをかけ、連絡先を表示することもできる 端末を保護(ロック)する。リモートでのロックには2段階認証の有効化が前提
データの消去 「消去」を選ぶ。元に戻せず、Apple Accountの2ファクタ認証が必要 データを消去する。リモートでの消去には2段階認証の有効化が前提
事前に必要なこと 対象のiPhoneで「探す」を使える状態にしておく Googleアカウントへのログイン、位置情報の有効化、Find Hubで「デバイスの場所の特定を許可」をオンにする

社用のスマートフォンで位置の確認を使う場合は、従業員のプライバシーに関わるため、利用する目的と範囲を社内ルールで決めておきます。データの消去は元に戻せないため、紛失に備えた定期的なバックアップも欠かせません。手順の詳細は、Appleの公式ヘルプとGoogleの公式ヘルプで確認できます。

社員のスマートフォンを画面共有で遠隔サポートする

設定の案内や操作の手伝いといった遠隔サポートは、OS標準の紛失対策ではできません。画面共有ツールには、通話アプリの標準の画面共有、Web会議ツール、リモートサポート専用ツールといった種類があり、選ぶときはiPhoneとAndroidの両方に対応しているか、相手が簡単につなげるか、サポートに必要な機能がそろっているかを見ます。携帯電話会社の遠隔サポートサービスの案内でも、iPhoneやiPadは画面共有による案内が中心で、操作の代行ができるのはAndroid端末の一部とされています。

遠隔操作の活用シーン

遠隔操作が役立つ場面を、社内の立場ごとに見ていきます。

テレワークで社内のパソコンや業務システムを使う

自宅や外出先から会社のパソコンを遠隔操作すれば、社内にしか置けない業務システムやファイルを、データを持ち出さずに使えます。手元の端末には画面の映像だけが届くため、ノートパソコンを紛失した場合でも情報が漏れにくいという利点があります。

情シスが社員のパソコンを遠隔でサポートする

「プリンターがつながらない」「メールの設定がわからない」といった問い合わせに、電話で口頭説明を繰り返すのは時間がかかります。遠隔サポートなら、担当者が社員の画面を見ながら直接設定でき、拠点や在宅の社員にも同じ品質で対応できます。移動時間がなくなるため、少人数の情シスや、総務がIT担当を兼ねている企業ほど効果が出やすい使い方です。

多数の端末の設定や更新をまとめて行う

端末管理ツールを使えば、ソフトウェアの配布や更新プログラムの適用、セキュリティ設定の変更を、社内のパソコンやスマートフォンにまとめて反映できます。紛失したスマートフォンを遠隔でロックしたり、データを消去したりできるのも、この種類の遠隔操作です。

サーバーやクラウドを離れた場所から運用する

サーバーの稼働状況を監視し、障害が起きたら離れた場所から原因を調べて復旧させる使い方です。夜間・休日も止められないシステムでは監視を24時間体制で回す必要があり、自社の担当者だけでは人手が足りなくなりがちです。詳しくは、後の章で確認項目を整理します。

店舗や工場の設備を離れた場所から動かす

空調や照明の遠隔制御で複数店舗の電気代を管理したり、工場の設備の稼働状況を確認して止めたりといった使い方も広がっています。建設現場では、危険な場所での重機の操作を離れた場所から行う取り組みも進んでいます。

こうした活用シーンはどれも、「社内のIT機器をまとめて把握し、離れた場所から手を打てる状態をつくる」ことが目的です。遠隔操作を個別のツールで場当たり的に増やしていくと、ツールごとにアカウントや接続の記録が分かれ、かえって管理しにくくなります。サポート、端末の台帳管理、更新の配布をひとつの仕組みにまとめられるかどうかという視点で、ツールを比べておくと安心です。

遠隔サポートの進め方とツールを選ぶときの比較点

遠隔サポートは、接続コードの発行、相手の同意、画面共有や操作、接続の解除の順で進めます。

  1. サポートする側が、接続用のページと接続コードを発行する。
  2. サポートを受ける側が、ブラウザでページを開くか、アプリをインストールして、接続コードを入力する。
  3. 相手の同意を確認する。ツールによっては、接続時に同意書が自動で表示される。
  4. 画面共有で状況を確認し、必要に応じて相手の端末を直接操作する。作業中は、相手が画面から目を離さず、操作内容を確認できるようにする。
  5. 作業が終わったら接続を切り、不要になった遠隔操作ソフトをアンインストールする。

