決算整理仕訳とは?一覧表・手順・項目別の仕訳例をわかりやすく解説
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- 決算整理は決算振替の前に行う期末の修正
- 主な10項目を一覧表と手順の表で確認
- 費用は債務確定、申告期限は2か月以内
決算整理仕訳とは、決算のときに、日々の仕訳だけでは反映されない費用・収益・資産・負債を、期末の実態に合わせて修正するために行う仕訳のことです。主な項目は、売上原価の確定(棚卸)、減価償却、貸倒引当金、前払や未払などの経過勘定、現金過不足や仮勘定の整理、税金の見積計上で、決算整理仕訳のあとに試算表を作り直して決算書をつくります。この記事では、決算整理仕訳の一覧表、決算前の手順、項目別の仕訳例、決算振替仕訳との違い、税務上の注意点を、国税庁・中小企業庁・商工会議所の公開情報に沿って整理します(2026年10月20日確認)。
決算整理の手間を、2問で診断
Q1. 決算の前に、いちばん手間がかかっているのは?
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決算整理仕訳とは|期末に帳簿を実態に合わせる仕訳と、決算振替との違い
決算整理仕訳とは、決算日時点の資産・負債と、その期の収益・費用を正しい金額にそろえるために、期末に行う修正の仕訳です。日々の取引を記録しただけの帳簿には、在庫の残高、固定資産の価値の減り、まだ払っていない費用などが反映されていないため、決算で整理します。
会社の利益は、事業年度という期間で区切って計算します。ところが、代金を払った日や受け取った日と、その費用や収益がどの期に属するかは、一致するとは限りません。たとえば1月に1年分の保険料を払えば、翌期にあたる分は当期の費用にできませんし、3月分の家賃を4月に払うなら、当期の費用なのに帳簿には出ていません。こうしたずれを決算で直す仕訳が決算整理仕訳です。
商工会議所の簿記検定の出題区分表は、決算の項目を、試算表の作成、精算表、決算整理、決算整理後残高試算表、収益と費用の損益勘定への振替、純損益の繰越利益剰余金勘定への振替、帳簿の締切、損益計算書と貸借対照表の作成の順に挙げています(出典:商工会議所の検定試験「簿記 出題区分表」、2027年4月1日施行分、2026年10月20日確認)。決算整理仕訳は、この流れのなかで、試算表を作ったあと、収益と費用を損益勘定へ振り替える前に行います。
決算整理仕訳・決算振替仕訳・再振替仕訳の違い
名前が似ている3つの仕訳は、行う時期と目的が違います。
| 仕訳 | 行う時期 | 目的 | 仕訳の例 |
|---|---|---|---|
| 決算整理仕訳 | 決算日(期末) | 日々の仕訳では反映されない金額を、期末の実態に合わせる | 減価償却費 / 減価償却累計額、前払保険料 / 保険料 |
| 決算振替仕訳 | 決算整理のあと | 収益・費用の残高を損益勘定に集め、当期純損益を繰越利益剰余金に移して帳簿を締め切る | 売上 / 損益、損益 / 繰越利益剰余金 |
| 再振替仕訳 | 翌期の最初 | 前期末に行った経過勘定などの整理を元に戻し、翌期の支払・入金と二重にならないようにする | 保険料 / 前払保険料(期首に逆の仕訳) |
再振替仕訳を忘れると、翌期に実際に払ったときの費用と、前期末に整理した金額が二重になります。
決算整理仕訳の一覧表|主な10項目と仕訳の型
決算整理仕訳の主な項目は、次の10項目です。会社の業種や持っている資産によって、必要な項目は変わります(在庫がなければ棚卸の処理は不要です)。借方・貸方の勘定科目は一例で、数字をつけた仕訳は、あとの「決算整理仕訳の具体例」で示します。
| 項目 | 整理すること | 仕訳の型(借方 / 貸方) |
|---|---|---|
| 1. 現金過不足 | 帳簿の現金残高と実際の残高の差を、原因が分からないまま残さない | 雑損失 / 現金過不足(不足のとき) |
| 2. 売上原価 | 期首と期末の商品の残高を入れ替え、売れた分の原価を出す(三分法) | 仕入 / 繰越商品、繰越商品 / 仕入 |
| 3. 貸倒引当金 | 売掛金などの回収不能の見込みを費用にする | 貸倒引当金繰入 / 貸倒引当金 |
| 4. 減価償却 | 固定資産の価値の減少分を、その期の費用にする | 減価償却費 / 減価償却累計額(間接法) |
| 5. 有価証券の評価 | 売買目的の有価証券を期末の時価に合わせる | 有価証券 / 有価証券評価益(評価損は逆) |
| 6. 前払費用・前受収益 | 翌期以降の分を、当期の費用・収益から除く | 前払保険料 / 保険料、受取家賃 / 前受家賃 |
| 7. 未払費用・未収収益 | 当期に発生したがまだ払っていない・受け取っていない分を加える | 地代家賃 / 未払家賃、未収利息 / 受取利息 |
| 8. 貯蔵品(消耗品の未使用分) | 費用にした消耗品のうち未使用の分を資産に戻す | 貯蔵品 / 消耗品費 |
| 9. 仮勘定の整理 | 仮払金・仮受金を、確定した勘定科目に振り替える | 旅費交通費 / 仮払金 |
| 10. 税金の計上 | 法人税等と消費税の、未払の金額を計上する | 法人税、住民税及び事業税 / 未払法人税等 |
決算整理仕訳を毎期ずれなく回すには|先に決めるルールと帳簿の仕組み
決算整理仕訳は、項目そのものは毎期ほぼ同じです。請求書が届いていない費用の未払計上や、減価償却の方法などは、ルールを先に決めておかないと、担当者が替わった年や急いだ年に処理がぶれます。日々の仕訳・請求書の受領・試算表の確認を仕組みにしておくと、決算前の作業が小さくなります。
