LOBとは?ライン・オブ・ビジネスの意味とIT・野球での違い

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  • LOBは文脈で意味が4つに分かれる
  • ビジネスでは事業部門と基幹アプリ
  • ERPとの範囲は解説によって逆になる

LOBとは、ビジネスではLine of Business(ライン・オブ・ビジネス)の略で、企業の事業部門、またはその事業部門が使う基幹業務のアプリケーションを指す言葉です。ただし、LOBはデータベースの「Large Object(ラージ・オブジェクト)」、野球の「Left On Base(残塁)」、テニスなどの動詞・名詞lob(ロブ)の意味でも使われ、どの意味かは文脈で決まります。この記事では、4つの意味の違いと見分け方を整理したうえで、中心となるビジネス用語のLOBについて、LoBシステムの具体例、ERPとの違い、事業部門(LOB部門)のIT導入が広がる背景、仕組みを選ぶときの確認点を、調査会社の発表や各社の公式資料をもとに解説します。

事業部門の仕組みづくり、どこから整える?2問で目安がわかります

Q1. いま事業部門で、うまく回っていないのはどちらに近いですか?

目次

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  1. LOBとは|意味は4つ。ビジネスではLine of Businessの略
  2. LoBシステムとは|基幹業務アプリケーションの具体例とメリット
  3. LOBとERPの違い|範囲の捉え方が解説によって逆になる
  4. データベースのLOBとは|Large Object(ラージ・オブジェクト)
  5. 野球のLOBとは|Left On Base(残塁)と、投手のLOB%
  6. テニスなどのlob(ロブ)と、そのほかの使われ方
  7. 事業部門(LOB部門)のIT支出と、現場主導の導入が広がる背景
  8. LOB部門が仕組みを選ぶときの確認点|情報システム部門との役割分担
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ|LOBの意味と、押さえておく5つのこと
  11. 参考文献

LOBとは|意味は4つ。ビジネスではLine of Businessの略

LOBとは、ビジネスではLine of Businessの略で、企業の事業部門、またはその事業部門が使う基幹業務のアプリケーションを指す言葉です。

同じ「LOB」でも、読んでいる文章によって意味が変わります。次の表で、いま読んでいるLOBがどの意味かを見分けてください。

場面正式な表記意味見分けるヒント
ビジネス・経営Line of Business(LoBとも書く)事業部門(ライン部門)、またはその部門が使う基幹業務のアプリケーション。事業や業界の区分を指すこともある「LOB部門」「LoBシステム」「LOBアプリ」と書かれている
データベース・システム開発Large Object(ラージ・オブジェクト)画像・動画・長い文書など、大量のデータを保持するために設計されたデータ型の総称「CLOB」「BLOB」「列」「データ型」と並んでいる
野球Left On Base(残塁)攻撃側の走者が塁に残ったまま、イニングが終わった数を表す記録。投手の「LOB%」もある打撃成績・チーム成績・投手の指標の話題
テニスなどのスポーツlob(ロブ)ボールを弧を描くように、高くゆるく投げる・打つこと、またはその球英和辞典、テニスなどの記事

以降の章では、ビジネスのLOBを先に詳しく説明し、そのあとデータベース・野球・テニスの意味を確認します。

ビジネスのLOBは、事業部門と基幹業務アプリの2つの意味で使われる

BOXILの解説によると、LoBはもともと、企業の業務に直結するライン部門を指す言葉で、多角経営の企業でいう「事業部」にあたります。一方、近年は意味が広がり、企業が業務を行ううえで主要な基幹アプリケーションを指す言葉として認知されていると説明されています(BOXIL「ラインオブビジネス(LoB)とは?ERPとの違い・導入のメリット」)。

SAPシステムの導入支援を行うNHSの用語集も、LOBを「Lines of Business」の略とし、企業が業務を行ううえで主要なライン部門系の基幹アプリケーションと説明しています(NHS「LOB|SAP用語集」)。

もうひとつの使い方として、IT用語集のキャプテラは、LOBを「企業がサービスを提供する業界の総称」と説明し、自動車保険を販売する企業は「保険」、医療機器メーカーは「医療」というLOBに分類される例を挙げています(キャプテラ「ライン・オブ・ビジネス (LOB)」)。製品やサービスの種類で、会社や事業を区分する言い方です。