サポート詐欺では、この手順の「相手の同意」と「アンインストール」が省かれ、遠隔操作ソフトを入れさせられたまま放置されます。IPAも、遠隔サポートを受ける前に担当者の企業名や作業の目的を確認し、作業後はソフトを確実に削除するよう案内しています。

遠隔サポートツールを選ぶときは、次の点を比べると違いがわかりやすくなります。

比べる点 確認すること 向いているケース
直接操作への対応 画面共有で指示を出すだけか、相手の端末を直接操作できるか 設定の代行や専門的な作業が多い場合は、直接操作に対応したものが向く
インストール不要のWeb画面共有 相手がブラウザだけで接続できるか 相手にITの知識がなく、事前の準備を頼みにくい場合
対応する端末 パソコン、スマートフォン、タブレットのどれに対応するか 社内にWindows、Mac、iPhone、Androidが混在している場合
個人情報の保護 画面に映る個人情報を隠すマスキングや、接続ログ・録画の機能があるか 顧客の画面を見る機会が多い場合、操作の記録を残したい場合
カメラ映像の共有 カメラで撮影した現物を見ながら案内できるか 家電や機械など、現物を見ながらのサポートが多い場合

サーバー・クラウドの遠隔運用を外部に任せる前に確認すること

サーバーやクラウドの遠隔運用は、監視体制、障害の一次対応の手順、権限管理、支払い方法の4点を決めておくと、外部に任せる範囲を判断しやすくなります。

確認する点 見るポイント 自社だけで持つ場合の負担
監視体制 夜間・休日を含めて、だれがどの監視ツールで見るか 24時間見るには、交代で対応できる人数が必要
障害の一次対応 検知から復旧までの手順書があり、判断できる人がいるか 担当者の経験に頼りやすく、休暇や退職で対応が止まる
権限と記録 だれがどのサーバーに入れるか、操作の記録を残しているか 退職・異動時の権限の削除漏れ
支払い方法 クラウド利用料の支払い方法(外貨建てか円建てか)と、請求書の処理 海外の事業者への支払いでは、為替の計算や送金の処理が発生することがある

システムを止めない仕組みを考えるなら、障害が起きても動き続けるようにする冗長化もあわせて検討対象です。仕組みと種類は、冗長化とは?仕組み・種類・費用の考え方とBCPとの関係をわかりやすく解説で解説しています。

自社の担当者だけで夜間・休日の監視を回すのが難しい場合は、運用代行を使う選択肢があります。そのときは、一次対応がどこまで含まれるか、自社の要件に合わせた対応を追加できるかを確認します。ここまでの確認項目を、自社の状況に当てはめてみましょう。

サーバー・クラウドの遠隔運用、今の体制で足りる?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

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遠隔操作ツールの費用相場

遠隔操作ツールの費用は、無料で使えるものから、法人向けに月額や年額で契約するものまで幅があります。金額そのものより先に、何に対して料金がかかるのかを押さえておくと、比較がしやすくなります。

料金の決まり方 内容 向いているケース
無料(OS標準・個人向け無料版) Windowsのリモートデスクトップや、無料の遠隔操作ソフトを使う 試験的な利用。商用利用の可否や管理機能の有無は要確認
ユーザー(操作する人)単位 操作する担当者の人数で月額や年額が決まる 少人数の情シスが多くの端末をサポートする
端末(操作される側)単位 接続先として登録する端末の台数で決まる テレワークで社員ごとに社内のパソコンへ接続する
同時接続数単位 同時に接続できる数で決まる サポート窓口で同時に対応する件数が限られている
端末管理ツールに含まれる 管理する端末の台数に応じた料金に、遠隔操作機能が含まれる、またはオプションで追加する 端末の台帳管理や更新の配布もあわせて行いたい
サーバー・クラウドの運用代行 監視する範囲や障害対応の範囲、利用量などに応じて決まる 夜間・休日の監視を外部に任せたい

法人向けの遠隔操作ツールや端末管理ツールは、料金を公式サイトで公開しているものと、問い合わせで案内しているものがあり、同時接続数や管理機能によって金額が変わります。いずれも料金は改定されることがあるため、契約前に各社の公式サイトや資料で最新の条件を確かめてください。

