出向先とは?出向元との違い・在籍出向と転籍・労災や保険の扱いを解説
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- 出向先は出向者を受け入れる会社
- 在籍出向は雇用契約が二重になる
- 労災保険は原則として出向先で適用
出向先とは、出向者を受け入れ、自社の指揮命令のもとで働いてもらう会社のことです。籍を置いたまま送り出す元の会社は「出向元」と呼ばれ、在籍出向では出向者が出向元と出向先の両方と雇用契約を結びます。この記事では、出向先と出向元の違い、在籍出向と転籍出向、労働者派遣との線引き、賃金・社会保険・労災の分担、出向先になる会社が整えること、出向命令の有効性、公的な支援制度を、厚生労働省の資料と条文で確認した範囲で整理します。出向者を受け入れる人事・総務の方や、出向を告げられた方が、自分の立場を確かめられるように書いています。
出向者の所属・期間・負担の整理、社内でどこまでできていますか?2問で確認
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出向先とは?意味と出向元・出向者との関係
出向先とは、出向者を受け入れ、自社の指揮命令のもとで働いてもらう会社のことです。出向者が籍を残している元の会社は出向元と呼びます。
出向とは、会社の命令で、従業員が別の会社で一定期間働く人事のことです。厚生労働省のハンドブックでは、在籍型出向を「出向元企業と出向先企業との間の出向契約によって、労働者が出向元企業と出向先企業の両方と雇用契約を結び、出向先企業に一定期間継続して勤務すること」と説明しています(厚生労働省「在籍型出向 基本がわかるハンドブック(第3版 災害時編)」)。同じハンドブックの出向規程の例では、出向先を「関係会社、業務提携会社、関係団体その他当社指定の企業や団体等」と定義しています。
| 出向元 | 出向先 | 出向者 | |
|---|---|---|---|
| 立場 | 出向者が籍を置いている元の会社 | 出向者を受け入れて働いてもらう会社 | 出向元に在籍したまま、出向先で働く労働者 |
| 出向者との雇用関係 | あり(在籍出向では雇用関係が続く) | あり(出向先とも雇用契約を結ぶ) | 出向元・出向先の両方と雇用契約を結ぶ |
| 主に持つ権限・役割(契約に定めがない場合の合理的な解釈) | 解雇権、復帰命令権 | 労務提供請求権、指揮命令権 | 出向先の指揮命令を受けて働く |
出典:厚生労働省「在籍型出向 基本がわかるハンドブック(第3版 災害時編)」(出向契約に明確な定めがない場合の解釈)。実際の権限は、出向契約と出向規程で決まります。「勤務先と出向元の違い」を知りたい場合は、実際に働く場所が勤務先(出向先)、給与や身分の元になる会社が出向元と考えると整理しやすくなります。
出向者の情報は、出向元と出向先で二重に発生する
出向者は、出向元の社員でありながら、出向先の組織で働きます。そのため、所属、出向期間、賃金の負担先、社会保険の区分といった情報が、出向元と出向先の両方に発生します。受け入れる側の人事は、これを自社の名簿や組織図、給与データと食い違わないように持つ必要があります。人を軸に人材情報を整理する場合の一例が、株式会社カオナビが提供する「カオナビ」です。商品ページでは、「組織ツリー図」「配置バランス図」「社員データグラフ」といった社員のスキルを可視化しやすい機能が豊富な点と、1社に1人専任サポートがつく点が紹介されています。注意点として、目的や規模により価格に幅があり、詳細な料金は問い合わせる手間が必要とされています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。なお、商品ページに出向者の管理に特化した機能の記載はなく、出向契約や給与負担金の精算は別に行う必要があります。
株式会社カオナビ
カオナビ
株式会社カオナビ
カオナビ
あらゆる人材データをグラフや図で簡単に可視化◎見える化を重視する企業におすすめ

出典:kaonavi
導入企業:TOTO株式会社、東海旅客鉄道株式会社(JR東海)など
口コミ
「カオナビ」での運用に切り替えてからは、さまざまな面で効果が出たと感じています。今までメールで行なっていたExcelシートの授受や記入漏れはほとんどなくなりましたし、評価者や人事担当者が入力の進捗確認もできるようになることで、一部入力が遅れている人がいたとしても全体の進行が止まることがなくなりました。また、以前はExcelに設定していた計算式が壊れるといったトラブルもあったので、その対応に対する手間を考えると効果は絶大です。
