全体最適とは?部分最適との違い・メリット・進め方を解説

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  • 全体最適は会社全体の成果で判断する
  • 部分最適の改善が他部署の負担になる
  • 5つのステップで業務の流れから整える

全体最適とは、会社や組織の一部だけでなく、全体として最も良い成果が出る状態をめざす考え方です。部署や個人ごとの効率を上げる部分最適とは違い、ある部署の改善が別の部署の負担になっていないかまで見て、会社全体の成果で判断します。この記事では、全体最適の意味と部分最適との違い、具体例、メリットとデメリット、言い換えや関連用語、進め方の5つのステップ、部署の壁(サイロ化)への対処を整理します。あわせて、部署をまたぐ申請・承認と連絡を整える方法にも触れます。

部署をまたぐ仕事の手渡し、どこから整える?2問で目安がわかります

Q1. 部署をまたぐ仕事で、いま負担が大きいのはどちらに近いですか?

目次

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  1. 全体最適とは|意味と、部分最適との違い
  2. 全体最適の言い換えと関連用語|全体最適化・全社最適・個別最適
  3. 全体最適と部分最適の具体例|部署の効率が、会社全体の足を引く場面
  4. 全体最適のメリットとデメリット|得られること・負担になること
  5. 全体最適が向く場面・部分最適が向く場面|どちらで進めるかの判断
  6. 全体最適の進め方|5つのステップと残しておきたい記録
  7. 全体最適を妨げる部署の壁|サイロ化への対処と部署間の連絡
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ|全体最適の理解と進め方で押さえる5つのこと
  10. 参考文献

全体最適とは|意味と、部分最適との違い

全体最適とは、会社や組織の全体で成果が最も大きくなるように、部署・工程・人の動きをそろえて考えることです。

全体最適の意味

複数の解説が、全体最適を「組織全体が最適な状態にあること」と説明しています(マネーフォワード クラウドERP、クラウドサイン)。それぞれの部署が自分の目標だけを追わず、互いに補い合うことで、全体が部分の合計より大きな成果になる、という考え方です。英語ではTotal Optimizationと書かれます(ソフィア)。

ここで大切なのは、「全体」をどこまでとするかを先に決めることです。部署の中か、部署の間か、会社全体か、取引先や顧客まで含めるかで、見るべき数字も関係者も変わります。

全体最適がつまずきやすいのは、部署から部署へ仕事が渡る場所

全体最適が崩れやすいのは、仕事が部署から部署へ渡る場所です。申請書の様式が部署ごとに違う、承認が紙やメールで止まる、連絡が個人のメールや電話に散らばる、といった不整合が、会社全体の流れを遅くします。クラウドサインは、電子契約だけを入れて稟議や保管などの前後の業務を考えなかったため、かえって仕事が増えた例を挙げ、ワークフローシステムとの連携を紹介しています。ワークフローシステムやビジネスチャットは、全体最適そのものを実現する製品ではなく、この手渡しを整える選択肢です。2つの役割の違いを、先に表で確認します。

部署をまたぐ申請と連絡を整える2つのサービス|役割の違い

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

自社の状況:

この状況に合う一例:コラボフロー。承認経路を直感的な操作で設計でき、運用中にフォームレイアウトの追加・修正もできます。

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この状況に合う一例:Chatwork。チャットに加えて通話機能やタスク・ファイル管理などを使い、連絡と共有を1か所に集められます。

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サービス コラボフロー Chatwork
向いている会社 申請・稟議を、紙やExcelの申請書で部署ごとに回している会社。承認の経路や項目を、自分たちで調整しながら同じ流れにそろえたい会社 初めてビジネスチャットを導入する中小企業。部署間や社外との連絡・相談・資料共有を1か所にまとめたい会社
特徴 誰でも思い通りのワークフローを簡単に作成できる。シンプルで直感的な操作で承認経路を設計できる。運用中にフォームレイアウトの追加・修正ができる チャットだけでなく、通話機能やタスク・ファイル管理などの機能が充実している。無料で始められるフリープランがある。社内外でも使いやすいシンプルさ
注意したい点 クラウド版には、1ユーザーにつき5GBの容量制限がある より高いセキュリティとサポートの手厚さを求める場合は、エンタープライズの契約が必要
資料・詳細

2サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)

まとめて資料をダウンロード

表は横にスクロールできます。2サービスの内容は商品ページで確認した情報です(確認日2026年10月21日)。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

