BPOヘルプデスクとは?委託できる業務・選び方・始める前の準備

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  • BPOヘルプデスクは問い合わせ対応の委託
  • 業務を仕分け、判断と管理は社内に残す
  • 委託前に棚卸し・個人データ・権限を確認

BPOヘルプデスクとは、従業員や顧客からの問い合わせ対応(ヘルプデスク)を、BPO(業務の外部委託)として専門の事業者に任せることです。社内向けでは「パスワードを忘れた」「パソコンが動かない」といったIT関連の相談、社外向けでは自社の製品やサービスに関する顧客の電話やメールが対象になります。情報システム部門や総務の担当者が問い合わせ対応に追われ、本来の仕事が進まない会社が検討します。この記事では、委託できる業務と社内に残す業務、メリットとデメリット、費用の決まり方、選び方の6つの観点、始める前の準備、契約・個人データ・権限の確認を、各社の公開情報と公的資料をもとに整理します。

ヘルプデスクを外に出すなら、何から確かめる?2問で目安がわかります

Q1. 委託を考えている窓口は、どちらに近いですか?

目次

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  1. BPOヘルプデスクとは|社内向けと社外向けの違い
  2. ヘルプデスクBPOで委託できる業務|受付から報告までの流れと、社内に残す判断
  3. ヘルプデスクBPOのメリットとデメリット|委託する前に知っておくこと
  4. ヘルプデスクBPOの費用の決まり方|件数・時間帯・チャネル・作業代行
  5. ヘルプデスクBPOの選び方|比較する6つの観点
  6. ヘルプデスクBPOを始める前の準備|問い合わせの棚卸しから見直しまで
  7. 委託する前に確認すること|指示の出し方・個人データ・権限
  8. 顧客向けヘルプデスクの一次受付を外に出す場合
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ|BPOヘルプデスクを始める前に押さえる5つのこと
  11. 参考文献

BPOヘルプデスクとは|社内向けと社外向けの違い

BPOヘルプデスクとは、従業員や顧客からの問い合わせ対応を、記録や報告まで含めて外部の専門事業者に任せる仕組みです。

ヘルプデスクとは、製品やITシステムの使い方、うまく動かないときの対処など、利用者の疑問に答える窓口です。仕事内容や必要なスキルはヘルプデスクとはで、似た窓口との違いはヘルプデスクとテクニカルサポートの違いで整理しています。BPOはBusiness Process Outsourcingの略で、業務プロセスの一部または全部を外部の事業者に任せることです。

株式会社博報堂コンタクト&ロジスティクスの解説は、ヘルプデスクを社内向けと社外向けの2種類に分け、BPOを、単なる業務代行ではなく、業務の企画設計、業務フローの構築、システム導入、人材育成、効果測定まで一連で行う手法と説明しています。(出典:株式会社博報堂コンタクト&ロジスティクス)中部テレコミュニケーション株式会社(ctc)も、自社のITヘルプデスクを、問い合わせ対応から記録、管理、報告までを一括して提供するサービスと紹介しています。(出典:中部テレコミュニケーション株式会社)窓口に座る人を増やすだけの委託と違い、記録や報告、マニュアルの更新まで含めて任せられる点がBPOの特徴です。ただし、どこまでを含むかは事業者ごとに決まっているため、契約の前に対応範囲を確かめる必要があります。

この記事では、2つの窓口に、外に出す場合の一例を並べます。社内の窓口は、パソコンやネットワークの相談とトラブル対応を電話、遠隔、訪問で受けるサービス、社外の窓口は、顧客からの電話の一次受付を代行するサービスです。

ヘルプデスクを外に出す2つの形を、役割で見比べる

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

自社の状況:

この状況に合う一例:Dr.オフィスSystanは、従業員のパソコンやネットワークの相談とトラブル対応を、外部に頼む場合の一例です。

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この状況に合う一例:電話代行・コールセンター代行サービスは、顧客や取引先からの電話の一次受付と取次ぎを、外部に頼む場合の一例です。

