BPOとBPSの違いとは?意味・メリット・BPaaSとの使い分け

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  • BPSは業務の見直しまで含めて任せる
  • 説明は提供会社ごとに違うと知る
  • 委託前は契約・労務・個人データを確認

BPSとは、Business Process Servicesの略で、業務プロセスをテクノロジーと業務改善のノウハウで見直しながら、外部の事業者に任せるサービスのことです。BPO(業務の外部委託)の延長にあるサービスで、人が作業を代行する形が中心のBPOに対し、BPSは手順の見直しやITの活用まで含めて任せる点が違いとして説明されます。ただし、BPSの定義は提供会社ごとに少しずつ違い、通信速度の単位のbpsとは別の言葉です。この記事では、NTTデータ、アクセンチュア、アデコ、RoboTANGOの公開情報をもとに、BPOとBPS、BPaaSの違い、メリットと注意点、向く業務、導入の流れ、委託前に確認する契約・労務・個人データの論点を整理します。

BPSで外に出す業務、まず何から確認する?2問で目安がわかります

Q1. 外に出したい業務は、どちらに近いですか?

目次

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  1. BPSとは|BPOとの違いを先に整理
  2. BPO・BPS・BPaaSの違い|3つを比べる表
  3. 提供会社ごとにBPSの説明は違う|4社の公開情報を比べる
  4. BPSが注目される背景|人手不足とDXの両立
  5. BPSのメリットと注意点|5つの利点と4つの課題
  6. BPSに向く業務・向かない業務|定型と非定型の分け方
  7. 自社はBPO・BPS・BPaaSのどれが近い?判断のめやすとセルフチェック
  8. BPS導入の流れとベンダー選びの確認点
  9. 委託する前に確認すること|契約・労務・個人データ
  10. よくある質問(FAQ)
  11. まとめ|BPSを検討するときに押さえる5つのこと
  12. 参考文献

BPSとは|BPOとの違いを先に整理

BPSとは、Business Process Servicesの略で、業務プロセスをテクノロジーと業務改善のノウハウで見直しながら、外部の事業者に任せるサービスです。

ビジネスプロセスとは、商品やサービスを提供するために行う一連の業務の流れのことです。受注から請求、納品までのように、業務は単独で完結せず、次の業務へつながっています。BPSは、この流れ全体を対象に、作業を代行するだけでなく、手順の見直しやITツールの活用まで含めて外部に任せる考え方として説明されます。(出典:RoboTANGO「BPSとは」)

BPOはBusiness Process Outsourcingの略で、業務プロセスの一部または全部を外部の専門事業者に任せることです。RoboTANGOの解説は、BPOを人の手による業務代行が中心のサービス、BPSを人とITツールを組み合わせて業務を最適化するサービスと整理しています。NTTデータは、BPSを従来のBPOに先進テクノロジーやコンサルティングを組み合わせて提供するサービスと説明しています。(出典:NTTデータ「BPS(Business Process Services)」)この2つの説明は表現が違いますが、作業の代行にとどまらず、業務の見直しまで含める点は共通しています。

本記事では、BPSの考え方に近い受け皿として、AIと専門家を組み合わせて法務・労務の業務を任せるサービス、手順を決めやすい電話の受付を任せるサービス、契約書のレビューに絞って任せるサービスの3つを、役割の違いで並べます。いずれもBPSを名乗るサービスではなく、業務を外に出すときの選択肢の一例です。

業務を外に出す受け皿を、役割で見比べる

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

自社の状況:

この状況に合う一例:クラウドリーガルは、契約書の作成や社内規程の整備、法律や労務の相談を、AIと専門家に任せる場合の一例です。

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この状況に合う一例:電話代行・コールセンター代行サービスは、問い合わせや資料請求の電話の一次受付を任せる場合の一例です。

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この状況に合う一例:契約審査サービスは、契約書のレビューに絞って任せる場合の一例です。

