英語に翻訳する方法とは?ツールの使い分け・費用の目安・外注時の注意点
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- 英語に翻訳する5つの方法の使い分けがわかる
- 無料ツールの注意点と自分で訳す手順がわかる
- 外注の料金の目安と契約の確認点がわかる
日本語を英語に翻訳したいとき、最も手早いのはGoogle 翻訳やDeepL翻訳などの翻訳サービスに文章を貼り付けて訳す方法です。ただし、機械翻訳の訳文がそのまま社外に出せる品質かどうかは保証されておらず、契約書や取引条件のように誤訳が損害につながる文書は、人の手や専門家の確認を加える方法が向いています。この記事では、英語に翻訳する5つの方法を「誤訳で誰が困るか」で使い分ける目安、無料の翻訳サービスを仕事で使うときの注意、自分で訳す4つの手順、外注するときの料金の目安(日本翻訳連盟の公表値)と契約・秘密保持の確認ポイント、依頼先の選び方までを、ビジネスの実務担当者向けに順に解説します。
あなたの英訳の進め方を2問で診断
Q1. 英語にしたい文書は、どちらに近いですか?
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英語に翻訳する方法は5つ|誤訳で誰が困るかで選ぶ
英語に翻訳する方法は5つあり、誤訳があったときに誰がどれだけ困るかで選びます。社内で読むだけなら機械翻訳、社外の第三者が読んで判断する文書は人の手を入れるのが基本です。
| 方法 | 向いている文書 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 無料の機械翻訳・AIで自分で訳す | 内容確認用の下訳、社内メモ | 費用がかからず、短時間で訳文が得られる | 誤訳の判断は自分で行う。入力した情報の扱いに注意 |
| 機械翻訳と社内の英語が得意な人のチェックを組み合わせる | 定型的なメール、簡単な案内文 | 低コストで一定の品質を確保しやすい | チェック担当者の本来業務を圧迫しやすい |
| 翻訳会社に依頼する | 仕様書、IR資料、Webサイト、契約書 | 専門分野の翻訳者とチェック体制で品質を保ちやすい | 費用は比較的高め。納期と秘密保持の取り決めが必要 |
| クラウドソーシングなどで個人に依頼する | 専門性が高くない資料、商品説明 | 依頼先と条件を柔軟に選べる | 品質は個人の力量次第。選定と検品に手間がかかる |
| 翻訳に専門家の確認を組み合わせる | 契約書、規約、規程など条項の意味が問題になる文書 | 訳文の正確さに加えて、内容面のリスクを専門家に確認できる | 翻訳と確認で工程が分かれ、費用も別になる |
機械翻訳の精度は向上しています。総務省は令和7年版情報通信白書で、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が開発する多言語翻訳技術について、訪日・在留外国人や外交への対応を想定した21言語で実用レベルの翻訳精度を実現したと説明しています。ただしこれは多言語翻訳技術の研究開発の成果についての説明で、契約書や対外文書の訳文を、そのまま出せる品質まで保証するものではありません。
日本翻訳連盟(JTF)の「翻訳発注の手引き」は、訳は正確でも表現を吟味していない「情報用翻訳・内部向け翻訳」と、会社や商品のイメージを伝える「一般公開用翻訳・外部向け翻訳」を区別しています。前者は後者に比べて早く安くできる一方、イメージを伝えることが目的なら、料金が高くても公開用の翻訳が必要だと説明しています。この手引きの原著は2011年のため機械翻訳の精度に関する記述は現在と異なる可能性がありますが、用途で翻訳の種類を分ける考え方は今も使えます。
契約書・規程の英訳は、翻訳と法務の確認を分けて考える