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サービス Dr.オフィスSystan(株式会社庚伸) 電話代行・コールセンター代行サービス(電話代行サービス株式会社)
向いている会社 社内にIT担当者がいない、または少人数で、従業員のパソコンやネットワークの相談を外に出したい会社 顧客や取引先からの問い合わせ、資料請求、申込の電話を、一次受付の段階で外に出したい会社
特徴 トラブルの解決が電話、遠隔、訪問の3段階。資産管理、IT相談、定期レポートが基本のサービスとして紹介されています 業種や運用方針に合わせたオーダーメイド型の電話対応。24時間365日の対応が可能で、電話の内容はメールやチャットで共有されます
注意したい点 対応できるのはパソコン10台までで、11台以上は別途見積もりです。「Systan」と「Systan Lite」は東京23区のみです 導入までに約2-10営業日の準備期間が必要です。電話をかける業務や、契約・価格交渉の判断は対象外です
資料・詳細

表は横にスクロールできます。2サービスの内容は商品ページで確認した情報です(確認日2026年10月23日)。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

社内の相談窓口を外に出す場合の一例が、株式会社庚伸の「Dr.オフィスSystan」です。商品ページでは、オフィス全体のパソコン・ネットワークのサポートサービスで、パソコンやネットワークのトラブル対応、定期診断などを委託できること、トラブルの解決が「電話」「遠隔」「訪問」の3段階で進むこと、資産管理、IT相談、定期レポートが基本のサービスに含まれることが紹介されています。公式サイトも、社内ヘルプデスクや迅速なトラブルのサポート、オフィス機器の健康診断、資産管理など、情報システム担当者の主な業務範囲をカバーするサービスと説明しています。(出典:株式会社庚伸 Dr.オフィスSystan)注意したい点として、商品ページには、対応できるのはパソコン10台までで11台以上は別途見積もりであること、「Systan」と「Systan Lite」は東京23区のみで、23区外は「Systan Lite S」を利用できることが書かれています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

株式会社庚伸

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導入した有限会社ヒアリングテクノ(補聴器の販売・メンテナンス)は、同社の事例ページで、よかった点を次のように述べています。

一番良かったと思うところは、その場でリモート接続をして早く解決してくださるという部分です。

出典:株式会社庚伸 Dr.オフィスSystan 導入事例 有限会社ヒアリングテクノ様

社内向けと社外向けは、問い合わせる人も、確認する点も違う

社内向けと社外向けの違いを、各社の公開情報から整理すると次の表のとおりです。本記事は社内向けを中心に、社外向けは後半の章で、電話の一次受付に絞って扱います。

項目社内向け(従業員からの問い合わせ)社外向け(顧客・取引先からの問い合わせ)
問い合わせる人従業員・職員顧客、取引先、利用者
主な内容パスワードの再設定、ログインできない、パソコンやOfficeアプリの操作、不具合、アカウントの作成・変更製品やサービスの使い方、不具合の相談、資料請求や申込の受付、契約内容の確認
委託先に求められること自社のシステム、社内規程、権限の決まりを理解して対応すること自社の製品知識とFAQに沿った、一定の応対品質を保つこと
特に確認する点アカウント作業を任せる範囲と、管理者権限の扱い顧客の個人情報の扱いと、一次受付で止めるのか、回答まで任せるのか

ヘルプデスクBPOで委託できる業務|受付から報告までの流れと、社内に残す判断

ヘルプデスクBPOで委託できるのは、問い合わせの受付と一次回答、記録、報告、アカウント作業などの定型の対応です。

博報堂コンタクト&ロジスティクスの解説は、ヘルプデスクのBPOで委託できる業務として、製品やシステムに関する問い合わせ対応、FAQの管理、問い合わせ履歴のナレッジとしての記録、ユーザーアカウントの管理、リモートデスクトップ(遠隔操作)によるサポート、バージョンアップに関する一連の業務、ユーザートレーニングを挙げています。(出典:株式会社博報堂コンタクト&ロジスティクス)