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サービス クラウドリーガル 電話代行・コールセンター代行サービス 契約審査サービス(弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所)
向いている会社 契約書の作成や社内規程の整備、法律や労務の相談先を外部に持ちたい会社 本業の合間に電話が入り、問い合わせや申込の一次受付を任せたい会社 契約書のレビューだけを任せ、事業部への回答を早めたい会社
特徴 弁護士や専門士業への法律や労務の相談、契約書作成などの労務関連業務、社内規程の整備や見直しの支援 業種や経営方針などの要望に合わせたオーダーメイド型の電話対応。すべてのサービスが24時間365日対応と紹介されています 契約レビューの依頼は専用チャットに送るだけ。すべての担当者に継続的なトレーニングを実施と紹介されています
注意したい点 申込みには審査があり、年間契約の場合は途中解約ができません コールセンター業務は、おおよそ10日前後の準備期間が必要です サービスの詳細は、問い合わせで確認します
資料・詳細

表は横にスクロールできます。3サービスの内容は商品ページで確認した情報です(確認日2026年10月23日)。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

AIと専門家を組み合わせて、法務・労務の業務を外に出す場合の一例が、MOLTON株式会社のクラウドリーガルです。公式サイトの沿革によると、同社は2023年にAI+BPO事業を開始し、AIだけでは対応できない領域をカバーするために、マネージドサービス(BPO)を始めたと説明されています。(出典:MOLTON株式会社 会社概要)商品ページでは、弁護士や専門士業への法律や労務の相談ができること、契約書作成などの労務関連業務を任せられること、社内規程の整備や作成、見直しも支援することが紹介されています。注意したい点として、申込みには審査があり、年間契約の場合は途中解約ができないと書かれています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

Molton株式会社

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  • 申し込みには審査があり、年間契約の場合は途中解約は不可

導入事例では、医療分野の株式会社Mediiが、毎月数件の秘密保持契約の審査を、クラウドリーガルのシルバープランで任せています。同社は事例ページで、導入後の変化を次のように述べています。

社内の総務・法務リソースを効率的に使用できるようになり、全体としてコストダウンに成功しました。

出典:クラウドリーガル 導入事例 株式会社Medii

BPO・BPS・BPaaSの違い|3つを比べる表

BPO・BPS・BPaaSの違いは、業務の中心を担うのが、人の作業か、人とITの組み合わせか、クラウド上のシステムかにあります。

BPaaSはBusiness Process as a Serviceの略で、業務プロセスをクラウドサービスとして提供する形態です。次の表は、RoboTANGOの解説にある3つの整理を、項目ごとに並べ直したものです(確認日:2026年10月23日)。(出典:RoboTANGO「BPSとは」)

項目BPOBPSBPaaS
業務の中心人による業務代行が中心人とITツールを組み合わせたハイブリッド型クラウド上のシステムやソフトウェアを使った自動化
業務のやり方業務プロセス自体は変えず、作業を代行する業務フローを根本から最適化することまで含む既存のツールで処理できる範囲を対象にする
対応できる業務マニュアル化しやすい業務が中心定型業務と、人の判断が必要な非定型業務の両方システム化できる定型業務に限られる

ただし、この整理は1社の解説です。アデコの解説は、BPOを、ビジネスプロセス丸ごとを外部委託できるものとして書き、BPOにデジタル技術を活用したデジタルBPOも、BPSと並べて挙げています。(出典:アデコ「BPS(ビジネスプロセスサービス)とは?」)BPOとBPSの境目は、会社や記事によって引かれ方が違います。サービスを選ぶときは、名称ではなく、契約で任せる範囲を見てください。

BPRとの関係|BPRは目的、BPO・BPaaS・BPSは手段

アデコの別の解説は、BPR(業務プロセスの抜本的な見直し)は目的であり、BPO、BPaaS、BPSはそれを実現する手段と整理しています。(出典:アデコ「企業の成長を支えるBPR戦略」)つまり、BPSを使うかどうかの前に、何のために業務を見直すのかを決める必要があります。BPRとBPO、ITO、SaaSの違いはBPO・BPR・ITO・SaaS・DXの違い、BPaaSの料金モデルや選び方はBPOとBPaaSの違いで整理しています。

提供会社ごとにBPSの説明は違う|4社の公開情報を比べる

BPSの説明は提供会社ごとに違い、共通するのは、作業の代行にとどまらず、業務の見直しまで含めて任せるという点です。

公式ページや解説記事で確認できた4社の説明を、含まれるものと契約の考え方で並べます(確認日:2026年10月23日)。いずれも提供会社自身の説明であり、優劣を示すものではありません。

