医療AIの活用例|問診・記録・文書作成を業務別に東京都の事例で解説

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  • 業務別の医療AIの活用例がわかる
  • 東京都4事例の時間の変化と課題がわかる
  • 導入後の周知と情報の扱いの進め方がわかる

医療AIの活用例は、問診、診察中の記録、退院サマリや紹介状などの文書作成、オンコールや会議の連絡・調整、診断の支援という、病院や診療所の業務ごとに整理すると全体像をつかめます。東京都が公表している令和6年度の事例報告書では、AI問診で医師の問診票の転記時間が平均8分から0分になった病院や、生成AIによる文書作成で月約60時間の作業時間の削減が報告された病院があります。本記事では、この4つの報告書を中心に、業務別の活用例と、うまくいかなかった点、導入後に使い方や情報の扱いを現場へ定着させる進め方を整理します。内容は2026年10月22日時点で確認した公的資料にもとづきます。

自院でAIを使うなら、どこから整えるとよいかを2問で確認

Q1. いま一番時間を取られている業務はどれですか?

目次

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  1. 医療AIの活用例は?病院・診療所の業務別に5つに整理
  2. AI問診の活用例|受付・問診票の転記を減らした賛育会病院の報告
  3. 診察・回診中の記録の活用例|音声入力・AI議事録・AI通訳(森山脳神経センター病院)
  4. 文書作成の活用例|退院サマリ・紹介状・議事録を生成AIで作った赤羽東口病院
  5. 電話・オンコールの活用例|通話の文字起こしと診療録の下書き(松原アーバンクリニック)
  6. 診断・治療を支えるAIの活用例|事務や記録の活用例との違い
  7. 医療AIを院内で使い始める手順|東京都の事例に共通した進め方と、患者情報の扱い
  8. 導入後の定着を支える教育サービス3つの違い|医療AIの操作を教える教材ではなく、運営面の支え
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ|医療AIの活用例を踏まえて押さえたい6つのこと
  11. 参考文献

医療AIの活用例は?病院・診療所の業務別に5つに整理

医療AIの活用例は、問診・受付、診察中の記録、文書作成、連絡・調整、診断の支援の5つの業務に分けて整理できます。

患者さんが来院してから診察を受け、記録や書類が作られ、院内や地域の関係者へ連絡が回るまでの流れに沿って並べると、AIがどの場面で使われているかが見えやすくなります。東京都が公表している令和6年度の事例報告書(4件。東京都保健医療局「医療機関におけるAI技術活用促進事業の活用事例」)で確認できた内容も、あわせて示します。

業務AIの主な使われ方公的資料で確認できた例
問診・受付患者が症状を質問に答える形で入力し、結果を電子カルテに記載する表現で医師に表示する賛育会病院のAI問診(産婦人科・小児科)
診察中の記録診療中の発話をリアルタイムで文字にし、電子カルテへ反映する。会議の議事録や外国人患者への通訳にも使う森山脳神経センター病院の音声入力・AI議事録・AI通訳
文書作成電子カルテの情報から、退院サマリ・看護サマリ・紹介状・説明記録の下書きを生成する赤羽東口病院の生成AI
連絡・調整電話の通話を文字にし、診療録の下書きを自動で作って関係者へ共有する松原アーバンクリニックのオンコール支援
診断の支援画像から病変の候補を示すなど、診断や治療の判断を助ける厚生労働省が示した重点6領域(本記事の後半で整理)

診断や治療そのものを支えるAIは、薬機法で医療機器プログラム(SaMD)として扱われる場合があるため、制度の整理は医療AIとは?活用例・メリット・デメリットとSaMDの基礎知識に任せ、本記事では「現場の業務のどこで使われ、何が起きたか」に絞って、報告書の数字と課題を読み解きます。

どの活用例にも共通する、導入後の課題

4つの報告書の課題欄を読むと、AIの性能の話より先に、導入後の運用に関する記述が目立ちます。赤羽東口病院は、生成AIを単なる道具でなく医療プロセスを支援するパートナーとして受け入れる意識改革と、プロンプトの作り方のレクチャーやテンプレートの用意を対策に挙げています。賛育会病院は、AI問診の周知が浸透せず、来院前に問診を入力する患者が多くなかったと報告しています。森山脳神経センター病院は、複数のシステムを並行して導入した結果、現場ごとの理解度や定着度に差が出たとして、統一的な研修・サポート体制の整備を課題にしています。

患者の病歴は、個人情報保護法で要配慮個人情報とされています。AIに何を入力してよいか、出力を誰が確認するかを職員全員が同じ基準で理解していることが、導入後の土台になります。