社内向けの具体例として、ctcの解説は、対応する業務を「操作問い合わせ」「不具合対応」「システム作業代行」の3つに分けています。操作問い合わせはパソコンやOffice製品、ブラウザ、プリンターの操作、不具合対応は端末のエラーや電源が入らないトラブル、不具合端末の交換手配、システム作業代行はアカウントの作成・変更・削除、パスワードの初期化、権限設定の変更、再起動などです。運用の流れは、問い合わせをフォーム、メール、チャットで受けてチケットとして一元管理し、マニュアルや社内資料に該当があれば即時に回答し、該当がなければ情報システム部門へエスカレーションするというものです。(出典:中部テレコミュニケーション株式会社)次の表は、この流れを、委託先と社内の役割に分けて整理したものです。

ステップやること主に担う側決めておくこと
1. 受付フォーム、メール、チャット、電話の問い合わせをチケットなどで一元管理する委託先受付の手段と受付時間
2. 一次回答マニュアルや社内資料に該当があれば、その場で回答する委託先回答に使ってよい資料の範囲
3. エスカレーションマニュアルにない事象や判断が要る事象を、社内の担当者へ渡す社内が判断渡す条件、連絡先、連絡の手段
4. 作業代行アカウントの作成・変更・削除、パスワードの初期化などを行う委託先(手順は社内で決める)依頼者の本人確認、承認者、作業の記録
5. 記録・報告対応の履歴を残し、件数と内容を定期的に報告する委託先報告の頻度と、見る人
6. ナレッジ更新対応の履歴をマニュアルやFAQに反映する委託先と社内で分担更新の責任者と反映の頻度

表の「主に担う側」は、ctcの運用フローを例に整理した目安です。事業者によって、作業代行の有無や、報告の形は異なります。

委託しても、社内に残る仕事があります。コネクシオ株式会社の解説は、外部に委託する場合でも、しっかりとした対応マニュアルと、最低限、委託先の管理を行うスタッフは必要になると述べています。(出典:コネクシオ株式会社 MWPオンライン)また、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版は、業務の一部を外部に委託して重要な情報を提供する場合、情報が漏えいしたときに、それが委託先の不備であっても、委託元としての管理責任を問われると説明しています(15ページ)。(出典:IPA 中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版)社内に残す仕事として、次の3つを先に決めておくと、委託後の混乱を減らせます。1つ目は、委託先の対応を確認し、改善を求める管理の担当です。2つ目は、マニュアルにない事象や例外を判断する担当です。3つ目は、アカウントの発行や権限の付与を承認する担当です(この3つは、上の出典をもとにした本記事の整理です)。情シス業務全体の線引きは、情シス アウトソーシングとはで詳しく整理しています。

ctcのプランは、月の問い合わせ件数の目安と、作業代行のチケットの枚数で段階が分かれています。このように、月の件数の目安でプランを分ける設計では、一定の件数がある会社が想定されています。従業員が少なく、専任のヘルプデスクを置くほどの件数がない会社は、パソコンやネットワークの相談を、まとめて外部のサポートサービスに頼む形も選べます。資料で、サービスの範囲と、対象となる台数を確かめておくと、社内の稟議や比較の材料になります。

パソコンやITの相談を、まとめて外部に頼みたい会社に

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ヘルプデスクBPOのメリットとデメリット|委託する前に知っておくこと

ヘルプデスクBPOのメリットは担当者の負担軽減と対応の標準化、デメリットは情報漏えいのリスクと準備の手間です。

次の表は、各社の公開コラムで挙げられている点を、メリットとデメリットに分けてまとめたものです。どの項目も、委託すれば自動で得られるものではなく、準備と運用しだいで結果が変わります。

