BPOカオスマップとは?見方・種類・自社に合う委託先の絞り込み方

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  • BPOカオスマップは領域別の業界地図
  • 掲載条件・分類・公開日の3点で読む
  • 委託前は契約・労務・個人データを確認

BPOカオスマップとは、BPO(業務の外部委託)を請け負うサービスや会社を業務領域ごとに分類し、ロゴやサービス名を1枚の図に並べた業界地図のことです。BPOを任せる先の候補を探す人や、BPO市場の全体像を調べる人が使います。ただし、カオスマップは作成元の掲載条件と分類によって中身が変わり、載っていることは推奨ではありません。この記事では、BOXIL、kubell、ロコアシが公開する3つのマップを分類の軸で比べ、見方、領域ごとに外へ出せる業務、委託先の絞り込み手順、委託する前に確認する契約・労務・個人データの論点を、公式ページと公的資料をもとに整理します。

BPOカオスマップで最初に見る領域はどこ?2問で目安がわかります

Q1. BPOカオスマップを見る目的は、どちらに近いですか?

目次

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  1. BPOカオスマップとは|意味と、載っているもの
  2. BPOカオスマップの種類|3つの公開マップを分類の軸で比べる
  3. BPOカオスマップの見方|掲載条件・分類・公開日の3点を確認する
  4. BOXILのマップで読む5領域|どんな業務を外に出せるか
  5. BPOカオスマップに見える動き|BPaaSとAI BPO
  6. BPOカオスマップから自社に合う委託先を絞り込む手順|5ステップ
  7. 委託する前に確認すること|契約・労務・個人データ
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ|BPOカオスマップを使いこなすために押さえる5つのこと
  10. 参考文献

BPOカオスマップとは|意味と、載っているもの

BPOカオスマップとは、BPO(業務の外部委託)を請け負うサービスや会社を業務領域ごとに分類し、ロゴやサービス名を1枚の図に並べた業界地図です。

カオスマップは、カオス(混沌)とマップ(地図)を組み合わせた和製の語で、小学館のデジタル大辞泉に収録されています。辞書は、特定の業界に属する企業や製品・サービスの特徴や相互関係を整理し、視覚的に把握できるように一枚の図へロゴマークを配置したものと説明し、「業界地図」と言い換えています。(出典:コトバンク デジタル大辞泉「カオスマップ」)

BPOはBusiness Process Outsourcingの略で、業務プロセスの一部または全部を外部の専門事業者に任せることです。経理や給与計算、データ入力のような事務から、営業支援、IT運用、電話受付まで対象が広く、サービスの数も多いため、1社ずつ調べても全体像がつかみにくい分野です。BPOの意味や似た言葉との違いは、BPOの意味とはで詳しく整理しています。

BPOのカオスマップは、複数の会社がそれぞれの基準で公開しています。たとえば、SaaS比較サイトのBOXILは「BPO・アウトソーシングのカオスマップ」で主要なBPOサービスを5つの領域に分け、BPaaS事業者のkubellは「BPaaS/AI+BPOカオスマップ 2025年版」で国内の約50サービス(社)を7つのカテゴリに分類しています。AIを使ったBPOに絞ったロコアシの「AI BPOカオスマップ2025」は4カテゴリです。3つの違いは、次の章で表にまとめます。(出典:BOXIL Magazine、kubellのプレスリリース、ロコアシ)

分類の枠は作成元によって違いますが、どの枠から選んでも、委託には2つの準備が付いてきます。ひとつは、その業務をどこまで外に出せるか、サービスの対応範囲を確かめること。もうひとつは、委託先との契約、委託先の担当者への指示の出し方、渡す個人データの扱いを整えることです。ここでは、マップの領域の一例として、BOXILのマップで「電話代行(コールセンターアウトソーシング)」に分類されている電話代行のサービスを、マップの外側にある準備の例として、契約と労務の支援サービス2つを並べます。

委託する業務の受け皿と、委託前の準備を、役割で見比べる

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

自社の状況:

