DXエンジニアとは?仕事内容・スキル・資格・年収・なり方を解説
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- DXエンジニアの意味と役割がわかる
- 必要なスキルと資格の考え方がわかる
- 年収の確かめ方と学び方がわかる
DXエンジニアとは、企業のDX(データとデジタル技術を使って、製品・サービスや業務、組織を変えていく取り組み)を、システムやソフトウェアの設計・開発・運用の面で支えるエンジニアの総称です。経済産業省とIPAのデジタルスキル標準に「DXエンジニア」という名前の類型はなく、会社や求人によって指す範囲が異なります。この記事では、ITエンジニアとの違い、仕事内容、必要なスキル、資格、年収の確かめ方、未経験からのなり方、働き先の違いと将来性を、公的な資料をもとに整理します。社内でDXを進める立場の方に向けて、最初に任せやすい業務の題材も紹介します。
社内のDX、最初の題材はどこから?2問で目安がわかります
Q1. 社内で最初にデジタル化したいのは、どちらに近いですか?
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目次
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- DXエンジニアとは|意味と、社内で最初に任されやすい仕事
- ITエンジニアとの違いと、デジタルスキル標準での位置づけ
- DXエンジニアの仕事内容|構想から運用までの4つの段階
- DXエンジニアの働き先|事業会社の社内か、IT企業・コンサルか
- DXエンジニアに必要なスキル|技術・業務理解・巻き込む力
- DXエンジニアに役立つ資格|必須ではないが、学ぶ範囲の目安になる
- DXエンジニアの年収|専用の公的統計はなく、近い職種で確かめる
- DXエンジニアになるには|未経験から目指す3つのルート
- DXエンジニアの将来性と需要|人材不足と、AI・データの重要性
- 社内でDXを進めるなら|エンジニアの採用・育成と、既製サービスの使い分け
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|DXエンジニアを理解するために押さえる5つのこと
- 参考文献
DXエンジニアとは|意味と、社内で最初に任されやすい仕事
DXエンジニアとは、企業のDXを、システムやソフトウェアの設計・開発・運用の面で支えるエンジニアの総称です。公的な職種名ではなく、会社や求人ごとに指す範囲が違います。
経済産業省は、DXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義しています(デジタルガバナンス・コード2.0、令和4年9月13日改訂。近畿経済産業局の資料に掲載)。DXエンジニアの仕事は、システムを作ること自体ではなく、作ったシステムで業務やビジネスを変えることが目的です。
最初の題材は、社内の手続きと案件の収支に出やすい
DXの題材は会社ごとに違いますが、社内で進める場合に手を付けやすいのは、紙やExcelで回している申請・承認の手続きと、案件ごとの工数や原価の管理です。どちらも、紙やExcelで回しているうちはデータが部署や担当者ごとに分かれやすく、システムに載せ替えると変化が見えやすい業務です。自社で作る方法のほかに、既製のサービスを使う選択肢があります。3つのサービスの役割の違いを、先に表で確認します。
DXの最初の題材を支える3つのサービス|役割の違い
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:コラボフロー。承認経路を直感的な操作で設計でき、運用中にフォームレイアウトの追加・修正もできます。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:MA-EYES。導入形態を「SaaS」「SaaS+」「一括」の3種から選べ、プロジェクト管理向けと広告業向けのサービスがあります。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:ZAC。必要な機能とライセンス数を組み合わせて利用を始められ、案件ごとの個別原価計算を自動化できます。
資料を無料ダウンロード| サービス | MA-EYES |
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|---|---|---|---|
| 向いている会社 | 社内の申請・承認を、Excelの帳票を活かしながらシステム化したい会社 | プロジェクト単位の収支管理や広告業向けの販売管理を、規模や予算に応じた導入形態で進めたい会社 | IT・広告・クリエイティブ・コンサルティングなど、案件・契約・プロジェクト単位で業務を進める会社 |
| 特徴 | Excelで作成した帳票や申請書をそのままWebフォームに変換できる。あらかじめ用意されたパーツで承認経路を設計できる。運用中にフォームレイアウトの追加・修正ができる | 導入形態を「SaaS」「SaaS+」「一括」の3種から選べる。「プロジェクト管理向け」「広告業向け」の2つのサービスがある。導入後のサポートサービスが紹介されている | プロジェクト・案件・売上明細の3階層で売上を管理でき、個別原価計算を自動化できる。必要な機能とライセンス数だけを組み合わせて利用開始できる |
| 注意したい点 | クラウド版には、1ユーザーにつき5GBの容量制限がある | 導入形式によって、一部使えない機能がある | 詳しい料金やプランを確認するには、問い合わせが必要 |
| 資料・詳細 |
3サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)
まとめて資料をダウンロード表は横にスクロールできます。3サービスの内容は商品ページで確認した情報です(確認日2026年10月22日)。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
社内の申請・承認を、紙やExcelからシステムに移す場合の一例が、株式会社コラボスタイルのコラボフローです。商品ページでは、Excelで作成した帳票や申請書をそのままWebフォームに変換できること、あらかじめ用意されたパーツを並べて承認経路を設計できること、運用中でもフォームレイアウトの追加・修正ができることが紹介されています。一方で、クラウド版には1ユーザーにつき5GBの容量制限があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
おすすめ!