区分内容どの解説で挙げられているか
メリット問い合わせ対応から解放され、システム企画、IT戦略、DX推進などの本来の業務に時間を使えるctc
メリット対応の履歴を共有し、マニュアル化と業務フローの標準化を進めることで、担当者によるばらつき(属人化)を抑えられる博報堂コンタクト&ロジスティクス、ctc
メリット新たに人を雇う人件費や、教育にかかるコストを抑えられる博報堂コンタクト&ロジスティクス
メリット問い合わせの件数や内容を月次レポートで見られ、システム改善や環境整備の参考にできるctc
デメリット利用者の個人情報や社内の機密情報を委託先に渡すため、情報漏えいのリスクが高まる博報堂コンタクト&ロジスティクス
デメリット利用者と直接接する機会が減り、ニーズや温度感をつかみにくくなる(共有してもらう項目を決める必要がある)博報堂コンタクト&ロジスティクス
デメリット製品知識の伝達や、マニュアルの整備など、委託前の準備と、委託先を管理する担当が必要になる博報堂コンタクト&ロジスティクス、コネクシオ
デメリット従量課金の場合、問い合わせが増えるほど費用も増え、問い合わせを減らす動機が働きにくい株式会社DTS

出典は、博報堂コンタクト&ロジスティクス、ctc、コネクシオ、株式会社DTSの各解説です。いずれも事業者自身が公開しているコラムで、自社のサービスを案内する意図を含みます。そのため、表の内容は、委託先を選ぶときに確かめる論点として使い、効果の保証とは受け取らないでください。

デメリットのうち、委託後に気づきにくいのは、利用者の声が見えにくくなることです。月次レポートに、問い合わせの件数だけでなく、多かった内容と、新しく出た質問を含めてもらうと、窓口を手放しても、現場の困りごとをつかめます。件数の少ない会社は、専用の窓口を置くよりも、パソコンやネットワークのサポートサービスのほうが、費用と手間の面で合うことがあります。

ヘルプデスクBPOの費用の決まり方|件数・時間帯・チャネル・作業代行

ヘルプデスクBPOの費用は、問い合わせの件数、受付時間、チャネル、作業代行の有無などで決まり、金額は事業者ごとの見積りになります。

株式会社DTSの解説によると、価格メニューには月額固定費と、問い合わせ件数に応じて課金する従量課金の2つがあり、従量課金の形態が多いと述べられています。また、ほとんどの提供会社が価格表を公開せず、都度見積りになっている一方で、ネット上で簡単にシミュレーションできるサービスを提供する会社もあると書かれています。(出典:株式会社DTS)ctcのプランは、問い合わせ件数の目安、マニュアル修正の件数、作業代行のチケットの枚数で、段階が分かれています。(出典:中部テレコミュニケーション株式会社)金額は事業者ごと、時期ごとに変わるため、本記事には書きません。相場や料金体系の詳しい整理は、サービスデスク・ヘルプデスクの外注費用相場を参照してください。

見積りを依頼するときは、次の項目をそろえて伝えると、複数の事業者の見積りを同じ条件で比べやすくなります。

費用に影響する条件確認すること
問い合わせの件数月の件数と、繁忙期との差。従量課金の場合は、件数が増えたときの扱い
受付時間平日の日中だけか、土日祝や夜間も含めるか。追加の受付時間がオプションになるか
チャネル電話、メール、チャット、フォームのどれを対象にするか
対応範囲操作の案内だけか、アカウント作業などの作業代行まで含めるか
初期の立ち上げマニュアルの整備、初期設定にかかる費用や期間の有無
報告と改善月次レポートの内容、報告会の回数、マニュアルの修正の件数

社内で使っている時間を、先に数字にしておく

見積りの金額が高いか安いかは、社内で今どれだけの時間を使っているかと比べないと判断できません。次の求め方で、月の対応時間を出しておくと、委託の効果を考える土台になります。

月の対応時間は、月の問い合わせ件数に、1件あたりの平均対応時間(受付から記録まで)をかけて求めます。

たとえば、月60件で、1件あたり平均20分かかっているなら、月20時間です(仮の数字の例です)。実際の件数と時間は、過去3か月の問い合わせの記録から出してください。記録がない場合は、1週間だけ、受けた問い合わせの件数と、かかった時間をメモするだけでも目安になります。