評価を大幅効率化、異動検討もスムーズに。サツドラHDの「カオナビ」活用法 https://www.kaonavi.jp/showcase/sat/
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- 「組織ツリー図」「配置バランス図」「社員データグラフ」といった社員のスキルを可視化しやすい機能が豊富
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気になる…
- 目的や規模により価格に幅がある為、詳細料金は問い合わせる手間が必要
-
顔写真付きで人材データを把握、管理でき、労務業務のペーパーレス化ができます。 また、スキルや評価情報と社内研修や学習履歴などを組み合わせて活用することができます。効果的な人材育成ができると思います。
-
労務・人事の管理を行うことができます。また共有端末の持ち出しなどの申請もカオナビを通して行えるため、稟議や許可が通るまでの時短になります。
-
本サービスの導入により、全社員の経歴や評価に関して、一元管理できるようになり、業務効率化に繋がった。また、全社員の氏名から顔写真の検索が可能となり、社員間のコミュニケーション活性化に寄与した。
「人材情報はExcelベースで管理していたので手間がかかっていました。」
サツドラホールディングス株式会社の導入事例より(カオナビの導入事例)
出向者を含む人事情報を整理する3サービスの役割
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:カオナビは、組織ツリー図や配置バランス図で人材データを図にして見られるため、出向者を含む所属や配置の全体像を見ながら整理したい会社に向きます。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:ジンジャー人事労務は、従業員の情報が自動で時系列にまとまるため、出向者の所属や期間の履歴を1つのデータベースで追いたい会社に向きます。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:タレントパレットは、人事異動シミュレーションなどを備え、人材データを一元管理できるため、出向からの復帰後の配置や異動の検討に使いたい会社に向きます。
資料を無料ダウンロード| サービス | ジンジャー人事労務 |
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|---|---|---|---|
| 向いている会社 | 人材データをグラフや図で可視化し、組織の全体像を見ながら整理したい会社 | 人事情報を1つのデータベースにまとめ、ペーパーレス化を進めたい会社 | 人材データにもとづいて人材管理をし、異動の検討にも使いたい会社 |
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| 注意したい点 | 目的や規模により価格に幅があり、詳細な料金は問い合わせが必要 | 申し込みから運用開始まで、最低でも2-3か月程度かかる | 高機能・多機能な反面、無料トライアルがなく、必要な機能の判断が難しい |
| 資料・詳細 |
3サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)
まとめて資料をダウンロード表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。商品ページの確認日は2026年10月20日です。
正社員で「出向あり」とは何か
求人票や雇用契約書にある「出向あり」は、会社の命令で、出向元に籍を置いたまま別の会社で働く可能性があることを示す表記と読めます。ただし、公的機関が「出向あり」の表記そのものを定義した資料は確認できなかったため、これは一般的な読み方です。出向を命じるには、労働者の個別的な同意があるか、出向先での賃金・労働条件、出向の期間、復帰の仕方などが就業規則等で労働者の利益に配慮して整備されている必要があるとされています(厚生労働省「在籍型出向 基本がわかるハンドブック(第3版 災害時編)」)。入社前に、就業規則の出向規定と、出向先の範囲を確かめておくと安心です。
出向の種類|在籍出向と転籍出向の違い
出向には、籍を元の会社に残す在籍出向と、元の会社を離れて出向先と新たに契約する転籍出向があります。出向先から見ると、受け入れる期間と関係の続き方が変わります。
