ナショナルブランド(NB)とは?意味・例・PBとの違い・見分け方

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  • NBはメーカーが全国で売るブランド
  • PBとは作る主体と価格の傾向が違う
  • 表示と取引ルールは立場ごとに確認

ナショナルブランド(NB)とは、メーカー(製造業者)が自社の商品につけたブランドのことで、全国規模で流通・販売されることが多く、プライベートブランド(PB)の対義語として使われる流通業界の用語です。テレビCMなどの広告宣伝もメーカー自身が行うため知名度が高く、どの地域・店でも購入できることが特徴です。この記事では、ナショナルブランドの意味と特徴、PBとの違い、SB・OEMなど混同しやすい用語、メリットとデメリット、パッケージの表示による見分け方、ブランドを守る商標、「ナショナル(National)」ブランドがいつまで使われたのかを、公的機関や公式サイトの情報をもとに解説します。小売・卸、メーカー、消費者のどの立場でも、判断に使える整理を目指しました。

NBやPBの取引で手間がかかっているのはどこ?2問で目安がわかります

Q1. あなたの仕事は、どちらに近いですか?

目次

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  1. ナショナルブランド(NB)とは|意味と3つの特徴
  2. NBとPBの違い|企画・製造・販売・価格で比べる
  3. NBと混同しやすい用語|PB・SB・CB・OEM・留め型
  4. ナショナルブランドのメリットとデメリット|消費者・小売・メーカーの立場から
  5. ナショナルブランドの見分け方|パッケージの表示と売り場で確かめる
  6. NBの価値を支える商標|ブランド名を権利として守る
  7. National ブランドはいつまで?パナソニックの「ナショナル」との違い
  8. NBとPBの取引ルール|製造委託と表示の責任
  9. NBとPBをどう使い分けるか|立場別の判断の目安
  10. よくある質問(FAQ)
  11. まとめ|ナショナルブランドを理解するために押さえる5つのこと
  12. 参考文献

ナショナルブランド(NB)とは|意味と3つの特徴

ナショナルブランド(NB)とは、メーカーが企画・製造した商品につけ、全国で販売するブランドのことです。英語のNational Brandを略してNBと呼び、小売業者や卸売業者が展開するプライベートブランド(PB)の対義語として使われます。

ネオマーケティングのコラムは、NBを「メーカーが日本全国で展開している商品ブランド」で、多くの人が知っている認知度の高いブランドとも言えるが、明確な定義があるわけではないと説明しています。Wikipediaも、メーカーが商品につけたブランドで、プライベートブランドの対義語として用いられる流通業界の専門用語としています。つまりNBは、法律で決められた区分ではなく、商品を企画・製造する主体と販売の広がりで使い分けられる、業界の言葉です。

ナショナルブランドの3つの特徴

  • 企画・開発・製造をメーカーが行う:商品の企画から製造までをメーカーが担い、卸売業者・流通業者・小売業者を通して市場で販売されます
  • 広告宣伝もメーカーが行う:テレビCMやネット広告の多くはメーカーによるもので、その分、ブランドの知名度が高くなります
  • どの地域・店でも買える:販売場所を限定せず、さまざまな店舗やネット通販で入手できます

ブランドの話は消費者の買い物の話に見えますが、NBやPBを扱う会社の現場では、取り扱いの可否、仕入れ条件、規格、価格改定、販促物の確認といった仕事が、社内の承認と取引先との連絡を伴って続きます。小売・卸ならメーカーとの条件確認、メーカーならブランドの運営と取引先への周知です。こうした承認と連絡を整える選択肢として、ワークフローシステムとビジネスチャットがあります。ブランドそのものを支えるサービスではありませんが、NBとPBを扱う取引の周辺業務を整える一例として、2つのサービスの役割の違いを先に表で確認します。選び方の詳細は、おすすめのチャットシステム7選|選び方や導入時の注意点を解説と、おすすめのワークフローシステム9選|選ぶポイントを詳しく解説の記事で整理しています。

NBやPBの取引で生じる確認と連絡を支える2つのサービス|役割の違い

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決裁にかかる時間が導入前と比較して約半分に短縮されました。

出典:コラボフロー 導入事例 クラシエ株式会社

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Chatworkの導入事例では、東京・四谷で食肉の卸売と小売を営む有限会社並木商店が、社内外の連絡をなるべくChatworkに集約した効果を紹介しています(取材は2024年11月)。事例ページの「効果」には、次のように書かれています。