- 誰でも思い通りのワークフローを簡単作成
- シンプルかつ直感的な操作で承認経路を設計
- 運用中にフォームレイアウトの追加・修正が可能
気になる…
- コラボフローのクラウド版には、1ユーザーにつき5GBの容量制限がある
コラボフローの導入事例では、島津サイエンス株式会社の企画部の担当者が、社内でコラボフローの設定を担当したのは1人で、約30種類あった従来のワークフローを1か月で切り替えたと述べています(事例ページの公開日は2024年6月25日)。少人数で社内の手続きを載せ替える例として参考になります。
社内でコラボフローの設定を担当したのは私1人なのですが、約30種類あったワークフローを1ヵ月ですべて切り替えることができました。
出典:コラボフロー 導入事例 島津サイエンス株式会社
案件ごとの収支を管理する2つのサービス(MA-EYESとZAC)は、後の「働き先」の章で紹介します。
ITエンジニアとの違いと、デジタルスキル標準での位置づけ
ITエンジニアとDXエンジニアの違いは、DXエンジニアが技術を使って、業務やビジネスの変革まで見据える点にあります。ただし線引きは会社ごとに違い、重なる部分が大きい職種です。
違いの目安
次の表は、仕事の目的と関わる相手の違いを、本記事で整理した目安です。公的な基準ではないため、実際の求人では、任される範囲を確かめてください。
| 観点 | ITエンジニア | DXエンジニア |
|---|---|---|
| 主な目的 | 要件に沿って、システムやソフトウェアを設計・開発・運用する | 業務やビジネスを変えるために、システムとデータを使う |
| 関わる相手 | 開発・運用チーム、システムの利用部門 | 業務部門や経営層も含め、関係者を巻き込んで進める |
| 成果の見方 | 稼働、品質、納期 | 業務の変化、データの活用、変革の定着 |
| 求められる力 | 設計・実装・運用の技術 | 技術に加えて、課題を設定する力と、関係者と進める力 |
デジタルスキル標準の6類型で見る
経済産業省とIPAのデジタルスキル標準(2026年4月にver.2.0を公表)のDX推進スキル標準は、DXの推進に必要な役割を6つの類型に区分しています。「DXエンジニア」という類型名はなく、エンジニアの仕事は、主にソフトウェアエンジニア、データマネジメント、データサイエンティスト、サイバーセキュリティの各類型に分かれます。
| 類型 | 役割(定義の要旨) | マナビDXのロールの例 |
|---|---|---|
| ビジネスアーキテクト | ビジネスや業務の変革の目的を定義し、ビジネスモデルと業務プロセスを設計して、関係者をまとめながら成果を出す役割 | ビジネスアーキテクト、ビジネスアナリスト、プロダクトマネージャー |
| デザイナー | 顧客・ユーザーの視点なども踏まえ、製品・サービスの方針や開発のプロセスを決め、そのあり方のデザインを担う役割 | サービスデザイナー、UX/UIデザイナー、コミュニケーションデザイナー |
| データサイエンティスト | データを活用した業務変革や新規ビジネスのため、データの収集・解析やAIシステムの仕組みの設計・実装・運用を担う役割 | データビジネスストラテジスト、データサイエンスプロフェッショナル |
| データマネジメント | データの安全性・信頼性の確保と継続的な流通の仕組みを設計・実装・運用し、データによる価値創出を促す役割 | データスチュワード、データエンジニア、データアーキテクト |
| ソフトウェアエンジニア | デジタル技術を活用した製品・サービスを提供するためのシステムやソフトウェアの設計・実装・運用を担う役割 | フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、クラウドエンジニア/SRE、フィジカルコンピューティングエンジニア |
| サイバーセキュリティ | 業務プロセスを支えるデジタル環境のサイバーセキュリティリスクの影響を抑える対策を担う役割 | サイバーセキュリティマネージャー、サイバーセキュリティエンジニア |