契約書、利用規約、社内規程などを英語にする場合は、訳文が正確かどうかに加えて、条項の意味やリスクを誰が確認するかが問題になります。JTFが公開する翻訳基本契約のひな型は、翻訳を「ある言語の文書の内容を他の言語に変換して固定する行為」と定義し、変換後のレイアウト作業は含めないとしています。条項の法的な有利不利の判断は、この定義には含まれていません。つまり、翻訳を依頼しただけでは、契約内容のリスク確認までは済まない場合があります。なお、この記事は法的助言ではなく、個別の契約については弁護士などの専門家に確認してください。
顧問弁護士がいない会社でも、契約書の確認を外部の弁護士に任せたい場合の一例が、クラウドリーガル(提供元はMOLTON株式会社)です。商品ページでは、企業の法務業務をオンラインで依頼できる企業法務アウトソーシング(ALSP)として紹介されています。取引先から示された契約書を弁護士がレビューし、Wordコメント付きで基本1営業日以内に返答があること、英文契約書のレビューにも対応していること、秘密保持契約書などの契約書を自動作成できることが特徴です。注意点として、プランごとに相談時間やレビュー件数の上限があり、超える場合は別途見積もりになること、常に同じ弁護士に相談したい場合はシルバープラン以上の契約が必要なことが紹介されています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
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自分で英語に翻訳する手順とコツ|無料の翻訳サービスを仕事で使うとき
自分で英語に翻訳するときは、原文を短く整え、機密情報を入れずに翻訳サービスにかけ、逆翻訳で確かめ、用語集で表記をそろえる4つの手順で進めます。社内向けの資料や簡単なメールなら、この手順で実用的な英文を作れます。
手順1. 原文の日本語を翻訳しやすい形に整える
機械翻訳で誤訳が起きる原因の多くは、原文の日本語にあります。日本語は主語を省略しても通じるため、そのまま翻訳すると「誰が」「何を」がずれた英文になりがちです。翻訳にかける前に、次の点を直しておくだけで訳文は読みやすくなります。
- 省略されている主語と目的語を補う(「確認しました」を「弊社は請求書の内容を確認しました」にする)
- 1文を短くし、1文に1つの内容だけを書く
- 「前向きに検討します」のような、意味があいまいな定型表現を具体的な内容に置き換える
- 社内でしか通じない略語や部署名の通称を正式名称に直す
- 数字、日付、金額の書き方を統一する
このように翻訳しやすい日本語に書き直す作業は、プリエディットと呼ばれます。JTFの手引きも、慣用句や比喩、故事成語は日本人には通じても海外の読者には通じにくく、誤訳の原因にもなるため、なるべく避けるよう勧めています。
手順2. 機密情報を含まない形で、翻訳サービスにかける
日本語を英語にできる無料の翻訳サービスはいくつもあります。検索結果の上位に出る代表的なサービスを、公式サイトの説明をもとに整理しました(確認日は2026年10月15日)。
| サービス(提供元) | 公式サイトの説明 | 仕事で使う前に確認したいこと |
|---|---|---|
| Google 翻訳(Google) | 単語、フレーズ、Webページを100以上の言語に翻訳できる無料サービス | 利用規約での入力データの扱い |
| DeepL翻訳(DeepL) | テキストや文書ファイルを翻訳できる。法人向けのDeepL Proは、同意なしにテキストを保存しないと説明している | 無料版と有料版でデータの扱いが異なる場合があるため、使うプランの規約を確認する |
| Weblio 翻訳(Weblio) | 英語と日本語を相互に翻訳できる無料の機械翻訳サービス。辞書との連携で単語の意味や発音も確認できる | 入力できる文字数と利用規約 |
