一元化とは?意味・一本化や集約との違いと進め方を解説

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  • 一元化は分かれたものを一つに統一すること
  • 集約や一本化より、ルールまで揃える意味
  • 目的とルールを決めてからツールを選ぶ

一元化とは、いくつかに分かれているものを、一つに統一することです。ビジネスでは、部署や担当者ごとにばらばらに持っている情報・業務・システムを、一つの場所と同じルールで扱える状態にすることを指します。国語辞典の語釈では、一元化は「統一する」こと、一本化や集約は「一つにまとめる」ことが中心で、場所だけでなくやり方まで揃えるかどうかに違いが出ます。この記事では、一元化の意味と一本化・集約・一元管理との違い、情報・業務・システムのどれを一元化するのか、メリットとデメリット、進め方、ツールの選び方を整理します。確認日は2026年10月20日です。

いまの一元化の悩みに近いのはどれ?2問で診断

Q1. いちばん散らばっているのは、どちらに近いですか?

目次

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  1. 一元化とは?意味と、一本化・集約・一元管理との違い
  2. 何を一元化する?情報・業務・システムの3つと、業務の一元化とは
  3. 一元化のメリット。散らばった状態と比べて何が変わるか
  4. 一元化のデメリットと注意点。全部を一元化しないほうがよい場合
  5. 業務データの一元化はERPで?向いている会社と、確認したいこと
  6. 一元化の進め方。5ステップと、取引先マスタをそろえる方法
  7. 一元化に使うツールの種類と選び方。情報の種類別の早見表
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ:一元化で押さえる5つのこと
  10. 参考文献

一元化とは?意味と、一本化・集約・一元管理との違い

一元化とは、いくつかに分かれているものを一つに統一することです。デジタル大辞泉は、いくつかに分かれている問題や機構・組織などを統一することと説明し、「窓口を一元化する」という使い方を挙げています(コトバンク「一元化」)。

ビジネスの場面では、この「分かれているもの」が、情報(顧客情報、文書、ノウハウ)、業務(申請や承認の流れ)、システム(部署ごとのソフトやツール)に当てはまります。一元化の目的は、探す手間と二重入力を減らし、全員が同じ最新の情報を見られる状態にすることです。

言葉辞書の語釈(デジタル大辞泉)ビジネスでの使い分けの目安
一元化いくつかに分かれている問題や機構・組織などを統一すること一つの場所に集めるだけでなく、管理の方法やルールも同じにする
一本化ばらばらになっているものを一つにまとめること窓口、担当者、制度など、数を一つにする
集約物事を整理して、一つにまとめること散らばったデータやファイルを、一か所に集める
一元管理(語釈ではなく、用語解説をもとにした目安)一元化した状態で管理すること。管理方法の統一まで含めて説明されることが多い
一括管理(語釈ではなく、用語解説をもとにした目安)複数のものを一か所でまとめて扱うこと。管理方法の統一は含まないと説明される場合がある

一本化と集約は、どちらも「一つにまとめる」ことが語釈の中心です(コトバンク「一本化」、コトバンク「集約」)。一元管理と一括管理は、カオナビ人事用語集とアイミツSaaSの用語解説が、管理方法まで統一するかどうかで使い分ける考え方を示しています(カオナビ人事用語集、アイミツSaaS)。

一本化と一元化の違い

一本化は数を一つにすること、一元化は一つに統一することで、重なる場面が多い言葉です。たとえば「窓口を一本化する」は問い合わせ先を一つにする話で、「窓口を一元化する」と言い換えても通じます。管理の方法やルールまで揃える話をしているなら、一元化のほうが意図に合います。

集約と一元化の違い

集約は一か所にまとめる動作、一元化はまとめたうえで同じルールで扱う状態です。ファイルを一つのフォルダに集めただけなら集約で、そのうえで名前の付け方、更新する担当、見られる範囲まで決めたなら、一元化と呼べる状態です。