定義はIPAのDX推進スキル標準(DSS-P)概要、ロールの例はマナビDXの「目指すロール」から引用しています(2026年10月22日確認)。DX推進スキル標準は、DXを推進する人材が、他の類型とのつながりを積極的に作り、巻き込みや手助けを行うことを重視しています。エンジニアであっても、1つの類型だけで完結しない点が、ITエンジニアとの違いです。
エンジニア職でも、顧客の導入後の定着を支えるカスタマーサクセスエンジニアのように、技術と顧客の課題の両方に関わる職種があります。詳しくは、カスタマーサクセスエンジニアとは|主な業務内容や必要なスキルを解説で整理しています。
DXエンジニアの仕事内容|構想から運用までの4つの段階
DXエンジニアの仕事は、課題の整理、システムの設計・開発、データの整備と活用、運用・保守とセキュリティの4つの段階に分けて考えると、全体をつかみやすくなります。
1. 課題を整理し、何をデジタル化するか決める
最初の仕事は、どの業務を、何のために変えるのかを決めることです。デジタルスキル標準のビジネスアーキテクトの類型は、変革で実現したい目的を定義したうえで、業務プロセスを設計し、関係者をコーディネートして成果を出す役割とされています。エンジニアがこの段階に関わる場合は、現場の担当者から業務の流れを聞き取り、システムで置き換えられる部分と、運用の見直しが必要な部分を分けます。
2. システムを設計・開発・刷新する
決めた題材を、システムとして形にする段階です。ソフトウェアエンジニアの類型の中心は、システムやソフトウェアの設計・実装・運用です。経済産業省の「DXレポート」(2018年9月)は、既存システムが老朽化・複雑化・ブラックボックス化すると、新しいデジタル技術を導入しても、データの利活用や連携が限られ、効果が限定的になると指摘しています。新しく作ることだけでなく、既存システムとの接続や刷新も、DXエンジニアの仕事になります。
社内の申請・承認のように、他社でも共通する標準的な業務は、一から作らず、既製のワークフローシステムを使う方法もあります。自作と既製のどちらが向くかは、後の「社内でDXを進めるなら」の章で整理します。
3. データを整え、活用する
システムを動かすと、業務のデータが残ります。データを整え、分析や意思決定に使えるようにする段階です。経済産業省は、デジタルスキル標準ver.2.0で、AI活用の前提となるデータの整備・管理・利活用を担う役割の重要性が一層高まっているとして、データマネジメントの類型を新設しました。データを集める仕組み、品質を保つ仕組み、安全に流通させる仕組みを作ることが、DXエンジニアの仕事に含まれる場合があります。
4. 運用・保守とセキュリティを担う
作って終わりではなく、動かし続ける段階です。障害への対応、利用部門からの改善要望、権限の管理、サイバーセキュリティ対策が含まれます。デジタルスキル標準は、サイバーセキュリティを、業務プロセスを支えるデジタル環境のリスクの影響を抑える対策を担う役割として別の類型にしています。小さな会社では、1人が複数の段階を兼ねることも多くなります。
DXエンジニアの働き先|事業会社の社内か、IT企業・コンサルか
DXエンジニアの働き先は、事業会社の社内(情報システム部門やDX推進部門)と、DXを支援するIT企業やコンサルティング会社に大きく分かれ、仕事の進め方が変わります。
日本のIT人材は、IT企業に偏っている
IPAが2023年3月に公表した「DX白書2023」の追記では、日本の情報処理・通信に携わる人材のうち、IT企業に所属する割合は73.6%(2020年国勢調査)で、米国の35.1%(2021年職業雇用統計)を大きく上回りました。IPAのプレス発表によると、日本の割合は2015年の72.0%から大きく変わっていません。経済産業省の「DXレポート」(2018年)も、ユーザー企業(事業会社)におけるIT人材の不足が深刻で、ベンダー企業に頼らざるを得ない現状を課題に挙げています。
