収入印紙の種類一覧|全31種類の金額と文書別の必要額・買い方を解説

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  • 収入印紙の額面31種類と、印紙が必要な課税文書20種類の違いがわかる
  • 契約書・領収書など文書別の必要額と、券種の組み合わせ方がわかる
  • 購入場所・消印のルール・よくある失敗と、電子契約で印紙が不要になる理由がわかる

収入印紙の「種類」を調べると、「全31種類」と書かれた記事と「20種類」と書かれた記事の両方が見つかり、どちらが正しいのか迷うことがあります。実はどちらも正しく、31種類は窓口で買える印紙そのものの額面(券種)の数、20種類は印紙を貼る必要がある文書(課税文書)の分類の数です。この記事では、この2つの「種類」を分けて整理したうえで、文書別の必要額、必要額に対してどの券種を何枚買えばよいかの組み合わせ、購入場所、貼り方と消印、よくある失敗までを順に解説します。あわせて、そもそも印紙が要らない文書や、電子契約にすると印紙税がかからない理由も取り上げます。税額や制度の記述は国税庁の公表資料に基づく一般的な情報であり、個別の文書の判断は税務署や税理士などの専門家にご確認ください。

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Q1. 収入印紙で、いま一番困っていることはどれですか?

目次

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  1. 収入印紙の前に知っておきたい|電子契約なら印紙は不要
  2. 収入印紙とは|「種類」には2つの意味がある
  3. 収入印紙の種類一覧(全31種類・金額別)
  4. 文書別に見る収入印紙の必要額(契約書・領収書など)
  5. 収入印紙の購入場所・貼り方・消印のルール
  6. 収入印紙でよくある失敗パターン4つ
  7. 印紙税の負担を減らす具体的な方法
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ
  10. 参考文献

収入印紙の前に知っておきたい|電子契約なら印紙は不要

収入印紙の種類を調べる前に、1つ押さえておきたい前提があります。印紙税がかかるのは、紙で作成した文書だけだという点です。国税庁は、注文請書の内容を電子メールで送信した場合の取扱いについて、印紙税の課税対象は文書であり、電磁的記録は文書に含まれないため課税されないと回答しています。同じ内容の契約でも、紙で交わせば印紙が必要になり、電子契約で交わせば不要になる、という違いが生まれます。

対象文書の例 紙で作成した場合の印紙税 電子契約の場合
工事請負契約書(契約金額800万円) 本則1万円(軽減措置の対象なら5,000円) 不要
取引基本契約書(継続的取引) 1通4,000円 不要
金銭消費貸借契約書(3,000万円) 2万円 不要
領収書(売上代金80万円) 200円 PDFなど電子データでの交付なら不要

契約書は当事者の数だけ原本を作るのが一般的なので、2社間の契約なら上の金額が2通分かかります。電子契約には、印紙を買いに行く、金額を確かめる、貼って消印する、という作業そのものがなくなる利点もあります。一方で、サービスの利用料がかかること、取引先の同意が必要なこと、電子データを電子帳簿保存法の要件に沿って保存する必要があることは、導入前に確認しておきたい点です。代表的な電子契約システムを、特徴と確認したい点に分けて整理しました。

サービス名(提供会社) 主な特徴 導入前に確認したい点
マネーフォワード クラウド契約(株式会社マネーフォワード) 契約書の作成、申請・承認、締結、保存、管理までを1つのサービスで完結できる 印影の見た目にこだわりたい場合は、表示のされ方を事前に確認したい
freeeサイン(freeeサイン株式会社) リモートでも承認できるワークフローを備える。従量課金ではないため、送信件数が増えても料金が変わりにくい 画面がシンプルな分、機能の場所がわかりにくいと感じる場合がある
クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社) 弁護士ドットコムが運営し、裁判所向けの資料が充実している。国内での利用実績が多い 印影画像を貼り付ける機能がないため、押印の見た目を重視する取引先には説明が必要

料金や機能は変更されることがあるため、最新の情報は各社の公式サイトで確認してください。印紙代が大きい契約書を多く扱う会社ほど、切り替えの効果は出やすくなります。上記以外のサービスを含めた比較や選び方は、次の記事にまとめています。

