DX戦略とは?盛り込む5つの柱と立て方、IT戦略との違いを解説

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  • DX戦略の意味とIT戦略との違いがわかる
  • 盛り込む5つの柱と立て方の手順がわかる
  • 成果指標と中小企業の進め方がわかる

DX戦略とは、データとデジタル技術を活用して経営ビジョンを実現するための方策を、経営として決めた計画のことです。経済産業省のデジタルガバナンス・コード3.0は、DX戦略を経営ビジョンの実現に向けた戦略そのものと位置づけており、IT部門のシステム導入計画とは別のものとして扱っています。この記事では、DX戦略とIT戦略・経営戦略の違い、戦略に盛り込む5つの柱、立て方の5ステップ、成果指標(KPI)の決め方、公表されている企業の例、中小企業が戦略を持つときの考え方を、経済産業省とIPAの公開資料で確認した範囲でまとめます。

DX戦略の実行で詰まりそうなのはどこ?2問で、見直す仕組みの候補を確認

Q1. 戦略を実行するとき、先に詰まりそうなのはどちらですか?

目次

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  1. DX戦略とは?経営ビジョンを実現するための方策
  2. DX戦略を実行に移す足元の仕組み:承認とデータの見直し
  3. DX戦略に盛り込む5つの柱と、決めておく項目
  4. DX戦略の立て方:5つのステップ
  5. 戦略立案に使えるフレームワークと自己診断
  6. 成果指標(KPI)の決め方と、数字を集める仕組み
  7. ITシステムは全社最適で:個別最適と技術的負債を避ける
  8. 公表されているDX戦略の例:大企業と中小企業から
  9. 中小企業のDX戦略:小さく始め、一枚にまとめる
  10. DX戦略がうまくいかない原因と対策
  11. よくある質問(FAQ)
  12. まとめ|DX戦略で押さえたい6つのこと
  13. 参考文献

DX戦略とは?経営ビジョンを実現するための方策

DX戦略とは、データとデジタル技術を使って経営ビジョンを実現するための方策を定めた、企業全体の計画です。

経済産業省のデジタルガバナンス・コード3.0(2020年11月策定、2024年9月19日改訂)は、DXを、データとデジタル技術で製品・サービス・ビジネスモデルを変え、業務や組織、企業文化まで変えて競争上の優位性を確立することと定義しています。そのうえで、DX戦略は人材戦略と同じく、経営ビジョンの実現に向けた戦略そのものとして捉えるよう求めています。また、DX推進はIT部門ではなく、経営陣や取締役会の役割であり、DXに投じる資金はコストではなく投資と考えるよう示しています。出典:デジタルガバナンス・コード3.0。

比べるもの何を決めるか主な担い手
経営戦略・経営ビジョンどんな会社を目指し、どう稼ぐか経営者・取締役会
DX戦略ビジョンの実現に向けて、データとデジタル技術をどう使い、組織・人材・ITシステムをどう整えるか経営陣が主導し、IT部門・DX部門・事業部門・経営企画部門が横断で関わる
IT戦略(一般的な使い方)業務システムの導入・更新・運用の計画。効率化や省力化が中心になりやすい主にIT部門
個別のデジタル化施策特定の業務にツールを入れる、紙をなくすなどの取り組み各部門

IT戦略という言葉の使い方は組織によって異なるため、上の表は整理のための目安です。

DX戦略を実行に移す足元の仕組み:承認とデータの見直し

DX戦略の実行で最初に手を付けやすいのは、施策や予算を決める承認の流れと、成果を測るためのデータの集め方です。ここが紙やExcelの個別運用のままだと、戦略を決めても動き出しが遅くなります。

IPAの「DX動向2025」によると、日本は個別業務の最適化に取り組む割合が高く、米国・ドイツは全社的な最適化に取り組む割合が高い傾向にあります。承認はワークフローシステム、案件や部署をまたぐ数字は基幹業務のデータをまとめるERPが候補になります。役割の違いを次の表で比べます。出典:IPA「DX動向2025」プレス発表。

DX戦略の実行を支える3サービスの役割

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向いている会社 紙やExcelで申請・承認を回している会社 案件ごとに原価を管理するIT・広告・コンサルなどの会社 プロジェクト型企業・広告業で収支を一元管理したい会社
特徴 申請フォームをExcelから作成し、承認経路をパーツで設計 販売・購買・工数・経費・工程の管理を一元化 プロジェクト単位の見積・アサイン・予実・請求を一元管理
注意したい点 クラウド版は1ユーザーにつき5GBの容量制限がある 詳しい料金やプランの確認には問い合わせが必要 導入形式によって一部使えない機能がある
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表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