提供元BPSの説明含まれるもの・契約の考え方
NTTデータ(公式ページ)従来のBPOに、先進テクノロジーやコンサルティングを組み合わせて提供するサービス。ビジネスプロセス全体を持続的に改善し、価値を創出することをコンセプトにしているBPR、テクノロジー適用、BPOの3つ。経営アジェンダを起点に、業務の標準化・効率化を支援する
アクセンチュア(2020年7月のブログ)BPOの進化型。上流の戦略から、システムのデザイン・実行、オペレーションまでを、組織を横断して任せられる長期契約を前提とし、効率化の効果を試算したうえで価格を設定する。初期に多くかかる投資費用を、契約期間全体で平準化できる契約も可能と説明している
アデコ(解説コラム)ビジネスプロセスにまつわる課題を解決するサービス。ITを活用した業務の抜本的な改革を含む、プロセス全体の総合的な解決が特徴業務効率化、業務品質の向上、業務の変革、コスト削減、人材不足の解消をメリットとして挙げている
RoboTANGO(2026年9月24日の解説)業務プロセスをテクノロジーと業務改善のノウハウで最適化するアウトソーシングサービス自動化できる部分はITツール、例外処理や判断は専門のスタッフが担う。ヒアリング、設計、運用、継続改善の流れで進める

4社に共通するのは、(1)業務の見直しを含む、(2)テクノロジーを使う、(3)運用も外部が担う、の3点です。違いは、出発点と契約の期間です。NTTデータは経営アジェンダを起点にし、アクセンチュアは長期契約を前提にしています。つまり、「BPSを頼む」と決めても、どこまでを任せる契約なのかは、提供会社ごとに確認が必要です。アクセンチュアのブログは公開から時間が経っているため、最新の内容は同社の公式ページで確認してください。

見積もりを依頼するときは、業務設計の費用が含まれるか、システムの利用料が含まれるか、改善の提案が定期的にあるか、の3点を聞いておくと、会社どうしを比べやすくなります。

BPSが注目される背景|人手不足とDXの両立

BPSが注目される背景には、働き手の減少と、業務のデジタル化を同時に進める必要があることがあります。

総務省統計局の「人口推計」によると、2025年5月1日現在(確定値)の15-64歳人口は7352万2千人で、前年同月に比べて19万5千人(0.26%)減っています。(出典:総務省統計局「人口推計(2025年10月1日現在概算値)」)働く世代の人口が減ると、社内の人員だけで、日々の業務と、業務の見直しやIT導入の両方を進めるのは難しくなります。

RoboTANGOの解説は、BPSが注目される理由として、労働人口の減少と業務負担の増大、DXを進めるうえでの人材やノウハウの不足、IT・テクノロジーを活用した業務最適化のニーズの拡大を挙げています。アクセンチュアのブログは、自社だけで業務改革を進めると、部署間の調整や稟議・承認に時間がかかり、現場の反対や現行のIT基盤の制約で、期待した効果が出にくいことを、外部に任せる理由の1つとしています。

ただし、人手が足りないことと、BPSが合うことは同じではありません。RoboTANGOの解説も、業務フローの整理や不要な手作業の削減、ITツールの活用で足りる場合は、BPSを使わなくても効率化できると述べています。先に社内でできる見直しを確認し、そのうえで外に任せる範囲を決める順番が基本です。

BPSのメリットと注意点|5つの利点と4つの課題

BPSの利点は業務の効率化や品質の向上など5つ、注意点はノウハウの蓄積や情報漏えいなど4つが、解説で挙げられています。

メリット|アデコの解説にある5つの利点

アデコの解説は、BPSで解決できる課題の例を5つ挙げています。(出典:アデコ「BPS(ビジネスプロセスサービス)とは?」)

メリット解説の内容
業務効率化ビジネスプロセス全体を外部に任せることで社内業務が減り、自社のコア業務に人材を集中できるため、生産性の向上が期待できる
業務品質の向上提供会社が確立した業務フローや標準化されたプロセスを使うため、無駄やミスを減らせる可能性がある
業務の変革現行の業務を前提に一部を引き受けるだけでなく、根本から見直す点が特徴で、AIなどのデジタル技術も使って変革を進める
コスト削減ノンコア業務に人材を割く必要が減り、人件費のほか、システムの利用料や保守の費用も減らせる可能性がある
人材不足の解消ノンコア業務を任せて生まれた時間を、他の業務や社員のリスキリングに回せる