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【レビュー】マネーフォワードクラウド会計を実際に登録して使ってみた【使い方解説】
数ある会計ソフトの中でそのサービスを使ったらいいかわからないという方も多くいると思います。そこで今回は「マネーフォワードクラウド会計」の無料登録から使い方まで、利用経験ゼロの筆者が実況形式でお伝えします。
商品ページの評価は4.2(14件、2026年10月20日確認)です。導入事例として、鍼灸接骨院をメインにIT事業などを展開する株式会社HITOMIOテクノロジーズは、導入前は月に6000件ほど発生する仕訳を、月初にみんなで通帳や紙の明細を見ながら入力していたと、マネーフォワードの導入事例で紹介されています。決算整理に限った事例ではなく、日々の仕訳と月次決算の負担を減らした例です。
「月次決算が6営業日で対応できるようになった」
株式会社HITOMIOテクノロジーズ「マネーフォワード クラウド会計」導入事例の結果の項目(マネーフォワード公式サイト、2021年8月31日公開。公開当時の情報)。出典:マネーフォワード「株式会社HITOMIOテクノロジーズ」導入事例、2026年10月20日確認
仕訳帳そのものの書き方は、仕訳帳とは?書き方・記入例と総勘定元帳との違い、取引量に応じた見直し方で解説しています。
決算整理の前に、会社として決めておくこと
| 決めること | 決める内容の例 | 決めないと起きること |
|---|---|---|
| 棚卸資産の評価方法 | 個別法、先入先出法、総平均法、移動平均法、最終仕入原価法、売価還元法などから選び、継続する。評価方法を選定しなかった場合は、最終仕入原価法による原価法とされる | 期ごとに方法が変わり、売上原価と利益の比較ができなくなる |
| 減価償却の方法と耐用年数 | 資産の種類ごとの耐用年数と償却方法を固定資産台帳に記録する。償却方法を変えるときは手続きが必要 | 台帳と帳簿の数字が合わず、毎期の償却費がずれる |
| 未払費用の計上の基準 | 決算日までに役務の提供を受けたのに請求書が届いていない費用を、誰がどの資料で拾うかを決める | 請求書が遅れた費用が漏れ、利益が実際より大きく見える |
| 前払費用と消耗品の扱い | 短期前払費用の特例を使うか、消耗品を購入時に費用にして期末に貯蔵品へ戻すかを決めて継続する | 期ごとに扱いが変わり、前期との比較ができなくなる |
| 貸倒引当金の計算方法 | 貸倒実績率で計算するか、中小法人の法定繰入率を使えるか、個別に評価する債権があるかを確認する | 引当の根拠を説明できず、前期との差が大きくなる |
| 再振替の管理 | 決算整理仕訳のうち翌期首に戻すものを一覧にし、期首の入力漏れを防ぐ | 翌期の費用が二重に計上される |
棚卸資産の評価方法は、法人税法施行令が原価法と低価法の方法を定め、評価方法を選定しなかった場合は最終仕入原価法を使うと定めています(出典:e-Gov法令検索「法人税法施行令」第28条・第31条、2026年10月20日確認)。償却方法の変更の手続は、国税庁 No.5407 減価償却資産の償却方法の変更手続で確認できます。判断に迷うときは、顧問税理士や所轄の税務署に確認してください。
決算整理仕訳の手順|決算前に確認する9つのステップ
決算整理は、残高の確定から税金の計上まで、順番に進めると漏れが減ります。次の表は、決算整理前の残高試算表をもとに、確認する順に並べた手順の一例です。業種によって不要な手順は飛ばしてかまいません。
| ステップ | やること | 主に確認する資料 |
|---|---|---|
| 1. 決算整理前残高試算表を作る | 日々の仕訳を締め、総勘定元帳の残高を集計する | 仕訳帳、総勘定元帳 |
| 2. 売上・仕入の漏れを確認する | 締め日のあとに請求した売上や、納品を受けたのに未計上の仕入がないか見る | 請求書の控え、納品書、検収記録 |
| 3. 現金・預金を実際の残高と合わせる | 現金は実際に数え、預金は通帳や残高証明書と照合する。原因が分からない差は現金過不足から雑損益へ | 現金出納帳、通帳、残高証明書 |
| 4. 売掛金・買掛金・仮勘定を整える | 取引先ごとの残高を照合し、仮払金・仮受金を確定した科目へ振り替える | 取引先元帳、精算書 |
| 5. 棚卸と売上原価を確定する | 期末の在庫を数えて評価し、売上原価を算定する | 棚卸表、仕入の記録 |
| 6. 減価償却を計上する | 固定資産台帳で当期の償却費を計算して仕訳する | 固定資産台帳 |
| 7. 引当金と有価証券を整理する | 貸倒引当金などを計上し、売買目的有価証券を期末の時価に合わせる | 売掛金の残高明細、期末の時価の資料 |
| 8. 経過勘定を整理する | 前払・前受・未払・未収を、契約と請求書から期間で按分する | 保険証券、賃貸借契約書、請求書 |
| 9. 税金を計上し、整理後の試算表を作る | 未払法人税等・未払消費税等を計上し、決算整理後残高試算表で貸借が一致するか確認する | 納税額の試算、消費税の集計 |
年度末の作業を小さくする|月次で前倒しできる整理
決算整理の項目のなかには、毎月の締めのときに一部を済ませておけるものがあります。商工会議所の出題区分表も、決算整理の項目に月次決算による場合の処理を挙げています(出典:商工会議所の検定試験「簿記 出題区分表」、2026年10月20日確認)。月次で進められる整理と、年度末に残る確認の分け方の一例です。
| 項目 | 毎月の締めで進める整理 | 年度末に残る確認 |