事業部門が自分で、仕組みを選ぶ場面がある

LOB部門が自分たちの仕事を進めるときは、申請書の承認や、部署内・取引先との連絡といった、どの会社にも共通する業務が必ず出てきます。こうした標準的な業務は、Excelとメールで回すこともできますが、既製のサービスに載せる選択肢もあります。IDC Japanの調査では、国内IT市場におけるLOB部門の支出は2018年で全体の約4割と分析されています(詳しくは後の章で説明します)。事業部門が自分で選ぶ場面が多いほど、申請と承認、連絡の置き場所も、事業部門自身が整えることになります。

2つのサービスの役割の違いを、先に表で確認します。選び方の詳細は、おすすめのチャットシステム7選|選び方や導入時の注意点を解説と、おすすめのワークフローシステム9選|選ぶポイントを詳しく解説の記事で整理しています。

事業部門の申請・承認と連絡を支える2つのサービス|役割の違い

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

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特徴 誰でも思い通りのワークフローを簡単に作成できる。シンプルで直感的な操作で承認経路を設計できる。運用中にフォームレイアウトの追加・修正ができる チャットだけでなく、通話機能やタスク・ファイル管理などの機能が充実している。無料で始められるフリープランがある。社内外でも使いやすいシンプルさ
注意したい点 クラウド版には、1ユーザーにつき5GBの容量制限がある より高いセキュリティとサポートの手厚さを求める場合は、エンタープライズの契約が必要
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表は横にスクロールできます。2サービスの内容は商品ページで確認した情報です(確認日2026年10月20日)。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

申請書や承認の流れを、事業部門が自分たちで設計して整える場合の一例が、株式会社コラボスタイルのコラボフローです。商品ページでは、誰でも思い通りのワークフローを簡単に作成できること、シンプルかつ直感的な操作で承認経路を設計できること、運用中にフォームレイアウトの追加・修正ができることが紹介されています。一方で、クラウド版には1ユーザーにつき5GBの容量制限があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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コラボフローの導入事例では、島津サイエンス西日本株式会社の企画部の担当者が、導入の決め手を次のように述べています(事例ページの公開日は2024年6月25日)。事業部門がExcelで作ってきた帳票を、作り直さずに使えるかどうかが、仕組みを載せ替えるときの分かれ目になることがわかります。

導入の決め手になったのは、Excelの帳票をそのままワークフローとして使用できるところです。

出典:コラボフロー 導入事例 島津サイエンス西日本株式会社

事業部門内や取引先との連絡・相談・資料共有を1か所に集める場合の一例が、Chatwork株式会社のChatworkです。商品ページでは、無料で始められるフリープランがあること、チャットだけでなく通話機能やタスク・ファイル管理などの機能が充実していること、年齢や性別を問わず社内外でも使いやすいシンプルさが紹介されています。一方で、より高いセキュリティとサポートの手厚さを求める場合は、エンタープライズの契約が必要とされています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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Chatworkの導入事例では、株式会社シンワ歯研の本社副所長が、導入前の課題を次のように述べています(取材は2023年11月)。同社の事例ページは、メンバーごとに持っている情報量に隔たりがあったと紹介しています。

導入前の課題として、情報の一元管理ができていないことがありました。

出典:Chatwork 導入事例 株式会社シンワ歯研

ただし、すべてを既製のサービスに載せる必要はありません。どの業務を、どの仕組みで、誰が整えるかは、後の「LOB部門が仕組みを選ぶときの確認点」の章で整理します。

ライン部門とスタッフ部門の違い

ライン部門とは、製品やサービスを作って売るなど、事業の成果に直接関わる部門のことです。これに対して、人事・経理・総務のようにライン部門を支える部門は、一般にスタッフ部門と呼ばれます。「LOB部門」と書かれていたら、事業部門や現場の部門のことだと読み替えられます。調査会社のIDC Japanも、国内企業のIT支出を調べる際に、支出元をIT部門か、事業/業務部門(Line of Business、以下LOB部門)かで分けています(ZDNET Japan「国内IT支出、LOBとIT部門の垣根は次第になくなる–IDC Japan調査」)。