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AI問診の活用例|受付・問診票の転記を減らした賛育会病院の報告

AI問診は、患者の入力を電子カルテ向けの文章にして医師に示す仕組みで、賛育会病院では紙の問診票で必要だった医師の転記時間が、サンプル15人の計測で平均8分から0分になりました。

賛育会病院は199床の急性期の病院で、産科・婦人科・内科・小児科などを標榜しています。これまでは、来院後に待合室で紙の問診票を書き、受付でスキャンし、看護師の口頭問診を経て診察室で医師が診察する流れでした。記入済みの問診票の管理、手書き文字の再確認、込み合う時間帯に待合室が満席で診察へ案内できない、といった負担があったと報告書にあります。

導入したAI問診は、患者の主訴に応じて質問を出し分け、来院前でも回答でき、結果画面が電子カルテに記載する表現で表示されるため、編集とコピー&ペーストで入力を効率化できる仕組みです。お薬手帳や紹介状の画像・PDFを文字起こしする機能も使えます。報告書の計測結果は次のとおりです。

項目導入前(2025年2月12-13日、15人)導入後(2025年3月31日-4月1日、15人)
患者の問診票の記入時間平均11分(紙)平均6-7分(AI問診)
医師の問診票の転記時間平均8分平均0分

導入後は、産婦人科と小児科で月に150-250件程度の問診が実施されました。2025年4月は産婦人科261件・小児科146件、5月は産婦人科209件・小児科264件です。産科では、AI問診の出力をもとに事務員が妊婦専用のアプリケーションへ入力しており、従来の紙の問診では足りなかった情報を追加で聞きに行く場面が減り、その時間を診療補助に充てられたとされています。

報告書に書かれた、うまくいかなかった点

  • 来院前に問診を入力してくる患者は多くなく、受付オペレーションはあまり変わらなかった
  • 高齢者はスマートフォンの入力に慣れておらず、紙の問診より時間がかかる場合があった
  • AIの質問が患者の意図しない方向へ進み、受付で質問への対処を聞かれるケースが増えた
  • 入力キーがローマ字入力に対応しておらず平仮名入力で、入力を諦める患者がいた
  • 日本語のみの対応で、外国籍の患者は使えなかった

このうち、来院前の入力の呼びかけや、診療科ごとにAIの柔軟な聴取と固定の質問リストを使い分けることは、病院側の運用で改善できます。一方、ローマ字入力や質問数、多言語対応は病院だけでは変えられず、システムの開発元への依頼が必要だと報告書は述べています。導入にあたり、外部のコンサルティングを併用し、運用フローを共同で作って約1か月で開始できた点も記載されています(出典:賛育会病院の事業成果報告書(令和6年度分))。受付や窓口での使い方を職員が同じ形で案内できるかは、定着を左右する部分です。

診察・回診中の記録の活用例|音声入力・AI議事録・AI通訳(森山脳神経センター病院)

音声入力は、診療中の発話を文字にして電子カルテへ反映する仕組みで、森山脳神経センター病院ではリハビリ記録や回診記録の作成時間が、1件あたり7-10分から2-6分程度になった事例が多く報告されています。

森山脳神経センター病院は149床の急性期・回復期の病院です。診察中の内容を後からキーボードで入力する運用による負担、外国人患者への通訳の不足、多職種カンファレンスの議事録作成の負担を課題として、音声入力システム(AmiVoice iNote、150IDのライセンス)、AI通訳機(MELON)、AI議事録作成システム(AmiVoice ScribeAssist)の3つを導入しました。

音声入力の使われ方と件数

音声入力は、主にリハビリ記録と病棟回診の記録で使われ、外来診察のカルテ入力は試験運用でした。記録件数は、2024年12月の約20件から、2025年1月に約90件、2月に約119件、3月に約171件へと増えています。報告書の削減時間の試算は、従来の7分と導入後の2分という最小値同士で比べた概算で、報告書自身が「あくまで概算としての目安」と注記しています。また、残業時間は導入期間中に明確な削減傾向が見られず、現状維持だったとも書かれています。

AI議事録とAI通訳

AI議事録は、患者カンファレンス(週7回以上)で使われ、1件30分-1時間かかっていた議事録の作成が、自動のドラフトを使うことで10-15分程度の修正と共有でできるようになりました。ただし累計の使用は18件にとどまり、複数人が重ねて発言する場面では誤認識が多く、順番に明瞭に話す、録音環境を整えるといった運用の工夫が必要だとされています。