費用を下げるには、問い合わせそのものを減らす

DTSの解説は、従量課金の場合、問い合わせが増えるほど費用も増えるのに、提供会社は問い合わせを減らす努力をしにくいという問題を指摘しています。そのうえで、FAQシステムなどを併用して、従業員が問い合わせる前に自己解決できる仕組みを持つと、件数と費用を抑えやすいと述べています。(出典:株式会社DTS)ctcの解説も、対応の履歴をもとにマニュアルを改善し、従業員自身による自己解決を促すことで、問い合わせ件数そのものの削減につなげるとしています。(出典:中部テレコミュニケーション株式会社)契約では、委託先がFAQやマニュアルの更新をどこまで担うのかを決めておくと、費用が件数だけに比例する形を避けやすくなります。業務の見直しの考え方は、ヘルプデスク業務を改善するにはでも整理しています。

ヘルプデスクBPOの選び方|比較する6つの観点

ヘルプデスクBPOの委託先は、対応範囲、体制と品質、受付時間とチャネル、料金メニュー、ナレッジの扱い、セキュリティと報告の6つで比べます。

DTSの解説は、比較のポイントとして、オペレーターの対応能力、価格メニュー、対応できる業務分野、対応できるチャネルの4つを挙げています。(出典:株式会社DTS)博報堂コンタクト&ロジスティクスの解説は、委託先の選定で、実績、応対品質のレベル、セキュリティ体制、ノウハウを共有してもらえるかを条件に加えることを勧めています。(出典:株式会社博報堂コンタクト&ロジスティクス)これらを整理し、見積りや公式ページで確かめる形にまとめたのが次の表です。

観点確認すること確かめ方
1. 対応範囲と対象外操作の案内、不具合の切り分け、作業代行、社内のIT以外(人事・総務の手続き)のどこまで対応するか。対象外の業務は何か公式ページの対応業務一覧と、契約書の業務範囲
2. 体制と品質提供会社の母体(ITベンダー系など)、オペレーターの教育、導入事例で選ばれた理由。オペレーターと直接面談できるか導入事例、面談の可否、見積りの打ち合わせ
3. 受付時間とチャネル平日の日中だけか、土日祝や夜間も対応するか。電話、メール、チャット、フォームのどれに対応するか見積り依頼で、自社の運用に合う時間とチャネルを伝える
4. 料金メニュー月額固定か従量課金か。件数が増えたときの扱い。初期の費用と、オプションの範囲同じ条件(件数・時間・チャネル)で複数社の見積りを取る
5. ナレッジの扱いマニュアルとFAQの整備と更新を誰が担うか。AIによる自動回答やFAQシステムの併用ができるか契約書の業務範囲と、更新の責任者の記載
6. セキュリティと報告個人データや管理者権限の扱い、再委託の有無、インシデント時の連絡。月次レポートと報告会の内容次の章の確認点と、サンプルのレポート

ctcの解説やDTSの解説は、AIによる自動応対と有人対応を組み合わせる形を紹介しています。よくある問い合わせはAIが回答し、マニュアルにない非定型の相談や、機器の交換などの物理的な作業は人が対応するという分担です。AIの回答がどこまで正確か、誤った回答のときに誰が責任を持つかは、事業者ごとに違うため、観点5と6であわせて確認してください。

対応範囲は、サービス名ではなく、公式ページの業務一覧で確かめるのが確実です。たとえば電話の窓口を代行するサービスには、受ける電話の一次受付は任せられても、電話をかける業務や、契約・価格の判断は対象外というように、範囲が決まっているものがあります(本記事の後半で一例を紹介します)。同じ問い合わせ窓口でも、委託できる範囲が違うことを前提に比べてください。BPO全般の考え方は、BPOの意味とはで整理しています。

ヘルプデスクBPOを始める前の準備|問い合わせの棚卸しから見直しまで

ヘルプデスクBPOを始める前には、問い合わせの棚卸し、仕分け、整備、立ち上げ、見直しの5つのステップで準備します。

ステップやること確認の仕方
1. 棚卸し過去3か月の問い合わせを、件数、内容、対応にかかった時間で書き出して分類する記録がなければ、1週間分のメモから始める
2. 仕分け委託する(定型でマニュアル化できる)、社内に残す(判断や例外)、減らす(FAQで自己解決できる)の3つに分ける件数の多い上位の問い合わせから仕分ける
3. 整備マニュアルとFAQ、エスカレーション先と連絡手段、アカウント作業の手順と承認者、依頼者の本人確認の方法を文章にする担当者の頭の中にしかない手順を、先に書き出す
4. 立ち上げ試行の期間を置き、委託先の回答、記録、報告の形式を確かめてから、本格的に切り替える準備期間と、立ち上げ時に必要な社内の作業を、契約前に確認する
5. 見直し月次レポートで多い問い合わせを見て、マニュアルとFAQを直し、委託する範囲も見直す定例の報告会で、改善の担当者と期限を決める