LoBシステムとは|基幹業務アプリケーションの具体例とメリット

LoBシステムとは、事業部門が日々の業務を行ううえで中心となる、会計・在庫管理・受発注管理・サプライチェーン管理などの基幹業務アプリケーションの総称です。

LoBシステムに含まれるアプリケーションの例

BOXILの解説は、LoBシステムに該当するアプリケーションとして、次の4つを挙げています。

領域内容補足
企業会計企業の経営活動を、お金の面から計算し、報告する業務社内の関係者に報告する管理会計と、社外の関係者に報告する財務会計に大きく分かれる
在庫管理原材料・仕掛品・製品などの状況や数量を管理する業務在庫を抱えすぎるとコストが増え、不足するとサービスの水準が下がるため、バランスが必要
受発注管理受注・発注の流れを管理する業務受注は顧客との正式な取引の始まりで、販売管理の基本
サプライ・チェーン・マネジメント(SCM)仕入れから販売までの各工程をひとつの鎖として捉え、全体で最適化を図る取り組み供給過剰や在庫過剰を防ぐことにつながる

BOXILは、LoBシステムは、こうした多くの基幹業務アプリケーションをひとつのシステムに統合したものが一般的で、複数の従業員が共同で作業することが前提になっていると説明しています。

LoBシステムを導入するメリット

BOXILが挙げるメリットは、次の3つです。

  • 経営情報の可視化:システムがバラバラだと、担当者がそれぞれのシステムからデータを抜き出し、Excelで加工する手間が生じる。統合すれば、その工数を減らせる
  • 業務の効率化・標準化:手作業の工程を自動化でき、二重三重の入力も減る
  • データベースの効率的な管理:複数のシステムでも単一のデータベースで管理でき、データの収集や加工に時間をかけずに分析に移れる

ただし、これらは複数のシステムを統合した場合の利点です。導入すれば必ず得られるという意味ではなく、自社の業務に合うかは、資料や試用で確かめる必要があります。

ベンダーによって、LOBが指す範囲は違う

NHSの用語集は、SAPの文脈では、会計・在庫管理・受発注・サプライ・チェーン・マネジメントなどはERPに含まれるとしています。そのうえで、SAPでLOBとして示されるのは、人事管理、非正規雇用者管理、経費精算、支出管理のソリューションだと説明しています。同じ「LOB」でも、製品を提供する会社によって、含める範囲が違うことがわかります。

資料や見積もりにLOBと書かれていたら、どの業務を指すのかを最初に確認してください。

端末管理の「LOBアプリ」は、社内で作ったアプリのこと

端末の管理でも、LOBという言葉が出てきます。MicrosoftのIntuneのドキュメントでは、アプリの種類のひとつに「基幹業務(LOB)アプリ」があり、社内で、またはカスタムアプリとして作成されたアプリと説明されています。ストアのアプリや組み込みアプリとは別の種類として扱われ、インストールファイルを用意して配布する形です(Microsoft Learn「アプリをMicrosoft Intuneに追加する」)。

この意味のLOBアプリは、市販のパッケージではなく、自社の業務に合わせて作ったアプリのことです。ここでも、LOBは「自社の事業部門や業務に直結するもの」というニュアンスで使われています。

LOBとERPの違い|範囲の捉え方が解説によって逆になる

LOBとERPの違いは、どちらも概念的な言葉のため、はっきり分けにくく、ほぼ同じ意味で使われることもあります。コンピュータ用語としてのLoBシステムは、ERPを含む包括的な意味で使われることが多い、とBOXILは説明しています。

観点BOXILの説明NHSのSAP用語集の説明
ERPとはEnterprise Resource Planningの略。ヒト・モノ・カネといった資源を適切に配分し、有効に活用すること。ERPシステムは統合基幹業務システムと訳されるLOBとは別に、会計・在庫管理・受発注・サプライ・チェーン・マネジメントなどを含むものとして扱う
LOB(LoB)とは事業部門、または主要な基幹アプリケーション。LoBシステムは、ERPをも含む包括的な意味で使われることが多いERPに含まれないもの。人事管理、非正規雇用者管理、経費精算、支出管理のソリューションなどを指す
関係LoBがERPを含む(LoBのほうが広い)ERPが会計や在庫を含み、LOBはその周辺の領域を指す

