退職理由の伝え方と例文|公的調査で見る本音と会社側の聞き取り方

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  • 本音は事実と前向きな希望に言い換える
  • 面接と上司には同じ軸で理由を伝える
  • 会社は退職理由を記録し兆しを拾う

退職理由とは、会社を辞めることになった事情やきっかけのことです。退職する人は上司への申し出、退職届、面接で伝え方を問われ、人事担当者は面談や記録で理由を把握します。厚生労働省の令和7年の調査では、転職者が前職を辞めた理由のうち最も多いのは具体的に示されない「その他の個人的理由」で、不満に関する理由では、人間関係、労働条件、給料がそれぞれ1割前後でした。この記事では、実際に多い理由、角が立たない伝え方と例文、面接と上司への切り出し方、会社が退職理由を聞き取って辞める前の兆しにつなげる方法までを整理します。

自社の退職理由の把握、いまの状態を2問で確認(人事・経営の方向け)

Q1. 退職者の理由は、いまどう把握していますか?

目次

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  1. 退職理由とは?退職する人と会社が必要になる場面と、実際に多い理由
  2. 退職理由の伝え方|本音を整える4つの原則
  3. 退職理由の例文|本音を前向きに言い換える早見表
  4. 面接で退職理由を聞かれたときの答え方
  5. 上司に退職理由を伝えるときの切り出し方と順番
  6. 人事担当者向け|退職理由の聞き取りと記録の進め方
  7. 退職理由から離職を防ぐ|辞める前に兆しをつかむ方法
  8. 入社後のミスマッチによる早期離職を、入口で減らす
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ:退職理由で押さえたい5つのこと
  11. 参考文献

退職理由とは?退職する人と会社が必要になる場面と、実際に多い理由

退職理由とは、会社を辞める事情やきっかけです。令和7年の厚生労働省の調査では、人間関係、労働条件、給料がそれぞれ1割前後でした。

退職理由が必要になる場面

退職する人が退職理由を求められるのは、上司に退職を申し出るとき、退職届や退職願に書くとき、転職先の面接で聞かれるときの3つの場面です。会社側では、退職面談で聞き取るとき、退職証明書に退職の事由を書くとき、退職後に理由を記録して傾向を見直すときに扱います。場面によって、求められる詳しさと言い方が変わります。

転職した人が前職を辞めた理由|令和7年の公的調査

厚生労働省の令和7年雇用動向調査(表5)から、転職入職者が前職を辞めた理由の主な項目を抜き出しました。「その他の理由(出向等を含む)」と理由不詳は省いているため、合計は100%になりません。

前職を辞めた理由男性(%)女性(%)
職場の人間関係が好ましくなかった8.911.5
労働時間、休日等の労働条件が悪かった8.512.9
給料等収入が少なかった9.98.6
会社の将来が不安だった6.94.3
仕事の内容に興味を持てなかった5.24.6
能力・個性・資格を生かせなかった5.23.9
結婚0.51.4
出産・育児0.51.6
介護・看護0.81.0
その他の個人的理由16.823.8
定年・契約期間の満了16.19.8
会社都合5.36.2

男女とも最も多いのは「その他の個人的理由」で、男性16.8%、女性23.8%です。この選択肢は理由の中身が示されないため、表の数字だけでは本音の全体は分かりません。これと「その他の理由(出向等を含む)」を除くと、男性は「定年・契約期間の満了」16.1%、「給料等収入が少なかった」9.9%の順に多く、女性は「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」12.9%、「職場の人間関係が好ましくなかった」11.5%の順に多くなっています(厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」)。民間の転職サイトの調査とは対象や選択肢が違うため、順位は一致しないことがあります。

会社に残る退職理由と、本人が語る理由は別のもの

同じ調査には、離職者がいた事業所が回答した理由にもとづく、離職理由別の離職率もあります。令和7年は、結婚・出産育児・介護看護・その他の個人的理由を合計した「個人的理由」が10.2%、経営上の都合などの「事業所側の理由」が0.9%でした。この集計は事業所が回答した理由で、人間関係や労働条件への不満といった中身までは分かれていません。会社に残る記録は、本人が転職後に調査で答える理由とずれることがあり、辞める前に本人の声をつかむ仕組みに意味があります。

