製造業のデジタル化とは?紙・Excelから始める3段階と業務別の進め方

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  • デジタル化は紙の電子化から始まる3段階
  • 業務別に記録が分かれた所から着手する
  • 小さく試して定着させてから広げる

製造業のデジタル化とは、紙・Excel・個人の経験に頼ってきた受注・生産計画・工程進捗・在庫・品質・原価などの情報をデータにし、ITの仕組みで扱える状態にすることです。経済産業省・厚生労働省・文部科学省の「2025年版ものづくり白書」によると、ものづくり企業の約8割がデジタル技術を活用した業務改善を行っていますが、製造工程での実施率は従業員50人以下の企業で31.5%にとどまり、規模による差があります。この記事では、3段階の整理、業務別に何をデジタル化するか、ペーパーレス化、IoTに進む前に整えること、進め方の6ステップ、つまずきやすい点を順に解説します。

自社のデジタル化、どこから考える?2問でセルフチェック

Q1. 受注・計画・作業の記録は、いまどちらが中心ですか?

目次

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  1. 製造業のデジタル化とは|デジタイゼーション・デジタライゼーション・DXの3段階
  2. 製造業のデジタル化の現状|ものづくり白書でみる実施状況と規模による差
  3. 何をデジタル化するか|製造現場の業務別マップと、最初の一歩
  4. センサー・IoT・AIに進む前に|記録をデータでそろえておく
  5. 製造業のデジタル化の進め方|6ステップと推進体制
  6. デジタル化のメリットと、つまずきやすい点
  7. よくある質問(FAQ)
  8. まとめ|製造業のデジタル化で押さえたい6つのポイント
  9. 参考文献

製造業のデジタル化とは|デジタイゼーション・デジタライゼーション・DXの3段階

製造業のデジタル化とは、紙・Excel・個人の経験に頼ってきた生産現場の情報をデータにし、ITの仕組みで扱える状態にすることです。

総務省の「令和3年版情報通信白書」は、国連開発計画(UNDP)の定義をもとに、デジタイゼーションとデジタライゼーションを紹介しています。会社内の特定の工程を効率化するためにデジタルツールを導入するのがデジタイゼーション、自社内だけでなく外部環境やビジネス戦略も含めたプロセス全体をデジタル化するのがデジタライゼーションで、デジタル・トランスフォーメーション(DX)は、新たな商品・サービスやビジネスモデルを通じて、社会制度や組織文化なども変革していく取り組みを指す、という整理です。

段階総務省の整理製造現場に当てはめた例(この記事での整理)
デジタイゼーション特定の工程の効率化のために、紙などの情報をデジタル形式にし、デジタルツールを導入する紙の作業日報・検査記録・図面をデータにする
デジタライゼーション自社内だけでなく、外部環境や戦略も含めてプロセス全体をデジタル化する受注から購買・在庫・工程・出荷・原価までの記録を一つの仕組みでつなぐ
DXデジタル技術による新たな商品・サービス、ビジネスモデルを通じて、社会制度や組織文化も変革する製品にセンサーを載せて保守サービスを提供する。蓄積したデータから新しい事業をつくる

製造業DXの進め方は製造業DXのメリット・課題・成功のポイントを解説した記事、DXとIT化の違いはDXとIT化の違いを経産省の定義で比較した記事で説明しています。

多くの現場が最初に詰まるのは、紙・Excelで分かれた受注・工程・在庫の記録

受注は紙の伝票、計画はExcel、作業日報は手書き、在庫は別のExcel、と記録が分かれたままでは、デジタルツールを足しても情報をつなぐ手間が残ります。受注・購買・在庫・工程・原価の記録を一つの仕組みでつなぎ、プロセス全体のデジタル化へ進む入口として、個別受注生産の中小製造業が検討できる一例が、株式会社日本コンピュータ開発が提供するFUSEです。FUSEは、販売・購買・在庫・生産工程・生産計画・実績(原価)の6つの機能領域で構成された、セミオーダー型の生産管理システムです。商品ページでは、現場でタブレットとバーコードリーダーでデータを入力できる点、受注から出荷までを製番単位で管理して進捗と原価をリアルタイムで把握できる点が紹介されています。一方で、個別受注生産の中小製造業向けのため、量産が中心の工場や、小売・卸が中心の会社は主な対象ではありません。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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  • 導入範囲やカスタマイズ内容によって費用が変動するため、詳細な料金は問い合わせが必要