このため、事業会社の社内にDXエンジニアがいない会社では、外部のIT企業やコンサルティング会社に支援を頼む場面が多くなります。働く側から見ると、次の違いがあります。
| 観点 | 事業会社の社内 | IT企業・コンサル側 |
|---|---|---|
| 主な仕事 | 自社の業務やシステムを変える。業務部門と近い距離で、長く改善を続ける | 顧客企業の課題に合わせて、構想から開発・運用までを支援する |
| 関わる相手 | 自社の業務部門、経営層、外部の委託先 | 顧客企業の担当者、自社のプロジェクトメンバー |
| 成果の見え方 | 自社の業務の変化として見える | 案件ごとの納品・成果として見える。案件ごとの収支と工数も管理される |
| 確かめたい点 | 社内にエンジニアが何人いて、どこまで任されるか | 担当する案件の種類と、役割の範囲 |
案件単位で働く会社では、工数がそのまま原価になる
IT企業やコンサルティング会社のように、案件(プロジェクト)単位で仕事を進める会社では、エンジニアの工数がそのまま案件の原価になります。誰を、どの案件に、どれだけ割り当てるかを管理しないと、案件ごとの収支が見えません。工数や原価を表計算ソフトで集計していると、集計の手間と入力の漏れが増えやすくなります。社内にこうした管理の仕組みがない会社では、DXの題材になりやすい業務です。
案件ごとの収支と原価を管理する場合の一例が、株式会社オロのZACです。商品ページでは、プロジェクト・案件・売上明細の3階層で売上を管理でき、個別原価計算を自動化できること、販売管理や経費管理など必要な機能とライセンス数だけを組み合わせて利用を始められることが紹介されています。一方で、詳しい料金やプランを確認するには問い合わせが必要です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社オロ
ZAC
株式会社オロ
ZAC
業務を統合し効率化!案件・契約・プロジェクト単位で業務進行する企業におすすめ
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- タイムリーなプロジェクト管理で利益の着地が可視化できる
- 個別原価計算の自動化で業務を効率化できる
- 分析や管理により的確な経営判断ができ、企業を成長へ導く
気になる…
- 詳しい料金やプランを確認するには問い合わせが必要
-
見積発行の際、承認を電子化できる。また、低粗利で提案する際、ユーザーが各上長に直接フェイストゥフェイスでお伺いを立てなくとも、電子的に承認に入れるため、履歴も残り、管理の観点で負担軽減になる。
ZACの導入事例では、株式会社カヤックの代表取締役CEOが、デザイナー、ディレクター、エンジニアなどの人材をプロジェクトに割り当てる会社で、プロジェクトに投入する時間がそのまま原価になると述べています(同社は2010年8月からZACを稼働しており、事例ページは古い時期の内容です)。
当社事業ではメンバーをプロジェクトに投入する時間がそのままプロジェクトの原価となりますから、誰を、どのプロジェクトに、どれだけアサインするかについて細かくリソース管理をすることで正確な原価見込を立てています。
出典:ZAC 導入事例 株式会社カヤック
導入の形や機能を、自社の事業や規模に合わせて選びたい場合の一例が、株式会社ビーブレイクシステムズのMA-EYESです。商品ページでは、導入形態を「SaaS」「SaaS+」「一括」の3種から選べること、「プロジェクト管理向け」「広告業向け」の2つのサービスがあること、導入後のサポートサービスがあることが紹介されています。一方で、導入形式によって一部使えない機能があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社ビーブレイクシステムズ
MA-EYES
株式会社ビーブレイクシステムズ
MA-EYES
自由度の高さも◎規模や予算に応じて導入したい方におすすめ
おすすめ!