| お試しAI翻訳(みらい翻訳) | 1,500文字までのテキストで翻訳精度を試せるお試し版。製品版はPDF、Word、Excelの翻訳にも対応すると説明している | お試し版と製品版の違い、契約内容 |
| Microsoft Translator(Microsoft) | 100以上の言語を無料で翻訳できると説明している | 利用規約での入力データの扱い |
どのサービスを使う場合も、入力した文章の扱いは確認が必要です。個人情報保護委員会は、生成AIサービスの利用に関する注意喚起を公表しています。顧客の氏名や連絡先、未公表の取引条件、社外秘の技術情報などは、無料サービスに入力しないのが原則です。どうしても翻訳が必要な場合は、固有名詞を「A社」「製品X」のように置き換えてから翻訳し、あとで元に戻す方法があります。会社としては、使ってよい翻訳サービスと入力してよい情報の範囲を、社内ルールとして決めておくと安心です。なお、AIを使った翻訳の仕組みについてはAI翻訳とは?仕組みの違いから費用相場・導入の注意点まで解説で整理しています。
手順3. 逆翻訳と読み直しで訳文を確かめる
英語の読解に自信がない場合に有効なのが、出てきた英文を別の翻訳サービスで日本語に戻す逆翻訳です。元の日本語と意味が大きくずれていれば、その部分に誤訳がある可能性が高いと判断できます。ただし、逆翻訳で問題がなくても、不自然な言い回しや敬意の度合いの違いまでは見つけられません。社外に出す文書は、英語が得意な人に一度読んでもらいましょう。機械翻訳の訳文を人が修正して仕上げる作業は、ポストエディットと呼ばれます。
手順4. 用語集を作って表記を統一する
製品名、サービス名、役職名、部署名などは、文書ごとに訳がばらばらになりやすい部分です。一度決めた英語表記を一覧にした用語集を作っておくと、次回以降の翻訳が速くなり、外注するときにも翻訳者に渡して表記をそろえられます。表計算ソフトで「日本語」「英語」「備考」の3列を作るだけでも十分に役立ちます。JTFの手引きも、社内用語集をバイリンガルで作ることを勧めています。
スマホで日本語を英語に翻訳するには
スマホで英語に翻訳するときは、ブラウザで翻訳サービスのサイトを開くか、各サービスが提供するスマホ向けアプリを使います。アプリには、文字入力のほか、音声やカメラで写した文字から翻訳できるものもあります。対応する機能はアプリごとに異なるため、公式の説明で確認してください。仕事の文書をスマホで翻訳する場合も、機密情報を入力しないルールは同じです。
英語翻訳を外注する場合の料金の目安|日本翻訳連盟の公表値と計算例
日英翻訳を翻訳会社に外注する料金は、和文原稿1文字あたりの単価に文字数を掛けて計算するのが基本で、日本翻訳連盟が公表する目安は分野によって1文字20円から30円(税別)です。実際の金額は依頼先、専門性、納期などで大きく変わるため、必ず見積もりで確認してください。
計算の基準は、原稿の言語で変わります。JTFの翻訳基本契約のひな型は、基準となる原文または成果物が日本語のように分かち書きをしない言語の場合は字数、英語のように分かち書きをする言語の場合は語数を基準にすると定めています。日本語から英語への翻訳(日英翻訳)は日本語の字数、英語から日本語への翻訳(英日翻訳)は英語の語数で数えるのが一般的です。原文を基準にするか成果物を基準にするかは、依頼のたびに仕様書で決めるとされています。
| 文書の種類・分野 | 日英翻訳(和文原稿1文字あたり・税別) | 英日翻訳(英文原稿1ワードあたり・税別) |
|---|---|---|
| コンピューターマニュアル | 20円 | 28円 |
| 一般科学・工業技術 | 21円 | 28円 |
| 金融 | 25円 | 30円 |
| 経営管理・財務・契約書 | 25円 | 30円 |
| 医学・医療・薬学 | 30円 | 35円 |
| 特許明細書 | 30円 | 26円 |