| 項目 | 在籍出向(在籍型出向) | 転籍出向(移籍出向) |
|---|---|---|
| 出向元との雇用関係 | 続く。出向期間が終われば出向元に戻るのが前提 | 終了する。元の会社を退職して移るため、戻らない |
| 出向先との雇用関係 | 結ぶ(出向元とあわせて二重になる) | 新たに雇用契約を結ぶ |
| 本人の同意 | 個別的な同意がある、または就業規則等で労働者の利益に配慮した定めが整備されていれば命じられる | 個別の同意が必要。就業規則に基づく場合も、転籍先を明示した明確な定めが必要とされる |
| 出向先の立場 | 期間を区切って人材を受け入れる | 新たな使用者になる |
出典:厚生労働省「在籍型出向 基本がわかるハンドブック(第3版 災害時編)」、事業者のための労務「出向・転籍」、ミキワメ「出向とはどんな制度?」、労働契約法(e-Gov法令検索)。在籍出向でも、出向命令が必要性や対象者の選び方などに照らして権利の濫用と認められる場合、その命令は無効になります(労働契約法14条)。出向と人事異動全体の関係や法的根拠は、異動の種類と法的根拠を解説した記事で詳しく扱っています。
出向と労働者派遣・出張・転勤の違い
出向先は出向者と雇用関係を持ちますが、派遣先は派遣労働者と雇用関係を持たず、指揮命令だけを行います。ここが出向と労働者派遣の大きな違いです。
| 出向(在籍出向) | 労働者派遣 | 出張 | 転勤 | |
|---|---|---|---|---|
| 雇用契約を結ぶ会社 | 出向元と出向先の両方 | 派遣元のみ | 在籍企業のみ | 在籍企業のみ |
| 指揮命令をする会社 | 出向先 | 派遣先 | 在籍企業 | 在籍企業 |
| 働く会社(法人)が変わるか | 変わる(別法人で働く) | 変わる(派遣先で働く) | 変わらない(一時的に別の場所で働く) | 変わらない(勤務地が変わる) |
出典:厚生労働省「在籍型出向 基本がわかるハンドブック(第3版 災害時編)」、ミキワメ「出向とはどんな制度?」。出張と転勤の説明は一般的な解説にもとづきます。出張と出向の線引きは、出張と社用外出の違いを解説した記事にもまとめています。
労働者派遣は、労働者派遣法2条1号で「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させること」と定められています(労働者派遣法(e-Gov法令検索))。一方、在籍型出向は出向先と労働者の間にも雇用契約があるため、労働者派遣には該当しません。
なお、「出向は左遷」というイメージを持たれることがありますが、左遷は降格的な人事を指す俗称で、出向とは別の言葉です。出向には、人材育成や企業グループ内の人事交流を目的とするものもあり、出世につながる出向もあると説明されています(ミキワメ「出向とはどんな制度?」)。
出向は労働者供給にあたる?職業安定法44条との関係
在籍型出向の形態は労働者供給に該当し、労働者供給を「業として行う」ことは職業安定法44条で禁止されています(職業安定法(e-Gov法令検索))。ただし、次のいずれかの目的があるものなどは、基本的に「業として行う」ものではないと判断されます(厚生労働省「在籍型出向 基本がわかるハンドブック(第3版 災害時編)」)。
- 労働者を離職させるのではなく、関係会社で雇用機会を確保する
- 経営指導、技術指導を実施する
- 職業能力開発の一環として行う
- 企業グループ内の人事交流の一環として行う
実質的に人材を貸し出すだけの形になると、職業安定法上の問題になるおそれがあるため、出向の目的と契約の形を明確にしておくことが大切です(カラフル「出向とは?在籍・転籍の違いと人事の対応4ステップ」)。ここは条文と公的資料の紹介で、法的助言ではありません。個別の判断は弁護士や社会保険労務士、労働局にご相談ください。
出向元と出向先の役割分担|賃金・社会保険・労災・税務
出向者の労働条件や賃金は、出向元・出向先・出向者の三者の取り決めで決まります。労災保険は、出向先の組織に組み入れられて働く場合、出向先で適用されます。
厚生労働省のハンドブックによると、出向元企業と出向先企業それぞれの使用者が、取り決めで定められた権限と責任に応じて、賃金の支払いなど労働基準法等における使用者としての責任を負います。出向者の給与の支払い方は、出向先が直接支給する方法と、出向先が出向元へ給与負担金を支払い出向元が支給する方法が主です。産業雇用安定センターも、出向元がこれまでどおり給与を支払い、出向先が一定の負担金を支払うのが一般的としています(産業雇用安定センター「在籍型出向のご案内」)。
