アルムナイ採用とは?メリット・注意点と進め方を公的データで解説
Check!
- 退職理由を問わず元社員を再び採用する
- 待遇と評価のルールを先に決めておく
- 退職後の経験は面接以外でも確かめる
アルムナイ採用とは、自社を退職した元社員を、あらためて採用する方法のことです。アルムナイ(alumni)は英語で卒業生や同窓生を意味し、企業では退職者を指す言葉として使われています。転職、起業、留学など退職の理由を問わず対象にする場合が多く、育児や介護などで退職した人の復職制度(カムバック採用など)より広い意味で使われます。厚生労働省の令和7年雇用動向調査では、1年間の離職者は約705万人、転職入職者は約506万人でした。人が動くのが当たり前になるなかで、一度外に出た人との関係を採用につなげる動きが広がっています。この記事では、意味と似た言葉との違い、注目される背景、メリットと注意点、進め方、再入社の選考で見る点、効果の測り方の順に整理します。
自社のアルムナイ採用で先に整えたい点を2問で確認
Q1. 元社員の再入社を考えるとき、選考で特に確かめたいのは、どちらですか?
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目次
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アルムナイ採用とは?意味と似た言葉との違い
アルムナイ採用とは、自社を退職した元社員を再び採用する手法のことです。在籍時の仕事ぶりや社風への理解を、採用の判断に生かせる点が特徴です。
かつては、一度辞めた会社に戻ることを「出戻り」と呼び、ためらう人も少なくありませんでした。いまは転職が一般的なキャリアの選択肢になり、元社員を「外で経験を積んだ人材」として迎える企業が増えています。退職者との関係を、退職後も続く資産として扱う考え方が土台にあります。
カムバック採用・リファラル採用との違い
似た言葉との違いは、対象と呼び方です。呼称や対象は企業ごとに決めている場合が多く、同じ意味で使われる言葉もあるため、自社で使うときは対象を募集要項に書いておくと誤解を防げます。
| 言葉 | 主な対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| アルムナイ採用 | 転職、起業、留学など、理由を問わず退職した元社員 | 退職後の外部での経験も評価の対象になる。退職者と連絡を取り続ける取り組みとあわせて語られることが多い |
| カムバック採用・出戻り制度・ジョブリターン | 出産、育児、介護など、個人の事情で退職した人を想定する制度が多い | 企業によって呼称と対象が異なり、アルムナイ採用とほぼ同じ意味で使われる場合もある |
| リファラル採用 | 社員が紹介する知人など、社外の候補者 | 紹介するのは現役社員。対象は元社員に限らない。詳しくはリファラル採用の解説を参照 |
| 一般の中途採用 | 求人などで集める外部の経験者 | 社内に評価の記録がなく、書類と面接が判断の中心になる。詳しくは中途採用の解説を参照 |
再入社の選考で、確かめにくい部分を補う手段
元社員は、在籍時の評価や勤怠の記録が社内に残っているため、通常の中途採用より判断材料が多い採用です。一方で、記録が語れるのは退職までの姿です。退職後に環境が変わり、価値観や仕事の進め方も変化している場合があり、いまの組織や配属先と合うかどうかは、記録だけでは判断できません。
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出典:株式会社アールアンドアールの「テキカク」導入事例(ラフール)
アルムナイ採用が注目される背景|公的データと調査から
アルムナイ採用が注目される背景は、人材の流動化と、国の資料での位置づけです。厚生労働省の令和7年雇用動向調査では、離職者は約705万人、転職入職者は約506万人でした。
人が動くことが前提になった労働市場
厚生労働省が令和8年8月31日に公表した令和7(2025)年雇用動向調査の概況によると、令和7年1年間の離職者は7,052.6千人、離職率は13.7%でした。同じ年の転職入職者(入職前1年間に就業経験のある入職者)は5,061.8千人です(厚生労働省 令和7年雇用動向調査結果の概況)。離職者には定年や契約期間の満了なども含まれるため、すべてが転職ではありません。それでも、毎年これだけの人が職場を移っている以上、自社を辞めた人が将来の採用候補になる可能性は小さくないと読めます。
国の資料にも、アルムナイとの関係構築が登場する