「特に全体の生産計画が見えるようになり、工数が削減できていると感じています。」

株式会社丸善(プレス加工・板金加工)のFUSE導入事例より。出典:https://kaizen-navi.biz/case/visualization-of-production-plans-and-tracking-of-defects

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紙・Excelで分かれた受注・工程・原価の記録を、一つにつなげたい

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個別受注生産で、受注・購買・在庫・工程の記録が紙やExcelに分かれている中小製造業

案件ごとの進捗や原価を、完了後ではなく進行中に確認したい製造業

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製造業のデジタル化の現状|ものづくり白書でみる実施状況と規模による差

2025年版ものづくり白書では、ものづくり企業の約8割がデジタル技術を活用した業務改善を行っており、製造工程での実施率は従業員50人以下で31.5%、301人以上で67.9%です。

この数字は、経済産業省・厚生労働省・文部科学省の「2025年版ものづくり白書」第1部第2章第3節が、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)の「ものづくり産業におけるDXと人材育成に関する調査」を用いて示したものです。

項目白書の調査結果
デジタル技術を活用した業務改善を行っている企業約8割。行っていない企業は22.0%
実施している工程「製造」「生産管理」「事務処理」「受注・発注・在庫の管理」で3割強から4割強。「企画・開発・設計」「品質管理」は2割程度
製造工程での実施率(従業員数別)従業員50人以下の企業は31.5%、301人以上の企業は67.9%
製造工程で導入が多い技術CAD/CAM、ロボット、プログラミング・ソフトウェア・情報システム、制御技術、センサー
導入・活用に期待する効果作業負担の軽減や作業効率の改善、品質の向上、生産体制の安定の順に多い
導入・活用した企業の実感導入・活用した企業のうち9割程度が効果を感じている

白書は、人口の減少による労働力の不足が見込まれる我が国では、デジタル技術を活用して業務効率を上げていく重要性がいよいよ高まっている、とまとめています。受注・生産管理・在庫の管理や事務処理といった、記録に近い工程から取り組む企業が多い一方で、規模の小さい企業ほど製造工程での実施率が低く、これから着手する余地が大きいと読めます。数字は調査に回答した企業の割合で、業種や製品によって状況は異なります。

何をデジタル化するか|製造現場の業務別マップと、最初の一歩

製造業のデジタル化の対象は、受注・計画・進捗・在庫と購買・品質・図面・保全・原価の8業務に分けて考え、記録が紙やExcelで分かれている業務から着手します。

業務紙・Excelでよくある状態デジタル化で変わること最初の一歩
受注・見積受注伝票を紙やExcelで手入力し、計画や購買にも書き写している受注データを後続の計画・購買に引き継げ、二重入力を減らせる品名・数量・納期・製番など、受注情報の項目をそろえる
生産計画計画表が担当者ごとのExcelや紙に分かれている工程ごとの負荷と納期を、一つの画面で確認できる計画表の様式を一本化する
工程進捗・作業実績紙の指示書と手書きの日報で、進捗は現場に聞かないと分からないタブレットやバーコードで実績を登録し、進捗をその場で共有できる日報の項目を、開始・完了・数量など最小限にそろえる
在庫・購買在庫がExcelや棚の札で管理され、発注漏れや過剰在庫が起きやすい入出庫と発注状況が、受注や工程の記録とつながる品番と置き場所のルールを決める
品質・検査記録検査記録が紙で保管され、後から探すのに時間がかかる不具合を製品・工程・担当と結び付けて追跡できる記録の様式と保管のルールをそろえる
図面・技術文書紙の図面が複数あり、版の取り違えが起きる最新版を一か所で共有できる最新の図面の置き場を一つに決める
設備保全点検や修理の記録が紙で、傾向が見えない点検・修理の履歴が残り、故障の傾向を見られる点検表をデータの様式に置き換える
原価・利益案件が終わってから集計し、赤字に後から気付く進行中に材料費や工数を把握できる材料費と工数を、案件(製番)単位で記録する

どの業務から始めるかは、困りごとが大きく、記録が分かれている業務を1つ選ぶのが基本です。全業務を一度にデジタル化しようとすると、現場の負担が大きくなります。

製造現場のペーパーレス化は可能か

製造現場のペーパーレス化は可能です。作業指示書・作業日報・検査記録のような社内の帳票は、タブレットでの入力やバーコードの読み取りに置き換えれば、紙への記入と後からの転記を減らせます。ただし、すべてを一度に紙なしにする必要はありません。ベンダーが公開する導入事例では、生産計画の見える化を進めた金属加工会社でも、一部のチームの作業日報には紙の運用が残っていると紹介されています。紙が残る業務は残したまま、転記と集計の手間が大きい業務から置き換えるのが現実的です。ペーパーレス化の全体像はDXとペーパーレス化の関係を解説した記事で説明しています。