会社が退職理由を早めにつかむための選択肢

退職する側で伝え方を知りたい方は、次の章へ進んでください。会社側で、辞める前に不満や変化をつかみたい場合の道具として、離職防止ツール・組織診断ツールのうち3つを、優劣ではなく役割の違いで並べます。

退職理由を会社が把握し、離職を防ぐための3サービス

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評価・口コミ(一部抜粋)
4.1
  • 顔写真付きで人材データを把握、管理でき、労務業務のペーパーレス化ができます。 また、スキルや評価情報と社内研修や学習履歴などを組み合わせて活用することができます。効果的な人材育成ができると思います。

  • 当日初めて一緒に働くメンバーが多い職種なので、顔がわかることですぐに挨拶ができ、業務を開始できる。社歴を知ることもできるので、自分の先輩なのか後輩なのかが業務前にわかる。部署異動があってもすぐに反映される。

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その結果、人事部の作業時間は6分の1に、システムの運用コストは50%の削減効果のほか、離職率も20%から10%に激減したといいます。

出典: カオナビ導入事例 株式会社エムティーアイ(2016年11月掲載)

上の事例は2016年の掲載で、導入した会社の状況も今とは異なります。自社にそのまま当てはまるとは限らないため、運用の考え方を知る材料として読んでください。

退職理由の伝え方|本音を整える4つの原則

退職理由は、事実を短く伝え、会社への感謝と前向きな希望を添えるのが基本です。批判は避け、場面ごとの話をそろえます。

原則1 事実を短く、前向きな希望と合わせて伝える

退職理由は、辞めるに至った事情の説明であり、会社への反論の場ではありません。「残業が多くて続けられない」と事実だけを述べると、聞く側は改善の余地を探したくなります。「業務量を調整しながら長く力を発揮できる環境で働きたいと考えた」のように、事実を一言で述べ、これから実現したいことを続けると、話が前向きに閉じます。長く説明するほど、別の不満が見えてしまうため、1-2文にまとめます。

原則2 会社や同僚への批判を理由に入れず、感謝を添える

上司の指導や同僚との関係が本当の理由でも、そのまま述べると、人事や転職先の面接官に、他責の人という印象を与えかねません。指導を受けた経験や任された仕事への感謝を一言添え、不満は「自分に合う環境を探したい」という形に言い換えます。感謝は形式ではなく、引き継ぎまで協力する姿勢を示す意味もあります。

原則3 嘘はつかず、言わないことと偽ることを分ける

本音をすべて話す必要はありません。ただし、事実と違う理由を作ると、面接や職場でつじつまが合わなくなります。たとえば、体調不良や家庭の事情を偽ると、後から確認される場面で説明に詰まります。話さない範囲を決めて、話す部分は事実にしておく方が、後々のトラブルを避けられます。

法律面では、民法627条1項が、期間の定めのない雇用はいつでも解約を申し入れることができ、申入れの日から2週間で終了すると定めています(e-Gov法令検索「民法」)。条文には、退職の理由を示すことを申入れの条件とする定めはありません。ただし、会社によっては就業規則に退職の申出の期限が定められているため、円満に退職するには、就業規則の期限に合わせて早めに伝えるのが現実的です。有期雇用や公務員は扱いが異なります。本記事は一般的な情報の紹介で、個別の事案に対する法的助言ではありません。会社との間で意見が食い違う場合は、社会保険労務士や弁護士、各地の労働局の総合労働相談コーナーに相談してください。

原則4 上司、退職届、面接で話をそろえる

上司には「新しい分野に挑戦したい」と話し、面接では「給料への不満」と答えると、前の会社の同僚や紹介者を通じて話が食い違うことがあります。退職理由の軸を1つ決め、上司への申し出、退職届、面接のすべてで、同じ軸の言い方にそろえます。退職届は、書き方が決まっていることが多く、理由の欄には「一身上の都合により」とだけ書くのが一般的です。書式や例文は、退職届テンプレートの解説と退職願テンプレートの解説で確認できます。