- 導入形態が「SaaS」「SaaS+」「一括」の3種から選べてニーズにあわせやすい
- 「プロジェクト管理向け」「広告業向け」の2つのサービス提供
- 導入後も安心して使える手厚いサポートサービスが魅力
気になる…
- 導入形式によって一部使えない機能がある
MA-EYESの導入事例では、テックファーム株式会社が、導入前は案件・プロジェクト管理、請求管理、帳票管理を別々のシステムで行っており、データの多重入力が発生して、経営情報を瞬時に把握できなかったと述べています(事例ページは2016年5月現在の内容)。
業務情報が個別のシステム毎に分散していたため、データの多重入力処理が発生し、経営情報を瞬時に把握できないという課題がありました。
出典:MA-EYES 導入事例 テックファーム株式会社
ZAC
案件ごとの工数と原価を、別々の表で集計していませんか?
こんな会社に向いています
プロジェクト単位で、収支や原価を見たい会社
エンジニアの工数を、案件の原価につなげて把握したい会社
DXエンジニアに必要なスキル|技術・業務理解・巻き込む力
DXエンジニアに必要なスキルは、システムの設計・実装・運用の技術、業務や課題を理解する力、関係者を巻き込んで進める力、学び続ける姿勢の4つに整理できます。
| スキル | 中身 | 学ぶ手がかり |
|---|---|---|
| 技術 | ソフトウェア開発、クラウドなどのデジタルテクノロジー、データの整備と活用、セキュリティ | マナビDXの実践講座(ソフトウェア開発、デジタルテクノロジー、データ整備・活用、セキュリティなど) |
| 業務や課題の理解 | 現場の業務の流れを聞き取り、何を変えれば成果につながるかを整理する | DXリテラシー標準の「Why(DXの背景)」「What(データ・技術)」「How(利活用)」 |
| 巻き込む力 | 業務部門や他の専門職と協力して進める。他の類型の巻き込みや手助けを行う | DX推進スキル標準の「類型どうしの協働」の考え方 |
| 学び続ける姿勢 | 変化に合わせて、自分の責任で学び続ける | マナビDXのリテラシー講座(マインド・スタンスの項目) |
DXリテラシー標準の全体像は、DXの背景(Why)、DXで活用されるデータ・技術(What)、データ・技術の利活用(How)と、新しい価値を生み出すための土台となるマインド・スタンスで構成されています(IPAのDXリテラシー標準(DSS-L)概要)。マナビDXは、マインド・スタンスの項目として、顧客・ユーザーへの共感、常識にとらわれない発想、反復的なアプローチ、変化への適応、コラボレーション、柔軟な意思決定、事実に基づく判断を挙げています。
経済産業省は、デジタルスキル標準の説明の中で、働き手一人ひとりが自身の責任で学び続けることが重要だと述べています(経済産業省「デジタルスキル標準」)。技術だけでなく、変化に合わせて学び直す姿勢が、DXエンジニアに求められる土台になります。
DXエンジニアに役立つ資格|必須ではないが、学ぶ範囲の目安になる
DXエンジニアになるために必須の資格はありませんが、IPAの情報処理技術者試験やクラウドベンダーの認定資格が、学ぶ範囲を整理する目安になります。
job tagは、システムエンジニア(Webサービス開発)への入職について、特に学歴や資格は必要とされないが、大学や専門学校、高専などでコンピューター関係を学んできた人が多いと説明しています(厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)、2026年10月22日確認)。資格は、経験の代わりではなく、学習の順序と知識の幅を示す手がかりとして使います。
| 資格・試験 | 位置づけ(IPAの試験区分情報による) |
|---|---|
| ITパスポート試験(IP) | 全ての社会人に共通する知識。DXリテラシー標準(DSS-L)の知識・スキルの習得に「特に有用」とされている |
| 情報セキュリティマネジメント試験(SG) | ITの安全な利活用を推進する人向けの基本的知識・技能。DSS-Lの習得に「有用」とされている |