収入印紙とは|「種類」には2つの意味がある

収入印紙とは、国に納める税金や手数料を支払ったことを示すために、文書に貼り付ける証票です。もっとも身近な用途は印紙税の納付で、契約書や領収書など印紙税法で定められた文書を紙で作成したときに、決められた金額分の印紙を貼り、消印をすることで納税が完了します。登記の登録免許税や、国家試験の受験手数料の納付などに使われることもあります。

「収入印紙の種類」という言葉は、次の2つの意味で使われています。調べている情報がどちらの話なのかを区別すると、一覧表が読みやすくなります。

「種類」の意味 数 内容 知りたい場面
印紙そのものの額面(券種) 31種類 1円から10万円までの額面 窓口で何円の印紙を買うかを決めるとき
印紙を貼る文書(課税文書)の分類 20種類 第1号文書から第20号文書まで その文書に印紙が必要か、いくら必要かを判断するとき

実務の順番は、まず文書が20種類のどれにあたるかを確認し、記載された金額から税額を求め、最後にその税額分の券種を31種類の中から選ぶ、という流れです。課税文書にあたるかどうかは、文書のタイトルではなく、書かれている内容で判断されます。「覚書」「念書」という名前でも、契約の成立や変更を証明する内容であれば課税文書になることがあります。判定の考え方を詳しく確認したい場合は、課税文書の判定基準と号分類の考え方を解説した記事も参考にしてください。

収入証紙・切手との違い

名前や見た目が似ているものに収入証紙と郵便切手があります。収入印紙は国が発行し、国に納める税金や手数料の支払いに使います。収入証紙は都道府県などの地方自治体が発行し、その自治体に納める手数料の支払いに使うものです。切手は郵便料金の支払いに使います。契約書や領収書に収入証紙や切手を貼っても印紙税を納めたことにはならないため、購入時に取り違えないよう注意しましょう。

収入印紙の種類一覧(全31種類・金額別)

現在発行されている収入印紙は、1円から10万円までの31種類です。国税庁の発表によると、このうち200円以上の19種類は、偽造防止のため平成30年7月1日からデザインが改められています。改正前の旧デザインの印紙も引き続き使えるとされているので、手元に古い印紙が残っていても問題ありません。

区分 額面 種類数
1円から10円 1円、2円、5円、10円 4種類
20円から120円 20円、30円、40円、50円、60円、80円、100円、120円 8種類
200円から600円 200円、300円、400円、500円、600円 5種類
1,000円から8,000円 1,000円、2,000円、3,000円、4,000円、5,000円、6,000円、8,000円 7種類
1万円から10万円 1万円、2万円、3万円、4万円、5万円、6万円、10万円 7種類

31種類もあるのは、印紙税だけでなく登録免許税や各種手数料の納付にも使われ、端数のある金額に対応する必要があるためです。契約書や領収書の印紙税に限れば、税額は200円、400円、1,000円、4,000円、1万円といった決まった金額にしかならないので、実際に使う券種は限られます。日常の経理で登場するのは、ほとんどが200円の印紙です。

必要額に対する券種の組み合わせ

印紙は、合計額が税額と一致していれば、1枚でも複数枚の組み合わせでも構いません。多くの税額は1枚で足りますが、10万円を超える税額にはちょうどの券種がないため、複数枚を貼ることになります。

必要な税額 券種の選び方の例 この税額になる主な場面
200円 200円を1枚 5万円以上100万円以下の領収書、少額の請負契約書
400円、600円 同額の券種を1枚(200円を2枚、3枚でも可) 100万円を超える領収書、請負契約書
1,000円、2,000円、4,000円、6,000円 同額の券種を1枚 継続的取引の基本契約書(4,000円)など
1万円、2万円、4万円、6万円、10万円 同額の券種を1枚 高額の契約書、合併契約書、定款(4万円)
15万円 10万円を1枚と5万円を1枚 5億円を超え10億円以下の領収書、手形
20万円、40万円、60万円 10万円を2枚、4枚、6枚 5億円を超える契約書など