退職理由の例文|本音を前向きに言い換える早見表

本音の退職理由は、事実を一言で述べたうえで、実現したいことに言い換えると、角が立たずに伝わります。理由別の例文を表にしました。

本音の理由伝え方の例文言い換えのポイント
給料や評価に不満成果や専門性をより正当に評価していただける環境で、キャリアを積みたいと考えました。金額への不満は直接言わず、評価の仕組みに焦点を当てる
人間関係がつらいチームで同じ目標に向かい、腰を据えて業務に取り組める環境を求めたいと考えました。特定の人を挙げず、働き方の希望として述べる
残業や休日出勤が多い業務の進め方を見直し、長期的に成果を出せる働き方を実現したいと考えました。労働時間への不満を、生産性や継続のための希望に置き換える
会社の将来が不安事業の成長分野で、新しい知識を身につけながら貢献したいと考えました。会社の批判にせず、自分の成長の方向として話す
仕事内容が合わない○○の分野で専門性を高めたいという思いが強くなり、挑戦したいと考えました。具体的に次にやりたい仕事を入れる(○○は自分の分野に置き換える)
家庭の事情(介護・育児・転居)家族の介護のため、勤務地や勤務時間を調整できる働き方に変える必要が出ました。事実を短く述べ、詳細は求められたときだけ話す
体調がすぐれない体調を整えることを優先し、無理のない働き方に切り替えたいと考えました。診断名などの詳細は、話す義務のない範囲に留める
理由を詳しく言いたくない一身上の都合により、退職させていただきたいと考えております。聞かれたら感謝と引き継ぎの協力を添えて、重ねて追及されたら「個人的な事情です」と伝える

表の例文は言い回しの見本であり、事実と違う内容を述べるためのものではありません。自分の事情に合う部分だけを使い、自分の言葉に直してください。

言ってはいけない、避けたい退職理由

避けたいのは、事実でない理由、特定の人や会社への悪口だけで終わる理由、面接で話す志望動機と食い違う理由です。たとえば「上司が無能だった」と述べると、転職先でも同じ不満を抱くのではないかと思われます。「特になし」と答える、あるいは空欄にする書き方も、理由を話したくない人という印象を残します。給料や人間関係の不満は、本音として整理したうえで、将来の希望に言い換えてから話します。

引き止められにくい退職理由の例文

引き止めにあいにくいのは、会社が条件を変えても解決しない理由です。給料や人間関係の不満は、昇給や異動の提案を受けて、話が長引きやすくなります。次の例文のように、すでに次の予定が決まっている、あるいは勤務条件そのものを変える必要があると伝えると、話が収まりやすくなります。

  • 「次の勤務先が決まっており、退職日は○月○日を希望しています」
  • 「資格の取得のため、学業に専念する時間を確保したいと考えました」
  • 「家族の介護のため、勤務地を変える必要が出ました」
  • 「これまでの経験を生かして、別の分野に挑戦すると決めました」

どれも、「引き止められない」ことを保証する言い方ではありません。決意が固いことと、引き継ぎに協力する姿勢を、あわせて示してください。

面接で退職理由を聞かれたときの答え方

面接では、退職理由を事実、そこから学んだこと、これからやりたいことの順に短く答え、志望動機につなげます。前の会社の批判は避けます。

答え方は事実、学び、これからの3段で組み立てる

一般に、面接官は退職理由から、同じ理由で再び辞めないか、前の職場への批判が強くないか、志望動機と一貫しているかを確かめようとします。事実を1文、前の職場で得たものを1文、これから実現したいことと応募先で生かせることを1-2文で述べると、答えが長くなりません。たとえば、残業の多さが理由なら、「前職では、繁忙期に業務が特定の人に集中する状況がありました。その中で、優先順位をつけて効率よく進める力を身につけました。今後は、業務を仕組みで回す環境で、この力を生かしたいと考えています」と答えます。

面接で聞かれる場面答え方の例気をつけること
なぜ前の会社を辞めたのですか担当する業務の幅を広げたいと考えたためです。前職では、(担当した業務)の経験を積み、(身につけた力)を身につけました。今後は、御社で(取り組みたいこと)に挑戦したいと考えています。(カッコ内は自分の経験に置き換える)事実、学び、これからの順に1分以内で話す
前の会社に不満はありませんでしたか改善したい点はありましたが、前職で学んだことも多くありました。自分の力を生かせる環境で働きたいという思いが強くなりました。不満を聞かれても、批判に広げず、希望の話に戻す
入社後、同じ状況になったらどうしますか業務の優先順位を上司と確認し、早めに相談します。その上で、自分でできる工夫を先に試します。応募先の仕事内容に合わせ、具体的な行動を答える