| 基本情報技術者試験(FE) | 情報処理技術者の基本的知識・技能 |
| 応用情報技術者試験(AP) | 情報処理技術者の応用的知識・技能 |
| 高度試験(ITストラテジスト、システムアーキテクト、プロジェクトマネージャ、ネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリスト、情報処理安全確保支援士など) | 情報処理技術者の高度な知識・技能。専門分野ごとに区分されている |
試験区分はIPAの試験区分一覧の記載です。令和8年度の応用情報技術者試験、高度試験、情報処理安全確保支援士試験は、CBT方式で実施されます。受験の時期や申込みは、IPAの公式ページで確認してください。
クラウドを使ったシステム開発では、クラウドベンダーが提供する認定資格もあります。AWS認定、Google Cloud認定、Microsoft認定資格の各公式ページで、試験の種類と対象を確認できます。自分が目指すロールと、実務で使うクラウドに合わせて選びます。
DXエンジニアの年収|専用の公的統計はなく、近い職種で確かめる
DXエンジニアの平均年収を示す公的な統計は、2026年10月22日時点で確認できませんでした。近い職種の公的データで目安をつかみ、求人票の内訳と見比べます。
厚生労働省のjob tag(システムエンジニア(Webサービス開発))は、全国の賃金(年収)を、令和7年賃金構造基本統計調査の結果から578.5万円と掲載しています(同ページの平均年齢は37.1歳)。同じページには、厚生労働省が2023年度に実施した委託調査に基づく、スキルレベル別の年収の範囲も載っています。「設計・構築」の区分では、次のとおりです。
| ITSSのレベル | 年収の範囲(設計・構築) |
|---|---|
| レベル1-2 | 420.0万円から620.0万円 |
| レベル3 | 450.0万円から700.0万円 |
| レベル4 | 500.0万円から780.0万円 |
| レベル5以上 | 600.0万円から950.0万円 |
job tagの各職業の統計は、その職業だけを集計したものとは限りません。DXエンジニアの年収は、働き先が事業会社かIT企業か、担う役割はどの類型に近いか、経験の年数はどれくらいかで大きく変わります。求人票を見るときは、年収の内訳と、任される役割を確認し、賃金構造基本統計調査やjob tagの近い職種の値と見比べてください。求人票の見方は、DX求人の見方|職種・年収の確かめ方・採用が難しい理由・求人票の書き方を解説でも整理しています。
DXエンジニアになるには|未経験から目指す3つのルート
DXエンジニアになるルートは、IT未経験から学ぶ、ITエンジニアとして経験を積んで広げる、事業会社の業務側から入るの3つで、どの場合も学習と実務の両方が必要です。
1. IT未経験から学ぶ
job tagによると、システムエンジニア(Webサービス開発)の新卒者は、座学やOJTで開発のスキルを学び、要件定義から稼働後のサポートまでができるようになると、Webサービスを1人で作り上げる力がつくとされています。未経験から目指す場合も、まず基礎を学び、小さな開発や業務の改善を経験する流れが基本です。マナビDXは、デジタルスキル標準などのスキル標準への対応を経済産業省とIPAが審査し、合格した講座のみを掲載しています(2026年10月22日確認)。
2. ITエンジニアとして経験を積み、役割を広げる
すでに開発や運用の経験がある場合は、業務部門との調整や、データ活用、クラウドへの移行など、変革に近い案件に関わる機会を増やします。デジタルスキル標準の類型で、いまの自分に近い類型(ソフトウェアエンジニア、データマネジメントなど)を確かめ、隣の類型の知識を足していくと、役割を広げやすくなります。
3. 事業会社の業務側から入る
営業、経理、人事などの業務を理解している人が、デジタルの知識を学んでDXの担当になる道もあります。業務の課題がわかることは、DXエンジニアにも求められる力です。DX人材の定義と育成の進め方は、DX人材とは|DSS-P ver.2.0の6類型と中小企業の育成・確保の進め方と、DX人材育成とは|進め方5ステップ・DSS-LとDSS-P・助成金・事例を解説で整理しています。