高額の券種は扱っていない窓口もあります。手元にある券種を組み合わせて貼ること自体は問題ありませんが、枚数が増えると貼る場所が足りなくなったり、消印が漏れたりしやすくなるため、できるだけ少ない枚数で済む券種を事前に用意しておくのが安全です。

文書別に見る収入印紙の必要額(契約書・領収書など)

印紙税がかかる文書は、印紙税法の別表で第1号文書から第20号文書までの20種類に分けられています。実務でよく登場するものを中心に整理すると、次のようになります。

号 文書の種類 代表的な文書 税額の決まり方
第1号 不動産の譲渡、土地の賃借権、消費貸借、運送に関する契約書 不動産売買契約書、金銭消費貸借契約書 契約金額に応じて200円から60万円
第2号 請負に関する契約書 工事請負契約書、工事注文請書 契約金額に応じて200円から60万円
第3号 約束手形、為替手形 約束手形 手形金額に応じて200円から20万円
第5号 合併契約書、吸収分割契約書、新設分割計画書 合併契約書 一律4万円
第6号 定款 会社設立時の定款(公証人が保存する原本) 一律4万円
第7号 継続的取引の基本となる契約書 売買取引基本契約書、代理店契約書 一律4,000円
第12号から第15号 信託、債務の保証、寄託、債権譲渡・債務引受けに関する契約書 保証契約書、債権譲渡契約書 200円(第15号は1万円未満が非課税)
第17号 金銭または有価証券の受取書 領収書、レシート 受取金額に応じて200円から20万円

このほかに、株券など(第4号)、預金証書(第8号)、保険証券(第10号)、預金通帳(第18号)、判取帳(第20号)などがあります。全20種類の税額は、国税庁の「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)」と「No.7141 印紙税額の一覧表(その2)」で確認できます。

契約書(第1号・第2号文書)と領収書(第17号文書)の金額

利用頻度の高い3つの文書について、1,000万円以下の区分を並べました。同じ金額でも文書の種類によって税額が異なる点に注意してください。

文書 記載金額と税額(本則)
第1号文書(不動産売買契約書、金銭消費貸借契約書など) 1万円未満:非課税
1万円以上10万円以下:200円
10万円を超え50万円以下:400円
50万円を超え100万円以下:1,000円
100万円を超え500万円以下:2,000円
500万円を超え1,000万円以下:1万円
第2号文書(請負に関する契約書) 1万円未満:非課税
1万円以上100万円以下:200円
100万円を超え200万円以下:400円
200万円を超え300万円以下:1,000円
300万円を超え500万円以下:2,000円
500万円を超え1,000万円以下:1万円
第17号文書(売上代金の領収書) 5万円未満:非課税
5万円以上100万円以下:200円
100万円を超え200万円以下:400円
200万円を超え300万円以下:600円
300万円を超え500万円以下:1,000円
500万円を超え1,000万円以下:2,000円

不動産の譲渡に関する契約書(記載金額が10万円を超えるもの)と、建設工事の請負に関する契約書(記載金額が100万円を超えるもの)には、令和9年3月31日までに作成されるものについて税額の軽減措置があります。同じ第1号文書でも、金銭消費貸借契約書は軽減の対象外です。また、契約金額の記載がない第1号・第2号文書は200円、売上代金以外の受取書は5万円以上で一律200円です。1,000万円を超える区分を含む全体の金額表は、契約書の収入印紙の金額表をまとめた記事で確認できます。税額は法改正で変わることがあるため、作成時点の国税庁の情報をご確認ください。

消費税の書き方で税額が変わることがある

第1号文書、第2号文書、第17号文書では、消費税額が区分して記載されている場合、または税込価格と税抜価格の両方が記載されていて消費税額が明らかな場合、税抜の金額が記載金額として扱われます。たとえば税抜98万円、消費税9万8,000円の請負契約書は、区分して書いてあれば記載金額98万円で200円ですが、「107万8,000円(税込)」とだけ書くと、100万円を超える区分にあたり400円になります。金額が区分の境目に近い文書では、ひな形の金額欄の書き方を確認しておきましょう。