部署ごとの業務データが、一元化でいちばん手間のかかる対象

情報の置き場所を揃えるだけなら、共有フォルダやグループウェアで足ります。手間が大きくなるのは、売上、仕入、原価、勤怠、経費のように、部署ごとのシステムや表計算に分かれた業務データです。こうした業務データを一つの仕組みに寄せる受け皿が、ERP(統合基幹業務システム)です。

業務データの一元化に使えるERP3つの役割の違い

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

自社の状況:

この状況に合う一例:MA-EYESは、導入形式の選択と、得意先・仕入先・勘定科目などのマスタ管理が商品ページで紹介されています

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この状況に合う一例:マネーフォワード クラウドERPは、会計から人事労務までの連携が商品ページで紹介されています

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サービス MA-EYES ZAC マネーフォワード クラウドERP
向いている会社 プロジェクト型の会社、広告業(版により機能が異なる) IT・広告・クリエイティブ・コンサルなど、プロジェクト型の知的サービス業 会計から人事労務まで、バックオフィスをつなげたい会社
特徴 導入形式を3種類から選べ、得意先・仕入先・勘定科目などのマスタ情報を一元管理できる 売上・仕入・労務費・販管費の経営データを、案件・部門・クライアント別に集約する垂直統合型 必要な基幹システムだけを組み合わせ、豊富なAPIで他システムと連携できるクラウド型ERP
注意したい点 30日無料トライアルは、担当者との打ち合わせが必要 導入完了まで最短3か月、平均で半年ほど 見積もりや支援プランの確認は問い合わせが必要で、見直す業務が多いほど時間がかかる
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取引先・案件・原価のデータを一つのシステムに寄せたい場合の一例が、株式会社ビーブレイクシステムズが提供する「MA-EYES」です。商品ページによると、プロジェクト型企業向けと広告業向けのクラウドERPで、導入形式はSaaS・SaaS+・一括の3種類から選べます。マスタ管理の機能では、得意先・仕入先・ユーザ・勘定科目などのマスタ情報を一元的に管理でき、社内のマスタ情報を1つのデータベースに統合すると、部門間でデータの整合性を保てると説明されています。注意点として、30日間の無料トライアルを使うには担当者との打ち合わせが必要で、導入形式や運用方法が複数あるため、自社に合う版はベンダーと相談して決める必要があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。(商品ページ確認日:2026年10月20日)

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  • 導入形式によって一部使えない機能がある

導入事例では、株式会社インターネットイニシアティブが、複数のシステムに同じマスタ情報があり、多重入力・多重管理の手間が出ていたことを課題に挙げ、システムを統合してデータの一元管理を進めたと紹介されています。事例は2010年6月時点のインタビューで、現在の製品の仕様とは異なる場合があります。

今回のデータの一元管理で、これまでの多重入力・管理の手間が解消され、作業効率を図ることができました。

MA-EYES 導入事例(株式会社インターネットイニシアティブ) 出典:導入事例ページ

ERPは、業務データの一元化の手段の一つです。次の章では、何を一元化の対象にするのかを、情報・業務・システムの3つに分けて整理します。

3サービスの役割を比較表で見る

何を一元化する?情報・業務・システムの3つと、業務の一元化とは

一元化の対象は、情報(データ)・業務(流れ)・システム(道具)の3つに分けて考えると整理できます。どれを一元化したいのかで、使う手段が変わります。

対象意味例向く手段
情報の一元化部署や担当者ごとに持つ情報を、まとめて探せて、同じ内容を見られる状態にする顧客情報、社内規程、マニュアル、営業資料、人事・経理のデータ共有ストレージ、グループウェア、CRM、人事管理システム
業務の一元化別々に行っていた作業や申請を、一連の流れとして管理する申請から承認、見積から請求、受注から入金ワークフロー、販売管理、ERP
システムの一元化部署ごとに分かれたシステムのデータを、一つにまとめる会計・販売・勤怠・経費のシステムの統合ERP、システム間のAPI連携