深掘りされたときの考え方

面接官から「改善を試みましたか」と聞かれたら、上司への相談や業務の工夫など、実際にやったことを事実で答え、そのうえで、個人の努力では解決しにくい部分があったと説明します。「同じことが当社で起きたらどうしますか」と聞かれたら、応募先の仕事内容を踏まえ、先に相談する、優先順位を確認するなど、具体的な行動を答えます。実際にやっていないことを作ると、さらに掘り下げられて詰まりやすくなります。

短期間で辞めた場合や転職回数が多い場合

入社して間もない退職は、面接官が最も気にする点です。理由が人間関係や待遇だけでも、「入社前に確認したことと実際の仕事内容に違いがあった」のように、事実の差を述べ、同じ失敗を避けるために応募先で確認したことを続けると、前向きな印象になります。

上司に退職理由を伝えるときの切り出し方と順番

上司には、まず直属の上司に、時間をとってもらい、対面で、決意と退職希望日を先に伝えます。理由は聞かれたら短く答えます。

伝える順番とタイミング

退職の意思は、同僚や取引先に話す前に、直属の上司に最初に伝えます。メールやチャットだけで済ませず、「ご相談したいことがあります」と時間をとってもらい、面談で話します。民法では申入れから2週間で雇用が終了しますが、引き継ぎに必要な期間を考えると、就業規則の期限(1か月前などと定める会社もあります)を確認し、それより早めに伝えるのが望ましいとされます。

切り出しの例文

「お忙しいところ、お時間をいただきありがとうございます。○月末をもって退職させていただきたく、ご相談しました。これまで多くの経験をさせていただき、感謝しております。次は、これまでの経験を生かして新しい分野に挑戦したいと考えています。引き継ぎは、後任の方に迷惑がかからないよう、責任をもって進めます」。理由は短く、決意と退職希望日、感謝、引き継ぎの姿勢の4点を先に述べます。

退職日までの引き継ぎで、円満さが決まる

退職理由を伝えたあとは、引き継ぎの進め方が、円満な退職かどうかを分けます。担当業務、取引先、進行中の案件、書類の保管場所を一覧にして、後任の方が1人でも動けるようにします。退職日が決まったら、引き継ぎの計画を上司に共有し、最終出社日までの予定を逆算して進めます。有給休暇を使い切る場合は、引き継ぎの期間と重ならないよう、日程を早めに相談します。感謝の言葉と引き継ぎの丁寧さは、退職理由の言い方と同じく、その後の評価につながります。

直属の上司に話しにくいとき

直属の上司との関係が退職の理由で、面談そのものが難しい場合は、人事部門や、さらに上の立場の人に先に相談する方法があります。ハラスメントなどが疑われる場合は、会社の相談窓口のほか、各都道府県労働局の総合労働相談コーナーも利用できます。その場合も、退職の意思と希望日、引き継ぎに協力する意向を、記録が残る形で伝えておくと、後の行き違いを防げます。

引き止められたときの対応

引き止められたときは、条件の提案に気持ちが揺れても、その場で結論を出さず、「検討します」と持ち帰ります。退職の決意が固いなら、退職日と引き継ぎの計画を示し、感情的な言い合いは避けます。話し合いがまとまらないときは、人事部門や外部の相談窓口に相談します。退職願や退職届は、会社に受理されたあと、撤回が難しくなる場合があります。提出前に、退職願の撤回と受理の流れを確認してください。

人事担当者向け|退職理由の聞き取りと記録の進め方

人事担当者は、退職面談で理由を聞き取り、分類を決めて記録すると、退職の傾向を比べて見直せます。退職証明書の記載には注意が必要です。

退職面談で聞くこと

退職面談では、退職の意思と退職日、引き継ぎの進め方、辞めるきっかけになった出来事、会社の良かった点と改善できた点を聞き取ります。本音は、退職日が近い時期に最も話しやすくなりますが、本人が話したくない内容を無理に聞き出す場ではありません。聞いた内容は、本人の言葉をそのまま残し、分類は別の欄に書くと、後から読み返したときに解釈がぶれにくくなります。退職日以降の手続きは、退職手続きの流れ(会社側の期限と必要書類)にまとめています。