| 項目 | 取り扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 労働条件の明示 | 出向に際して出向先が労働者に明示する。出向元が代わって明示しても問題ない | 厚生労働省ハンドブック |
| 賃金 | 出向元と出向先が話し合って決める。出向先が直接支給するか、出向先が出向元に給与負担金を支払い、出向元が支給する | 厚生労働省ハンドブック |
| 年次有給休暇・懲戒 | ハンドブックの出向規程・契約書の例では、年次有給休暇は出向元の勤続年数に基づいて付与し、年5日の時季指定義務は出向先が履行する。表彰・懲戒は出向先、諭旨解雇と懲戒解雇は出向元が行う(あくまで例示) | 厚生労働省ハンドブックの規程・契約書の例 |
| 雇用保険 | 出向元・出向先の双方と雇用関係がある場合、生計を維持するのに必要な主たる賃金を受けている方の雇用関係についてのみ被保険者になる | 厚生労働省ハンドブック(雇用保険業務取扱要領) |
| 健康保険・厚生年金保険 | 使用関係があり報酬が支払われている企業(一方または双方)で適用。双方で被保険者になる場合は、選択した主たる事業所を管轄する年金事務所・健康保険組合へ二以上事業所勤務届を出す | 厚生労働省ハンドブック |
| 労災保険 | 出向先の組織に組み入れられ、出向先の指揮監督を受けて働く場合は、出向元が支払う賃金も含めて計算し、出向先で適用する | 昭和35年基発第932号 |
| 給与負担金の税務 | 出向先が出向元に支払う給与負担金は、出向先の給与として取り扱われる。出向元が全額を負担し出向先が負担しない場合、出向先が負担すべき給与は出向元の寄附金課税の対象になる | 厚生労働省ハンドブック(法基通9-2-45、法人税法37条) |
| 給与の較差補てん | 出向元が出向先との給与条件の差を補てんして支給した給与は、出向期間中でも出向元の損金の額に算入される | 国税庁タックスアンサーNo.5241(法基通9-2-47) |
出典:厚生労働省「在籍型出向 基本がわかるハンドブック(第3版 災害時編)」、厚生労働省の通達「出向労働者に対する労働者災害補償保険法の適用について」(昭和35年基発第932号)、国税庁タックスアンサーNo.5241。個別の出向契約の内容によって取り扱いが異なるため、税務は所轄の税務署、雇用保険は最寄りのハローワーク、労災保険は都道府県労働局または労働基準監督署、健康保険・厚生年金保険は年金事務所または健康保険組合に確認してください。
出向者の健康保険・厚生年金、雇用保険、労災保険は、出向元と出向先で適用先が分かれることがあり、出向期間や賃金の負担が変わるたびに手続きと記録が増えます。従業員の情報を1つのデータベースに集め、手続きの履歴を時系列で追いたい場合の一例が、jinjer株式会社が提供する「ジンジャー人事労務」です。商品ページでは、1つのデータベースで人事情報を一元管理でき、ペーパーレス化・業務効率化につながる点と、従業員に関する情報が自動で時系列ごとにまとめられ、いつでも確認できる点が紹介されています。注意点として、申し込みから運用開始までに最低2-3か月程度かかるとされています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。なお、商品ページに出向者の管理に特化した機能の記載はなく、出向元との給与負担金の精算や保険の届出内容は別に確認する必要があります。
jinjer株式会社
ジンジャー人事労務
jinjer株式会社
ジンジャー人事労務
ペーパーレスで人事をもっと楽に!ニーズに合わせてカスタマイズしたい企業におすすめ

出典:ジンジャー人事労務
導入企業:株式会社モスフードサービス、エイブル保証株式会社など
口コミ
ジンジャー導入前は、システム間のデータ連携処理に相当な時間がかかっていました。
月中に入社する社員もいるため週次でこの処理が発生するのですが、人事から勤怠、人事から給与…とそれぞれで連携処理をおこなう必要があり、各連携には1時間ほどかかっていましたね。週で換算すると10時間ほどかかっていたと思います。ジンジャーではこの連携処理にかかる時間がゼロになったので、業務が止まってしまったり、PCの動作が重くなったりすることもなく助かっています。
統合型データベースの活用で、データ連携処理にかかる時間を年480時間削減!スピーディーな運用開始に成功
株式会社ABC Cooking Studio https://hcm-jinjer.com/results/136203/
おすすめ!