業務の一元化とは

業務の一元化とは、別々に行っていた作業や申請の流れを、一つの流れとして管理することです。たとえば、見積を営業が表計算で作り、受注を別の部署のシステムに入力し、請求は経理が改めて作る、という流れでは、同じ取引の情報を3回入力することになります。見積から請求まで同じデータを引き継げる形にすれば、入力の重複と、途中での抜け漏れが減ります。「システムの一元化」と混同されやすいのですが、業務の一元化は流れの話、システムの一元化は道具の話です。

ヒト・モノ・カネ・情報で見る一元化の対象

用語解説の記事では、企業が一元管理する対象を、経営資源のヒト・モノ・カネ・情報に分けて説明しています(カオナビ人事用語集)。自社のどこが散らばっているかを見つけるときの切り口として、使いやすい整理です。

経営資源一元化する情報の例散らばっているときのサイン
ヒト従業員の基本情報、勤怠、評価、スキル人事と現場で別々の名簿を持っている
モノ商品、在庫、設備、仕入先営業が見る在庫と倉庫の在庫が合わない
カネ売上、請求、経費、仕訳月次の集計のたびに、複数の表を突き合わせている
情報顧客データ、ノウハウ、規程、マニュアル最新版の資料がどれか、人に聞かないとわからない

ヒト・モノ・カネ・情報のすべてを同時に一元化する必要はありません。どれを先にするかは、散らばりが手間やミスになっている箇所から決めます。一元化は業務効率化の手段の一つで、効率化の考え方そのものは業務効率化とは?メリットや失敗パターンも解説で、DXの文脈での位置づけはDX効率化とは?業務効率化との違いを経費精算の例で解説で扱っています。

一元化のメリット。散らばった状態と比べて何が変わるか

一元化の主なメリットは、探す手間と二重入力が減ること、情報が正確になること、部署をまたいで共有・分析しやすくなることです。散らばった状態と一元化したあとを、観点ごとに比べます。

観点散らばっている状態一元化したあと
探す手間どこにあるかを、人に聞かないとわからない決まった場所で、検索して見つけられる
二重入力同じ情報を、部署ごとに入力し直す一度入力した情報を、各業務が引き継ぐ
正確さ更新のタイミングがずれ、新旧の情報が混ざる一か所を更新すれば、全員に反映される
共有拠点や部署をまたぐと、問い合わせが必要になる離れた拠点やテレワークでも、同じ情報を見られる
分析集計のたびに、ファイルを集めて形式を整える同じ形式のデータを、そのまま集計できる
統制管理方法が人によって違い、権限や履歴を追いにくい権限と操作の履歴を、一か所で管理できる

二重入力は、手間だけでなくミスの原因にもなります。部署Aと部署Bで同じ取引先の住所を別々に更新していると、片方だけ古い住所が残り、請求書の送付先を間違えるといったことが起こり得ます。一元化は、更新する場所を一つにして、こうした食い違いの余地を減らすことでもあります。

ZACの導入事例ページでは、複数の業務システムを統合した会社が、システムをバラバラに使っていた頃は、一方で処理したことが他方で処理待ちになり、月末には帳尻が合うものの一時的にズレが生じることがあったと述べています(ZAC導入事例(イメージ情報システム株式会社))。散らばった状態の食い違いが、統制の弱さにもつながることを示す例です。ただし、事例は1社の経験で、効果は会社によって異なります。

一元化のデメリットと注意点。全部を一元化しないほうがよい場合

一元化のデメリットは、導入と定着に費用と時間がかかること、何でも集めると複雑になること、情報が集まる分だけ権限管理が重要になることです。注意点と対策を、次の表にまとめます。

注意点起きること対策
導入・運用のコストシステムの規模に応じて、初期費用と運用費用がかかるいまの運用にかかっている手間と比べる。費用は資料で確認する
慣れるまでの時間入力のしかたが変わり、一時的に作業が遅くなるマニュアル、説明会、運用開始後のフォローを用意する
複雑化何でも入れた結果、操作が複雑になり、使う人が減る一元化する対象と、個別に残す対象を決める
情報漏えい・権限広い範囲を見られるため、権限の設定を誤るとリスクが増える部署・役職ごとに権限を分け、退職・異動のときに見直す。操作の履歴を残す
障害時の影響一か所が止まると、関係する業務が同時に止まるバックアップ、復旧の手順、停止時の代わりの方法を決めておく