収入印紙が不要な文書

「契約書には印紙を貼るもの」と思い込んで、不要な文書に貼ってしまうケースも少なくありません。次のような文書には、原則として印紙税がかかりません。

  • 20種類の課税文書のいずれにもあたらない文書(建物の賃貸借契約書、雇用契約書、委任契約書、秘密保持契約書など)
  • 記載金額が非課税の範囲に収まる文書(5万円未満の領収書、1万円未満の請負契約書など)
  • 営業に関しない受取書(個人が私的な取引で作成する領収書など)
  • 契約期間が3か月以内で、更新の定めがない継続的取引の契約書(第7号文書にはあたりません)
  • 署名や押印のない、単なるコピーとしての契約書の写し
  • 電子メールや電子契約システムで取り交わす電子データ

注意したいのは、名前が「業務委託契約書」でも、内容が仕事の完成を約束する請負であれば第2号文書に、継続的な取引の基本条件を定めていれば第7号文書にあたる可能性があることです。また、契約書の写しでも、当事者の署名押印があるものや、原本と相違ない旨の証明があるものは課税文書として扱われます。判断に迷う文書は、税務署に相談するのが確実です。

収入印紙の購入場所・貼り方・消印のルール

購入場所と取り扱いの違い

購入場所 取り扱いの傾向 向いている場面
郵便局 券種が豊富。小規模な局では高額の券種を置いていない場合がある 高額の印紙や、まとまった枚数が必要なとき
法務局(印紙売りさばき所) 登記の申請で使われるため、高額の券種もそろっていることが多い 登記の手続きとあわせて購入するとき
コンビニエンスストア 200円のみを扱う店舗が一般的 夜間や休日に領収書用の200円が必要なとき
金券ショップ 在庫は店舗によって異なる。額面より安く買える場合がある 必要な券種の在庫が確認できたとき

郵便局など正規の売りさばき所で購入する印紙には消費税がかかりませんが、金券ショップでの購入は消費税の課税取引として扱われるため、経理処理が変わります。勘定科目は、購入してすぐ使う場合は「租税公課」、期末に未使用分が残っている場合はその分を「貯蔵品」に振り替えるのが一般的な処理です。

貼る位置と消印の方法

印紙を貼る位置に法令上の決まりはありません。契約書では1ページ目の左上の余白、領収書では印紙貼付欄に貼るのが慣例です。貼った印紙には必ず消印をします。消印は、文書と印紙の両方にまたがるように、印章を押すか署名をして行います。契約書に押した印鑑と同じものである必要はなく、作成者やその従業員の印章や署名であれば足ります。複数の当事者が共同で作成した契約書の場合、そのうちの1人が消印をすれば足りるとされています。一方、鉛筆のように簡単に消せる方法や、斜線を引いただけのものは消印として認められません。

印紙代は誰が負担するか

印紙税を納める義務があるのは、その文書を作成した人です。領収書であれば発行する側が負担します。2社が共同で作成する契約書では、双方が連帯して納める義務を負い、実務ではそれぞれが自社の保管する1通分を負担するのが一般的です。負担の割合を契約書で取り決めることもできますが、どちらかが貼り忘れた場合の責任は双方に及ぶ点に注意が必要です。

収入印紙でよくある失敗パターン4つ

収入印紙の失敗は、種類を知らないことよりも、確認の手順が決まっていないことから起きます。よくある4つのパターンを、失敗と対策に分けて整理しました。

失敗パターン 起きること 対策
1. 貼り忘れ、金額不足 税務調査で指摘されると、納めなかった税額の3倍の過怠税の対象になる 契約書のひな形ごとに、号と税額を一覧にしておく。気づいた時点で自主的に申し出れば1.1倍に軽減される
2. 消印忘れ 貼ってあっても、消印のない印紙の額面と同額の過怠税の対象になる 貼付と消印を同じ担当者が続けて行い、押印前のチェック項目に入れる
3. 不要な文書に貼る、多く貼りすぎる 本来かからない税金を払ったままになる 不要な文書の一覧を共有する。貼ってしまった場合は税務署で還付の手続きをする
4. 券種を間違えて買う、余らせる 使わない印紙が在庫として残り、管理の手間と紛失のリスクが増える 必要額を確認してから購入する。未使用の印紙は郵便局で他の券種に交換できる