1日60件あった電話が2件程度まで激減した

出典:Chatwork 導入事例 有限会社並木商店

ただし、NBやPBを扱う仕事のすべてをシステムに載せる必要はありません。ここからは、NBとPBの違いや、見分け方、取引のルールを順に整理します。

ナショナルブランドの例

NBの例として、百科事典のWikipediaと、BOXILの解説が挙げている商品を整理します。メーカー名は引用元の表記です。

商品の例メーカー(引用元の表記)引用元
カップヌードル日清食品Wikipedia
ほんだし味の素Wikipedia
マヨネーズキユーピーWikipedia
コアラのマーチロッテBOXIL
スライスチーズ雪印メグミルクBOXIL
シャウエッセン日本ハムBOXIL

商品の名前そのものがブランドになっているものもあれば、社名を冠した商品もあります(ジェイアンドシーサプライの販促用語集)。一方、Wikipediaは、スーパーのグラム売りの精肉・鮮魚・野菜は、そもそもブランドがつけられていないため、NBには当たらないとしています。最新の商品名や販売状況は、各社の公式サイトで確認してください。

NBとPBの違い|企画・製造・販売・価格で比べる

NBとPBの違いは、ブランドをつけて展開する主体です。NBはメーカー、PBは小売業者や卸売業者などの流通側で、その違いが販売場所と価格の傾向にも表れます。

項目ナショナルブランド(NB)プライベートブランド(PB)
ブランドを展開する主体メーカー(製造業者)小売業者・卸売業者などの流通側
企画・開発メーカーが行う小売・卸売側が企画し、製造は外部に委託することが多い
製造メーカー自身メーカーやOEM事業者などが行う
広告宣伝主にメーカーが行う広告費を抑えやすいとされる
販売場所販売場所を問わず、さまざまな店舗やネット通販その小売業者の店舗や関連店舗が中心
価格の傾向流通のコストが価格に上乗せされ、比較的高くなりやすい仲介を省けるため、比較的抑えやすい
パッケージの表示ブランド名がメーカーの商品名・社名であることが多い販売者の欄に小売業者などの名前が入る

表は、ネオマーケティング、ジョイパレット、Wikipediaの説明を整理したもので、あくまで傾向です。商品によって例外があります。

品質はNBが上でPBが下、とは限らない

ネオマーケティングのコラムは、開発する商品の品質は、NBとPBで大きな差はないと言えるとしています。ナショナルブランドを展開する大手メーカーがPB商品の生産に協力したり、生産技術を持つOEM会社が製造したりすることが一般的なためです。日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)の用語集も、近年は品質やデザインの面でNBに迫るPBが増えており、NBとの競争が激しくなっていると説明しています(PRSJ「ナショナル・ブランド(NB)とプライベート・ブランド(PB)」)。ただし、商品の企画力や開発力に差が出る可能性は残ります。

日本でPBが広がった経緯

ネオマーケティングのコラムによると、日本でPBに注目が集まり始めたのは1980年代です。当時、スーパーはメーカーが製造したNBを売るのが基本でしたが、大手スーパーのダイエーが「セービング」というPBを開発したのをはじめ、各種の小売業者が自社ブランドの商品を開発・販売し始めました。現在はコンビニに代表されるように、小売店でPB商品を販売するのが主流になっている、と説明されています。

PBの意味、タイプ、費用、法務の論点は、PBを主題にしたプライベートブランド(PB)とは?NB・OEMとの違い、代表例、費用の内訳と法務論点を解説で詳しく扱っています。この記事では、NBの側から整理します。

NBと混同しやすい用語|PB・SB・CB・OEM・留め型

NBと並んで出てくる用語は、PB、SB、CB、OEM、留め型です。意味の線引きは解説によって異なるため、ここでは、ジョイパレットとジェイアンドシーサプライの説明をもとに整理します。

用語意味NBとの関係
PB(プライベートブランド)小売・流通業者が独自に企画し、自社店舗で販売する商品のブランド。別名はストアブランドで、日本語では自主企画商品とも訳されるNBの対義語
SB(ストアブランド)チェーンストアが独自に開発したブランド。解説によって、PBと同じ意味で使う場合と、NBにはない商品カテゴリーで展開するPBを指す場合があるNBの対抗商品として位置づけられる
CB(カテゴリーブランド)特定のカテゴリーや用途に特化し、複数の商品を統一したブランド名でまとめて訴求するものPBの中で、特定のカテゴリーを独自のネーミングやパッケージで統一する例が紹介されている
OEM他社の商品の製造を請け負うこと、またはその事業者NBを展開するメーカーが、PBの製造に協力する場合もある
留め型特定の小売店限定で販売される商品。製造はメーカーが行い、メーカーのブランド名も入る。一般に流通する同じメーカーの商品と、原料・容量・価格などが異なるメーカーのブランドが入るため、PBとは区別される

