新卒一括採用とは?仕組み・時期・メリットと見直しの動きをわかりやすく解説

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  • 日程ルールと実態の差がわかる
  • メリットと離職率のデータがわかる
  • 見直しの動きと他の採用方法がわかる

新卒一括採用とは、企業が卒業予定の学生をまとめて採用し、卒業後の4月に一斉に入社させる採用方式のことです。内閣官房の関係省庁連絡会議は、これを企業が新卒者を一括して採用する方式と説明し、日本の就職・採用活動の中心だったとしています。一方で、インターンシップを入り口にした早期選考が広がり、政府が示す3月・6月・10月の日程ルールと実態の差は大きくなっています。2028年度卒以降の日程ルールは、見直しの検討が進められる段階です。本記事では、人事・採用担当者の方に向けて、新卒一括採用の仕組みと時期、メリットとデメリット、見直しの動き、通年採用などとの使い分けを、政府や厚生労働省などの公開資料にもとづいて整理します。

新卒の選考で、いま気になっているのはどちらですか

Q1. 新卒の採用で、いちばん見直したいのはどちらですか

目次

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  1. 新卒一括採用とは|卒業予定者をまとめて採用し、卒業後に一斉入社させる方式
  2. 新卒一括採用はなぜ日本で定着したのか|歴史と日程ルールの変遷
  3. 新卒一括採用の流れと時期|政府の日程ルールと、実際の動き
  4. 新卒一括採用のメリット|企業側・学生側
  5. 新卒一括採用のデメリットと課題|早期化・内定辞退・早期離職
  6. 新卒一括採用は廃止されるのか|見直しの動きと2028年度卒以降
  7. 新卒一括採用とあわせて検討される採用方法|通年採用・職種別採用・既卒の新卒枠
  8. 新卒一括採用を続ける会社が整えたい3つのこと
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ
  11. 参考文献

新卒一括採用とは|卒業予定者をまとめて採用し、卒業後に一斉入社させる方式

新卒一括採用とは、企業が卒業・修了予定の学生を決まった時期にまとめて選考し、在学中に内定を出して、卒業後の4月に一斉に入社させる採用方式です。職務経験のない学生を、経験でなく人柄やポテンシャルで選び、入社後の研修で育てることを前提にしています。

労働政策研究・研修機構(JILPT)の日本労働研究雑誌は、新卒一括採用を新規学卒者を一時期に一括して採用する制度とし、3月に卒業して翌4月に入職するという、学校から職業への切れ目のない移行が特徴だと説明しています(出典)。

新卒一括採用・通年採用・中途採用の違い
方式主な対象採用の時期選考で重視しやすいこと
新卒一括採用卒業・修了予定の学生年度ごとの日程にそろえて実施し、入社は卒業後の4月が一般的経験よりも人柄やポテンシャル。入社後の研修や配置で育てる前提
通年採用学生、既卒者、留学生など(対象は企業が定める)年間を通じて応募を受け付け、入社時期も複数に分かれる企業の定義によって異なる。新卒と同じ見方にそろえる場合もある
中途採用職務経験のある人欠員や増員に応じて随時職務経験やスキルなど、入社後すぐに担える仕事

日本経済新聞のテーマ解説は、新卒一括採用を日本型の雇用慣行の一つとして紹介し、欧米では通年採用が一般的なため、世界的には日本独特の慣行とされると説明しています(出典)。

経験を問えない選考だから、見極めの材料が論点になる

新卒一括採用では、職務経験のない学生を、限られた期間で多数選考します。見るのは経験ではなく、価値観や性格傾向、自社の仕事や組織との相性になりやすく、面接の印象だけに頼ると、面接官ごとの判断のぶれが出ます。そこで、面接を補う材料として適性検査やリファレンスチェックを使う会社があります。次の表は、本記事で取り上げる3サービスの役割の違いです。

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新卒一括採用はなぜ日本で定着したのか|歴史と日程ルールの変遷

新卒一括採用は、1890年代の終わりから1920年代にかけて大企業と学校の間で形づくられ、戦後は指定校制を経て、1970年代以降は学生が自由に応募する形で続いてきた制度です。JILPTの解説をもとに、主な流れを整理すると次のとおりです。