|---|---|---|
| 現金・預金 | 月末に通帳の残高と帳簿を合わせる | 決算日時点の残高の確認 |
| 経過勘定 | 家賃や保険料など定額の費用を、月ごとに前払・未払として整理する | 契約の更新や金額の変更の反映 |
| 減価償却 | 固定資産台帳から毎月の償却費を計上する | 当期の取得・除却の反映と、年額との照合 |
| 請求書の未着 | 月末に届いていない請求書を確認し、未払費用として計上する | 決算日までの取引の網羅の確認 |
| 棚卸 | 月末の在庫を評価し、売上原価を月ごとに把握する | 実地棚卸による期末在庫の確定 |
手順の途中で見つかった修正は、その場で決算整理仕訳として記録します。最後に決算整理後の残高試算表を作り、前期の同じ時点の数字と見比べると、入力ミスや計上漏れに気づきやすくなります。ここまでの手順を、自社の運用に当てはめて確認してみてください。
決算整理の進め方、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
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決算整理仕訳の具体例|項目別の仕訳と計算
ここからは、3月決算の会社を想定した計算例です。金額は説明用に決めたもので、実在の会社の数字ではありません。消費税の区分は省いた簡略例で、税金の項目だけ消費税を扱います。
売上原価の算定|期首と期末の商品を入れ替える
売上原価は、期首商品棚卸高に当期の仕入高を足し、期末商品棚卸高を引いて求めます。三分法で記帳している会社は、決算整理で期首の在庫を仕入へ移し、期末の在庫を仕入から繰越商品へ移します。計算例として、期首商品棚卸高が10万円、当期の仕入高が80万円、実地棚卸で数えた期末商品棚卸高が15万円の場合を見ます。
| 場面 | 借方 | 貸方 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 期首の在庫を仕入へ移す | 仕入 100,000円 | 繰越商品 100,000円 | 前期末の在庫を、当期の仕入に加える |
| 期末の在庫を繰越商品へ移す | 繰越商品 150,000円 | 仕入 150,000円 | 売れ残った分を、当期の費用から除く |
| 整理後の仕入勘定(売上原価) | 100,000円 + 800,000円 – 150,000円 = 750,000円 | – | 仕入の残高が、そのまま当期の売上原価になる |
期末商品棚卸高をいくらと評価するかは、評価方法で変わります。評価方法の選び方は、前の章の「決算整理の前に、会社として決めておくこと」の表に示しました。
減価償却|取得価額と償却率から当期の費用を出す
国税庁は、平成19年4月1日以後に取得した資産の定額法の償却限度額を、「取得価額 × 定額法の償却率」と示しています。償却率は、耐用年数省令の別表第八に定められています(出典:国税庁 No.5410 減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分)、2026年10月20日確認)。耐用年数5年の定額法の償却率は0.200です。計算例として、取得価額120万円の事務用の備品を、耐用年数5年・定額法で償却する場合を見ます。
| 場面 | 計算 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|---|
| 1年分を償却する(期首から使用) | 1,200,000円 × 0.200 = 240,000円 | 減価償却費 240,000円 | 減価償却累計額 240,000円 |
| 期の途中で使い始めた(10月から3月の6か月分) | 240,000円 × 6か月 / 12か月 = 120,000円 | 減価償却費 120,000円 | 減価償却累計額 120,000円 |
上の貸方は、資産の金額を直接減らさず、減価償却累計額という別の勘定に積み上げる間接法です。資産の金額を直接減らす直接法では、貸方が備品になります。計算方法の詳細は減価償却費の計算方法|定額法・定率法の求め方と仕訳を計算例で解説、累計額の貸借対照表での見え方は減価償却累計額とは?減価償却費との違い・仕訳・貸借対照表の表示を解説で整理しています。
貸倒引当金|売掛金の回収不能の見込みを費用にする
貸倒引当金は、売掛金などの債権が回収できなくなる見込みを、決算で費用にする仕組みです。中小企業庁のリーフレットは、中小会計要領が、法人税法上の中小法人に認められている法定繰入率で算定する方法も使えることを明確にしたと説明しています(出典:中小企業庁「中小企業の会計に関する基本要領」、2026年10月20日確認)。法定繰入率は租税特別措置法施行令で、主たる事業ごとに、卸売・小売業が1000分の12、製造業が1000分の8、金融・保険業が1000分の3、割賦販売小売業などが1000分の7、その他の事業が1000分の6と定められています(出典:e-Gov法令検索「租税特別措置法施行令」第33条の7第4項、2026年10月20日確認)。
計算例として、サービス業(その他の事業)の会社が、期末に売掛金を1,000万円もっているとします。法定繰入率の1000分の6をかけると、繰入限度額は6万円です。前期末の貸倒引当金が2万円残っていて、差額だけを補う方法(差額補充法)をとるなら、繰り入れる金額は4万円です。
| 場面 | 計算 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|---|