AI通訳は、英語・中国語・ベトナム語・ヒンドゥー語の外国人入院患者7人に使われ、服薬指導、検査説明、退院時説明といった、理解度が重要な場面で有用だと報告されています。一方で、ライセンス費用の継続的な負担が課題として挙げられ、対象を入院患者の対応に絞って費用対効果を高める運用が取られています。

端末の管理でも課題がありました。音声入力用に安価なスマートフォンを100台導入したところ、モバイルデバイス管理(MDM)でWi-Fi設定を一括で制御できず、手作業の初期設定が必要になりました。導入の費用だけでなく、運用の手間まで含めて見積もることが、報告書の学びです(出典:森山脳神経センター病院の事業成果報告書(令和6年度分))。

文書作成の活用例|退院サマリ・紹介状・議事録を生成AIで作った赤羽東口病院

生成AIは、電子カルテの情報から退院サマリ・看護サマリ・紹介状などの下書きを作る使い方が中心で、赤羽東口病院では5つの業務の合計で、月約60時間の作業時間の削減が報告されています。

赤羽東口病院は73床の急性期・慢性期の病院です。電子カルテの記載、入退院時のサマリ、紹介状、患者向けの説明記録、議事録の作成が負担になっていたことから、生成AIのシステム(ユビーメディカルナビ生成AI)とコンサルティングサービスを導入しました。利用は、医師5名・看護師35名・事務その他10名程度を想定して始まり、月に350-400件程度使われています。報告書の業務別の数字は次のとおりです。

業務月の件数1件あたりの時間(導入前から導入後)主な職種
カルテ記載(問診内容の転記など)200件10分から5分医師・看護師
サマリ作成(退院・看護)100件30-60分から15-45分看護師
紹介状作成30件15分から5分医師
患者向け説明記録の作成20件20分から10分医師・看護師
議事録などの作成30件30分から10分事務その他

報告書は、この5業務の実際の削減時間を月60.03時間としています。ただし、目標の削減時間は合計219.7時間で、達成率は27.32%でした。内訳を見ると、サマリ作成(目標11.5時間に対し25時間)と議事録(目標6.5時間に対し10時間)は目標を上回った一方、カルテ記載(目標160時間に対し16.7時間)と紹介状(目標25時間に対し5時間)は目標を下回っています。AIを入れれば一律に減るのではなく、業務によって差が出ることが、この数字から読み取れます。

医療事務の業務でのAI活用

医療事務の分野では、事務職員が担う紹介状の作成や議事録の作成にAIが使われています。赤羽東口病院では、インターネットに接続した端末を医事課の事務室に置き、紹介状と議事録の作成に使いました。画像認識の機能で、お薬手帳や紹介状の文字起こしと要約を行い、電子カルテへの転記を効率化する使い方も報告書に挙げられています。AIの出力は下書きであり、内容の確認は人が行う前提です。

つまずいた点と、コンサルティングの併用

このAIは電子カルテ上のシステムではないため、文書を入力するときと生成された文書を取り込むときに、手作業のコピー&ペーストが生じます。用意されたプロンプト以外で指示を出すと意図しない出力になることもありました。対策として、プロンプトの作り方やAIの活用方法のレクチャー、事前のテンプレートの用意を行っています。また、要件定義を院内の職員が行う場合と比べ、コンサルタントが行うと総工数が120時間から40時間になったと報告書は記載しており、通常業務をしながらAIを一から学ぶ時間は確保できないため、コンサルの併用がなければ導入できなかったと述べています(出典:赤羽東口病院の事業成果報告書(令和6年度分))。

電話・オンコールの活用例|通話の文字起こしと診療録の下書き(松原アーバンクリニック)

オンコール支援は、通話を文字にしてAIが診療録の下書きを作る仕組みで、松原アーバンクリニックでは、電話対応後の診療録の作成時間が1件あたり15-20分短縮されたと報告されています。

松原アーバンクリニックは、在宅医療を担う診療所です。24時間体制での対応が求められ、診療時間外の電話対応や緊急往診が医師の負担になっていたことに加え、口頭のやり取りだけでは指示や症状の説明に齟齬が生じ、「言った言わない」のトラブルにつながるおそれがありました。そこで、通話の自動文字起こしと、AIによる診療録(SOAPなど)の下書きの自動作成、院内スタッフへの自動共有を備えたオンコール支援システムを開発しました。

下書きは「記録日時・情報種別・発信者情報」「相談の背景・問題点・希望内容」「即時の対応・予定の対応」の形で出力されます。導入後は、記録作成がサマリーの確認と軽微な修正で済むようになり、訪問看護師やケアマネジャーへ入電内容を共有する際も、自動出力されたサマリーをコピーしてチャットで送れば済むようになりました。職員間の連絡にかかる業務時間も、体感で1割程度減ったとされています。