聞き取りのときは、次のような順で質問すると、話が広がりやすくなります。

  1. 退職を決めたきっかけは、いつ、どんな出来事でしたか
  2. 会社に相談したことはありましたか。あった場合、その対応はどうでしたか
  3. 会社や職場で、続けたいと思えた点はありましたか
  4. 会社が変えられるとしたら、何を変えるのが望ましいですか

これらの質問は、責める形にならないよう、「今後の参考にしたい」と目的を伝えてから聞きます。答えにくそうな場合は、無理に聞かず、書面での回答も選べるようにします。

集計して見るときの視点

退職理由は、1件ずつ読むだけでなく、勤続年数別、部署別、退職の時期別に分けて見ると、傾向が見えてきます。同じ理由が複数の部署で出ているなら会社全体の課題、1つの部署に集中しているなら、その部署の運用やマネジメントの課題と考えられます。本人が語った理由と、管理職の見立てが食い違っていないかも確認します。令和7年の公的調査で、事業所が回答した離職理由別の離職率は、個人的理由が10.2%でした。自社の数字を、こうした全国の数字と並べることで、自社の離職が多いのか少ないのかの目安をつかめます。業種や規模によって水準は異なるため、あくまで参考値として扱います。

退職証明書に書く内容

労働基準法22条1項は、労働者が退職の場合に、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金、退職の事由について証明書を請求したときは、使用者は遅滞なく交付しなければならないと定めています。退職の事由が解雇の場合は、その理由を含みます。同条3項は、証明書に労働者の請求しない事項を記入してはならないとしています(e-Gov法令検索「労働基準法」)。面談で聞いた本音の理由と、証明書に書く退職の事由は別のものとして扱い、本人が請求した事項だけを記載します。個別の判断は、社会保険労務士や弁護士に確認してください。

退職理由を分類して記録するコツ

退職理由は、公的調査の選択肢を土台に分類すると、全国の数字と見比べやすくなります。上の表の人間関係、労働条件、給料、会社の将来、仕事内容、能力の発揮、結婚・出産・介護、契約満了、会社都合に加え、「その他」の中身を自由記述で残す形です。部署、勤続年数、退職の時期も一緒に記録すると、退職が続く部署や早期離職の多い時期が見えます。

退職理由の記録、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

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退職理由から離職を防ぐ|辞める前に兆しをつかむ方法

離職を防ぐには、辞めると言われる前に、不満や変化を定期的につかむことが要です。退職の申し出の段階では、気持ちがすでに固まっています。

離職防止の基本は、退職者から聞いた理由を、現在の社員への手当てに戻すことです。くわしい施策は、離職防止対策の解説と離職防止ツールの機能と選び方にまとめています。ここでは、退職理由の分析から、サーベイで兆しを拾う流れを整理します。

サーベイで、辞める前の変化を定点観測する

Supershipホールディングス株式会社の人財開発本部は、Wevoxの導入事例の取材で、導入前は、ある日突然「辞めます」と言ってくるメンバーが多かったと話しています。気持ちがすでに固まった段階では引き止めにくく、もっと早く問題をつかめていれば対応できたと振り返っています。こうした「サプライズ退職」を減らすには、辞めたいと言い出す前の、エンゲージメントや不満の変化を拾う必要があります。

ある時に突然「辞めます」と言ってくるメンバーが多くて。その段階になっていると相当意思を固めた上で勇気を持って伝えにきているため、引き止められないんですね。

出典: Wevox導入事例 Supershipホールディングス株式会社(2019年4月公開)

辞める前の不満や変化を、定期的に拾いたい場合の一例が、株式会社アトラエのWevoxです。Wevoxは、組織やチームのエンゲージメントを測るサーベイと、その結果の分析を行うプラットフォームで、商品ページでは、エンゲージメントサーベイが3分程度で回答できること、重要な変動を察知してアラートを出す機能があること、AIがチーム別・個人別の結果を分析し、次の行動の相談にも使えることが紹介されています。1か月の無料トライアルがあり、最低利用人数や最低利用年数がないとされています。一方、高度分析やセキュリティのオプションは別途契約が必要で、プランによって使える機能が異なります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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1人当たり300円/月~で気軽にサーベイを始められ、AIによるビッグデータを基にしたサポートと組織のコミュニケーション強化を図れるツールを選択するなら、Wevoxの導入がおすすめです。