| 期末の売掛金1,000万円に法定繰入率をかける | 10,000,000円 × 6 / 1,000 = 60,000円 | – | – |
| 前期末の貸倒引当金20,000円を差し引いて繰り入れる | 60,000円 – 20,000円 = 40,000円 | 貸倒引当金繰入 40,000円 | 貸倒引当金 40,000円 |
法定繰入率を使えるのは、租税特別措置法が定める中小法人などで、適用除外事業者に該当する法人は対象から外れます(出典:e-Gov法令検索「租税特別措置法」第57条の9、2026年10月20日確認)。債務者が破産手続開始を申し立てたなど、個別に回収不能の見込みがある債権は、一括の計算とは別に評価します(次章の税務の項目で触れます)。
経過勘定|前払・未払・前受・未収を期間で按分する
経過勘定は、払った時期や受け取った時期と、費用や収益が属する期間のずれを調整する勘定です。国税庁は、前払費用を、継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち、事業年度の終了の時にまだ提供を受けていない役務に対応するものと説明しています(出典:国税庁 No.5380 短期前払費用として損金算入ができる場合、2026年10月20日確認)。4つの経過勘定を、3月決算の例で並べます。
| 経過勘定 | 場面(3月決算) | 決算整理仕訳 | 翌期首の再振替 |
|---|---|---|---|
| 前払費用 | 1月1日に1年分の保険料120,000円を払った。当期分は3か月で30,000円、翌期分は9か月で90,000円 | 前払保険料 90,000円 / 保険料 90,000円 | 保険料 90,000円 / 前払保険料 90,000円 |
| 未払費用 | 3月分の家賃100,000円を、4月に払う契約になっている | 地代家賃 100,000円 / 未払家賃 100,000円 | 未払家賃 100,000円 / 地代家賃 100,000円 |
| 前受収益 | 12月1日に12か月分の受取家賃240,000円を受け取った。当期分は4か月で80,000円、翌期分は8か月で160,000円 | 受取家賃 160,000円 / 前受家賃 160,000円 | 前受家賃 160,000円 / 受取家賃 160,000円 |
| 未収収益 | 貸付金の1月から3月分の利息15,000円を、4月に受け取る契約になっている | 未収利息 15,000円 / 受取利息 15,000円 | 受取利息 15,000円 / 未収利息 15,000円 |
翌期首に再振替をしておくと、前期末に整理した金額が元に戻り、翌期に実際に払ったときや受け取ったときの仕訳と二重になりません。未払費用の例では、翌期の4月に家賃を払う仕訳は「地代家賃 100,000円 / 現金預金 100,000円」で、期首の再振替(未払家賃 / 地代家賃)と合わせると、翌期の地代家賃は0円になり、3月分の家賃が翌期の費用に重なりません。
消耗品の未使用分|貯蔵品に戻す
消耗品を購入したときに全額を消耗品費にした場合、期末に未使用の分が残っていれば、その分を貯蔵品として資産に戻します。商工会議所の出題区分表は、決算整理の項目に貯蔵品棚卸を挙げています(出典:商工会議所の検定試験「簿記 出題区分表」、2026年10月20日確認)。計算例として、期中に消耗品5万円を消耗品費で処理し、期末に8,000円分が未使用だった場合を見ます。
| 場面 | 借方 | 貸方 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 期末に未使用の消耗品を資産に戻す | 貯蔵品 8,000円 | 消耗品費 8,000円 | 当期に使った42,000円だけが当期の費用になる |
| 翌期首に再振替する | 消耗品費 8,000円 | 貯蔵品 8,000円 | 翌期に使うときの費用に戻す |
少額の消耗品まで毎期棚卸すのは手間がかかるため、金額の基準を決めて継続する会社もあります。基準は会社が決め、毎期同じ方法で続けます。
現金過不足と仮勘定|原因不明の差と、未精算の残高を片付ける
期中に現金の実際の残高と帳簿の差を現金過不足として処理し、決算まで原因が分からなかった場合は、決算整理で雑損失か雑収入にします。計算例として、実際の現金残高が帳簿より2,000円少なく、期中に「現金過不足 2,000円 / 現金 2,000円」と処理していたまま、原因が分からない場合を見ます。出張の仮払金のように、精算が済んでいない仮勘定も、確定した金額と科目へ振り替えます。
| 場面 | 借方 | 貸方 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 原因不明の現金不足を整理する | 雑損失 2,000円 | 現金過不足 2,000円 | 現金過不足の残高をなくす(不足のとき) |
| 出張の仮払金30,000円の精算が確定した | 旅費交通費 30,000円 | 仮払金 30,000円 | 精算書で金額と科目が確定したら振り替える |
有価証券の評価|売買目的は期末の時価に合わせる
中小企業庁のリーフレットは、中小会計要領が、有価証券の評価方法を法人税法と同様に取得原価での計上を原則とし、売買目的有価証券は時価で計上するとしていると説明しています(出典:中小企業庁「中小企業の会計に関する基本要領」、2026年10月20日確認)。計算例として、売買目的で50万円で取得した株式の期末の時価が53万円だった場合、差額の3万円を評価益として計上します(時価が下がったときは評価損で、仕訳の借方と貸方が逆になります)。