経済産業省の「人的資本経営の実現に向けた検討会報告書(人材版伊藤レポート2.0)」(令和4年5月)は、人材ポートフォリオのギャップを埋める取り組みとして、社員が社外で有効な経験を積んで自社に戻ることを奨励し、アルムナイネットワークの活用などを検討することを挙げています。あわせて、自社を辞めた人材とも中長期的に良好な関係を築き、他社で得た経験や知見をもとに貢献したいという人が復帰を希望したときは、受け入れていく考え方を示しています(経済産業省 人材版伊藤レポート2.0)。
制度の整備は進みきっていない
パーソル総合研究所が2019年12月に実施した調査(5年以内に離職した人2,000人と、5年以内に再入社した人300人が対象)では、離職者向けの公式な再入社制度を設けている企業は8.6%で、従業員5,000人以上の企業では20.2%でした。再入社した人のうち、公式な制度を使った人は4.0%で、人づてや縁故などの非公式なルートで再入社した人が75.7%を占めています(パーソル総合研究所 調査結果の公表)。調査から年数がたっているため現在の割合とは異なる可能性がありますが、公式な制度を通らない再入社が多く、選考の進め方が企業ごと、案件ごとにまちまちになりやすいことがうかがえます。
| 項目 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 1年間の離職者(令和7年) | 7,052.6千人(離職率13.7%) | 厚生労働省 令和7年雇用動向調査 |
| 1年間の転職入職者(令和7年) | 5,061.8千人 | 厚生労働省 令和7年雇用動向調査 |
| 公式な再入社制度のある企業(2019年12月調査) | 8.6%(従業員5,000人以上は20.2%) | パーソル総合研究所 |
| 再入社者のうち、公式な制度を使った人 / 非公式なルートの人 | 4.0% / 75.7% | パーソル総合研究所 |
アルムナイ採用のメリット
アルムナイ採用のメリットは、企業理解のある人を迎えやすいこと、採用と教育の手間を抑えやすいこと、外部で得た経験を取り込めることが中心です。判断材料が通常の中途採用より多い点も、見落とされがちな特徴です。
1. 企業や仕事を理解した人を迎えられる
社風、業務の進め方、社内のツールや手続きをすでに知っているため、新しい環境に慣れるまでの負担が小さくなります。人間関係がある程度できている場合は、受け入れる現場の側も、配属後の立ち上がりを見通しやすくなります。
2. 採用と教育の手間を抑えやすい
退職者本人からの応募や、現役社員を通じた紹介で成立すれば、求人広告や紹介手数料のような外部への支払いを抑えられます。社内の基本的な教育も省ける部分が多くなります。ただし、退職者との連絡網や制度の運営には、別の手間と費用がかかります。
3. 外部で得た経験や知見を取り込める
他社や別の業界で身につけた業務の進め方、新しい技術や市場の見方を、自社に持ち帰ってもらえます。経済産業省の報告書も、社員が社外で経験を積んで自社に戻ることを奨励する考え方を示しています。
4. 在籍時の記録があり、判断材料が多い
在籍時の評価、担当業務、勤怠、周囲との関わり方といった記録が社内にあります。通常の中途採用では面接と書類に頼る部分を、記録で補えます。
5. 戻りたいと思える会社だという発信になる
元社員が戻る事例は、社内外に対して、職場の風土に関する肯定的な材料になります。現役社員にとっても、一度外に出ても戻れる会社だという安心感につながる場合があります。効果の大きさは会社ごとに違うため、数字で見込まずに、後述の指標で確かめます。
アルムナイ採用のデメリットと注意点
アルムナイ採用の注意点は、待遇と評価のルール、現役社員への影響、退職理由が解消されているか、在籍時の評価の過信、情報と個人情報の管理の5つです。事前に決めておけば、多くは避けられます。
| 注意点 | 起きやすいこと | 事前に決めておくこと |
|---|---|---|
| 待遇と評価のルール | 再入社者の給与や職位が、本人の期待や現役社員とのバランスと合わない | 評価を中途入社として一から行うのか、在籍期間を加味するのか。勤続年数の扱い |
| 現役社員への影響 | 「辞めても戻れる」という認識が広がり、退職のハードルが下がる。優遇への不満が出る | 再入社にも選考があること、条件は個別に決めることを社内に説明する |
| 退職理由が解消されているか | 同じ上司や同じ配属先に戻り、再び退職する | 退職時の面談記録と、本人の希望、元の配属先の意見を確認して配置する |
| 在籍時の評価の過信 | 在籍時の印象で、退職後の変化を見落とす | 退職後の経験と、いまの価値観・役割への希望を、選考であらためて確かめる |
| 情報と個人情報の管理 | 退職者に社内情報が伝わる。退職者の連絡先を目的が曖昧なまま使う | 共有する情報の範囲。連絡先を保管・利用する目的を決めて本人に伝える |
待遇と評価のルールは先に決める