準備にかかる期間は、サービスによって違います。たとえば電話の一次受付を代行する電話代行サービス株式会社の商品ページには、導入までに約2-10営業日の準備期間が必要で、業務内容の整理や運用ルールの設定が必要と書かれています。専任の窓口を置く形の委託では、ほかにも、マニュアルの整備や、業務フローの設計が必要になるため、準備にかかる期間は、見積り時に確かめてください。

ctcの解説は、マニュアルやナレッジ化されていない事象は、情報システム部門との密な連携で解決すると説明しています。(出典:中部テレコミュニケーション株式会社)つまり、最初からすべてのマニュアルがそろっている必要はありません。ただし、どこまでをマニュアル化済みとして任せ、どこからを社内に渡すのかは、立ち上げ前に決めておく必要があります。

次のセルフチェックで、委託する前の準備が足りているかを確かめましょう。

ヘルプデスクを任せる前の準備、足りていますか?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

委託する前に確認すること|指示の出し方・個人データ・権限

ヘルプデスクを任せる前には、委託先への指示の出し方、個人データの監督、アカウント作業の権限管理の3点を確認します。

本章は一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。個別の契約や取引については、弁護士などの専門家に確認してください。契約の類型(請負、準委任、派遣)や、委託先管理の全般は、情シス アウトソーシングとはとBPO契約とはで整理しているため、ここではヘルプデスクの委託で特に確認する点に絞ります。

指示の出し方|委託先の担当者へ直接指示を出さない

請負の形で業務を委託する場合、発注者が委託先の担当者に直接指示を出すと、偽装請負にあたることがあります。厚生労働省の疑義応答集(問11)は、請負業務の内容に日常的に軽微な変更が発生する場合でも、発注者が請負労働者に直接変更を指示することは偽装請負にあたると答えています。一方で、発注者から請負事業主に対して、変更に関する説明や指示をしていれば、特に問題はないとしています。(出典:厚生労働省 37号告示関係疑義応答集、解説ページ)ヘルプデスクの運用でも、手順の変更やマニュアルの更新は、委託先の責任者に伝え、委託先の担当者への連絡は、委託先の責任者を通す運用にしておくと、偽装請負と判断されるリスクを避けやすくなります。ただし、契約が請負か、準委任か、実態がどうかで判断は変わります。個別の運用は、専門家に確認してください。

個人データ|委託先の監督は委託元の責任

従業員や顧客の個人データを含む問い合わせを委託する場合は、個人情報保護法に基づき、委託先に対する必要かつ適切な監督が必要です。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、委託先の安全管理措置が、委託元に求められる水準と同等であることをあらかじめ確認すること、委託契約に、安全管理措置と、委託先での取扱状況を委託元が合理的に把握することを盛り込むことが望ましいこと、定期的な監査などで取扱状況を把握し、委託の内容の見直しも含めて評価することが望ましいことを示しています。委託先が再委託する場合は、再委託の相手方や業務内容について、事前に報告を受けるか承認を行うことが望ましいとも書かれています。(出典:個人情報保護委員会 個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編))IPAのガイドラインも、委託先に重要な情報を提供する場合は、委託先がどのような情報セキュリティ対策を行っているかを考慮し、契約書に委託先の責任や実施すべき対策を明記して合意する必要があると述べています(15・17ページ)。(出典:IPA 中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版)