最初に取り組む順序の目安
- 目指す類型とロールを、マナビDXで1つ決める
- DXリテラシー標準に沿った基礎講座で、DXの背景とデータ・技術を学ぶ
- ロールに合う実践講座で、技術を1つ選んで学ぶ
- 業務の中の小さな手作業を1つ選び、システムや既製のサービスで置き換えてみる
- ITパスポート試験や基本情報技術者試験で、知識の幅を確かめる
DXエンジニアの将来性と需要|人材不足と、AI・データの重要性
DXを担う人材は不足していると答える企業が多く、需要は高い状態にありますが、求められる役割はAIやデータ活用の進展に合わせて変わっていきます。
IPAの「DX動向2025」では、DXに取り組む日本企業のうち85.1%が、DXを推進する人材の量が「やや不足」または「大幅に不足」していると答えています。質の面でも、「過不足はない」は3.8%にとどまります(IPA「DX動向2025」)。経済産業省の「DXレポート」(2018年)は、既存システムの課題を克服できない場合、DXが実現できないだけでなく、最大で年12兆円の経済損失が生じる可能性があると指摘し、課題の1つとして、ユーザー企業のIT人材不足も挙げています(経済産業省「DXレポート」)。
一方で、役割は固定ではありません。デジタルスキル標準は、2026年4月のver.2.0で、AIの活用が進む中でデータの整備・管理・利活用を担う役割の重要性が高まっているとして、データマネジメントの類型を新設しました。将来性は、1つの技術に頼るのではなく、変化に合わせて学び続け、業務の課題から考えられるかどうかで決まります。
社内でDXを進めるなら|エンジニアの採用・育成と、既製サービスの使い分け
社内でDXを進める場合は、エンジニアを採用・育成するだけでなく、既製のサービスで置き換えられる業務を先に見極めると、エンジニアが取り組む課題を絞り込めます。
選択肢は、採用、社内での育成、外部への委託、既製のサービスの利用の4つです。採用は、DX求人の見方で求人票に書く内容を整理できます。育成は、前の章で紹介した記事のほか、マナビDXなど国の仕組みを使う方法があります。外部への委託は、案件の範囲と、社内に残すべき知識を決めておくことが前提です。
申請・承認や案件の収支のように、他社でも共通する標準的な業務は、既製のサービスを使うと、エンジニアが自社の事業に固有の課題に集中できます。次のチェックで、自社に当てはまる業務を確かめてください。エンジニア向けの業務では、タスクや案件の進捗を共有する仕組みも必要になることがあります。比較は、エンジニア向けタスク管理ツールのおすすめ13選を徹底比較!プロジェクト管理との一本化や情報共有効率化もを参考にしてください。
自社のDXの題材、既製のサービスで足りる業務はある?セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
チェックが少なかった場合は、現在の運用で足りている可能性が高いです。多かった場合も、すべてを一度に変える必要はなく、手作業が最も多い業務から1つ選んで試すと、効果を確かめながら進められます。
よくある質問(FAQ)
Q1. DXエンジニアとは何ですか?
A. DXエンジニアとは、企業のDXを、システムやソフトウェアの設計・開発・運用の面で支えるエンジニアの総称です。公的な職種名ではなく、経済産業省とIPAのデジタルスキル標準にも「DXエンジニア」という類型名はありません。会社や求人によって、指す範囲が異なります。
Q2. ITエンジニアとDXエンジニアの違いは何ですか?
A. ITエンジニアはシステムの設計・開発・運用を担う技術職の総称で、DXエンジニアはその技術を、業務やビジネスの変革に結びつける役割を指すことが多いです。線引きは会社ごとに違い、重なる部分が大きいため、求人票で仕事内容と任される範囲を確かめてください。
Q3. DXエンジニアの平均年収はどのくらいですか?