再入社後の待遇は、退職時のままとは限りません。パーソル総合研究所の調査では、従業員1,000人以上の企業に再入社した人のうち、年収が下がった人は32.9%、職位が下がった人は17.7%でした(パーソル総合研究所 調査結果の公表)。外部での経験をどう評価するか、在籍期間を給与や休暇などにどう反映するかを、場当たりで決めると、本人にも現役社員にも不満が残ります。
退職者の選考基準が面接官の印象に任されていると、同じ元社員でも担当者によって評価が変わります。在籍時の印象が強いほど、判断が主観に寄りやすくなります。基準を社員のデータから作り、選考を安定させたい場合の一例が、株式会社リーディングマークの「ミキワメAI 適性検査」です。商品ページでは、部署やチームごとに選んだ社員の性格傾向をシステムが分析して独自の採用基準を作ること、候補者を14段階で判定すること、性格検査(約10分)と能力検査(約20分)で測ること、配属やオンボーディングにも使えることが紹介されています。気になる点としては、紙ベースでの受験ができないことが挙げられています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
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出典:株式会社サン・プランナーのミキワメ導入事例(リーディングマーク)
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退職者の情報は、利用目的を決めて扱う
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本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の取り扱いは、個人情報保護委員会の案内を確認し、必要に応じて弁護士や社会保険労務士に相談してください。
アルムナイ採用の進め方|7つのステップ
アルムナイ採用は、退職時の対応、連絡の仕組み、制度と条件、選考、条件の明示、受け入れ、振り返りの7つのステップで進められます。最初から大きな制度にせず、小さく始めて直せます。
1. 退職時に円満な退職を支える
退職時の面談で、退職の理由と今後の希望を聞き取ります。感謝を伝え、条件が合えば再入社の相談ができることを案内します。円満な退職は、あとから元社員が戻りやすい関係の土台になります。
2. 退職者とのつながりを保つ仕組みを作る
退職者の連絡先を、本人の同意のもとで管理し、近況や求人の案内、交流の機会を届ける仕組みを作ります。社内に専用のコミュニティを作る企業もあれば、既存の名簿やメールを使って小さく始める企業もあります。
3. 対象と条件を決めて、制度として周知する
再入社の対象者(退職からの年数、退職時の評価、円満退職かどうかなど)と、評価や待遇の考え方を決め、現役社員と退職者に周知します。周知されていない制度は、使われません。
4. 応募を受け付け、選考する
応募の窓口を決め、選考の流れを明らかにします。再入社でも選考を行う企業が多く、何を見るかは、次の章で整理します。
5. 条件を書面で明示する
再入社は、あらためて労働契約を結ぶことになります。使用者は、労働契約を結ぶ際に賃金や労働時間などの労働条件を明示する必要があり、一定の事項は書面での交付が必要です(厚生労働省 労働契約に関する法令・ルール)。2024(令和6)年4月からは、募集や職業紹介の場面で明示する事項に、従事すべき業務と就業場所の変更の範囲などが加わっています(厚生労働省リーフレット)。勤続年数、退職金、休暇などの扱いは法律で一律に決まっているわけではないため、就業規則や契約書で確認し、本人に伝えます。
6. 受け入れの準備をする
配属先の上司には、本人の在籍時の経験と、退職後の経験、期待する役割を共有します。以前の担当業務からの変更点や、在籍中に変わった社内のルールとツールを案内します。退職理由に関わった環境は、配属で繰り返さないようにします。
7. 結果を振り返り、制度を直す
再入社者の定着、周囲との関わり、成果を見て、選考基準や条件を見直します。再入社しなかった人の理由も聞き取り、制度の改善に使います。
自社のアルムナイ採用の準備度をセルフチェック
7つのステップに照らして、自社の現状を確認してください。当てはまる数に応じて、次にやることが変わります。
アルムナイ採用の準備、足りているのは?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
再入社の選考で何を見るか|在籍時の記録と退職後の経験
再入社の選考で見るのは、在籍時の評価、退職の経緯、退職後の経験、いまの価値観と役割への希望、待遇の条件の5つです。在籍時の記録だけで判断せず、退職後の変化を確かめることがポイントです。
| 見る項目 | 確かめる材料 | 補い方の例 |
|---|---|---|