アクセンチュアのブログは、これらに加えて、BPSでは全社規模の改革を一気通貫で任せられるため、効率化を実行に移しやすいことを利点に挙げています。ここでいうメリットは、提供会社が示す期待であり、どの会社でも同じ効果が出ることを示すものではありません。自社の業務で効果が出るかは、委託の範囲と契約で決まります。

課題|4つの注意点と、契約前に決めておくこと

アデコの解説は、BPSの課題として、自社にノウハウが蓄積されないこと、スピーディな対応が難しい場合があること、初期費用がかかること、情報漏えいのリスクがあることの4つを挙げています。次の表の右の列は、本記事の整理による、契約前に決めておくことの例です。

課題何が起きやすいか契約前に決めておくこと(本記事の整理)
自社にノウハウが蓄積されない業務を外部に任せるため、手順や判断の理由が社内に残りにくい手順書や運用の記録を、委託先から社内に共有する取り決めがあるかを確認する
スピーディな対応が難しい場合がある委託先との調整が挟まり、急な変更に時間がかかる変更の連絡方法と、対応にかかる日数の目安を決めておく
初期費用がかかる業務の設計やシステムの準備に費用がかかる場合がある見積もりに、設計やシステムの費用が含まれるかを確認する(金額は提供会社に確認する)
情報漏えいのリスクがある業務のデータを外部に渡す後ろの「契約・労務・個人データ」の章に沿って、再委託や監督の取り決めを確認する

BPSに向く業務・向かない業務|定型と非定型の分け方

BPSに向く業務は、ルールが決まっている定型業務と、一部に人の判断や例外処理が混ざる業務で、経営や戦略に関わる業務は向きにくいとされています。

RoboTANGOの解説は、BPSが定型業務だけでなく、非定型業務にも対応できる点を特徴に挙げ、次のように整理しています。(出典:RoboTANGO「BPSとは」)

区分業務の例(RoboTANGOの解説より)見分け方
向く:定型業務請求書処理や経費精算のデータ入力、システム間のデータ連携、紙の帳票のデータ化、人事・労務の手続き、カスタマーサポートの問い合わせ処理ルールが明確で、手順に沿って処理できる
向く:非定型業務書式が統一されていない書類のチェックやデータ修正、契約書や見積書の内容確認、マーケティングデータの収集・分析一部はルール化できるが、人の確認や判断が入る
向きにくい業務企業のコア業務や戦略に関わる業務、高度な専門知識が必要な業務、機密性が高く外部に委託しにくい業務、企業文化やブランドに直結する業務外に出すと、品質や機密性の管理が難しくなる

RoboTANGOの解説は、このほか、繁閑の差が大きくリソースの調整が必要な業務も、BPSの活用に適した例として挙げています。一方で、「向きにくい」とされた業務でも、すべてを自社で抱える必要はありません。たとえば、専門知識が必要な法務の業務は、全体を任せるのではなく、契約書のレビューのように範囲を切り出して専門家に頼む方法があります。

手順を決めやすい業務の身近な例が、電話の一次受付です。電話の受付を任せる場合の一例が、電話代行サービス株式会社の「電話代行・コールセンター代行サービス」です。商品ページでは、業種や経営方針などの要望に合わせたオーダーメイド型の電話対応であること、30年以上の実績とコールセンターでの一元管理体制があること、夜間休日電話代行やコールセンター代行など、すべてのサービスが24時間365日対応であることが紹介されています。公式サイトによると、コールセンター代行は問い合わせ受付、資料請求受付、申込受付、顧客サポート窓口、担当部署への取次ぎ、受電内容の報告に対応する一方で、電話をかける架電業務や営業代行、契約や価格交渉の判断は対象外です。(出典:電話代行サービス株式会社 コールセンター代行の対応可能な業務)同じ「電話」でも、任せられる範囲は決まっています。注意したい点として、商品ページには、コールセンター業務はおおよそ10日前後の準備期間が必要と書かれています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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  • 「コールセンター業務」はおおよそ10日前後の準備期間が必要