新卒一括採用の主な流れ
時期出来事出典
1895年ごろ日本郵船と三井が大学卒を定期的に採用するようになったのがはじまりとする研究がある。1890年代の終わりから1920年代までのころが制度の確立期とされるJILPT
1910年代第一次世界大戦の好景気や高等教育の拡大を背景に、三井物産などで在学中に新卒者を一斉に採用し、試用期間後に配属する方法が確立した。三菱系企業の新卒採用数は1914年の140人から1918年には364人に増えたJILPT
1920年代早稲田大学(1921年)、明治大学(1924年)、日本大学(1925年)が就職斡旋の部署を開設。1928年には企業と大学の間で就職・採用活動のスケジュールの申合せ(就職協定)が結ばれたJILPT
戦後から1960年代企業が特定の大学に推薦を依頼する「指定校制」が色濃く見られた。人材を急いで確保したい企業が、大学の推薦を待たずに内定を決める動きも多発したJILPT
1970年代以降指定校制が急速に衰え、大学の推薦を必要としない「自由応募」が一般化した。現在の就職活動もこの仕組みの下で行われているJILPT
2017年度卒まで日本経済団体連合会(経団連)が「採用選考に関する指針」を策定していた関係省庁連絡会議
2018年以降採用活動の多様化等を踏まえ、政府が毎年度、関係省庁連絡会議で日程の考え方をまとめ、経済団体等に要請している関係省庁連絡会議

JILPTの解説では、新卒一括採用が成立するには、卒業生を送り出す学校と採用する企業の両方が前提になるとされ、制度が変わった場面では、労働需要の拡大や進学率の上昇といった量的な変化が大きく関係してきたと整理されています。企業の都合だけでなく、学校が卒業生を紹介する仕組みや、在学中に就職先が決まるという学生側の事情にも支えられて続いてきた制度といえます。

新卒一括採用の流れと時期|政府の日程ルールと、実際の動き

新卒一括採用の日程は、政府が示す要請で、広報活動が卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降、採用選考活動が6月1日以降、正式な内定が10月1日以降とされています。2027年度卒の日程も、令和7年12月26日の関係省庁連絡会議で、この3つの日付が原則とされました。

この日程は、2017年度卒以降、変更されないまま続いています。要請は企業の採用活動を法的に拘束するものではない、と政府の文書に明記されています。「2027年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方」が示す日程ルールと、同じ文書が紹介する調査結果の実態を並べると、次のようになります。

日程ルールと実態の差(2027年度卒の文書より)
項目政府の日程ルール実態(同文書が紹介する調査結果)
広報活動3月1日以降広報活動を2月以前に開始した企業は約6割(文部科学省の企業調査)
採用選考活動6月1日以降(専門活用型インターンシップは例外)採用選考を5月以前に開始した企業は約7割、5月以前に内々定を出した企業は約6割
正式な内定10月1日以降学生の約9割が、6月までに内々定を受けている(内閣府の学生アンケート)
インターンシップ等日程ルール上の位置づけは広報活動の一部学生の約7割が参加し、参加者の約7割が早期選考の案内を受けている

文書では、インターンシップ等の直後から採用を目的とした説明会や面接が本格化する企業もあり、実質的に採用活動が始まっていると指摘されています。活動の期間も長くなっていて、就職・採用活動に9か月程度以上を要した学生は、令和2年度の約3割から令和6年度には約5割に増えました。

新卒採用の年間の流れ(一例)

時期の呼び方は企業によって異なりますが、新卒一括採用の年間の動きは、おおむね次の順です。日付は政府の日程ルールで、実際の開始時期は企業によって前倒しされています。

新卒一括採用の年間の流れ(一例)
時期企業の動き学生の動き
前年度の春から秋採用計画(人数・求める人物像・選考方法)を決める。インターンシップ等を企画するインターンシップ等への参加が、前年度の7月ごろから本格化する
3月1日以降会社説明会、エントリーの受付(広報活動)企業研究、エントリー、エントリーシートの提出
6月1日以降面接、適性検査などの選考。内々定を出す面接を受け、複数の内々定から就職先を考える
10月1日以降正式な内定の通知、内定式。辞退を防ぐためのフォロー内定を承諾し、就職活動を終える
翌年4月入社、新入社員研修、配属一斉に入社する

見落としやすいのは、内定から入社までの期間です。政府の文書によると、学生が就職活動を終えたと考えるタイミングは、内々定をもらった企業から就職先を決めたときと、志望度の高い企業から内々定をもらったときで合わせて約6割で、正式な内定の通知や内定式を挙げた学生は約1割弱にとどまります。内定式に出た後に辞退する例も報告されているため、内定者との接点を入社まで保つ設計が必要になります。