この状況に合う一例:電話代行・コールセンター代行サービスは、問い合わせや資料請求の電話の一次受付を外に出す場合の一例です。

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この状況に合う一例:クラウドリーガルは、契約書の作成や社内規程の整備、法律や労務の相談を外部の専門家に頼む場合の一例です。

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この状況に合う一例:契約審査サービスは、契約書のレビューに絞って外に出す場合の一例です。

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サービス 電話代行・コールセンター代行サービス クラウドリーガル 契約審査サービス(弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所)
向いている会社 本業の合間に電話が入り、問い合わせや申込の一次受付を外に出したい会社 契約書の作成や社内規程の整備、法律や労務の相談先を外部に持ちたい会社 契約書のレビューだけを外部に任せ、事業部への回答を早めたい会社
特徴 業種や経営方針などの要望に合わせたオーダーメイド型の電話対応。すべてのサービスが24時間365日対応と紹介されています 弁護士や専門士業への法律や労務の相談、契約書作成などの労務関連業務、社内規程の整備や見直しの支援 契約レビューの依頼は専用チャットに送るだけ。すべての担当者に継続的なトレーニングを実施と紹介されています
注意したい点 コールセンター業務は、おおよそ10日前後の準備期間が必要です 申込みには審査があり、年間契約の場合は途中解約ができません サービスの詳細は、問い合わせで確認します
資料・詳細

表は横にスクロールできます。3サービスの内容は商品ページで確認した情報です(確認日2026年10月23日)。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

電話の一次受付を外に出す場合の一例が、電話代行サービス株式会社の「電話代行・コールセンター代行サービス」です。商品ページでは、業種や経営方針などの要望に合わせたオーダーメイド型の電話対応であること、30年以上の実績とコールセンターでの一元管理体制があること、夜間休日電話代行やコールセンター代行など、すべてのサービスが24時間365日対応であることが紹介されています。公式サイトによると、コールセンター代行は問い合わせ受付、資料請求受付、申込受付、顧客サポート窓口、担当部署への取次ぎ、受電内容の報告に対応する一方で、電話をかける架電業務や、契約・価格交渉の判断は対象外です。(出典:電話代行サービス株式会社 コールセンター代行の対応可能な業務)注意したい点として、商品ページには、コールセンター業務はおおよそ10日前後の準備期間が必要と書かれています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

電話代行サービス株式会社

電話代行・コールセンター代行サービス

電話代行・コールセンター代行サービス

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  • 業種や経営方針などの要望に合わせたオーダーメイド型電話対応サービス
  • 30年以上の実績とコールセンターでの一元管理体制により、安心の応対品質
  • 夜間休日電話代行やコールセンター代行など、すべてのサービスが24時間365日対応
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  • 「コールセンター業務」はおおよそ10日前後の準備期間が必要

同社の導入事例では、ブライダルイベントの企画・運営事業者が、予約受付、変更・キャンセル受付、日程案内などを任せた効果を、次のように述べています。

まず第一に、安心して現場に集中出来るのが大きいですね。

出典:電話代行サービス株式会社 コールセンター代行の導入事例

BPOカオスマップの種類|3つの公開マップを分類の軸で比べる

BPOカオスマップは、BOXILの5領域、kubellの7カテゴリ、ロコアシの4カテゴリのように、作成元ごとに分類の数と軸が違います。

同じBPOでも、マップごとに「何を載せるか」と「どう分けるか」が違うため、1つの図だけを見て全体像を決めないことが大切です。次の表に、公式ページで確認した範囲をまとめました(確認日:2026年10月23日)。