費用の比較で見落としやすいのは、ツールの重複です。すでに端末管理ツールを契約していて、その中に遠隔操作機能が含まれているのに、別途遠隔サポートツールを契約しているケースは珍しくありません。反対に、無料の遠隔操作ソフトを社員が個別に入れていると、費用はかからなくても、誰がどこに接続しているかを会社が把握できなくなります。料金だけでなく、管理の手間とリスクまで含めて総額で考えることが大切です。

遠隔操作のメリット・デメリットとツールの選び方

遠隔操作は移動の手間を減らせる一方で、ネットワークや接続先の機器の状態に左右されるという弱点もあります。導入前に、メリットとデメリットを並べて確認しておきましょう。

観点 メリット デメリットと対処
時間とコスト 出社や現地訪問が不要になり、移動時間と交通費を減らせる ツールの利用料がかかる。既存ツールとの重複を確認して総額で判断する
情報の管理 データを社内の端末に置いたまま作業でき、手元の端末に残りにくい 接続口が狙われると乗っ取りにつながる。認証と接続記録の管理が前提になる
接続先の状態 手元の端末の性能が低くても、社内の端末の性能で作業できる 接続先の電源が切れていると使えない。電源を遠隔で入れる機能(Wake on LAN)などで備える
通信の品質 インターネット環境があれば場所を選ばず作業できる 回線が遅いと画面の表示や操作が遅れる。設備の遠隔操作では、通信が途切れたときに安全に停止する仕組み(フェールセーフ)も必要

ツールを選ぶ際は、次の4つの観点で比べると判断しやすくなります。1つ目はセキュリティで、通信の暗号化、多要素認証、接続記録の保存に対応しているかを確認します。2つ目は操作と管理のしやすさで、ITに詳しくない社員でも迷わず使えるか、WindowsやMac、スマートフォンなど社内の端末に対応しているかを見ます。3つ目は用途との相性で、テレワーク用か遠隔サポート用か、同時に何台接続する必要があるかを整理します。4つ目は費用で、前の章で見た料金の決まり方と、端末管理ツールとの重複を確認します。無料の試用期間があるツールなら、実際の回線と端末で表示の速さも確かめておくと安心です。

遠隔操作のセキュリティ上の注意点

遠隔操作は、正しく使えば便利な仕組みですが、第三者に接続されると、パソコンをそのまま乗っ取られるのと同じ状態になります。企業が注意すべきリスクと対策を整理します。

サポート詐欺で遠隔操作ソフトを入れさせられる

近年特に注意したいのが、偽のセキュリティ警告を使ったサポート詐欺です。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)によると、インターネットを閲覧中に偽の警告画面が突然表示され、画面に書かれた電話番号に連絡させる手口が広がっています。電話の相手はサポート担当者を装って遠隔操作ソフトのインストールなどを指示し、有償のサポート契約や有償ソフトの購入に誘導します。IPAは、警告画面が表示されただけならウイルスに感染したわけではなく、画面を閉じれば問題ないと案内しています。社員には「画面に表示された電話番号には電話しない」「社外の人の指示で遠隔操作ソフトを入れない」ことを周知し、万一操作を許してしまった場合にすぐ情シスへ連絡する窓口を決めておきましょう。

遠隔操作されたパソコンやスマートフォンはどうなるのか

IPAは、遠隔操作を許してしまうと、不審なソフトを入れられる、データを消去される、メールや写真、購入履歴などの個人情報を見られるおそれがあると説明しています。契約を断るとパソコンをロックするといった悪質な例も確認されているとのことです。操作内容に不審な点があれば、無線LANをオフにする、LANケーブルを抜く、ルータの電源を切るなどでネットワークから切り離して遠隔操作を止め、不安が残る場合はIPAの情報セキュリティ安心相談窓口に相談します。端末の種類を問わず、まず通信を止めて被害の拡大を防ぐことが先決です。

マルウェアや不正アクセスによる乗っ取り

遠隔操作を目的としたマルウェアに感染したり、リモートデスクトップの接続口が推測しやすいパスワードのままインターネットに公開されていたりすると、第三者に端末を操作され、情報の持ち出しやランサムウェアの被害につながるおそれがあります。総務省の「テレワークセキュリティガイドライン」でも、テレワークの方式ごとに必要な対策が整理されています。