DX施策の承認が紙やExcelのままで滞っている場合の一例が、株式会社コラボスタイルが提供するワークフローシステム「コラボフロー」です。商品ページによると、Excelで作成した帳票や申請書を見た目そのままWebフォームに変換でき、パーツを並べて承認経路を設計できます。入力内容に応じて承認の経路を自動で分岐させる機能や、設定期間を過ぎた申請書に判定者へリマインドメールを送る機能もあります。注意点として、クラウド版には1ユーザーにつき5GBの容量制限があり、データ容量は追加できますが、価格は問い合わせが必要です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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Excelで作成した申請書を取り込む機能は、非常に便利です。

クラシエ株式会社の導入事例より(コラボフローの導入事例)

同じ事例ページには、決裁にかかる時間が導入前と比較して約半分に短縮されたと書かれています。ベンダーが公開している事例であり、効果は会社の運用によって異なります。

DX戦略に盛り込む5つの柱と、決めておく項目

DX戦略に盛り込む項目は、デジタルガバナンス・コード3.0の5つの柱に沿って整理できます。コードは、経営ビジョンとDX戦略の連動、現状と目指す姿のギャップの定量把握と見直し、企業文化への定着の3つの視点を示し、そのもとに5つの柱を置いています。柱ごとの基本的事項は、情報処理促進法に基づく「DX認定制度」の基準にもなっています。

柱戦略で決めることコードが示す主な要点
1. 経営ビジョン・ビジネスモデルどんな変化を受け、どんなビジネスモデルを目指すか社会や競争環境の変化がもたらすリスクと機会を踏まえて策定し、方向性を公表する
2. DX戦略ビジネスモデルを実現する方策既存ビジネスの変革と新規ビジネスの創出の取組を明示し、戦略を公表する
3-1. 組織づくり推進体制、役割と権限、予算DXを推進する組織を位置づけ、DX予算を他のIT予算と別に管理することが望ましい方向性として挙げられている
3-2. デジタル人材必要なスキルと育成・確保の方法デジタルスキル標準を参照して必要なスキルを明確にし、社員のスキルを可視化する
3-3. ITシステム・サイバーセキュリティITシステムの整備方針と、セキュリティ対策技術的負債を生まない体制をつくり、全社最適でデータの整合性を確保する
4. 成果指標・見直し何で達成度を測り、いつ見直すか指標を定めて自己評価し、DX推進指標などで自己診断する
5. ステークホルダーとの対話誰に、何を発信するか経営者が自分の言葉でビジョンとDX戦略を発信する

IT戦略との違いの核心は、デジタルの使い道です。コードは、デジタルの力を、効率化・省力化を目指したITによる既存ビジネスの改善にとどまらず、新たな収益につながる付加価値の向上や新規デジタルビジネスの創出に振り向けることが重要だとしています。

すべての項目を最初から完成させる必要はありません。ただし、ビジョン、重点施策、体制、指標の4つは、戦略に書かれていないと実行の優先順位がつけられません。残りの柱は、実行しながら具体化していく形でも進められます。

DX戦略の立て方:5つのステップ

DX戦略は、ビジョンの言語化、現状と目標のギャップの測定、重点領域の絞り込み、体制・人材・ITの整備、実行と見直しの5ステップで立てます。コードが示す3つの視点に沿って、数字で測れる形にしていくのが要点です。

  1. 経営ビジョンと課題を言葉にする:どんな会社になりたいか、そのために解くべきデジタル面の課題は何かを、経営陣が主導して書き出します。業務の不便さではなく、事業の目標から出発します
  2. 現状と目指す姿のギャップを測る:課題ごとに、いまの姿(As is)と目指す姿(To be)の差を、KPIなどの数字で把握します。経済産業省のDX推進指標による自己診断も使えます
  3. 重点領域と施策を絞る:既存ビジネスの変革(顧客対応・既存の製品やサービス・業務の見直し)と、新規ビジネスの創出に分け、すぐ着手する施策と後回しにする施策を決めます
  4. 体制・人材・IT・予算を決める:推進の責任者と役割、必要なデジタルスキルと育成・確保の方法、ITシステムの整備方針、DX予算を定めます。外部のアドバイザーやパートナーの活用も、コードの望ましい方向性として示されています
  5. 実行し、指標で見直して発信する:決めた指標で進み具合を確かめ、戦略を定期的に見直します。結果は経営者の言葉で社内外に発信します