- 1つのデータベースで人事情報を一元管理でき、ペーパーレス化・業務効率化につながる
- 豊富な機能によって企業独自のカスタマイズが可能で、理想を実現できる
- 従業員に関する情報は自動で時系列ごとにまとめられ、いつでも確認できる
気になる…
- 申し込みから運用開始までに最低2~3ヶ月程度かかる
「ジンジャーによる一元管理で人事データを統合。毎回発生していたデータ連携作業がゼロに。」
株式会社ベルーナの導入事例より(ジンジャーの導入事例)
出向先になる会社がすること|受け入れの手順と出向契約書
出向先になる会社は、出向元と出向契約を結び、出向者に労働条件を明示し、労災保険の手続きや受け入れ体制を整える必要があります。
- 受け入れの目的、業務内容、期間、人数を決める(人手の確保か、人材育成か、グループ内の人事交流かを先に整理する)
- 出向元と出向契約を結ぶ(期間、職務内容、賃金の負担、社会保険・労働保険の扱いなどを書面で定める)
- 出向者に労働条件を明示する(出向元が代わって明示してもよい。出向元・出向先・本人の三者で内容をそろえる)
- 労災保険や安全衛生の手続きを整える(出向先で労災保険を適用し、勤怠・健康診断などの扱いも決める)
- 着任後に勤務状況を確認し、出向元へ報告する(出向期間の延長や復帰の判断に使う)
出典:厚生労働省「在籍型出向 基本がわかるハンドブック(第3版 災害時編)」、カラフル「出向とは?在籍・転籍の違いと人事の対応4ステップ」。手順は一般的な流れを整理したもので、会社ごとの規程や契約に従ってください。
出向契約書で定めておく項目
厚生労働省のハンドブックでは、出向契約で定めておくことが考えられる項目として、次を挙げています。契約書の例では、受け入れた出向者を別の会社へ再び出向させる「二重出向」を禁じる条項も置かれています(厚生労働省「在籍型出向 基本がわかるハンドブック(第3版 災害時編)」)。
- 出向期間、職務内容・職位・勤務場所
- 就業時間・休憩時間、休日・休暇
- 出向負担金、通勤手当、時間外手当などの負担、出張旅費
- 社会保険・労働保険、福利厚生の取り扱い
- 勤務状況の報告、人事考課
- 守秘義務、損害の賠償、途中解約
当初の出向期間を延長・更新する場合は、労働者に事情を丁寧に説明し、意向を十分に踏まえたうえで、出向元と出向先で改めて出向契約を結ぶ必要があります(個別の労働者ごとに契約している場合)。出向先は、有期の雇用契約であれば雇用契約も更新します(厚生労働省「在籍型出向 基本がわかるハンドブック(第3版 災害時編)」)。
出向の目的とメリット・デメリット|出向先・出向元・出向者それぞれ
出向の主な目的は、雇用の維持、人材育成、企業グループ内の人事交流、経営・技術の指導です。出向先には人手の確保、出向者には経験の幅が広がる利点がありますが、適応の負担や復帰後の配置という課題もあります。
| 立場 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|
| 出向先 | 人手不足を解消し、自社従業員の業務負担を軽減できる。新たに採用するより人材育成のコストを抑えられる | 出向者が職場になじむまでの受け入れ体制づくりが要る。期間限定のため、ノウハウが残りにくい |
| 出向元 | 出向者の労働意欲の維持・向上につながる。出向期間が終われば自社に戻ってくることが確実 | 出向後に戻る社員の配属先を確保する必要がある。出向してもスキルアップしない場合、時間と費用が無駄になるおそれがある |
| 出向者 | 自社では得にくい経験ができ、キャリアの幅が広がる。他業種・他職種を経験できる | 新しい人間関係や仕事の進め方への適応で、精神的な負担が増えることがある |
出典:厚生労働省「在籍型出向 基本がわかるハンドブック(第3版 災害時編)」(メリット)、ミキワメ「出向とはどんな制度?」(デメリット)。厚生労働省のハンドブックによると、産業雇用安定助成金を活用した企業へのアンケート(令和5年6月厚生労働省調べ)で、出向先が挙げたメリットは「人手不足が解消され自社の従業員の業務負担を軽減できる」が39.3%、「新たに採用するよりも人材育成のコストを抑制できる」が24.1%でした。出向元は「出向労働者の労働意欲の維持・向上につながる」が28.8%、「出向期間終了後、自社に戻ってくることが確実」が28.5%でした。この調査の対象は助成金を活用した企業で、出向全体の傾向を示すものではありません。
出向のメリットを生かせるかは、出向中の評価と、復帰後の配置を事前に決めておけるかで変わります。出向元が出向者の人事評価を出向先の勤務状況に基づいて行う例も、ハンドブックの出向規程の例に示されています。出向者を復帰後にどの部署でどう活かすかを、スキルや経歴のデータを見ながら検討したい場合の一例が、株式会社プラスアルファ・コンサルティングが提供する「タレントパレット」です。商品ページでは、多様な人材データに基づいて人材管理ができる点と、組織診断や適性検査機能、人事異動シミュレーションを備え人材を一元管理できる点が紹介されています。注意点として、高機能・多機能な反面、無料トライアルは設けていないため、必要な機能と不要な機能の判断が難しいとされています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。なお、商品ページに出向管理の専用機能の記載はなく、出向契約や給与負担の取り決めは別に行う必要があります。
株式会社プラスアルファ・コンサルティング
タレントパレット
株式会社プラスアルファ・コンサルティング
タレントパレット
多言語対応◎eラーニングも活用していきたい企業におすすめ

出典:タレントパレット
導入企業:パナソニック株式会社、ソフトバンク株式会社など
口コミ
初見で感じたのは、やはりUIのわかりやすさです。日本人的な感覚にとてもマッチしているなと感じました。機能面では分析機能が非常に充実しています。いずれも見せかけの機能ではなく、人事情報を扱う側に立ち「これ、必要だよね」と話しかけてくるような機能が多数あり衝撃を受けました。タレントパレットの作りが、我々が目指している形そのものになっていて。何より集積したデータの分析によって、組織をより良くしていきたいという思想を感じたんですよね。マーケティングが基盤にあり、数字を根拠に結果を出していくという考え方で開発されているので、説得力があるなと感じています。
経営戦略実現に向けタレントパレットを導入
多数精鋭組織を育成するニトリHDの構想とは https://www.pa-consul.co.jp/talentpalette/case/details/nitori.html
おすすめ!