複雑化については、カオナビ人事用語集も、すべてを一元化するとシステムが複雑になり、かえって情報が錯綜する場合があると指摘しています(カオナビ人事用語集)。何を一元化し、何を個別に残すかを決めることが、デメリットを抑える鍵になります。

判断表:一元化するものと、分けたままにするもの

質問「はい」のときの考え方
複数の部署が、同じ情報を参照・更新しているか一元化の候補。更新する場所を一つに決める
同じ内容を、2回以上入力しているか一元化の候補。入力の元になる場所を決める
特定の部署だけが使い、他の業務に影響しないか個別のままでよい場合が多い。無理に集めない
機密性が高く、見られる人を絞る必要があるか一元化しても、閲覧できる範囲を権限で絞る。別管理にする判断もある
法令や社内規程で、保管場所や期間が決まっているか規程に合わせて決める。必要に応じて法務や担当部署に確認する

すでにある複数のシステムを一つに統合する場合は、データの移行とテストが別途必要になります。進め方と注意点は、基幹システムの統合とは?メリット・デメリットや進め方を解説で扱っています。

業務データの一元化はERPで?向いている会社と、確認したいこと

ERPは、会計や販売、購買、勤怠などの業務データを一つのシステムで管理する仕組みで、業務データの一元化の代表的な手段です。お名前.comビジネスコンシェルジュの商品ページでも、ERP(統合基幹業務システム)は企業の業務プロセスを一元管理するためのサービスと説明されています。基幹システムとERPの違いは、基幹システムとERPの違いとは?企業の動向や導入方法もわかりやすく解説にまとめています。

場面ERPが向く別の手段で足りる
取引先・案件・勘定科目のマスタ部署ごとに別々に登録していて、表記や内容が食い違う一部署だけで使い、他に影響しない
売上から請求・入金・仕訳営業・経理で同じ取引を入力し直している取引件数が少なく、会計ソフトだけで足りる
工数・勤怠と原価案件ごとの原価を、複数の表から集計している案件別の損益を見る必要がない
社内文書・マニュアルの共有基本的には向かない(目的が違う)共有ストレージ、グループウェア、社内ポータル

案件やプロジェクトを単位に、売上・仕入・工数・経費を管理している会社の一例が、株式会社オロが提供する「ZAC」です。商品ページによると、プロジェクト型ビジネスに向けたクラウドERPで、売上・仕入・労務費・販管費といった経営データを、案件・部門・クライアントなどのセグメント別に集約する、垂直統合型のシステムと紹介されています。販売管理では、見込・引合から受注、売上、請求、債権管理までを一元管理でき、購買管理では、売上項目に仕入や外注を結びつけて登録できます。見積から請求まで二重入力が起きない、シングルインプット設計とも説明されています。注意点として、導入完了までは最短で3か月、平均で半年ほどかかり、ZACのパラメータの範囲で対応しきれない場合は、上位版の「ZAC Enterprise」での対応になります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。物販や製造など、プロジェクト型ではない事業の場合は、対象の業種に合うかも資料で確認してください。(商品ページ確認日:2026年10月20日)

株式会社オロ

ZAC

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業務を統合し効率化!案件・契約・プロジェクト単位で業務進行する企業におすすめ

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  • 詳しい料金やプランを確認するには問い合わせが必要
評価・口コミ(一部抜粋)
4
  • 見積発行の際、承認を電子化できる。また、低粗利で提案する際、ユーザーが各上長に直接フェイストゥフェイスでお伺いを立てなくとも、電子的に承認に入れるため、履歴も残り、管理の観点で負担軽減になる。

