DXパートナーとは?同名の社名との違いと役割分担・内製化の進め方

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  • DXパートナーの意味と同名の社名の違いがわかる
  • パートナーとの役割分担を局面ごとの表で整理
  • 内製化の4段階と引き継ぎの項目がわかる

DXパートナーとは、企業や自治体のDXを、外部の立場から一緒に進める協力者を指す言葉です。ただし「DXパートナー」は一般的な呼び名だけでなく、社名や地域の登録制度の名前としても使われているため、検索すると同名の会社のページが先に出てきます。本記事では、言葉の意味と3つの使われ方、同名の社名との違い、パートナーと組んだあとの役割分担と、自社で回せる状態に近づける内製化の進め方を、公的機関の資料と各社の公式情報から整理します。パートナーの選び方や契約の結び方は、別の記事のDX支援会社の選び方で扱っています。

DXパートナーと進める前に、社内で足りない仕組みは? かんたん診断

Q1. パートナーとの役割分担で、いま自社が一番整えたいのは?

目次

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  1. DXパートナーとは|意味と3つの使われ方
  2. 同名の社名との違い|NTT DXパートナーなど3社と1制度の早見表
  3. DXパートナーとの役割分担|決める・作る・運用するを誰が持つか
  4. 内製化の進め方|パートナー任せから自社で回す4段階
  5. パートナーとの関係の見直し方|成果指標と引き継ぎの進み具合
  6. よくある質問(FAQ)
  7. まとめ|DXパートナーと進めるときに押さえる5つのこと
  8. 参考文献

DXパートナーとは|意味と3つの使われ方

DXパートナーとは、企業のDXを外部から一緒に進める協力者のことで、一般的な呼び名のほか、社名や地域の登録制度の名前としても使われています。

たとえばNTT DXパートナーは、自社を、自治体や企業、地域の自律的な変革を支援する「共創パートナー」と公式サイトで説明しています。この言葉は、DXを依頼する側と請け負う側という上下の関係ではなく、同じ目標に向かって役割を分け合う関係を表す場面で使われます。使われ方は、次の3つに分けると整理しやすくなります。

使われ方意味公式サイトで確認できる例(2026年10月22日確認)
1. 一般的な呼び名戦略づくり、システムの導入、定着までのどこかを、外部の立場で一緒に進める会社や人会社の種類ごとの違いは、別の記事で整理しています
2. 地域の登録制度の名前自治体や団体が、地域の企業のDXを支援する事業者を登録して紹介する制度とやまDXコンソーシアムの「とやまDXパートナー」は、県内企業のDX推進を後押しするため、課題整理から提案、導入、運用、定着まで一貫して伴走支援する事業者と説明されている
3. 社名や屋号会社の名前に「DXパートナー」が入っているもの株式会社NTT DXパートナー、株式会社DXパートナーズ、広島市の「DXパートナー」など(次の章で整理)

パートナーと進める前に、社内で決めておく2つの流れ

DXパートナーと進める取り組みでは、依頼や変更を誰が承認するか、パートナーへの費用と作業時間をどう記録するかが曖昧だと、役割分担そのものが崩れます。経済産業省とIPAのモデル契約が、ユーザ企業も発注して終わりではなくプロジェクトを進める側だと示していることは、役割分担の章で触れます。ここでは先に、社内の受け皿になる3つのサービスを、役割の違いで並べます。

DXパートナーと進めるとき、社内の受け皿になる3サービスの役割の違い

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

自社の状況:

この状況に合う一例:コラボフロー。承認経路を簡単な操作で設計でき、運用中にフォームも直せるため、依頼と変更の承認を記録に残す入口になります。

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この状況に合う一例:MA-EYES。「SaaS」「SaaS+」「一括」から導入形態を選べるため、自社の規模や運用に合わせて始め方を決められます。

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この状況に合う一例:ZAC。案件・プロジェクト単位で売上を管理し、個別原価計算を自動化できるため、費用の推移を案件ごとに追えます。