項目BOXIL「BPO・アウトソーシングのカオスマップ」kubell「BPaaS/AI+BPOカオスマップ 2025年版」ロコアシ「AI BPOカオスマップ2025」
作成元スマートキャンプ株式会社(BOXIL Magazine)株式会社kubellロコアシ
公開・更新2026年3月2日時点の公開情報で作成。記事の更新日は2026年3月25日2025年12月11日に公開2025年12月23日に更新(ver.1.1)
対象BPO・アウトソーシングの主要サービス国内の主要なBPaaS/AI+BPOの約50サービス(社)国内のAI BPO(1社1サービス)
分類の数5領域(中分類は本記事の数え方で25)7カテゴリ4カテゴリ
分類の軸業務の領域(バックオフィス、営業・マーケティング、IT、HR、特定業務)業務の種類と業界(オンラインアシスタント、カスタマーサポート/サクセス、セールス、マーケティング、コンサル系、バックオフィス、業界特化型)AIの使い方や提供の形(AI-BPaaS、AI活用BPO、AI活用CS、AI-OCR活用BPO)
掲載の考え方順不同。網羅性・正確性・最新性は担保しないと明記公式サイトや公式リリース等の一次情報を根拠に整理1社1サービスで整理
入手方法BOXILの記事で閲覧(マップの配布は行っていない)詳細な解説資料は専用フォームから無料でダウンロードマップ画像とサービス一覧表(Excel)をフォーム入力で入手

3つのマップは、分類の軸が違うので、見る順番も変わります。BOXILのように業務の領域で分けた型は、外に出したい業務がすでに決まっている人が、同じ領域のサービスを一覧で見るのに向いています。kubellのように業務の種類と業界で分けた型は、オンラインアシスタントやセールス、業界特化型など、頼みたい職種や業界から探すときに使いやすい形です。ロコアシのようにAIの使い方で分けた型は、AIを使ったBPOの中で、SaaS主導なのか、BPO主導なのか、紙の帳票が起点なのかを見分けたいときに向いています。

作成元の立場も、見方に影響します。BOXILは比較サイトとして資料請求の導線を持ち、kubellはBPaaS事業者として自社でもBPaaSを提供しています(同社のプレスリリースによる)。作成元が悪いという意味ではなく、どのような目的で、どの範囲を載せた図なのかを知ったうえで読む、という意味です。

なお、カオスマップそのものの意味や、自社で作る手順は、SaaSを例にしたSaaSカオスマップとはでも整理しています。

BPOカオスマップの見方|掲載条件・分類・公開日の3点を確認する

BPOカオスマップは、掲載条件、分類の軸、公開日の3点を確認してから読むと、載っていないサービスや古い情報に惑わされにくくなります。

確認点1 掲載条件|載っていないBPO会社がある理由

BOXILのマップには、会社名やサービス名は各社の商標であること、マップは同社が独自にリサーチして作成したものであり、網羅性・正確性・最新性を担保しないことが明記されています。各領域のサービスは順不同で、リンク先はBOXILのサービス紹介ページです。また、BOXILの資料請求のボタンから請求できるのは、BOXILに製品資料を掲載しているサービスに限られると書かれています。kubellのマップは国内の約50サービス(社)、ロコアシのマップは1社1サービスと、どちらも掲載の範囲が決まっています。

つまり、マップに載っていないことは、そのBPO会社の品質や、使えるかどうかを示しません。反対に、載っていることも、推奨や順位を意味しません。大手かどうかを知りたい場合の考え方は、BPO大手と業務特化型の違いやBPO企業ランキングの見方と選び方で整理しています。

確認点2 分類の軸|同じ電話でも枠が分かれる

分類の軸が違うと、同じ業務が別の枠に載ります。BOXILのマップでは、電話応対を請け負う「電話代行(コールセンターアウトソーシング)」は「特定業務・オペレーション」に、営業の電話を代行する「テレアポ代行会社」と、顧客の定着を支援する「カスタマーサクセス代行会社」は「営業・マーケティング」に載っています。kubellのマップでも、顧客対応や問い合わせ対応の「カスタマーサポート/サクセス」と、営業活動の「セールス」は別のカテゴリです。

電話の外注を探すときは、受ける電話(受電)なのか、かける電話(架電)なのかを先に決めると、見る枠を間違えにくくなります。たとえば、前の章で紹介した電話代行サービス株式会社のコールセンター代行は、公式サイトで、架電業務や営業代行には対応していないと書かれています。受電を任せるサービスに、営業の架電まで同じように頼めるとは限りません。

電話代行・コールセンター代行サービス

電話の一次受付に追われて、本来の仕事が進まないことはありませんか?