- 多様な人材データに基づいて人材管理
- 活用が可能人事と従業員にとって使いやすいデザインと操作性
- 人事評価や労務管理をはじめ、幅広い領域の「人事DX」を実現
- 「健康管理」「ストレスチェック」機能を活用し、健康的かつ長く働きやすい環境に!
- 組織診断や適性検査機能や人事異動シミュレーションを備え、人材を一元管理できる
気になる…
- 高機能・多機能な反面、無料トライアルは設けていないため必要な機能や不要な機能の判断が難しい
-
上司との面談の際は、こちらのツールをみながらフィードバックなどをもらっています。考課の際は進捗状況などこちらを確認すればOKです。オンライン研修もできるのは便利だと思いました。
-
自身のスキルや経験を可視化できるため、これまで意識していなかった強みやキャリアの方向性を客観的に見直すきっかけになりました。 また、性格テストから自分の仕事観等が分かり、新たな発見も期待できる点、メンバーの仕事の価値観も参照すれば、どのように接してほしいか等のヒントが見つかるかもしれない点がメリットかもしれないです。
-
Todoをシステム側に通知できるので、システムに入りさえすればやらなければいけないことが流れずにまとまって閲覧できた。また、同様に動画研修への動線もスムーズに配置でき、受講漏れなどが減った。
「これまでの人事異動は上司の主観的な評価を元に行われがちでした。」
リコージャパン株式会社の導入事例より(タレントパレットの導入事例)
タレントパレット
出向後の復帰や配置を、人材データを見ながら検討したいと感じていませんか?
こんな会社に向いています
出向者を含む社員の経歴・スキルを、同じ物差しで比べたい会社
人事異動のシミュレーションを、データを見ながら進めたい会社
出向を命じられたら|拒否できるのか・同意と権利濫用
在籍出向は、個別の同意か、就業規則等で労働者の利益に配慮した定めがあれば会社が命じられます。ただし、権利の濫用にあたる出向命令は無効です。
厚生労働省のハンドブックによると、在籍型出向を命じるには、労働者の個別的な同意を得るか、出向先での賃金・労働条件、出向の期間、復帰の仕方などが就業規則や労働協約等で労働者の利益に配慮して整備されている必要があります。そのうえで、出向の必要性や対象者の選び方などに照らして権利の濫用と認められる場合は、命令が無効になります(労働契約法14条)。ハンドブックには、希望退職の勧奨を断った労働者を子会社へ出向させて単純作業に就かせた事案で、業務上の必要性も人選の合理性もなく、権利の濫用にあたり無効となる場合があるとした東京地裁平成25年11月12日の判決が参考として挙げられています(厚生労働省「在籍型出向 基本がわかるハンドブック(第3版 災害時編)」)。
転籍出向は、元の会社を離れて別の会社と契約を結ぶため、労働者の同意が必要です。就業規則に「転籍を命じうる」といった包括的な規定があるだけでは足りず、転籍先を明示した明確な定めが必要とされています(事業者のための労務「出向・転籍」)。民法625条1項も、使用者は労働者の承諾を得なければ、その権利を第三者に譲り渡せないと定めています(民法(e-Gov法令検索))。
期間が終わった後の復帰については、出向時に復帰しないという合意が成立したといえる特段の事由がない限り、出向元は労働者の同意なく復帰を命じられるとされています(最高裁昭和60年4月5日判決。厚生労働省「在籍型出向 基本がわかるハンドブック(第3版 災害時編)」)。出向を命じられた側も、受け入れる側も、出向契約で期間と復帰の条件を確かめておくことが大切です。ここは条文と公的資料の紹介で、法的助言ではありません。個別の判断は弁護士や労働局にご相談ください。
出向を支える公的支援|産業雇用安定センターと産業雇用安定助成金
出向先を探す支援は、公益財団法人の産業雇用安定センターが無料で行っています。費用面では、産業雇用安定助成金(スキルアップ支援コース)があります。