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サービス コラボフロー MA-EYES ZAC
向いている会社 依頼・変更・検収などの申請と承認を、自社の流れに合わせて仕組みにしたい会社 プロジェクト単位の収支管理や広告業向けの販売管理が必要で、導入形態を選びたい会社 IT・広告・クリエイティブ・コンサルティングなど、案件・契約・プロジェクト単位で業務を進める会社
特徴 承認経路をシンプルで直感的な操作で設計でき、運用中にフォームのレイアウトを追加・修正できる 導入形態が「SaaS」「SaaS+」「一括」から選べ、「プロジェクト管理向け」「広告業向け」の2つが提供されている プロジェクト・案件・売上明細の3階層で売上を管理でき、個別原価計算を自動化できる
注意したい点 クラウド版には、1ユーザーにつき5GBの容量制限がある 導入形式によって、一部使えない機能がある 詳しい料金やプランを確認するには、問い合わせが必要
資料・詳細

3サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)

まとめて資料をダウンロード

表は横にスクロールできます。内容は2026年10月22日時点の商品ページによります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

依頼や変更の承認を、社内で決まった流れにして記録に残したい場合の一例が、株式会社コラボスタイルのコラボフローです。商品ページでは、承認経路をシンプルかつ直感的な操作で設計できること、運用中にフォームのレイアウトの追加や修正ができることが紹介されています。一方で、クラウド版には1ユーザーにつき5GBの容量制限があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

株式会社コラボスタイル

コラボフロー

コラボフロー

株式会社コラボスタイル

コラボフロー

簡単な操作とワークフロー向けで初心者におすすめ

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  • 誰でも思い通りのワークフローを簡単作成
  • シンプルかつ直感的な操作で承認経路を設計
  • 運用中にフォームレイアウトの追加・修正が可能
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  • コラボフローのクラウド版には、1ユーザーにつき5GBの容量制限がある

コラボフローの導入事例では、南海電気鉄道株式会社が、デジタル化が進まず、紙の資料や押印が必要な業務が多く残っていた状況から、ワークフローシステムの選定を始めた経緯を紹介しています。事例ページで、担当者が選定の理由を次のように述べています。

コラボフローは、Excelで設計した資料を取り込むことによって簡単に申請が作成できるので、開発生産性が高いと感じました。

出典:コラボフロー 導入事例 南海電気鉄道株式会社

パートナーに任せている開発や支援を、プロジェクト単位の費用と工数で見えるようにしたい場合の一例が、株式会社ビーブレイクシステムズのMA-EYESです。商品ページでは、導入形態が「SaaS」「SaaS+」「一括」の3種類から選べること、「プロジェクト管理向け」と「広告業向け」の2つのサービスが提供されていること、導入後も手厚いサポートを受けられることが紹介されています。一方で、導入形式によって一部使えない機能があります。プロジェクト型の事業をしていない会社には、適合が弱い場合がある点に注意してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

株式会社ビーブレイクシステムズ

MA-EYES

MA-EYES

株式会社ビーブレイクシステムズ

MA-EYES

自由度の高さも◎規模や予算に応じて導入したい方におすすめ

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  • 導入形態が「SaaS」「SaaS+」「一括」の3種から選べてニーズにあわせやすい
  • 「プロジェクト管理向け」「広告業向け」の2つのサービス提供
  • 導入後も安心して使える手厚いサポートサービスが魅力
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気になる…

  • 導入形式によって一部使えない機能がある

MA-EYESの導入事例では、インターネットサービス業の会社が、個別のプロジェクトの管理を各人に任せていたために開発コストを把握できていなかった状況から、プロジェクト管理システムの導入に進んだ経緯を紹介しています。事例ページで、担当者が導入の理由を次のように述べています。

そこで今回開発プロジェクトのコストやアサイン状況を一元的に管理するためのプロジェクト管理システムを導入することとしました。

出典:MA-EYES 導入事例 インターネットサービス業 R様

案件、契約、プロジェクトの単位で業務を進める会社が、案件ごとの利益の着地を追いたい場合の一例が、株式会社オロのZACです。商品ページでは、プロジェクト・案件・売上明細の3階層で売上を管理でき、個別原価計算を自動化できること、タイムリーなプロジェクト管理で利益の着地を可視化できることが紹介されています。一方で、詳しい料金やプランの確認には問い合わせが必要です。IT、広告、クリエイティブ、コンサルティングなど、プロジェクト型のビジネス向けの業種特化システムなので、該当しない会社には適合が弱い場合があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