| 在籍時の評価と勤務の実績 | 人事の評価記録、担当業務の履歴 | 当時の評価基準が現在も通用するかを、現場の責任者に確認する |
| 退職の理由と経緯 | 退職時の面談記録 | 理由が解消されているかを、職務や配属の条件のすり合わせとして本人に確認する |
| 退職後の経験と実績 | 職務経歴書、面接での説明 | 一緒に働いた第三者の声(リファレンスチェック)で、働きぶりを確かめる |
| いまの価値観と働き方の希望 | 面接 | 適性検査で、現在の組織との相性や、向く配属先を確かめる |
| 期待する役割と待遇 | 募集条件、本人の希望 | 条件を文書で明示し、合意を記録する |
選考で何を基準にするかは、公正な採用選考の考え方に沿います。厚生労働省は、応募者の基本的人権を尊重することと、応募者の適性・能力に基づいた基準で行うことを基本としています(厚生労働省 公正な採用選考の基本)。本籍地や家族の状況など、職務と関係のない事項で判断しない点は、元社員の再入社でも同じです。退職理由を聞く場合も、職務や配属の条件に関わる範囲にとどめます。
3つのサービスの役割の違い
適性検査やリファレンスチェックは、面接や記録で確かめにくい部分を補う手段です。結果で合否を機械的に決めず、面接で確かめる材料の一つとして使います。3つのサービスの役割の違いは、次の表で確認できます。
元社員の再入社を、選考で確かめる3つの方法の役割の違い
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:ミキワメAI 適性検査社員の性格傾向から自社独自の採用基準を作り、候補者を14段階で示すと紹介されているため、再入社者の選考基準をそろえたい会社に合います。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:テキカク候補者を現在の組織とのマッチ度で確認でき、再入社後の配属を考えたい会社に合います。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:back checkオンライン完結のリファレンスチェックで、一緒に働いた第三者から退職後の働きぶりを確かめたい会社に合います。
資料を無料ダウンロード| サービス | ミキワメAI 適性検査 |
back check |
|
|---|---|---|---|
| 向いている会社 | 面接官ごとの評価のばらつきを抑え、社員のデータから自社独自の採用基準を作りたい会社 | 候補者と自社の組織との相性や、理想の組織への貢献度を、採用や配属の判断材料にしたい会社 | 書類や面接では分からない働きぶりを、一緒に働いた第三者から得たい会社 |
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| 注意したい点 | 紙ベースでの受験ができない | 採用候補者への利用には有料プランが必要。既存の採用サービスに追加して使う前提 | スポット利用プランの支払いはクレジットカードのみ。コンプライアンスチェックの調査範囲はプランによって異なる |
| 資料・詳細 |
2サービスの適性検査の資料をまとめて請求(入力は1回・無料)
まとめて資料をダウンロード表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
表の2つの適性検査(ミキワメAI 適性検査とテキカク)は、資料請求を1回の入力でまとめて請求できます。リファレンスチェックのback checkは、個別に資料を請求できます。ミキワメAI 適性検査とテキカクの特徴は前の章で触れたとおりです。ここでは、退職後の経験を確かめる手段を紹介します。
退職後に他社で何をしていたかは、社内に記録がなく、本人の説明だけでは裏づけが取れません。この部分を、一緒に働いた第三者の声で補いたい場合の一例が、back check株式会社の「back check」です。商品ページでは、オンライン完結のリファレンスチェックとコンプライアンスチェックを提供していること、選択式・記述式の設問を自社で設定できること、専属チームが質問設計やレポートの読み解き、運用定着まで支援することが紹介されています。注意点としては、スポット利用プランの支払いがクレジットカードのみとされています。リファレンスチェックは、候補者本人への説明と同意のもとで進めるのが前提です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
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オンライン完結型!スピーディーに人材を見極めたい方におすすめ
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株式会社Mico(IT)の採用担当者は、導入事例の中で次のように話しています。