権限|アカウント作業を任せるときの決まり

社内向けのヘルプデスクでは、パスワードの初期化やアカウントの作成・変更・削除を、委託先が代行することがあります。ここで管理が甘くなると、不正アクセスの入口になりかねません。IPAのガイドラインは、ユーザーIDと、管理者権限を持つ管理者IDについて、発行から削除までを管理するプロセスを定めて、必要最小限の割り当てにすること、共有IDはなるべく使わず、やむを得ず使う場合は利用したユーザーを特定できる仕組みを整えることを挙げています(31ページ)。また、取引先との契約終了時には、機密性の高い情報とアクセス権などを回収または破棄すること、インシデントが発生したときの通知義務と連絡先を文書化し、役割分担と連絡体制を相手先と合意しておくことも示しています(39ページ)。(出典:IPA 中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版)

これらを、ヘルプデスクの委託に当てはめると、契約前に決めておく項目は次のようになります(IPAのガイドラインをもとにした、本記事の整理です)。

決めておくこと内容の例
作業の範囲と承認アカウント作業のうち、委託先が実行する作業と、社内が承認する作業の線引き
管理者権限の扱い管理者権限を渡すかどうか、渡す場合の範囲と期間、操作の記録の取り方
依頼者の本人確認パスワードの初期化などを依頼した人が、本人であることを確かめる方法
契約終了時の回収契約が終わったときの、アクセス権と、渡した情報の回収または破棄の手順
インシデントの連絡漏えいや不正アクセスの疑いが出たときの、通知の期限と連絡先、役割分担

顧客向けヘルプデスクの一次受付を外に出す場合

顧客や取引先からの電話は、一次受付と取次ぎだけを外に出し、技術的な回答や契約の判断を自社に残す形もあります。

社外向けのヘルプデスクは、製品の使い方や不具合、申込、資料請求など、顧客とのやり取りがそのまま会社の印象につながります。コールセンター全体の設計や、問い合わせ業務の委託の範囲は、BPO対応とはで詳しく整理しています。ここでは、電話の一次受付に絞って、外に出す場合の一例を紹介します。

電話の一次受付を外に出す場合の一例が、電話代行サービス株式会社の「電話代行・コールセンター代行サービス」です。商品ページでは、業種や運用方針に応じて、電話応対の方法や案内文言、報告方法を個別に設定できるオーダーメイド型であること、24時間365日の対応が可能で時間帯も柔軟に設定できること、電話の内容がメールやチャットで共有されることが紹介されています。公式サイトによると、コールセンター代行は、問い合わせ窓口の運営、資料請求や申込の受付、顧客サポート窓口、担当部署への取次ぎ、受電内容の報告に対応しています。顧客サポート窓口では、操作方法や契約確認、不具合に関する相談について、FAQに沿った一次対応と、適切な部署への取次ぎを行います。(出典:電話代行サービス株式会社 コールセンター代行で対応可能な業務)一方で、電話をかける架電業務や営業代行、契約・価格交渉などの判断には対応していません。注意したい点として、商品ページには、導入までに約2-10営業日の準備期間が必要で、業務内容の整理や運用ルールの設定が必要と書かれています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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同社の導入事例では、中古車買い取り事業者が、新規問い合わせと査定依頼の電話受付を任せた経緯を、次のように述べています。

新規問い合わせと査定依頼の対応を電話代行サービス(株)さんにお願いしました。

出典:電話代行サービス株式会社 コールセンター代行の導入事例

同じ事例ページでは、受電の一次対応を外に出したことで、自社のコールセンタースタッフが査定とお客様フォローに注力できたと述べられています。

電話の一次受付を任せる場合も、前の章までの考え方は変わりません。事前の打ち合わせで、次の4つを決めておくと、運用が安定しやすくなります。

決めること内容の例
答える範囲FAQに載っている内容だけを答えるのか、どこまで案内するのか
取り次ぐ条件どんな内容を、どの部署のどの担当者に、どの手段で渡すのか
報告の形受電の内容を、メールやチャットのどれで、どの項目で共有するのか
対象外の扱い架電業務、営業代行、契約・価格交渉の判断など、委託先ができない業務を、社内の誰が担うのか

技術的な回答や、返金、契約の判断が必要な問い合わせは、委託先から社内の担当者に渡す設計にします。一次受付で全部を完結させようとせず、渡す条件を先に決めておくと、顧客を待たせる時間も短くなります。顧客からの電話が本業の合間に何度も入り、仕事が中断している場合は、一次受付だけを外に出す方法から検討してみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q1. BPOヘルプデスクとは何ですか?