取引先とやりとりする書類は、電子帳簿保存法の電子取引に注意する

見積書・注文書・納品書・請求書のような取引先との書類を、メールやWebサービスなど電子でやりとりしている場合は、電子帳簿保存法の電子取引のルールが関わります。国税庁のリーフレット(令和6年11月)によると、取引に関して書面でやりとりしていた場合に保存が必要な書類(注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書など)に相当する電子取引データを受領または交付した場合、その電子データの保存が義務付けられています。

  • 改ざん防止のための措置をとること。タイムスタンプの付与や、訂正・削除の履歴が残るシステムの利用、事務処理規程の策定などのいずれかが挙げられています。
  • 保存データを確認するためのディスプレイやプリンタ等を備え付けること。
  • 「日付・金額・取引先」で検索できること。表計算ソフトで索引簿を作る方法や、日付・金額・取引先の順にした規則的なファイル名のデータを特定のフォルダに集める方法でも対応できるとされています。

原則的なルールへの対応が間に合わない場合の猶予措置も、同じリーフレットで案内されています。詳細は国税庁の電子取引関係のページで確認できます。なお、ここは電子帳簿保存法の一般的な説明であり、法的・税務上の助言ではありません。自社の取引が対象になるか、どのように保存するかは、国税庁の資料や税理士などの専門家に確認してください。

紙の電子化だけで終わらせない|工程進捗と原価をつなげる

紙を電子化しても、データが別々のファイルのままなら、進捗や原価を確認する手間は残ります。個別受注生産では、案件ごとに材料費や工数が異なるため、完了後の集計で赤字に気付くことがあります。受注から購買・製造・出荷までを案件(製番)単位で記録し、進行中に進捗と原価を確認できる形にすることが、デジタライゼーションの中心になります。

先ほどの丸善の事例(ベンダーのカイゼンナビが公開。プレス加工・板金加工、社員数は約30名と記載)では、導入前は生産計画が紙ベース、受注伝票はExcelの手入力、作業日報は手書きで、ISO監査用の資料は紙で保管して準備に約1週間かかっていたとされています。導入後は、全体の生産計画を一元的に確認でき、受注データの取り込みで二重入力が減り、日報の開始・完了をタブレットで登録して不具合を追いやすくなり、監査資料を画面で検索できるようになったと紹介されています。効果は取材先の自己申告で、第三者による検証ではありません。

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案件ごとの進捗と原価が、終わってからでないと分からない

こんな会社に向いています

個別受注生産で、案件ごとに材料費や工数が異なる製造業

日報や受注伝票の転記・集計に、毎月まとまった時間がかかっている会社

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センサー・IoT・AIに進む前に|記録をデータでそろえておく

センサー・IoT・AIの活用は、紙やExcelの記録がデータとして整った後に進める段階で、先に受注・工程・在庫の記録をそろえておくと、集めたデータを使いやすくなります。

ものづくり白書の調査では、製造工程で導入・活用されている技術は、CAD/CAM、ロボット、プログラミング・ソフトウェア・情報システム、制御技術、センサーが多く、そのうちロボット・制御技術・センサーは、従業員301人以上の企業では導入が6割を超える一方、50人以下の企業では3割程度にとどまっています。設備にセンサーを付けて稼働状況を集めるIoTや、そのデータを分析するAI、実際の設備や工程のデータをもとに仮想空間に工場を再現して検証するデジタルツインは、いずれも規模の大きな企業ほど導入が進んでいる領域です。

ただし、センサーで設備の稼働時間を集めても、どの案件の作業か、計画に対して遅れているかを、受注や工程の記録と結び付けられなければ、改善に使いにくくなります。先に受注・工程・在庫の記録を案件単位でそろえておくと、後から設備のデータを足すときも、同じ案件番号や品番で結び付けられます。センサー・IoT・AIを使ったスマートファクトリーの考え方と、中小製造業が設備監視を後付けで始める進め方は、製造業のDXとスマートファクトリーの関係を解説した記事で詳しく説明しています。