部署ごとにばらばらの申請と承認を、同じ流れにそろえる場合の一例が、株式会社コラボスタイルのコラボフローです。商品ページでは、誰でも思い通りのワークフローを簡単に作成できること、シンプルかつ直感的な操作で承認経路を設計できること、運用中にフォームレイアウトの追加・修正ができることが紹介されています。一方で、クラウド版には1ユーザーにつき5GBの容量制限があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

株式会社コラボスタイル

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簡単な操作とワークフロー向けで初心者におすすめ

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  • 誰でも思い通りのワークフローを簡単作成
  • シンプルかつ直感的な操作で承認経路を設計
  • 運用中にフォームレイアウトの追加・修正が可能
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  • コラボフローのクラウド版には、1ユーザーにつき5GBの容量制限がある

コラボフローの事例ページ(公開2024年11月28日)には、クラシエ株式会社の例があります。グループ各社が別々に定めていた稟議基準を一本化し、約200種類の承認ルールをマスター化したところ、決裁までの時間が導入前と比べて約半分に短縮されたと紹介されています。担当者は次のように述べています。

決裁スピードが加速したことで、意思決定もより速くできるようになりました。

出典:コラボフロー 導入事例 クラシエ株式会社

部署間や拠点間の連絡・相談・資料共有を1か所に集める場合の一例が、Chatwork株式会社のChatworkです。商品ページでは、無料で始められるフリープランがあること、チャットだけでなく通話機能やタスク・ファイル管理などの機能が充実していること、年齢や性別を問わず社内外でも使いやすいシンプルさが紹介されています。一方で、より高いセキュリティとサポートの手厚さを求める場合は、エンタープライズの契約が必要とされています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

Chatwork株式会社

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  • チャットだけでなく通話機能やタスク・ファイル管理などの機能が充実
  • 年齢性別問わず社内外でも使いやすいシンプルさが魅力
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  • より高いセキュリティとサポートの手厚さを求める方はエンタープライズの契約が必要

Chatworkの事例ページ(取材2022年6月)には、化粧品などの受託製造を行うフェイスラボ株式会社の例があります。研究開発と営業の連携から使い始め、製品ごとのグループチャットを作り、開発が進むと製造部や品質保証部も加わったと紹介されています。部署間の連携が進み、生産性の向上と品質の担保につながったとされています。研究開発部の担当者は、導入前の課題を次のように述べています。

営業担当からの連絡を両方の拠点にいる研究員と共有するのがとても大変でした。

出典:Chatwork 導入事例 フェイスラボ株式会社(取材2022年6月)

部分最適との違い

部分最適は、一部の部署や工程、個人の効率や成果を最大にしようとする考え方です。違いは、見ている範囲と、判断の物差しにあります。

比較項目部分最適全体最適
見ている範囲特定の部署・チーム・工程・個人会社全体、複数の部門にまたがる業務の流れ
判断の物差し(KPI)部門ごとに独立した目標(作業効率、件数など)部門をまたいで連動した全社の目標
主導する人現場の部門や個人が中心になりやすい経営層や管理職が方針を示して進めることが多い
得意なこと対象の部署の生産性を、短期間で上げやすい重複業務や部署間の手戻りを減らし、全体の成果を高める
起きやすい問題他の部署にしわ寄せが及び、会社全体の利益につながりにくい部署間で負担が偏り、時間と費用がかかる

表は、マネーフォワード クラウドERP、ソフィア、DAIKO XTECHの解説を参考に整理しました。部分最適は悪者ではありません。ZAC(オロ)は、部分最適が必ず全体最適を妨げるわけではなく、全体を意識したうえで行うことが前提だと説明しています。

全体最適の言い換えと関連用語|全体最適化・全社最適・個別最適

全体最適の言い換えには、「全体最適化」「全社最適」「トータルで最適化する」などがあり、反対の意味の言葉は部分最適です。

用語意味使われ方のめやす
全体最適化全体最適の状態をめざして、業務や仕組みを整える取り組み「全体最適化をERPで実現する」のように、取り組みや動作を指すときに使われる
全社最適最適化の範囲を会社全体に置いた言い方部署の中や部署間ではなく、会社全体を単位に考えると強調したいときに使われる
部分最適一部の部署・工程・個人の効率や成果を最大にすること全体最適の対になる言葉として使われる
個別最適部門ごとにルールやシステムが別々に最適化された状態DXの解説では、部門ごとにITツールを導入した結果としてよく取り上げられる(ソフィア)
Total Optimization全体最適の英語表記英語の資料や、用語集の併記で使われる