つまり、LOBとERPの関係は、解説する側の立場によって逆になることがあります。BOXILは、LoBもERPも基幹業務を刷新して企業の戦略に生かすためのアプリケーションとして、語義の違いより中身が大切という立場で、記事の中ではLoBの代わりにERPを紹介しています。SAPの用語集は、ERPに含まれない領域をLOBと呼んで区別しています。

実務では、言葉の定義を争うより、資料に書かれた範囲を確認するほうが確実です。次の3点を、資料や提案書を読むときに確かめてください。

  1. そのLOBやERPに、会計・在庫・受発注など、どの業務が含まれているか
  2. 人事や経費精算のように、別のサービスとして切り分けられている業務があるか
  3. 事業部門が自分で設定を変えられるか、情報システム部門や提供会社に依頼する必要があるか

データベースのLOBとは|Large Object(ラージ・オブジェクト)

データベースのLOBとは、Large Object(ラージ・オブジェクト)の略で、画像・動画・長い文書など、大量のデータを保持するために設計されたデータ型の総称です。

Oracle Databaseの開発者ガイド(11gリリース2)は、ラージ・オブジェクト(LOB)を、大量のデータを保持するように設計されたデータ型のセットと説明しています。データベースの構成に応じて、最大で8から128テラバイトのデータを保持できるとされています(Oracle「ラージ・オブジェクトの概要」)。

LOBが向いているデータ

同じガイドは、データを、単純な構造化データ、複雑な構造化データ、半構造化データ、非構造化データの4種類に分け、LOBは最後の2つ、つまり半構造化データと非構造化データに適しているとしています。XML文書やワープロの文書は半構造化データ、写真は非構造化データの例です。従業員の名前や給与のように、表に整理できる構造化データとは、扱いが異なります。

LOBの種類

Oracleのガイドで説明されている、主なLOBのデータ型は次のとおりです。

データ型正式名主な用途
CLOBキャラクタ・ラージ・オブジェクト大量の文字データ。XML文書など半構造化データの格納に向く
NCLOB各国語キャラクタ・ラージ・オブジェクト各国語の文字データ。CLOBと同様に文字データの格納に向く
BLOBバイナリ・ラージ・オブジェクト写真・動画・音声など、大量の非構造化バイナリデータ
BFILEバイナリ・ファイル・オブジェクトデータベースの外にある、オペレーティング・システムのファイルを読み取り専用で扱う

ガイドは、LOBを、データベースの内部に格納される内部LOBと、BFILEのように外部のファイルを扱う外部LOBに分けて説明しています。

以前のLONGとの違い

Oracleのデータベースは、LONGとLOBの両方のデータ型をサポートしています。ただし、ガイドは、LOBのほうがメリットが多いため、可能な場合は、既存のアプリケーションをLONGからLOBに変更するよう案内しています。

なお、LOBの型の名前や上限は、データベース製品やバージョンによって異なります。上の内容は、Oracle Database 11gリリース2の開発者ガイドの説明です。自社で使う製品については、その製品の最新の公式資料で確認してください。

野球のLOBとは|Left On Base(残塁)と、投手のLOB%

野球のLOBとは、Left On Baseの略で、攻撃側の走者が塁に残ったまま、そのイニングが終わった数を表す記録で、日本語では残塁と呼ばれます。

MLB公式の用語集は、LOBを、個人の記録としても、チームの記録としても見られるものと説明しています(MLB.com Glossary「Left On Base (LOB)」)。

  • 打者個人の場合:その打者がアウトになったときに、塁に残っている走者の数。走者を返せなかった数を表す
  • チームや投手の場合:イニングの終了時に、塁に残っている走者の数