A. DXエンジニアだけを集計した公的な年収統計は、2026年10月22日時点で確認できませんでした。近い職種として、厚生労働省のjob tagは、システムエンジニア(Webサービス開発)の全国の年収を、令和7年賃金構造基本統計調査から578.5万円と掲載しています。会社の種類や経験で幅があります。
Q4. DXエンジニアになるために資格は必要ですか?
A. 必須の資格はありません。job tagも、システムエンジニア(Webサービス開発)への入職に、特に学歴や資格は必要とされないと説明しています。ITパスポート試験や基本情報技術者試験などは、学ぶ範囲を整理する目安になります。
Q5. 未経験からDXエンジニアになれますか?
A. 目指すことはできますが、学習と実務の経験が必要です。経済産業省とIPAが運営するマナビDXで、目指すロールに合う講座を選んで基礎を学び、小さな業務の改善から経験を積む方法があります。未経験歓迎の求人かどうかは、任される範囲と育成の仕組みで見極めます。
Q6. DXエンジニアに将来性はありますか?
A. IPAの「DX動向2025」では、DXに取り組む日本企業のうち85.1%が、DXを推進する人材の量が「やや不足」または「大幅に不足」していると答えています。一方で、AIやデータ活用の進展に合わせて求められる役割は変わるため、学び続けることが前提になります。
まとめ|DXエンジニアを理解するために押さえる5つのこと
DXエンジニアとは、企業のDXを、システムやソフトウェアの設計・開発・運用の面で支えるエンジニアの総称です。次の5つから、取り組みやすいものを選んで始めてください。
- 意味を押さえる:公的な職種名ではなく、デジタルスキル標準の類型で役割を確かめる
- 違いを知る:ITエンジニアとの違いは、技術で業務やビジネスの変革まで見据える点
- 働き先を選ぶ:事業会社の社内か、IT企業・コンサルかで、仕事の進め方と成果の見え方が変わる
- 学び方を決める:必須の資格はなく、マナビDXや情報処理技術者試験で、学ぶ範囲を整理する
- 社内の題材を探す:申請・承認や案件の収支など、手作業が残る業務を見つけ、既製のサービスの資料を確認して検討する
なお、本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。年収や資格、求人の条件は、公式ページと求人票で最新の内容をご確認ください。
参考文献
- 近畿経済産業局「DXに関する経済産業省の施策紹介」(令和5年3月):https://www.kansai.meti.go.jp/2-7it/k-IoTsuisin/DXsesaku_ver1.pdf
- 経済産業省「デジタルスキル標準」(2026年4月 ver.2.0):https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/skill_standard/main.html
- IPA「DX推進スキル標準(DSS-P)概要」:https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/dss/about_dss-p.html
- IPA「DXリテラシー標準(DSS-L)概要」:https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/dss/about_dss-l.html
- マナビDX(経済産業省・IPA):https://manabi-dx.ipa.go.jp/
- IPA「DX動向2025」:https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-trend/dx-trend-2025.html
- IPA「情報処理・通信に携わる人材数の日米比較を追加し、「DX白書2023」印刷書籍版PDFを公開」(2023年3月16日):https://www.ipa.go.jp/archive/press/2022/press20230316-2.html
- 経済産業省「DXレポート ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開」(2018年9月7日):https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/20180907_02.pdf
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「システムエンジニア(Webサービス開発)」:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/314
- 厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和7年)」:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/index.html
- IPA「試験区分一覧」:https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/list.html
- AWS認定:https://aws.amazon.com/jp/certification/
- Google Cloud認定:https://cloud.google.com/learn/certification
- Microsoft認定資格:https://learn.microsoft.com/ja-jp/credentials/certifications/
- コラボフロー 導入事例 島津サイエンス株式会社(公開2024年6月25日):https://www.collabo-style.co.jp/case/case038/
- ZAC 導入事例 株式会社カヤック:https://www.oro.com/zac/casestudy/kayac.html
- MA-EYES 導入事例 テックファーム株式会社(2016年5月現在):https://www.bbreak.co.jp/maeyes/case/interview27.html
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