同社の導入事例では、ブライダルイベントの企画・運営事業者が、予約受付、変更・キャンセル受付、日程案内などを任せた効果を、次のように述べています。

まず第一に、安心して現場に集中出来るのが大きいですね。

出典:電話代行サービス株式会社 コールセンター代行の導入事例

受電の窓口を外に出すと、本業の作業が電話で中断される回数を減らせる場合があります。どこまでを任せ、どこからを社内の判断に残すかを決めてから、対応範囲の資料を確かめると、比べる項目をそろえやすくなります。

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自社はBPO・BPS・BPaaSのどれが近い?判断のめやすとセルフチェック

自社に近い形は、業務の手順が決まっているか、手順の見直しまで任せたいか、既存のクラウドサービスで足りるかで見分けられます。

次の表は、前の章までの定義をもとにした本記事の整理であり、公的な基準ではありません。実際には、1つの業務の中でBPOとBPSの要素が混ざることもあります。

自社の状況近い形契約前に確認すること
手順が決まっている作業を、人手で代行してほしいBPO対応範囲と、対象外の業務
手順の見直しや、ITツールの選定・運用まで任せたいBPS業務設計の費用や、定期的な改善の提案が契約に含まれるか
請求書処理など、クラウドのサービスで足りる業務があるBPaaS既存システムとの連携と、例外処理をどう扱うか
判断や例外が多く、すべてを任せるのは不安BPSの一部、またはBPOと社内の確認の組み合わせ社内に残す判断の範囲

次のセルフチェックで、委託する前の準備が足りているかを確かめましょう。

業務を外に出す前の準備、足りていますか?セルフチェック

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BPS導入の流れとベンダー選びの確認点

BPSの導入は、ヒアリング、設計、運用、継続改善の4段階で進み、ベンダー選びでは業務範囲、ITツールの活用力、柔軟性、セキュリティ、サポート、コストを確認します。

導入の流れ|4段階で進む

RoboTANGOの解説は、BPSの導入の流れを次の4段階で説明しています。(出典:RoboTANGO「BPSとは」)

段階内容社内で用意すること(本記事の整理)
1. ヒアリング現状を分析し、どの業務を最適化するかを決める。業務フローの整理と課題の洗い出しを行い、BPSで対応できる範囲を決める業務の一覧と、困っている点のメモ
2. 設計ヒアリングをもとに、業務プロセスを最適化する設計を行う。必要なテクノロジーと、人の介在が必要な部分を見極める社内に残す判断と、委託先へ渡す情報の整理
3. 運用設計した業務フローに基づいて、提供会社が運用を始める。自動化できる部分はITツール、確認や判断が必要な部分は人が対応する受け取る報告の頻度と、社内の確認者
4. 継続改善運用の後も、提供会社が定期的に見直しを行い、環境の変化に応じて改善を進める定例の確認の場と、見直しの基準

導入後の運用フローを、事前に決めておくことも大切です。RoboTANGOの解説は、たとえば「毎月末に提供会社から経費精算のデータを受け取り、社内で最終チェックを行う」というように、導入後の流れを具体的に決めておくとスムーズに運用できると述べています。

ベンダー選びの確認点|6項目と、契約の期間

同じ解説は、ベンダー選びの確認点として、業務範囲が自社の業務に合うか、RPA、AI-OCR、iPaaS、BI、生成AIなどのITツールを使いこなせるか、業務量の変動や例外処理に柔軟に対応できるか、機密情報を扱うためのセキュリティ対策があるか、導入後に改善の提案や継続的なサポートが受けられるか、費用がサービスの内容とつり合っているかの6つを挙げています。

もう1つ確認したいのが、契約の期間です。アクセンチュアのブログは、BPSは長期契約を前提とする特色があると説明しています。契約が長くなるほど、途中で業務の範囲や体制を見直したくなったときの扱いが重要になります。たとえば、本記事で紹介したクラウドリーガルの商品ページには、年間契約の場合は途中解約ができないと書かれています。どの会社のサービスでも、契約期間、更新、解約の条件は、申込みの前に書面で確認してください。