産業雇用安定センターは、企業間の出向や移籍を支援する公益財団法人で、1987年に国と事業主団体などが協力して設立されました。出向元と出向先のマッチング支援は無料で、全国47都道府県に事務所があります(産業雇用安定センター「在籍型出向のご案内」、厚生労働省「在籍型出向 基本がわかるハンドブック(第3版 災害時編)」)。ハンドブックによると、在籍型出向の相手先は、もともと取引関係のある企業だった場合が約半数で、公的機関の紹介によるものが約2割でした(令和3年8月厚生労働省調べ)。
| 項目 | 産業雇用安定助成金(スキルアップ支援コース)の内容 |
|---|---|
| 目的 | 在籍型出向で労働者のスキルアップを図り、復帰後の賃金を出向前より上昇させた事業主に、出向中の賃金の一部を助成する |
| 出向の要件 | スキルアップを目的とし、出向期間の終了後は元の事業所に戻って働くことを前提とする。復帰後6か月間の各月の賃金を、出向前と比べていずれも5%以上上昇させる |
| 対象事業主 | 令和8年4月8日以降に計画届を提出した場合は、出向元と出向先の両方。令和8年4月7日以前の計画届は出向元のみ。企業グループ内出向は支給されない |
| 助成率・上限 | 中小企業は2/3、中小企業以外は1/2。上限は1人1日あたり9,110円、最長1年、1事業所1年度あたり1,000万円まで |
出典:厚生労働省「産業雇用安定助成金(スキルアップ支援コース)」(2026年10月20日に確認。令和8年8月1日にFAQが更新されています)。制度は毎年見直されるため、申請の前に、出向元の所在地を管轄する都道府県労働局またはハローワークで最新の要件を確認してください。ハンドブックに載っている災害時の特例コースは、現在のスキルアップ支援コースとは別の制度です。
出向者の情報管理でよくある失敗と整え方
出向者の管理で多い失敗は、出向元と出向先で、期間・賃金の負担・保険の区分の認識がずれることです。契約書と名簿を同じ情報で持つと防ぎやすくなります。
| よくある失敗 | 起きること | 確認の根拠 |
|---|---|---|
| 出向契約書に給与の負担と社会保険の扱いを書かない | 給与負担金の精算や保険の届出で、出向元と出向先の認識が食い違う | 厚生労働省ハンドブックの出向契約の項目 |
| 出向元が給与を全額負担し、出向先が負担しない | 出向先が負担すべき給与が、出向元から出向先への経済的利益の無償の供与にあたり、出向元で寄附金課税の対象になる | 厚生労働省ハンドブック(法人税法37条) |
| 出向者の労災保険を出向元で扱う | 出向先の組織に組み入れられて働く場合は、出向先で労災保険を適用する必要がある | 昭和35年基発第932号 |
| 出向先が労働条件を明示しない | 出向先で働く条件が本人に伝わらず、トラブルの原因になる(出向元が代わって明示することは可能) | 厚生労働省ハンドブック |
| 出向期間が終わっても、延長の契約を結ばない | 期間が切れたまま働き続け、契約上の根拠があいまいになる | 厚生労働省ハンドブックQ&A |
| 出向者の所属・期間・保険区分が、名簿や組織図に反映されていない | 受け入れ人数や出向期間の満了日を把握できない(運用上の失敗) | 社内運用の確認 |
出向者の情報を確認する3つのステップ
- 出向契約書で、期間・給与の負担・保険の区分を確かめる
- 出向元と出向先で、名簿・組織図・給与データの内容を突き合わせる
- 出向期間の満了日の前に、延長か復帰かを出向元と協議する日を決める
出向者が数名なら、台帳1枚の更新で回せます。受け入れる人数が増え、出向元が複数に分かれてくると、期間や負担の確認が手作業では追いきれなくなります。下のチェックで、今の運用を確かめてみてください。
出向者の情報管理、今のやり方で大丈夫?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
チェックが2つ以上当てはまる場合は、出向者の所属・期間・手続きの履歴を1つの仕組みに集めて、名簿や組織図へ引き出せるようにすると、確認の手間と食い違いを減らせます。比べて検討するなら、3サービスの資料をまとめて取り寄せると、機能や運用の違いを見比べやすくなります。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 出向先とは何ですか?