NBとPBの間には、メーカーが作る小売店限定品のような中間の形もあります。用語の意味に迷ったときは、「誰がブランドを持ち、誰が製造し、どこで売るか」の3点に分けて考えると整理しやすくなります。

ナショナルブランドのメリットとデメリット|消費者・小売・メーカーの立場から

NBのメリットは、知名度と品質への信頼、どこでも買える手軽さです。デメリットは、価格が下がりにくいことと、売り場や広告をめぐる競争に費用がかかる点で、立場によって見え方が変わります。

立場メリットデメリット
消費者信頼できる企業の商品なら安心して買える。どの地域・店でも購入しやすい価格がPBより高めになりやすい。どの店でも買えるため、店ごとの差別化はない
小売・卸知名度が高く、売上を見込みやすい。商品の責任対応をメーカーが担う。売れ残りを返品・転売できる場合があり、在庫リスクが比較的低い仕入れコストが高く、利益率が低くなりやすい。価格や販売方法をメーカーの意向に合わせる必要がある。他店との差別化になりにくい
メーカー信頼性と知名度が強み。シリーズ化で安定した売上を続けやすい。新商品を既存ブランドの一種として出せば、不振のリスクを避けやすい売り場で競合ブランドと競争し、広告・販促に継続して投資が必要。PBの製造を受託すると、自社NBの競合になる場合がある

消費者の立場から見たNB

Wikipediaは、信頼できる企業が生産した商品なら安心して買えるため、NBは幾分高価でも販売競争力を持つと考えられると説明しています。一方で、どこの地域・店でも購入できる点で商品の差別性がなく、流通過程の競争原理が働くことで価格を下げざるを得なくなり、販売側の利幅が薄くなることも少なくないとしています。大手小売業者は、NBとPBを同じ売り場に並べることで、NBの信頼感・高級感とPBの割安感が互いに強調され、購買意欲につながるようにしている、という説明もあります。

小売・卸の立場から見たNB

ジョイパレットの解説は、小売業者にとってのNBの利点として、商品に信用力があり売上を計算しやすいこと、商品に問題が見つかっても当事者ではなく対応の負担が少ないこと、売れ残った場合に返品や転売ができることがあり在庫リスクが低いことを挙げています。欠点としては、仕入れコストが高く利益率が低くなりやすいこと、取引相手のメーカーが交渉上有利になりやすく、価格や販売方法をメーカーの希望に沿わせる必要があること、流通性が高いため他社との差別化につながりにくいことを挙げ、それでもNBを扱わないと顧客が来店しない可能性が高く、取り扱いをやめるのは賢明とは言えないとしています。

仕入れ条件や販売方法を取引先の意向に合わせる以上、条件が変わるたびに、社内の確認と承認が必要になります。この承認を紙やExcelの回覧で行っていると、いま誰の承認待ちかがわかりにくくなります。

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メーカーの立場から見たNB

ネオマーケティングのコラムは、NBの強みを、消費者からの信頼性と知名度の高さとしています。長年にわたって生産・販売が続けられ、広告もよく知られているブランドは、消費者の企業ロイヤルティを高めやすく、シリーズ化によって安定した売上を続けられるとしています。一方で、1つの業界の中でNBの数は多く、売り場でのブランド間の競争は避けられないため、効果的な広告宣伝や販売促進のために、人・物・金の投入が欠かせないと指摘しています。PB商品は売り場の確保で優位に立ちやすく、さらにPBの製造を受託すると、受託した商品が自社のNBの競合相手になる場合もある、という点も注意点として挙げられています。

ナショナルブランドの見分け方|パッケージの表示と売り場で確かめる

加工食品では、パッケージのブランド名と、「販売者」「製造者」の表示を見ると、NBかPBかの手がかりになります。PBは、販売者として小売業者などの名前が入るのが特徴です。