新卒一括採用のメリット|企業側・学生側

新卒一括採用のメリットは、企業にとっては採用と育成を年度単位でそろえて計画できること、学生にとっては職務経験がなくても応募でき、在学中に就職先を決められることです。以下は公開されている解説で挙げられている主な点で、効果の大きさを示す公的な統計は確認できていません。

企業側のメリット

  • 採用と育成を年度でそろえやすい:入社時期が同じため、新入社員研修やOJTを一斉に計画でき、研修の手間を一度にまとめられます
  • 選考の基準をそろえやすい:同じ学年の応募者を同じ時期に選考するため、評価の基準や面接の流れを統一し、応募者どうしを比べやすくなります
  • 経験を問わずに採り、社内で育てられる:配置転換を前提に、未経験の人材を採用して育てる運用と相性がよいとされています。JILPTの解説でも、新卒者を総合職として一斉に採用し、試用期間後に配属する方法が1910年代に確立したと紹介されています
  • 同期の結びつきが生まれやすい:同時に入社する同期が、お互いの相談相手や刺激になるといわれています

学生側のメリット

  • 職務経験がなくても応募できる:経験やスキルよりも、ポテンシャルを見てもらえる前提で選考に臨めます
  • 在学中に就職先を決められる:卒業後すぐに働き始められる、学校から職業への切れ目のない移行ができます
  • 同期が多く、相談しやすい:入社後に同じ立場の仲間がいるため、不安を共有しやすくなります

新卒採用そのものの基本や、中途採用との違いは、新卒採用とは?中途採用との違いやメリット・デメリットを解説でも整理しています。

新卒一括採用のデメリットと課題|早期化・内定辞退・早期離職

新卒一括採用の主な課題は、採用活動の早期化・長期化、内定辞退、入社後のミスマッチによる早期離職の3つです。いずれも政府や厚生労働省の公開資料で、数字とともに確認できます。

早期化・長期化と、内定辞退

政府の文書は、企業が採用予定数を充足できた割合が近年減っていて、直近の2025年卒では3割台にとどまると述べています。理由として挙げられているのは、選考応募者が予定より少ないこと、内定辞退が予定より多かったことなどです。一部の企業が採用活動を早く始めるため、ルールを守る企業は応募者や内定者を確保しにくくなり、不公平感につながっているとも指摘されています。また、内定辞退を抑えるための、学生の職業選択の自由を妨げる行為(いわゆる「オワハラ」)にも留意するよう、改めて要請されています。

採用側の負担も見逃せません。選考が特定の時期に集中するため、担当者が他の業務と兼務している中小企業では、短期間で多数の応募者を見極める必要が生じます。

早期離職とミスマッチ|公的データで見る

厚生労働省が令和7年10月24日に公表した、令和4年3月卒業者の離職状況では、新規大学卒就職者の就職後3年以内の離職率は33.8%で、前年より1.1ポイント低下しました(出典)。事業所の規模が小さいほど、離職率は高くなっています。

大学卒の就職後3年以内の離職率(令和4年3月卒業者)|事業所の規模別
事業所の規模3年以内の離職率
5人未満57.5%
5-29人52.0%
30-99人41.9%
100-499人33.9%
500-999人31.5%
1,000人以上27.0%
大学卒の就職後3年以内の離職率(令和4年3月卒業者)|離職率が高い産業
産業3年以内の離職率
宿泊業・飲食サービス業55.4%
生活関連サービス業・娯楽業54.7%
教育・学習支援業44.2%
医療・福祉40.8%
小売業40.4%

この数字は離職した人の割合であり、その産業や企業の良し悪しを示すものではありません。離職の理由は人によって異なりますが、採用側が取り組めるのは、選考の段階で自社で活躍している人の特徴を言葉にし、評価の基準をそろえて、入社前の理解のずれを減らすことです。

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出典:株式会社リーディングマーク プレスリリース(アサヒ物産株式会社の利用事例、2024年3月12日)

適性検査の結果は、合否を自動で決めるためのものではなく、面接で何を深掘りするかを決める材料です。面接の評価とあわせて参考にするのが前提になります。次のセルフチェックで、自社の選考に足りない材料がないか確かめてみてください。

自社の新卒採用、見直しのポイントはありますか。セルフチェック

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新卒一括採用は廃止されるのか|見直しの動きと2028年度卒以降

新卒一括採用は、現時点で廃止が決まったわけではありません。2027年度卒の日程も従来どおり3月・6月・10月が原則とされ、2028年度以降の日程については、経済界や大学と議論したうえで見直しの検討を進めるとされています(2026年10月21日時点の確認)。