| 場面 | 借方 | 貸方 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 売買目的有価証券の時価が取得原価より3万円高い | 有価証券 30,000円 | 有価証券評価益 30,000円 | 取得原価500,000円を530,000円にする |
税金の計上|未払法人税等と未払消費税等
決算で当期の利益が確定すると、その期に負担する法人税・住民税・事業税の金額を見積もって、費用と未払の負債に計上します。計算例として、当期の法人税・住民税及び事業税の見積額が120万円で、中間納付として40万円を払い、仮払法人税等で処理していた場合を見ます。消費税は税抜経理で、仮受消費税が300万円、仮払消費税が200万円なら、差額の100万円が納める消費税の見込みです。
| 場面 | 借方 | 貸方 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 法人税・住民税・事業税を見積もる | 法人税、住民税及び事業税 1,200,000円 | 仮払法人税等 400,000円・未払法人税等 800,000円 | 払った中間納付を差し引いた分が未払 |
| 消費税(税抜経理)の納付額を整理する | 仮受消費税 3,000,000円 | 仮払消費税 2,000,000円・未払消費税等 1,000,000円 | 免税事業者や簡易課税の会社は処理が異なる |
法人税の確定申告は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内に、確定した決算に基づいて税務署長へ提出する決まりです(出典:e-Gov法令検索「法人税法」第74条、2026年10月20日確認)。決算整理は、この期限に間に合うように、日程を逆算して進めます。申告期限の延長や、決算書を作る一連の流れは、決算報告書とは?種類・作り方・提出先と期限を決算月別に解説でまとめています。
そのほかの引当金|退職給付引当金など
決算整理には、貸倒引当金のほかに、将来の支払に備える引当金があります。中小企業庁のリーフレットは、中小会計要領が、退職給付引当金について、従業員の在職年数など企業の実態に応じて合理的に引当金額を計算し、自己都合要支給額を基礎として、例えばその一定割合を計上するとしていると説明しています(出典:中小企業庁「中小企業の会計に関する基本要領」、2026年10月20日確認)。賞与引当金など、ほかの引当金を計上するかどうかと、税務での扱いは、会社の状況によって変わるため、顧問税理士に確認してください。
決算整理後の残高試算表で確認すること
決算整理仕訳を入力し終えたら、決算整理後の残高試算表を作って、次の点を確認します。数字が合っていても、前期の同じ時点と大きく違う科目があれば、計上漏れや入力ミスの手がかりになります。
| 確認すること | 見方 |
|---|---|
| 借方と貸方の合計が一致しているか | 一致しなければ、入力の金額や日付の誤りを探す |
| 前期の同じ時点と比べて、大きく違う科目がないか | 減価償却費、未払費用、貸倒引当金など、決算整理で動く科目を中心に見る |
| 現金過不足・仮払金・仮受金の残高がなくなっているか | 残っていれば、確定した科目への振替が済んでいない |
| 再振替が必要な仕訳に印がついているか | 翌期首の入力漏れを防ぐ |
| 補助簿や固定資産台帳の残高と、総勘定元帳が合っているか | 売掛金、買掛金、固定資産など、補助簿のある科目を突き合わせる |
決算整理仕訳の税務上の注意|損金になる条件と中小法人の特例
決算整理仕訳は、会計の処理と、法人税の所得計算が一致するとは限りません。帳簿では費用にした金額でも、税務では損金にならない場合があるため、条件を確認します。本記事は一般的な情報の整理であり、税務上の助言ではありません。
費用が損金になる条件|債務の確定
国税庁は、償却費以外の費用がその事業年度の損金になるには、事業年度終了の日までに債務が確定している必要があると案内しています。債務が確定している費用とは、次の3つの要件をすべて満たすものです(出典:国税庁 No.5387 販売費、一般管理費その他の費用における債務確定の判定、2026年10月20日確認)。
| 要件 | 内容 | 決算整理での見方 |
|---|---|---|
| 1. 債務の成立 | 事業年度終了の日までに、その費用に係る債務が成立している | 契約や注文が成立しているか |
| 2. 給付の原因となる事実の発生 | 事業年度終了の日までに、債務に基づく具体的な給付をすべき原因となる事実が発生している | 決算日までに役務の提供を受けたか、納品が済んだか |
| 3. 金額の合理的な算定 | 事業年度終了の日までに、その金額を合理的に算定できる | 請求書が未着でも、契約や見積りから金額を算定できるか |
国税庁は、修繕費の例で、建物の修繕を発注し、業者による修繕が完了し、金額の見積りが客観的にできる状況なら、3つの要件を満たして未払金などとして計上できると示しています。請求書が決算日に届いていなくても、この3つがそろえば、未払費用として計上する根拠になります。
短期前払費用の特例
前払費用は、原則として、支出したときに資産に計上し、役務の提供を受けたときに損金にします。ただし、前払費用のうち、支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを、継続してその支払った日の属する事業年度の損金にしているときは、その支払時に損金にできます。借入金の利子のように、収益の計上と対応させる必要がある費用は、1年以内でも対象になりません(出典:国税庁 No.5380 短期前払費用として損金算入ができる場合、2026年10月20日確認)。この特例を使うかどうかは会社が決め、使うなら毎期継続します。