手がかり1:ブランド名とメーカーの関係

NBは、ブランドの名前や社名がメーカーのものです。たとえば、Wikipediaは、日清食品のカップヌードルや味の素のほんだしをNBの例に挙げています。PBは、小売業者のブランド名がつきます。BOXILの解説は、PBの例として、セブン&アイ・ホールディングスの「セブンプレミアム」、イオングループの「トップバリュ」などを挙げています。ブランド名が小売業者のものであれば、PBの可能性が高いと言えます。

手がかり2:食品表示の「販売者」「製造者」

加工食品の表示は、消費者庁の食品表示基準で決められています。消費者庁の食品表示基準Q&Aによると、表示内容に責任を持つ事業者(販売者や製造者)の名称と住所を表示し、製造所の所在地と製造者の名称は、原則として併せて表示します。製造所固有記号を使う場合は、表示責任者の名称の次に「+」を付けて記号を表示します(消費者庁「食品表示基準Q&A」別添 製造所固有記号)。

PBでは、販売者として小売業者などの名前が入り、製造所は別の事業者になることがあります。NBでは、販売者や製造者としてブランドを展開するメーカーの名前が入るのが一般的です。表示の欄に、ブランドとは別の会社名と製造所固有記号が並んでいれば、販売者と製造所が異なる商品だと読み取れます。

見分けるときの注意

  • メーカーがPBを製造していても、パッケージの製造者欄にその名前が出るとは限りません。製造所固有記号を使うと、製造者名が記号に置き換わります
  • 留め型のように、メーカーのブランド名が入った小売店限定の商品もあり、NBとPBの中間の形になります
  • 食品以外の商品は、表示のルールが異なります。ここで説明したのは加工食品の表示です

表示や規格の確認結果を、担当者の記憶やメモに頼っていると、人が替わったときに引き継がれません。取引先や店舗、営業担当との確認のやり取りと、確認した内容を同じ場所に残しておくと、あとから経緯をたどれます。

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NBの価値を支える商標|ブランド名を権利として守る

NBの名前やロゴは、商標として登録することで、他社の使用から守れる権利になります。商標とは、事業者が自社の商品・サービスを他社のものと区別するために使うマーク(識別標識)です。

特許庁の「商標制度の概要」によると、商品やサービスに付けるマークやネーミングを財産として守るのが「商標権」という知的財産権です。事業者が営業努力で商品への消費者の信用を積み重ねることで、商標に「信頼がおける」「安心して買える」といったブランドイメージがつきます。NBが持つ知名度や信頼を、権利の面から支えているのが商標です(特許庁「商標制度の概要」)。

  • 商標権を取得するには、特許庁へ出願して商標登録を受ける必要があります
  • 同一または類似の商標の出願があった場合は、先に使用していたかどうかにかかわらず、先に出願した者に登録を認める「先願主義」です
  • 商標は、マークと、それを使う商品・サービス(指定商品・指定役務)の組み合わせで一つの権利になり、区分(第1類から第45類)で範囲が決まります
  • 商品の産地や品質だけを表す名前は、誰の商品かを区別できないため、登録できません

ブランド名を決めるときは、似た名前がすでに登録されていないかを調べ、使う商品の区分を指定して出願する流れになります。手続きの詳細は、商標登録のやり方とは?出願・審査の流れや費用、注意点も解説で整理しています。個別の出願や権利の範囲の判断は、弁理士などの専門家に相談してください。

National ブランドはいつまで?パナソニックの「ナショナル」との違い

「National」は、パナソニックが国内の白物家電や住宅設備に使っていた個別のブランド名で、一般名詞のナショナルブランド(NB)とは別のものです。

パナソニックの公式沿革によると、創業90周年の2008年10月1日に、社名を「パナソニック株式会社」に変更し、あわせてブランドを全世界でPanasonicに統一しました。グループ会社で「松下」「ナショナル」を冠する企業も、「パナソニック」を冠する名称に変更されています。社名変更は2008年1月に発表され、6月の株主総会の決議を経て正式に決まりました(パナソニックホールディングス「2008年(平成20年)」)。

国内の白物家電・住宅設備では、「National」ブランドの「Panasonic」ブランドへの切り替えが進められました。同じ沿革は、日本国内で白物家電にNationalブランドを使い続けてきたため、10月のエアコン・冷蔵庫・ななめドラム洗濯乾燥機・家庭用サイクロン式掃除機の新製品導入を皮切りに、順次切り替えたと説明しています。