導入事例では、イメージ情報システム株式会社が、販売管理・原価管理・勤怠管理・経費管理が別々のシステムになっていたことを課題とし、それらを統合する形でZACの導入を検討したと紹介されています。

販売管理・原価管理・勤怠管理・経費管理と、それぞれバラバラに存在していたシステムをすべて統合する壮大なプロジェクトとしてZAC導入を検討しました。

ZAC 導入事例(イメージ情報システム株式会社) 出典:導入事例ページ

ERPを選ぶ前に確認したい4点

ERPの商品ページを比べると、確認すべき点の違いがはっきりします。導入形式(クラウドか、自社サーバーか)は、MA-EYESが3種類から選べると説明されています。導入にかかる期間は、ZACが最短3か月・平均で半年ほど、マネーフォワード クラウドERPが契約から最短1か月と、商品ページに書かれており、製品によって大きく異なります。対応する業種は、ZACとMA-EYESがプロジェクト型や広告業を想定しているのに対し、マネーフォワード クラウドERPは会計から人事労務までのバックオフィス全体が中心です。連携できる他システムの範囲も、導入前に確かめます。

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一元化の進め方。5ステップと、取引先マスタをそろえる方法

一元化は、「目的と対象を決める」「現状を洗い出す」「ルールを決める」「ツールを選ぶ」「定着させる」の5ステップで進めます。ツールの選定は4番目で、先に目的とルールを決めておくと、必要な機能が絞れます。

ステップ1:目的と対象を決める

「どの情報を」「何のために」一元化するのかを、先に決めます。たとえば「月次の集計に3日かかっているのを短くしたい」「担当者が休むと資料の場所がわからなくなるのを防ぎたい」のように、困っていることを一文で書きます。目的が曖昧なまま始めると、集めること自体が目的になり、使われない置き場所ができます。

ステップ2:現状を洗い出す

対象の情報が、いま、どこに、誰が、どんな形式で持っているかを一覧にします。表計算、個人のパソコン、部署のシステム、紙のどれにあるかを書き出すと、重複して持っているものと、誰も更新していないものが見えます。この一覧が、一元化する範囲を決める材料になります。

ステップ3:ルールを決める

集める場所を決めるだけでは、集約にとどまります。一元化するには、次の5つを決めます。

  1. 置き場所:どの情報を、どこに置くか
  2. 名前の付け方:ファイル名、取引先名、商品名などの表記
  3. 更新する担当:誰が、いつ更新するか
  4. 見られる範囲:どの部署・役職が、閲覧・編集できるか
  5. 保管と廃棄:いつまで残し、いつ消すか

取引先マスタをそろえる:法人番号という共通キー

一元化で最初に問題になりやすいのが、取引先の名前の表記ゆれです。次のように、同じ会社が部署ごとに違う書き方で登録されていると、名前だけでは同じ会社と判断できず、データを一つにまとめられません(表は表記ゆれを示す仮の例で、実在の会社ではありません)。

部署登録されている取引先名(仮の例)
営業株式会社サンプル商事
経理(株)サンプル商事
物流サンプル商事株式会社

名前の代わりに、会社ごとに決まった番号を共通のキーにする方法があります。国税庁の法人番号公表サイトによると、法人番号は株式会社などの法人等が持つ13桁の番号で、利用範囲の制約がなく、誰でも自由に利用できます(国税庁法人番号公表サイト「法人番号とは」)。また、適格請求書発行事業者の登録番号は、法人番号を持つ課税事業者の場合、「T」に法人番号の13桁を付けた形です(国税庁インボイス制度適格請求書発行事業者公表サイト「登録番号とは」)。取引先マスタに法人番号の欄を設ければ、表記が違っても同じ会社を一つにまとめやすくなります。

ただし、個人事業者など法人番号を持たない取引先は別の方法で識別する必要があります。また、番号を入れたからといって、住所や担当者名の更新が自動で行われるわけではありません。更新する担当を決めるルールも、あわせて必要です。

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取引先や勘定科目のマスタが、部署ごとに別々になっていませんか?