出典は、日本翻訳連盟の「翻訳料金(クライアント企業の翻訳発注価格)の目安」(確認日2026年10月15日)です。JTFは、この表を一般的な実例の平均値を分野ごとに示した目安とし、専門性、難易度、翻訳量、納期、データの形式や処理の程度、品質レベル、受注側の価格方針によって大幅に異なると説明しています。
計算例を示します。日本語2,000文字の契約書を日英翻訳する場合、上の表の「経営管理・財務・契約書」の目安である1文字25円に2,000文字を掛けて、翻訳料の目安は50,000円(税別)です。これは目安の単純計算で、ネイティブチェックや特急対応、レイアウト作業などが別途になるかどうかで総額は変わります。見積もりを取るときは、翻訳料の単価だけでなく、どの作業が含まれているかの内訳を確認しましょう。費用や依頼先の選び方をさらに詳しく知りたい場合は、英文翻訳とは?種類・費用相場・依頼先の選び方までわかりやすく解説もあわせて参考にしてください。
料金に影響する5つの要因
同じ文字数の原稿でも、見積もり金額が依頼先によって大きく違うことは珍しくありません。料金を左右する主な要因を知っておくと、見積もりの内訳の妥当性を判断しやすくなります。
- 翻訳の方向と担当者: JTFの手引きは、外国語文書を母国語に訳すのがプロの原則で、日本語を英語に訳す場合は英語ネイティブの翻訳者を使うのが基本だと説明しています。日本語ネイティブの翻訳者が英訳する場合は、過去の英訳サンプルで品質を確認し、英語ネイティブのチェックを組み合わせることが必要です。
- 文書の専門性: 上の表のとおり、医学・医療・薬学や特許明細書は目安の単価が高く、契約書や金融も一般的な文書より高めです。専門分野の経験を持つ翻訳者が担当するためです。
- 納期: 翻訳者が1日に訳せる分量には限りがあります。短納期では複数の翻訳者で分担することになり、割増になることがあります。展示会や海外出張など、英語の資料が必要な時期が決まっているなら、早めに依頼すると費用を抑えやすくなります。
- チェック体制: 翻訳者とは別の担当者が原文と訳文を突き合わせるチェックや、英語ネイティブによるチェックが、料金に含まれるか別料金かは依頼先によって異なります。金額だけでなく、どの工程が含まれているかを確認します。
- ファイル形式とレイアウト作業: JTFのひな型の定義は、翻訳に変換後のレイアウト作業を含めていません。パンフレットやスライドのように訳文を配置し直す作業が必要な場合は、別途の作業と費用になることがあります。編集できるWordやPowerPointで原稿を渡すと、追加費用を抑えやすくなります。
英語翻訳を依頼するときによくある失敗と防ぎ方
英語翻訳の外注で失敗が起きやすいのは、翻訳そのものよりも、依頼前の準備と依頼先との認識合わせが足りないときです。JTFの「翻訳発注の手引き」に挙げられた落とし穴をもとに、よくある失敗と防ぎ方を整理します。
| よくある失敗 | 防ぎ方 |
|---|---|
| 用途や読み手を伝えずに依頼し、社外向けの資料なのに直訳調の硬い英文が納品された | 「何の目的で、どんな媒体に、誰が読むか」を依頼時に伝える。情報用か公開用かを書面で決めておく |
| 原稿が確定する前に翻訳を始め、修正のたびに再翻訳が必要になった | 最終版を待って依頼する。間に合わない場合は版数を記録し、変更履歴を残して共有する |
| 機械翻訳の訳文をそのまま取引先に送り、不自然な表現が残った | 機械翻訳は内容の確認用に使い、社外に出す文書は人の手でチェックする |
| 語学が得意な社員や語学の先生に頼んだが、読みづらい英文になった | 翻訳は文章を書く専門職と考え、過去の翻訳サンプルで品質を確認してから依頼する |
| 製品名や社名の英語表記が、過去の資料や自社サイトと違って納品された | 用語集と過去の英文資料を参考資料として渡す |
| 機密を含む原稿を無料の翻訳サービスに入力してしまった | 使ってよいツールと入力してよい情報を社内で決め、外注先とは秘密保持の取り決めを結ぶ |