用語集は、LOBは試合ごとに見ると状況に左右されやすい記録だとしたうえで、強いチームは、塁に出た走者を返す方法を見つけるのがうまいと述べています。

投手のLOB%(残塁率)の計算式と目安

投手の指標としては、LOB%(Left on Base Percentage、残塁率)があります。FanGraphsのSabermetrics Libraryによると、LOB%は、シーズンを通じて、投手が塁に残した走者の割合を表します。試合の記録に載る残塁の数は使わず、投手の被安打(H)、与四球(BB)、与死球(HBP)、失点(R)、被本塁打(HR)から、次の式で計算します(FanGraphs Sabermetrics Library「LOB%」)。

LOB% = (H + BB + HBP – R) / (H + BB + HBP – 1.4 x HR)

たとえば、仮に、被安打150、与四球50、与死球5、失点70、被本塁打20の投手がいたとします(実在の投手の成績ではない、計算の練習用の数字です)。分子は150 + 50 + 5 – 70 = 135、分母は150 + 50 + 5 – 1.4 x 20 = 177なので、LOB%は135 / 177で約76.3%になります。

FanGraphsは、リーグ全体の平均は年によって異なるものの、おおむね70-72%とし、平均から大きく外れた投手は、翌年以降、平均に近づきやすいとしています。たとえば、LOB%が60%の投手は、走者を多く返してしまうため防御率が高くなりますが、今後は走者を残せるようになり、防御率が下がる可能性がある、という見方です。ただし、奪三振の多い投手は、LOB%を平均より高く保ちやすい傾向があるとも説明されています。

このように、野球のLOBには、チームや打者の記録としての残塁と、投手の指標としてのLOB%の2通りがあります。どちらの話題かは、チーム成績の記事か、投手の指標の記事かで見分けられます。

テニスなどのlob(ロブ)と、そのほかの使われ方

lob(ロブ)は、英語の動詞・名詞で、ボールを弧を描くように、高くゆるく投げる・打つこと、またはその球を指します。

Weblio英和辞書の説明では、動詞のlobは、ボールを弧を描くように投げる意味で、テニスでは、ボールをコートの隅に落ちるように高くゆるく送る、ロブする意味とされています。名詞のlobは、テニスの高くゆるい球です。クリケットでは、ボールを下手投げでゆるく投げる球を指します(Weblio英和辞書「lob」)。

LOBの読み方

略語のLOBは、アルファベットを1文字ずつ読み、エル・オー・ビーと読むことが多いです。ビジネスのLOB部門、データベースのLOB、野球のLOBは、いずれもこの読み方で通じます。単語のlobは、辞書の発音記号に沿って、ロブと読みます。

意味を確かめる順番

意味に迷ったら、まず、周りにある語を見ます。「部門」「システム」「アプリ」ならビジネス、「データ型」「CLOB」「BLOB」ならデータベース、「走者」「残塁」「投手」なら野球、「ショット」「コート」ならテニスです。この見分け方は、記事の冒頭の表にまとめたとおりです。なお、検索結果には、同じつづりの社名やSNSのアカウントも出てきますが、それらは固有名詞で、この記事の4つの意味とは別です。

事業部門(LOB部門)のIT支出と、現場主導の導入が広がる背景

IDC Japanの調査では、国内IT市場におけるLOB(事業部門)の支出は、2018年に全体の39.9%にあたる4兆8793億円と分析され、2016-2021年の年平均成長率は、LOB支出が4.0%、IT部門支出が1.5%と予測されました。

2018年の分析:LOBの支出は全体の約4割

TechTargetジャパンが伝えたIDC Japanの2018年5月7日の発表によると、2018年の国内IT市場の支出は、次のように分けられます(TechTargetジャパン「国内IT市場における事業部門支出は増加傾向、IDC Japanが予測」)。

支出元2018年の支出全体に占める割合年平均成長率(2016-2021年の予測)
LOB(事業部門)4兆8793億円39.9%4.0%
IT部門7兆3463億円60.1%1.5%

IDC Japanは、国内IT市場全体に占めるLOB支出は約4割で推移し、増加する傾向にあると予測していました。

2019年の調査:IT部門の支出が初めて減少

2019年7月4日のIDC Japanの発表(ZDNET Japanの記事)では、職務機能別の分析で、2018年の調査ではIT部門の支出が年平均0.5%の成長だったのに対し、今回の調査ではマイナス0.4%と、初めて減少に転じたと伝えられています。これを受けてIDCは、将来的にLOB部門とIT部門の垣根が、次第になくなっていく方向にあると考えているとされています(https://japan.zdnet.com/article/35139493/)。