企業として決めておきたい対策

  • 会社が認めた遠隔操作ツールだけを使い、社員が個別に無料ソフトを入れることを禁止する
  • 接続には多要素認証を設定し、推測されにくいパスワードを使う
  • OSや遠隔操作ツールの更新プログラムを速やかに適用する
  • 誰が、いつ、どの端末に接続したかの記録を残し、定期的に確認する
  • 退職や異動の際に、遠隔操作の権限を確実に削除する

これらの対策は、1台ずつ手作業で確認していると抜け漏れが出やすくなります。IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」も参考にしながら、端末と権限をまとめて管理できる体制を整えておくことが、遠隔操作を安全に使い続けるための土台になります。

サーバーやクラウドについては、障害や不審な動きへの一次対応が遅れると被害が広がるため、夜間・休日の監視体制も対策の一部です。自社の担当者だけで24時間の監視を回すのが難しい場合は、監視と障害対応を外部に任せる選択肢があります。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 遠隔操作とはどういう意味ですか?

A. ネットワークを通じて、離れた場所にあるパソコンやスマートフォン、サーバー、設備を手元の端末から操作することです。リモートデスクトップは遠隔操作の種類の1つで、ほかにも情シスが社員の端末を支援する遠隔サポート、多数の端末をまとめて管理する端末管理、サーバーやクラウドの遠隔運用などが含まれます。

Q2. スマホで遠隔操作するにはどうすればいいですか?

A. 紛失した端末を操作する場合は、iPhoneならAppleの「探す」、AndroidならGoogleのFind Hubで、位置の確認、音を鳴らす、ロック、データの消去ができます。社員のスマートフォンの設定を手伝うような遠隔サポートは、画面共有ツールを使います。

Q3. 遠隔操作されたスマホやパソコンはどうなりますか?

A. IPAによると、不審なソフトを入れられる、データを消去される、メールや写真、購入履歴などの個人情報を見られるおそれがあります。不審な操作に気づいたら、無線LANをオフにするなどネットワークから切り離して遠隔操作を止め、社内の情シスやIPAの情報セキュリティ安心相談窓口に連絡してください。

Q4. 遠隔操作は無料でもできますか?

A. Windowsのリモートデスクトップや無料の遠隔操作ソフトを使えば可能です。ただし、商用利用の可否や、接続の記録、権限管理などの機能に制限がある場合が多いため、企業で使う場合は法人向けのツールも比較することをおすすめします。

Q5. サーバーやクラウドの遠隔運用は外部に任せられますか?

A. 任せられます。AWSの運用保守や監視・障害対応を代行するサービスがあり、24時間365日の有人監視体制を備えたものもあります。任せる範囲として、監視、一次対応の手順、権限管理、支払い方法を先に整理し、一次対応がどこまで含まれるかを確認してください。

Q6. 遠隔操作を安全に使うために最低限必要な対策は何ですか?

A. 会社が認めたツールだけを使うこと、多要素認証の設定、OSやツールの更新、接続記録の確認、退職時の権限削除の5点が基本です。あわせて、サポート詐欺の手口を社員に周知しておくと被害を防ぎやすくなります。

まとめ

遠隔操作は、ネットワークを通じて離れた場所のパソコンや機器を操作する仕組みで、テレワーク、社内のヘルプデスク、端末の一括管理、サーバーの運用、設備の制御など幅広い場面で使われています。企業で導入する際は、次の4点を押さえると進めやすくなります。

  1. 「誰が、何のために、どの機器を操作するか」から、リモートデスクトップ、遠隔サポート、端末管理、サーバー・クラウドの遠隔運用などの種類を選ぶ。
  2. ユーザー単位、端末単位、同時接続数単位といった料金の決まり方を確認し、既存ツールとの重複も含めて総額で比べる。
  3. 会社が認めたツールに限定し、認証と接続記録を管理したうえで、サポート詐欺の手口を社員に周知する。
  4. サーバーやクラウドの遠隔運用で、夜間・休日の監視や支払いの処理に負担がある場合は、運用代行や請求代行などの資料を取り寄せ、任せる範囲を比べる。

参考文献

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