「入社後のミスマッチがほぼなくなっており、新入社員の早期立ち上がりに加えて、定着率も大きく改善しています。」
出典:株式会社Micoのback check導入事例(back check)
サービスの選び方を詳しく知りたい場合は、中途採用におすすめの適性検査サービスの比較、リファレンスチェックサービスの比較もご覧ください。採用管理の仕組みから整えたい場合は、採用管理SaaSの選び方が参考になります。
アルムナイ採用の企業事例|パナソニックグループと日立製作所
企業の取り組みは、公式ページや紹介記事で確認できます(2026年10月20日確認)。ここでは、対象の決め方と、つながりの作り方がわかる2社を紹介します。
パナソニックグループ:応募の入口と、事情退職者向けの別制度
パナソニックグループの採用ページによると、グループ在籍経験のある人を対象にしたアルムナイ採用では、募集中の求人に応募するか、希望する求人がなければキャリア登録を使います。選考は通常のキャリア採用と同じプロセスです。このほかに、退職者が現役社員や他の退職者と交流できるアルムナイコミュニティがあります。出産・育児・介護・配偶者の転勤で退職した人向けには、別に社員再就職制度が設けられ、退職前の勤続は引き継がれないとされています(パナソニックグループ アルムナイ)。対象者ごとに制度を分け、再入社でも選考を行う例として参考になります。
日立製作所:登録で退職者と接点を作る
TalentXの紹介記事によると、日立製作所は2023年3月から、アルムナイとキャリア登録者を対象にしたタレントプールの登録を開始し、約半年で約500名が登録しました。内訳はアルムナイが約4割、キャリア登録者が約6割です。登録者からの採用は生まれているものの人数は示されておらず、アルムナイの登録は、応募に直結させる工夫が課題とされています(TalentX Lab. 日立製作所の採用マーケティング)。登録だけでは終わらせず、個別の連絡や案内を重ねる運用の重要性がうかがえます。
再入社を考える元社員が知っておきたいこと
再入社を考える元社員は、円満な退職だったか、在籍時の評価、退職後の経験の3つが見られます。待遇は退職時のままとは限らない点も、あらかじめ理解しておきます。
- 円満な退職かどうか:退職の経緯や、退職後も良好な関係が続いているかは、再入社の判断に影響します。
- 在籍時の評価と、退職後の成長:在籍時の記録は参照されますが、退職後に身につけた経験と、それを自社でどう生かせるかを具体的に説明できると、選考で伝わりやすくなります。
- 待遇の再設定:役割や職位、給与は、再入社時にあらためて決まります。以前の配属に戻るとも限らないため、条件は面談や書面で確かめます。
企業側から見ても、これらは「選考で何を確かめるか」に重なります。応募する側と迎える側が同じ前提を持てるよう、条件の考え方は事前に公開しておくと、ミスマッチを減らせます。
効果の測り方|指標と改善サイクル
アルムナイ採用の効果は、再入社の件数と経路、再入社後の定着、採用にかかる費用、立ち上がりの早さの4つの指標で測れます。年に1回、同じ指標で見直します。
| 指標 | 見方 | 改善につなげる例 |
|---|---|---|
| 再入社の件数と経路 | 制度経由、紹介、本人からの応募に分けて数える。退職者の登録数と応募数の差も見る | 登録しても応募につながらない場合は、案内の内容と頻度を見直す |
| 再入社後の定着 | 再入社後1年、3年での在籍の状況を、一般の中途採用者と比べる | 定着が低い場合は、配属先と退職理由の関係を振り返る |
| 採用にかかる費用 | 求人広告や紹介手数料と、連絡網や制度の運営費を合わせて、1人あたりで比べる | 運営費が大きいときは、連絡の方法を簡素にする |
| 立ち上がりの早さ | 入社から、任せる業務に独力で取り組めるまでの期間を、配属先と確認する | 早い場合はその要因を、遅い場合は受け入れ手順を整える |
最初から全部をそろえる必要はありません。まず、直近の退職者の人数と、退職時に再入社の案内ができたかを数えるところから始められます。再入社者の選考基準を属人的な印象から、データを使った基準に置き換えたい場合や、退職後の経験を第三者の声で確かめたい場合は、適性検査やリファレンスチェックの資料を取り寄せて、自社の選考の流れに合うかを比べてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. アルムナイ採用とはどういう意味ですか?
A. アルムナイは英語で卒業生や同窓生を意味し、企業では退職者を指します。アルムナイ採用は、自社を退職した元社員を再び採用する手法で、転職、起業、留学など退職の理由を問わない場合が多い呼び方です。
Q2. アルムナイ採用とカムバック採用の違いは何ですか?