製造業のデジタル化の進め方|6ステップと推進体制

製造業のデジタル化は、目的を決め、業務を棚卸しし、優先する業務を1つ選んで小さく試し、定着させてから広げる6ステップで進めます。

ステップやることものづくり白書の調査から分かること
1. 目的を決める納期遅れ・原価の把握・技能継承など、解決したい課題を1つに絞る導入のきっかけは「経営者・役員の発案」「社内からの要望(経営者・役員以外)」の順に多い
2. 業務を棚卸しする紙・Excel・個人の頭の中にある情報を洗い出す導入時に実施した事項では「費用対効果の検討」が多く、「業務の棚卸し」「予算の確保」「現場課題のデータによる可視化・分析」は全体で3割から4割程度
3. 優先する業務を1つ選ぶ記録が分かれていて、困りごとが大きい業務から着手する(上の業務別マップを参照)
4. 小さく試す一つのラインや、一部の案件で試し、入力のしやすさを確かめる先導役は「工場長・部門のリーダー」「経営トップ」が多い
5. 定着させる入力のルールを決め、現場に使い方を伝える定着のために最も多いのは「ビジョン・目標の社内での共有」で34.7%。特に何もしていない企業は21.6%で、規模が小さいほど多い
6. 広げ、データをつなぐ隣の業務へ広げ、受注から原価までの記録をつなげる(上の業務別マップを参照)

推進の体制について、白書は、デジタル技術の導入・活用で先導的な役割を果たした人材として「工場長・部門のリーダー」と「経営トップ」が多く、従業員50人以下の企業では特に経営トップが先導するケースが多いとしています。人材の確保は、約6割の企業が「社内人材の活用・育成」で行い、「ベンダー等への外部委託」は1割程度、「人材は確保していない」は26.1%です。社内に詳しい人がいなくても、導入前に業務を整理するところから、ベンダーの支援を使う方法もあります。

ツールを選ぶ前に、記録の表記ルールをそろえる

どのツールを使う場合も、品番、案件(製番)の番号、日付の書き方、数量の単位、置き場所の名前が担当者ごとにばらばらだと、データを集めても突き合わせられません。ステップ2の棚卸しのときに、この5つの表記ルールを決めておくと、後から受注・工程・在庫・原価の記録をつなげるときの手戻りを減らせます。表記ルールは、紙の帳票の段階から整えておいても無駄になりません。

次のセルフチェックで、いまの管理の仕方が、デジタル化を検討する段階かどうかを確かめてみてください。

自社の現場、紙・Excelの管理のままで足りていますか?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

デジタル化のメリットと、つまずきやすい点

製造業がデジタル化に期待する効果は、白書の調査では作業負担の軽減や作業効率の改善、品質の向上、生産体制の安定の順に多く、導入した企業の9割程度が効果を感じています。

  • 作業負担の軽減と効率の改善。転記や集計の手間が減り、現場が本来の作業に時間を使いやすくなります。
  • 品質の向上。検査記録や不具合の記録が残れば、製品・工程・担当と結び付けて原因を追いやすくなります。
  • 属人化の緩和と技能継承。手順や図面、実績がデータで残れば、特定の担当者の経験だけに頼る場面を減らしやすくなります。
  • 進捗と原価の見える化。案件ごとの状況を進行中に確認でき、納期遅れや赤字に早く気付けます。

効果を確かめるために、始める前に現在の数字を記録しておきます。たとえば、日報の転記と集計にかかる時間、納期に遅れた案件の件数、案件の原価が分かるまでの日数などです。導入後に同じ指標で比べないと、効果が分からず、対象を広げるかどうかも判断できません。

つまずきやすい点起きる理由避けるための考え方
紙とデジタルの二重管理が残る一部の業務や担当チームだけが紙のままで、転記が残る紙を残す業務を決め、転記の手間が大きい業務から置き換える。ベンダー事例でも、全業務を一度に切り替えず、紙が残る業務があると紹介されている
現場の入力負担が増える入力項目が多く、現場の作業と合っていない最初は項目を最小限にし、タブレットやバーコードなど現場の作業に合う入力方法を選ぶ
部門ごとにツールが別々になる部門ごとに別のExcelやソフトを使い、データがつながらない受注から原価まで、案件番号や品番で結び付けられる形に記録をそろえる
ツールの導入が目的になる解決したい課題が決まらないまま、ツールを選ぶ目的と、優先する業務を決めてからツールを比べる(ステップ1から3)
担当者任せになる推進役が決まらず、現場と経営が離れる工場長・部門のリーダーや経営トップが推進役になり、ビジョンと目標を社内で共有する

紙・Excelの記録が分かれ、案件ごとの進捗や原価の把握に手間がかかっている個別受注生産の中小製造業なら、FUSEのような生産管理システムの資料で、自社の業務に合う範囲(6つの機能領域のうちどこから導入できるか)を確認できます。量産が中心の工場や小売・卸の会社は主な対象ではないため、自社の業態に合うかを資料で確認してください。生産管理システムそのものの機能や選び方は、生産管理システムの機能やメリット・デメリットを解説した記事で説明しています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 製造業のデジタル化とは何ですか?