効果をどう測るかも、先に決めておく項目です。BPOでは、業務の品質や応答の時間などの水準を、委託先と取り決める方法があります。BPOのプロセスとはでは、業務の棚卸しからSLA(サービス水準の合意)の設計までを整理しています。経理や財務の業務を任せる場合は、BPO財務とはで、委託できる範囲を整理しています。

委託する前に確認すること|契約・労務・個人データ

BPSを任せる前には、契約の取り決め、委託先の担当者への指示の出し方、渡す個人データの扱いの3点を確認します。

本章は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。個別の契約や取引については、弁護士などの専門家に確認してください。

BPSは、作業だけでなく、業務の設計や改善にも委託先が関わります。そのため、「どこまでを委託先が決め、どこからを自社が決めるか」の線引きが、作業の代行が中心のBPOよりも、重要になります。

契約|業務の範囲と、改善の提案の扱いを文章にする

契約書に書いておきたい項目として、委託する業務の範囲、業務の設計や改善の提案が含まれるか、報告の頻度と方法、再委託の可否、秘密保持、個人データの扱い、契約期間と解約の条件があります。条文ごとの確認点や、委託先の監督の考え方は、BPO契約とはで実務の流れに沿って整理しています。

労務|委託先の担当者へ直接指示を出さない

請負の形式の契約で業務を任せていても、実態によっては労働者派遣事業にあたると判断されることがあります。厚生労働省の「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(37号告示)の第2条は、請負の形式の契約で自社の労働者に業務をさせる事業主でも、次のいずれにも該当する場合を除き、労働者派遣事業を行う事業主とするとしています。1つ目は、業務の遂行方法や評価、労働時間、服務規律、配置の決定などの指示・管理を、事業主が自ら行い、労働者の労働力を自ら直接利用していること。2つ目は、業務の処理に要する資金の調達や、事業主としての責任の負担など、請け負った業務を契約の相手方から独立して処理していることです。また、第3条は、法の規定に違反することを免れるために故意に偽装されたものであれば、労働者派遣事業を行う事業主であることを免れられないとしています。(出典:厚生労働省「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」)

BPSを請負の形で委託する場合は、発注者が委託先の担当者に日々の作業を直接指示する運用になっていないかを確認します。業務の改善を一緒に進める場面では、改善の相談と、作業者への直接の指示が混ざりやすいため、窓口を委託先の責任者に決めておくと整理しやすくなります。基準の具体的な当てはめを示した疑義応答集も、厚生労働省のページで公開されています。(厚生労働省「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(37号告示)関係疑義応答集」)請負と準委任の違いなど、契約の類型の考え方は、BPOと業務委託の違いで整理しています。

取適法|委託の内容によって対象かどうかが変わる

取適法(中小受託取引適正化法)の対象になるかどうかは、委託の内容によって変わります。公正取引委員会のQ&A(Q32)は、企業が弁護士、公認会計士、産業医と結ぶ契約について、一般に企業が自ら用いる役務であり、他者に業として提供する役務ではないため、役務提供委託に該当せず、法の対象とはならないとしています。自社の業務をBPOやBPSに任せる場合に同じ整理が当てはまるかは、委託の目的と内容で判断が分かれるため、一律には言えません。迷ったときは、公正取引委員会のQ&Aと相談窓口、弁護士に確認してください。(出典:公正取引委員会「よくある質問コーナー(取適法)」)

個人データ|委託先の監督は委託元の義務

顧客の氏名や連絡先などの個人データの取扱いを委託する場合は、個人情報保護法に基づき、委託先に対して必要かつ適切な監督を行う必要があります。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、(1)委託先の安全管理措置が、委託元に求められる水準と同等であることをあらかじめ確認すること、(2)委託契約に、安全管理措置と、委託先での取扱状況を委託元が合理的に把握することを盛り込むことが望ましいこと、(3)定期的な監査などで取扱状況を把握し、委託の内容の見直しも含めて評価することが望ましいことを示しています。委託先が再委託する場合は、再委託の相手方や業務内容について事前の報告を受けるか承認を行うことが望ましく、再委託先が不適切な取扱いをしたときは、元の委託元による法違反と判断され得ると書かれています。(出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」「委託先の監督(法第25条関係)」)

ここまでの確認のうち、契約書のレビューは、社内に法務の担当がいないと進めにくい作業です。契約書のレビューに絞って外に出す場合の一例が、弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所の契約審査サービスです。商品ページでは、企業の法務人材の不足に対応して事業部への回答をスピードアップできること、契約レビューの依頼は専用チャットに送るだけでよいこと、すべての担当者に継続的なトレーニングを実施して品質面でも安心できることが紹介されています。同事務所の公式サイトは、IT企業の支援と、海外に進出する日本企業の支援を専門分野に挙げています。(出典:弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所)注意したい点として、サービスの詳細は問い合わせで確認する必要があります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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よくある質問(FAQ)

Q1. BPSとは何ですか?