期間を区切った工程表(ロードマップ)の作り方や失敗例は、DX化の進め方|6ステップとロードマップの作り方、よくある失敗5つで、取り組みの段階(3段階・4段階)の違いは、DXのステップとは?3段階・4段階の違いと進め方、役割分担を解説で整理しています。

DX戦略を動かす足元の仕組みは足りている?セルフチェック

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戦略立案に使えるフレームワークと自己診断

戦略立案のフレームワークは、現状の整理と選択肢の洗い出しを助ける道具です。DX戦略では、外部環境と自社の強みを整理する分析と、成長の方向を考える枠組みを組み合わせて使います。

フレームワークDX戦略での使いどころポイント
SWOT分析自社の強み・弱みと、外部の機会・脅威を整理し、ビジョンの前提にするデジタル技術やデータの活用状況を、強み・弱みの項目に入れる
3C・PEST分析顧客・競合・自社、政治・経済・社会・技術の外部環境から、変化を読む規制や技術の変化を、リスクと機会の両方で書き出す
アンゾフの成長マトリクス既存の市場と製品、新しい市場と製品の組み合わせで、変革の方向を考える既存ビジネスの変革と新規ビジネスの創出を分けて考える材料になる
ビジネスモデルキャンバス顧客・提供価値・収益の流れを1枚に書き、変えたい部分を見つける変更する箇所と、必要なデータを対応づける
デザイン思考顧客の課題から出発して、解決策を試作しながら絞る社内向けの業務改善にも、顧客向けの新サービスにも使える
DX推進指標(経済産業省)経営とITシステムの状況を、自社で診断するコードに沿った診断で、成果指標の見直しにも使える

フレームワークは、使うこと自体が目的ではありません。最初は、SWOTでビジョンの前提を整理し、DX推進指標で現在地を確かめる2つだけでも、戦略に書く内容の具体性は変わります。

成果指標(KPI)の決め方と、数字を集める仕組み

DX戦略の成果指標は、企業価値に関わる指標、DX戦略の効果を測る指標、計画の進み具合を測る指標の3種類で考えます。コードは、これらのいずれかを公表することを求め、定量指標のほか、達成したか判断できる定性指標も認めています。

IPAの「DX動向2025」によると、成果指標(KPI)を設定している割合は、日本が3割以下、米国・ドイツはともに8割以上でした。DXの成果が出ているとした割合も、米国・ドイツが8割超、日本は6割弱で、日本は成果として、コスト削減などの内向きのものが多いとされています。指標を決めていない戦略は、効果の確認も見直しもできません。

戦略の狙い指標の例(自社で定義して使う)集めるデータ
意思決定を速くする施策や予算の承認にかかる日数申請日と決裁日
案件の収益性を上げる案件別の利益率、赤字案件の件数案件ごとの工数・原価・売上
現場の負担を減らす定型作業の所要時間、転記・再入力の回数作業時間の記録
人材を育てる必要スキルを満たす社員の割合スキルの可視化データ

表の指標は考え方を示す例で、公的に定められたものではありません。指標を決めたら、どこからデータを取るかも同時に決めます。元データが複数のExcelに分かれていると、集計の手間で見直しの頻度が下がります。

案件ごとの工数と原価を指標の元データとして集めたい場合の一例が、株式会社オロが提供するクラウドERP「ZAC」です。商品ページによると、案件ごとに作業時間を入力すると「どのプロジェクトに」「誰が」「何時間」関わったかが分かり、プロジェクト別の個別原価計算に使えます。販売管理・購買管理・工数管理・経費管理・工程管理の機能があり、経費は申請・承認・精算・支払のフローを整え、どの案件の経費かを紐づけて管理できます。注意点として、詳しい料金やプランの確認には問い合わせが必要です。案件を持たない会社の指標には、ここまでの仕組みは要らない場合があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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労務時間データと、それを金額換算するために必要な会計データがバラバラに管理されているため、集計作業が非常に大変でした。

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ITシステムは全社最適で:個別最適と技術的負債を避ける

DX戦略のITシステムの方針は、全社最適でデータの整合性を確保し、技術的負債を生まないことです。部署ごとにツールを入れる個別最適が重なると、データがつながらず、戦略の進み具合も見えにくくなります。