2018年に日程の取りまとめが経団連から政府に移った後も、ルールの内容は変わっていません。一方で、政府の文書は、現行ルールと実態の乖離が進んでいると認めたうえで、立場ごとの意見を紹介しています。

見直しをめぐる立場ごとの意見(令和7年12月26日の政府文書より)
立場示された考え方
大学側(就職問題懇談会)学生が学業に専念する時間を確保するため、採用選考活動は学期期間中には行わず、卒業・修了前年度の春休み以降の長期休業期間に行うべきという考え方。約9割の大学等で、学生が就職活動で授業等を欠席している状況がうかがえるとされる
経済界新卒採用の在り方が大きく変化していて、新卒での採用枠の充足率が下がっている。現行ルールを議論すること自体が重要。中小企業では10月1日の時点で必要な内定者数を確保できていない例もある
政府(関係省庁連絡会議)日程ルールの遵守と、「オワハラ」等の防止を要請。2028年度(2029年3月)以降の就職・採用活動は、実効性ある合意点を探りながら見直しの検討を進める

見直しの対象は、あくまで日程のルールです。確認した範囲では、新卒一括採用そのものを禁じる法令は見当たりません。採用の方式は、企業が自由に決められます。そのため、日程ルールがどう変わるかにかかわらず、自社が何を基準に採るのかを言葉にしておくことが、見直しの影響を受けにくい準備になります。

新卒一括採用は「おかしい」のか

新卒一括採用への賛否は、立場によって分かれます。大学側は学業との両立の難しさを、経済界は採用枠の充足の難しさを、それぞれ課題に挙げています。どちらが正しいというよりも、企業の規模や職種、育成の方針によって、合う採用の方式が変わると考えるのが現実的です。

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新卒一括採用とあわせて検討される採用方法|通年採用・職種別採用・既卒の新卒枠

新卒一括採用と並べて検討されるのは、通年採用、職種別採用、既卒者の新卒枠での受け入れ、中途採用です。育成を前提にするか、即戦力を求めるかで使い分けます。

新卒一括採用とあわせて検討される採用方法
方法向く場面注意したい点
通年採用留学生や既卒者など、卒業の時期が異なる人材も採りたい年間を通じて選考が続き、担当者の負担が長引く。新卒と同じ基準で見るのかを決める
職種別採用エンジニアなど、配属先や仕事内容を明確にして採りたい職務に必要な力を募集の段階で示す必要がある。新卒エンジニア採用の基本はレバテックルーキーとは?新卒エンジニア採用の基本でも整理している
既卒者の新卒枠での受け入れ卒業後すぐに就職できなかった、意欲のある人材にも門戸を開きたい職務経験のある人が含まれる場合は、働きぶりをどう確かめるかを決めておく
中途採用欠員補充や新規部署の立ち上げなど、即戦力を早く確保したい育成を前提とする新卒とは、選考で見る項目が異なる

新卒3年ルールとは|既卒者を新卒枠で受け付ける指針

「新卒3年ルール」は、2つの意味で使われます。採用側で押さえておきたいのは、厚生労働省が定める「青少年の雇用の促進等に関する法律」にもとづく指針です。この指針は、学校卒業見込者の採用枠について、既卒者が卒業後少なくとも3年間は応募できるように努めること、できる限り上限年齢を設けないように努めることを、事業主に求めています(厚生労働省リーフレット)。努めることを求めるもので、すべての企業に義務づけるものではありません。もう1つは、就職後3年以内に辞めることを指す場合で、離職の実態は前の節の数字のとおりです。

既卒者や第二新卒を新卒枠で受け入れると、職務経験のある候補者が含まれます。前職での働きぶりを確かめたい場合の一例が、back checkです。back check株式会社が提供するサービスで、候補者と一緒に働いたことのある上司や同僚に、働きぶりなどを確認するリファレンスチェックを行えます。経歴の虚偽などのリスクを公的情報やWeb調査で確認するコンプライアンスチェックもあります。商品ページでは、レポートの取得までの平均日数が4.6日とされ、質問の設計からレポートの読み解きまで専属チームが支援するとされています。注意したいのは、スポット利用プランの支払いがクレジットカードのみである点です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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リファレンスチェックは、候補者本人に目的を説明し、同意を得たうえで、職務に関係する範囲で行うのが前提です。厚生労働省は、本籍地や家族の職業など本人に責任のない事項、宗教や支持政党など本来自由であるべき事項を、採用基準にしないよう求めています(公正な採用選考の基本)。なお、本記事の法令や指針に関する記述は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の事案に対する法的助言ではありません。具体的な判断が必要な場合は、弁護士や社会保険労務士等の専門家にご相談ください。