つまり、「National ブランドはいつまで」という疑問への答えは、2008年10月から、新製品を皮切りに順次Panasonicへ切り替えられた、となります。Wikipediaの「ナショナルブランド」の項目も、冒頭で、この項目は「国民的ブランド」の概念を説明するもので、「ナショナル」の名称を商標・社名とする企業は別の項目を見るよう案内しています。一般名詞のナショナルブランドと、個別の商標だった「National」は、区別して読む必要があります。

NBとPBの取引ルール|製造委託と表示の責任

メーカーの規格品・標準品を仕入れて売ることは、原則として取適法の「委託」にあたりませんが、小売業者が自社のPB商品の製造を依頼することは「製造委託」にあたります。

※この章は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の取引が対象になるかは、公正取引委員会・中小企業庁の資料や専門家に確認してください。

取適法が定める「製造委託」

下請法は、中小受託取引適正化法(通称:取適法)に変わり、令和8年(2026年)1月1日以降の取引に適用されます(公正取引委員会「取適法」)。公正取引委員会・中小企業庁の取適法テキスト(令和7年11月)は、製造委託の「委託」を、事業者が他の事業者に対し、物品の規格・品質・性能・形状・デザイン・ブランドなどを指定して製造を依頼することと説明しています。そのうえで、規格品・標準品を購入することは原則として「委託」に該当しないが、規格品・標準品であっても自社向けの加工をさせる場合は該当するとしています。また、大規模小売業者(百貨店、スーパー、ホームセンター、ドラッグストア、コンビニエンスストア本部、通信販売業など)が自社のプライベートブランド商品の製造を依頼することも、該当する例に挙げています(公正取引委員会・中小企業庁「取適法テキスト」(PDF))。

取適法の対象になるかどうかは、取引の内容に加えて、委託する側と受託する側の資本金や従業員数などの条件でも決まります。NBを展開するメーカーがPBの製造を受託する場合も、条件によっては対象になるため、取引の相手と内容を確認してください。

PB商品の取引実態調査

公正取引委員会は、平成26年に食品分野のPB商品の取引に関する実態調査報告書を公表しています。報告書では、小売業者等が規格・意匠・型式等を指定して製造委託した食品で、小売業者等のオリジナル・ブランドが付されているものや、販売者として小売業者等の表示があるものなどを、PB商品としています。そのうえで、小売業者等が自社のPB商品の製造を他の事業者に委託することは、原則として下請法上の「製造委託」に該当するとしています(公正取引委員会「食品分野におけるプライベート・ブランド商品の取引に関する実態調査報告書」(平成26年6月20日))。調査の時点の法律は下請法で、現在は取適法に引き継がれています。

表示の責任はどちらにあるか

消費者庁の「表示に関するQ&A」(景品表示法)には、NBとPBで責任の考え方が分かれる例があります。小売業者が製造業者にPB商品の製造委託を行い、包装に記載する表示の作成も任せていた場合に、不当表示があったときは、小売業者は製造業者に表示の内容の決定をゆだねているため、製造業者とともに表示規制の対象になるとされています。一方、製造業者が内容を決めた表示が付いた商品を、小売業者が仕入れてそのまま店頭に並べて販売しているだけで、表示の内容の決定に一切関与していない場合は、小売業者は表示規制の対象にならないとされています(消費者庁「表示に関するQ&A」)。

NBを仕入れて売る場合と、PBを企画して売る場合では、確認すべきことが変わります。取引の条件、規格や表示の確認結果、取引先とのやり取りの記録は、あとから確かめられる形で残しておくと安心です。

ブランド商品の取引の確認と連絡、今のやり方で足りている?セルフチェック

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NBとPBをどう使い分けるか|立場別の判断の目安

NBとPBの使い分けは、立場ごとに何を重視するかで決まります。消費者は価格と信頼のバランス、小売・卸は集客と利益率、メーカーはブランドの育成と受託の方針が軸になります。

次の表は、ここまでの解説を判断の順に並べた目安です。公的な基準ではなく、自社の状況に合わせて調整してください。

立場確認すること考え方の目安
消費者毎日使うものか、失敗したくないものか。価格の差はどれくらいか。原材料や表示を確かめたか迷う商品は、表示を比べて、自分が重視する点で選ぶ。品質は一概にNBが上とは言えない
小売・卸集客の目玉になる商品はNBか。利益率を上げたい商品はPBにできるか。PBの開発・責任対応・在庫を担う体制があるかNBとPBを同じ売り場に並べ、互いの強みを生かす考え方がある。PBは商品の責任対応と在庫のリスクが自社に帰属する
メーカーNBとして広告・販促への投資を続けられるか。PBの製造を受託するか。受託が自社NBの競合にならないかPBの受託は自社NBの競合になる場合がある。受託する場合は、取適法の対象かを確認する

どの立場でも、使い分けを決めたあとに残るのは、取引先との確認・連絡と、社内の承認をどう回すかという運用です。連絡が個人宛のメールや電話に散らばっていると、条件の変更や商品情報の周知が、相手に伝わったかを確かめにくくなります。取引先や店舗、営業担当との連絡を1か所にまとめる選択肢として、ビジネスチャットがあります。

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よくある質問(FAQ)

Q1. ナショナルブランドとは何ですか?