A. 呼称と対象は企業ごとに異なり、統一された定義はありません。カムバック採用や出戻り制度は、出産、育児、介護など個人の事情で退職した人を対象にした制度として使われることが多く、アルムナイ採用は退職の理由を問わない呼び方として使われます。同じ意味で使う企業もあるため、自社で使うときは対象を募集要項に書いておきます。
Q3. アルムナイ採用とリファラル採用の違いは何ですか?
A. 対象が違います。アルムナイ採用の対象は元社員で、リファラル採用は社員が紹介する人で、主に社外の候補者です。現役社員が退職した同僚に声をかけるように、両方にまたがる場合もあります。リファラル採用の仕組みは、リファラル採用の解説で整理しています。
Q4. アルムナイ採用の合格率は、どのくらいですか?
A. 公的な統計や、共通の合格率は確認できません。選考は企業ごとに設計され、たとえばパナソニックグループは、アルムナイ採用の選考を通常のキャリア採用と同じプロセスとしています(2026年10月20日確認)。再入社だからという理由で、選考なしに決まるとは限りません。
Q5. アルムナイ採用で再入社すると、待遇や給与は元のままですか?
A. 元のままとは限りません。パーソル総合研究所の2019年12月の調査では、従業員1,000人以上の企業に再入社した人のうち、年収が下がった人は32.9%、職位が下がった人は17.7%でした。勤続年数の扱いも企業によって異なるため、面談や書面で確認します。
Q6. アルムナイ採用は、何から始めればよいですか?
A. 退職時の面談で、再入社の相談ができることと、連絡先の扱いを本人に伝えるところから始められます。そのうえで、再入社時の評価と待遇の考え方を決め、応募の窓口と選考の基準を整えます。いきなり大きな制度を作らず、小さく始めて直す進め方でも問題ありません。
まとめ:アルムナイ採用で押さえたい5つのこと
- アルムナイ採用は、退職の理由を問わず、自社を辞めた元社員を再び採用する手法。カムバック採用やリファラル採用とは、対象と呼び方が違う
- 令和7年の離職者は約705万人(厚生労働省)。国の報告書も、アルムナイとの関係構築に触れている。制度の整備はまだ途上で、再入社の多くは非公式なルートだった(2019年の調査)
- メリットは企業理解のある即戦力と手間の軽減。注意点は、待遇と評価のルール、現役社員への影響、退職理由の解消、個人情報の扱い
- 進め方は、退職時の対応、連絡の仕組み、制度と条件、選考、条件の明示、受け入れ、振り返りの7ステップ。選考では在籍時の記録に加えて、退職後の経験といまの相性を確かめる
- 選考基準づくりや、組織との相性、退職後の働きぶりの確認のために、適性検査やリファレンスチェックの資料を取り寄せ、自社に合うかを検討する
アルムナイ採用は、制度を作っただけで機能するものではありません。退職時の対応から振り返りまで、1つずつ決めて、小さく動かしていきましょう。
参考文献
- 厚生労働省「令和7(2025)年雇用動向調査結果の概況」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/26-2/dl/gaikyou.pdf
- 経済産業省「人的資本経営の実現に向けた検討会報告書 人材版伊藤レポート2.0」 https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinteki_shihon/pdf/report2.0.pdf
- パーソル総合研究所「企業のアルムナイ(離職者との繋がり)に関する調査結果を公表」 https://rc.persol-group.co.jp/news/202005290001/
- 厚生労働省「労働契約(契約の締結、労働条件の変更、解雇等)に関する法令・ルール」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/index.html
- 厚生労働省「企業から受ける労働条件明示のルールが変わります(求職者の皆さま向けリーフレット)」 https://www.mhlw.go.jp/content/001114167.pdf
- 厚生労働省「公正な採用選考の基本」 https://kouseisaiyou.mhlw.go.jp/basic.html
- e-Gov法令検索「個人情報の保護に関する法律」 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000057
- パナソニック「パナソニックグループのアルムナイ」 https://recruit.jpn.panasonic.com/career/alumni/
- TalentX Lab.「人的資本を最大化する日立製作所の採用マーケティング」 https://mytalent.jp/lab/case_hitachi/
- ラフール「株式会社アールアンドアールの「テキカク」導入事例」 https://tekikaku.lafool.jp/case-study/r-rental/
- リーディングマーク「株式会社サン・プランナーのミキワメ導入事例」 https://mikiwame.com/casestudy/sun_planner.html
- back check「株式会社Micoの導入事例」 https://site.backcheck.jp/case/Mico
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