報告書は、平日の日中・夜間・休日の件数と1件あたりの短縮時間から、約325時間の短縮を想定として示しています。ただし、これは想定であり、2025年7月時点の実装は日中のオンコールの1回線にとどまっています。夜間・休日への展開は今後の課題です。また、音声システムを新規開発するより既存のアプリと連結する判断をしたため、当初の予定より導入が遅れたことも記載されています(出典:松原アーバンクリニックの事業成果報告書(令和6年度分))。患者や家族との通話内容を扱うため、記録の扱いを職員が同じ基準で理解しておく必要があります。

薬局での調剤や服薬指導の支援はAI薬剤師の活用領域と法的リスク、美容医療の口コミ返信や広告の扱いはAIクリニックとは、医療分野のデジタル化の全体像は医療DXとはもあわせてご覧ください。

診断・治療を支えるAIの活用例|事務や記録の活用例との違い

診断・治療を支えるAIは、厚生労働省が2017年の報告書で、ゲノム医療・画像診断支援・診断・治療支援・医薬品開発・介護・認知症・手術支援の6つを開発を進めるべき重点領域として示しています。

厚生労働省の「保健医療分野におけるAI活用推進懇談会」の報告書(平成29年6月27日)は、日本の保健医療技術の強みと、解決すべき課題の両面から、この6領域を選びました。画像診断支援は、たとえばカプセル内視鏡の画像から注意すべき画像を抽出し、疾患候補名を表示することで、医師の負担を軽減できると記述されています。

東京都の4つの事例が扱った問診・記録・文書作成・連絡は、診断そのものではなく、診療を支える業務です。診断や治療の判断に使う目的のAIは、誤作動したときに患者の生命や健康に影響を与えるおそれがあるプログラムとして薬機法の医療機器プログラムに当たる場合があり、承認・認証の有無と使用目的の範囲の確認が必要です。記録や事務の支援が医療機器に当たるかどうかは、製品ごとの判断になります。制度の詳しい整理は医療AIとは?活用例・メリット・デメリットとSaMDの基礎知識を参考にしてください。

医療AIを院内で使い始める手順|東京都の事例に共通した進め方と、患者情報の扱い

医療AIの導入は、現場の課題の聞き取りから始め、AIを使う業務を絞り、業務の流れとマニュアルを整えて、説明会とリハーサルを経て本番に入る順で進められた事例が報告されています。

赤羽東口病院と賛育会病院が受けたコンサルティングの内容を整理すると、次の流れになります。

  1. 現場ヒアリング:AIを検討する前提として、現場の課題を聞き取る
  2. 活用余地の可視化:活用余地が高い業務領域の現在の業務を可視化し、導入のシミュレーションを行う
  3. 活用方法の提案:最適な活用領域とロードマップを決める
  4. 個別の設定:業務内容やシステム環境に合わせて設定を整える
  5. 新しい業務の流れとマニュアルの作成:職種や業務ごとのマニュアルを用意する
  6. 説明会:AIの基本的な仕組みと活用方法、マニュアルを使った操作を説明する
  7. 業務変更のリハーサル:本番の前に問題点を洗い出し、改善する
  8. プロジェクトの管理:進捗を見える化し、課題を解決する

患者の情報をAIへ入力する前に決めておくこと

患者の病歴は、個人情報保護法(第2条第3項)で要配慮個人情報とされ、取得には原則として本人の同意が必要です(同法第20条第2項。例外あり。条文はe-Gov法令検索で確認できます)。医療機関の情報システムの安全管理については、厚生労働省が医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第7.0版(令和8年6月)を公表しています。AIの入力画面に何を入れてよいか、出力を誰がどの手順で確認して記録に確定するかは、導入前に院内のルールとして決め、職員へ周知してください。なお、本記事は法的助言ではなく、個別の判断は法務担当や専門家に確認してください。

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導入後の定着を支える教育サービス3つの違い|医療AIの操作を教える教材ではなく、運営面の支え

医療AIの導入後に必要になる、使い方の周知、情報の扱いの研修、理解度の確認は、eラーニングで仕組み化できます。

東京都の4つの報告書に共通していたのは、プロンプトのレクチャー、説明会、マニュアル、統一的な研修・サポート体制といった、導入後の周知と定着の取り組みでした。ここで紹介する3つのサービスは、いずれも医療AIそのものの使い方を教える教材ではありません。商品ページに医療AI専用のコースの記載はなく、医療機関で使う場合は、院内で作ったAIの手順書やルールを教える仕組み、情報の取り扱いの研修、理解度の確認の仕組みとして使います。

院内で作ったAIの使い方の手順や入力のテンプレートを、学習プログラムにして職員が繰り返し学べるようにしたい場合の一例が、Smart Boardingです。商品ページには、自社独自の教育内容を学習プログラム化でき、LMS機能で受講者ごとの進捗や理解度を確認できること、自社オリジナルのコースの作成や学習進捗の管理が行えることが紹介されています。注意したい点として、電話やメールでの相談、教育プログラムの設計といった手厚いサポートを受けられるのは、「充実サポートプラン」のみです。運営は株式会社FCEで、料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 医療AIの活用例にはどのようなものがありますか?