過怠税は、その全額が法人税の損金や所得税の必要経費に算入されません。200円の貼り忘れでも、件数が重なれば負担は小さくありません。

還付と交換は窓口が違う

間違えたときの手続きは、印紙を文書に貼ったかどうかで分かれます。文書に貼ってしまった印紙(多く貼りすぎた、不要な文書に貼った、使う見込みがなくなった文書に貼った)は、税務署で還付を受けます。「印紙税過誤納確認申請書」と印紙を貼った文書の現物を所轄の税務署に提出する手続きで、請求できる期間は5年です。印紙をはがしたり切り取ったりしたものは対象外になるため、貼ったままの状態で持ち込みます。

一方、未使用の印紙や、白紙や封筒など明らかに課税文書でないものに貼った印紙は、郵便局で他の額面の印紙に交換できます。交換する印紙1枚あたり所定の手数料がかかり、現金に換えることはできません。税務署では交換できず、郵便局では還付できない、と覚えておくと迷いません。

ここまでの4つの失敗には共通点があります。どれも「紙の文書に、人が印紙を選んで貼る」という作業から生まれている点です。チェック表や二重確認で頻度は下げられますが、契約書の件数が増えるほど確認の負担も増えます。電子契約で取り交わす契約には印紙を貼る工程そのものがないため、貼り忘れ、消印忘れ、券種の間違いは起こりません。失敗への対策を重ねても確認の手間が減らない場合は、貼る作業をなくす方向から考えるのも1つの方法です。

印紙税の負担を減らす具体的な方法

印紙税は、ルールの範囲内で負担を抑える余地があります。電子化だけが手段ではないので、取り組みやすい順に整理します。

方法 内容 注意点
消費税額を区分して記載する 税抜金額が記載金額になるため、区分の境目に近い文書で税額が下がることがある 対象は第1号・第2号・第17号文書
軽減措置の対象かを確認する 不動産の譲渡、建設工事の請負の契約書は、軽減後の税額で足りる 適用期限がある。金銭消費貸借契約書などは対象外
原本は1通とし、もう一方は写しを保管する 単なるコピーには印紙税がかからない 写しに署名押印や原本証明があると課税される。写しの証拠としての扱いも事前に検討する
領収書を電子データで交付する PDFなどをメールで送る場合、紙の受取書を作成していないため印紙は不要 同じ内容の紙を別途渡すと、その紙は課税文書にあたる
契約書を電子契約に切り替える 契約金額や文書の種類にかかわらず、印紙税がかからない 利用料、取引先の同意、電子帳簿保存法に沿った保存が必要

上の3つは、紙の契約書を続けたまま取り組める方法です。ただし、減らせる金額には限りがあり、文書ごとの確認の手間は残ります。金額の大きい契約書を扱う会社や、取引基本契約書を毎月何通も交わす会社では、電子契約への切り替えがもっとも効果の大きい方法になります。

業種によって効果の出やすい文書が違う

建設業では、工事請負契約書と注文請書がともに第2号文書にあたり、1件あたりの税額も大きくなりがちです。建設業法でも一定の要件のもとで電子契約が認められているため、効果が出やすい業種です。不動産業では、売買契約書が第1号文書にあたります。重要事項説明書などの電子化も法改正で可能になっており、契約の流れ全体を電子で進めやすくなっています。卸売業や製造業では、取引先ごとに交わす取引基本契約書(1通4,000円)と、高額の領収書が主な対象です。取引先の数が多い会社ほど、基本契約書の電子化による効果が積み上がります。