貸倒引当金と中小法人の特例
貸倒引当金の損金算入は、法人税法が対象の法人を定めており、資本金の額が1億円以下の普通法人などの中小法人はその対象に含まれます。一括評価の貸倒引当金は、期末の債権の帳簿価額に貸倒実績率をかけて計算し、損金経理で繰り入れた金額のうち限度額までが損金になります。この規定は、確定申告書に明細の記載がある場合に限って適用されます(出典:e-Gov法令検索「法人税法」第52条、2026年10月20日確認)。中小法人には、実績率の代わりに、前の章で示した法定繰入率を使える特例があります。
| 主たる事業 | 法定繰入率 | 期末の売掛金1,000万円の場合の繰入限度額 |
|---|---|---|
| 卸売・小売業(飲食店業を含み、割賦販売小売業を除く) | 1000分の12 | 120,000円 |
| 製造業(電気・ガス・熱供給・水道・修理業を含む) | 1000分の8 | 80,000円 |
| 金融・保険業 | 1000分の3 | 30,000円 |
| 割賦販売小売業・包括信用購入あっせん業・個別信用購入あっせん業 | 1000分の7 | 70,000円 |
| 上記以外の事業(サービス業など) | 1000分の6 | 60,000円 |
上の表の繰入限度額は、実質的に債権とみられない部分を除く前の単純な計算例です。実際の限度額は、その事業年度終了の時の一括評価金銭債権の帳簿価額から、債務者から受け入れた金額などで実質的に債権とみられない部分を引いて計算します(出典:e-Gov法令検索「租税特別措置法施行令」第33条の7、2026年10月20日確認)。個別に評価する債権の扱いは、e-Gov法令検索「法人税法施行令」第96条に定められています。
会計と税務の扱いが異なる項目は、申告書の段階で調整が必要になる場合があります。判断に迷う項目は、顧問税理士や所轄の税務署に確認してください。法令・通達は、2026年10月20日確認の内容に基づきます。
決算整理仕訳でよくある失敗と防ぎ方
決算整理仕訳の失敗は、入れ忘れ、二重計上、前期との不一致の3つに分かれます。いずれも、仕組みと確認の手順で減らせます。
| よくある失敗 | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 再振替仕訳を入れ忘れる | 翌期に払った費用や受け取った収益が、前期末の整理分と二重になる | 決算整理仕訳のうち翌期首に戻すものを一覧にし、期首に入力した日付と金額を確認する |
| 請求書が届いていない費用を拾わない | 当期の費用が漏れ、利益が実際より大きく出る | 決算日までに役務の提供を受けた取引を、各部署から回収する。金額は契約や見積りから算定できるか、債務確定の3要件で判断する |
| 現金・預金を決算日と別の日に数える | 帳簿との差の原因がつかめず、現金過不足が残る | 決算日の残高を基準に、通帳や残高証明書と照合する |
| 減価償却の方法を前期と変える | 毎期の償却費が連続せず、償却方法の変更手続も必要になる | 固定資産台帳に方法と耐用年数を記録し、変更する場合は手続を確認する |
| 仮払金・仮受金・現金過不足を残したまま決算する | 貸借対照表に内容が分からない残高が残る | 決算整理の前に、一覧にして確定した科目へ振り替える |
| 前期の決算整理仕訳と見比べない | 計上漏れや金額のぶれに気づけない | 決算整理後の残高試算表を、前期の同じ時点の数字と並べて確認する |
決算整理仕訳を会計ソフト・請求書受領サービスで回す|使いどころ
決算整理仕訳の中身は、本記事のとおり、計算と判断が中心です。一方で、仕訳の元になる日々の入力、請求書の受領、未払の把握は、毎月繰り返す作業です。ここでの橋渡しは、商品ページに決算整理仕訳を自動で作成する機能の記載がないことを前提に、日々の仕訳と請求書の受領・支払を仕組みにして、決算前の確認を小さくする面に限ります。商工会議所の出題区分表は、決算整理の項目に月次決算による場合の処理を挙げており、決算の作業を毎月に分けて前倒しする考え方があることが分かります。
請求書の受領窓口を一つにして、未払の把握を早めたいとき
決算の前に請求書が届かず、未払の費用を拾いきれないという悩みに対し、請求書を一か所で受け取る場合の一例が、Sansan株式会社が提供するBill One請求書受領です。商品ページによると、郵送される紙の請求書をスキャンし、メールで届くPDFなどのデータとあわせて電子化してクラウド上で一元管理でき、受け取りからデータ化、申請・承認、仕訳、支払い管理、保管までを扱えます。商品ページは、月次決算を加速させたい企業におすすめとしています。ただし、決算整理仕訳そのものを自動で作る機能の記載はなく、価格を確認するには問い合わせが必要です。
Sansan株式会社
Bill One請求書受領
Sansan株式会社
Bill One請求書受領
月次決算が加速!社内全体の請求書業務を加速させたい企業におすすめ

評判・口コミを紹介
Bill Oneであれば紙の請求書でもオンラインで受領・データ化することが可能なため、それらの作業を行うことなく、請求書をオンラインで簡単に確認できるようになり、業務時間を3000時間程度削減できました。また、テレワークの前に請求書をスキャンするための残業がなくなり、経理担当者1人あたりのテレワーク実施時間が月44時間から月84時間へと増加しました。
ニュース(株式会社ボディワークホールディングス)|Sansan株式会社
おすすめ!