JTFの手引きは、翻訳を発注するときに確認しておく項目を、5W1Hの形で次のように整理しています。依頼前にこの6点を書き出して依頼先に伝えるだけで、やり直しの多くは防げます。
- Why: 何の目的で翻訳するのか(情報収集、情報発信、商品や会社の宣伝など)
- Who: 誰が読むのか(想定する読み手を、人数も含めて具体的に)
- What: どの情報を伝える必要があるのか(本当に必要な情報だけを選ぶ)
- Where: 読み手はどこの国のどんなグループで、翻訳はどこに掲載されるのか
- When: いつ翻訳するのか(翻訳に必要な時間をスケジュールに確保する)
- How much: 全体の予算はいくらで、翻訳で失敗した場合の予想損害額はいくらか
翻訳を外注するときの契約・秘密保持の確認ポイント
翻訳を外注するときは、翻訳の範囲、秘密保持、成果物の著作権、誤訳の修正責任を契約で決めておきます。JTFが翻訳基本契約のひな型を公開しており、確認する条項の参考になります。
JTFのひな型は、クライアント企業が翻訳会社に翻訳業務を委託する場合と、翻訳会社が翻訳者に委託する場合の2つに対応しており、電子サインで契約する場合と書面に押印する場合で前文と後文の規定が異なります。あくまで参考のひな型で、使うときは個別の取引の事情に応じて修正するよう求めています(2023年3月1日の記載)。クライアントと翻訳会社の間のひな型から、依頼側が確認したい条項を抜き出すと次のとおりです。
| 条項(ひな型の条番号) | ひな型に書かれている内容 | 依頼側が確認したいこと |
|---|---|---|
| 仕様書(第3条) | 基本契約には基本事項だけを定め、個別の取引の詳細は、その都度交付する仕様書で定める | 用途、読み手、納期、納品形式を仕様書に書く |
| 翻訳量の算定(第4条) | 翻訳量は原文または成果物を基準に算定し、どちらを基準にするかは仕様書で決める | 原文基準か成果物基準か、見積もりの数え方 |
| 業務の完了(第5条) | 受託者が十分なチェックをした成果物を依頼者が受領して検査した時点で完了とみなす。依頼者は受領後、遅滞なく検査する | 納品後の検査をいつまでに行うか。社内の確認担当を決めておく |
| 秘密保持義務(第8条) | 受託者は原本と成果物の内容を正当な理由なく第三者に開示してはならない。ただし、業務のために外部委託する翻訳者は除く | 外部の翻訳者に再委託されるか、その翻訳者にも秘密保持が及ぶか |
| 知的財産権(第9条) | 別段の定めがない限り、翻訳で生じる著作権(財産権)は依頼者に譲渡され、対価は翻訳料に含まれる | 成果物の著作権の帰属と、二次利用の範囲 |
| 受託者の責任(第10条) | 誤りや仕様違いが明らかになった場合、業務の完了後でも原則として1か月以内は、受託者の責任で修正する | 修正に応じる期間と範囲、損害が生じた場合の協議の進め方 |
顧客の氏名や連絡先などの個人データを含む原稿を外注する場合は、個人情報保護法にも注意が必要です。同法第25条は、個人情報取扱事業者が個人データの取扱いの全部または一部を委託する場合に、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならないと定めています。外注先の選定と契約の段階で、個人データの安全管理を確認しておきましょう。契約の形そのもの(請負か準委任か)の考え方は、BPOと業務委託の違いとは?請負・準委任の契約類型と偽装請負の判断基準で整理しています。
ここまでの確認を、依頼先が変わるたびに担当者が一人で行うのは負担になります。翻訳会社やフリーランスから契約書や発注書を提示されるたびに内容を読み解き、秘密保持や著作権の取り決めを確かめる作業が毎回の手作業になっているなら、契約書の確認そのものを外部の弁護士に任せる方法もあります。自社の状況を、次のチェックリストで確かめてみてください。