株式会社オロ

ZAC

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株式会社オロ

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業務を統合し効率化!案件・契約・プロジェクト単位で業務進行する企業におすすめ

全体評価
4 (1件)
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  • タイムリーなプロジェクト管理で利益の着地が可視化できる
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  • 分析や管理により的確な経営判断ができ、企業を成長へ導く
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  • 詳しい料金やプランを確認するには問い合わせが必要
評価・口コミ(一部抜粋)
4
  • 見積発行の際、承認を電子化できる。また、低粗利で提案する際、ユーザーが各上長に直接フェイストゥフェイスでお伺いを立てなくとも、電子的に承認に入れるため、履歴も残り、管理の観点で負担軽減になる。

ZACの導入事例では、AZAPAエンジニアリング株式会社が、社員数が50人を超えたあたりで年休管理を手作業で行うことが難しくなった状況から、ZACの導入に進んだ経緯を紹介しています。事例ページで、事業統括部長が導入後の変化を次のように述べています。

二重入力や転記などの無駄がなくなり、作業効率もよくなりました。

出典:ZAC 導入事例 AZAPAエンジニアリング株式会社

同名の社名との違い|NTT DXパートナーなど3社と1制度の早見表

DXパートナーという名前の組織は複数あり、運営主体も事業の内容も別です。名前が同じでも、会社や制度ごとに公式サイトで確認する必要があります。

検索結果の上位に社名のページが並ぶのは、「DXパートナー」が固有名詞としても使われているためです。公式サイトの内容を、確認した日付つきで整理します。本記事は各社・団体の公表内容をまとめたもので、特定の会社や制度を推奨するものではありません。

名称種類公式サイトで確認できる概要(2026年10月22日確認)
株式会社NTT DXパートナー企業(NTT東日本が設立)2022年1月31日設立、資本金4.9億円。会社概要の業務内容は、DXコンサルティング、DXの実装・推進支援、システム運用・データ分析等の業務委託と伴走支援。対象は自治体、金融機関、教育機関、地域企業など
株式会社DXパートナーズ(DX Partners)企業公式の会社紹介で、2026年8月1日に、デジタルを前提にしたコンサルティング事業を、AIを前提にした顧客企業支援事業へ変革するプロジェクトを始動したと掲載している
「DXパートナー」(広島市)企業の公式サイト(取得したページでは運営会社名を確認できなかった)広島県の中小企業・個人事業主向けに、ホームページ、MEO、OA機器(複合機、UTM、サーバー、防犯カメラ、ビジネスフォン)の3つの事業を案内している
とやまDXパートナー地域の登録制度(会社ではない)とやまDXコンソーシアムの制度。県内企業の課題整理から提案、導入、運用、定着まで一貫して伴走支援する事業者で、一覧から課題や業種で探せる

名前が同じでも、見分ける3つの点

同名の組織を見分けるには、運営主体、事業の内容、問い合わせ先の3点を、それぞれの公式サイトで確かめます。運営主体は、会社なのか、自治体や団体の制度なのかを区別します。事業の内容は、コンサルティングなのか、ホームページやOA機器の提供なのかで、相談できる範囲が変わります。問い合わせ先は、会社概要や制度のページに載っている窓口を使い、検索結果の別ページや第三者の紹介ページの連絡先と取り違えないようにします。

NTT DXパートナーについてよく調べられる3点

NTT DXパートナーの親会社について、NTT東日本が2022年1月24日に出した設立の発表では、株主構成は東日本電信電話株式会社が100%とされています。この表示は設立時のもので、現在の株主構成は、取得した公式の会社概要のページでは確認できませんでした。最新の状況は、公式サイトや決算公告で確認してください。

社員数について、公式の会社概要には従業員数の記載がありませんでした。採用SNSのWantedlyには「72人のメンバー」と表示されていますが、これは同サービス上の表示で、公式の従業員数とは限りません。代表者については、会社概要で代表取締役社長として阿部隆氏が掲載されている一方、設立時の発表では矢野信二氏でした。役員は変わるため、最新の情報は公式の会社概要で確認してください。