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確認点3 公開日|「最新版」でも古いことがある

公開日は、作成元ごとに違います。kubellのマップは2025年12月11日、ロコアシのマップは2025年12月23日(ver.1.1)に公開・更新され、BOXILのマップは2026年3月2日時点の各社の公開情報をもとにしています。BPOのサービスは、社名の変更、サービスの終了、提供範囲の見直しが起きます。

身近な例が、本記事で紹介するクラウドリーガルの運営会社です。公式の会社概要の沿革によると、同社は2022年にa23s株式会社として創業し、2025年にMOLTON株式会社として再出発しています。(出典:MOLTON株式会社 会社概要)マップの会社名やロゴが古いままのこともあるため、候補を絞ったら、必ずサービスの公式ページで現在の会社名と対応範囲を確認してください。

BOXILのマップで読む5領域|どんな業務を外に出せるか

BOXILのマップは、BPOをバックオフィス、営業・マーケティング、IT・システム開発、HR・外部人材活用、特定業務の5領域に分けています。

BOXILのページの見出し一覧から数えると、5領域の下に25の中分類があります(本記事の数え方)。次の表は、領域ごとの中分類と、BOXILが領域の説明に書いている外に出せる業務のイメージです。サービス名の例は、BOXILのマップに載っている名前の一部で、順不同の掲載から1つずつ抜き出したものです。推奨ではありません。(出典:BOXIL Magazine「BPO・アウトソーシングのカオスマップ」)

領域中分類(BOXILの表記)外に出す業務のイメージサービス名の例
バックオフィス・総務管理経理代行、給与計算アウトソーシング、データ入力代行、オンラインアシスタントサービス、社宅代行サービス経理や給与計算、データ入力など、企業の土台を支える定型の事務TOKIUMアシスタント(経理代行)
営業・マーケティング営業代行会社・インサイドセールス代行サービス、テレアポ代行会社、カスタマーサクセス代行会社、マーケティング代行会社、SEOコンサルティング・対策代行会社、AIO・LLMO対策会社、SNS運用代行会社、市場・競合調査サービス商談の獲得からSNS運用、AI検索への対策まで、売上に近いフロントの業務BALES(営業代行)
IT・システム開発システム開発(受託・ラボ型)サービス、アプリ開発代行サービス、オフショア開発会社、ITインフラ構築・保守サービス、ITアウトソーシング、Web運用社内にエンジニアがいない、保守運用が属人化しているといった場合の専門業務情シス君(ITアウトソーシング)
HR・外部人材活用採用代行・採用アウトソーシング(RPO)、副業マッチングサービス、クラウドソーシングサービス・サイト、顧問紹介サービス採用活動の代行や、必要なスキルを必要なときだけ調達する人材の活用Chatwork 採用アシスタント(RPO)
特定業務・オペレーション電話代行(コールセンターアウトソーシング)、ネットショップ運営代行・ECコンサルティング会社電話対応やECサイト運営など、特定のオペレーション業務ベルシステム24のコールセンター代行(電話代行)

kubellの7カテゴリと見比べると、BOXILの5領域には、kubellにある「業界特化型」(特定の業界のニーズに対応)や「コンサル系」(業務設計・DX推進・プロセス改善)にあたる枠が、見出し一覧の範囲では見当たりません。反対に、BOXILにある「IT・システム開発」や「HR・外部人材活用」にあたるカテゴリは、kubellの7カテゴリの名前の上では見当たりません。作成元が想定する読者や、載せたいサービスの違いが、分類の違いに出ています。

BOXILは、領域の説明の中で、経理や給与計算などの定型業務を切り出すことで、担当者が資金繰り対策や評価制度の設計といった、本来向き合うべき業務に集中できると述べています。外に出す業務と社内に残す業務の切り分け方は、BPOで委託できる業務一覧で、分野別に整理しています。