翻訳の外注と契約の確認、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
依頼量と頻度で決める、英語翻訳の依頼先の選び方
英語翻訳の依頼先は、文書の重要度に加えて、翻訳が発生する量と頻度で選ぶと判断しやすくなります。JTFの手引きも、読む人の数や、誤訳で企業イメージが傷ついたり法的な問題に発展したりするリスクの大きさに応じて、予算を考えるよう勧めています。
| 依頼のパターン | 相性のよい依頼先 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 重要な文書を、まとまった量で単発に翻訳したい | 翻訳会社 | 専門分野の実績、チェック体制、秘密保持の体制で選ぶ |
| 専門性はそれほど高くない文書を、費用を抑えて翻訳したい | クラウドソーシングなどの個人 | 実績と評価を確認し、検品できる体制を社内に用意する |
| メールや社内資料の英訳が、月に数回発生する | 機械翻訳と社内の英語が得意な人のチェック | 機密情報を入力しないルールと、チェック担当者の負担を決めておく |
| 内容を把握するために英文を読みたいだけ | 機械翻訳で自分で訳す | 社外に出さない前提にし、重要な判断は原文で確認する |
| 契約書や規約など、条項の意味が問題になる文書 | 翻訳に専門家の確認を組み合わせる | 翻訳の依頼先と、内容を確認する専門家を分けて考える |
| 海外取引が増え、継続的に多くの翻訳が発生する | 翻訳会社との基本契約、または英語人材の採用 | 年間の翻訳量と費用を試算し、外注と内製を比べる |
依頼先を比較するときのチェックポイント
依頼先の種類を決めたら、個別の翻訳会社や翻訳者を比べます。翻訳会社でもフリーランスでも、次の観点を確認しておくと失敗を防ぎやすくなります。
- 翻訳したい分野(契約、技術、マーケティングなど)での実績があるか
- 過去に納品した翻訳のサンプルを見せてもらえるか(JTFの手引きは、サンプルを英語ネイティブに見てもらうよう勧めています)
- 翻訳者とは別の担当者によるチェックや、ネイティブチェックの工程があるか
- 翻訳サービスの国際規格であるISO 17100の認証を取得しているかなど、品質管理の仕組みが公開されているか
- 秘密保持の取り決めを結べるか、データの保管や削除のルールが明確か
- 料金体系(文字単価、最低料金の有無、追加費用が発生する条件)がわかりやすいか
- 短い原稿でのトライアルや、納品後の修正対応の範囲はどうなっているか
特に契約書や規約の英訳では、翻訳の依頼先を選ぶ作業と、訳した内容に問題がないかを確認する作業は別のものです。翻訳会社から提示された契約書の内容や、英訳した契約書の条項を弁護士に確認してもらいたいときは、前の章で紹介したクラウドリーガルのように、オンラインで契約書のレビューを依頼できるサービスを検討できます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 英語に翻訳する方法にはどのようなものがありますか?
A. 無料の機械翻訳やAIで自分で訳す方法、機械翻訳に社内の人のチェックを組み合わせる方法、翻訳会社に依頼する方法、クラウドソーシングなどで個人に依頼する方法、翻訳に専門家の確認を組み合わせる方法の5つがあります。誤訳があったときの影響の大きさに応じて使い分けるのが基本です。
Q2. 無料の英語翻訳サービスや、和文英訳ができるサイトにはどのようなものがありますか?
A. Google 翻訳、DeepL翻訳、Weblio 翻訳、Microsoft Translatorなどが代表的で、みらい翻訳には1,500文字までのお試し版があります。いずれも日本語を英語に訳せます。仕事で使う場合は、入力した文章の扱いを利用規約で確認し、機密情報や個人情報は入力しないようにしてください。
Q3. スマホで日本語を英語に翻訳するにはどうすればよいですか?