「全体最適」は、経営の言葉として使われることが多い一方で、IT分野では、部署ごとに別々のシステムを入れて、データが分断された状態を避ける文脈でも使われます。ソフィアは、DXで部門ごとにITツールを導入すると個別最適が起きやすく、全社でのデータ統合が必要になると解説しています。DXの全体像は、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?意味や必要性を解説で解説しています。

全体最適と部分最適の具体例|部署の効率が、会社全体の足を引く場面

部分最適の典型は、ある部署の効率を上げた結果、別の部署に仕事がたまり、会社全体の成果が変わらないか下がることです。

公開されている解説に出てくる例

場面部分最適で起きること全体で見ると出典
営業と製造営業が受注を増やす製造の処理能力を超え、顧客への対応が遅れるソフィア
物流トラックの積載率を上げる出荷が遅れ、納期に影響するDAIKO XTECH
制作と営業制作チームだけに高額なシステムを入れる営業が受注を伸ばせなければ、コストだけが増えるZAC(オロ)
顧客サポート問い合わせ対応の効率を上げる顧客満足度が下がれば、長期的な売上に響くDXマガジン
契約業務電子契約だけを導入する稟議や保管などの前後の業務を考えないと、かえって仕事が増えるクラウドサイン

地域づくりの解説でも、駅前の再開発のような集中投資そのものは問題ではなく、地域全体のストーリーの中に位置付けられているかが判断の基準だと述べられています(PRESIDENT Online)。表の例は、いずれも各社の解説が挙げた説明用の例です。共通しているのは、改善した部署の数字は良くなるのに、仕事の流れの前後を見ていない点です。DAIKO XTECHは、部署ごとの目標の達成を優先すると全体の納期や品質が損なわれやすいと述べています。

計算例で確かめる|どの工程を速くすれば、全体の件数が増えるか

部分最適で効果が出ない理由は、簡単な計算で確かめられます。次の表は、考え方を確かめるための説明用の仮の数字です。実在の会社の数字ではありません。見積の作成、承認、発注処理の3つの工程が順番につながっていて、1日に処理できる件数がそれぞれ決まっている場合を考えます。

工程1日の処理能力(現状)部分最適: 見積作成だけを2倍にする全体最適: いちばん遅い承認を増やす
見積作成20件40件20件
承認8件8件15件(ルートの見直しなどで)
発注処理15件15件15件
会社全体で1日に処理できる件数8件(最も遅い承認で決まる)8件のまま。承認待ちが1日に32件ずつたまる15件(次は発注処理が制約になる)

見積作成の能力を2倍にしても、全体で処理できる件数は1件も増えず、承認待ちがたまるだけです。全体の件数を決めているのは、最も処理が遅い工程だからです。このように、全体の成果を決めている工程に注目して改善する考え方は、制約理論(TOC)と呼ばれています。実際の会社では、工程の能力は日によって変わります。まず業務の流れを書き出し、どこで仕事が止まっているかを確かめることが出発点です。

全体最適のメリットとデメリット|得られること・負担になること

全体最適のメリットは、重複業務の削減、部署間のミスの減少、意思決定の迅速化で、デメリットは、部署間の対立と、時間・費用の負担です。

メリット

デメリットと注意点

  • 部署間の対立:費用負担の増加や人員配置の偏りが、不満を生む可能性がある(マネーフォワード クラウドERP)。部署によって負担が異なる点はDAIKO XTECHも挙げている
  • 時間と費用がかかる:全社的なルール変更、説明会、ITツールの導入などが必要になる(マネーフォワード クラウドERP)
  • 現場の実態を無視すると逆効果:設備や人のスキルに合わない変更は、かえって工程の遅れを招くことがある(DAIKO XTECH)
  • 終わりのない取り組み:完成された全体最適は存在せず、必ずしも効率化につながるとは限らない(ソフィア)

ソフィアは、全体最適では得をする人と損をする人が生まれやすいと指摘し、受注量を現場の能力に合わせて制限すると営業が不満を抱く例を挙げています。対策としてマネーフォワード クラウドERPは、経営層が方向性と理由を示し、メリットを社員に説明することを挙げています。デメリットは、始める前に想定して、説明の材料にしておくのが現実的です。