BPOカオスマップに見える動き|BPaaSとAI BPO

BPOカオスマップでは、BPOにSaaSやAIを組み合わせたBPaaSやAI BPOを、別の枠として整理する動きが見られます。

kubellのプレスリリースは、BPaaS(Business Process as a Service)を、業務プロセスそのものをクラウド経由で提供するサービスと説明し、国内でも2023年の年明け頃からBPaaSという言葉が認知され始め、参入する企業が相次いでいると述べています。また、AIやテクノロジーの進化により、定型業務だけでなく一部の非定型業務も自動化されつつあり、BPaaSやBPOは単なる業務代行から、AIを活用した業務プロセスの設計・運用サービスへ変わり始めているとしています。(出典:kubellのプレスリリース)

ロコアシのマップは、AI BPOを4カテゴリに分けています。SaaSとBPOを組み合わせたプロダクト主導の「AI-BPaaS」、BPO主導のハイブリッドの「AI活用BPO」、カスタマーサポートの運用の「AI活用CS」、紙や帳票を基盤とする「AI-OCR活用BPO」です。(出典:ロコアシ「AI BPOカオスマップ2025」)

BOXILのマップは、BPOの役割が、コスト削減を目的とした利用から、専門スキルを外部から調達して事業の成長を加速させる戦略的な投資へ進化しつつあると述べ、AIO・LLMO対策やSEOコンサルティングのような専門領域、副業マッチングや顧問紹介のようなオープンタレントエコノミーを、その背景として挙げています。

3つの作成元の見方を並べると、BPOの対象が、作業の代行から、専門スキルの調達や、SaaSとAIを組み合わせた運用の委託へ広がっている、というのが共通した読み方です。ただし、いずれも作成元の見解であり、公的な統計ではありません。動きが速い分野なので、公開日の古いマップは、分類が現状と合わないことがあります。

BPOカオスマップから自社に合う委託先を絞り込む手順|5ステップ

カオスマップから委託先を絞り込むには、外に出す業務を決め、領域に当てはめ、3社前後に絞って対応範囲を公式ページで確認する5ステップで進めます。

ステップやること確認の仕方
1. 業務を書き出す外に出したい業務の名前、月の件数や時間、担当者、手順書の有無を書き出す社内の担当者に聞き取り、手順が頭の中にしかない業務は先に文章にする
2. 3つに仕分ける定型の事務、専門知識が要る業務、顧客や取引先と接する窓口業務に分ける窓口業務は、受ける電話なのか、かける電話なのかも分けておく
3. マップに当てはめる仕分けた業務が、どの領域・カテゴリに載っているかを探す分類の軸が違うため、2つ以上のマップで同じ業務を探す
4. 3社前後に絞る候補のサービスの公式ページで、できることとできないことを確かめる対応範囲、準備期間、対象外の業務を一覧で比べる
5. 契約・労務・個人データを整える契約書、指示の出し方、渡す個人データの扱いを決めてから始める次の章の確認点に沿って、社内の法務や専門家に相談する

ステップ4で大切なのは、サービス名ではなく、対応範囲です。たとえば電話代行サービス株式会社の公式サイトは、コールセンター代行の対応業務として、問い合わせ受付、予約・申込・事務局窓口、社外通報・緊急連絡窓口、受電内容の報告を挙げる一方、架電業務や、契約・価格交渉の判断は対象外と書いています。同じ「電話」でも、サービスごとに任せられる範囲が決まっています。委託できるのは作業の実行であり、判断や最終的な責任まで委託先に移るわけではないため、どこまでを任せ、どこからを社内に残すかを、契約の前に決めてください。

次のセルフチェックで、委託する前の準備が足りているかを確かめましょう。

BPOに任せる前の準備、足りていますか?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

委託する前に確認すること|契約・労務・個人データ

BPOを任せる前には、契約の取り決め、委託先の担当者への指示の出し方、渡す個人データの扱いの3点を確認します。

本章は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。個別の契約や取引については、弁護士などの専門家に確認してください。