A. BPSとは、Business Process Servicesの略で、業務プロセスをテクノロジーと業務改善のノウハウで見直しながら、外部の事業者に任せるサービスです。BPOの延長にあるサービスとして説明され、作業の代行にとどまらず、手順の見直しやITの活用まで含めて任せる点が特徴です。通信速度の単位のbpsとは別の言葉です。

Q2. BPOとBPSの違いは何ですか?

A. RoboTANGOの解説では、BPOは人の手による業務代行が中心で、業務プロセス自体は変えません。BPSは、人とITツールを組み合わせ、業務フローを最適化するところまで含みます。ただし、BPOとBPSの境目は会社や解説によって引かれ方が違うため、契約で任せる範囲を確認してください。

Q3. NTTデータのBPSとは何ですか?

A. NTTデータの公式ページは、BPSを、従来のBPOに先進テクノロジーやコンサルティングを組み合わせて提供するサービスと説明しています。経営アジェンダを起点に、BPR、テクノロジー適用、BPOの方法で、業務の標準化・効率化を支援するとしています。内容は変わることがあるため、最新の情報は同社の公式ページで確認してください。

Q4. BPSとBPaaSの違いは何ですか?

A. BPaaSは、業務プロセスをクラウドサービスとして提供する形態で、既存のツールで処理できる定型業務が中心です。BPSは、人とITを組み合わせ、判断が必要な非定型業務にも対応する点が違いとして説明されます(RoboTANGOの解説)。BPaaSの料金モデルや選び方は、BPOとBPaaSの違いの記事で整理しています。

Q5. BPSのメリットとデメリットは何ですか?

A. アデコの解説は、メリットとして、業務効率化、業務品質の向上、業務の変革、コスト削減、人材不足の解消を挙げています。課題としては、自社にノウハウが蓄積されないこと、スピーディな対応が難しい場合があること、初期費用がかかること、情報漏えいのリスクがあることを挙げています。効果はどの会社でも同じではなく、委託の範囲と契約で決まります。

Q6. BPSを導入する前に確認することは何ですか?

A. 任せる業務と社内に残す業務の線引き、契約の範囲と期間、業務の設計や改善の提案が契約に含まれるか、委託先の担当者への指示の出し方、渡す個人データの扱いを確認します。社内で業務フローの見直しやITツールの活用で足りる場合は、BPSを使わない選択肢もあります。

まとめ|BPSを検討するときに押さえる5つのこと

BPSとは、業務プロセスをテクノロジーと業務改善のノウハウで見直しながら外部に任せるサービスです。次の5つから、取り組みやすいものを選んで確認してください。

  1. 意味を押さえる:BPSはBusiness Process Servicesの略で、作業の代行にとどまらず、手順の見直しやITの活用まで含めて任せるサービスと説明される
  2. 違いを使い分ける:BPOは人による業務代行、BPaaSはクラウド上のシステム、BPSは人とITの組み合わせという整理がある。ただし境目は会社によって違うため、契約で任せる範囲を確認する
  3. 説明の違いを知る:NTTデータ、アクセンチュア、アデコ、RoboTANGOの4社の説明は、出発点と契約の期間が違うため、見積もりでは設計費用、システム利用料、改善の提案の有無を聞く
  4. 任せる業務を切り分ける:ルールが決まった定型業務と、一部に判断が混ざる業務から検討し、戦略や機密に関わる業務は社内に残す
  5. 委託の準備を整える:契約、委託先の担当者への指示の出し方、個人データの扱いを確認し、電話の受付や、法務・労務の相談、契約書のレビューを外に出すなら、クラウドリーガル、電話代行・コールセンター代行サービス、契約審査サービスの資料で対応範囲を確かめる

参考文献

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