全体最適が向く場面・部分最適が向く場面|どちらで進めるかの判断

課題が複数の部署にまたがるときは全体最適、課題が1つの部署や工程に収まるときは部分最適から進めるのが現実的です。

マネーフォワード クラウドERPは、全社のコスト削減目標を掲げる場合は、ある部署だけが目標を達成しても他の部署の残業が多ければ全体の達成が難しいため全体最適が求められ、特定の箇所だけに課題がある場合は部分最適が有効だと説明しています。DAIKO XTECHは、部分最適は現場主導で即効性があり、全体最適は経営層や管理職が主導する中長期の仕組みづくりだとして、両者は対立させずに組み合わせるとしています。

進め方を決める5つの質問

  1. その課題は、1つの部署の中で完結していますか?(完結しているなら、部分最適で進めて構いません)
  2. その改善で、前後の工程や他の部署の仕事は増えませんか?(増えるなら、先に関係部署と話します)
  3. 改善の効果を、部署の数字ではなく、会社全体の数字で測れますか?
  4. 全体の流れのうち、仕事が止まっている場所はわかっていますか?
  5. やめる仕事、増える仕事、負担が偏る部署を、事前に説明できますか?

質問1で「はい」なら部分最適から始め、質問2から5のどれかで「いいえ」があれば、全体最適の視点で進め方を見直します。質問の答えを書き出すだけでも、関係部署と話すべき点が見えてきます。続けて、部署をまたぐ手渡しの現状を、セルフチェックで確かめてください。

部分最適で止まっていないか?部署をまたぐ手渡しのセルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

全体最適の進め方|5つのステップと残しておきたい記録

全体最適は、方針の明確化、業務の見える化、KPIの連動、ツールと運用ルールの整備、部署間の接点づくりの順に進めます。

次の表は、DAIKO XTECHが挙げた5つのステップに、クラウドサインが勧める業務フロー図づくりを加えて、各段階で残しておきたい記録を並べた例です。公的な様式ではなく、自社の事情に合わせて調整してください。

ステップやること残しておきたい記録
1. 方針の明確化経営層が目的とゴールを言葉にして、全社に共有する。「全体」をどこまでとするかも決める目的、対象の範囲、判断の物差しにする全社の数字
2. 現場ヒアリングと見える化誰が、いつ、何をしているかを業務フロー図にする。二度手間の箇所と、部署間の摩擦が起きる理由を聞く業務フロー図(A4用紙1枚ほどの大まかなもので足りる)、困りごとの一覧
3. KPIの設計と共有部署ごとの目標を全社の目標とつなげ、現場まで共有する部署ごとのKPIと、全社目標との対応表
4. ツールと運用ルールの整備データを共有できるITツールを選び、誰がいつどう使うかのルールを決めるツールの利用ルール、承認者と連絡先の一覧
5. 連携と教育の仕組み化定例会議、ジョブローテーション、研修などで、部署間の接点と学びの機会を作る定例会議の議事録、改善の履歴、次に見直す時期

クラウドサインは、業務フロー図は完璧でなくてよく、A4用紙1枚に収まる程度に大まかに書くことを勧めています。また、マーケティング、営業、開発、サポートのメンバーが協業する「顧客体験向上プロジェクト」のような部門横断のプロジェクトを組む方法や、全体最適をマラソンのような長期的な取り組みと捉える心構えも紹介しています。評価制度に他の部署への貢献を含めて、競争から共創へ変える点も挙げられています。

ステップ4で気をつけること|ツールを入れる前に流れを整える

ステップ4でツールを入れる前に、流れそのものを見直します。非効率な業務の流れをそのままシステムに載せても、効果は限られます。不要な承認や二重入力を先に取り除く考え方は、費用対効果とは|ROIの算定式とDX投資の評価方法、業種別の測り方を解説でも取り上げています。承認の書類そのものを整える場合は、稟議書とは?書き方・記載項目・記載例と電子化の進め方を解説が参考になります。

全体最適を考える対象の例

全体最適の考え方は、業務の流れだけでなく、資源の配分にも使えます。会社全体の視点で事業の組み合わせを考える方法は事業ポートフォリオとは?作成手順やメリット、最適化のポイント解説、製造の計画を全体の制約から見直す方法は生産計画とは?種類や立て方、最適化するためのポイントを解説で解説しています。