A. ブラウザで翻訳サービスのサイトを開くか、各サービスのスマホ向けアプリを使います。アプリには音声やカメラで写した文字を翻訳できるものもありますが、対応する機能はアプリごとに異なります。仕事の文書では、機密情報を入力しないルールを守ってください。
Q4. 無料の翻訳サービスで英語に翻訳した文章を、そのまま社外に送っても大丈夫ですか?
A. 簡単な連絡であれば通じることも多いですが、主語の取り違えや不自然な表現が残ることがあります。原文の日本語を整えてから翻訳し、逆翻訳や英語が得意な人のチェックで確認しましょう。契約や取引条件に関わる文書は、人による翻訳と、専門家による内容の確認を受けるのが安全です。
Q5. 英語翻訳を外注すると、料金はどのくらいかかりますか?
A. 日本翻訳連盟が公表する目安では、日英翻訳は和文原稿1文字あたり20円から30円(税別、分野により異なる)です。たとえば日本語2,000文字の契約書なら、1文字25円で50,000円(税別)が目安の単純計算になります。専門性、納期、チェック体制などで変わるため、正式な金額は見積もりで確認してください。
Q6. 翻訳を外注するとき、契約で確認しておくことは何ですか?
A. 用途や納期を定める仕様書、翻訳量の数え方、納品後の検査、秘密保持(外部の翻訳者への再委託を含む)、成果物の著作権の帰属、誤りがあった場合の修正の期間と範囲です。日本翻訳連盟の翻訳基本契約のひな型が参考になります。個別の契約は、弁護士などの専門家に確認してください。
まとめ
日本語を英語に翻訳するときは、文書の重要度と、翻訳が発生する量や頻度に合わせて方法を選ぶことが大切です。最後に要点を整理します。
- 英語に翻訳する方法は、機械翻訳、機械翻訳と社内チェック、翻訳会社、個人への依頼、専門家の確認との組み合わせの5つで、誤訳で誰が困るかで選ぶ
- 自分で訳すときは、原文を短く整え、機密情報を入れずに翻訳サービスにかけ、逆翻訳で確かめ、用語集で表記をそろえる
- 外注の料金は、日英翻訳なら和文1文字あたりの単価に文字数を掛けて計算する。日本翻訳連盟の目安は分野により20円から30円(税別)で、必ず見積もりで確認する
- 失敗を防ぐため、目的、読み手、掲載先、納期、予算を依頼時に伝え、過去の翻訳サンプルで品質を確かめる
- 外注するときは、仕様書、秘密保持、著作権の帰属、誤りの修正期間を契約で確認する。契約書の確認が担当者任せになっているなら、弁護士によるレビューを外部に任せる方法として、クラウドリーガルなどの資料を取り寄せて比べる
英語翻訳は、必要になるたびに慌てて依頼先を探すよりも、自社でよく発生する文書と量を把握し、文書ごとの進め方と契約の確認方法を決めておくほうが、費用も品質も安定します。まずは直近数か月に英語にした文書を振り返るところから始めてみましょう。
参考文献
- 総務省「令和7年版 情報通信白書」多言語翻訳技術の高度化に関する研究開発 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd227320.html
- 総務省「グローバルコミュニケーション計画2025」の公表 https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin03_02000298.html
- 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」 https://www.ppc.go.jp/news/careful_information/230602_AI_utilize_alert/
- e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」(第25条 委託先の監督) https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000057
- 日本翻訳連盟(JTF)「翻訳料金(クライアント企業の翻訳発注価格)の目安」 https://www.jtf.jp/tips/price
- 日本翻訳連盟(JTF)「翻訳基本契約のひな型」 https://www.jtf.jp/tips/contract
- 日本翻訳連盟(JTF)「トラブルにならないために」 https://www.jtf.jp/tips/notrouble
- 日本翻訳連盟(JTF)「翻訳で失敗しないために 翻訳発注の手引き」(PDF) https://www.jtf.jp/pdf/translation_order.pdf
- DeepL「データセキュリティ」 https://www.deepl.com/ja/pro-data-security