A. 紙・Excel・個人の経験に頼ってきた受注・生産計画・工程進捗・在庫・品質・原価などの情報をデータにし、ITの仕組みで扱える状態にすることです。総務省の整理では、特定の工程の効率化のためにデジタルツールを導入するデジタイゼーション、プロセス全体をデジタル化するデジタライゼーション、新たな価値を生み出すDXの順に段階が深まります。

Q2. 製造業のデジタル化とDX化の違いは何ですか?

A. デジタル化は、紙やExcelの情報をデータにし、業務のプロセスをデジタルで動かすことです。DXは、デジタル技術による新たな商品・サービスやビジネスモデルを通じて、社会制度や組織文化なども変革していく取り組みを指します。デジタル化はDXの土台にあたり、製造現場ではまず記録をデータでそろえるところから始めます。

Q3. 製造現場のペーパーレス化は可能ですか?

A. 可能です。作業指示書・作業日報・検査記録のような社内の帳票は、タブレット入力やバーコードの読み取りで紙を減らせます。取引先と電子でやりとりした見積書・注文書・請求書などは、電子帳簿保存法の電子取引のルールで保存が必要になります。すべてを一度に紙なしにせず、転記と集計の手間が大きい業務から置き換えるのが現実的です。

Q4. スマートファクトリー(スマート工場)とは何ですか?

A. 一般には、設備や工程のデータをセンサーやIoTで集め、分析して生産を最適化する工場を指します。ものづくり白書の調査では、ロボット・制御技術・センサーの導入は従業員301人以上の企業で6割を超え、50人以下では3割程度です。先に受注・工程・在庫の記録をそろえておくと、後から設備のデータを足しやすくなります。

Q5. 中小製造業は、デジタル化を何から始めればよいですか?

A. 解決したい課題を1つに絞り、紙やExcelで記録が分かれていて困りごとが大きい業務を1つ選んで、小さく試すところから始めます。受注・工程・在庫・原価のどれから始めるかは、業務別マップで整理できます。定着のために、ビジョンや目標を社内で共有することも重要です。

Q6. 製造業のデジタル化には、どのくらい費用がかかりますか?

A. 対象とする業務の範囲、利用するシステムの種類、導入する機能、運用環境によって大きく異なるため、一律の相場は示せません。ものづくり白書の調査では、導入時に費用対効果を検討する企業が多くなっています。業務を整理したうえで、複数の候補から見積や資料を取り、導入する範囲を絞って比べます。FUSEの料金もプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

まとめ|製造業のデジタル化で押さえたい6つのポイント

製造業のデジタル化は、紙・Excelの置き換えから始め、小さく試して定着させながら広げていく取り組みです。最後に、押さえておきたいポイントを6つにまとめます。

  1. 製造業のデジタル化とは、紙・Excel・個人の経験に頼ってきた生産現場の情報をデータにし、ITで扱える状態にすること。総務省の整理では、デジタイゼーション、デジタライゼーション、DXの順に段階が深まる。
  2. ものづくり企業の約8割が業務改善を行っているが、製造工程での実施率は50人以下で31.5%、301人以上で67.9%と規模による差がある。
  3. 対象は受注・計画・進捗・在庫と購買・品質・図面・保全・原価の8業務。記録が紙やExcelで分かれ、困りごとが大きい業務から着手する。
  4. 社内帳票のペーパーレス化は可能。取引先と電子でやりとりした書類は、電子帳簿保存法の電子取引のルールで保存が必要になる。センサー・IoT・AIは、記録をデータでそろえた後に進める。
  5. 進め方は、目的を決める、業務を棚卸しする、優先業務を1つ選ぶ、小さく試す、定着させる、広げる、の6ステップ。二重管理・入力負担・ツールの分断・目的の取り違え・担当者任せに注意する。
  6. 受注から原価までの記録を一つにつなぎたい個別受注生産の中小製造業は、生産管理システムを検討対象に加え、資料で自社の業務に合う範囲を確認する。

参考文献

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