評判・口コミを紹介

Wevoxが最も手軽に経営幹部へ意見を届けられるツールだと感じている従業員が多いように思います。直属の上司に相談しづらい、あるいは、どこに相談すればいいかわからないような悩みを伝えられることに加え、匿名であることにメリットを感じている従業員が多いようです。

導入事例(NECネッツエスアイ・サービス株式会社)|株式会社アトラエ

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評価・口コミ(一部抜粋)
3.7
  • 当社では、この結果をもとに部署ごとにエンゲージメント指数をはかり、チーム単位でエンゲージメント指数をもっと上げていこう、というエンゲージメント活動をスタートしました。普段関わりの少ない他部署メンバーと交流する機会を作る等、このサービスを通して直接業務には関係なくとも仕事のモチベーションを上げるためにどうしたらいいか、と考える機会ができたことが大きなメリットだと思います。

  • 社員の満足度や不満ポイントを毎月認識できるので、納得度の高い福利厚生や不満が多い社内施策などリアルボイスを回収できる。さらに、毎月のポイント推移が見れるのでスコアが上がっているのか下がっているのかなど分析するのに便利。

  • サービスを導入したことで、これまで感覚に頼っていた組織の状態を定量的に可視化できるようになり、エンゲージメントの低下や離職リスクを早期に発見できるようになりました。スマホでも簡単に回答できるユーザーインターフェースで、回答率が高く、現場の声をリアルタイムで把握可能でした。グループ単位での分析やアドバイスコメントもあり、具体的な改善アクションにつなげやすい点を評価しています

同じ事例では、兆候が見られたら早めに1on1を行う、チームづくりの活動に予算を使う、担当業務を変えるといった対応をとったことが紹介されています。サーベイは、結果をもとに、誰がどう動くかまで決めてはじめて、離職を防ぐ道具になります。

サーベイを始める前の注意点

サーベイは、回答する社員に負担がかかる、結果が見られないまま終わるといった理由で、続かないことがあります。始める前に、誰が結果を見て、どの水準で面談や配置の見直しにつなげるかを決めておきます。回答は匿名性の扱いを説明し、結果の使い道を伝えると、回答しやすくなります。少人数のチームから試験的に始め、運用を確かめてから広げる方法もあります。心理的な安全性や仕事のやりがいといった背景は、心理的安全性の測り方と高め方やマズローの欲求5段階説とエンゲージメントも参考になります。

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なお、顧客が離れる理由(解約理由)を把握する場合は、社員の退職理由とは別の課題です。顧客の状態を見て解約を防ぐ仕組みは、カスタマーサクセスツールの解説を参照してください。この記事は、社員の退職理由と離職防止を扱っています。

入社後のミスマッチによる早期離職を、入口で減らす

入社後のミスマッチによる離職は、採用時に自社で活躍できる人の特徴を見極める仕組みで減らせます。退職理由の記録を、採用の基準に戻します。

令和7年の調査では、「仕事の内容に興味を持てなかった」と「能力・個性・資格を生かせなかった」を合わせると、男性で10.4%、女性で8.5%でした。こうした理由は、入社前に、仕事内容や職場の特徴を伝えきれていない、あるいは本人の志向を見極めきれていないことが背景にある場合があります。退職理由を記録して分類すると、どの職種や部署でこの理由が多いかが見えます。そのうえで、採用基準や配属の考え方を見直します。

入社後のミスマッチで辞める人を減らしたい場合の一例が、株式会社リーディングマークのミキワメAI 適性検査です。ミキワメAI 適性検査は、社員の適性検査の結果から自社の社風を分析して採用基準を作り、候補者が自社で活躍できる可能性を14段階で比較・判定する検査です。商品ページでは、性格分析に特化していること、社内受検は受け放題であること、受検データを配属やオンボーディングにも使えること、カスタマーサクセスチームによる支援があることが紹介されています。一方、受検から分析までをシステム上で行うため、紙や会場での受検には対応していません。従業員の離職や休職を防ぐサーベイを行いたい場合は、別サービスの「ミキワメAI ウェルビーイングサーベイ」が必要とされています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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評価・口コミを紹介