A. 病院や診療所の業務別に、問診・受付、診察中の記録、文書作成、連絡・調整、診断の支援の5つに整理できます。東京都の令和6年度の事例報告書には、AI問診(賛育会病院)、音声入力・AI議事録・AI通訳(森山脳神経センター病院)、生成AIによる文書作成(赤羽東口病院)、通話の文字起こしと診療録の下書き(松原アーバンクリニック)が掲載されています。

Q2. 医療事務におけるAI活用とは?

A. 紹介状や議事録の作成、お薬手帳や紹介状の画像の文字起こしと要約、問診内容の電子カルテへの転記などの支援が挙げられます。赤羽東口病院では、医事課の事務室に端末を置き、紹介状と議事録の作成に生成AIを使いました。AIの出力は下書きとして扱い、内容の確認は人が行います。

Q3. AIを使った医療機器にはどんなものがありますか?

A. 画像診断を支援するもの(内視鏡やCT・MRIの画像から病変の候補を示す)など、診断や治療の判断を助けるものがあり、厚生労働省は画像診断支援や手術支援などを重点領域として示しています。個々の製品が医療機器に当たるか、承認・認証を受けているか、使用目的の範囲がどこまでかは、製品ごとに確認する必要があります。制度の整理は、本記事の前半で紹介した医療AIの解説記事を参考にしてください。

Q4. 医療AIを導入すると、業務時間はどれくらい減りますか?

A. 報告書の例では、赤羽東口病院が5つの業務の合計で月60.03時間、賛育会病院が医師の問診票の転記時間を平均8分から0分としています。一方で、赤羽東口病院は目標の削減時間の27.32%にとどまり、森山脳神経センター病院は残業時間に明確な削減傾向が見られなかったと報告しています。減る時間は業務や病院で異なるため、導入前に自院の業務の時間を測っておくと比較できます。

Q5. 患者さんの情報を生成AIに入力してもよいですか?

A. 一律には言えません。病歴は個人情報保護法で要配慮個人情報とされ、取得には原則として本人の同意が必要です。入力してよい情報の範囲、サービスのデータの扱い、出力の確認者を院内で決めてから使ってください。個別の判断は、法務担当や専門家に相談してください。

Q6. 医療AIの導入に使える補助はありますか?

A. 東京都は「医療機関におけるAI技術活用促進事業」を実施しており、令和6年度の活用事例を公表しています。東京都のサイトには令和8年度の事業ページもありますが、対象や条件、募集の時期は年度ごとに変わります。東京都以外の医療機関は、所在地の自治体の案内も確認してください。最新の内容は、各自治体の公式ページで確認してください。

まとめ|医療AIの活用例を踏まえて押さえたい6つのこと

医療AIの活用例は、業務ごとに見ると、問診・記録・文書作成・連絡の支援が現場で動き始めています。数字には業務ごとの差があり、つまずきの多くは周知と運用に関わっていました。

  1. 医療AIの活用例は、問診・受付、診察中の記録、文書作成、連絡・調整、診断の支援の5つに整理できる
  2. 東京都の4事例では、問診票の転記時間の短縮や月約60時間の削減が報告された一方、目標に届かない業務や残業時間が変わらなかった例もある
  3. つまずきは、来院前の入力の周知、高齢者の操作、ローマ字入力や多言語対応などの製品仕様、複数システムの定着度の差に表れた
  4. 診断や治療の判断に使うAIは、薬機法の医療機器プログラムに当たる場合があり、承認・認証と使用目的を確認する
  5. 患者の病歴は要配慮個人情報にあたるため、入力してよい情報と出力の確認者を、導入前に院内で決める
  6. 導入後の周知・研修・理解度の確認を仕組み化するため、eラーニングの資料を取り寄せて比較する

活用例を知ることは入口にすぎません。自院の業務のどこに時間がかかっているかを測り、1つの業務から小さく始めて、結果を確かめながら広げてください。

参考文献

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