- あらゆる請求書をオンラインで受け取れて、クラウド上で一元管理できる
- 申請や承認などのさまざまな請求書業務をデジタル上で完結でき、生産性が向上する
- インボイス制度や電子帳簿保存法などの法改正に都度対応し、請求書業務の負担を軽減できる
気になる…
- 価格を確認するには問い合わせが必要
-
支払請求書の管理漏れを防げるようになりました。紙で届いた請求書もスキャンして取り込めるうえ、電子帳簿保存法に対応しているため、紙の保管・管理の手間が大幅に削減。業務効率が格段に向上しました。さらに、300件/月まではずっと無料で利用できる点もコストめんで大変ありがたく、導入しやすかったです。
導入事例として、株式会社コメリの事例は、「Bill One導入で実現した月次決算の早期化と月約600時間の業務削減」という見出しで、Bill One請求書受領の公式サイトで紹介されています。
「Bill One導入で実現した月次決算の早期化と月約600時間の業務削減」
株式会社コメリ導入事例の見出し。出典:Bill One請求書受領「導入事例」、2026年10月20日確認
請求書の承認から振込までをまとめ、期日と支払状況を把握したいとき
受領した請求書の入力から承認、振込までを一つの流れで管理する場合の一例が、株式会社マネーフォワードが提供するマネーフォワード クラウド債務支払です。商品ページによると、請求書メールを自動で取り込み、AI-OCRで「支払依頼申請」の下書きを作成します。適格請求書の判定、柔軟な申請経路の設定、銀行振込APIによるワンクリックの振込にも対応しています。請求書の入力から支払までが一つの流れで記録されると、支払が済んでいない請求書を決算前に確認しやすくなります。ただし、商品ページでは開封や受領・保管の代行はオプションとされており、決算整理仕訳そのものを扱う機能の記載はありません。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社マネーフォワード
マネーフォワード クラウド債務支払
株式会社マネーフォワード
マネーフォワード クラウド債務支払
振込み対応!請求業務をオンラインで完結したい方におすすめ
AI OCR機能や承認フローの効率化により、請求書の電子保存や自動入力で請求書管理を効率化するなら、マネーフォワード クラウド債務支払の導入がおすすめです。

評判・口コミを紹介
導入後の最大のメリットは、やはりペーパーレス化により紙にまつわる作業や手間がすべてなくなったことです。経費や支払の問い合わせの際に毎回紙を探す手間、ファイリングする手間、会計監査や税務調査の際に紙の資料を収集する手間がなくなりました。
経費の導入事例(マックス株式会社)|株式会社マネーフォワード
おすすめ!
- 銀行振込APIと連携しているため、ワンクリックで振込みができる
- AI-OCRにより、適格請求書の判定業務を効率化
- ワークフローは自社にあわせて柔軟に申請経路の設定が可能
気になる…
- 開封や受領・保管の代行はオプションとなる
導入事例として、宇都宮ヤクルト販売株式会社は、導入前に紙の請求書の処理で多くの時間を費やしていたと、マネーフォワードの導入事例で紹介されています。
「同社は以前まで、毎月100件以上届く紙の請求書処理に、多くの時間を費やしていました。」
宇都宮ヤクルト販売株式会社「マネーフォワード クラウド債務支払」導入事例。出典:マネーフォワード「宇都宮ヤクルト販売株式会社」導入事例、2026年10月20日確認
マネーフォワード クラウド債務支払
受け取った請求書の入力から承認、振込まで、書類と画面を行き来していませんか?
こんな会社に向いています
メールで届く請求書を取り込んで、支払依頼の下書き作成まで進めたい
承認の経路を決めて、そのまま銀行振込まで進めたい
会計ソフトで日々の仕訳と決算書づくりを、請求書受領サービスで書類の受領から支払までを、と役割を分けると、決算整理仕訳は、決めたルールに沿って整理後の残高を確認する作業に絞れます。決算整理の作業全体を見直したいときは、3つの資料をまとめて取り寄せて比べる方法もあります。精算表に決算整理仕訳を記入する流れは、精算表とは?精算表の目的や書き方から作成のコツまで解説で解説しています。
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Q1. 決算整理仕訳は必要ですか?
A. 必要です。日々の仕訳だけでは、在庫、固定資産の価値の減り、未払や前払などが反映されず、決算書の金額が期末の実態とずれるためです。法人は、確定した決算に基づく申告書を事業年度終了の日の翌日から2か月以内に提出する決まりで(法人税法第74条)、決算整理はその前提になります。ただし、必要な項目は会社によって異なり、在庫がなければ棚卸の処理は不要です。
Q2. 決算整理仕訳の一覧表はありますか?