以前は新卒採用者の50%にあたる人数が退職していたところ、ミキワメ導入から現在(2024年1月)まで新卒退職者がゼロになりました。導入前後の背景が異なるので、単純に数値を比較できないのですが、ミキワメのおかげで早期退職者が減ったのは紛れもない事実です。

導入事例(アサヒ物産株式会社)|株式会社リーディングマーク
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  • 紙での受検や会場での受検には対応していない

ミキワメ導入後、新卒採用者の早期離職者が0になった。

出典: ミキワメAI導入事例 アサヒ物産株式会社(2024年3月公開)

これは1社の事例で、導入前後で採用の状況も異なるため、同じ効果が出ると断定できるものではありません。効果を判断するには、自社の退職理由の記録と照らし合わせて確かめる必要があります。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 退職理由としていい例は何ですか?

A. 事実を短く述べ、前向きな希望につなげた理由です。たとえば、「担当する業務の幅を広げ、新しい分野の専門性を高められる環境で働きたいと考えました」のように、不満ではなく、これから実現したいことを中心に伝えます。会社への感謝を一言添えると、円満に退職しやすくなります。

Q2. 退職理由として最強なのは何ですか?

A. 誰にでも通じる最強の退職理由はありません。引き止められにくいのは、会社が条件を変えても解決しない理由で、「次の勤務先が決まっている」「家族の介護のため勤務地を変える必要がある」などです。事実であること、前向きな希望と結びつくこと、上司・退職届・面接で話が一貫していることが、伝わりやすさの条件です。

Q3. 言ってはいけない退職理由は何ですか?

A. 事実でない理由と、特定の人や会社への悪口だけで終わる理由、面接で話す志望動機と食い違う理由は避けます。給料や人間関係の不満は、本音として整理したうえで、評価の仕組みや働き方の希望に言い換えてから話します。

Q4. 引き止められない退職理由の例文はありますか?

A. 「次の勤務先が決まっており、退職日は○月○日を希望しています」「資格の取得のため、学業に専念する時間を確保したいと考えました」「家族の介護のため、勤務地を変える必要が出ました」などです。ただし、引き止められないことを保証する言い方ではないため、決意と引き継ぎへの協力を合わせて伝えます。

Q5. 退職理由は、本当のことを話さなければなりませんか?

A. 民法627条1項は、期間の定めのない雇用の解約の申入れから2週間で雇用が終了すると定めており、条文に理由を示す条件はありません。ただし、事実と違う理由を話すと、後で食い違って困ることがあります。話す範囲を決め、話す部分は事実にします。有期雇用や就業規則の定めは別に確認してください。個別の事案は専門家にご相談ください。

Q6. 退職届には、退職理由をどう書けばよいですか?

A. 一般に、「一身上の都合により」とだけ書きます。詳しい事情を書く必要はなく、会社の書式があれば、それに合わせます。書き方は、退職届テンプレートの解説で確認できます。

まとめ:退職理由で押さえたい5つのこと

  1. 退職理由とは、会社を辞める事情やきっかけで、令和7年の公的調査では、人間関係、労働条件、給料への不満がそれぞれ1割前後を占める
  2. 伝え方は、事実を短く、感謝と前向きな希望を添え、嘘をつかず、上司・退職届・面接で話をそろえる
  3. 本音は、理由別の例文を参考に、評価の仕組みや働き方の希望に言い換えて話す
  4. 面接では事実、学び、これからの3段で答え、上司には直属の上司へ対面で、就業規則の期限より早めに伝える
  5. 会社側は、退職理由を分類して記録し、辞める前の兆しを拾う手段として、離職防止ツールや組織診断ツールの資料を取り寄せて、自社の運用に合うかを検討する

退職理由は、辞める人にとっては伝え方の問題であり、会社にとっては、これからの離職を防ぐための情報です。自分の立場に合う部分から、整理してみてください。

参考文献

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