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得意先・仕入先などのマスタを、1つのデータベースにそろえたい会社

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ステップ4:ツールを選ぶ

ルールが決まったら、そのルールを守りやすいツールを選びます。情報の種類別の選び方は、次の章で整理します。

ステップ5:定着させる

一元化は、運用が続かなければ元の散らばった状態に戻ります。入力の手順書、説明会、始めた直後の質問の窓口を用意し、まずは一部の部署や一つの情報から始めて、うまくいったら広げます。一度にすべてを切り替えるより、一つずつ一元化していくほうが、混乱を抑えられます。

自社の情報、散らばり具合をセルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

一元化に使うツールの種類と選び方。情報の種類別の早見表

一元化のツールは、一元化したい情報の種類で選びます。文書ならストレージやグループウェア、顧客ならCRM、業務データ全体ならERPが目安です。desknet’s NEOのコラムやアイミツSaaSの解説でも、人事情報は人事管理システム、顧客情報はCRM、あらゆる業務情報はグループウェアというように、目的別にツールを選ぶ考え方が示されています(desknet’s NEO コラム、アイミツSaaS)。

一元化したいものツールの種類確認したい点
文書・ファイル・連絡クラウドストレージ、グループウェア、社内ポータル検索のしやすさ、権限の設定、退職時の権限の外し方
顧客・商談の情報CRM、SFA、名刺管理他のシステムとの連携、入力の手間
人材の情報人事管理システム閲覧できる範囲の設定、勤怠・給与との連携
申請・承認ワークフローシステム既存システムとの連携、承認の履歴
会計・販売・購買・勤怠などの業務データERP、基幹システム導入形式、導入期間、マスタの管理、対応する業種

無料のツールで一元化するときの注意点

無料のストレージや表計算でも、小さく始める一元化はできます。ただし、利用者が増えると、無料の範囲の容量や機能で足りなくなり、退職者のアカウントが残っていないかを人が確認し続ける運用になります。担当者が個人のアカウントで業務データを置くと、会社として把握できない場所に情報が広がります。無料で始める場合も、誰のアカウントで、どこまで置くかを、先に決めておきます。

選ぶときの4つの観点

観点確認すること
使いやすさ入力する人が、迷わず操作できるか。使われなければ一元化は定着しない
費用対効果初期費用・運用費用と、いま散らばりにかかっている手間を比べる。費用は資料で確認する
連携いま使っているシステムと、自動で連携できるか。ファイルの取り込みだけか
権限とサポート部署・役職ごとの権限設定、操作履歴、導入時と運用中のサポートの範囲

会計から人事労務までを連携させたい場合の一例が、株式会社マネーフォワードが提供する「マネーフォワード クラウドERP」です。商品ページによると、会計から人事労務までのバックオフィス全体を連携し、手作業を自動化できるクラウド型ERPで、必要な基幹システムだけを組み合わせて導入できます。マネーフォワード クラウドの各モジュールのほか、豊富なAPIで銀行や他社システムとも連携でき、承認ワークフロー、アクセス権限の管理、ログ管理の機能も備えています。契約から最短1か月での導入も可能とされています。注意点として、見積もりや支援プランの確認には問い合わせが必要で、見直す業務フローが多いほど時間や労力がかかります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。ERPの種類を幅広く比べたい場合は、ERPパッケージおすすめ10選を徹底比較も参考になります。(商品ページ確認日:2026年10月20日)

株式会社マネーフォワード

マネーフォワード クラウドERP

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  • 電子マネーやPOSレジはもちろん、勤怠や人事といったさまざまなサービスとの連携が可能
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  • 会計・確定申告・請求書・経費など、自社にあわせたニーズで使える
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  • 会計や人事メインであれば使いやすいが、その他の機能をメインで扱いたい場合には連携や他サービスを併用する必要がある

導入事例では、バルス株式会社が、業務の属人化や情報の分散化が起こらないバックオフィス体制の構築を目指して、マネーフォワード クラウドを導入したと紹介されています。この事例の導入サービスには、マネーフォワード クラウド会計Plusなど複数のクラウド製品が並んでおり、マネーフォワード クラウドERP単体の効果ではない点にご注意ください。