DXパートナーとの役割分担|決める・作る・運用するを誰が持つか

DXパートナーとの役割分担は、目的と成功の基準を自社が決め、設計と構築をパートナーが担い、受け入れと運用を両者で引き継ぐ形で整理すると見通しがよくなります。

役割分担が曖昧なまま進めると、パートナーは何を決めてよいか分からず、自社は何を待てばよいか分からなくなります。分担を考える手がかりとして、システム開発の取引について公的機関が示しているモデル契約があります。

IPAと経済産業省のモデル契約が示す、ユーザ企業の役割

IPAと経済産業省の「情報システム・モデル取引・契約書」の第二版(2020年12月公表)の見直しの検討では、システム開発の裁判例で、ベンダのプロジェクトマネジメント義務とユーザの協力義務がよく問題になっていることが挙げられています。そのうえで、裁判例ではユーザの義務がしばしば「協力義務」と表現されるため、ユーザは従たる役割しか負わないという誤ったメッセージが伝わるのではないか、という意見が出たと記されています。

同じ文書は、システム開発プロセス一般の意味では、ユーザもベンダも双方がプロジェクトマネジメントをしなければならず、適切に進めるには、双方が各フェーズで自らが果たすべき役割を踏まえることが重要だとしています。依頼する側は、発注すれば終わりではなく、進行を一緒に管理する側でもあるということです。なお、このモデル契約は受託開発や保守運用を対象にしたもので、DX支援のすべての契約にそのまま当てはまるものではありません。個別の契約の責任の範囲は契約内容によって変わるため、重要な契約は専門家に確認してください。本記事は法的助言ではありません。

局面ごとの役割分担の整理例

次の表は、上の考え方をもとに、DXの取り組みを6つの局面に分けて、自社が持つことと、パートナーに任せやすいことを整理した例です。公的機関が定めた分担表ではなく、自社の事情に合わせて書き換える前提の目安として使ってください。

局面自社が持つことパートナーに任せやすいこと迷ったときの確認
1. 目的と成功の基準何がどう変われば成功かを決める。経営層の責任者を置く他社の進め方や指標の案を出す成功の基準を、文書にして共有したか
2. 要件の整理現場の業務を説明し、優先順位を決める聞き取りと整理、要件の文書化現場の担当者が打ち合わせに出ているか
3. 設計と構築設計案を確認し、変更の可否を判断する設計、設定、開発変更や追加を承認する人が決まっているか
4. 受け入れ(検収)使う現場で試し、合否を判断する不具合の修正検収の基準を、事前に文書で決めたか
5. 運用と改善日々の運用と、改善要望のとりまとめ技術的な改善、障害への対応問い合わせの窓口が1つに決まっているか
6. 定着と教育社内への周知、使い方の浸透研修資料づくり、勉強会の支援使われていない部署の理由を把握しているか

依頼・変更・検収は、記録に残す

表の3と4にある変更の承認と検収は、口頭やメールのやり取りだけに頼ると、あとから何を決めたかを確認できなくなります。依頼、変更、検収をそれぞれ申請と承認の形で残しておくと、パートナーとの認識のずれを減らせます。稟議の書き方は稟議書とは?書き方・記載項目・DXとの関係・よくある失敗を解説で整理しています。DXの進め方の全体像はDX化の進め方|6ステップとロードマップの作り方、よくある失敗5つを参考にしてください。

次のチェックは、ここまでの内容から作った簡易的な点検で、診断や認証ではありません。当てはまる数が少なければ、今のやり方で足りる可能性があります。

パートナー任せになっていないか、セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

内製化の進め方|パートナー任せから自社で回す4段階

内製化とは、DXに必要な開発や運用の一部を自社の人材で担うことです。全部を一度に移さず、段階を踏んで自社主導へ移していきます。

IPA「DX動向2025」から見る日本企業の現状

IPAの「DX動向2025」(2025年6月26日公開)は、日本1,535社、米国509社、ドイツ537社を対象に、2025年2月から3月に実施した調査です。企業変革を推進するための外部組織との連携では、各国とも従業員規模が大きいほど「十分にできている」「まあまあできている」が多い傾向でした。米国とドイツは、従業員が101人以上の規模の企業で6割以上が連携できている一方、日本は従業員1,001人以上でも4割強にとどまっています。