同じ調査で、デジタル変革(DX)を進める上での課題を尋ねたところ、どの職能でも「スキル不足、リソース不足」が挙げられました。前年と同じ傾向で、LOB部門のスキル不足、リソース不足が、引き続きDX推進のハードルになっているとされています。

読み取れることと、注意すること

2つの発表から、事業部門が、IT部門に任せきりにせず、自分たちでITの導入や支出を決める場面が増えていく流れがあったことがわかります。同時に、事業部門には、選ぶためのスキルや時間が足りないという課題もあります。

なお、上の数字は2018年と2019年の発表で、現在の支出割合ではありません。最新の数字は、調査会社の資料で確認してください。

申請書の承認や、部署内・取引先との連絡のような標準的な業務は、一から作るより、既製のサービスの資料を比べて選ぶほうが、スキルや時間の負担を抑えやすい業務です。事業部門で承認の流れを整えたい場合は、次のコラボフローの資料が確認の材料になります。

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LOB部門が仕組みを選ぶときの確認点|情報システム部門との役割分担

LOB部門が仕組みを選ぶときは、対象が標準的な業務か、情報システム部門との役割分担、権限と承認の記録、データの置き場所と引き継ぎ、運用の担い手の5点を先に確かめます。

次の表は、この記事の整理による確認点の目安です。公的な基準ではないので、自社の状況に合わせて調整してください。

確認すること見るポイント目安
対象が標準的な業務か申請・承認、連絡、経費精算のように、他の会社にも共通する業務か共通する業務なら、既製のサービスの資料を確認する。自社固有の計算や業務なら、別の手段も検討する
情報システム部門との役割分担誰が選び、誰が設定し、誰がアカウントを管理するか導入前に、相談の窓口と利用ルール、権限の決め方を情報システム部門と共有する
権限と承認の記録誰が見られるか、誰がいつ承認したかを、あとから確かめられるか承認の記録が残る仕組みか、資料で確認する
データの置き場所と引き継ぎ担当者が替わっても使えるか。データを書き出せるか担当者個人のファイルに置かず、複数の人が使える場所に置く
運用の担い手設定の変更や、問い合わせへの対応を誰が行うか事業部門と情報システム部門で、担当を決める
費用と容量プランによる違いや、容量などの制限があるか料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認する。たとえば、コラボフローのクラウド版は1ユーザーにつき5GBの容量制限がある

承認の記録は、あとから確かめられる形にする

申請書をExcelで作り、メールに添付して回す運用は、最新版の取り違え、承認待ちの見落とし、承認の履歴が残らないことが起きやすい場面です。承認の経路と履歴をあとから確かめられる形にするには、ワークフローシステムに載せる方法があります。承認の記録の考え方は、稟議書とは?書き方・記載項目・DXとの関係・よくある失敗を解説も参考になります。

情報システム部門との役割分担を先に決める

事業部門が自分で仕組みを選ぶ場合も、情報システム部門に、そのサービスの存在と利用範囲を知らせておくことが大切です。IDC Japanは、LOB部門とIT部門の垣根が次第になくなる方向にあるとしており、IoTやAIなどの活用が、LOB部門主導、またはIT部門も関わる協働プロジェクトとして進んでいる例も挙げています。決めておきたいのは、相談の窓口、利用のルール、アカウントを追加・削除する担当の3つです。

事業部門が表計算ソフトやローコードのツールで仕組みを自作する場合の管理は、EUCとは?意味・EUDとの違い・メリット・リスクと管理を解説で詳しく解説しています。

相談の窓口は、個人宛のメールにしないで、複数の人が見られる場所にするだけでも効果があります。窓口が個人宛だと、相談の経緯が共有されず、同じ質問が繰り返されます。

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ここまでの確認点を、5つの質問にまとめました。当てはまる数で、今のやり方で足りているかの目安がわかります。

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当てはまるものを選んでください(登録不要)

当てはまる項目が少なければ、新しい仕組みを入れる必要はなく、確認点の表を、見直しのときに使えば十分です。当てはまる項目が多く、申請・承認と連絡の2つが気になる場合は、ワークフローシステムとビジネスチャットの資料を、役割の違いに注目して比べてください。

よくある質問(FAQ)

Q1. LOBとは何の略ですか?