A. ナショナルブランド(NB)とは、メーカー(製造業者)が企画・製造した商品につけ、全国で販売するブランドのことです。プライベートブランド(PB)の対義語として使われる流通業界の用語で、広告宣伝もメーカーが行うため知名度が高く、どの地域・店でも購入できる点が特徴です。明確な定義があるわけではなく、解説によって表現は少しずつ異なります。

Q2. ナショナルブランドの例は?

A. 百科事典のWikipediaは、日清食品のカップヌードル、味の素のほんだし、キユーピーのマヨネーズなどを例に挙げています。BOXILの解説では、ロッテのコアラのマーチ、雪印メグミルクのスライスチーズ、日本ハムのシャウエッセンなどが挙げられています。なお、スーパーのグラム売りの精肉・鮮魚・野菜は、ブランドがつけられていないため、NBには当たらないとされます。最新の商品名や販売状況は、各社の公式サイトで確認してください。

Q3. プライベートブランドとナショナルブランドは何が違うの?

A. 違いは、ブランドをつけて展開する主体です。NBはメーカーが企画・製造して全国で販売し、PBは小売業者や卸売業者が企画して、主に自社の店舗で販売します。その結果、NBは販売場所を問わず流通コストが価格に上乗せされやすく、PBは仲介を省けるため価格を抑えやすいという傾向があります。ただし、傾向であり、商品によって異なります。

Q4. National ブランドはいつまで使われましたか?

A. 「National」は、パナソニックが国内の白物家電や住宅設備に使っていた個別のブランド名で、一般名詞のナショナルブランド(NB)とは別のものです。パナソニックの公式沿革によると、2008年10月1日に社名を「パナソニック株式会社」に変更し、あわせてブランドを全世界でPanasonicに統一しました。国内の「National」ブランドは、同年10月の新製品を皮切りに、順次Panasonicへ切り替えられました。

Q5. NB商品とPB商品はどう見分けますか?

A. 加工食品では、パッケージのブランド名と、「販売者」「製造者」の表示を見ます。PBは、販売者として小売業者などの名前が入ります。製造所固有記号が使われている場合は、表示責任者の名称の次に「+」と記号が表示されます。ただし、メーカーがPBを製造していることや、メーカーが小売店限定で作る商品(留め型)もあるため、表示だけで断定できない場合があります。

Q6. ナショナルブランドは品質が良く、PBは品質が低いのですか?

A. 一概にそうとは言えません。ネオマーケティングのコラムは、NBとPBの品質に大きな差はないとしています。大手メーカーがPBの生産に協力したり、OEM事業者が製造したりすることが一般的なためです。ただし、商品の企画力や開発力に差が出る可能性はあるため、用途や重視する点に合わせて選びます。

まとめ|ナショナルブランドを理解するために押さえる5つのこと

ナショナルブランド(NB)とは、メーカーが商品につけ、全国で販売するブランドのことです。次の5つから、取り組みやすいものを選んで確認してください。

  1. 意味を押さえる:NBはメーカーが商品につけて全国で販売するブランドで、PBの対義語として使われる業界の用語
  2. PBとの違いを知る:ブランドを展開する主体、販売場所、価格の傾向が違う。品質は一概にNBが上とは言えない
  3. 立場ごとに考える:消費者・小売・メーカーでメリットとデメリットが異なる。表示の見分け方、商標、取引のルールも確認する
  4. 「National」は別物と知る:パナソニックの旧ブランドで、2008年10月から順次Panasonicへ切り替えられた
  5. 運用を整える:NBやPBを扱う取引の承認と連絡は、ワークフローシステムやビジネスチャットの資料で、自社に合う進め方を検討する

なお、本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。取引の個別の判断や商標の出願は、公正取引委員会・特許庁などの公的資料や、弁護士・弁理士などの専門家にご相談ください。

参考文献

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