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新卒一括採用を続ける会社が整えたい3つのこと

新卒一括採用を続ける場合に整えたいのは、日程の考え方、選考の評価基準、内定から入社までの接点の3つです。日程のルールが見直されても、この3つは自社で決められます。

新卒一括採用で整えたい3つのことと、補う材料の例
整えること具体的にやること補う材料の例
日程の考え方政府の要請と実態の差を踏まえ、自社の広報・選考・内定の時期とインターンシップ等の位置づけを決める。最新の政府発表を確認する関係省庁連絡会議の資料
選考の評価基準求める人物像と評価項目を文書にし、面接官の間で観点をそろえる。見えにくい価値観や相性は、別の材料で補う適性検査(ミキワメAI 適性検査、テキカク)
内定から入社までの接点内定者への連絡や研修の機会を設け、辞退を防ぐ。配属や育成にも、選考時の情報を引き継ぐ適性検査の結果の活用。既卒者はリファレンスチェック(back check)

採用方式を問わず、自社が何を基準に見極めるのかを言葉にしておくと、面接官の判断も、入社後の配属や育成も一貫しやすくなります。社員の受検結果から基準をつくる適性検査は、その物差しを用意する手段の1つです。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 新卒一括採用とは何ですか?

A. 企業が卒業・修了予定の学生を決まった時期にまとめて選考し、在学中に内定を出して、卒業後の4月に一斉に入社させる採用方式です。職務経験のない学生を、人柄やポテンシャルで選び、入社後に育てることを前提にしています。

Q2. 新卒一括採用のメリットは何ですか?

A. 企業側は、入社時期が同じため研修やOJTを一斉に計画でき、同じ時期の応募者を同じ基準で比べやすい点が挙げられます。学生側は、職務経験がなくても応募でき、在学中に就職先を決められる点です。効果の大きさを示す公的な統計は確認できていません。

Q3. 新卒一括採用の時期はいつですか?

A. 政府の日程ルールでは、広報活動が卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降、採用選考活動が6月1日以降、正式な内定が10月1日以降です。要請に法的な拘束力はなく、実際にはインターンシップ等を通じた早期選考も広がっています。

Q4. 新卒3年ルールとは何ですか?

A. 厚生労働省の指針で、既卒者が卒業後少なくとも3年間は新卒枠に応募できるように努めることを、事業主に求めるものを指す場合があります。努めることを求めるもので、義務ではありません。就職後3年以内の離職を指して使われる場合もあります。

Q5. 新卒一括採用は廃止されるのですか?

A. 現時点で廃止は決まっていません。2027年度卒の日程も3月・6月・10月が原則です。2028年度以降の日程ルールは、経済界や大学と議論して見直しの検討が進められます。見直しの対象は日程であり、確認した範囲では新卒一括採用そのものを禁じる法令は見当たりません。

Q6. 新卒で入らない方がいい業界はありますか?

A. 一概には言えません。厚生労働省の令和4年3月卒業者の調査では、大学卒の3年以内離職率が高い産業は、宿泊業・飲食サービス業が55.4%、生活関連サービス業・娯楽業が54.7%などでした。ただし離職率は産業の良し悪しを示すものではなく、企業の規模でも差があります。

まとめ

新卒一括採用を理解し、自社の採用に活かすためのポイントは、次の5つです。

  1. 新卒一括採用は、卒業予定者をまとめて採用し卒業後の4月に一斉入社させる方式。3月・6月・10月の日程は、法的な拘束力のない政府の要請と理解する
  2. 実態は、インターンシップ等を入り口に早期化・長期化している。自社の日程は、要請と実態の差を踏まえて決める
  3. メリットとデメリットは、公的なデータで確かめる。大学卒の3年以内離職率は33.8%で、事業所の規模や産業によって差がある
  4. 2028年度卒以降の日程ルールは見直しが検討される。最新の政府発表を確認しつつ、通年採用・職種別採用・既卒の新卒枠も含めて方式を選ぶ
  5. 選考の基準をそろえ、見えにくい価値観や働きぶりを補う材料として、適性検査やリファレンスチェックの資料を取り寄せて比べる

日程のルールは変わっても、自社が何を基準に採り、どう育てるのかは、自社で決められます。まずは選考の評価基準を言葉にするところから始めてみてください。

参考文献

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