切り替えの効果を見積もる手順

電子契約に切り替えるかどうかは、印象ではなく数字で判断できます。まず、過去1年間に購入した印紙の合計額を、勘定科目「租税公課」の明細から確認します。次に、そのうち契約書に使った分と領収書に使った分を分けます。契約書の分が、電子契約に切り替えたときに減らせる金額の上限です。そこに、印紙の購入や管理にかかっている時間、契約書の印刷代と郵送費を加えたものを、電子契約システムの年間の利用料と比べます。取引先のすべてが電子契約に応じるとは限らないため、紙の契約が一定の割合で残る前提で見積もるのが現実的です。電子契約への移行の手順や電子帳簿保存法への対応は、号数別の税額と電子契約で印紙が不要になる理由を解説した記事でも取り上げています。

見積もりの結果、印紙代と事務の手間が利用料を上回りそうであれば、次は自社の契約の件数や取引先の状況に合うサービス選びの段階です。料金体系(月額固定か、送信件数に応じた課金か)、契約書の保管や検索の機能、取引先側の操作のしやすさを軸に比べると、候補を絞り込みやすくなります。

なお、この記事の税務・法令に関する記述は一般的な情報の提供を目的としたもので、税務上・法律上の助言ではありません。個別の文書の取扱いは、所轄の税務署または税理士などの専門家にご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 収入印紙は全部で何種類ありますか?

A. 印紙そのものは、1円から10万円までの31種類の額面が発行されています。一方、印紙を貼る必要がある課税文書は、印紙税法で第1号文書から第20号文書までの20種類に分類されています。

Q. 収入印紙はいくらから必要ですか?

A. 文書の種類によって異なります。売上代金の領収書は受取金額が5万円以上、請負契約書や不動産売買契約書は契約金額が1万円以上で必要になります。継続的取引の基本契約書のように、金額にかかわらず一律の税額がかかる文書もあります。

Q. コンビニではどの種類の収入印紙が買えますか?

A. 200円の印紙のみを扱う店舗が一般的です。それ以外の額面や高額の印紙が必要な場合は、郵便局や法務局で購入するのが確実です。

Q. 複数の収入印紙を組み合わせて貼ってもよいですか?

A. 合計額が必要な税額と一致していれば、複数枚を組み合わせて貼って構いません。たとえば15万円の税額は、10万円と5万円の印紙を1枚ずつ貼ります。貼ったすべての印紙に消印が必要です。

Q. 間違えて買った収入印紙や、貼ってしまった収入印紙はどうすればよいですか?

A. 未使用の印紙は、郵便局で手数料を支払って他の額面の印紙に交換できます。課税文書に多く貼りすぎた場合や、不要な文書に貼ってしまった場合は、文書の現物を税務署に提出して還付の手続きをします。

Q. 電子契約なら収入印紙は不要ですか?

A. 印紙税の課税対象は紙の文書であり、電磁的記録は文書に含まれないため、電子契約で取り交わした契約には印紙税がかからないとされています。ただし、電子で締結したあとに同じ内容の紙を作成して交付すると、その紙は課税文書にあたる可能性があります。

まとめ

収入印紙の「種類」は、印紙の額面と、印紙を貼る文書の2つに分けて考えると整理できます。ポイントは次のとおりです。

  1. 印紙の額面は1円から10万円までの31種類、課税文書は第1号から第20号までの20種類ある
  2. 必要額は、文書がどの号にあたるかと記載金額で決まる。契約書と領収書では同じ金額でも税額が違う
  3. 合計額が合っていれば券種は組み合わせてよく、10万円を超える税額は複数枚で納める
  4. 貼り忘れは3倍、消印忘れは額面と同額の過怠税の対象になる。貼った印紙の誤りは税務署で還付、未使用の印紙は郵便局で交換する
  5. 電子契約で取り交わす契約には印紙税がかからない。印紙代と手間の両方を減らしたい場合の有力な選択肢になる

まずは、自社でよく作成する文書がどの号にあたり、いくらの印紙が必要なのかを一覧にしておくことから始めてみてください。そのうえで、年間の印紙代が大きい文書から、電子化できるかどうかを検討していくと、無理なく負担を減らせます。

参考文献

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