契約|業務の範囲と、やり取りの決まりを文章にする

マップで候補を絞っても、契約が曖昧なままでは、あとで「どこまでが委託先の仕事か」で行き違いが起きます。契約書に書いておきたい項目として、委託する業務の範囲、報告の頻度と方法、再委託の可否、秘密保持、個人データの扱い、契約期間と解約の条件があります。条文ごとの確認点や、委託先の監督の考え方は、BPO契約とはで実務の流れに沿って整理しています。

労務|委託先の担当者へ直接指示を出さない

請負の形式の契約で業務を任せていても、実態によっては労働者派遣事業にあたると判断されることがあります。厚生労働省の「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(37号告示)の第2条は、請負の形式の契約で自社の労働者に業務をさせる事業主でも、次のいずれにも該当する場合を除き、労働者派遣事業を行う事業主とするとしています。1つ目は、業務の遂行方法や評価、労働時間、服務規律、配置の決定などの指示・管理を、事業主が自ら行い、労働者の労働力を自ら直接利用していること。2つ目は、業務の処理に要する資金の調達や、事業主としての責任の負担など、請け負った業務を契約の相手方から独立して処理していることです。また、第3条は、法の規定に違反することを免れるために故意に偽装されたものであれば、労働者派遣事業を行う事業主であることを免れられないとしています。(出典:厚生労働省「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」)

BPOを請負の形で委託する場合は、発注者が委託先の担当者に日々の作業を直接指示する運用になっていないかを確認します。基準の具体的な当てはめを示した疑義応答集も、厚生労働省のページで公開されています。(厚生労働省「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(37号告示)関係疑義応答集」)請負と準委任の違いなど、契約の類型の考え方は、BPOと業務委託の違いで整理しています。

取適法|委託の内容によって対象かどうかが変わる

取適法(中小受託取引適正化法)の対象になるかどうかは、委託の内容によって変わります。公正取引委員会のQ&A(Q32)は、企業が弁護士、公認会計士、産業医と結ぶ契約について、一般に企業が自ら用いる役務であり、他者に業として提供する役務ではないため、役務提供委託に該当せず、法の対象とはならないとしています。自社の業務をBPOに任せる場合に同じ整理が当てはまるかは、委託の目的と内容で判断が分かれるため、一律には言えません。迷ったときは、公正取引委員会のQ&Aと相談窓口、弁護士に確認してください。(出典:公正取引委員会「よくある質問コーナー(取適法)」)

個人データ|委託先の監督は委託元の義務

顧客の氏名や連絡先などの個人データの取扱いを委託する場合は、個人情報保護法に基づき、委託先に対して必要かつ適切な監督を行う必要があります。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、(1)委託先の安全管理措置が、委託元に求められる水準と同等であることをあらかじめ確認すること、(2)委託契約に、安全管理措置と、委託先での取扱状況を委託元が合理的に把握することを盛り込むことが望ましいこと、(3)定期的な監査などで取扱状況を把握し、委託の内容の見直しも含めて評価することが望ましいことを示しています。委託先が再委託する場合は、再委託の相手方や業務内容について事前の報告を受けるか承認を行うことが望ましく、再委託先が不適切な取扱いをしたときは、元の委託元による法違反と判断され得ると書かれています。(出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」「委託先の監督(法第25条関係)」)

ここまでの確認のうち、契約書の作成やレビュー、社内規程の整備は、社内に法務の担当がいないと進めにくい作業です。外部の専門家に頼める選択肢の例を2つ紹介します。

契約書の作成、社内規程の整備、法律や労務の相談をまとめて外部に頼む場合の一例が、MOLTON株式会社のクラウドリーガルです。商品ページでは、弁護士や専門士業への法律や労務の相談ができること、契約書作成などの労務関連業務を任せられること、社内規程の整備や作成、見直しも支援することが紹介されています。公式サイトは、契約レビュー、契約ドラフト、法務相談などの日々の業務を、AIと専門家チームで継続的に処理するサービスと説明しています。(出典:MOLTON株式会社)注意したい点として、商品ページには、申込みには審査があり、年間契約の場合は途中解約ができないと書かれています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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導入事例では、医療分野の株式会社Mediiが、毎月数件の秘密保持契約の審査を、クラウドリーガルのシルバープランでアウトソースしています。同社は事例ページで、導入の決め手を次のように述べています。

まるで自社の法務部のように簡単に相談やレビュー依頼が可能である点が大きな魅力

出典:クラウドリーガル 導入事例 株式会社Medii

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よくある質問(FAQ)

Q1. BPOカオスマップとは何ですか?