A. LOBは、ビジネスではLine of Business(ライン・オブ・ビジネス)の略で、事業部門、またはその事業部門が使う基幹業務のアプリケーションを指します。ほかに、データベースのLarge Object(ラージ・オブジェクト)、野球のLeft On Base(残塁)の略としても使われます。テニスなどの単語lob(ロブ)は略語ではなく、英語の動詞・名詞です。

Q2. ビジネスにおけるLOBとはどういう意味ですか?

A. ビジネスのLOBは、企業の業務に直結するライン部門(事業部)を指す意味と、企業が業務を行ううえで主要な基幹アプリケーションを指す意味で使われます。ほかに、保険や医療のように、企業が提供する製品・サービスの業界を指す使い方もあります。「LOB部門」は事業部門のこと、「LoBシステム」は会計・在庫管理・受発注管理などの基幹業務システムのことです。

Q3. MLBや野球のLOBとは何ですか?

A. 野球のLOBは、Left On Base(残塁)の略で、攻撃側の走者が塁に残ったまま、イニングが終わった数を表す記録です。MLB公式の用語集は、打者個人については、その打者がアウトになったときに塁に残っている走者の数、チームや投手については、イニング終了時に塁に残っている走者の数としています。投手には、LOB%(残塁率)という指標もあります。

Q4. LOBとERPの違いは何ですか?

A. LOBもERPも概念的な言葉で、ほぼ同じ意味で使われることもあります。BOXILは、コンピュータ用語としてのLoBシステムは、ERPをも含む包括的な意味で使われることが多いと説明しています。一方、SAPの用語集は、会計や在庫管理などはERPに含め、LOBは人事管理や経費精算など、それ以外の領域を指すとしており、解説によって範囲が逆になることがあります。資料に書かれた範囲を確認するのが確実です。

Q5. データベースのLOBとは何ですか?

A. データベースのLOBは、Large Objectの略で、画像・動画・長い文書など、大量のデータを保持するために設計されたデータ型の総称です。Oracle Databaseの開発者ガイド(11gリリース2)では、CLOB、NCLOB、BLOB、BFILEなどが説明されており、データベースの構成に応じて8から128テラバイトのデータを保持できるとされています。型の名前や上限は、製品やバージョンによって異なります。

Q6. LOB部門とIT部門は何が違いますか?

A. LOB部門は事業部門や業務部門のことで、製品やサービスを作り、売るなど、事業に直結する仕事をします。IT部門(情報システム部門)は、社内のシステムの企画・運用や管理を担います。IDC Japanは、国内IT市場の支出を、LOB部門とIT部門に分けて調べ、2018年はLOB部門が39.9%、IT部門が60.1%と分析しました。また、将来はLOB部門とIT部門の垣根が次第になくなる方向にあると考えています。

まとめ|LOBの意味と、押さえておく5つのこと

LOBとは、ビジネスではLine of Businessの略で、事業部門、またはその事業部門が使う基幹業務のアプリケーションを指します。次の5つから、取り組みやすいものを選んで始めてください。

  1. 意味を見分ける:ビジネスはLine of Business、データベースはLarge Object、野球はLeft On Base(残塁)、テニスなどはlob(ロブ)。周りにある語で見分ける
  2. ビジネスのLOBを押さえる:事業部門と、その基幹業務アプリケーション(会計・在庫管理・受発注管理・SCM)の2つの意味がある
  3. ERPとの違いは範囲で確かめる:解説によって、LOBとERPのどちらが広いかが逆になる。資料に書かれた範囲を確認する
  4. 事業部門主導のITを知る:IDC Japanの調査で、LOB支出は2018年に全体の約4割。2018年と2019年の発表なので、最新の数字は確認する
  5. 仕組みを選ぶ前に確認する:標準的な業務か、情報システム部門との役割分担、承認の記録、引き継ぎ、運用の担い手を確かめたうえで、ワークフローシステムやビジネスチャットの資料を比べて検討する

参考文献

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