A. 出向先とは、出向者を受け入れ、自社の指揮命令のもとで働いてもらう会社のことです。出向者が籍を置いたままの会社は出向元といい、在籍出向では、出向者は出向元と出向先の両方と雇用契約を結びます。
Q2. 出向とはどういう意味ですか?
A. 出向とは、会社の命令で、従業員が別の会社で一定期間働く人事のことです。籍を元の会社に残し、期間が終われば戻る在籍出向と、元の会社を離れて出向先と新たに契約する転籍出向があります。
Q3. 正社員で「出向あり」とは何ですか?
A. 求人票などにある「出向あり」は、会社の命令で別の会社へ出向する可能性があることを示す表記と読めます。出向を命じるには、個別の同意か、就業規則等で労働者の利益に配慮した定めが必要です。入社前に、就業規則の出向規定を確かめてください。
Q4. 勤務先と出向元の違いは何ですか?
A. 勤務先は実際に働く会社で、出向では出向先にあたります。出向元は、出向者が籍を置いたままの元の会社です。給与は出向元が支払い、出向先が一定の負担金を支払うのが一般的ですが、出向契約で決まります。
Q5. 出向先の会社は、給与や保険をどう扱いますか?
A. 賃金の負担は出向契約で決め、出向先が直接支給するか、給与負担金を出向元に支払います。労災保険は出向先の組織に組み入れられて働く場合は出向先で適用し、雇用保険は主たる賃金を受ける企業で、健康保険・厚生年金は報酬が支払われる企業で適用されます。
Q6. 出向は拒否できますか?
A. 在籍出向は、個別の同意か、就業規則等で労働者の利益に配慮した定めがあれば会社が命じられますが、権利の濫用にあたる命令は無効です(労働契約法14条)。転籍出向は本人の個別の同意が必要です。個別の判断は弁護士や労働局にご相談ください。
まとめ|出向先で押さえたい6つのこと
- 出向先は、出向者を受け入れて指揮命令をする会社で、出向元は出向者が籍を置く元の会社
- 在籍出向は出向元・出向先との二重の雇用契約、転籍出向は元の会社を離れる出向で、本人の個別の同意が必要
- 労働者派遣は派遣先と雇用関係がなく、出向は出向先とも雇用関係がある点が違う
- 賃金・社会保険・労災の扱いは出向契約と制度で決まり、労災保険は原則として出向先で適用する
- 出向命令は個別の同意か就業規則等の整備が前提で、権利の濫用なら無効(労働契約法14条)
- 出向者の期間・負担・保険区分の管理が手作業で重いなら、人事情報を1つにまとめる仕組みの資料を取り寄せて比べる
参考文献
- デジタル庁 e-Gov法令検索「労働契約法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000128
- デジタル庁 e-Gov法令検索「民法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- デジタル庁 e-Gov法令検索「職業安定法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141
- デジタル庁 e-Gov法令検索「労働者派遣法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/360AC0000000088
- 厚生労働省「在籍型出向 基本がわかるハンドブック(第3版 災害時編)」 https://www.mhlw.go.jp/content/000739527.pdf
- 厚生労働省「産業雇用安定助成金(スキルアップ支援コース)」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082805_00012.html
- 厚生労働省「出向労働者に対する労働者災害補償保険法の適用について」(昭和35年基発第932号) https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb2519&dataType=1&pageNo=1
- 国税庁 タックスアンサーNo.5241「出向者に対する給与の較差補てん金の取扱い」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5241.htm
- 産業雇用安定センター「在籍型出向のご案内」 https://www.sangyokoyo.or.jp/lp/zaiseki/index.html
- 事業者のための労務「出向・転籍」 https://www.lwo.jp/labor08.html
- ミキワメ「出向とはどんな制度?」 https://mikiwame.com/lab/entry/secondment/
- カラフル「出向とは?在籍・転籍の違いと人事の対応4ステップ」 https://colorfulcorp.co.jp/media/contents/what-is-a-secondment/
- カオナビ 導入事例「サツドラホールディングス株式会社」 https://www.kaonavi.jp/showcase/sat/
- ジンジャー 導入事例「株式会社ベルーナ」 https://hcm-jinjer.com/results/140225/
- タレントパレット 導入事例「リコージャパン株式会社」 https://www.pa-consul.co.jp/talentpalette/case/details/case02.html
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