A. BPO(業務の外部委託)を請け負うサービスや会社を業務領域ごとに分類し、ロゴやサービス名を1枚の図に並べた業界地図です。カオス(混沌)とマップを組み合わせた和製の語で、デジタル大辞泉にも収録されています。分類の軸や掲載条件は作成元ごとに違い、載っていることは推奨ではありません。

Q2. BPOカオスマップはどこで見られますか?

A. BOXILの「BPO・アウトソーシングのカオスマップ」(5領域)、kubellの「BPaaS/AI+BPOカオスマップ 2025年版」(7カテゴリ。詳細資料は専用フォームから無料でダウンロード)、ロコアシの「AI BPOカオスマップ2025」(4カテゴリ。フォーム入力で入手)などがあります。公開日と掲載条件は作成元ごとに違うため、見る前に確認してください。

Q3. BPO業界は今後どうなると思いますか?

A. 将来を断定できる公的な予測は、本記事では確認できていません。マップの作成元は、BOXILがコスト削減から専門スキルを調達する戦略的な利用への変化、kubellが単なる業務代行からAIを活用した業務プロセスの設計・運用への変化という見方を示しています。いずれも作成元の見解なので、委託先を選ぶときは自社の業務に当てはめて確認してください。

Q4. BPOサービスの大手はどこですか?

A. 公的機関が定めた順位はなく、売上高、従業員数、拠点数など、どの指標を使うかで顔ぶれが変わります。カオスマップは分類の図であり、規模や順位を示すものではありません。大手と業務特化型の違いや選び方は、BPO大手と業務特化型の違いで整理しています。

Q5. カオスマップに載っていないBPO会社は使えませんか?

A. 使えます。カオスマップは、作成元が決めた掲載条件で選んだ一覧です。BOXILのマップは網羅性・正確性・最新性を担保しないと明記し、kubellのマップは国内の約50サービス(社)が対象です。載っていないことは、サービスの品質や使えるかどうかを示しません。

Q6. カオスマップを見たあと、委託先を決めるまでに何を確認しますか?

A. 外に出す業務を書き出し、マップの領域に当てはめ、3社前後に絞って対応範囲を公式ページで確認し、契約、委託先の担当者への指示の出し方、個人データの扱いを整える5ステップで進めます。サービスごとに対応範囲と対象外の業務が決まっているため、サービス名だけで選ばないことが大切です。

まとめ|BPOカオスマップを使いこなすために押さえる5つのこと

BPOカオスマップとは、BPOを請け負うサービスや会社を分類して、1枚の図に並べた業界地図です。次の5つから、取り組みやすいものを選んで確認してください。

  1. 意味を押さえる:BPOを請け負うサービスを分野別に整理した業界地図で、載っていることは推奨ではない
  2. 見方を決める:掲載条件・分類の軸・公開日の3点を、公式ページで確認してから読む
  3. 種類を使い分ける:業務の領域で探すならBOXIL、頼む職種や業界で探すならkubell、AIの使い方で探すならロコアシのマップを見る
  4. 絞り込む:外に出す業務を書き出し、領域に当てはめ、3社前後に絞って、サービスの対応範囲と対象外の業務を確かめる
  5. 委託の準備を整える:契約、委託先の担当者への指示の出し方、個人データの扱いを確認し、電話代行・コールセンター代行サービス、クラウドリーガル、契約審査サービスの資料で、自社に合う進め方を検討する

マップは、候補を洗い出すための地図です。どのサービスに任せるかは、地図の上の位置ではなく、自社の業務とサービスの対応範囲が合っているかで決まります。まずは外に出したい業務を1つ書き出し、2つのマップで同じ業務がどこに載っているかを見るところから始めてみてください。

参考文献

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