デジタルガバナンス・コード3.0は、望ましい方向性として、ITシステムとデータの現状を定期的に分析・評価し、技術的負債(レガシーシステム)が発生しない体制を整えること、事業部単位の個別最適で複雑化・ブラックボックス化しない仕組みを持つことを挙げています。IPAの「DX動向2025」で日本の企業に個別業務の最適化が多いとされていることとも、重なる課題です。

プロジェクト単位の収支を全社で一元管理したい場合の一例が、株式会社ビーブレイクシステムズが提供するクラウドERP「MA-EYES」です。商品ページによると、プロジェクト型企業向けと広告業向けの2種類があり、プロジェクト型では見積や人員のアサイン、予実管理、検収、請求書の発行までを一元的に行えます。作業実績と勤怠を同時に入力でき、当日の総作業時間を自動で算出して各プロジェクトに割り当てられます。導入形式は「SaaS」「SaaS+」「一括」の3種類から選べます。注意点として、導入形式によって一部使えない機能があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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公表されているDX戦略の例:大企業と中小企業から

公表されているDX戦略の例では、経営トップが推進体制の責任者を務め、段階や指標を決めて進めている点が共通しています。ここでは、各社と経済産業省が公開している資料に書かれている範囲で紹介します。

企業戦略・体制の特徴出典
味の素グループ(食品・大企業)DXを4つのステージ(全社オペレーション変革、エコシステム変革、事業モデル変革、社会変革)に分けて進めている。CDOをリーダーとするDX推進委員会を経営会議の下部機構として置き、事業本部とコーポレート本部の縦の実行ラインに横軸を通して推進している味の素グループ「DXで味の素社はどう変わる?」
プーラビダ株式会社(訪問看護・従業員26名)高い離職率(83.3%)の改善を目的にビジョンを策定し、全員参加型のDX推進体制を構築。生成AIを使った内製プラットフォームで報告書の作成時間を1時間から5分に短縮し、離職率は7.7%に改善したと、経済産業省のレポートにまとめられている経済産業省「DXセレクション2026」選定企業レポート
三行合成樹脂株式会社(製造業・従業員113名)社長が最高責任者を務めるDX推進委員会を発足し、各部門から若手を中心に人材を招集。全社の業務システムを一元化し、属人化した工程を分析して業務を見直した経済産業省「DXセレクション2026」選定企業レポート

味の素グループのページによると、同社は経済産業省などが選定する「DX銘柄2025」に選ばれています。プーラビダと三行合成樹脂は、デジタルガバナンス・コードに沿った取組で成果を出した中堅・中小企業等として、DXセレクション2026に選ばれた11者に含まれます。数字は各社の発表に基づくもので、ほかの会社に同じ結果が出るとは限りません。事例から学ぶのは数字そのものではなく、ビジョンと指標を決め、経営者が推進体制の中心に立つという進め方です。

中小企業のDX戦略:小さく始め、一枚にまとめる

中小企業のDX戦略は、経営ビジョンと重点課題、指標、担当者、見直しの時期を一枚にまとめるところから始められます。デジタルガバナンス・コード3.0は、上場・非上場、大企業・中小企業、法人・個人事業主を問わず広く一般の事業者を対象としています。

経済産業省は、大企業の事例が多いDX銘柄を中堅・中小企業等が参考にしにくい場合があるとして、「DXの進め方」と「DXの成功のポイント」をまとめた「中堅・中小企業等向けDX推進の手引き」を公開しています。出典:経済産業省「中堅・中小企業等向けDX推進の手引き」。また、IPAの「DX動向2025」では、日本企業のDX推進人材が不足している(「やや不足」と「大幅に不足」の合計)割合は8割を超えており、外部のパートナーを活用する前提で体制を考える必要があります。

  • 経営ビジョンを1文で書く(例:3年後に、どんな会社になっていたいか)
  • 解くべきデジタル面の課題を3つまでに絞る
  • 課題ごとに、測れる指標を1つ決める
  • 責任者、使える予算、外部に頼る範囲を決める
  • 見直す時期を先に決めておく(例:半年ごと)

上の5項目は、コードの柱(ビジョン、戦略、組織・人材、指標、見直し)を、小さな会社でも作れる形に落とした目安です。最初から全社に広げず、一つの部門で試して、うまくいった手順を広げるほうが進めやすくなります。