システム開発の内製化では、「必要な部分は内製化済みなので、現在は進めていない」と答えた日本の企業は16.7%で、米国とドイツの半分以下でした。「外部開発を今後も利用予定であり、内製化は進めていない」は日本が高く、外部開発を使い続ける企業が多い傾向です。内製化を進めるうえでの課題は、日本では「人材の確保や育成が難しい」が突出していました。同じ調査で、DXに取り組んでいる企業ほど内製化を進めている傾向も示されています。日本の人材は「不足している」と答えた企業が8割を超え、IPAは、外部組織との連携に活路を見出す必要があるものの、その連携も十分にできていないと整理しています。

つまり、人材が足りないために外部のパートナーに頼る一方で、パートナーとの連携を自社の力に変えきれていない、というのが調査から見える状況です。パートナーに任せることと、自社で持つことを、段階を決めて切り替えていく考え方が必要になります。

内製化の4段階

内製化は、「すべてパートナーに任せる」から「自社だけで運用する」まで、次の4段階で考えると、いまの位置と次にやることが分かりやすくなります。段階の分け方は本記事での整理で、公的機関が定めた基準ではありません。

段階状態自社の役割パートナーの役割次の段階に進む目安
1. おまかせ設計、構築、運用をパートナーが担う目的の決定と承認設計から運用まで全般成功の基準が文書になり、設計書や設定の一覧が自社の手元にある
2. 共同自社のメンバーが打ち合わせと作業に加わる要件の説明、試験、検収設計と構築、手順の説明現場に窓口の担当者がいて、運用手順書がある
3. 自社主導日常の運用と小さな改修を自社で行う運用と改善、問い合わせの一次対応難しい改修への助言と技術支援手順書にもとづき、自社だけで日常の運用が回っている
4. 自社運用必要なときだけパートナーに相談する運用、改善、教育のすべて必要に応じたスポットの支援担当者が替わっても、引き継ぎの資料で運用できる

内製と外部に任せる範囲の考え方

IPAの調査は、ソーシング手段(開発や調達の方法)を「コア事業、競争領域」と「ノンコア事業、非競争領域」に分けて尋ねています。日本は、コア事業、競争領域で「外部委託による開発」が4割弱で最も多く、米国は「内製による自社開発」が5割弱でした。ノンコア事業、非競争領域では、日本は「パッケージソフトウェアの導入」「SaaSの導入」が高くなっています。

この区分を借りると、自社の強みに直結する領域は内製化の優先度を高く、そうでない領域はパッケージやSaaSで足りるかを先に検討する、という整理ができます。すべてを内製化する必要はありません。どの領域を自社で持つかは、人材の確保が見込めるかとあわせて決めます。

引き継ぎで受け取っておくもの

  • 設計書、設定の一覧、システム構成の資料
  • アカウントと権限の管理者の一覧(誰が管理者かを自社が把握する)
  • 日常の運用の手順書と、障害のときの連絡先
  • 利用者向けの教育資料と、問い合わせの窓口
  • データの取り出し方(契約が終わっても、自社のデータを持ち出せること)

段階を進めるには、パートナーに支払っている費用と作業時間を、自社が案件の単位で把握できていることが前提になります。何にどれだけかかっているかが分かれば、任せる範囲を減らすか、続けるかを数字で判断できるからです。案件、契約、プロジェクトの単位で業務を進める会社の管理の一例が、ZACです。

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パートナーとの関係の見直し方|成果指標と引き継ぎの進み具合

パートナーとの関係は、成果指標、引き継ぎの進み具合、費用と作業時間の推移の3点を、定期的に確認して見直します。

契約したあとも、パートナーとの関係は、続けるか、範囲を変えるか、終えるかを定期的に見直す対象です。見直しの前提になるのが成果指標です。IPAの「DX動向2025」では、DXの成果指標を「設定している」と答えた割合は、日本が3割以下、米国とドイツはいずれも8割以上でした。指標がなければ、見直しの根拠も作れません。

確認する点見るもの判断の例
成果指標最初に決めた成功の基準に、どこまで近づいたか近づいている間は続ける。近づかない場合は、範囲ややり方を変える
引き継ぎの進み具合内製化の4段階のどこにいるか。手順書や設計書が自社に残っているか段階が進んでいなければ、引き継ぎを契約の範囲に含める
費用と作業時間の推移案件単位で、費用と作業時間が増えていないか増えている場合は、範囲の見直しや、自社で持つ作業を増やす