コラボフロー

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全体最適を妨げる部署の壁|サイロ化への対処と部署間の連絡

全体最適を妨げる最大の壁は、部署ごとに情報と判断が閉じてしまうサイロ化で、周知、対話の場、評価の見直し、ツールの4つで対処します。

ソフィアは、分業が進むほどサイロ化が進むこと、リモートワークの普及で対面前提の情報共有が揺らぎ、ナレッジが部署ごとに分散することを、全体最適が求められる背景として挙げています。

サイロ化への4つの対処

ビジネスチャットを部署間の連絡に使うときは、ツールを入れる前に、何をチャットで連絡し、何を別の方法で残すかを決めておきます。連絡がチャットに集まるほど、重要な連絡が流れてしまうことがあるためです。部署や案件ごとにグループを分ける、決定事項は決まった場所に残すといったルールを、先に文書にしておくと定着しやすくなります。社外秘の情報や個人情報を載せてよいかも、自社の規程とサービスの仕様を確認して決めます。

部署間の連絡を1か所にまとめたい場合は、Chatworkのようなビジネスチャットとワークフローシステムのコラボフローのどちらが、ステップ4で整えたい課題に合うかを、資料で確かめてください。連絡の滞りが課題ならチャット、申請と承認の停滞が課題ならワークフローが入口になります。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 全体最適とはどういう意味ですか?

A. 会社や組織の全体で成果が最も大きくなるように、部署・工程・人の動きをそろえて考えることです。英語ではTotal Optimizationと書かれ、一部の部署の効率だけを優先する部分最適の対になる言葉として使われます。

Q2. 全体最適の言い換えは?

A. 「全体最適化」「全社最適」「トータルで最適化する」などがあります。反対の意味の言葉は部分最適です。IT分野では、部署ごとにルールやシステムが別々に最適化された状態を個別最適と呼ぶこともあります。

Q3. 全体最適のデメリットは?

A. 部署によって負担が偏り、対立が起きる可能性があることと、全社的なルール変更やITツールの導入に時間と費用がかかることです。現場の実態に合わない変更は、かえって工程の遅れを招くことがあります。経営層が方向性と理由を説明し、負担が増える部署の事情を事前に聞いておくことが対策になります。

Q4. ビジネスにおける全体最適とは?

A. 経営層が会社全体の目標を示し、部署ごとのKPIや業務の流れをその目標につなげる取り組みです。たとえば、営業の受注を増やすだけでなく、製造の処理能力や納期まで含めて判断します。

Q5. 全体最適と部分最適は何が違うのですか?

A. 見ている範囲と判断の物差しが違います。部分最適は一部の部署や工程の効率を最大にし、全体最適は部署をまたいだ会社全体の成果で判断します。部分最適は短期間で効果を出しやすい一方、他の部署にしわ寄せが及ぶことがあります。両者は対立させず、課題の範囲に応じて使い分けます。

Q6. 中小企業が全体最適を始めるには、何から手をつければよいですか?

A. まず、誰が、いつ、何をしているかを、A4用紙1枚ほどの大まかな業務フロー図に書き出し、二度手間や仕事が止まる箇所を見つけます。そのうえで、部署をまたぐ小さなテーマを1つ選んで、関係する部署で改善を試します。

まとめ|全体最適の理解と進め方で押さえる5つのこと

全体最適とは、会社や組織の全体で最も良い成果が出るように、部署・工程・人の動きをそろえて考えることです。次の5つを押さえて、自社の進め方を決めてください。

  1. 意味を押さえる:全体最適は全体の成果で判断する考え方。部分最適は一部の部署や工程の効率を優先する
  2. 違いと使い分けを知る:課題が複数の部署にまたがるなら全体最適、1つの部署に収まるなら部分最適から。部分最適は悪者ではない
  3. メリットとデメリットを想定する:重複業務の削減とミスの減少が得られる一方、部署間の対立と時間・費用の負担が出る
  4. 5つのステップで進める:方針、見える化、KPI、ツールと運用ルール、接点づくりの順。業務フロー図はA4用紙1枚ほどで足りる
  5. 部署をまたぐ手渡しを整える:申請・承認と連絡を、記録が残る形にそろえ、ワークフローシステムやビジネスチャットの資料も確認する

参考文献

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