A. 従業員や顧客からの問い合わせ対応(ヘルプデスク)を、BPOとして外部の専門事業者に任せる仕組みです。受付と一次回答だけでなく、記録、報告、マニュアルの更新まで含めて任せる形があります。社内向けと社外向けがあり、委託できる範囲は事業者ごとに決まっています。

Q2. ヘルプデスクの仕事内容は何ですか?

A. 利用者の問い合わせを受け付け、マニュアルに沿って回答し、解決できないものを担当部署へ渡し、対応を記録して報告する仕事です。社内向けでは、パスワードの再設定やパソコンの操作の案内、アカウント作業なども含まれます。仕事内容やスキルの詳細は、ヘルプデスクとはで整理しています。

Q3. 社内ヘルプデスクの仕事はきついですか?

A. 一概には言えません。博報堂コンタクト&ロジスティクスの解説は、人手不足で業務負荷が高いこと、いつどの程度問い合わせが入るか読みにくいこと、属人化していることを、ヘルプデスクの課題として挙げています。こうした課題は、体制や委託の有無で変わります。「やめとけ」と言われる理由は、ヘルプデスクとはでも取り上げています。

Q4. ヘルプデスクBPOで、どこまで委託できますか?

A. 事業者によって違いますが、受付、一次回答、記録、月次の報告、アカウントの作成や変更、パスワードの初期化などの作業代行が例です。マニュアルにない事象や判断が必要な事象は、社内の担当者へ渡す形が一般的で、委託先の管理と権限の承認は社内に残ります。

Q5. ヘルプデスクBPOの費用は、どう決まりますか?

A. 問い合わせの件数、受付時間、チャネル、作業代行の有無、初期の立ち上げ、報告の内容などで決まります。月額固定と従量課金の2つの形があり、金額は事業者ごとの見積りです。相場や料金体系は、サービスデスク・ヘルプデスクの外注費用相場で整理しています。

Q6. 委託を始める前に、何を準備しますか?

A. 過去の問い合わせを件数と内容で分類し、委託する業務、社内に残す業務、減らす業務に仕分けます。そのうえで、マニュアルとFAQ、エスカレーション先、アカウント作業の承認者と本人確認の方法を整理し、個人データと管理者権限の扱いを契約で決めます。

まとめ|BPOヘルプデスクを始める前に押さえる5つのこと

BPOヘルプデスクとは、従業員や顧客からの問い合わせ対応を、記録や報告まで含めて外部の専門事業者に任せる仕組みです。次の5つから、取り組みやすいものを選んで確認してください。

  1. 窓口の種類を決める:社内の従業員向けか、顧客や取引先向けかで、委託先に求めることと、確認する点が変わる
  2. 業務を仕分ける:受付、一次回答、作業代行は委託先に、マニュアルにない事象の判断、権限の承認、委託先の管理は社内に残す
  3. 条件をそろえて比べる:対応範囲と対象外、体制、受付時間とチャネル、料金メニュー、ナレッジ、セキュリティと報告の6つで、同じ条件の見積りを比べる
  4. 準備を整える:過去の問い合わせの棚卸し、マニュアルとFAQ、エスカレーション先、アカウント作業の承認者を先に決める
  5. 資料で確かめる:社内の相談窓口にはDr.オフィスSystan、顧客からの電話の一次受付には電話代行・コールセンター代行サービスの資料で、対応範囲を確認し、自社に合う進め方を検討する

ヘルプデスクを外に出す目的は、担当者を問い合わせから解放して、本来の仕事に戻すことです。まずは、過去3か月の問い合わせを書き出し、件数の多い上位の問い合わせから、委託できるかどうかを仕分けるところから始めてみてください。

参考文献

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