DX戦略がうまくいかない原因と対策

DX戦略がうまくいかない主な原因は、IT部門任せ、効率化だけの目標、成果指標がないこと、人材不足の4つです。コードとIPAの調査から、対策もあわせて整理します。

よくある原因根拠となる公開資料対策
IT部門任せで、経営陣が関わらないコードは、DX推進を経営陣や取締役会の役割としている経営者が推進体制の責任者になり、経営会議で定期的に報告する
効率化・コスト削減だけが目標IPAは、日本の成果はコスト削減などの内向きのものが多いとしている効率化の指標に加えて、顧客価値や売上の指標も置く
成果指標がないIPAは、KPIの設定が日本は3割以下としている施策ごとに指標と元データの取得方法を決める
人材が足りないIPAは、推進人材が不足している割合が日本は8割超としている必要なスキルを明確にし、育成と外部活用を組み合わせる
システムが部署ごとにばらばらコードは、個別最適による複雑化・ブラックボックス化を避ける仕組みを挙げているデータの整合性を確保できる全社の方針を先に決める

戦略を決めたあとに、実行の承認が滞ることも、現場でよく起きる問題です。DX施策の予算や方針を稟議で決裁している会社は、承認の流れを電子化すると、決裁の遅れと履歴の確認が楽になります。稟議の書き方と電子化の進め方は、稟議書とは?書き方・記載項目・記載例と電子化の進め方を解説で整理しています。投資の資金に補助金を使う場合は、DX補助金と自治体|企業が使える制度と自治体向け交付金の違いも参考になります。

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よくある質問(FAQ)

Q1. DX戦略とは何ですか?

A. データとデジタル技術を活用して経営ビジョンを実現するための方策を定めた、企業全体の計画です。経済産業省のデジタルガバナンス・コード3.0は、DX戦略を経営ビジョンの実現に向けた戦略そのものと位置づけ、IT部門ではなく経営陣が主導するものとしています。

Q2. DX推進戦略とは何ですか?

A. 一般には、DX戦略を実行に移すための推進方針や計画を指して使われます。公的資料で別の定義が示されているわけではなく、デジタルガバナンス・コード3.0では「DX戦略の推進」が柱の一つで、組織づくり、デジタル人材の育成・確保、ITシステム・サイバーセキュリティが含まれます。

Q3. DXとは具体的に何ですか?

A. 経済産業省は、データとデジタル技術を活用して、製品・サービス・ビジネスモデルを変えるとともに、業務や組織、企業文化まで変え、競争上の優位性を確立することと定義しています。紙をデジタルにするだけでなく、事業や組織の変革までを含みます。

Q4. DXはなぜDTではないのですか?

A. 英語の「transformation」の接頭辞「trans」を「X」と略す表記の慣習による、と民間の解説では説明されます。ただし、経済産業省・IPA・総務省の資料には、略し方の由来を説明した記述は確認できないため、断定はできません。公的資料はいずれも「DX」と表記しています。

Q5. DX戦略とIT戦略の違いは何ですか?

A. DX戦略は経営ビジョンの実現に向けて、組織・人材・ITを含めて事業や業務の変革を描くもので、経営陣が主導します。IT戦略は一般にシステムの導入・運用の計画を指し、使い方は組織によって異なります。コードは、ITによる効率化・省力化にとどまらず、付加価値の向上や新規ビジネスの創出に振り向けることを求めています。

Q6. 中小企業でもDX戦略は必要ですか?何から始めればよいですか?

A. デジタルガバナンス・コード3.0は、企業規模を問わず広く一般の事業者を対象にしています。まず経営ビジョンを1文で書き、解くべき課題を3つまでに絞って、課題ごとに測れる指標を決めるところから始められます。一つの部門で試し、うまくいった手順を広げます。

まとめ|DX戦略で押さえたい6つのこと

  1. DX戦略は、データとデジタル技術で経営ビジョンを実現するための方策で、IT部門の導入計画とは別のもの
  2. 経営ビジョン、DX戦略、組織・人材・IT、成果指標、ステークホルダーとの対話の5つの柱で、盛り込む項目を整理する
  3. 立て方は、ビジョンの言語化、ギャップの測定、重点領域の絞り込み、体制・人材・ITの整備、実行と見直しの5ステップ
  4. 成果指標は施策ごとに決め、元データの取り方も同時に決める。日本はKPIの設定が3割以下にとどまる
  5. 中小企業は、ビジョン、課題、指標、担当、見直し時期を一枚にまとめるところから始める
  6. 施策の承認や、指標の元データの集計が手作業なら、ワークフローやERPの資料を取り寄せ、いまの運用と照らし合わせて検討する

参考文献

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