業務の属人化や情報の分散化も課題であると感じているため、それぞれの業務や情報のありかを明確にすることで、業務の標準化にも取り組んでいます。

マネーフォワード クラウド導入事例(バルス株式会社) 出典:導入事例ページ

この事例のように、一元化は、ツールを入れる前に「業務や情報のありか」を明確にすることから始まります。会計や人事労務の数字を部署をまたいで管理したい場合は、次の資料から、連携の範囲を確かめられます。

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部署ごとに古いシステムが残り続ける課題と、一元化・DXとの関係は、2025年の崖とは?意味とその後を経産省DXレポートからわかりやすく解説で扱っています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 情報の一元化とは、どういう意味ですか?

A. 部署や担当者ごとにばらばらに持っている情報を、一つの場所と同じルールで扱える状態にすることです。辞書では、一元化はいくつかに分かれているものを統一することと説明されます。ファイルを一か所に集めるだけでなく、名前の付け方、更新する担当、見られる範囲まで揃えると、一元化された状態といえます。

Q2. 一本化と一元化の違いは?

A. 一本化は、ばらばらのものを一つにまとめて数を一つにすることです。一元化は、分かれているものを一つに統一することで、管理の方法やルールまで揃える意味合いが強くなります。窓口を一つにする話なら、どちらでも通じる場面が多い言葉です。

Q3. 一元化と集約の違いは何ですか?

A. 集約は、物事を整理して一つにまとめることです。一元化は、まとめたうえで同じルールで扱う状態を指します。ファイルを一つのフォルダに集めただけなら集約で、置き場所・名前の付け方・更新する担当・権限まで決めたなら一元化と考えると整理しやすくなります。

Q4. 業務の一元化とは?

A. 別々に行っていた作業や申請の流れを、一つの流れとして管理することです。見積から請求までを同じデータで引き継げるようにして、入力の重複と抜け漏れを減らすのが例です。ワークフローシステムや販売管理、ERPなどが手段になります。

Q5. 表計算やクラウドストレージだけでも、一元化はできますか?

A. できます。文書や小規模な情報なら、置き場所・名前の付け方・更新する担当を決めるだけで効果が出ます。ただし、複数の部署が同じ取引を入力し直している、月次の集計のたびに表を突き合わせている、といった状況になると、システムの導入を検討する段階です。

Q6. 一元化は、何から始めればよいですか?

A. 目的と対象を決めて、いまの情報がどこにあるかを洗い出すところからです。先にツールを選ぶのではなく、置き場所・名前の付け方・更新する担当・見られる範囲・保管期間のルールを決めます。そのうえで、一つの情報や一つの部署から始めて、うまくいったら広げます。

まとめ:一元化で押さえる5つのこと

  1. 一元化とは、いくつかに分かれているものを一つに統一することです。一本化や集約は「一つにまとめる」こと、一元化はルールまで揃えることが中心です。
  2. 一元化の対象は、情報・業務・システムの3つです。散らばりが手間やミスになっている箇所から、一つずつ進めます。
  3. メリットは、探す手間と二重入力の減少、正確さ、共有・分析のしやすさです。デメリットは、コスト、慣れるまでの時間、複雑化、権限管理です。
  4. 進め方は、目的と対象を決める、現状を洗い出す、ルールを決める、ツールを選ぶ、定着させる、の5ステップです。取引先名の表記ゆれには、法人番号のような共通キーが使えます。
  5. 部署をまたぐ業務データの入力や集計が負担になっているなら、MA-EYES、ZAC、マネーフォワード クラウドERPの資料を請求して、導入形式、導入期間、マスタの管理、連携の範囲を比べます。

一元化は、ツールを入れること自体が目的ではありません。まず、自社で何が散らばっているかを確かめ、置き場所とルールを決めるだけで足りるのか、システムに移る段階なのかを見極めてください。

参考文献

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