A. 本記事の「決算整理仕訳の一覧表」に、現金過不足、売上原価、貸倒引当金、減価償却、有価証券の評価、前払・前受、未払・未収、貯蔵品、仮勘定、税金の10項目と仕訳の型をまとめています。商工会議所の簿記検定の出題区分表も、決算整理の項目として、当座借越の振替、商品棚卸、貸倒見積り、減価償却、貯蔵品棚卸、収益・費用の前受け・前払いと未収・未払いなどを挙げているため、基本の項目の確認に使えます。
Q3. 決算整理仕訳と決算振替仕訳の違いは何ですか?
A. 決算整理仕訳は、日々の仕訳に反映されない金額を期末の実態に合わせる仕訳で、決算振替仕訳より先に行います。決算振替仕訳は、収益と費用の各勘定を損益勘定に振り替え、当期の純損益を繰越利益剰余金に移して帳簿を締め切る仕訳です。翌期の最初に前期の整理を元に戻す仕訳は、再振替仕訳と呼びます。
Q4. 決算整理仕訳はいつ行いますか?
A. 決算日(事業年度の最終日)時点の残高を対象に、日々の仕訳を締めたあとで行います。仕訳の日付は決算日にそろえるのが一般的です。法人税の申告期限は事業年度終了の日の翌日から2か月以内なので、そこから逆算して日程を組みます。月次決算で一部の整理を毎月行うと、年度末の作業を小さくできます。
Q5. 簿記3級の決算整理仕訳は難しいですか?
A. 難しさには個人差がありますが、範囲は決まっています。商工会議所の出題区分表(2027年4月1日施行分)で、3級の決算整理の項目として挙げられているのは、当座借越の振替、商品棚卸、貸倒見積り、減価償却、貯蔵品棚卸、収益・費用の前受け・前払いと未収・未払い、月次決算による場合の処理などです。本記事の具体例の型と対応しているため、項目ごとに仕訳の型をおさえると整理しやすくなります。
Q6. 決算整理仕訳は会計ソフトで自動で作れますか?
A. 自動で作れる範囲はソフトによって異なります。マネーフォワード クラウド会計の商品ページには、仕訳の自動化と決算書の自動作成の記載がある一方、減価償却や経過勘定などの決算整理仕訳を自動で作成する機能の記載はありません。固定資産の償却の計算など、決算整理の一部を自動化したい場合は、導入するソフトの機能や、別の固定資産管理の製品の有無を、資料や公式サイトで確認してください。
まとめ|決算整理仕訳で押さえたい5つのこと
決算整理仕訳は、日々の仕訳に反映されない期末の差を、実態に合わせて直す仕訳です。項目を一覧で確かめ、手順と税務の条件を押さえると、漏れと二重計上を減らせます。最後に、押さえておきたい点を整理します。
- 決算整理仕訳は、決算振替の前に行う期末の修正:試算表を作ったあとに、棚卸、減価償却、貸倒引当金、経過勘定、貯蔵品、仮勘定、税金を、期末の実態に合わせます。
- 項目は一覧表で確認し、手順は順番に進める:残高の確定から税金の計上まで9つのステップで進め、最後に前期の数字と見比べます。
- 翌期首の再振替を入れ忘れない:前払・未払・前受・未収と貯蔵品は、翌期首に元へ戻して、二重計上を防ぎます。
- 税務の条件と申告期限を確認する:費用は事業年度終了の日までの債務確定が要件で、貸倒引当金は中小法人の特例などがあります。申告期限は事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。
- 日々の仕訳と請求書の受領を仕組みにする資料を取り寄せる:日々の仕訳ならマネーフォワード クラウド会計、請求書の受領ならBill One請求書受領、受領から承認・振込までならマネーフォワード クラウド債務支払と、役割が違う選択肢があります。
本記事は一般的な情報の整理であり、税務上の助言ではありません。個別の判断は、顧問税理士や所轄の税務署に相談してください。法令・通達と各社の商品ページは、2026年10月20日確認の内容に基づきます。
参考文献
- デジタル庁 e-Gov法令検索「法人税法」(第52条・第74条)、2026年10月20日確認
- デジタル庁 e-Gov法令検索「法人税法施行令」(第28条・第31条・第96条)、2026年10月20日確認
- デジタル庁 e-Gov法令検索「租税特別措置法」(第57条の9)、「租税特別措置法施行令」(第33条の7)、2026年10月20日確認
- 国税庁「No.5387 販売費、一般管理費その他の費用における債務確定の判定」、「No.5380 短期前払費用として損金算入ができる場合」、2026年10月20日確認
- 国税庁「No.5410 減価償却資産の償却限度額の計算方法(平成19年4月1日以後取得分)」、「No.5407 減価償却資産の償却方法の変更手続」、2026年10月20日確認
- 中小企業庁「中小企業の会計に関する基本要領」(リーフレット)、2026年10月20日確認
- 商工会議所の検定試験「簿記 出題区分表」(2027年4月1日施行分)、2026年10月20日確認
- マネーフォワード「株式会社HITOMIOテクノロジーズ導入事例」「宇都宮ヤクルト販売株式会社導入事例」、Sansan株式会社「Bill One請求書受領 導入事例」、2026年10月20日確認
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