3つの点を四半期ごとなど、決まった間隔で確認すると、見直しの機会を逃しません。確認した内容は、依頼や変更と同じように記録に残し、関係者で共有します。パートナーを増やす、入れ替える、終えるといった判断に迷ったときも、この記録が根拠になります。選び方そのものは、DX支援会社の選び方で、会社の種類ごとの違いはDXコンサルティングとは?業務内容や導入するメリットなどを解説で整理しています。

費用と作業時間の推移をプロジェクト単位の収支と工数で見られる仕組みがあれば、見直しの会議を数字で進められます。プロジェクト型の事業を持つ会社が、収支と工数を一元管理する場合の一例が、MA-EYESです。

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よくある質問(FAQ)

Q1. DXパートナーとは何ですか?

A. DXパートナーとは、企業や自治体のDXを外部の立場から一緒に進める協力者のことです。一般的な呼び名のほか、NTT DXパートナーなどの社名や、とやまDXパートナーのような地域の登録制度の名前としても使われています。どの意味で使われているかは、公式サイトで運営主体と事業の内容を確認してください。

Q2. NTT DXパートナーの親会社はどこですか?

A. NTT東日本が2022年1月24日に出した設立の発表では、株主構成は東日本電信電話株式会社が100%とされています。これは設立時の表示のため、現在の状況は公式サイトや決算公告で確認してください。

Q3. NTT DXパートナーの社員数は何人ですか?

A. 公式の会社概要に従業員数の記載はありませんでした。採用SNSのWantedlyには「72人のメンバー」と表示されていますが、公式の従業員数とは限りません。人数は変わるため、必要な場合は公式サイトの採用情報や問い合わせで確認してください。

Q4. DXパートナーの社長は誰ですか?

A. 「DXパートナー」を名乗る会社や制度は複数あり、会社ごとに異なります。NTT DXパートナーの会社概要では、代表取締役社長として阿部隆氏が掲載されています。設立時の発表では矢野信二氏でしたので、役員の最新の情報は各社の公式の会社概要で確認してください。

Q5. DXパートナーに任せきりにしないために、自社は何を持てばよいですか?

A. 目的と成功の基準の決定、変更と検収の承認、窓口の担当者、案件ごとの費用と作業時間の把握の4つです。IPAと経済産業省のモデル契約も、ユーザ企業とベンダの双方がプロジェクトマネジメントを行う必要があるとしています。

Q6. 内製化は、どこまで進めればよいですか?

A. すべてを内製化する必要はありません。自社の強みに直結する領域を優先し、そうでない領域はパッケージやSaaSで足りるかを先に検討します。人材の確保が見込めるかとあわせて、4段階のどこまで進めるかを決めてください。

まとめ|DXパートナーと進めるときに押さえる5つのこと

DXパートナーとは、DXを外部から一緒に進める協力者の呼び名で、社名や地域の登録制度の名前としても使われています。次の5つから、取り組みやすいものを選んで確認してください。

  1. 意味を区別する:一般的な呼び名なのか、社名なのか、地域の登録制度なのかを、公式サイトの運営主体と事業の内容で見分ける
  2. 役割分担を局面ごとに決める:目的と成功の基準は自社が持ち、変更の承認と検収の基準も事前に文書にする
  3. 依頼と変更を記録に残す:承認の流れを決め、あとから確認できる形にする
  4. 内製化を4段階で考える:引き継ぎの資料、管理者の一覧、手順書を、段階ごとに受け取る
  5. 社内の受け皿を整える選択肢として、承認と費用の記録の仕組みの資料を請求して比べる

なお、本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の契約の内容は、専門家にご確認ください。各社・団体の情報は2026年10月22日に公式サイトで確認した内容で、変更される場合があります。

パートナーに任せることと、自社で持つことは、対立するものではありません。段階を決めて、任せる範囲と持つ範囲を少しずつ入れ替えていけば、パートナーとの関係が終わったあとも、自社でDXを続けられます。まずは、役割分担の表で迷っている局面を1つ選び、次の打ち合わせの議題に加えるところから始めてみてください。

参考文献

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